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2022年10月22日 (土)

テレサ・ブライト Teresa Bright 「 BLUE SKIES」

軽快な明るいジャズをヒーリング・ヴォイスで

<Jazz>

Teresa Bright 「 BLUE SKIES」
ALOHA GOT SOUL/DIW / JPN / AGSJ1 / 2022 (MQA-CD)

279

Teresa Bright (vocal except 12) (ukulele on 12)
Kit Ebersbach (piano except 01, 08) (organ on 06) (probably synthesizer on 07)
Sam Ahia, Sr.(guitar on 01, 02, 03, 05, 11)
Dean Taba (upright electric bass)
Noel Okimoto (drums) (vibraphone on 02, 07)
Rocky Holmes (tenor saxophone on 04, 05) (flute on 08, 12, 13)
Casey Olsen (steel guitar on 08)

Recorded in 2005 at Pacific Music Productions, Honolulu, Hawai
(2020年作品のCD化)

20teresabrightprofileimage4

 ハワイの音楽シーンを代表する人気女性歌手(兼ウクレレ奏者)でキャリア40年となる日本でおなじみのテレサ・ブライト(1959年生まれの63歳)のジャズ・スタンダード・アルバム。小コンボ編成で2005年(彼女の46歳時)に録音され、それが遅れること15年の2020年に配信のみでリリースされ、その後アナログLP化もされ、好評での今年日本限定初CD化(Hi-Res MQA-CD)されたもの。

W_20221019131401  このアルバムは、ピアニスト・エンジニアのキット・エーバースバッハ(→)と共に好きであったジャズ調のアルバムを録音したもので、彼女のお気に入りのスタンダードソングと、オリジナル曲"Sp-r-ing"を収めた。そしてこれらの録音は、エーバースバッハのハードドライブに辛抱強く長年保管されていた。
 その後今日になって彼女が過去の活動を評価されハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツから生涯功労賞を受賞するにあたって、授賞式を見越して、エバースバッハはレーベルAloha Got Soulにアプローチし、この「Blue Skies」を最終的にリリースするという提案をし、実現したという経過だ。

 彼女は音楽家の父とフラ・ダンサーの母という音楽一家に生まれる。1988年にアコースティック・デュオ(ハワイアン、ボサノバ、ジャズなどを融合させたスタイル)の"スティーヴ&テレサ"としてハワイのグラミー賞、そしてその後のソロとしての活躍を含め各種の多くの賞を受賞して、彼女は今やハワイアンの女性No.1歌手の地位を確立しているベテラン。
  
(Tracklist)

01. You'd Be So Nice To Come Home To (vo/g/elb/ds)
02. Let There Be Love (vo/g/vib/p/elb/ds)
03. Sunny Side Of The Street (vo/g/p/elb/ds)
04. That's My Desire (vo/ts/p/elb/ds)
05. I Cover The Waterfront (vo/ts/g/p/elb/ds)
06. Lazy Bones (vo/org/p/elb/ds)
07. Alone At Last (vo/vib/p/synth/elb/ds)
08. Sp-r-ing (vo/fl/steel-g/elb/ds)
09. Skylark (vo/p/elb/ds)
10. Java Jive (vo/p/elb/ds)
11. Blue Skies (vo/g/p/elb/ds)
12. Accentuate The Positive (instrumental) (fl/ukulele/p/elb/ds)
13. Accentuate The Positive (vocal) (*Japan bonus track) (vo/fl/p/elb/ds)

 当時40歳代円熟期のテレサ・ブライトの清爽感のある潤いに満ちた高めのクリーン・ヴォイスはなかなかのものだ。どちらかというと熱いというのでなくリリカル歌唱で優しく誠実真摯に語りかけてくる感じのリキみなき自然体調子がいいですね。
 ジャズ・ヴォーカルの中でも、アルバム・タイトル曲M11."Blue Skies"を代表に、小気味よさのあるリズムカルにしてスッキリ感の世界はいこごちがいい。バック陣の演奏もなかなかおしゃれムードに仕上げられている。

 おなじみのM1."You'd Be So Nice To Come Home To"の軽妙なジャズ・ヴォーカルからスタート、M3."Sunny Side Of The Street "まではなかなかギターの支えも良く小気味よい。M4."That's My Desire"となると、それでも結構しっとり感も訴えてきて、この曲ではテナー・サックスも色を添える。
 その後、ブルース、ボサノヴァまで多彩なアレンジと可憐な歌声で展開し、ビブラフォンがジャズ色を強めたり、一部でスティールギター(彼女のオリジナルM8."Sp-r-ing")やウクレレ(M.12"Accentuate The Positive")もフィーチャーし、ハワイであることも忘れていないアレンジも楽しめる。

 まあハワイアン因子はかなり後退しているが、軽い明るめのジャズを歌心溢れる最高のヒーリングヴォイスでどちらかというと癒しを与えてくれる快適なヴォーカル・ジャズ盤だ。なおこのCDはMQA-CDで高音質で楽しめる(勿論。、普通のCDとしても再生可能)。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 :  88/100 
□ 録音     :      88/100

(試聴) 
"You'd Be So Nice To Come Home To"


*

"That's My Desire "

 

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コメント

You'd Be So Nice To Come Home To
この曲に一番最初嵌ったのは、ヘレンメリルだったかもしれません。なんて大人っぽくて色気があるんだろうって思いましたが、25才の頃の歌唱でした。
ヘレンメリルを模写したような青江三奈さんも伊勢佐木町ブルースを歌っていたのは27才

今はAKBや欅坂などの女性グループの25才なんて、中学生のような可愛らしい恰好で幼い声ですから、同じ25才でも違いますねえ。
テレサ・ブライトさんの声も少しハスキーっぽくてとても穏やかな気持ちになれます。

投稿: minton | 2024年7月25日 (木) 18時21分

minton様
コメント有難うございます
ジャズと言えば、大事な分野が女性ヴォーカルですね。今や殆どヴォーカルは女性に頼ってますが、いろいろと個性があって楽しいところですね。
そして昔から親しまれた曲を多くのヴォーカリストが、それぞれの技量と個性によって歌ってくれるのは嬉しいことですね。
(気が付くのが遅く返事が遅れましたすみませんでした)

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2024年7月28日 (日) 19時01分

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