大石 学 OHISHI MANABU TRIO 「飛翔」
(今日の一枚) 「初夏の高原にて」
Sony α7RⅣ, FE4/24-105 G OSS, PL
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貫禄の美旋律・叙情派を軸にトリオ・アンサンプルの妙も展開
<Jazz>
OHISHI MANABU TRIO 「飛翔」
月下草舎 / JPN / GEKKA 0006 / 2019
大石 学(p)
米木康志(b)
則武 諒(ds)
Recorded September 29/2018
Live at GEKKASOSHA
All Manabu Ohishi Composition
先日、今年リリースされた大石学ピアノ・トリオのニュー・アルバム『ONE NIGHT AT GEKKA』(GEKKA0007)をここで取上げたので、それに至る昨年リリースし好評であった同メンバーによるこのアルバム『飛翔 Hisyou』を、前後するがここに検証し記録しておく。
こちらは2015年に久々にトリオでリリースしたアルバム『JUST TRIO』(GEKKA0004)に続いて、4年の間をおいて当時からのメンバーによるトリオものである。このところの大石学のCD盤リリースに熱心な月下草舎よりお目見えし、非常に評価高く売れ行きも好調で、一般に手に入れがたい時もあったほどのもの。この月下草舎は山梨県小淵沢町にあるペンションだが、そこでのライブ録音盤である。
(Tracklist)
1.CRESCENT(大阪北新地)
2.Gemini
3.0607
4.CONTINUOUS RAIN
5.雨音
6.飛翔
7.Vanguard(気仙沼)
大石学の持ち味である詩情と優しさとが溢るる美旋律がやはり十二分に堪能出来るアルバムに仕上がっている。そんな叙情性がいっぱいであるが、それに止まらずジャズの歴史的に流れてきた醍醐味としてのトリオのアンサンブルの妙と躍動感という意味での曲は、このアルバム・タイトルにもなっているM6."飛翔"にて、ハイレベル技巧を駆使してジャズの楽しさも味合わせてくれる。
スタートのM1."CRESCENT(大阪北新地)"は、 静かなピアノとべースの音にブラシの音が流れ、優しさの大石トリオがまずお目見え。
M2."Gemini " 物思いにふける夜に・・・といった落ち着いたピアノ・ムードでスタート。バックは優しいシンバルとベース音。そして次第にピアノの流れは密度のある流れるような旋律を演じテンポを上げて盛り上がり、そして再び静かな世界に、最後は消えるように終わるところが洒落ている。
M3."0607" やや異色で、強打のドラムス・ソロからスタートし、変調してピアノがおもむろに登場し旋律を流し、ベースの水を得たような展開と相まって、ジャズをトリオで楽しむスタイル。
M4."CONTINUOUS RAIN "中盤の注目曲。しっとりの世界の最高峰だ。9分以上に演ずる世界はピアノとベースとの協調が聴きどころ。私の好きな世界。そして更に雨をテーマにM5."雨音"が続くが、こちらはリズムカルに流れるようなピアノで美意識を構築。
最後にM7."Vanguard(気仙沼)"が日本的なメロディーでしっとりと終わる。
トリオ・メンバーが固定して、おそらく三者による実質中身の充実も図られ、満を持しての2枚目のアルバムのリリースだ。登場する7曲中3曲は10分前後の長曲となり、アルバムを通して、大石の描く世界が十分堪能出来る素晴らしいアルバムとして聴いた。
(評価)
□ 曲・演奏 85/100
□ 録音 85/100
(参考視聴) "Continuous Rain" 別バージョン
(参考) 大石学のピアノ・ソロ・アルバムがリリース
Ohisi Manabu 「FAZIOLI F278 AGAIN」
北千住プロジェクト
(Tracklist)
1. Les Jardins
2. HANAUTA
3. Pleasure
4. Change
5. 令和の詩
6. ひまわり
7. 雨音
8. Peace
9. TOSCA
大石 学(p)
2020年1月12日 豊洲シビックセンターホール収録
かって澤野工房の録音で、イタリアのピアノ Fazioli(ファッチオリ)F278を弾いた大石学。そしてそのアンコール企画を「北千住プロジェクト」が企画し、10年後となる今年2020年1月12日に同じピアノがある豊洲シビックセンターホールで、ソロコンサートを開催した。演奏は、新曲2曲と" 雨音", " Peace", "TOSCA" などの代表曲と"ひまわり"など。その模様を収録したアルバムである。
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コメント
コロナだとか東日本大震災だとか起こると彼のピアノを聴きたくなります。癒しと希望ですね。
投稿: 爵士 | 2020年6月21日 (日) 13時07分
爵士さん、こんばんわ。
いつもコメントどうも有り難う御座います。
このところ大石ものが勢いありますね。9月には月下草舎でのライブが企画されていますが・・・実行されそうですね。とにかくコロナによる影響は多大でした・・・と、過去の話になれば良いのですが。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2020年6月21日 (日) 21時57分