エンリコ・ピエラヌンツィEnrico Pieranunzi & Bert Joris 「AFTERGLOW」
なかなかトランペットものは、私的には敷居が高い
<Jazz>
Enrico Pieranunzi & Bert Joris 「AFTERGLOW」
CHALLENGE Records / Austria / CR73460 / 2020
Enrico Pieranunzi エンリコ・ピエラヌンツィ (piano)
Bert Joris バート・ヨリス (trumpet, flugelhorn)
Recording Studio : MotorMusic, Mechelen(Belgium)
Recording dates : September 7&8, 2018
このところ矢継ぎ早にお目見えするエンリコ・ピエラヌンツィ(1949-)のアルバム。殆ど企画ものが多いのだが、このアルバムも2018年録音モノでベルギーの名トランぺッター、バート・ヨリス(1957-)とのデュオ。もともと私はトランペッターものは、ほんの限られた演奏者のものしか聴かないのだが、取り得合えず叙情派といってよいエンリコとのデュオものであるというところと、オリジナル曲によるものであることから、アプローチしてみた。
(Tracklist)
01. Siren's Lounge (4:24) *
02. Afterglow (3:31) *
03. Millie (3:18) #
04. Cradle Song For Mattia (2:51) *
05. Five Plus Five (5:10) *
06. Anne April Sang (5:20) *
07. Freelude (2:24) %
08. What's What (2:38) *
09. How Could We Forget (5:22) #
10. Not Found (3:33) %
11. The Real You (3:03) *
*印 composed by E.Pieranunzi
# composed by B.Joris
% composed by E.Pieranunzi & B.Joris
案の定、予想通りのエンリコのむしろ黒子役のデュオだ。ヨリスは心得たりと演じているが、これもファンにとってはたまらないと言えるのか、私にとってはどうもイマイチというよりは、心に迫る良い音として聴けないところは、自分自身でもナサケナイ。
アルバム・タイトルの「Afterglow」は、エンリコのオリジナル曲M2."Afterglow"からきていると思うが、一日でも美しい夕映えや残光を意味する言葉で、"こまでも美しく、きらめくピアノと柔らかいラッパの音色"と言うことのようだが、どうもその世界はこの曲とその他の2-3の曲で聴ける以外では、理解できなかった。
敢えて言うならば、収録の11曲の中では、それなりの美的世界は感じられたというのが、M2.以外では、M4."Cradle Song For Mattia ", M6."Anne April Sang", M7."Freelude "位で、M4.はメロディーが親しみやすく、M6.は静かな中に味わい深いトランペットの響きが美しい。M7.はスローな展開で、ちょっとした異世界に誘われる。
M8."What's what"は、ハイレベルな演奏での掛け合いのインタープレイが面白いが、M10."Not found"と共に、アクロバティックで演ずる二人の楽しみのようで、殆ど聴く方としての私個人の興味は湧かなかった。
実はこのところリリースされたエンリコ・ピエラヌンツィのアルバムに、もう一枚『THE REAL YOU』(STUCD 20132/2021)(→)というのがあって、こちらはピアノ+ベースのデュオで、実はそれに期待していました(紹介はいずれ)。従ってこちらのこのアルバムに関してはこんな紹介程度にして納めておく。トランペットものの愛好者には是非聴いていただいて評価を聞いてみたいと思うのである。
(評価)
□ 曲・演奏 75/100
□ 録音 80/100
(試聴)
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