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2022年7月17日 (日)

[好録音シリーズ] Three Blind Mice の思い出(4) : 菅野邦彦「慕情」

軽快なリズムの中に情感が流れるピアノ・ジャズの真髄

<Jazz>

Sugano,Kunihiko Trio +1 「LOVE IS A MANY SPLENDERED THING」
Live in "5 DAYS IN JAZZ 1974"
CRAFTMAN RECORDS / JPN / CMRS-0044 /  2019 (Original LP 1974)

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菅野邦彦(p)
小林陽一(b)
高田光比古(ds)
小川庸一(conga)
 
  先日取り上げた Three Blind Mice レーベルの話題作の鈴木勲アルバム「BLOW UP」(下左)「BLUE CITY」(下右)にて、ピアノを演じている菅野邦彦の彼自身のリーダー・トリオの当レーベル唯一のアルバム(1974年ライブもの)。

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 菅野は大学在学中、吉屋潤のバンドで演奏活動を始めた。そして卒業後は、取り敢えずサラリーマンになるが一年で再び音楽の道へ戻ったと。1960年ころより、鈴木勲、ジョージ大塚とトリオで演奏開始。
 このTBMレーベルがスタートして、1973年の「BLOW UP」で人気も定着。

(Tracklist)

1. "Love is A Many Splendored Thing"
2. "Autumn Leaves "
3. "Blues For Wynton Kelly"
4. "Perdido"

 彼は銀座の老舗ライブハウス「JUNK」での活動が聞かれているが、このメンバーが、そのまま1963年~64年ころ、松本英彦カルテットとして活動し解散後は、ソロピアニストとして、またリーダーとして活動しいた。
 又彼はあまりにもの繊細さからコンサートホールでの演奏は苦手だったとか。しかしながら、菅野のブルースフィーリング溢れるピアノ演奏、又曲のテーマのフェイクが旨く彼なりの世界に引っ張り込むところが天下一品。更にアドリブの妙も素晴らしく当時日本ならず世界のJAZZ界でも認められた。

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 そしてこのM1."Love is A Many Splendored Thing"は、軽快な乗りを展開し、それが情感溢れるところが魅力。とにかくご機嫌な演奏で魅了する。
 M2."Autumn Leaves"も、やはり導入までの演奏が見事、そしてメイン・テーマが現れるとほっと感情輸入して聴ける。この曲でもフェイクが又一つの効きどころ。こうゆう有名曲は更にアドリブも楽しめるのがいい。
 M4."Perdido"は、当時LPのB面をすべて使った18分を超える演奏。トリオ演奏の楽しさが伝わってくる。

 なかなかドライブ感がたっぷりで、日本において、ジャズの展開の楽しさを広めてくれた。
   このアルバムの録音は、当時はリアルさにおいて評判だった。ちょっと硬さはあるがライブとしてはよくここまで旨く録音したと思われる。ただ、ピアノが右で、ドムスが左からと、ちょっと慣れない感じが否めない。

(評価)
□ 編曲・演奏 :      88/100
□   録音(当時として) :   88/100

(試聴)

 

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 追加するが、当時というか1980年になって、菅野邦彦が盟友鈴木勲とキングレコードからリリースしたアルバムがあり、紹介する。今日のテーマのTBMレーベルものではないが、日本のジャズ界、ロック界に貢献度の高いキング盤LPも、なかなか好録音としてリリースしているし、なんといっても菅野のピアノ、鈴木のベースは日本のジャズ界の宝物だけにここに取り上げた。

名録音と名演奏

<Jazz>

KUNIHIKO SUGANO, ISAO SUZUKI 「SINCERELY YOURS」
King Records / JPN / KICJ 2622 /  2019 (Orinal LP 1980)

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菅野邦彦(p)  鈴木勲(b)

(Tracklist)

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1. Mean To Me
  Written-By – F.E. Ahlert, R. Turk  5:15
2. The Midnight Sun Will Never Set
  Written-By – D. Cochran, H. Salvador, Q. Jones 8:10
3.Moon River
  Written-By – H. Mancini, J. Mercer 5:13
4. Autumn In New York
  Written-By – V. Duke 7:01
5. I'm Getting Sentimental Over You
  Written-By – G. Bossman, N. Washington  4:47
6. The Very Thought Of You
  Written-By – R. Noble 3:21
7. Goodbye
  Written-By – G. Jenkins  4:11

 当時のLPは録音の良さでマニアにも評判もの。鈴木勲のインパクトたっぷりのベース・ソロが誘導して菅野ピアノ美しいメロデーのフレーズを引っ張り出すという両者の流れは余裕たっぷり。これぞ盟友とのデュオだ。
 このアルバムの音は菅野のピアノのタッチ・音質と鈴木のベースの音を見事に捉えていていて快感。
 菅野は相変わらずのフェイクが楽しく、アドリブも見事なM3."Moon River"
 M4."Autumn In New York"、M7."Goodbye"のベースの響きは圧巻で、しかもこれに優しく菅野が優しいメロディーとアドリブを加えるコンビの妙。
   M6."The Very Thought Of You" のピアノのフェイクで描くメロディーの美しさは抜群。
 日本のジャズ史における貴重盤。

(評価)
□ 編曲・演奏 :   88/100
□   録音    :   88/100

(試聴)

 

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