キャロル・ウェルスマン Carol Welsman 「Dance with Me」
"キャロル、ラティーナを歌う"と・・・ラテン・ジャズ・ヴォーカル・アルバム
<Jazz>
Carol Welsman 「Dance with Me」
Justin Time Records / JPN / MZCF-1419 / 2020
Carol Welsman キャロル・ウェルスマン (vocal, piano, produce)
Justo Almario ジュスト・アルマリオ (tenor saxophone, soprano saxophone, flute)
Rene Camacho ルネ・カマチョ (bass, background vocal)
Jimmy Branly ジミー・ブランリー (drums)
Joey de Leon ジョーイ・デ・レオン (conga, percussion, background vocal)
Juan Luis Guerra フアン・ルイス・ゲラ (guest vocal on 04)
Oscar Hernandez オスカー・ヘルナンデス (arrangement, produce)
カナダのベテラン歌姫キャロル・ウェルスマン(1960年カナダ・トロント生まれ) の、なんと「ラテンを歌う」というニューリリース盤。それも私は彼女自身の過去のアルバムでもラテンものはあまり印象に無いし、ピアノ弾き語りのジャズのイメージがあって、実はあまりラテンには合わない印象なんですね。
以前ここで話題にした『ディス・イズ・キャロルThis is Carol - ラヴ・ソング20』(MUZAK Fab./MZCF1340/2016) がベスト・セラーとなって、日本でもおなじみの彼女だが、本人の話だと、ライブでラテンものを歌うと会場が楽しげに盛り上がると言うところから、ラテンものは従来から考えていたとのこと。
満を持して作り上げたアルバムで、なかなかバックにはラテン・ジャズ界の雄オスカー・へルナンデス、そしてトロピカル・ラテンの至宝ドミニカ共和国1957年生れのファン・ルイス・ゲラ(1曲デュエットを展開)といったグラミー賞連中をはじめとするトップ・プレイヤー達が集まり、楽しく演ずるところは、ジャジーでゴージャスな明るいラテン・ワールドとなっている。
(Tracklist)
1.You and the Night and the Music 貴方と夜と音楽と
2.A Taste of Paradise
3.Femme Fatale (Amor Fugaz)
4.Dance With Me (Si Tu No Bailas Conmigo)
5.Time to Dance Cha Cha Cha (Ya Llego La Hora)
6.Yesterday (Como Fue)
7.Island Lullaby
8.I Think of You (Hoy Como Ayer)
9.I Won't Dance
10.Revelations
11.Yesterday I Heard the Rain (Esta tarde Vi Llover)
とにかく難しいことは抜きにして楽しくラテン・ジャズ・ヴォーカルを楽しんでくださいと言ったスタートは、定番曲 M1."You and the Night and the Music 貴方と夜と音楽と"である。サックス、コンガが響いて明るく一気にラテン・ムードに。
どちらかというと彼女のヴォーカルは、M2."A Taste of Paradise"のように、中・低音域の歌声が印象深い。
私はこのM3."Femme Fatale"のようなスローな曲での彼女の味のほうが好きなのでこの曲は歓迎。
いずれにしても英語で歌っているのは殆ど彼女の作詞らしく、そこまで気合いが入っている。
M4."Dance With Me"は、このアルバムで唯一のファン・ルイス・ゲラ(→)とのデュオ、彼のラテン・ヴォーカルがやっぱりラテン・ムードを盛り上げている。これがアルバム・タイトルになっているメイン曲。
M5."Time to Dance Cha Cha Cha"バッキング・ヴォーカルと楽しいチャチヤチャだ。
M6."Yesterday "は、楽天的ではない曲で、むしろ彼女らしい味がある。これもスロー・ナンバー。
M7."Island Lullaby" 大人のラテン・リズムといった雰囲気で、このアルバムでは中核的曲仕上げ。
まあ肩のこらない力みの無いラテン・ミュージック、バック演奏も南米の猛者連を含む強力な精鋭コンボ体制による本格的なラテン・アルバムと言うが、昔ながらのラテンもの演奏で新しいモノは無い。
私的には、バラード・コンセプトっぽい語りかけるようなヴォーカルでリラクシング・ムーディーな M8."I Think of You "、 M11."Yesterday I Heard the Rain " あたりがお気に入りであった。
ヴェテランの風格の彼女の味付けは、このアルバムにもちゃんと感じられ安心して聴いていられる。
いずれにしても、ラテン特有のダンサブルな展開や、快調なテンポで明るい曲を織り交ぜてのアルバムで、ただでも暗いコロナ渦にあっては、気分転換に良いアルバムであった。
(評価)
□ 曲・演奏・歌 80/100
□ 録音 80/100
(試聴)
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