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2021年6月26日 (土)

ラーシュ・ダニエルソン Lars Danielsson Liberetto 「Cloudland」

どこか現実と違った世界に美しく優雅に誘われる

<Jazz>

Lars Danielsson Liberetto 「Cloudland」
ACT MUSIC / Germ / ACT 9922-2 / 2021 

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Lars Danielsson Liberetto 
Lars Danielsson : double bass, cello
Grégory Privat : piano
John Parricel l i : guitars
Magnus Öström : drums & percussion

Guests:
Arve Henriksen : trumpet (2, 5, 8, 11)
Kinan Azmeh : clarinet (6, 9, 11)

Recorded by Bo Savik and Åke Linton at Tia Dia Studios,Mölnlycke, Sweden

  スウェーデンが誇りとしているベーシスト、ラーシュ・ダニエルソンLars Danielssonが率いいているスーパー・グループLars Danielsson Liberetto(グレゴリー・プリヴァGrégory Privat(p)、マグヌス・オストロムMagnus Öström(ds)、ジョン・パリチェッリJohn Parricelli (g)とのカルテット)の結成10年目となる(Grégory Privatは前作から)のACTで四作目となる作品。エレガントにして叙情性に満ちた作品で、そのアンサンブルも卓越していて日本でも人気である。私としても待望のアルバム。

Larsdanielssoncjansoederstroem2017_tease (Tracklist)
01 Vildmark 1:13
02 Cloudland 4:34
03 The Fifth Grade 5:37
04 Nikita’s Dream 4:38
05 Tango Magnifique 3:52
06 Desert of Catanga 6:16
07 River of Little 3:20
08 Yes To You 3:34
09 Intermezzo 1:57
10 Villstad 4:10
11 Sacred Mind 4:58
12 Imagine Joao 3:42
Music composed by Lars Danielsson

 今回は、ゲストに今や北欧を代表するトランペッター、アルヴェ・ヘンリクセン( Arve Henriksen)とシリア出身のクラリネット奏者キナン・アズメ(Kinan Azmeh)を迎え、どこか深遠なる世界を描くのが更に深まった感ある。
 又、ダニエルソンは、ベースの他にチェロを演じてアンサンブルにその魅力を高めるべく挑戦している。
 とにかく、12曲全てダニエルソンのオリジナルで、その描くところ深遠にして品があり、不思議な異空間にさらされる。それもどこか心安まる世界であるところが彼の作品らしい。

Liberotto2_20210626102201

 演奏スタイルはかなり多彩さをみせているが、非常に聴きやすい。
   美しいメロディーに優しくトランペットがムードを盛り上げるM2."Cloudland"、M8."Yes To You"、M11."Sacred Mind"。
 M3."The fifth Grade"は、ちょっと変わった展開が面白い。中近東っぽい曲、オストロムの刻むリズムに乗ってメンバーそれぞれの特徴がうまく演じられ、変拍子も相まってこのアルバムでは異色。
 M4."Nikita’s Dream" ピアノそしてベースが静かに夢心地の世界に誘う、美しさは出色。
 M5."Tango Magnifique"ベース、ピアノ、ギターと交互に主役をなしてやはり美世界を彩る。
 M6."Desert of Catanga" クラリネットが入り、ラテンタッチのギターが盛り上げる。
 ピアノの展開が見事なM7."River of Little "
 M8."Yes To You"、M9." Intermezzo "は、 静かな曲で、ピアノの響きが美しく、ここでもトランペット(M.8)とクラリネット(M.9)がやはり優しさの味付けが。
 そして、かなりアグレッシブなところもみせるM10."Villstad "、チェロの歪んだ音には驚かされる。
 最期のM12." Imagine Joao"は、静かなギター、ベースで現実を忘れさせる世界を夢心地に描いて納める。

 相変わらずダニエルソンの世界は、私の感覚では北欧というのでなく、どこか独特なエキゾチックな異世界に導かれ、彼独特のメロディーを大切にした優しさと美しさに満ちている。

(評価)
□ 曲・演奏 :  88/100
□   録音   :  85/100

(視聴)

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コメント

こういうのがユーロジャズというジャンルですか。
耳慣れしてないので、うまく解釈出来ませんが。
メロディーが勝ってるように聞こえました。
他人の意見も面白いと思ってくださるなら、
ギターの人が、右足に台を置いて、ウェストを右足に乗せているのが不思議でした。
普通は無い形だと思います。

ときどき、こちらで勉強させて頂きます。

投稿: iwamoto | 2021年6月28日 (月) 11時27分

iwamotoさん
こちらまで、わざわざ有り難う御座います
ユーロ・ジャズも多くのタイプがありますが、北欧も近年なかなか実績があります。イタリアは当然頑張ってますね。
 このベーシストのラーシュ・ダニエルソンは、ちよっと一風変わったムードがありますね。どちらかというとメロディーを聴かせるタイプですね。以前はピアニストはアルメニア出身のTigrsan Hamasyanで、このアルバムはフランス領マルティニー島の出身のPrivatとそれぞれカラーがあって、時に私が聴くに中近東風のメロディーが出たりします。
ギターは、私はこのスタイルだと思ってましたが・・・??、クラプトンも座っているときは、よく左足でリズムをとっていました。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年6月28日 (月) 15時08分

最初からややこしい話にしてしまってゴメンナサイ。
このタイプのギターは左脚を足台に乗せて、高くなったももの上にギターのウェストを置きます。
いわゆるフォークギター系は足台は使わずに、右のももにウェストを乗せます。
従って、左脚は自由です。
というのが基本と思っていましたので、珍しく感じたのです。
演奏者の自由ですし、世界中でどうなっているのか知る由もなく、狭い範囲の知識で失礼しました。

投稿: iwamoto | 2021年6月28日 (月) 19時19分

iwamotoさん
お早う御座います、いろいろとお話有難う御座います。
 私はギターに関して(その他もそうですが)知識が無く、ただ聴くだけの人間ですので、興味深く拝見しました。
 それぞれ個性はあっても、楽器等は基本的な演奏スタイルなるものがあるのだろうと想像しておりますので、そんな意味からも今後注意して見たいと興味深く拝見しました。有り難う御座います。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年6月29日 (火) 09時11分

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