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2021年6月 4日 (金)

ブラッド・メルドー Brad Mehldau 「MOERS 2021」

優しさ溢るるピアノ・ソロ・ライブ~~~これは愛聴盤だ

<Jazz>

(CD, DVD)
Brad Mehldau 「MOERS 2021」
Live at Festivalhalle, Moers,Germany / 2021

Moers20211

Brad Mehldau : piano

  今年つい先日の5月21日から5月24日まで、ドイツ、メールスで開催されたメールス・ジャズフェスティバルに出演したライブの模様を放送音源で収録した最新ライブが一週間という恐ろしいスピードでCD+DVDにて登場。
 最近の彼のアルバムはかなり前進的とみていいが、実験的要素があって若干私には馴染めないというか、聴き惚れる理解が難しいか、と言うところにあったが、昨年9月、パリにてビートルズ等のカバー曲を取上げたライブを行って、ジャズ界でも少々話題になったのであるが、今回はドイツで開催されたジャズ・フェスティバルにおけるライブで、パリ公演のようにカバー曲が中心だったと言うことで、我々にも馴染める演奏と期待していたところである。

Abradmehlw3 (Tracklist)

1.Karama Police(rediohead)
2.I Am The Walrus(lennon&mccartney)
3.Your Mother Shold Know(lennon&mccartney)
4.Don't Let It Bring You Down(neil young)
(5.Announcement)
6.Stellite(john coltrame)
7.Smoke Gets In Your Eyes(jerome kern)
(8.Announcement)
9.Remembering Before All This(brad mehldau)
10.Inchworm(frank loesser)
11.Go To Sleep (radiohead)
12.Golden Slumbers(inc, lennon/mccartney)

 セット・リストは上のように、レノン&マッカートニーをはじめ、レディオヘッドやジョン・コルトレーン、ニール・ヤングなどの曲をメルドー流の素晴らしい世界で奏でられている。又CDに収録されている音質に関しては聴いてみての驚きであるが、クオリティーはかなり高い(ただし残念なのは、M1とM2にはノイズが入っている)。これはDVD映像付きでの出で立ちで、こちらもマルチ・カメラによるプロショットで文句なしの安定した素晴らしい映像で、例の彼の左右の手の動きが克明に録画されていて納得。

Bradmehldauw

 冒頭のredioheadのM1."Karama Police"が、易しく美しいメロディーを流してくれて、久々のメルドーの演奏を安堵感で聴ける。
   続いてlennon&mccartneyの曲2曲と、Neil Youngの曲が続くも、メルドーのこと、彼の左右の手の演奏での二重奏様な単純な演奏ではないが、こちらも旋律が優しく響いてきて、私には格好の曲仕上げ。
 M6."Stellite"は、Coltraineとなると、いやが上にもその演奏の内容の複雑性が増してくる。この辺りは彼の腕のみせどころ。
 そしてM7."Smoke Gets In Your Eyes"へと、ぐっとムードは変わる。期待以上の情感の込められた演奏を聴かせてくれた。これも旋律を奏でる手が、左手→右手→左手→右手と変わっていくところが聴きどころでメルドー節が聴かれて嬉しい。
 そしてその哀感は彼自身の曲M9."Remembering Before All This"へとつながる。
 M10."Inchworm"は、久々に活発な演奏が展開し、M11."go to sleep"にて夢の世界に。
 最期のM12."Gorden Slumbers"は、心配事も忘れさせてくれる眠りの世界が展開して終わる。

 さすが、ライブであり、その時の描いた世界が一つの流れとして演じているところが素晴らしい。私にとっては、久々に非常に聴きやすく演奏してくれ、のめり込めたアルバムであつた。オフィシャルではないが私の愛聴盤となるのは必須。

(評価)
□ 選曲・演奏  90/100
□ 録音     85/100
□ 映像     85/100

(視聴)
まだ演奏会直後のアルバムで、映像がアップされていないため、これで・・・
(まもなく、映像が見られると思いますのでそれまでは)

*


 

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コメント

風呂井戸さん,こんばんは。リンクありがとうございました。

コロナ禍でライブから離れていると,ついついこういう音源に手が出てしまいます。昨今はこういうプログラムが多そうですが,こういうセットリストのライブは聞いてみたいですね。

それにしてもブートのスピード感恐るべしです。

ということです当方記事のURLを貼りつけさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2021/06/post-1c2412.html

投稿: 中年音楽狂 | 2021年6月10日 (木) 20時41分

中年音楽狂さん
お早うございます
ブート否定派でも、この手のものはテレビをみたり、放送を聴いたりとの感覚では上等だと思います。なにせ、ドイツ公演後の一週間での出現・・・考えられなかった事です。
ほんとに世界はもう昔の感覚とは違いますね。
又、メルドーもこうした公演では、私にとっても聴きやすい世界を展開してくれて、これも楽しみです。
リンクもどうも・・・・

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年6月11日 (金) 09時28分

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