ニッキ・パロット Nicki Parrott 「Misty」
懐かしのスタンダード曲が目白押し
無難に往年のジャズ・ヴォーカルのヒット曲を歌い上げる
<Jazz>
Nicki Parrott 「Misty - Here's To The Great Ladies of Jazz」
Venus Records / JPN / VHGD-10001 /2023
Nicki Parrott(vocals,bass)
Dave Spicer(piano,organ,fender rhodes)
Paul Hudson(drums,cowbell)
Martha Baartz(tenor saxophone)
Todd Hardy(trumpet,flugelhorn)
2022年11月18,19,28,29日 オーストラリア録音
Engineered by Mark Smith
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Produced by Tetsuo Hara
とにかく多作なニッキ・パロットの今年のまず新作はCDとSACDのHYBRID CDで登場。なんとビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウイルソン、ジュリー・ロンドンなど女性ジャズ・ヴォーカルのレジェンドたちの愛唱曲がずらっと並んで14曲。
この新作はニッキの故郷オーストラリアで現地ジャズミュージシャンをバツクに彼女のベースと歌で録音されたもの。とにかく懐かしのスタンダードが目白押しで、彼女のオーソドックスな歌で楽しませてくれる。まぁ無難なところでこれと言って非はないが、特にバラード調の曲も結構多くて、その面では私的には文句のないところであった。
01 がっちりローラ Whatever Lola Wants
02 ミスティ Misty
03 魅惑のとりこ Bewitched, Bothered And Bewildered
04 オールド・デビル・ムーン Old Devil Moon
05 ニアネス・オブ・ユー The Nearness Of You
06 デスティネイション・ムーン Destination Moon
07 グッド・モーニング・ハートエイク Good Morrning Heartache
08 ガール・トーク Girl Talk
09 ビッグ・スペンダー Big Spendeer
10 ネバー・レット・ミー・ゴー Never Let Me Go
11 イッツ・ラブ It's Love
12 エブリシング・マスト・チェンジ Everythng Must Change
13 ヒアズ・トゥ・ライフ Here's To Life
14 アット・ラスト At Last"
冒頭のM1."Whatever Lola Wants"は、ピアノ・トリオにサックス、トランペット入りで懐かしの曲を昔ながらのジャズ演奏スタイルで元気の良い演奏。エラ・フィッツジェラルドとかサラ・ヴォーンを思い出す。相変わらずのオーソドックスなパロットの歌が聴ける。
M2."Misty" 私の好きなエロル・ガーナーの曲。サラ・ヴォーンとか、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラそしてジュリー・ロンドンの歌など有名だが、ここではかなり珍しく編曲とか演奏にもそれなりに力が入っている。歌も含めてこのアルバムでは聴きどころ。
M3."Bewitched,Bothered And Bewildered"、これも古いですね、1941年の「奥様は魔女」ですね、ドリス・ディですね。ロッド・スチュワートとシェールのデュオ(2003年)で有名。パロットのベース演奏もしっとり聴かせてくれる。
とにかくバラード調が良いですね。M5." The Nearness Of You"(あなたのそばに)は、戦前の曲ですね。そして1956年のエラ・フィツジェラルドとルイ・アームストロングのデュオが有名。M7.”Good Morrning Heartache"は、ビリー・ホリディー、ダイアナ・ロスあたりかなぁ・・・。まあ両曲変な特徴を主張しないでのしっとりとしたヴォーカルも良いです。
後半も、バラードものがやっぱり良いですね。ビル・エヴァンスも演奏しているM10."Never Let Me Go"(アイリン・クラールの歌)とか、そしてM13." Here's To Life"(シャリー・ホーンが歌った)での、このパロットの歌の印象が、ピアノ(Dave Spicer →)の音をバックにこのアルバムでは抜群に良いですね。
そして最後のM14."At Last"は、エタ・ジェイムズの歌で広がった歴史だが、人生の一つのけじめなどにも多く歌われるものですね。
ベースの弾き語りのニッキ・パロット、相変わらず素直な歌で印象が良い。日本で広く愛されるのもその点が大きいのだろうと思うが、全くその線は変わっておらず優等生版で、彼女のアルバムで特上の部類だった。
(評価)
□ 選曲・編曲・歌 88/100
□ 録音 88/100
(試聴) "Here's To Life"
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