カレン・ソウサ Karen Souza 「Suddenly Lovers」
相変わらずで、ソウサ節は健在だ !
<Jazz>
Karen Souza 「Suddenly Lovers」
VICTOR ENTERTMENT / JPN / VICJ-61792 / 2023
Karen Souza : Vocals
その妖艶なヴォーカルで、熱心なファンというわけではないが、新作となるとなんとなく聴きたくなるのが、どちらかというとオールド・ファッションなスタイルのアルゼンチンのカレン・ソウサ。ここに3年ぶりのニューアルバムの登場である。彼女は1980年代生まれという事なので40歳代そこそこ、なんとなくもう少し歳はとっているのかと思いきや意外に若い。
過去に2009年に自身のカルテットでブラジル・ツアーを行い大成功する。これを契機にアーティストとして 活動をすべくロサンゼルスに渡りホイットニー・ヒューストン、アレサ・フランクリンらのソングライターであるパム・オーランドに師事し作曲、作詞についても学ぶ。
今回は、自己のオリジナル曲を中心に(7曲)、ジャズ、ボサノヴァからボレロ、ワルツまで、多様なスタイルで例の低音・ハスキーボイスで迫ってくる。これは自身の完全プロデュース作だ。
特徴は、アメリカ、メキシコ、エストニア、そして母国アルゼンチンでレコーディングされた本作。Uenso Symphonic Orchestraほか30名以上のアーティストが参加し制作されたとか、ストリングス・オーケストラのバック演奏が目立つ。カレンの良き理解者であるソングライターPamela Phillips OlandやDany Tomasその他の名前が共作者として見られる。
日本盤のみボーナス・トラックが加わる。セルジュ・ゲンズブール作曲、フランス・ギャルが歌った名曲「娘たちにかまわないで (原題:Laisse tomber les filles)」と、映画の主題歌で、多くに歌われてきたスタンダードナンバー「今宵の君は (原題:The Way You Look Tonight)」の2曲が収録されている。
01. Love is Never Too Late
02. One""Night In New York
03. My Amor
04. I Am Naked
05. Morning Coffee
06. On A Clear Day
07. Embrujo
08. How Did You Get In My Dreams
09. Suddenly Lovers
10. Show Me The Way To Go Home
11. The Way You Look Tonight ※
12. Laisse tomber ※
(※=国内盤CDボーナストラック)
オープニングから、さっそく久しぶりの彼女のややハスキーな低音とそれが鼻にかかった特徴ある歌声が前面に出てのセクシー度もたっぷりでの曲が始まる。
M01."Love is Never Too Late" は、バックにストリングス・オーケストラの演奏が、ギターやピアノのカルテットの演奏と共に流れ、なんとなく優美にはじまるが、彼女の妖艶と評される歌声は失われていない。究極のスタイルは今までと同じである。
しかし、M03." My Amor", M05."Morning Coffee"はストリングスなしで演じられる。私的にはこのスタイルの方が好きだが、まあそれはそれ難しいことなしで聴いた方がいいだろう。
又 M04., M08., M09.などは、サックスやトランペット、クラリネット、トロンボーンなども加わってのバックは豪勢だ。
特にM09."Suddenly Lovers"はアルバム・タイトル曲でどんな世界を狙ったか興味があったが、意外に素直なところで歌い上げている。
M10."Show Me The Way To Go Home"はギターが生きての小編成トリオ・バツクでなかなか味わい深い。やはりこのパターンが良いですね。
いずれにしても、今作も相変わらずの彼女の世界が聴くことが出来る。こんなスタイルのジャズ・ヴォーカルものも時には良いもので、いろいろ言うことなしに聴くのが一番いいと思う次第だ(笑)。
(評価)
□ 曲・歌 87/100
□ 録音 87/100
(試聴)
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