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2020年7月28日 (火)

欧州ブルース・ロック歌姫 = ジョアンJoanne Shaw Taylor と イリア Erja Lyytinen

ギター・テクニック抜群で熱唱とソフトヴォーカルと・・・

 つい最近、ブログ友フレさんのブログで知ったこの歌姫二人、かなりレベルの高いギタリストにしてブルース・ロックを演ずるところは興味津々であった。なにせ、彼女らは欧州のブルース・ロッカーで、どのようにして育って来たのかとちょっと不思議に思いつつも、聴いてみるとなかなかそれぞれ魅力的であったので、ここに取上げた。

<Blues-Rock>

█ ジョアン・ショウ・テイラーJoanne Shaw Taylor 
  
CD「RECKLESS HEART」
  Sony Music / Import /SNY5948142 / 2019

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All Songs Written by Joanne Shaw Taylor

Joanne Shaw Taylor : Guitor , Vocals
Ron Otis : Drums , Percussion

James Simonson : Bass

Taylorjoanneshaw2w_20200728151901 (Tracklist)
1. In the Mood
2. All My Love
3. The Best Thing
4. Bad Love
5. Creepin'
6. I've Been Loving You Too Long
7. Reckless Heart
8. Break My Heart Anyway
9. New 89
10. Jake's Boogie
11. I'm Only Lonely

  彼女は英国出身のブルース・ロックを演ずるギタリスト、ヴォーカリストそして作曲者である。こうゆうのが英国でヒットするのはちょっと不思議な感あると思って、この3rdアルバム聴いてみたが、うーーん、これはブルース・ロックと言ってもややハードがかったロックですね。アルバム・タイトルのようにやや無謀な味付けのロック味を演じたのでしょう。ブルースっぽい味のある曲は M6."I've Been Loving You Too Long"、これはなかなかのもので、泣きギターも頂きだ。もともとはこの線で頭角を現してきたのではと思うのだが。
 彼女の声はちょっとハスキーっぽい、本来はもっとクリーンな声だと思うのだが、ブルース曲向きに作為的にスモーキー・ハスキー系に仕上げているのだろう。
 M10."Jake's Boogie"、M11."I'm Only Lonely"のスローな線は、味があって良い。やっぱりブルースが良さそうだ。
 いずれにせよ、ギターの腕前もなかなかでギブソンを使いこなして格好いい。今は米国に渡って活動しているようで、その結果が今回のアルバムの方向性に影響したのかと思うのだが、更にロックに磨きがかかったようだ。

CD+DVD「Joanne Shaw Taylor / SONGS FROM THE ROAD」
    Ruf Records / IMPORT / RUF 1197/ 2013

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  これは、CDに加えDVD映像付きのライブ盤。ブルース系でそんなに大きくない会場で、たっぷり彼女の演奏と歌が楽しめる。
 彼女は1989年英国生れ、8歳からギターブルースに傾倒。16歳でデイヴ・スチュアートに見出され、翌年、彼とキャンディ・ダルファー、ジミー・クリフからなるスーパーグループ、D.U.P.のツアーにギタリストとして参加。2009年のデビュー作『ホワイト・シュガー』は全米・全英でブルース・ミュージック・アワードを受賞するという快挙あげたとか。

                  *          *          *          *          *

█ イリア・ライチネン Erja Lyytinen

<Blues-Rock>

① CD + DVD  「Erja Lyytinen / SONGS FROM THE ROAD」
      Ruf Records / IMPORT / RUF1179  /2012

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Erja Lyytinen : Guitar, Vocals
Davide Floreno : guitar , Backing vocals
Roger Inniss : bass , Backing vocals
Miri Miettinen : drum , Backing vocalss

161014_elyytinen3  こちらの歌姫イリア・ライチネンは、なんとフィンランド出身のブルース姫というから驚きですね。15歳から音楽学校でギターを学び2001年にCDデビュー、もう20年のキャリア。もともとはジャジーな世界で、フォーク系のムードのある曲を演じていたようだ。Rufレコードと契約し、会社の企画のブルース・ギターで注目を浴びたという。ここでのライブもギター・プレイ中心のインスト曲も演じ、何と言ってもギターの名手で、女子スライド・ギターでは世界トップ・クラスと言われている。
 このアルバムは2011年にヘルシンキで収録されたライブ盤で、映像DVDも付いている。
 曲は、典型的なブルース・ロック。映像もあって観れるのが嬉しいが、カラーの派手なテレキャス・モデルを赤そしてブルーと持ち替えて更にシルバー色も出てくる。まさに女流ギタリストの面目躍如の演奏を展開する。
 彼女のヴォーカルは、そのままの素直な歌声で私にとっては好評、あまり作った声は好きで無いのでこれでよい。
 M6."Can't fall in Love"、M8."Steamy Windows"のバラード・ナンバーがギターの情感と共に良いですね。
 M9."No Place Like Home"もうっとりだ。
 M10."Crossroads" 如何にもカントリー・ムードとスライド・ギターのハイテクニカル・プレイとうねりが聴き所。ほぼインスト曲。
 このアルバムは、後半に行くに従ってブルース色と、ギター・プレイが濃厚になって良い感じで聴き終える。

  参考までに、61f9laxf1fl_acw イリア・ライチネンの近作アルバムは 
『Another World』(BSMF Records /BSMF2661 / 2019)である。(→)

      *          *          *          * 

 今回、ここに英国とフィンランドのブルース・ロック歌姫を取上げたが、両者とも女流ギタリストとしては優れた業師であり、その上ヴォーカルはそれなりにこなしている。私の場合は発声の素直さと聴きやすさ、更にブルース色の濃さからイリア・ライチネンに軍配を上げたが、曲の演奏を楽しめるブルース系世界としてもイリアの出来に納得した。ロッカーとしてはジョアン・ショウ・テイラーですかね、彼女の作曲者としての才能も注目しておこう。
 
 いずれにしても、この両者の世界はなかなかそれぞれ貴重であって、2019年には両者ともニュー・アルバムをリリースしている。まだまだこれからも健闘して欲しいと願っている。

(参考視聴)

Joanne Shaw Taylor

*
Erja Lyytinen

 

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コメント

風呂井戸さん、こんばんは。
自分もイリア嬢に軍配です。(笑)
最近は全く聴いてませんが、10年位前はよ~~~く聴いてました。
「Pilgrimage: Mississippi To Memphis」
「ドリームランド・ブルース」
等々
もうキャリア20年になるんですね。
月日の経つのは早いものよのう。
ではでは

投稿: nanmo2 | 2020年8月 1日 (土) 21時17分

nanmo2さん
コメントどうも有り難う御座います。
Pilgrimageですか、欧州のブルース派というのは、それぞれ自国の歴史を持ちながら、一方ミシシッピーからメンフィスへの道のりに興味もってミュージックを展開する、そこに結構それなりの味がでるようにも思います。
 この二人の歌姫もそんな流れで充実してきているようです。それでも二人共近作はロックよりの世界に流れましたが、おそらくそうした後の作品が興味ありますね。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2020年8月 2日 (日) 09時05分

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