ベス・ゴールドウォーター Beth Goldwater 「vintage」
マイナー「ヴォーカル・ジャズ・アルバム」の出来栄えは ?
<Jazz, Rock>
Beth Goldwater 「vintage」
自主製作 / IMPORT / BETH1901 / 2019
Beth Goldwater Vocals
Kyle Swartzwelder Guitar
Nate Gonzalez Piano, Organ
Owen Osborne Drums
フィラデルフィア出身の女性シンガー、べス・ゴールドウォーターBeth Goldwater の全編スタンダード曲によるアルバムだ。これに至るには先日リリースされた寺島靖国の『For Jazz Vocal Fans Only Vol.4』に取上げられていたことによる。彼女は私にとっては初物で収録されていた曲"I'll Be Seeing You"が聴き応えあって、取り敢えずアルバムを取り寄せてみたという処だ。
スタンダード曲を単なるジャズ分野と言うだけで無く、カントリー、米国南部の泥臭い白人ロックなどの要素の感じられるところなど結構多彩なヴォーカル世界を構築している。ちょっとマデリン・ペルーぽかったり、バラードの低音部はカレン・ソーザであったり、張り上げた高音はがらっとイメージが変わったりと、簡単に一概に言えないシンガーだ。
1. All of Me
2. Perhaps, Perhaps, Perhaps
3. The Very Thought of You
4. Fly Me to the Moon
5. It Had to Be You
6. My Funny Valentine
7. Someone to Watch over Me
8. Whatever Lola Wants
9. Don't Get Around Much Anymore
10. I'll Be Seeing You
11. L-O-V-E
12. What a Wonderful World
私が聴いてみようと思ったのは、バラードのやや暗めジャズ・ヴォーカルの雰囲気が良いと思っての事であったが、このアルバムではM1."All of Me", M2."Perhaps, Perhaps, Perhaps"(これは"キサス、キサス、キサス"ですね)のように軽快なテンポで、しかも声は高音部で結構張り上げてイメージは大違い。はっきり言ってそれ程の魅力は感じない。
しかし、M3."The Very Thought of You" となるとガラッと印象は変わって、なかなか味のあるバラード・ヴォーカルで魅力的だ。スローな低音のヴォーカルが良いですね。
上にみるように、12曲収められているが、そかなところから私がなかなか魅力があるぞと思ったのはバラード曲で、このM3とM6."My Funny Valentine"そしてM10."I'll Be Seeing You"ですね。 ただ、所謂ジャズっぽいM4."Fly Me to the Moon"も無難にこなしてはいる。同様にM11."L-O-V-E", M12."What a Wonderful World"も聴き慣れている曲のせいか、納得した。そんな意味では全体的には合格点で、寺島靖国も迷いながら推薦していたのが良く解るところであった。
ところで、ニュー・アルバムとしてこの続編といえる『Vintage Ⅱ』(→)がリリースされたようで、聴いてみようかどうしようかと・・・・迷っている今日この頃というところである。
(評価)
□ 選曲・歌 83/100
□ 録音 80/100
(視聴)
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