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2023年8月 2日 (水)

ジョージ・フリーマン George Freeman 「The Good Life」

枯れた味が哀感を持ちながら人生を美しく描く

<Jazz>

George Freeman 「The Good Life」
HIGH NOTE / IMPORT / HCD7352 / 2023

1008686550

George Freeman (guitar)
Joey DeFrancesco (organ)
Lewis Nash (drums)
Christian McBride (bass)
Carl Allen (drums)

Recorded May 7, 2022 (Tracks 4-7)
June 13, 2022 (Tracks 1-3)
Chicago Recording Company Chicago, I

George_freeman_photow  ジャズ界の生ける伝説ジャズ・ギタリストのジョージ・フリーマンGeorge Freeman(1927年イリノイ州シカゴ生まれ →)のニューヨークのジャズ・レーベル"ハイノート・レコード"からの4年ぶりのニュー・アルバム。
  いやはや元気ですね、96歳ですからね。かってはジャズファンク・ギタリストとして名を馳せていたが、私は彼のリーダー作は多くは知らなかったのだ。しかしチャーリー・パーカーやベン・ウェブスターといった偉大なミュージシャンと共に仕事をしてきたまさにジャズ界の生ける伝説である。90歳を超えての前作『George the Bomb!』(2019)でのジャズの原点を知らしめるようなギターの演奏による世界は非常に印象深かった。

 コロナ・パンデミックが治まるのを待っていたのだろうか、2022年にグラミー賞受賞ベーシストのクリスチャン・マクブライドChristian McBride(1972-下左)とドラマーのカール・アレンCarl Allen(1961-下左から2人目)とのオールスター・トリオ・セッションを率いてレコーディングスタジオに入り、新作の録音に取り掛かった。また、一方別のオールスターレコーディングセッションを主導し、伝説のオルガン奏者のジョーイ・デフランセスコJoey DeFrancesco(1971年生まれ、このあと2022年8月に亡くなった 下右から2人目)とドラマーのルイス・ナッシュLewis Nash(1958-下右)とのレコーディングも行った。その両者を収めたのがこのアルバムである。

JhkleadershipchristianmcbridewCarlallen201702wJoeywLrwisnashw

(Tracklist)

1. If I Had You11:04
2. Mr. D 7:39
3. Up and Down 6:04
4. Lowe Groovin' 5:53
5. 1,2,3,4 3:56
6. Sister Tankersley 9:47
7. The Good Life 6:30

 しかし、前作が彼の"ギター世界"の締めくくりのような作品だったが、今作はぐっと落ち着いた何となく歳を知っているせいか、"自己の人生の締めくくり"のような世界である。
 M1からM3がジョーイ・デフランセスコ(Org)とルイス・ナッシュ(Dr)とのトリオ・レコーディング
 M4からM7がクリスチャン・マクブライド(Bass)とカール・アレン(Dr)とのオールスター・トリオ・セッション

 M1." If I Had You" これが又、この収録後まもなく亡くなってしまったジョーイ・デフランセスコのオルガンをバックに、技巧を振りまくのでなく、一つ一つの音を大事に聴かせるギターの調べに枯れた人生の味を効かせるか如くの演奏にグッとくる。オルガンの静かな響きとドラムスの落ち着いたリズムはそれを倍増させている。11分を超えての演奏。
   M3."Up and Down"は快調に飛ばし、オルガンとギターの掛け合いが面白い。
   M4."Lowe Groovin' " ここからベースとドラムスとのトリオ。ベースとハモりながらブルース・ギターをしっとりと聴かせてくれる。
   M6."Sister Tankersley "落ち着いたベース音から始まり、ギターも共にゆったりとしたリズムを刻み進行して中盤になって旋律を聴かせるが、ドラムスもスティック音を中心にリズムをゆったり進行させる。ジャズでなければ味わえない人生の世界。
   M7."The Good Life " ギターの優しく美しい旋律が流れる曲。後半にはベースとの掛け合いが次第に盛り上がってドラムスが効果を上げるという展開で、最後は再び美しいギターの調べ。

 この7曲で十二分にジャズの世界を堪能できるまさにプロフェッショナルに描くギター世界だ。ベースの描くところ、オルガンサウンドの描くところこれ又ブルースはじめジャズ・スタンダードの真髄に迫ってくれる。
 そして聴き終わった時、ジャズの哀感ある美しさに満足できるのである。まさに年紀を重ねたミュージシャンの味である。

(評価)
□ 曲・演奏 90/100
□ 録音   87/100

(試聴)

 

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コメント

良いものを聞かせて頂きました。
立秋が近づいていることを思い出しました。

投稿: iwamoto | 2023年8月 2日 (水) 12時21分

 やはり、年紀が入るというのは一つの魅力ですね
 何かを求めていろいろなことを試みた時代から、自己を見つめていろいろと想うということの表現の音楽は貴重です。
 昔からクラシックでもそんな事を感じさせる作曲家もいましたね。
 ジャズてもロックでも・・・やっぱり同じでしょうね。
 このジョージ・フリーマンっていろいろと聴いてこなかったのですが、このアルバムは魅力がありました。
 

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2023年8月 3日 (木) 13時00分

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