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2020年9月13日 (日)

チャンピアン・フルトン Champian Fulton 「BIRDSONG」

アメリカン・ジャズの良さをしっかり演ずるアルバムだ


<Jazz>

Champian Fulton 「BIRDSONG」
CHAMPIAN RECORDS / IMPORT / CR003 / 2020

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Champian Fulton (piano) (vocal on 01, 03, 04, 07, 08, 09, 10)
Scott Hamilton (tenor saxophone except 05, 06)
Hide Tanaka (bass)
Fukushi Tainaka (drums)
guest:
Stephen Fulton (Champian's father) (flugelhorn on 02, 08, 09, 11)

Recorded Sept.24,2019 at Samurai Studios, Queens, NY.

  NYシーンで活躍し、ピアニストであり歌手でもあるチャンピアン・フルトン(1985年オクラホマ州ノーマン生まれ)の、今回は、チャーリー・パーカー生誕100周年に因んだパーカー・トリビュート編(チャンピアンのヴォーカルは11曲中7曲に登場)で、スコット・ハミルトン(ts)を迎え、更にシャンピアンの父スティーヴン(flh)もゲスト参入するというジャズ演奏も楽しめる自主制作盤。
 アルバムは結構多いのだが、私が前回ここで取上げたのは、結構アメリカン・ジャズの良さを感じた『After Dark』(GSR022/2016) であった。

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(Tracklist)

01. Just Friends 7:14 (J. Klenner & S. Lewis / April Music Inc.)
02. Yardbird Suite 6:36 (C. Parker / Atlantic Music Corp.)
03. This Is Always 5:32 (H. Warren & M. Gordon / Four Jays Music Pub.)
04. Star Eyes 5:40 (D. Raye & G. de Paul / April Music Inc.)
05. Quasimodo 5:07 (C. Parker / Songs of Universal Inc.) (p-b-ds trio)
06. All God's Chillun Got Rhythm 4:49 (G. Kahn, W. Jurmann & B. Kaper / April Music Inc.) (p-b-ds trio)
07. Dearly Beloved 4:46 (J. Mercer & J. Kern / Universal - Polygram Intl. Pub. Inc.)
08. Out Of Nowhere 5:06 (J. Green & E. Heyman / Sony ATV Harmony)
09. If I Should Lose You 7:22 (R. Rainger & L. Robin / Sony ATV Harmony)
10. My Old Flame 5:00 (S. Coslow & C. Midnight / Sony ATV Harmony)
11. Bluebird 9:25 (C. Parker / Atlantic Music Corp.)

 ピアニストとしても実績のあるチャンピアンだけあって、全曲彼女のアレンジメントと言うことのようだ。所謂、アメリカン・ジャズの世界で、ヨーロッパ系の哀愁という世界では全くなく、バップ&ブルースの伝統的流れに乗ったピアノや、心地よい刺激の無い包み込んでくるようなテナー・サックス、そしてどちらかというとスリリングというような刺激の無いハートウォーミングなコンポ演奏展開。全体的演奏の流れは結構小気味の良いところもあって、スウィング感たっぷりのジャズの醍醐味はちゃんと持っている。

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 又彼女の歌声は、中高音が主体のしっとりさのある情感の豊富なところにある。ただし残念ながら声の質は、これは感覚的なモノで致し方の無いところだが、私個人的な好みとは若干違ったところにあるのは、前作でも感じたところだ。
 しかしM3."This Is Always "、M10."My Old Flame"に聴けるしっとりさはある歌い込みは、テナーの調べやベースとの協演に、暗さの無い情感たっぷりのジャズの良さを十分感じ取れる。これはハミルトンの効果たっぷりというところも感ずるのだ。
 M5."Quasimodo "M6."All God's Chillun Got Rhythm"は、インスト曲で、スウィング感たっぷりの軽快なピアノ・プレイや早弾きを披露していてこれもジャズの標準的良さを聴かせてくれる。そしてM7."Dearly Beloved"では、語り聴かせるようなヴォーカル、リズムカルなヴォーカルとの取り合わせが見事。
 とにかく、M1."Just Friends "、M9."If I Should Lose You " など、小ホールで、ゆったりと安らぎながら一夜を過ごすには、なかなか良い気分にさせてくれるジャズの典型の歌と演奏である。
 
 私自身は、ジャズにおいて欧州系のリリカルな演奏を好むのだが、時にこのようなしっとり、マイルド系のアメリカン・ジャズもいいものだと聴くのである。

(評価)
□ 演奏・歌  85/100
□ 録音    80/100

(視聴)

 

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