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2022年8月 2日 (火)

ウン・サン Woong San 「Estate」 

イタリアのスタンダード曲をしっとりとソウルフルに・・・・

<Jazz>

Woong Sun 「Estate」
Universal Music / JPN / e-onkyo ( MQA 96kHz/24bit) /2020

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Woong San(Producer, Vocals)

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(Tracklist)
1 Estate                        (Compser :Bruno Martino, Bruno Brighetti)
2 Wind BlowsIm In Gun  (ComposerLyricist : Im In Gun)
3 Promise Lee Sung Man  (Author: Lee Sung Man, Composer:Lee Bum Hee)

  実は、ジャズ界では数えきれない多くのスタンダードと言われる演奏される機会の多い曲があるが、その中でも私は好きなものが当然何曲かあるが、その一つがこのイタリアの曲"ESTATE エスターテ"だ。
 今日取り上げるは、実はe-onkyoのハイレゾ音源の配信サイトで、あの韓国のウン・サンWoong SanのMQA 96kHz/24bitのハイレゾ盤をみつけて(3曲のみであるが)手に入れ、このところよく聴いてきたので、紹介することとした。

Bmartino1  この曲はイタリアにて1960年にブルーノ・ブリゲッティBruno Brighettiの詩にブルーノ・マルティーノBruno Martino(イタリア、ピアニスト・作曲家・歌手 →)が曲をつけ歌ったことがことの始まりなのだが、愛の記憶が去来する「夏」という季節への愛憎を、哀調をこめて歌ったバラードであるが、当時イタリアではさほどのヒットにならなかったらしい。

 そしてジャズの世界で米国のヘレン・メリルが、1962年にイタリア語で歌唱したEP盤を出したものの、世界的にはならなかった。

Original  しかし、ボサノヴァ創始者の一人であるブラジルのミュージシャン、ジョアン・ジルベルト(→)は、1960年代にイタリアを訪れ「エスターテ」を耳にして関心を持った。しかし彼がこの曲をアルバムに録音したのは、十数年後の1977年で、オーケストラによるストリングス伴奏付きで、イタリア語で彼の訥々(とつとつ)とした歌唱法で歌った。
 このジョアン・ジルベルトの歌によって「エスターテ」は世界的に知られることになりボサノヴァとジャズのジャンルで好んで歌われ、演奏される曲となったのである。

 その後、ピアノ演奏版、英語歌詞版など出現し、タイトルは"Odio l'estate" (私は夏が嫌い)"In Sunmer"など出現したが、単に"Estate"という題名になった経過である。そしてこの曲は元々「夏は嫌い、あのひとを思い出させるから」という内容の歌詞であり、好んで女性歌手により歌われるか、ピアノ演奏版が多い(過去にここでも取り上げた)。

Woongsan2021  さて、今日の話題のウン・サンであるが、彼女は今や韓国一の実力ジャズ歌手と言ってよいだろう。生まれは1973年4月18日で、49歳と円熟期だ。韓国にてミュージシャン、女優、テレビ番組のホストとして活躍している。1998年の日本デビュー以来、500回以上のライブ演奏を行い、10年以上にわたり韓国と日本のジャズ音楽シーンの第一人者である。彼女はニューヨークのブルーノート・ジャズ・クラブで演奏した最初の韓国人ともいわれている。かって彼女のアルバムをここで取り上げたのはもう11年前『Once I Loved』(FW2081W/2010)になってしまうが、スタイルは、ジャズ、ブルース、ラテン、ファンクスタイルの彼女なりの世界を持っていてなかなか聴きごたえある歌手だ(参照:アルバム『I'M Alright』(UCCU-1583/2018))。
 今回のこの"ESTATE"も、しっとりソウルフルなバラードで聴きやすいラブナンバーとして評価できるし、又録音が非常にレベルが高くこれも聴きごたえあった。

(評価)
□ 編曲・歌  90/100
□ 録音    90/100

(試聴)
/

〇 ライブの模様「ESTATE」→→「YouTubeで見る」をリリックしてください(↓)

 

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コメント

見た目が大人になりましたね。
コリアンジャズ、初めて聞きました。
実力は申し分ないですね。
こういう人がいるのかぁ、と思われました。
世界中にいらっしゃるのでしょうね。

投稿: iwamoto | 2022年8月 2日 (火) 19時06分

iwamoto様
コメント有り難うございます
韓国は結構ジャズは盛んで・・彼女は日本のレコード会社との関係でも活躍しましたので、その筋では広く知られていますね。
歌唱力はかなりのものと思ってます。
最近、ヴォーカルが韓国語のアルバムもあるのですが、以前のように出来れば英語で頑張って欲しいですね。
これからが、若さと違った味で円熟していって欲しいです。

投稿: photofloyd | 2022年8月 2日 (火) 21時41分

初めまして。トップページのブログ案内からきました。
ウンサンの名前を見て嬉しくてコメント致します。
お気に入りは「Arriba Arriba」
他に韓国語で歌う外国の曲がとても素敵です。
私自身韓国語は全く分かりませんが・・・
周囲にウンサンを知っている人が居ないので記事見つけてうれしかったです。

投稿: おたま | 2022年8月 6日 (土) 00時37分

おたまさん
初めまして、コメントどうも有難うございます
そうですね、彼女は歌がうまいので・・・聴きごたえありますね。
私も、全く韓国語は解りませんが、英語の方が何とか想像できて良いのですが・・・・
そうそう、今年のアルバム『Love,Its Longing Vol.2』が又しっとりムードは最高ですね、すべての曲が韓国語で歌っていて内容が解りませんが・・・。
又、よろしくお願いします。

投稿: photofloyd | 2022年8月 6日 (土) 10時03分

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