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2020年4月24日 (金)

ティグラン・ハマシアンTigran Hamasyan 「They say Nothing Stays the Same(ある船頭の話)」

ハマシアン映画音楽に初の挑戦・・・ピアノ・ソロを中心に

<Jazz>

Tigran Hamasyan 「They say Nothing Stays the Same (ある船頭の話)」
SEEBEDON Records / JPN / SBD1001 / 2020

Tigranblog

Tigran Hamasyan (p)

  ティグラン・ハマシアンが映画音楽を手掛けた映画邦題『ある船頭の話』のオリジナルサウンドトラック集である。アルバム・タイトルは「They Say Nothing Stays the Same」だ。彼が言うには「この音楽は旅と共に生まれました。アルメニアの僕の家から始まり、イギリス、エルサレム、テル・アビブ、マドリッド、そして、最後に僕の両親の住むロサンゼルスの家で完成した」と言うことのようだ。その経過はオダギリジョー監督から直々にオファーされ、脚本に深い感銘を受け、自身初となる映画音楽を担当することになったと言うこと。今回のアルバムについてハマシアンは「この映画のための音楽制作の過程と、その一瞬一瞬は、どれも忘れられないものでした。僕にとって、とても創造的な制作で、またジョーさんとの共同作業も素晴らしい体験でした。」とコメントしている。

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Tigranh3 (Tracklist)

1.The Boatman (Prelude)
2.The River
3.Toichi's Life
4.Changing Time 1
5.Deconstructed Image 1
6.The Boatman (Interlude)
7.The Sacrifice 1
8.The Ghost
9.Underwater 1
10.Changing Time 2
11.Deconstructed Image 2
12.Underwater 2
13.The Sacrifice 2
14.Processional
15.Into the Forest
16.Changing Time 3
17.The Sacrifice 3
18.The Boatman (Postlude)

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 私は映画は観てないのだが、オープニングにこのM2."The River"が流れ、そしてM1, M6, M18の"Boatman"(Prelude, Interlude, Postlude)が、全編を通して流れる主題の曲のようだ。この2曲は静かな心の世界を描いてくれるような美しいピアノの音とメロディーが、余韻を大切にして流れる曲である。
 全曲、主たるはハマシアンのソロピアノによって演じられているが、曲によってシンセやエレクトロ楽器の音も入る(M4."Changing Time"、 M8."The Ghost"など)。
 とにかく自然の中に深遠な世界を築くが如く美しい静かなメロディーが流れる。人の心の深層に迫るピアノの響きは素晴らしい。それは曲自身は短調で出来ているようであり、アルメニアにはこんな落ち着いた深いメロディーがあるのかと、驚きながらも映画のシーンの画像にみる日本のある山奥の村になんの違和感が無いのが不思議でもある。

 とにかくこの映画のオダギリジョー監督から直々にオファーされ、自身初となる映画音楽を担当したハマシアンは、かなりの意欲を持って曲を創造し演奏したようだ。それには彼自身のこの映画に描かれる世界と自己の世界とに共通点がどこかにあった為だろうと推測するのだ。

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◇ (映画) 「ある船頭の話」の紹介 ◇ (ネットにみるものの転載)
P_kawashima  「平成」から「令和」に変わる今、文明の波や時代の移り変わりに直面した山奥の村を舞台に「本当に人間らしい生き方とは何か」を世に問う問題作として注目されている。
 主人公の船頭トイチを演じるのは名優・柄本明。ヒロイン役には川島鈴遥。そして村人・源三役には、若手村上虹郎が出演。
 橋の建設と川上から流れてきた少女が、静謐だった船頭の日々を変えていくという筋立て。
 近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく変化をみせることになる。
脚本・監督:オダギリ ジョー
出演:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎/伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優/笹野高史、草笛光子/細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功
撮影監督:クリストファー・ドイル
衣装デザイン:ワダエミ そして音楽がティグラン・ハマシアン

(評価)
□ 曲・演奏  ★★★★☆ 85/100
□ 録音    ★★★★☆ 80/100

(視聴)

 

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