ダイアナ・パントン Diana Panton 「Solstice / Equinox」
あの自然体で歌い上げる四季折々の情景・情感をハイレゾ盤で聴く
<Jazz>
Diana Panton 「Solstice / Equinox」
e-Onkyo / Download / 2xHD Flac 192KHz/24bit / 2021 (Original-CD 2017)
Diana Panton (vocals)
Reg Schwager (guitar)
Phil Dwyer (saxophone)
Guido Basso (trumpet, flugelhorn)
Don Thompson (piano, vibraphone)
Audio Mixer: Chad Irschick
Recording information: Inception Sound Studios, Toronto, Ontano, Canada (08/2016)
ダイアナ・パントンつて不思議な存在で、なんとなくアルバムを買ってしまうと言う存在だ。近頃なんとベスト盤が出現してその筋では喜んでいるようだが(『Fairy Sings Love Suite』 (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release / 2021)(→))、私は考えてみると彼女のアルバムは殆ど持っているような状態であるのでスタジオ・ニュー・アルバムに期待している
そこで最近ハイレゾ音盤に関心があってe-Onkyoを覗いていたら、あれっ持っていないアルバムがあった。さっそくflac盤(192KHz/24bit)をダウンロードしてみたのがこれだ。おやおやこれのオリジナル盤は2017年にリリースされたモノだった。
しかしこのアルバム聴いていなかったので・・なんで知らなかったか不思議であった。そこで調べてみると日の経つのは早いもので、私が彼女のニュ-・アルバムを手にしたのは、つい先日のような気がしていたが、なんと最後があの可愛いジャケのアルバム『I Believe in Little Things』で、なんと2015年だったんですね。従って其の後はここに来るまで特に気にもしないで来た。つまり私としては彼女のニュー・アルバムを知れば手に入れるといったパターンで、特に狙って求めてきたという訳では無かったのが、この事実なのである。そしてその後はComplication盤、ライブ盤、ベスト盤がリリースされているが、スタジオ盤としてはこれが目下最後の盤であることが解った。
しかし、この音源は当初のCD盤ではなく、2021年に音質に改良を試みた2HD高解像度マスタリングされてのハイレゾ盤で、取り敢えずそれを聴いているのである。
(Tracklist)
1.They Say It's Spring
2.Heather on the Hill, The
3.Up Jumped Spring
4.That Sunday, That Summer
5.Estate (Summer)
6.Manhattan
7.Fin Des Vacances, La
8.September in the Rain
9.Tis Autumn
10.Septembre
11.Cloudy Morning
12.I Like Snow
13.By the Fireside
曲名をみるとおおよそ想像が付くと思うが、春から冬まで順番に四季折々の情景・情感を13曲歌い上げるのである。アルバム・タイトルは、「至/分」つまり、「夏(冬)至/春(秋)分」ということで一年の意味なんですね。そして意識してかバックにはドラムレスで、ギター、サックス、トランペット、ピアノ、ビブラフォーンなどが、ソフトに優しくサポートするのである。
しかし相変わらずパントンの歌は囁くように力み無く自然体そのもの、そしてキュートな面は相変わらずで十数年変化が無く、スウィートであって嫌みが無い。それが優しく自然の姿にアプローチして四季を描くのであるから聴くモノにとってはまさに和みそのものだ。
夜の癒やしの時間に・・というムードとはちょっと爽やかすぎて違うのだが、日頃の疲れを癒やしてくれるアルバムであることは間違いない。
とにかくバックも完全にパントン・イメージに変身してソフトなサックス、トランペットが曲を優しく支えるし、トンプソンのピアノ・ビブラフォンも美しい。ギターも刺激無く自然を描く。
まあ、私の注目としてはM8."September in the Rain"が如何に彼女らしくなるかと言うことと、あのM5."Estate"が素直な優しい世界ではどうなるのかと、ちよっと関心を持って聴いたが、なんとこれも完全に嫌みの無い優しい世界となって聴くことが出来た。
更にM7."Fin Des Vacances"の情感たっぷりのギターバツクに美しいピアノそしてフランス語で囁き調の彼女のヴォーカルと、味ある見事な仕上げだ。
いずれにしても十数年のキャリアとカナダのグラミー賞を獲得するだけの彼女であるから、見事に自分の世界を築いているんですね。結論的に、なかなか好感のあるアルバム。
□ 参考(Diana Panton Dyscography)
2005 ...Yesterday Perhaps
2007 If the Moon Turns Green...
2009 Pink
2011 To Brazil with Love
2012 Christmas Kiss
2013 Little Gems and Other Keepsakes (Compilation + bonus tracks, Asia only release)
2013 RED
2014 My Heart Sings (Live in Taipei, Asia only release)
2015 I Believe in Little Things
2017 Solstice / Equinox
2018 Yes, Please! (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)
2019 A Cheerful Little Earful
2021 Fairy Sings Love Suite (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)
(評価)
□ 歌・演奏 85/100
□ 録音 88/100
(視聴)
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コメント
風呂井戸さん、こんばんは。
ダイアナ・パントンを聴くと和みますね。
アルバムジャケットの(自筆)イラストも可愛らしくてまたまた和みます。
聴くときは頭を空っぽにして聴いてます。
ではでは
投稿: nanmo2 | 2022年1月14日 (金) 23時36分
nanmo2さん
コメント有り難う御座います
ちょっと聴き遅れていたアルバムですが、今やハイレゾ音源として手に入ると言うことで、それも正解でした。^^
こうした下手な虚飾の無いヴォーカルも貴重ですね。なんとなくそれが癒やしに通じて、ジャズの広さを感じています。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年1月15日 (土) 17時57分