イグナシ・テラッツァ Ignasi Terraza 「Intimate Conversations」
謹賀新年 2022
まだ続くコロナ禍ですが・・・何とか明るい年になって欲しい
今年もよろしくお願いします
█
A.モティスら人気ミュージシャンと、心温まるデュオ演奏集
<Jazz>
Ignasi Terraza, Andrea Motis,Scott Hamilton,Antonio Serrano
「Intimate Conversations」
Swit Records / Spain / SWIT 33 / 2021
Ignasi Terraza: piano
Andrea Motis (M): vocal, trumpet (on tracks 2 and 6), soprano sax (on track 8) and pandeiro (on track 4)
Scott Hamilton (H): tenor sax (1,7,9,12)
Antonio Serrano (S): harmonica (3,5,11,13)
(Tracklist)
1. Pick Yourself Up (H) (Dorothy Fields-Jerome Kern)
2. Que Reste-t-il de Nos Amours (M) (Charles Trenet)
3. Confirmation (S) (Charlie Parker)
4. O Meu Amor (M) (Francisco Buarque)
5. An Emotional Dance (S) (Ignasi Terraza)
6. Shiny Stockings (M) (Frank Foster-Jon Hendricks)
7. You Call It Madness (H) (Columbo Russ-Con Conrad- Dubois Gladys- Gregory Paul)
8. Cristina (M) (Ignasi Terraza)
9. People (H) (Bob Merrill-Jule Styne)
10. Luiza (M) (Antonio Carlos Jobim)
11. Bye Bye Blackbird (S) (Ray Henderson)
12. Temps de Canvis (H) (Ignasi Terraza)
13. Alfonsina y el Mar (S) (Felix C. Luna-Ariel Ramírez)
14. My Crazy Rhythm (M) (Ignasi Terraza)
Recorded at Swit Records studio by David Casamitjana on July 27th 2019 with Scott Hamilton, January 10th 2020
with Andrea Motis and January 23th 2020 with Antonio Serrano
スペインの盲目の名ピアニストのイグナシ・テラッツァが、スコット・ハミルトン(ts)、アンドレア・モチス(vo,tp)、アントニオ・セラーノ(harmonica)ら人気アーティストとの演奏で、親近感たっぷりの作品である。全ての曲がゲストの味わいを引き出すべく、彼のピアノとデュオでの演奏で聴かせるところが注目点。
イクグナシ・テラッツァに関しては、詳しくないので少々調べてみたが・・・
彼は、1962年にバルセロナで生まれ、9歳の時に目が見えなくなり、すぐにピアノと接するようになった。バルセロナ音楽院でクラシックピアノを学び、同時にジャズを独学。1980年に彼の街のクラブで演奏し始め、同時に彼はなんとコンピュータサイエンスをポリテクニック大学で学び、スペインで初めての学位を取得。そして数年間、彼はコンピュータサイエンスへのプロとしての仕事とジャズステージでの演奏を両立させたという希有な存在。その後 彼は音楽に完全に自分自身の身を投ずることになる。スペインで最も優れたジャズピアニストの一人で、国際的に優れた活動している存在。
1999年、暗闇の中のジャズコンサート「ジャズエールフォスク」初演。
2009年 米国のジャクソンビル国際ジャズピアノコンクールの1等賞を受賞。
2010年 アンドレア・モティス五重奏団を設立。既に9枚のアルバムを製作。
彼はエスクエラ・スーペリア・デ・ムシカ・デ・カタルーニャのジャズ・ピアノの教授。
「Intimate Conversations」は、"親密なる会話"と訳してよいのか、テラァツァ自身が2005年に設立したレーベルで、Swit Recordsでリリースされ、ジャズに特化し、音楽のプロモーションと管理の役割を果たしている。
さて、アルバムだが、彼のオリジナル4曲とカヴァー集だが、彼のピアノがお膳立てしいて、それぞれのミュージシャンがデュオでその味を出している。
█ スコット・ハミルトン(上左)は、ゆっくりとしたスイング、充実感のある刺激より包み込む音で聴かせる。彼はアルバムの4曲に参加し、美しいバラードM7."You Call It Madness あなたは狂気と呼ぶ"で納得。M12."Temps de Canvis "支えるピアノとの相性も良く、このデュオはまさに癒やされる世界。
█ 偉大なハーモニカプレーヤーのアントニオセラーノ(上右)は、その哀愁的で感傷的な音色は、M5."An Emotional Dance "、M13." Alfonsina y el Mar"で完璧。ハーモニカとピアノの組み合わせが生きている。彼は4曲に登場し、特にM13は、1938年に自ら命を絶ったアルゼンチンの詩人アルフォンシーナ・シェルニへのオマージュとして書かれた曲とか。
█ アンドレア・モティス(右)は、もうテラッツァとの結びつきも10年以上で、6曲に登場。M2."Que Reste-t-il de Nos Amours "は、彼の美しいピアノに続いて、繊細なる魅力あるヴォーカル、更にトランペットを乗せて曲を見事に作り上げる。M8.”Cristina”のヴォーカルは美しいし、ソプラノ・サックスを聴かせる。M10." Luiza"のしっとりヴォーカルもいいですね。
"親密なる会話"そのもののアルバムであり、非常に優しく包容力のある世界で、4人の結びつきの美しさを感ずる。私にとっては新春向きである。こうしたジャズ・アルバムの存在も貴重である。
(評価)
□ 曲・演奏・歌 88/100
□ 録音 85/100
(視聴)
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コメント
スミマセン、音楽の話ではないのですが。
しめ飾りの隣りの写真、ジャケット写真ではなかったんですね。
これは美しいジャケットだなと思ったのに。
シューベルトの『冬の旅」に使ったら良いでしょう。
似たもの持ってますが(笑)
投稿: iwamoto | 2022年1月 3日 (月) 11時53分
iwamotoさん
今年もよろしくお願いします
ジャケットに向いた写真でしたか・・・こんな冬の造形が好きでして、撮ってあるいています。毎年信州では冬の方が撮影対象に恵まれた感覚になる私です。しかし今年は寒さも身にしみるようになりました。
シューベルトの「冬の旅」ですか、あれは私は全て聴いたことが無いのでした。男性ヴォーカルもこの曲となると、結構魅力的ですね。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年1月 3日 (月) 22時02分