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2020年12月 4日 (金)

グレッジェ・エンジェル Gretje Angell 「...in any key」

ヴェルベット・ヴォイスで・・・温かくソフトタッチで

<Jazz>

Gretje Angell 「...in any key」
GREVLINTO RECORDS / IMPORT / / 2018

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Gretje Angell (vocals)
Dori Amarilio (guitar)
Kevin Axt (Bass)
Gabe Davis (Bass)
Kevin Winard (Percussion)
Steve Hass (Drums)

Produced, arranged, recorded, mixed, mastered by Dori Amerilo

  このグレッジェ・エンジェルも私にとっては初物。彼女はオハイオ州アクロン生まれ、LAで活躍しているジャズヴォーカリストで、なんと遅咲きデビューアルバムだ。これも寺島靖国『For Jazz Vocal Fans Only Vol.4』で知ったもの。
 2世代に渡りジャズドラマーであった祖父と父親のもとに育った彼女は"幼少の頃からスモーキーで薄暗いジャズクラブで過ごした。そういう環境から物心つかないころから常にジャズが横にあった"と紹介されている。しかし音楽はクラシック、オペラを学んだ経歴があるようだ。
 このアルバムは、LAのギタリスト、プロデューサー、アレンジャーのドリ・アマリリオDori Amarilioによる企画のようだが、その彼とのデュオ作品。曲はスタンダーズやボサノバの比較的ポピュラーな曲が中心で、曲によってはPercussion 、Bass、 Drums 、Trumpet などの入る曲もあるも、 どちらかというとインティメイトな仕上がりである。

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1. Love Is Here to Stay
2. I'm Old Fashioned
3. Fever
4. Deep in a Dream
5. Berimbau
6. Do Nothing 'Til You Hear from Me
7. One Note Samba
8. Tea for Two
9. Them There Eyes

 

 もともとは、ソプラノ・オペラ歌手として活動していたという彼女だが、それとは信じられないほどのソフトで力みの無い優しいヴォーカルを展開する。主としてギターを演ずるプロデューサーのアマリリオの自宅での録音のようであり、その為か非常にリラックスした雰囲気である。
 流れはボサノバを中心とした軽めにソフトに軽快にといった流れで聴く方もリラックスできる。彼女の声も紹介ではベルベット・ウォイスと表されているが、とても好感度の高いところにある。

 ただ一曲だけオーケストラの入った曲M4."Deep in a Dream"があり、このアルバムでは異色。いわゆるJazzy noy Jazzのパターンでゆったりした美しく優しさ溢れた歌声であり、バックにミュートの効いたトランペットも入ってムード満点の仕上げ。これは寺島靖国に選ばれた曲。
 とにかくオープニングのM1." Love Is Here to Stay"からボサノバ・ギターのバックで、リラックスした雰囲気が盛り上がってくる。
 M3." Fever"は、彼女らしい世界。Percussionが流れを刻み、押さえたギター、ドラムスなどがリズムが快く展開。この曲は強烈に歌い上げることが出来るが、そうではなく力みが無くソフト・タッチ。これが彼女流なんでしょうね。
 M7."One Note Samba"、M8."Tea for Two"も、ギターとのデォオで、手慣れたヴォーカルを展開。途中にはアドリブも入って個性的作品にしている。

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 全9曲で36分24秒という短めのアルバムで、あっという間に終わってしまったという感のあるところ。これはアルバム番号も無く、自己出版なのか、いずれにしてもデビュー・アルバムとはいえ、彼女はキャリアも十分の既に円熟歌手の風格すらある。もっと頑張って欲しいヴォーカリストだ。

(評価)
□ 編曲・歌  88/100
□   録音    85/100

(視聴)   "One Note Samba"

 

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