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2020年3月23日 (月)

ペトラ・リネッカーpetra linecker 「Warm Embrace」

温かみの世界を狙った・・女性ヴォーカルとピアノとのデュオによる秀悦作品

<Jazz>

Petra Linecker & Martin Gasselsberger 「Warm Embrace」
ATS Records / Eu / / 2019

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Petra Linecker (vo)
Martin Gasselsberger (p)

 世界の美女狩りを得意とする我が友人から紹介のあったアルバムである。 
 オーストリアの女性ヴォーカリスト、ペトラ・リネッカーとピアニスト、マーティン・ガッセルスベルガーのデュオ作品。私にとっては全くの初物であるが、彼女は既にオーストリアではベテランであるようだ。
 とにかく"リネッカーの美しく透明感に富みながら深みと情感あふれたヴォーカル"がどうも売り物のようで、ピアノとのデュオでたっぷり聴くことが出来る。アルバム・ジャケのデザインからして並の世界でなさそうな雰囲気が伝わってくる。

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(Tracklist)
Image2_20200322094201 1. Warm Embrace *
2. Over the Rainbow
3. Lullaby of Birdland
4. The Nearness of you
5. I can't stand the Rain
6. Imagine
7. Georgia on my Mind
8. Honeysuckle Rose
9. In Heaven's Spaces *
10. On a clear Day *
11. Everything must change
12. Wrong way round *
13. Anxious Moments *

 収録曲は上のようで、*印がオリジナル。M1."Warm Embrace "は彼女自身の曲で、残るはこの二人による共作となっている。そしてその他はかなり広いジャンルからの選曲だ。
 インティメイトと表現される世界で、冒頭M1.から静かなピアノをバックに、優しい彼女のヴォーカルが響く。どうも歌詞をしっかり理解しないといけなそうな世界だ。
 M4."The Nearness of you"を聴いても解るのだが、このマーチン・ガッセルスベルガーのピアノが又クラシックに裏打ちされたと思われる知的でクラシカルな響きが秀悦である。
2176454_xxlw_20200323204101  一方M5."I can't stand the Rain "となると一変してブルージーなジャズをしっかり演じているところもあってなかなかキャリアーのあるシンガーであることがわかり、そしておなじみのM6. "Imagine "、M7."Georgia on my Mind"は、ぐっとしっとりムードで歌い上げ、心に響いてくるところは芸達者。
 リズムカルなM8."Honeysuckle Rose "に続いて、二人の共作M9."In Heaven's Spaces "は一変してフォーキーにしてトラディショナルなムードの曲で、ヴォーカルやソロピアノも美しく、この世界に安らぎを求めたような普遍性の世界。
 更にM11."Everything must change "はこのデュオの世界観を凝縮したような尊大なる思想が感じられる素晴らしい演奏。そして二人共作のM13."Anxious Moments"の二人のヴォーカル・デュオも入ったトラディッショナルな世界で幕を閉じる。

 なかなかジャズ世界としては珍しいインティメイトな心洗われる世界を構築していて好感の持てるアルバムとして、お勧めである。

(評価)
□ 曲・歌・演奏  ★★★★★☆  90/100
□ 録音      ★★★★☆   80/100

(視聴)

 
 

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コメント

いや、ヒーリング、癒される歌声ですね。

投稿: 爵士 | 2020年3月23日 (月) 23時26分

爵士さん、こんにちわ、コメントどうも有り難う御座います。
ジャズ畑も広いと言えば広いですね。こうしたアルバムもあるんですね。カレン・ソウザとは対照的ですね。^^)

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2020年3月24日 (火) 18時03分

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