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2023年4月 3日 (月)

寺島靖国プレゼンツ 「For Jazz Vocal Fans Only Vol.6」

ジャズ・ヴォーカルは女性の独壇場

<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents 「For Jazz Vocal Fans Only Vol.6」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1110 / 2023

598

 寺島靖国氏監修のジャズ・ヴォーカルのコンピレーション・アルバムだが、6巻目となってリリースされた。このジャズ・ヴォーカルの世界は、もう何年も女性の天下となって近年も相変わらずだが、やはり今年も全14曲全て女性ヴォーカルという結果だった。
 寺島氏のライナーでは、このジャズ・ヴォーカル集は、彼の注目した世界各国のレコード会社は関係なくしかもあまり耳にしたことのないヴォーカリストを近年のものに限って取り上げてという事のようだが、果たしてどんなものになったか注目してみてください。

(Tracklist)

1 The Old Country / Viktoria Tolstoy
2 I'm a Fool to Want You / Sarah Lenka
3 Beautiful Love / Anna Kolchina
4 Spring Will Be a Little Late This Year / Diana Panton
5 Histoire D'un Amour / Carin Lundin
6 What Is This Thing Called Love / Lisa Roti
7 Poor Butterfly / Peg Carrothers
8 Close Your Eyes / Ksenia Parkhatskaya
9 Alone Together / Johanna Linnea Jakobsson
10 Wild Is The Wind / Liane Carroll
11 Chez Laurette / Laura Anglade & Sam Kirmayer
12 Lili Marleen / Isabel Santol & Julian Joseph
13 Perfidia / Lauren Henderson
14 Wild Is The Wind / Lauren Henderson

 こんなところだが、結論的に私が聴いていたアルバムは丁度半分の7枚で、過去にこのブログで取り上げたのは3枚でした。しかしコロナ禍の為かその点は不明だが、このところ女性ヴォーカルものもちょっと下火であった印象だった。近年のものをと寺島氏は言っているが、意外に古いものも多いという印象だ。
 ジャズ・アルバムとしては、私も女性ヴォーカルものは結構聴く方だと思うが、このところの私の注目株というか、聴いてきたものは、もう誰もが知っているDiana Panton(下左), ちょっと本格派Viktolia Tolstoy, そしてAnna Kolchina(下左から2番目), Sarah Lenka。注目株としてLauren Henderson(下左から3番目)と最近のJohanna Linnea Jakobssonというところであり、ここでも紹介してきた。その他は殆ど聴いてこなかったわけで、確かに日本でそれほど聴かれていないヴォーカリストもさすが寺島靖国氏取り上げている。

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 とにかくヴォーカルものというのは、歌がうまくても声の質が気に入るかどうかなどと実力ばかりでないところと、好みの問題があってなかなか難しい。又このところ少々歴代の人気ヴォーカリストのアルバムが少なかったような気がする。コロナ・パンデミックで活動低下という事であったかどうか、そんな中でのコンピレーション・アルバムであった。

 私としてはM1."The Old Country "のViktolia Tolstoyは、人気と実力はそれなりだが、どうもあまり乗り気にならないのだが。
 M2."I'm a Fool to Want You"のフランス人のSarah Lenkaは興味があります。かって「Hush」(EMO121/2012)というアルバムをここで取り上げた、もう大分前だ。聴く者を引きつける。(2015.1.06)。
 又M3." Beautiful Love "のロシアのAnna Kolchinaはなかなか魅力的。彼女に関しては2018年に「Wild Is The Wind」(VHD01228/2017)を取り上げて高評価をした。
 M4."Spring Will Be a Little Late This Year "のカナダのDiana Pantonは、今や人気者というところだ、このアルバム「Blue」(MZCF1453/2022 下左)も最近ここで取り上げたが好評価の盤。
 M6."What Is This Thing Called Love "のLisa Roti (上右)は、彼女も聴いてこなかった歌手だが、曲を歌い込んでなかなかいいです。取り敢えず注目。
 

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 M5."Histoire D'un Amour"  Carin Lundinこれは知らなかったがなかなか魅力あり。
 M7."Poor Butterfly"のPeg Carrothersは素人っぽいところが良いと言えばいい。異色で興味が分かれそう。
 M8."Close Your Eyes " Ksenia Parkhatskayaは少々興味をもった
 M9."Alone Together " Johanna Linnea Jakobssonは、昨年ここでもアルバム「Alone Together」(DUATO112/2022 上中央)取り上げた新進気鋭アルト・サックス奏者・歌手で今後に期待。
 M10."Wild Is The Wind " Liane Carroll貫禄の魅力・・・聴いてこなかったのが不思議だ。
 M11."Chez Laurette"  フランスのLaura Anglade  知らなかった。少々興味持った。
 M12." Lili Marleen " Isabel Santol  なかなか旨いがどんな曲をこなしてきたか。
 M13."Perfidia",M14."Wild is the Wind" この Lauren Hendersonは、私の以前からの注目株で既に2回ここで取り上げてきた。なかなか不思議な魅力のある世界でこの「La Bruja」(CDB5609106462/2022 上右)は近作のアルバム。

 というところで、今回の「Vol.6」では私の一番のお勧めはLauren Hendersonですね。聴いてなかったLisa Roti、Laura Angladeは少々アプローチしてみたいと思った。いずれにしても女性ヴォーカルで占められた今回の「Vol.6」であり、男性陣はどうなっているのか、奮戦を期待したいところだ。

(評価)
□ 選曲  87/100
□ 音質  87/100

(試聴)
Lauren Henderson

*

Diana Panton

 

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