« 石上真由子 Mayuko Ishigami 「Janáćek : Violin Sonata」 | トップページ | ブラッド・メルドー Brad Mehldau 「MOERS 2021」 »

2021年5月31日 (月)

シャンタル・チェンバーランド Chantal Chamberland 「TEMPTATION」

メディアム・テンポのスモーキーでソウルフルな歌声
・・・・音質重視のMQA-CDで

<Jazz, Crossover>

Chantal Chamberland 「TEMPTATION」
EVOSOUND / IMPORT / EVSA719M / 2019

61m5kwhe0l_acw


Chantal Chamberland(vo,g)
Eric Boucher(p)
Paul Intson(b)
Dan Lockwood(ds)

GuestJason Fowler(g)
Maureen Brown(per)
Kirk Starkey(cello)
Amy King(back vo)

 シャンタル・チェンバーランド(1965年55歳)はカナダ出身のもうベテランに入る歌手。このアルバムが彼女の最新盤であるので、リリースしてから1年は経過しているが、MQA-CDの音質重視のEVOSOUNDものということもあって、ここに来て遅まきながら聴いたものである。
 カナダと言えば、本格的ジャズ・ピアノを演ずるダイアナ・クラールが頭に浮かぶが、彼女は親父声といわれつつも人気者。このチェンバーランドも低音の魅力のスモーキー・ヴォイスで、バリバリのジャズというよりは、ロック・ソウル系に寄っていて、ギターリストとしての歌が聴かれる。
 このアルバム、バックは上に見るように、それなりのメンバーで、主たるは彼女のギター、ヴォーカルに対して、ピアノ・トリオ・スタイルでサポートし、ジャズとしての味わいもそれなりに加味され、曲によってはチェロその他も加わったりと工夫されている。

Unnamed1 (Tracklist)
1.Temptation
2.Beautiful Life
3.Love Never Felt So Good
4.Miss Sarajevo
5.Chasing Cars
6.I Put A Spell On You
7.Belive
8.Ain't No Sunshine / I Can't Stand The Rain
9.I Wanna Dance With Somebody
10.I Want A Little Sugar In My Bowl
11.I Think Of You
12.I Don't Wanna To Talk About It
13.Syrup And Honey

 内容は、ブルース、ジャズやボサ・ノヴァ等を含むスタイルでオリジナル曲(M.3)に加えトム・ウェイツ、ビル・ウィザーズ、マイケル・ジャクソン、ロドリゲス、シェール、U2 などのロック寄りが多いが、多彩と言って良い曲が収録されている。しかしながら、いずれも彼女の世界にアレンジされ、ミディアム・テンポで、なんとなく大人のムード。それも歌声の質が中・低音に充実していてスモーキー・ややハスキーであり一層そのムードが充実していて、時に癒やし系にも通じている。

22pbbtchantalchamaster

 私からの推薦はまず、トム・ウェイツのM1."Temtation"、この曲ダイアナ・クラールが得意としていて、ちょっと比較したくなるが、どちらかというと低音が魅力で似た雰囲気だが、彼女の仕上げの方がポピュラー寄りだ。
 M5."Chasing Cars"がなかなか情感たっぷりで聴きどころ。
 M6."I Put A Spell On You"も、思いの外ゆったりしたペースで、ピアノとギター・サウンドとともにしっとりと迫ってくる。特にギターがブルージーでいいですね。
 M9."I Wanna Dance With Somebody"は、語り聞かせるタイプの仕上げに好感が持てる。
   M10."I Want A Little Sugar In My Bowl" ニーナ・シモンの曲、ソウル・ブルース調もいけますね。
   M11."I Think Of You" この情感の入れもダニー・ウィッテンも納得でしょうね。

 いやはやとにかく、見事にチェンバーランドの包容力の世界に没頭させられる。見事な説得力のヴォーカルだ。
 又、このレーベルは、オーディオファンや音楽愛好家のために音質的に優れた作品を作るという思想を継承していて、MQA-CDでハイレゾ音源としても、彼女のヴォーカルが眼前に迫ってきて楽しめるところも魅力。

(評価)
□ 編曲・歌  88/100
□ 録音    92/100

(試聴)

|

« 石上真由子 Mayuko Ishigami 「Janáćek : Violin Sonata」 | トップページ | ブラッド・メルドー Brad Mehldau 「MOERS 2021」 »

音楽」カテゴリの記事

ROCK」カテゴリの記事

POPULAR」カテゴリの記事

JAZZ」カテゴリの記事

Audio」カテゴリの記事

女性ヴォーカル」カテゴリの記事

コメント

いや、お耳にとまりましたか ・・・。こんな歌手がカナダにいるとは知りませんでした。

投稿: 爵士 | 2021年6月 2日 (水) 00時10分

>爵士さん
>おはよう御座います
>MQA-CDを漁っていて、このChemberlandを知りました。結構過去のアルバムもあり、ちょっと戻ってみようかとも思ってます。
私はMQA-CD応援派でして・・・更に諸々のリリースを期待している所なんです。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年6月 2日 (水) 09時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 石上真由子 Mayuko Ishigami 「Janáćek : Violin Sonata」 | トップページ | ブラッド・メルドー Brad Mehldau 「MOERS 2021」 »