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2021年11月18日 (木)

ビル・チャーラップ Bill Charlap Trio 「Street of Dreams 」

気楽に心地よく聴けるところがお見事

<Jazz>

Bill Charlap Trio 「Street of Dreams 」
Blue Note Records / e-onkyo MQA 96kHz/24bit Download / 2021

Stofdremw

BILL CHARLAP (PIANO)
PETER WASHINGTON (BASS)
KENNY WASHINGTON (DRUMS)

Produced by Bill Charlap
Recorded by James Farber and assisted by Owen Mulhollands at Sear Sound,New York,NY, May 24-25,2021
Mixed by James Farber and assisted by Steven Sacco at Sear Sound,New York,NY
Mastered by Mark Wilder at Battery Studios,New Yor,NY

Bc1   ビル・チャーラップのブルーノート・レコード復帰作としてピーター・ワシントン(b)、ケニー・ワシントン(ds)との長年のトリオ・メンバーにてのアルバムの登場。このトリオは1997年に結成され、2000年からブルーノートで『Written In The Stars』、『Stardust』、『Somewhere』など、25年の歴史ある経過で一連のアルバムをリリースしてきた。取り敢えずアメリカン・ジャズ界を代表するグループである。今回はトニー・ベネットとのコラボレーション『The Silver Lining: The Songs of Jerome Kern』などのアルバムなどブルー・ノートを離れていたところから、ここに古巣に復帰という形となって、下の収録リストに見るような、デイヴ・ブルーベック、ビリー・ストレイホーン、デューク・エリントン、ケニー・バレルなどの往年の名ジャズ作曲家の曲を網羅しての復帰作となっている。所謂ピアノ・トリオのお手本的作品。

(Tracklist)

01. The Duke (Dave Brubeck)
02. Day Dream (Billy Strayhorn, John LaTouche, Edward Kennedy Ellington)
03. Youre All The World To Me (Burton Lane, Alan Jay Lerner)
04. Ill Know (Frank Loesser)
05. Your Host (Kenny Burrell)
06. Out Of Nowhere (Johnny Green, Edward Heyman)
07. What Are You Doing The Rest Of Your Life? (Michel Legrand, Marilyn Bergman, Alan Bergman)
08. Street Of Dreams (Victor Young, Samuel M. Lewis)

 とにかく手慣れた演奏展開というところで、なんの心配も無くゆったり気分で聴くことが出来るアルバムだ。それも格別刺激的な演奏というところもなく、私にとっては好きな欧州の深遠なる哲学的なものとは全く別世界で、良きアメリカン・ジャズとして心安らかに気楽にジャズを堪能出来た。とにかくバック・グラウンド・ミュージックとして流していると最高である。

Bctrio1

 
チャーラップはトリオの3人のメンバー全員が平等な役割を果たしているとし、「私にとって、それは本当に私たち一人一人33 パーセントです。私が聴いて楽しんでいるのは、3人で対等な部分で一緒にいるそれが本当のバンドで、このバンドがそうなんです。みんなが平等に貢献しての作品」と言っているようだが、確かに旋律担当のピアノはどうしても中心にはならざるを得ないが、ベース、ドラムスも楽しげに交わっている。
 このアルバムは、彼らの深遠な関係の継続として、2020年の世界的災いの出来事によって引き起こされた混乱の終わりとして、三人の活動を祝うものとしたようだ。だから、最初の10年間を通してトリオの絶賛された録音の多くをリリースしたブルーノートで行ったという事なのらしい。
 M1."The Duke"のベースとブラッシ音のリズムに乗ってのピアノが如何にも快調で楽しそうなのである。
 そしてM2."Day Dream"M7."Out Of Nowhere"は、ゆったりとした演奏でどこか休まる世界。特にM7.の演奏は意外な静かさと慰めがあった。
 アルバム・タイトル曲M8."Streat Of Dreams"もゆったりとした演奏で、アルバム全体の総決算的な意志の纏め的演奏。静かな中、ゆとり、物思い、希望、意欲、決断など描いているように感じた。

 さて、そうゆう記念的アルバムなら高音質でと、これは私はMQA 96kHz/24bitハイレゾ音源を仕入れて聴くことにした。まあそうは言ってもどうも特別の高音質録音を企てたと言うことで無く、極めて一般的オーソドックスな録音で、どこか際立っているというモノでも無かった事を付け加えておこう。 

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏  :   90/100
□   録音        :    88/100

(視聴)

"The Duke"

*
"Street of Dreams"

 

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コメント

今晩わ。こういう音楽はやはりいい音で聴きたいものですが、うちの貧弱な装置ではなんとも。でもほんの小さい音でも、小気味いいし感じは伝わってきます。リンクを置かせてください。https://zawinul.hatenablog.com/entry/2021/11/16/142925

投稿: zawinul | 2021年11月18日 (木) 22時35分

zawinulさん
コメントどうも有り難うございます
 そうですね、ビル・チャーラップのアルバムはそれなりに聴いてきましたが、今回のアルバムが私は最も気に入ってます。
 このところ、MQAハイレゾに惚れ込んでいますが、このアルバムも、彼のピアノがクリアな音で美しいですね。
 三者中央寄りに配置されていますが、もう少し広がりがあってもよかったかなぁーーと思う録音でした。
そうそう、リンク有り難う御座いました。又よろしくお願いします。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年11月19日 (金) 00時06分

わたしは、この手慣れた感じが、ちょっとなぁ、です(笑)
詳しくないので、評価出来ないってところです。

再生音をスピーカから出すのではなくて、楽器自体を鳴らす方法もあるようですが、如何お考えでしょうか。
もっとも、ポピュラーなモノとしては自動ピアノがあると思いますが。 ピアノトリオを聞きました。
電磁石で駆動するのでしょうか。

投稿: iwamoto | 2021年11月20日 (土) 15時07分

iwamotoさん
コメント有り難う御座います
ジャズの評価は、自分自身で"こりゃーーいいわ"と思うモノがいいものでいいと思います。音楽は評価が良くても自分がよいと思わなければなんの意味もありません。
又万人が良いというものは、かなり限られたモノとなると思いますから・・・
良い音、良い録音って・・・生の楽器に如何に近づくかであって良いと思います。しかし、これも感覚的モノですが、オーディオで造られた快感の音というものもありますね。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年11月20日 (土) 22時37分

photofloyd さま、、
リンクをありがとうございました。m(_ _)m

本当に肩の力の抜けた演奏で、ちょっと、びっくりでした。
チャーラップって、音楽の鬼、、って、イメージだったので。。
しかし、これも、ベテランのなせる技ですね。


私のリンクも貼っておきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-ed89c4.html

投稿: Suzuck | 2021年12月20日 (月) 08時22分

Suzuck様
コメント、リンク有り難う御座いました。
しかし、こんなジャズもユーロ系トリオばっかり聴いていると、なんとなくホットしてイイデスネ。
 このところバック・グラウンド・ミュージックとして優しく流して聴いてます>叱られますかね。^^


投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年12月20日 (月) 17時33分

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