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2020年5月24日 (日)

ジェニファー・ウォーンズ Jennifer Warnes 「Another Time, Another Place」

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(今日の一枚)  我が家に咲くエゴノキの花
       Sony α74RⅣ, FE4/24-105 G OSS, PL

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ソフトにマイルドに優しくフォーク、カントリー調の世界
~~~18年ぶりのスタジオ・アルバム

 

<Folk, Country-and-Western>

Jennifer Warnes 「Another Time, Another Place」
IMPEX / US / IMP8317 / 2019

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Jennfer Warnes : Vocals

81gqtkgtpul850   とにかく18年ぶりのスタジオ・ニュー・アルバムですから、まあシェニファーが健在であったことをまず喜ぶべきでしょう。前作『The Well』(→)は傑作というよりは既に記念碑的取り扱いで、ここで取り上げてたのは2001年のこのアルバムの2009年リニューアル再発のGold Editionがリリースされた頃であった。あのアルバムはフォーク、カントリーをベースに、ブルース調の曲、更にトラディショナルに至るまでカヴァーして、彼女の総集編的なもので文句の付けようのないモノだった。
 ところが昨年驚きの70歳代の彼女が、ヴォーカルをこなしてのニュー・アルバムをリリースしたのである。そんなところから我が友人がそれは見落とせないと私に紹介したわけである。そうなれば、当然ここで考察しておこうというところとなった。

 そして注目しておきたいのは、ここに彼女の長年の友の一流ミュージシャンが参加している。彼女にぴったりついてのバックにギターの名手、ディーン・パークス、そしてベーシストのエイブ・ラボリエル、ペダル・スティールのグレッグ・ライズ、ドラマーのヴィニー・カリウタ、さらにパーカッショニストのレニー・カストロ、バック・コーラスにはブロンディ・チャップリン、そしてブルース・ギタリストのソニー・ランドレスなど、所謂ヴェテラン陣が協力・参加しての名を連ねての祝賀盤の気配だ。

Image_20200524193701   更に、彼女はレナード・コーエンとの関係も重要だが、かってのアルバム『Famous Blue Raincoat』(→)ではコーエンのトリビュート・アルバムでヒットしたのだったのだが、そのコーエンのバンドメンバーであった友人のロスコー・ベックが、共同プロデュースという形でに協力している。

(Tracklist)
01. Just Breathe
02. Tomorrow Night
03. Once I Was Loved
04. So Sad
05. I See Your Face Before Me
06. I Am The Big Easy
07. The Boys And Me
08. Back Where I Started
09. Freedom
10. Why Worry

  ゆったりとしたテンポのフォーク、カントリー調の曲が中心。アコースティックな演奏をバックに彼女は一曲一曲慈しむように丁寧に歌い上げている。しかし声では年齢は解らない、刺激のないソフトにして美声の癖のない歌声は健在。いやはや70歳を超えたお婆ちゃんとはとても思えない。古き良きアメリカ音楽の遺産とも言える曲を伝えてくれる心地よい作品。アルバムジャケットのイメージどおり、昼下がりのテラスに腰掛けて、カセットテープ・プレイヤーを横に置き、ゆったりとした世界が伝わってくる。

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 アルバムのレコーディングはテキサス州オースティンで行われ、幅広いジャンルから名曲をえりすぐってのカヴァーしたと言う。ロスコーとともに、30から50曲に亘る候補の中から選んだ結果らしい。
 オープニングのパール・ジャムの曲M1."Just Breathe"が良いですね、往年の彼女が思い出されます。
 そして最後はマーク・ノップラーのM11."Why Werry"で締めくくっているんですが、アコースティック・ギターの響きの中に、これぞ優しさと癒やしの究極の姿ですね。
7d4a5ff7ad6c56d13bebddec0f344aea  とにかく、古き良き仲間と再会しながら演奏し歌い上げた古き良き時代を想い起こすべく造られたアルバムであって、現代の再び歪み始めた時代に何か教訓らしい気持ちにもさせるところがニクイと言えるアルバムであった。
 歌うために戻ってきたと言う彼女のプロらしさに、なにはともあれ喝采したい。

(評価)

□ 選曲・演奏・歌  85/100
□ 録音       80/100

(試聴)

 

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