ドゥ・モンテベロ Do Montebello 「B・O PARADISO」
ソフトにして優美な歌で聴きやすいヴォーカル・アルバム
<Jazz>
Do Montebello 「B・O PARADISO」
Fremeaux & Associes / Import / LLL346 / 2024
DO MONTEBELLO : VOCAL
MARC BERTHOUMIEUX : ACCORDÉON
FRED SOUL : PIANO, FENDER RHODES
HERVÉ MORISOT : GUITAR
RICARDO FEIJÃO : ELE-BASS
CHRISTOPHE DE OLIVEIRA : DRUMS
JULIO GONÇALVES : PERCUSSIONS
JULIA SARR : CHORUS
フランス・シーンで活躍の女性歌手ドゥ・モンテベロ(フランス南部のアルビAlbi生まれ)の第3作。彼女はポップスやボサノバをセンス良くジャズに取り入れたアプローチを得意とし過去の作品も好評を博している。今作は、彼女の人生を特徴づけた映画音楽を敬意を表し感謝して取り上げ、自己の曲(3曲)と合わせて収録している。
実は彼女の歌は私は初めて聴いたのだが、非常に聴きやすく素直でソフトな歌が快感で取り上げた次第である。
(Tracklist)
1.NATURE BOY (EDEN AHBEZ)
2.I’M IN THE MOOD FOR LOVE (DOROTHY FIELDS / JIMMY MCHUGH)
3.MANHA DE CARNAVAL (ANTÔNIO MARIA / LUIZ BONFÁ)
4.LA CHANSON D’HÉLÈNE (JEAN-LOUP DABADIE / PHILIPPE SARDE)
5.THE CIRCLE GAME (JONI MICHELL)
6.EVERYBODY’S GOT TO LEARN SOMETIME (J. WARREN & THE KORGIS)
7.ALGER, RUE DEBUSSY (DO MONTEBELLO / SERGIO FARIAS)
8.AUGUSTOU (DO MONTEBELLO / HERVÉ MORISOT)
9.NOVEMBRE (DO MONTEBELLO / MARC BERTHOUMIEUX)
10.MOON RIVER (JOHNNY MERCER / HENRI MANCINI)
11.LES MOULINS DE MON CŒUR (EDDY MARNAY / MICHEL LEGRAND)
12.SMILE (JOHN TURNER & GEOFFREY PARSONS / CHARLIE CHAPLIN)
取上げた曲は良く知られた映画音楽で、歌は安らぎと詩情をソフトに優雅に歌い上げていて非常に聴きやすい。自己の曲もそれを支えるように歌われて見事にマッチングしている。
プロデュサーのMarc Berthoumieuxは、ジャズ、ポップミュージック、ボサノヴァのムードを巧みに盛り込んで軽めにアレンジして中身は豪華に施してなかなかサービス精神旺盛に作り上げている。彼女の声の質も中低音が中心で高音もソフトで聴きやすい。
そしてバックのミュージシャン(ギター、チェロ、コントラバス、アコーディオン)のスウィングに乗せられ、彼女の澄んだ物憂げな歌声は、ポルトガル語、英語、フランス語を繊細に駆使して、決して重くない快適な空間に誘導してくれる。
それぞれの曲はよく聴くもので懐かしさ一杯である。基本的には彼女の姿勢は一貫して丁寧なヴォーカルを披露していて、スタートのM1."Nature Boy"つづくM2."I'm in the Mood for Love"などから、むしろ早速懐かしさに誘導し、問題なく彼女の世界に入り込める。
そしてM3."Manha de carnavel""カーニバルの朝"は、日本では"黒いオルフェ"ですね、そしてM4."エレーヌの歌" これはロミー・シュナイダーの歌で人気曲。フランス・ムード一杯で、私にとっても益々懐かしさに浸ってしまう。
M7."Alger,rue Debussy"等の自己オリジナル曲もフランス・ムードを維持して異色感がない。
とにかく殆ど皆知っている曲ばかりだが、彼女らしさがちゃんと歌い込まれていて、その点Berthoumieuxの編曲も原曲に素直で、聴かせの効果も上がっての良作と言って良いだろう。最後M12."Smile"を無難に演じて締めくくるあたりも映画音楽の世界を旨く収めたという処である。
(評価)
□ 選曲・編曲・演奏・歌 87/100
□ 録音 87/100
(試聴)
"Smile"
*
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