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2022年10月 6日 (木)

ブラッド・メルドー Brad Mehldau 「PLAY THE BEATLES AND MORE」

ビートルズ、レディオヘッドなどの曲を好録音で聴ける

<Jazz>

Brad Mehldau 「PLAY THE BEATLES AND MORE」
LIVE at FESTIVAL DA JAZZ ST.MORITZ.2021
STARGAZER'S FILE / SFF-00127 / 2022

Bradmehldaulive

Recorded Live at Hotel Reine Victoria, Festival Da Jazz, St. Moritz, Switzerland, July 08, 2021 EXCELLENT Soundboard Recording // 75 min

BRAD MEHLDAU : Piano

   昨年(2021年)7月8日のスイスでのブラッド・メルドーのピアノ・ソロ・ライブ収録盤である。とにかく最高音質というところが聴きどころの重要な一つのポイントのアルバム。曲間はカット編集し75分1枚になんとか収めたもの。従って会場の音が無いのでライヴ感が無いが、良く言えば「オフィシャルのスタジオ録音」かと間違うほどのものである。この日のセットリストはビートルズはじめレディオヘッドやデヴィッド・ボウイなどロック・ポップスからの選曲が多く、特にビートルズは全体の三分の一を占める5曲が演奏されている。
 2021年のソロ・ライブものは、以前にドイツにおけるものを(「MOERS2021」)を紹介したが、ここでは数曲はダブっているが、又別物として楽しめる。

 実は最近のブラッド・メルドーはマンネリの回避か、実験色の強いアルバムがオフィシャルにはリリースされていて、ちょっと私には敷居が高いアルバムが続いているのだ。そんな時には、彼のライブが実に楽しめる。今年の夏の来日公演は中止になってしまったが、彼の世界各地でのソロ・ライブものは、親近感の強い演奏が多く、従ってそんなところを狙ってのライブ盤を探し求めてのそんな一枚なのである。

Bradmehldauw_20221002232801

(Tracklist)
01. KARMA POLICE (Radiohead)
02. I AM THE WALRUS (The Beatles)*
03. YOUR MOTHER SHOULD KNOW (The Beatles)*
04. IN THE KITCHEN (Brad Mehldau)
05. BABY'S IN BLACK (The Beatles)*
06. COME RAIN OR COME SHINE (Harold Arlen)
07. VALSA BRASILEIRA (Chico Buarque)
08. SOMETIMES REAL (traditional)
09. SKIPPY (Thelonious Monk)
10. LIFE ON MARS (David Bowie)*
11. DEAR PRUDENCE (The Beatles)
12. SHE SAID SHE SAID (The Beatles)*
13. LITTLE BY LITTLE (Radiohead)
14. HERE'S THAT RAINY DAY (Jimmy Van Heusen)
15. IN THE STILL OF THE NIGHT (Cole Porter)

(追記 Feb.2023) *印 : 公式アルバム「Your Mother Should Know : Brad Mehldau plays The Beatles」に登場した曲。

  いっやー、とにかくオーディエンス録音ものでなく、サウンド・ボード録音で好音質ですねぇ。ここまで仕上げが良いと、オフィシャルは真っ青ですね。なにせブートですからその宣伝も面白い・・それはなんと「ピアノに首を突っ込んだような音」と表現されている。いっやー-初めて聞いた言葉(表現)だ(笑)。
 たっぷり15曲、ビートルズ(下左)ものが5曲、レディオヘッド(下右)が2曲、デヴッド・ボウイ1曲、セロニヤス・モンクやコール・ポーターも登場。メルドー自身のオリジナル曲は1曲のみだ。

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 ビートルズものは選ばれるのも解るが、レディオヘッドがお気に入りなのだろうか、ロックといっても音楽性が高いという事か、オルタナティヴ・ロックの大枠にジャズ、クラシック、現代音楽などを混交した多彩な実験性のある音楽性にメルドーもどこか気に入っているのかもしれない。
 私にとってはM01,M3.,M10, M14, M15 あたりが聴きやすかった。しかし相変わらず左手の演奏が別格に充実していて、M8."SOMETIMES REAL"はトラディツショナルという事だが、おそらく彼の即興が加味されての曲の深みが凄い。

 しかし、あまりないことだが、オフィシャル盤をパスしてブートをあさって楽しんでいるブラッド・メルドーというのは私にとっては異端児ですねぇーー。皆さんはどうなんだろうか。

(評価)
□ 曲・演奏 88/100
□   録音   88/100

(参考試聴)
Mehldauのソロ演奏 "YOUR MOTHER SHOULD KNOW"(The Beatles)

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