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2021年6月 8日 (火)

エリン・ボーディー Erin Bode 「YOURSONG」

メロウにしてテンダー・・・まさに癒やし系

<Jazz, Popular>

Erin Bode 「YOURSONG」
COR PORT / JPN / RPOZ-10067 / 2021

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Erin Bode : Vocal
Viktor Crauss : bass, guitar, percussion, piano

  キャリア20年の女性SSWエリン・ボーディー(ミネソタ州ウェイサタWayzata生まれ)の最新作は、好評の前作『HERE & NOW』以来4年ぶりのもの。それは2018年からスタートした「Your Song」というプロジェクトのアルバム化で3年かけての作品。
 これはとにかく希有なもので、自身のネット上で、一般ファン向けに募った企画で、それぞれの人たちの個人的な出来事や、愛する人への気持ち、一方失ったものなどなど、応募した各個人が心に描く記念的な曲を、エリンがその人たちに寄り添いながら、その個人のために歌い録音したものである。更に応募者本人が詞を書き、エリンやクラウスが曲をつけたものもある。
 いずれにせよ、個人向けから発展したという今のパンデミックな世情の中での一つの回答としての作品で、しかもこれからも続くと予想されているため、これはその第1弾と言うことらしい。

(Tracklist)

1 : Happy Together [from Sandra to Virgil]夫ヴァージル70歳の誕生日に
   (Garry Bonner & Alan Gordon)
 >エリン・ボーディー(vo)、ヴィクター・クラウス(b, g, perc)
2 : The Moon Is Ours Tonight [from Bob to Cheryl]
   (Bob Hellrung/Erin Bode & Viktor Krauss)
 >エリン・ボーディー(vo, back vo)、ヴィクター・クラウス(b, ac.g, el.g,el.p)、ジョーダン・パールソン (ds)
3 : In My Life [from Peter to Linda]結婚記念日に (John Lennon & Paul McCartney)
 >エリン・ボーディー(vo, back vo)、ヴィクター・クラウス(b, g, p, perc)
4 : Be Here Now [from Ben to Melanie]結婚式の想い出に (Mason Jennings)
 >エリン・ボーディー(vo)、ヴィクター・クラウス(el.b, g)
5 : I Knew [from Brian to Sue]結婚30周年のサプライズに (Erin Bode & Viktor Krauss)
 >エリン・ボーディー(vo, back vo)、ヴィクター・クラウス(b, g, p, synth, perc)
6 : The Grey Lady [from Ed to Lorna Jane] (Ed Broms)
   >エリン・ボーディー(vo)、エド・ブロムス(p)、ヴィクター・クラウス(b, synth, perc)
7 : Save the Best for Last [from Sean to Heather]ハイスクール時代からの想い出として(Phil Galdston, Wendy Waldman & Jon Lind)
 >エリン・ボーディー(vo)、ヴィクター・クラウス(b, ac.g, el.g, p, el.p, Pump organ)
8 : Slide (Colin Flynn)コリンが失った家庭を振り返って
 >エリン・ボーディー(vo)、ヴィクター・クラウス(b, nylon.g, el.g, p, el.p, perc)
9 : My Heart is All I Have [from Bill for his mother]難病を発症した母に (Bill Reker)
 >エリン・ボーディー(vo)、ヴィクター・クラウス(b, resonator g)
10 : Lullaby for Jaya 娘のジャヤへ (Meghana Karnik-Henry/Erin Bode)
 >エリン・ボーディー(vo, back vo)、ヴィクター・クラウス(b, g, p, celeste, perc)
11 : Because of You [from Jim to his community]難病を患うジムから家族、友人、コミュニティーへ(Erin Bode & Viktor Krauss)
 >エリン・ボーディー(vo, back vo)、ヴィクター・クラウス(el.b, el.g, el.p, synth, perc)、デヴィッド・サンボーン(as)
12 : You Just Can’t Smile it Away [from PreventEd to those in recovery and the people who support them]愛しき人よ (Bill Withers)
 >エリン・ボーディー(vo)、ヴィクター・クラウス(el.b, el.g)

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 こうゆうアルバムは、とにもかくにも聴いてみてのものという代物。エリン・ボーディーがベーシストのヴィクター・クラウス(1969年イリノイ州シャンペーン=Champaign生まれ)との連名によっての個人向けの癒やし企画を、その内容の充実度から作品にまで発展させたもので、なかなかメロウにしてテンダーな抒情派演唱が、フォーキーな世界を印象付けながらややポップな味付けをもって展開している。彼女の声の質もクリーンヴォイスの範疇で好感度も高い。時にスモーキーの中にハスキーさもちらっと見せるが素朴さと穏やかな歌い回しに品もある。

 そしてバックの編成は、アコースティック・ギターとベースが静かにサポートし、エレキギター、ピアノ、エレピ、ドラムも時に交えての好感度の高い演奏が流れる。
 どの曲がどうだというところなく、それぞれがなんともハートウォーミングというかホットする世界で、居心地も良くゆっくりの一休みには格好のアルバムだ。

4fb4238be72bw  彼女は、セントルイスで高校時代を過ごし、ミネソタ大学やウエッブスター大学で本格的にジャズを学ぶ。自主制作1stアルバム(01年)を経て、マックス・ジャズと契約、どちらかというとジャズといってもフォーキーなジャズ・スタイルを作り上げた。
  キャリア20年の経過で味と深みは更に増すなかで、日本でも評価がある。アコースティックな世界は支持も多い。

(Erin Bode : Discography)
1.Don't Take Your Time (Maxjazz, 2004)
2.Over and Over (Maxjazz, 2006)
3.The Little Garden (Native Language, 2008)
4.A Cold December Night (Native Language, 2008)
5.Photograph (Canyon, 2010)
6.Be Still My Soul (2013)
7.Here and Now (2016)
8.YOUESONG(2021)

(評価)
□ 曲・歌・演奏  88/100 
□ 録音      85/100

(参考視聴)

10年前とは違ってなかなか貫禄もついて・・・・

 

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コメント

風呂井戸さま、リンクをありがとうございました。

彼女の歌声は、女性の私が聴いても「あざとさ」が無いと思います。

>どの曲がどうだというところなく、それぞれがなんともハートウォーミングというかホットする世界で、居心地も良くゆっくりの一休みには格好のアルバムだ。

まさに!
休日にリビングで流れていたら、良い1日になりそうですね。
私のリンクも置いていきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-ac8d44.html

投稿: Suzuck | 2022年1月15日 (土) 09時22分

Suzuckさん
こちらまでコメント有り難う御座います
いろいろとご多忙の中、このアルバムにアプローチして頂いたことに喜んでおります。^^
 こうしたアルバムもジャズ界で扱われることのジャンルの広さを感じています。今やジャズが各音楽のジャンルにおいての発展系を吸収して、成長しているという評価をしておきたいです。
 更に、ジヤズ評価にご尽力ください。楽しみにしております。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年1月15日 (土) 17時51分

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