ステファニア・タッリーニ Stefania Tallini Trio「UNEVEN」
クラシック/ジャズ界で活躍の女流ピアニストのジャズ・ピアノ・トリオ作品
<Jazz>
Stefania Tallini & M.Bortone, G.Hutchinson「UNEVEN」
ALFA MUSIC / Import / AFMC226 / 2020
Stefania Tallini ステファニア・タッリーニ (piano except 02, 11) (electric piano on 02, 11)
Matteo Bortone マッテオ・ボルトーネ (double bass except 12)
Gregory Hutchinson グレゴリー・ハッチンソン (drums except 12)
Recrded at Forward Studios ,Grottaferrata(Rome) ,2020
イタリアのステファニア・タリーニ(1966年生まれ)はジャズ/クラシック界双方で輝かしいキャリアと高い評価を得ている20年以上の円熟ピアニストだ。ジャズでは8枚のリーダー作を残してきた。ピアニストであり作曲家としても評価が高い。一方クラシックでは多くのクラシック国際的評価を勝ち取ってきている。演奏のみならず、作曲、演劇曲やサウンドトラックの制作等と活躍の幅は広い。本作は久々のジャズ・ピアノ・トリオ作品。参加メンバーは、ベースにマッテオ・ボルトン(イタリア)、ドラムスは米国より招聘したグレゴリー・ハッチンソン。
かってのアルバムからみても、このアルバムは彼女のオリジナル曲が主体であり、エレピの登場もあり多彩なタイプの演奏に期待が持てる。
1.A Twin Thought
2.Uneven
3.Il Sogno
4.Le isole Dei ciclopi
5.In The Night
6.Bluesme
7.Nell'Intramente
8.Inútil Paisagem
9.Triotango
10.Anna
11.In a Cave
12.The Nearness of You
All composed by Stefania Tallini except M8 and M12
やはり多彩なタイプの演奏がこのアルバムには納められていて、聴く方は単調にならない。端麗にして耽美派な演奏に、ロマンチックな曲もあり、そうかというと自由奔放なアクション攻勢の見られる硬質な三者のインタープレイがあったり、更に瞑想性の曲や、エレピによるファンク調な展開、はたまた牧歌的な世界の色もみせる。
M3."Il Sogno" 優雅な夢か、メロディアスなピアノのトリオ演奏。
M4."Le isole Dei ciclopi" パーカッションを生かしたラテン・ムード展開。
M5."In The Night" 瞑想性のあるピアノとゆったりとしたトリオ演奏。
M6."Bluesme" スピード感たっぷりの攻撃性、破壊性の展開、変調とインプロの展開が入り乱れて面白い。
M7."Nell'Intramente" 物語様のメディアム・テンポ曲。刺激が無く美しく暖かい。
M8."Inútil Paisagem" ゆったりした中に、不思議に刺激性の躍動感。ジャズ特有の世界がシンバルの響きに、そしてピアノの流れが秀悦。
M9."Triotango" タンゴ風とは言うが、典型的なところには至らず。
M.12."The Nearness of You" 最後は真摯に安定感をゆったりとソロ・ピアノで聴かせる。
しかし、飽きさせないアルバム展開が秀悦。録音も一流で聴き応えある。そう叙情的というところにはない世界。いわゆるパターンは決めがたいが、全編品格があるところが聴かせ処か。M5.M6,M8あたりの曲に注目した、特にM6、M7あたりの関係が見事。
(評価)
□ 曲・演奏 : 88/100
□ 録音 : 88/100
(視聴)
*
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