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2024年5月 4日 (土)

インギ・ビャルニ・スクラソン Ingi Bjarni Trio 「 Fragile Magic」

北国らしい神秘性と叙情性が感じられる世界

<Jazz>

INGI BJARNI TRIO 「Fragile Magic」
Skarkali / import / IBS003 / 2024

1008831572

Ingi Bjarni Skúlason – piano
Bárður Reinert Poulsen – bass
Magnús Trygvason Eliassen – drums

Nyglerauguwebw   アイスランド・フェロー諸島出身のジャズ・ピアニスト、インギ・ビャルニ・スクラソンIngi Bjarni Skúlason(→)率いるピアノ・トリオ作品。彼は、既に6枚のアルバムをリリースしているが、トリオものは3枚目のようだ。私は今回初めて彼のアルバムを聴いた。経歴は、オランダのデン・ハーグでジャズ・パフォーマンスの学士号を取得し、その後、ヨーテボリ大学で作曲の修士号を取得した。コペンハーゲンとオスロで交換留学を行ったとの紹介がある。
 彼はピアニストであり作曲家でもあり、即興のサウンド・マジシャンの評価で魅惑的な音色と詩的なメロディーを作り上げ、「表現の自由と、叙情的で自由な即興演奏の両方のためのスペースを備えた独自のフォークミュージック」との紹介がある。ユニークなサウンドと即興演奏への革新的なアプローチで賞賛されているようだ。

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 そしてトリオ・メンバーは、同じくフェロー諸島出身のコントラバス奏者バルズル・ライナート・ポウルセン(上右)とアイスランド人のドラマー、マグナス・トリグヴァソン・エリアセン(上中央)という同郷の三人。 このトリオは、Nordic Jazz Comets、Jazzahead 、VetrarJazz、コペンハーゲン・ジャズ・フェスティバル、レイキャビク・ジャズ・フェスティバルなどの数多くフェスティバルに出演してきたと。そして2018年にはアイスランド音楽賞の年間最優秀ジャズプレイヤーにもノミネート。更に2020年春、クインテットでの録音『Tenging』でアイスランド・ミュージック・アワードに5部門にノミネートされ、最も有望なアイスランドのジャズ・アーティストとして表彰された。硬質さとエレガンスが共存するフォーキーなピアノトリオと評されている。

(Tracklist)

1.Impulsive 06:16
2.Fragile Magic 05:20
3.Visan 05:33
4.Glimpse 05:56
5.Suburb 03:29
6.Úti á götu 05:55
7.Introduction 03:42
8.My Sleepless Nights in June 03:33
9.Einn, tveir, þrír 06:17

   「冷涼な空気感の中に、北の国らしい抒情性が込められたピアノトリオ演奏」と記されたモノがあったが、なんとなく神秘的で世俗から一歩離れた感覚になる世界である。主体は即興演奏からの発展系なのか、アルバム・タイトル曲のM2."Fragile Magic"では、"はかない魔術"ということであろうか、静かな世界に、ピアノによる美しいメロディーが奏でられ、それをベースが独特に叙情的に発展させ、再びピアノが更にその流れから発展し展開する形をとって、私の感覚では、冷涼と言うよりはむしろ季節の自然の変化との対面による厳しい環境下からむしろゆったりと開放的に受け入れる季節の到来に人間的な暖かさを感ずるところがある。非常に叙情的であり、又その中に詩情があって素晴らしい。

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 とにかく全編淀むところが無く、一つの物語の展開の中に没入出来て神秘的な世界を感ずることが出来る。
 又、このトリオのスタイルは、それぞれの描くところが即興の中に綿密な互いの結びつきがあって快感である。特にピアノの美しい流れに加えて、ベースのメロディー及び時に見せるピアノとのハーモニーとユニゾンが魅力的であり、ドラムスは地味ではあるが確かなサポートが大きい。このようなユニークで即興重視の世界はなかなか安易には構築できないと思われ、今後も更に発展して行って欲しいと願うところである。

(評価)
□ 曲・演奏   88/100
□ 録音     88/100

(試聴)

 

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コメント

北欧の音楽ではアイルランド、スウエーデンは馴染みがありますが、アイスランドは全くご縁がないですね~。こちらもケルト的な音楽ルーツがあるのでしょうか?

投稿: ローリングウエスト | 2024年5月 5日 (日) 17時40分

ローリングウェスト様
コメント有難うございます。
アイスランドは元々はノルウェーのヴァイキングが住み始めたことによるようですね。北ゲルマン系民族ということでしょうか。スコットランド人、アイルランド人もいたようです。
北欧のスカンディナヴィア人と言うところなんでしょうね。ノルウェーとか、デンマークとの国に統治されたこともありますので・・・北欧と考えていいのでしょうね。文化はその流れと思います。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2024年5月 6日 (月) 16時57分

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