寺島靖国「Yasukuni Terashima Presents シリーズ」取り敢えず順調に
今年も楽しんだコンピレーション・アルバム
今年も残すとこ10日を切ってしまいました。益々歳のせいか一年が早い、コロナ禍で活動が抑制されているためか、行事が少なかったのも影響しているかも知れない。
例の寺島靖国のコンピレーション・アルバムも取り敢えず順調にリリースされた。特に「Jazz Bar」シリーズは2001年にスタートして21年続いているわけで、私の棚にもずらっと21枚並んでいて、なんとも偉大なシリーズになっている。とにかく日本にはジャズ・ファンがそれだけいると言うことでも有り、又寺島靖国氏の選曲が日本人の心をくすぐるモノを持っていると言うことだと思う。まあ私も好きな方で、結局のところ毎年仕入れてきたことになる。
取り敢えず今年の3シリーズをここに取上げておきたい。
█
<Jazz>
Yasukuni Terashima Presents 「Jazz Bar 2021」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1101 / 2021
(Tracklist)
1.Turnpike / Eple Trio
2.Io Te Vurria Vassa / Roy Powell Trio
3.Chez Laurette / Serge Delaite Trio
4.Madrugada / Michel Sardaby Trio
5.Hatzi Kaddish / Emmet Cohen
6.Minnesota Bridge / Bojan Assenov Trio
7.Havar Hedde / Dag Arnesen
8.Susan-Lee / Peter Auret Trio
9.Random Journey / Lisa Hilton
10.Moving Freely / mg3(Martin Gasselsberger Trio)
11.Ex Ego / Leszek Mozdzer/Las Danielsson/Zohar Fresco
12.Love Letter to Christiane / Ralf Ruh Trio
13.When Spring Comes / Frankfurt Jazz Trio
私の場合は、毎年このコンピレーション・アルバムを聴いて、うーんこれは良いと思ったものに目を付けるのだが、寺島氏の選曲は結構知らないモノを紹介してくれるので有難い。私自身もピアノ・トリオ好きでそんなところも一致している。
しかし、なかなか毎年の作業も大変そうで、今年の「2021」は結構古いものも多く、ちょっと残念でもあったが、私の所持しているアルバムは二枚であった。やはりもう少し当初のように最新作にアプローチして欲しい。
特に気に入ったのは、M1 、M6、 M8 で、さらに又それなりに良かったものとして、M2、 M5、 M7 などなど、楽しめた。
M8."Susan-Lee " のPeter Auret Trioが、2011年ものだがちょっと気になっている。
█
Yasukuni Terashima Presents 「for Jazz Audio Fans Only Vol.14」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1099 / 2021
(Tracklist)
1.Orbiting [Mats Eilertsen Trio]
2.Due Passi Nel Mare [Alboran Trio]
3.Pool Boy - Swim IV [Florian Ross Trio]
4.Ragtime [Audun Trio]
5.Les Sebots [Adrian Frey Trio]
6.How Deep Is The Ocean [Giovanni Mazzarino Quartet]
7.Evanescence I [Casimir Liberski]
8.Fiery [Peedu Kass]
9.End of September [Tim Allhoff Trio]
10.Nardissism [Olga Konkova Trio]
11.Norr [Tingvall Trio]
12.I Fall in Love Too Easily [Peter Rozsnyoi Trio]
この今年の「Vol.14」は、既に紹介しているが・・・・・
このシリーズも14年と長く続いて14作だ。実は私はこのシリーズに一番気合いが入っていて、毎年新発見があって楽しみにしている。ただし今作に選ばれた曲が納まっているアルバム四枚は、既に持っているものであって少々残念。
やはりジャズといっても私もオーディオ・ファンと言えるのか、興味あるトリオなどの小編成モノは、その音がかなり気になり、なかなかの名演奏も音が悪いと興味半減である。このシリーズで紹介されるものは、オーディオ・ファンとしても名の通っている寺島氏の推薦するものであって、結構納得しているのだ。
冒頭のM1."Orbiting "のMats Eilertsen Trioとか、M2."Due Passi Nel Mare "のAlboran Trioなどは、、過去に既に私がこのブログで取上げたモノだが、ほんとに素晴らしい。
未聴だったもので、M7, M8, M12等が今年は気になった。
M10(Olga Konkova Trio)、M11(Tingvall Trio)は、やはり過去にここで取上げているが、好録音、好演奏である。
█
Yasukuni Terashima Presents 「for Jazz Ballad Fans Only Vol.2」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1097 / 2021
(Tracklist)
1.Ralph Moore Quintet / It Might as Well Be Spring
2.Cliff Monear / Alone Together
3.George Masso All Stars / Summertime
4.Roy King / Reverie
5.Mark Nightingale / Close as Pages in a Book
6.The Kevin Hays Trio / Beautiful Love
7.Harry Allen / A Nightingale Sang in Berkeley Square
8.Albert "Tootie" Heath / Charade
9.Kai Winding Septet / The Party's Over
10.Guilhem Flouzat Trio / There's No You
11.Spike Robinson / Ghost of a Chance
12.Lisa Hilton / Willow Weep for Me
バラッドものは、やっぱり私の好みの世界、従ってこのコンピレーションものも楽しみにしているのだが、2年ぶりの登場だった。
今回は珍しく冒頭からRaiph Mooreとテナー・サックスものが登場する。寺島氏も本質的にはピアノ・トリオ派だが、テナーものもというファンからの要望もあったらしく、今回はその他にも登場する。私はサックスは、ソフトな演奏なら良いのだが、少々うるさい感覚になるとネガテイブになってしまう癖がある。
結局、サックスの他、クラリネット、トロンボーンなどの登場もみるものが5曲ぐらいあって、このシリーズはまだ二作目だがピアノ・トリオものの多い寺島選曲としては珍しい。それでもやはりソフトなムーディーな演奏が主力でよかった。
まあ、それなりにバラード調の曲と言うことで、私としては楽しめる曲が選ばれているコンピレーション・アルバムである。
(参考視聴)
"Eple Trio Live" (私のお気に入りのTord Gustavsen もお祝い参加している映像)
3分14秒にTord Gustavsenのソロ・ピアノからスタートするが、3分55秒から10秒ほど異音がでますので注意
*
"Due Passi Nel Mare / ALBORAN TRIO"
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コメント
60年代から、ジャズを支えている大きな力のひとつは日本のファンだ、
と言われてましたが、今でも脈々と続いているのですね。
文化を護るという崇高な行為、つまり、何故日本人はジャズを推すのか。
まるで異質であり、難解さも持つからでしょうか。
学問的にも好きですよね。
投稿: iwamoto | 2021年12月23日 (木) 20時35分
iwamotoさん
こんばんわ、コメントどうも有り難う御座います
ジャズの本来の流れから、全く欧州では別の流れが生じて、クラシックの発展系、トラッドの世界からのジャズ化、全てを巻き込んでのジャズ世界・・こんな流れはもはやジャンルといったものが無くなっているともいえますね。
音楽の一つの探究の場としてもジャズは有効にみえます。ジャズ=ミュージックとすれば、もはや消えることは無いでしょう。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年12月23日 (木) 23時01分