レベッカ・ピジョン超人気アルバム Rebecca Pidgeon 「THE RAVEN」
オーディオ界での人気曲"Spanish Harlem"収録盤
二十数年ぶりにMQA-CDでも復刻されていた
<Jazz>
Rebecca Pidgeon 「THE RAVEN」
Chesky/Universal music / JPN / MQA-115 / 2018
Rebecca Pidgeon (vocals, guitar)
Anthony Coote (guitar, background vocals)
George Naha (guitar)
Laura Seaton, Robert Chausow (violin)
Juliet Haffner (viola)
Erik Friedlander (cello)
Joel Diamond (piano)
Mitch Margold (synthesizer)
David Finck (bass)
Gary Burke (percussion)
Coco Kallis, Paul Miller, Stephanie Smothers, Elise Morris (background vocals)
Recorded on February 12th, 14th and 15th 1994 , at Mastersound Studios, Queens, NY.
レベッカ・ピジョンRebecca Pidgeon (→)の1994年のアメリカ・デビュー盤『THE RAVEN』が、過去にCD, HQCD, SACD そしてアナログLP盤と、その録音・音質の程度の良さから復刻リリースされてきたが、一昨年にはなんと25年ぶりに、今や話題のハイレゾ音源であるMQA-CDにて刷新盤が出ていたんですね。
このアルバムの日本での注目点は、なんといっても下に見る収録曲のNo12."SPANISH HARLEM"であって、この曲はオーディオショップやオーディオ展示会等のデモ用として定番の曲である。愛好家の多い『BEST Audiophile VOICES Ⅵ』にも収録されていた。とにかく音量をあげると、彼女のリアルな歌声が中央に声質がハッキリ分かって浮き上がってくる。その臨場感はただ事で無い。バックの演奏陣もベースを始めその配置もハッキリ奥行きまで感じられる録音で見事。そんな事から現在もオーディオ機器の試聴などには無くてはならない存在なのである。私を始め多くがこの曲だけでも満足するいう曰く付きアルバム。
レベッカ・ピジョンは、1965年生れ、アメリカ・マサチューセッツ州出身。1994年にアメリカのジャズ系レーベルChesky でソロ・デビューがこのアルバム。彼女の世界は欧州トラッド色のニュアンスのあるところにあるが、それは英国のトラッド色の濃いフォーク・ロック・グループ「ルビー・ブルー」に参加していることによるようだ。映画監督のデイヴィッド・マメットと結婚。女優としても活動しているのは知られるところである。
(Tracklist)
01. Kalerka (03:03)
02. Witch (02:48)
03. Raven (02:51)
04. You Need Me There (03:40)
05. Grandmother (06:34)
06. You Got Me (03:02)
07. Heart And Mind (03:16)
08. Her Man Leaves Town (03:32)
09. Seven Hours (04:00)
10. Wendy's Style Shop (03:29)
11. Height Of Land (03:43)
12. Spanish Harlem (03:35)
13. Remember Me (02:31)
全曲レベッカ本人による作詞作曲であり、そこがアルバム全体を通して彼女のパターンを実感できるところにある。M1."Kalerka"の冒頭からトラディショナルな味わいが強くどこか懐かしのおとぎ話の歴史世界に導かれる。声は透明感があってそこが又好まれるポイント。、歌唱法も力まずに自然でどこか清純感もあって聴いていて気分は良い。バックは曲により多彩な楽器の搭乗となるも、歌唱を支えるアコースティック響きでな演奏はジャズという世界とは別物で、下手な技巧というところはなく、これも好感の要因だ。
自ら作詞・作曲のオリジナル曲で歌詞もロマンティックな女心世界。とにかく冒頭に書いたようにM12."Spanish Harlem"が凄い人気。ハーレムの奥深くに黒い瞳の麗人を見いだしての、可憐なバラの花に喩えて歌うという美しい歌だ。しかしそれにもましてアカペラに近い彼女の歌声が聴くものに汚れない純真な声が染みこんでくるところにファンが群がるのだ。さて、これを何処まで描けるかという処にオーディオ機器の能力評価に結びついている。
とにかくアルバム全編米国フォークソングとは一線を画す、欧州のトラッドにみる伝承物語に寄り添うと行った世界でそこに美が隠されていて、M10."Wendy's Style Shop"においても夢見る少女たちを素直に歌い上げていて好評。彼女の魅力とオーバラップして、このアルバムはいまだにファンが多いのだ。
とにかく都会派でなくローカルな地方の自然との対話での人間模様という感じが、なにかホッとさせる安堵感がある。
今夜もM12を聴いて自己のオーディオ装置に浸って欲しいのである。恐らくこれからも聴いてゆかれるもの思う。
(評価)
□ 曲・歌 95/100
□ 録音 95/100
(視聴)
*
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