[デジタル・カメラ改造] フルスペクトラム(Full Spectrum)カメラの世界
フル・スペクトラム・カメラFull Spectrum Camera の多機能の一つ
・・・・・「赤外線(infra red)写真」
1 (初夏の景色)
2 (初夏の樹木と空)
この二枚は赤外線写真です。緑の木々は冬の雪の着いたような「白」に写る。そして青い空は「黒」、雲は「白」と異様な世界となる。こうしたモノクロ写真はそれなりにかっては愛されたのだが、カメラがフィルムからデジタルとなった現在、デジタル・カメラでは殆ど赤外線写真を撮るのは大変(困難)になった。
それは現在のデジタル機のセンサーは、本来、近紫外線から可視光、近赤外線の短波長部分までの領域にわたって感度がある。光の波長で約300 nm から 1000 nm位までの範囲です。可視光の波長範囲(400nm - 700 nm)に比べ、非常に広い波長に感光します。しかし紫外線や赤外線などの有害光線まで写ることは、赤みを帯びた異様な色の写真になる。それで普通のデジタルカメラには、センサーの前にローパスフィルター、そしてその上にブルーの有害光線除去フィルターを装着してある。これにより我々の目に見える世界がカメラで写し取ることが出来る。しかしこれは赤外線を殆どカットしてしまうので赤外線写真は簡単には撮れないことになる。
そこで、改造としてデジタル・カメラのセンサーの前にあるロ-パス・フィルター、有害光線除去フィルターを外して、無色透明なガラス・フィルターを付けると、全波長領域に渡って感度のあるカメラになる。これが「フルスペクトラム(full spectrum)カメラ」である。(上は、この改造をした私のSony α6000)
この「フルスペクトラム(full spectrum)カメラ」は、近紫外線から可視光、近赤外線の短波長部分までの領域に感度がある。光の波長では、可視光(400 - 700 nm) よりかなり広い約300 nm から 1000 nm位までの範囲と非常に広くなっている。そうすると、このカメラは多目的に対応できるようになり、一番はレンズの前に、赤外線のみを通すフィルター(IR760=760nm以下の波長カット)を付け、丁度初夏の今の時季に普通のカラー撮影すると下の(上)のような真っ赤な赤外線写真になる。それをモノクロ写真感度とすると昔のフィルム時代のモノクロの赤外線写真と同様な写真(下の(下)=まるで冬景色ですね)が撮れるようになるんです。(レンズでなくカメラのセンサーの前に赤外線フィルターを付ける方法もある=これは赤外線写真専門機になる)
こうしてデジタル機でも改造により赤外線写真を撮って楽しむことが可能になるのである。
さて、このフルスペクトル改造カメラは、一方天体観測によく使われるのだ。センサーの集光能力を100%発揮出来るので、夜空や天体撮影等でかなり有効な撮影が出来る。又、レンズの各種フィルターを使用して光の波長をコントロールする事で、通常のカメラ同様の「カラー写真」、更にこのような「赤外線写真」、そして「紫外線写真」の撮影にまで可能となるのである。好きな人は改造を試みたらと・・・思うのである。
█ ここで少々、「赤外線写真」を供覧します(↓) ( クリック拡大 )
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