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2020年12月 8日 (火)

ティル・ブレナーand ボブ・ジェームス TILL BRÖNNER and BOB JAMES 「ON VACATION」

静かなトランペットは「都会の夜」
ヴォーカルは軽めにソフトに軽快に

<Jazz>

TILL BRÖNNER and BOB JAMES 「ON VACATION」
MASTERWORKS / IMPORT / 1943970012 / 2020

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Till Brönner  :  Flugelhorn, Trumpet, Vocal
Bob James :  Piano ,  Keyboards
Christian von Kaphengst :  double bass
Yuri Goloubev :  double bass
Harvey Mason : drums
David Haynes :  drums

 私にとっては"うるさいトランペット"は願い下げ、"静かなトランペット、ミュートを効かせた優しいトランペット"は「都会の夜」をイメージさせ大歓迎・・・と、両極端なんですね。
 そんな訳でドイツ出身のこのところ人気のティル・ブレナー(1971年生まれ)は良いですね。久々にトランペットとフリューゲルフォーンのアルバムを楽しんでいる。それもベテランのボブ・ジェームスの美しいピアノがあるのですから。これはどうも初めてのコラボレーションなんですね、そしてアルバム・ジャケも素直に細工無しで良いですね、これも手にする一条件(テイルの撮影作品のようです)。

Tillb (Tracklist)

1.Save Your Love for Me
2.Lemonade
3.Late Night
4.Lavender Fields
5.September Morn
6.Elysium
7.I Get it From You
8.Miranda
9.Scent of Childhood
10.On Vacation
11.Sunset Vale
12.Basin Street Blues
13.If Someone had Told Me (ボーナストラック)

 オープニング曲M1."Save Your Love for Me"で、さっそく優しいテイルのフリューゲルフォーンとボブも力みの無いピアノとキーボードで応じていて、なかなかナイト・ムードも感じられいいです。
 M3."Late Night" の三曲目で、初めてティルの深遠なるトランペットが登場するが、意外にボブのピアノは軽快でその対比が面白い。
  M10."On Vacation"がアルバム・タイトル曲であるが、どちらかというと軽快に演じられ、ティルのヴォーカルもので、どこか洗練された軽いヴォーカルも味わい深い。M2."Lemonade"のボサノバも彼のヴォーカル入りで軽快にソフトに流す。成る程ここにこのアルバムのテーマを彼流の世界でしっかり生かしている。
 しかし私にとっての究極の曲はM8."Miranda"で、そこに描かれる静かなトランペット、美しいピアノの夜の語り合いムードがいいですね。やはり私はこの世界を聴くことがティル・ブレナーへの期待ですね。彼はチェット・ベイカーをちょっと連想させるところが、期待度の高いところだ。

Till1

 しかし今回はアルバム・タイトルが、多分"秋の「On Vacation」"ですから、私の期待の「夜」を求めてはいけないのかも・・・、そんな意味ではM4."Lavender fields"では、トランペットもピアノも"のどかな風景"を連想させる世界を描いている。
  しかしながら締めくくりの曲のM11."Sunset Vale", M.12"Basin Street Blues"となると、フリューゲルフォーンではあるが、究極の持ち味の都会派ナイト・ムードになっていた。
 いずれにしても、ちょっと洗練された力みの無いジャズが聴けて心地よい。
 

(評価)
□ 編曲・演奏・ヴォーカル   85/100
□ 録音            85/100

(参考視聴)

 

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コメント

良いタイトル、良いジャケットでしたね。
ファッション雑誌みたいで、すごく、印象的でした。
去年、注文したのですが、今年になってクリスマス・アルバムと一緒に配達されました。。

昔は、ブレナーって、ちょっと硬い感じかな?って思っていたのですが、、認識を改めました。
仰るようにご本人のアルバムも期待したいですね。

https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-0e2d26.html

投稿: Suzuck | 2021年1月10日 (日) 09時11分

Suzuckさん
コメントどうも有り難う御座います
Tpは、かってのアメリカン、ビック・バンド風のうるさいのは嫌いなんですが、ブレナーって良い味出していますね。
そうなんです、おっしゃるようにTpはなんとなく避けていましたが、私もこのアルバムで見直しました。
又期待するものが増えて喜んでいます。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年1月10日 (日) 09時36分

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