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2021年10月 2日 (土)

小曽根真  ピアノ・ソロ「OZONE 60」

還暦の集大成 クラシックとジャズの二本立てで・・・

<Classic, Jazz>

MAKOTO OZONE 「OZONE 60」
MQA-flac Download / e-onkyo / 2021

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Makoto Ozone : piano

Image_20211002101901  このところジャンルを超えての活躍に注目のある小曽根真、ピアノ・ソロ・アルバムとして久々の登場。2021年3月に還暦を迎えるにあたり、クラシック・ホール「水戸芸術館 コンサートホールATM」にて、スタインウェイD型(自己持ち込み)とヤマハCFXという2台のグランドピアノを曲により弾き分け、4日間で収録。ジャズとクラシックの両分野で活躍する小曽根の魅力を2枚のディスクに分けて収録したもの。
 今回私の場合は、それをe-onkyoからハイレゾMQA-flacでダウン・ロードしての音源。ピアノ・ソロは音が重要な一つのポイントにもなる。

(Tracklist)

[ CD 1 - CLASSICS + IMPROMPTU ]
1ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章
Ravel: Piano Concerto in G Major, M. 83: 2. Adagio assai
2ディパーチャーDeparture
3モーツァルト:小さなジグ K.574 ト長調
Mozart: Eine kleine Gigue in G Major, K.574
4プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第3楽章 Op.83
Prokofiev: Piano Sonata No.7 in B-Flat Major, Op. 83: 3. Precipitato
5モシュコフスキ:20の小練習曲 第8番 Op.91-8 ロ短調
Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 8 in B Minor: Moderato
6カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート1
Conversations With Myself - Part 1
7カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート2
Conversations With Myself - Part 2
8モシュコフスキ:20の小練習曲 第20番 Op.91-20 変ト長調
Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 20 in G-Flat Major: Allegro Moderato

[ CD 2 - SONGS ]
09.ガッタ・ビー・ハッピーGotta Be Happy
10.ニード・トゥ・ウォークNeed To Walk
11.ザ・パズルThe Puzzle
12.リッスン...Listen...
13.ストラッティン・イン・キタノStruttin' In Kitano
14.オールウェイズ・トゥゲザーAlways Together
15.オベレクO’berek
16.フォー・サムワンFor Someone

Unnamed_20211002110101   CD-1のクラシック・サイド「CLASSICS+IMPROMPTU」では、モーツァルト、ラヴェル、プロコフィエフなどの曲を、即興演奏を織り交ぜて演奏。
 CD-2「SONGS」と題するジャズ・サイドでは、書き下ろしの新曲を中心に、アルバム初収録となる8曲で構成、合計16曲。

  2台のピアノ用に編曲したオリジナル曲「オベレク」や即興演奏「カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート1、2」では、スタインウェイ+ヤマハで多重録音したものという。

  私的には断然「クラシック・サイド」が良かったですね。M1.M2は、静かな中に余韻ある優しいピアノの響きが、MQAの高音質で内省的であるが、心を安らぎに導いてくれて私好み。
 残念ながらモーツァルトは、あの躍動感はあるも、その中にある微妙などこか寂しげとか、憂いとかが全く感ぜず、どうも納得せず。
 N4.プロコエフは、彼のテクニックの披露。
   M6.の一つ一つの余韻を持って描く音の深さが見事。M7.は理解不能。
 モシュコフスキのM5、M8が又感動的、哀感のあるその美しさはこの上ない。

 彼の「ジャズ・サイド」は、どうも疑問が多かった。聴く人によって評価は高いのであるが、私的には、どうもついて行けない。M.15"O'berek"は、スリリングなアップテンポの演奏、ハイレベルな演奏技法は伝わってくるが・・・そこまで。
 とにかく救いは、M12."Listen...."と、M16."For Someone"があって、ほっとしている。様々な心象風景が描かれ、彼の心が伝わってくるような世界。

 小曽根の過去からの築き上げた世界の還暦に於ける総決算としてのピアノ・ソロ演奏。その世界が如何に多岐にわたっているかが実感できた。

(評価)
□ 曲・演奏 :  88/100
□ 録音   :  88/100

(視聴)

 

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コメント

彼は、あまりに流暢で、上手過ぎるように感じます。
この思いは、才能無き者のヒガミなのでしょうね。

求道者的な雰囲気が欲しいんですよ。
まことに身勝手ではございますが(笑)

投稿: iwamoto | 2021年10月 3日 (日) 19時09分

iwamoto様
コメント有り難う御座います
今やジャズの世界はクラシックの発展型、原点的ブルースの世界、かってのよき時代のアメリカン・ジャス、又やユーロではトラディショナルの世界から現代音楽の世界まで、もう何でもアリですから・・・我々は好みの世界で聴いてゆけばよいのでしょうね。
 小曽根に関しては、私の好みのポーランドのアンナ・マリア・ヨペックとの10年前の共演アルバム「HAIKU俳句」が一つの頂点でした。是非お聴きでなかったら聴いてみてください。(参考)↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-2332.html

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年10月 4日 (月) 17時40分

聞きました。
ヨペックは聞いたことがありましたが、これは最上級ですね。

ピアノは音が多過ぎるのが、難しいところだと思っています。

投稿: iwamoto | 2021年10月 4日 (月) 18時05分

iwamotoさん
こんばんわ
「HAIKU」はアルバム通してトータル・アルバムとして是非評価してください。日本の美学の結実ですね。
 小曽根のピアノの音が多すぎる・・・これはpassageパッセージ(ワーク)の事でしょうか、ジャズ演奏にはこのパッセージが又一つの魅力でもありますね。
 ジャズ・ピアニストとしての超人気者Brad Mehldauとか、私の好きなGiovanni Miragassiなんかは、これが命みたいなものと思ってますが。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年10月 4日 (月) 23時39分

息子は、もう還暦ですか。
お父さんは、よくこちら地元のローカルTVで見ました。
お父さんもピアノばかり弾いてたイメージがあったのですが、実はオルガニストだったとか。
大昔、叔父がよく行くバーかクラブかラウンジでピアノ弾いてたそうで(お父さんの方)見に行くかと言われた事もありましたが、高校生がクラブへ行ったらあかんと思います。

投稿: nr | 2021年10月 5日 (火) 11時51分

nrさん
こんにちわ、ご無沙汰しています、コメント有り難う御座います
そうなんですね・・・もう還暦なんですね。今や還暦が働き盛り・・・。^^
そうですか、お父さんの方のライブに行っていたら、ピアニストの演ずるジャズ・ファンになっていたかも知れませんね。まあ高校生がクラブはあかんでしょうね。^^

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年10月 5日 (火) 12時50分

ピアノという楽器は音がたくさん出せますね、という意味ですので。

違う話です、
ま、俳句と言うならば、表現を削り落として、その先にある姿を提示する、ということもありますよね。
一般論ですが。

投稿: iwamoto | 2021年10月 5日 (火) 14時28分

iwamotoさん
こんばんわ、コメントありがとうございます
ピアノの多彩な音のお話でしたか・・・おっしゃるとおりですね。
>俳句と言うならば、表現を削り落として、その先にある姿を提示する
うーーん、何と含蓄のあるお話、なるほどと、しばし考え込みました。そこまで考えてのアルバム・タイトルだったんでしょうかね。今となって、当時のこのアルバムに思いを馳せてみました。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年10月 5日 (火) 21時46分

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