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2023年2月25日 (土)

ニッキ・パロット Nicki Parrott 「Misty」

懐かしのスタンダード曲が目白押し
無難に往年のジャズ・ヴォーカルのヒット曲を歌い上げる

<Jazz>
 Nicki Parrott 「Misty - Here's To The Great Ladies of Jazz」
Venus Records / JPN / VHGD-10001 /2023

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Nicki Parrott(vocals,bass)
Dave Spicer(piano,organ,fender rhodes)
Paul Hudson(drums,cowbell)
Martha Baartz(tenor saxophone)
Todd Hardy(trumpet,flugelhorn)

2022年11月18,19,28,29日 オーストラリア録音
Engineered by Mark Smith
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Produced by Tetsuo Hara

 とにかく多作なニッキ・パロットの今年のまず新作はCDとSACDのHYBRID CDで登場。なんとビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウイルソン、ジュリー・ロンドンなど女性ジャズ・ヴォーカルのレジェンドたちの愛唱曲がずらっと並んで14曲。
 この新作はニッキの故郷オーストラリアで現地ジャズミュージシャンをバツクに彼女のベースと歌で録音されたもの。とにかく懐かしのスタンダードが目白押しで、彼女のオーソドックスな歌で楽しませてくれる。まぁ無難なところでこれと言って非はないが、特にバラード調の曲も結構多くて、その面では私的には文句のないところであった。

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01 がっちりローラ Whatever Lola Wants
02 ミスティ Misty
03 魅惑のとりこ Bewitched, Bothered And Bewildered
04 オールド・デビル・ムーン Old Devil Moon
05 ニアネス・オブ・ユー The Nearness Of You
06 デスティネイション・ムーン Destination Moon
07 グッド・モーニング・ハートエイク  Good Morrning Heartache
08 ガール・トーク Girl Talk
09 ビッグ・スペンダー Big Spendeer
10 ネバー・レット・ミー・ゴー Never Let Me Go
11 イッツ・ラブ It's Love
12 エブリシング・マスト・チェンジ Everythng Must Change
13 ヒアズ・トゥ・ライフ Here's To Life
14 アット・ラスト At Last"

 冒頭のM1."Whatever Lola Wants"は、ピアノ・トリオにサックス、トランペット入りで懐かしの曲を昔ながらのジャズ演奏スタイルで元気の良い演奏。エラ・フィッツジェラルドとかサラ・ヴォーンを思い出す。相変わらずのオーソドックスなパロットの歌が聴ける。
 M2."Misty" 私の好きなエロル・ガーナーの曲。サラ・ヴォーンとか、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラそしてジュリー・ロンドンの歌など有名だが、ここではかなり珍しく編曲とか演奏にもそれなりに力が入っている。歌も含めてこのアルバムでは聴きどころ。
   M3."Bewitched,Bothered And Bewildered"、これも古いですね、1941年の「奥様は魔女」ですね、ドリス・ディですね。ロッド・スチュワートとシェールのデュオ(2003年)で有名。パロットのベース演奏もしっとり聴かせてくれる。
 とにかくバラード調が良いですね。M5." The Nearness Of You"(あなたのそばに)は、戦前の曲ですね。そして1956年のエラ・フィツジェラルドとルイ・アームストロングのデュオが有名。M7.”Good Morrning Heartache"は、ビリー・ホリディー、ダイアナ・ロスあたりかなぁ・・・。まあ両曲変な特徴を主張しないでのしっとりとしたヴォーカルも良いです。
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 後半も、バラードものがやっぱり良いですね。ビル・エヴァンスも演奏しているM10."Never Let Me Go"(アイリン・クラールの歌)とか、そしてM13." Here's To Life"(シャリー・ホーンが歌った)での、このパロットの歌の印象が、ピアノ(Dave Spicer →)の音をバックにこのアルバムでは抜群に良いですね。
 そして最後のM14."At Last"は、エタ・ジェイムズの歌で広がった歴史だが、人生の一つのけじめなどにも多く歌われるものですね。

 ベースの弾き語りのニッキ・パロット、相変わらず素直な歌で印象が良い。日本で広く愛されるのもその点が大きいのだろうと思うが、全くその線は変わっておらず優等生版で、彼女のアルバムで特上の部類だった。

(評価)
□ 選曲・編曲・歌   88/100
□ 録音        88/100

(試聴) "Here's To Life"

 

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2023年2月20日 (月)

ポール・レイ Paul Lay Trio 「BLUE IN GREEN」

アクティブなダイナミック・プレイと内省的な深みの演奏と
・・・自己の世界をしっかり描いて

<Jazz>

Paul Lay Trio 「BLUE IN GREEN - Tribute to BILL EVANS 」
 La Scala/ IMPORT / SMU006 / 2023

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Paul Lay (piano)
Clemens Van Der Feen (double bass)
Dré Pallemaerts (drums)

Recorded at La Piccola Scala in February 2022

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 本盤は、ベースのクレメンス・ヴァン・デル・フェーンはオランダ人、ドラムのドレ・パレマーツはベルギー人とのトリオでの、ビル・エヴァンスに捧げられた演奏が聴かれるパリのライヴ・スペースのLa Piccola Scalaでのライヴ録音盤。

(Tracklist)

1.Minority - 7:40 (Gigi Gryce)
2. Alice in Wonderland - 9:32 (Sammy Fain)
3.Interplay - 9:59 (Bill Evans)
4. Blue in Green - 10:04 (Bill Evans)
5.Peri's Scope - 6:26 (Bill Evans)
6. The Two Lonely People - 11:07 (Bill Evans)
7.Funkallero - 11-15 (Bill Evans)

  上のように、ビル・エヴァンス自身が演奏するのが好きなヒット曲と作曲した5曲で構成されていて、この両方を通してポール・レイ(ライと発音するのが正しいか)は「私たちに多大なインスピレーションを与えてくれたビル・エヴァンスの伝説的な人物を中心に、この私たちのトリオをより深く掘り下げてもらいたかったのです。このライブレコーディングは、即興がいかに魔法のようになり得るかを示している。このパンデミックの中で、私たちが事前にリハーサルすることができなかったし、このラ・ピッコラ・スカラでの録音は初めてでした」と言っている。
 レイは過去に何度もエヴァンスの曲を演奏し録音してきているが、ここではリハーサルなしの信頼あるメンバーとトリオで即興によることにより、エヴァンスへのオマージュとしているところが興味あるところだ。

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 エヴァンスの影響はやっぱりあるんでしょうが、巨大なアメリカのミュージシャンのなせるところを辿りつつ、自らの世界を確認してゆくという世界が感じられる出来である。
 冒頭のM1."Minority "からM3."Interplay"までの流れを聴くと、なかなかキレ味のよい硬質さと透明感を兼ね備えた力強いピアノが、エネルギッシュなダイナミックといえる演奏に圧倒される。哀愁漂う詩的なところはやはり感じられるが、スウィングを基調としてのパワフルなところは、エヴァンスというところの感覚が私の印象はちょっと違っていた。
 しかし、このアルバム・テーマ曲のM4."Blue in Green"では、このマイルス・デイヴィスの名盤『Kind of Blue』でリリースされた象徴的な曲となると、そこにはエヴァンスの世界に自らを投影して何かを掴んだ誇りのような深淵なるところに導くところは素晴らしい。成程、この姿が彼らのお互いの即興を信じあってのエヴァンスへのオマージュであると同時に、クレメンスのアルコ奏法をも交えての自らを主張する世界であるのだということが解る。ライブで10分を超えての演奏は素晴らしい。
 そしてその後に続く曲にも、ユーロ的リリカル派の内省的な因子も見え隠れして、彼らの目指すものは単に真似事の再現でないことが解って心地よい。なかなか味のある質の高いトリオ・ジャズ演奏として歓迎した。
 なお録音も良い線をいっていて良いアルバムであった。

(評価)
□ 編曲・演奏   90/100
□ 録音      88/100

(試聴)

 

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2023年2月15日 (水)

ロジャー・ウォーターズ 「ロシアのウクライナ侵攻」について国連で発言

ロシアによる侵攻を「違法」だと非難し、一方「ロシアに対する挑発があった」とウクライナ・欧米諸国を批判
・・・・即時停戦を訴えた

 2022年2月24日、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始し、民間人に死傷者を出す攻撃を行い、病院、学校、住宅などの市民の建物に被害を与えている。戦時国際法に違反する無差別攻撃が行われ、その一部は戦争犯罪に当たる可能性がある。
 しかし、現在までにロシア兵の死者は13万人は超えていて、20万人に迫ろうとしていると言われ、一方ウクライナ兵の死者も同数に近いのではとみられ、又ウクライナ民間人の死者も相当な数字(1万人に迫っているか)に上っていると言われている。不幸な戦争だ。

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Photo_2022w  国連安全保障理事会は、この2月8日、ロシアの要請に基づきウクライナへの武器の供与に関する公開会合を開いた。そしてその席に反戦主義を信条としている "Creative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才)と言われるロジャー・ウォーターズは、ロシアの外交官のリクエストによりスピーチを行っている。

 ウォーターズは、「ロシア連邦によるウクライナ侵攻は違法です。できる限り強い言葉で非難します」と語り、一方「ロシアの侵攻は謂(いわ)れのないものではないとも考えられ、"挑発されていない"わけではないので、挑発者を可能な限り強い言葉で非難します」と。これはロシアによる侵攻を「違法」だと非難する一方、「ロシアに対する挑発があった」とウクライナや欧米諸国をも批判する場面もあった。

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 そして利益や世界支配のために国民を犠牲にすることは「災いを招くだけです」と警告している。 
 そしてウォーターズはこのスピーチを次のように締めくくっている。「私たちの意見では唯一の懸命な選択肢はウクライナ戦争の即時停戦を求めることです。もしもも、しかしも、そしてもありません。ウクライナ人もロシア人も誰一人の命は犠牲になってはいけません。誰もがかけがえのない命なのです」と、即時停戦を訴えた。

    *    *    *

 過去の歴史においても、戦争にはその当事者である国の歴史を含めての諸事情がある。今、どちらの国が正しいとか正しくないという事よりも、まず悲劇の中にある両国民のために停戦し、ロシア、ウクライナは勿論だが、米国、西側諸国NATOも、中国も、当然日本もその為の努力をすべきところであるというのは、間違いではない主張と思うところである。
 冷戦終結したと思われてから30年経った今なお、国際社会はまだ冷戦構造から抜け出せていない。1989年ベルリンの壁崩壊後、西側NATOとロシアの関係に米国の介入などが、ユーゴスラビア解体から始まっての安保理決議なしのNATOセルビア空爆、2008年コソボ独立などの経過から両者の不信感は再び増している。そして第2次世界大戦後に設立され、70年以上も経った国際機関が侵略戦争に全く無機能。国連安全保障理事会も拒否権を持つロシアと中国を前に無機能状態。更にそれどころか、米国も英国も中国も日本も停戦へのリーダーシップは全く取れていない。
 ウォーターズは武器供与の前に何はともあれ停戦の努力をすべきと言っているのだ。米国が世界のリーダーであるなら、まずはその努力をロシアとウクライナに対して先頭に立ってすべきであろう。しかしバイデンにはそんなところは見えない。

     *     *      *

「ロジャー・ウォーターズの安全保障理事会での発言全文」 
   (和訳はGoogle翻訳などでしてください)

Madame President, Excellencies, distinguished members of The Security Council, Ladies and Gentlemen.
I feel profoundly honoured to be afforded this singular opportunity to brief your excellencies today. With your forbearance, I shall endeavor to express what I believe to be the feelings of countless of our brothers and sisters all over the world, both here in NY and across the seas. I shall invite them into these hallowed halls to have their say.
We are here to consider possibilities for peace in war torn Ukraine, especially in light of the increasing volume of weapons arriving in that unhappy country. Every morning when I sit down at my laptop, I think of our brothers and sisters, in Ukraine and elsewhere, who, through no fault of their own find themselves in dire and often deadly circumstances. Over there, in Ukraine they may be soldiers facing another deadly day at the front, or they may be mothers or fathers facing the awful question how can I feed my child today, or they may be civilians knowing that today the lights will go out, for sure, as they always do in war zones, knowing that there is no fresh water, that there is no fuel for the stove, no blanket, just barbed wire and watch towers and walls and enmity. Or, they may be over here, in a big rich city like NY, here brothers and sisters can still find themselves in dire straights. Maybe, somehow, however hard they worked all their lives, they lost their footing on the slippery tilting deck of the neo liberal capitalist ship we call life in the city and fell overboard to end up drowning.. Maybe they got sick, or maybe they took out a student loan, maybe they missed a payment, the margins are slim, who knows, but now they live on the street in a pile of cardboard, maybe even within sight of this United Nations building. Anyway, wherever they are, all over the world, war zone or not, together they make up a majority, a voiceless majority. Today I shall endeavor to speak for them.
We the people wish to live. We wish to live in peace in conditions of parity that give us the real opportunity to look after ourselves and our loved ones. We are hard workers and we are ready to work hard. All we need is a fair crack of the whip. Maybe that’s an unfortunate choice of idiom, after five hundred years of imperialism, colonialism and slavery.
Anyway please help us.
To help us you may have to consider our predicament, and to do so you may have to take your eye off the ball for a moment, to put your own goals momentarily to one side. What are your goals by the way? And here maybe I direct my enquiries more to the five permanent members of this Council. What are your goals? What is in the pot of gold at the end of the rainbow? Bigger profits for war industries? More power globally? A bigger share of the global cake? Is mother earth a cake to be gobbled up? Does not a bigger share of the cake mean less for everyone else? What if today, in this place of safety, we were to look in another direction, to look at our capacity for empathy for instance, to put ourselves in other’s shoes, like, right now, for instance, the shoes of that chap on the other side of this room, or even the shoes of the voiceless majority, if they have any shoes that is.
The Voiceless Majority is concerned that your wars, yes your wars, for these perpetual wars are not of our choosing, that your wars will destroy the planet that is our home, and along with every other living thing we will be sacrificed on the altar of two things, profits from the war to line the pockets of the very, very, few and the hegemonic march of some empire or other towards unipolar world domination. Please reassure us that that is not your vision for there is no good outcome down that road. That road leads only to disaster, everyone on that road has a red button in their briefcase and the further we go down that road the closer the itchy fingers get to that red button and the closer we all get to Armageddon. Look across the room, at this level we’re all wearing the same shoes.
So back to Ukraine. The invasion of Ukraine by The Russian Federation was illegal. I condemn it in the strongest possible terms. Also, The Russian invasion of Ukraine was not “unprovoked”, so I also condemn the provocateurs in the strongest possible terms. There, that’s got that out of the way.
When I wrote this speech yesterday, I included an observation that the power of veto in this council only lay in the hands of its permanent members, I was concerned that that was was undemocratic and rendered This Council toothless…. This morning I had a revelation……..TOOTHLESS! maybe toothless is in some ways a good thing……..If this is a toothless chamber……..I can open my big mouth on behalf of the voiceless without getting my head bitten off……. How cool is that. I read in the paper this morning, some anonymous diplomat quoted as saying, “Roger Waters! To address the Security Council? Whatever next?..... Mr Bean! Hwah! Hwah! Hwah! For those of you who don’t know, Mr Bean is an ineffectual character in an English comedy show on TV. So it’s a penny to a pound the anonymous diplomat is an Englishman, Hwah! hwah! hwah! To you too Sir! Ok, I think it’s time to introduce my mother, Mary Duncan Waters, she was a big influence on me, she was a school teacher, I say was, she’s been dead for fifteen years. My father, Eric Fletcher Waters, was a big influence on me too, he too is dead, he was killed on the 18th of February 1944 at Aprilia near The Anzio Bridgehead in Italy, when I was only five months old, so I know something about war and loss. Anyway back to my Mum. When I was about thirteen I was struggling with some knotty adolescent problem or other trying to decide what to do, it doesn’t matter what it was, I can’t remember anyway, but my mum sat me down and said, “Listen, you’re going to be faced with many knotty problems during your life and when you are here’s my advice, read, read, read find out everything you can about whatever it is, look at it from all sides, all angles, listen to all opinions, especially ones you don’t agree with, research it thoroughly, when you’ve done that you will have done all the heavy lifting and the next bit is easy, “Is it? Ok mum what’s the easy bit?”…….”Oh, the easy bit is, you just do the right thing.“
So speaking of doing the right thing brings me to human rights.
We the people, want universal human rights for all our brothers and sisters all over the world irrespective of their ethnicity, religion or nationality. To be clear, that would include but would not be limited to the right to life and property under the law for, for instance, Ukrainians, and for instance Palestinians. Yup, let that sink in. And obviously for all the rest of us. One of the problems with wars is that in a war zone or anywhere where the people live under military occupation, there is no recourse to the law, there are no human rights.
Today our brief is the possibility of peace in the Ukraine, with special reference to the arming of the Kiev regime by third parties.
I’m running out of time so,
What do the Voiceless millions have to say?
They say
Thank you for hearing us today
We are the many who do not share in the profits of the war industry.
We do not willingly raise our sons or daughters
To provide fodder for your cannons.
In our opinion
The only sensible course of action today
Is to call for an immediate ceasefire in Ukraine.
No ifs, no buts, no ands.
Not one more Ukrainian or Russian life is to be spent.
Not one.
They are all precious in our eyes.
So, the time has come to speak truth to power. You all remember the story of the Emperor’s new clothes? Of course you do. Well the leaders of your respective Empires stand, in one degree or another, naked before us. We have a message for them. It is a message from all the refugees in all the camps, a message from all the slums and favelas, a message from all the homeless, on all the cold streets, from all the earthquakes and floods, on earth. It is also a message from all the people, not quite starving but wondering how on earth to make the pittance they earn, meet the cost of a roof over their head and food for their families. My mother country England is, thank god, an Empire no more, but in that country now, there is a new catch phrase “Eat or Heat?” you can’t do both. It’s a cry echoing round the whole of Europe.
Apparently, the only thing the Powers that Be think we can all afford is perpetual war. How crazy is that?
So, from the four billion or so brothers and sisters in this Voiceless Majority who together with the millions in the international anti-war movement represent a huge constituency, enough is enough! We demand change.
President Joe Biden, President Putin, President Zelenski,
USA, NATO, RUSSIA, THE EU, ALL OF YOU.
PLEASE CHANGE COURSE NOW,
AGREE TO A CEASEFIRE IN UKRAINE TODAY.
That, of course, will only be the starting point. But everything extrapolates from that starting point. Imagine the collective global sigh of relief. The outpouring of joy. The international joining of voices in harmony singing an anthem to peace! John Lennon pumping the air with his fist from the grave. We have finally been heard in the corridors of power. The bullies in the schoolyard have agreed to stop playing nuclear chicken. We’re not all going to die in a nuclear holocaust after all. At least not today. The powers that be have been persuaded to drop the arms race and perpetual war as their accepted modus operandum. We can stop squandering all our precious resources on war. We can feed our children, we can keep them warm. We may even learn to cooperate with all our brothers and sisters and even save our beautiful planet home from destruction. Wouldn’t that be nice?
Your Excellencies,
I thank you for your forbearance.
Roger Waters

(参考) 国連安全保障委員会でのウォーターズ

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2023年2月11日 (土)

フランチェスカ・タンドイ Francesca Tandoi 「WHEN IN ROME」

相変わらずピアノ演奏は現代的なリアル感たっぷりの力強さが

<Jazz>

Francesca Tandoi 「WHEN IN ROME」
bird box Records / Import / BB2201 / 2023

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Francesca Tandoi - piano, vocals
Matheus Nicolaiewsky - doublebass
Sander Smeets - drums

Recorded at Nightingale Studios, Palombara Sabina, Rome, Italy on April 22-24 2021 and June 3 2022

  しばらくニュー・アルバムがお目にかかってないイタリア出身の女流ピアニスト・ヴォーカリストのフランチェスカ・タンドイであるが、私がここで取り上げたのは、2016年のアルバム『Wind Dance』(A.Sawano/AS150)で既に6年の経過がある。澤野工房からのリリースであり、この間、澤野からみてお目にかなうアルバムがなかったのかもしれない。当時と時代は変わって、今やストリーミング世界であって、ふとみるとこんなアルバムがあった。これは日本でも3月にCDにてリリースされるようだ。

 彼女はイタリア出身だが、オランダに移り、2009年ハーグ王立音楽院に学び、更にコダーツ音楽院を2015年に優等で卒業し、まもなく国際的なキャリアを開始し、コンサートやツアーに熱心に従事してい.る。その後作曲家、編曲家、ピアニスト、ヴォーカリスト、バンドリーダーとして活躍。過去の数枚のアルバムは日本でもお目見えしている。今回のアルバムもオランダでのリズム隊で、ローマで録音されたようだ。

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 このアルバムは、トリオ・メンバーの出身が世界のさまざまな地域の3つの文化からで、それがオランダでの出会いによる結果であり、ジャズを愛する力によって密接に結びつき、3つのサウンドが融合して出来たものと言えるようだ。
 コントラバスのマテウス・ニコライエフスキー(上左)とドラムのサンダー・スミーツ(上右)が、フランチェスカ・タンドイとの出会いによって共感を感じて生まれたバンドで、既にこのトリオの相互作用による息の合ったところは評判になっている。
 収録は7曲で、ジャズの伝統のスタンダード曲、ドビュッシーへとジョビンへのオマージュ曲、フランチェスカ・タンドイのオリジナル曲(4曲)によって構成されている。

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1. Tin Tin Deo (C. Pozo / G. Fuller) 6:11
2. Eternal Dusk (F. Tandoi) 8:23
3. Estrada Branca (A.C. Jobim/V.d. Moraes) 6:43
4. Winter Love (F. Tandoi/I. Heijliger) 3:03 
5. P.C.R. (F. Tandoi) 4:59
6. Arabesque No.1 (C. Debussy arr. F. Tandoi) 5:50
7. Two Lonley Souls (F. Tandoi) 3:57

 7曲のトータル録音時間39分は少々短い、リリースCDには更に追加があるのかもしれない。ちょっと寂しいのは、彼女の歌はM4."Winter Love"の一曲のみだ。かなりソフトにしっとりと歌い上げている。私としては、彼女の演奏も否定しないが、もう数曲は歌が聴きたかったというのが本音。しかし見方によればピアノ・プレイがしっかり楽しめるともいえるのだが・・・演奏者として今までそう注目していたわけでもなかったので。
 もともと明快にしてエネルギッシュな現代的ピアノを聴かせてくれる彼女だが、ここではイタリアの哀感を滲ませるロマンティックな弾奏をも期待したが、やはりその因子は少なく、現代的でリアルなアプローチのピアノ・トリオの作品。

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 M1."Tin Tin Deo"の有名ナンバーからやはり活発な演奏。 
   M2."Eternal Dusk"の彼女のオリジナル曲は、冒頭からメロディーに哀愁感あるが、次第に弱弱しさはなく持ち味のやや陰影がある中に力強さが感じられる出来となっている。このアルバムでは出色であった。
 ジョビンのM3."Estrada Branca"も、憂いの表現にしては少々活発すぎないかとも思った。
 注目のドビュッシーの曲M6."Arabesque No.1"だが、クラシックの流れは十分意識してのジャズ・アレンジだが、むしろ攻めを感ずる演奏。
 M7."Two Lonley Souls"は、ニコラエフスキーのアルコ奏法と彼女のピアノによるちょっと牧歌的な哀感がいい。

 結論的には、私自身はタンドイのヴォーカルものの期待が大きいので、ちょっと残念なところ。又彼女自身の演奏の味は、技術力、アレンジ編曲力など十分出ていて見事。ただそれと私の好みのメロディーの哀愁と美旋律のものとはちょっと別物で、やはりトリオ演奏の現代的なリアルなところに終始している感があり面白みと価値は解るが、好みとして絶賛というところにはなかった。

(評価)
□ 曲・演奏  87/100
□ 録音    87/100

(試聴) "Eternal Dusk"

 

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2023年2月 6日 (月)

リズ・ライト Lizz Wright 「Holding Space - Live in Berlin」

ゴスペル調のカントリー風ブルースに彼女らしさが満ち満ちている

<Jazz, Gospel, Funk, Soul, Blues>

Lizz Wright 「Holding Space, Live In Berlin」
Blues & Greens Records / FLAC, MP3 / Published July 2022

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Lead Vocals - Lizz Wright
Bass - Ben Zwerin
Drums – Ivan Edwards
Guitar – Chris Bruce
Keyboards – Bobby Sparks Ⅱ

Recorded live at the Columbia Theater in Berlin, Germany

  しかしなかなか面倒な時代の到来である。ここに取り上げたのは注目株のリズ・ライト(1980年米国ジョージア州生まれ)のニュー・アルバム。しかし残念なこと(?)に、CDなどの従来は当然であった形でのリリースでなく、所謂現在欧米では主流のストリーミングでの形で昨年公開されているもの。私は中年音楽狂氏のブログから知ったもので、こんな素晴らしいアルバムを聴かずにいてしまいそうになったものなのだ。従来はCDやビニール盤発売で知ったニュー・アルバムも、この世界ではちょっと知らずに通過してしまいそうな時代になったという事なのである。

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 さて、彼女のアルバムは、私にとっては2017年の「GRACE」(ucco-1192)以来かもしれない。パンデミックの最中に、それ以前のライブ音源を聴く中で感銘を受けたという2018年のヨーロッパサマーツアーの最終日であるベルリンで録音されたショーだ。彼女自身のレーベルであるこの「Blues & Greensレコード」からリリースされた最初のアルバム。
 とにかく冒頭から彼女のなんとも人間的味のある聴衆との交わりが感じられるところとバンドの描くところのグルーヴ感が素晴らしく、録音の味もよく、魅力的なライブ・アルバムに仕上がっている。


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1 Barley 6:57
2 Old Man 6:38, 
3 Wash Me Clean 4:56
4 Somewhere Down The Mystic 5:51
5 The New Game 7:23
6 Walk With Me Lord 8:34
7 Southern Nights 3:48
8 Grace 5:52
9 No More Will I Run 3:15
10 Seems I'm Never Tired Lovin' You 8:04
11 All The Way Here 5:42

 

 彼女の歌は、もともとゴスペル、ジャズ、R&B、ブルース等をうまくミックスして仕上げられていて、彼女豊かな声の低音からアルトへの流れは、ややダークなところから非常に心温まるところまで充実していて、アーティストとして多才なところを聴かせてくれる。
   このライブ・アルバムの会場はドイツのベルリンにあるコロンビアシアター。冒頭のM1." Barley "では、演奏陣のしっとりとしたギターの音からスタートしてオルガンが乗ってソウルフルでいいムードだ。そしてリズの登場と会場の聴衆との親密なる関係が彼女の歌と話から感じ取れる。

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 支えるバンドは、クリス・ブルース(ギター上左)、ボビー・スパークスII(キー上左二番目)、ベン・ズウェリン(ベース上右2番目)、アイヴァン・エドワーズ(ドラム上右)をフィーチャーし、11曲を演奏する。なかなかソウルフルな世界にピッタリの演奏。
 彼女の直近のスタジオアルバム『グレース』から6曲を演ずる。M3." Wash Me Clean"の情感たっぷりの世界から、特に後半に登場したアルバム・タイトル曲のM8."Grace"の心からの歌いこみはもう哀愁の世界。そして締めのM11."All The Way Here"は心温まるところに、彼女のスピリチャル・ヴォイスのライブの真骨頂。
 又デビー作『Salt』のゴスペルソングのM6."Walk With Me Load"も登場。
  M2."Old Man"は、すべてに中庸を得た魅力ある曲だが、M5."The New Game "のような、活力十分なアクティブなカントリーブルースをまじえながらも、M10."Seems I'm Never Tired Lovin' You"のようなしっとりとした美しさのブルースがキーボードとの歌い合いが見事に演じられ多彩。それはM7."Southern Nights "の熱唱とM8."Grace"の心に響く世界の対比にもみられ感動的な世界。

  これはパンデミック直前の充実感たっぷりのライブから生まれたアルバムだが、彼女の存在感もここまで来ているのだ。しかし2017年以降スタジオ・ニューアルバムがお目見えしていない。このところは十分にライブ活動も再開したようで、このアルバムは彼女の独立宣言にもとれる。そろそろスタジオ盤がお目見えしそうな感じがするがどうだろうか。とにかくその線を期待している。

(評価)
□ 曲・歌  90/100
□ 録音   88/100

(試聴)

*

 

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2023年2月 1日 (水)

ローレン・ヘンダーソン Lauren Henderson 「La Bruja」

ラテン・ジャズの官能的な世界と心に響く郷愁と叙情性は見事

<Latin Jazz>

Lauren Henderson 「La Bruja」
Brontosaurus Records / Import / CDB5609106462 / 2022

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Musicians
Lauren Henderson: vocals
Joel Ross: vibraphone [featured – 3, 4, 8]
Nick Tannura: guitar [featured – 1, 2, 5-7, 10]
Gabe Schneider: guitar [featured 9, 11]
Sean Mason: piano [featured – 3, 4, 8]
John Chin: piano [featured – 1, 5, 7, 9, 11]
Eric Wheeler: bass [featured – 1, 3-5, 7-9, 11]
Joe Dyson: drums [featured 1, 3-5, 7-9, 11]

  ローレン・ヘンダーソン(1986年生まれ)をここで取り上げたのは、2019年のアルバム「Alma Oscura」だった。ラテン・タッチのジャズ・ヴォーカルに魅力があり注目しいる。これは昨年リリースの自己のレーベルからは4枚目のアルバム(彼女名義のアルバムとしては9枚目)。
 このアルバムを理解するには、彼女の経歴に焦点を当てる必要がある。彼女は米国マサチューセッツ州出身のジャズ歌手だが、ウィートン大学にて音楽とヒスパニック研究を学び、後にブラウン大学とスペインのIEビジネススクールで経営学修士号を取得している。更にメキシコとスペインに留学し、伝統音楽とフラメンコの歌とダンスを学んだとか、その後のニューヨークでのジャズを身に着ける中で、それが彼女の音楽世界で生きているようだ。語学は英語とスペイン語を話す。

 このアルバムは彼女のオリジナル4曲とともにラテンアメリカとカリブ海の世界に入り込んでいる。
 一般には、このようなラテン系ミュージックは夏向きの明るいものとして捉えらいるが、この冬期真っ盛りに、来る春から夏に向けて気持ちを高めてゆくにはなかなか味なものとして、ここに取り上げたのだが・・・どうも、そう単純なものでもなさそうだ。

Lauren_henderson_bw2 (Tracklist)

1: Perfidia
2: Veinte Años [2022]
3: La Bruja;
4: Fría;
5: Así;
6: Febrero Hums [Veinte Años]
7: La Sitiera;
8: Amistad;
9: Deseo;
10: Veinte Años II [2022]
11: Silencio

 

 このアルバム・タイトル「La Bruja」は「魔女」を意味しているらしい。「呪術との関係」、「超自然的力に対する被害」、「悪魔と契約を結んで得た力をもって災いをなす存在」などで登場する女性の悲劇的世界、古典的な否定的な世界の神秘的なところにヘンダーソンは伝統音楽を通じての歴史的観点から「魔女」を歴史的遺産として現代に結び付けているのか、このアルバムもどうも現代ラテンものとして単純には迫れられないところにアプローチいるようだ。
 そんなことでは思い出すのは、メキシコにはソノラ市場(魔女市場)というのが伝統的にあって、古くからの土着の文化やスペイン侵略によるキリスト文化などが入り乱れての非科学的習慣などからの奇怪なる品を扱う市場があるようだが、こうしたものにも表れているような歴史的産物に彼女がこのアルバムで匂わせている過去の負の遺産として対峙しているのかもしれない。

  聴く我々にとっては、ラテン・ミュージックの官能的なムードをしっかり描きつつ、古典的なボレロと彼女のソフトな心地よく聴きやすい歌が聴ける。しかしオリジナル曲M3."La Bruja"で代表される曲などで、魔女裁判などの女性への哀しい歴史を取り上げ、ラテンアメリカとカリブ海のルーツへの探求を続けているのかと推測された。
 M1."Perfidia"は、メキシコの我々も知っている国際的なヒットのボレロである、亡くなった恋人に対する典型的な自己の哀れみの心のやや暗い叙情的な詩の唄のようだが、ラテンジャズにみる活力あるリズムに乗った演奏で暗くないが、人情に響くところがある。同様にM4."Fria"は、恋人との関係を描くメロディックな歌であるが、思いのほか穏やかであり、ビブラフォンが美しい。

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 M.2" Veinte Años "は注目曲だ。キューバのソングライター、マリア・テレーサ・ベラの曲で、ニック・タンヌラ(→)のギターとのデュオ、しっとりとした世界は最高だ。そしてこれはM6." Febrero Hums [Veinte Años]"に流れるが、ギターの心に響く調べと言葉のない(鼻歌とスキャット)デュエットとして再び展開する。それはこのアルバムの一つの深く心に響く世界であり、更にM10."Veinte Años II [2022]"に続くものであり、同様で究極の単なる陽気なラテンものでない真髄に導く。 

 M8."Amistad"は、奴隷にされたアフリカ人の反乱で知られるキューバのスペイン植民地時代の船の名だが、彼女の敬虔な気持ちでのアフリカンディアスポラ(本国からの離散人)の民族歴史への想いがみれるところで、黒人に対しての迫害のの哀しさにも歌いこんでいるのだ。

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 このアルバムでのヘンダーソンの唄は相変わらず充実感と味わいある美しさは見事であるが、更に曲によってはおそらく彼女自身のマルチトラックによると思われるハモリの歌声が美しく、なかなか手の込んだアルバム造りをしている。しかし歌いこんでいるところは歴史的なところに向かって、彼女の意識の世界を訴えながらも、何かを我々に知らしめようとしているように感ずる。スペイン語で中身の理解は大変だが、彼女の奥深いソフトなヴォーカルが妙に心に響いてくる。この力みのなさがむしろ意味深である。 しかし演奏陣はなかなか味な展開をして、ギターの味付けもよく、ピアノ・トリオのピアノ(John Chin 上左)に加えてビブラフォン(Joel Ross 上右)が健闘している。私にとっては貴重なアルバムになりそう。

(評価)

□ 曲・演奏・歌  88/100
□ 録音      88/100

(試聴)

 

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