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2024年11月30日 (土)

エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」

哀愁描写の美旋律ピアノがジャズのダイナミックな世界に展開

<Jazz>

Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」
Vinus Records / JPN / VHGD10014 / 2024

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Emil Viklicky エミール・ヴィクリッキー (piano)
Petr Dvorsky ペトル・ドヴォルスキー (double bass)
Jirka Stivin Jr. ジルカ・スティヴィン (drums)
2024年4月4日,5日チェコ-プラハ録音

Emil_viklickyw  チェコのジャズピアニストの第一人者、エミル・ヴィクリッキーのヴィーナスレコードの第4弾。モラヴィア(チェコの東部地方)のフォークソングを題材に、ジャズピアノの深淵に挑戦するのピアノ・トリオとしてのピアニズムに注目だ

 Emil Viklickýは、1948年11月23日にチェコスロバキアのオロモウツで生まれたジャズ・ピアニスト兼作曲家だ。彼の作品はジャズ、クラシック音楽、チェコの民謡(モラヴィア民謡のメロディーや音楽的な特性を現代ジャズに)を融合させた独特のスタイルで知られている。
 彼は1971年にパラツキー大学で数学の学位を取得し、その後クラシック音楽の訓練を受けた後ジャズピアノに専念した。1974年にはチェコスロバキア・アマチュア・ジャズ・フェスティバルで最優秀ソリスト賞を受賞し、1977年にはバークリー音楽大学で作曲とアレンジメントを学ぶ奨学金を得て留学。
 その後、数多くの国際的なアンサンブルで演奏し、特にジャズ・ピアニストの評価は高いが、クラシック音楽の作曲やオーケストラとの共演もあり、一方映画音楽やテレビシリーズのスコアも手掛けてきた。彼の音楽のメインは、ジャズの表現とモラヴィア民謡の魂の深さを融合させたものと言われ、ヨーロッパの主力ピアニスト兼作曲家として評価されている。

(Tracklist)

01. 黒と黄色の冒険 Adventure In Black And Yellow (Emil Viklicky) 6:24
02. プレスブルグ,ドナウ川のそばで By Donau, At Presburg (Moravian Folk arr. Emil Viklicky) 6:38
03. モミの木の上で Up On A Fir Tree (Emil Viklicky) 6:28
04. ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ What Is There To Say (Vernon Duke) 6:28
05. ムーン・スリーピング・イン・ザ・クレイドル Moon Sleeping In The Cradle (Emil Viklicky) 5:36
06. グレイ・ピジョン Grey Pigeon (Moravian Folk arr. Emil Viklicky) 6:30
07. トイズ Toys (Herbie Hancock) 7:52
08. シンフォニエッタ・クラリネット・テーマ Clarinet Theme Sinfonietta (Janacek arr. Emil Viklicky) 6:47
09. チャンズ・ソング Chan's Song (Herbie Hancock) 4:49
10. 愛の終わり Perished Of Love (Moravian Folk arr. Emil Viklicky) 4:00
11. ヤンコが徴兵された時 When Janko Was Drafted (Emil Viklicky) 7:21
12. 玉川ブルース Tamagawa Blues (Emil Viklicky) 6:22


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 M01."Adventure In Black And Yellow" スタートは、彼自身の曲で、想像と別の驚きの力強い攻撃的なトリオ・アクションでドラムスの爆発が印象的で圧巻。
 M02."By Donau, At Presburg" がらっと変わって、このアルバムのテーマのモラヴィア・フォークの登場。冒頭からのピアノはヨーロピアンらしい耽美性や浪漫溢れる哀愁描写を聴かせ、中盤では親しみやすい躍動型メロディック・プレイを綴る。後半のベース・ソロも物語調で、続くピアノの旋律とのバランスも見事。
 このフォークは他に2曲登場して、M06." Grey Pigeon "は、これは描くは鳩なのか、 平和感のあるジャズ・アレンジ。M10."Perished Of Love"は、いかにも優しい曲に演じ上げる。
 M03." Up On A Fir Tree " これも彼の曲で、更に美的センスが深まってゆく、流麗にして抒情的なピアノが流れ、その後次第に快調なアドリブに変化し、やはりベースとの共演が快感。
 M04." What Is There To Say "、M05."Moon Sleeping In The Cradle" ピアノのメロディー演奏がいっそう美しく。
 60年代に彼はハービー・ハンコックのファンとなり、ここでもM07." Toys"M09."Chan's Song"の2曲を取り上げ演ずる。
 M08."Clarinet Theme Sinfonietta " ヤナチェクの曲、ドラマティックな展開。
 M11."When Janko Was Drafted" 学生時代に書いた曲、どこか空想的な世界に。
 M12."Tamagawa Blues " トリオ演奏を楽しむがごとき三者の躍動感あるブルース。

 なかなか硬質でありながら、抒情性豊かな哀愁描写のピアノの音に痺れる。一方ダイナミックなアグレッシヴな重厚ハードボイルド・アクションもあって、さすが百戦錬磨のピアニストの味がたっぷりと感じ取れる。ヨーロピアンらしい哀愁描写の中に、意外と親しみやすい旋律のエキゾティック・フォーク風情の世界にも浸れてなかなか中身の濃いアルバムであつた。

(評価)
□ 曲・演奏 :   90/100
□   録音   :   88/100

(試聴)

"By Donau, At Presburg"

 

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2024年11月25日 (月)

ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」

叙情性溢れるバッハ楽曲やバッハにインスピレーションを得た自己のオリジナル曲を展開

<Jazz>

Joonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」
BLUE GLEAM / JPN / BG015 / 2024

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Joonas Haavisto : Piano

Recorded June 1-4,1-4,2024 at Steinway Piano Gallery, Helsinki, Finland
Recorded by Abdissa Assefa and Joonas Haavisto

  北欧フィンランドの注目のジャズピアニスト、ヨーナス・ハーヴィストの約15年のキャリアで初となるソロ作品(日本レーベルBLUE GREEMとしては第4弾となる)。既に過去の作品はここで取り上げてきたが、彼の叙情的に描く美しいピアノには定評があって、しかもそれに留まらず硬質にして透明感あるダイナミズムに圧倒される。そして日本と馴染の深い人気ピアニストだ。

1008763622  今年の彼のアルバムには、これも異色の『MOON BRIDGE』(EIRD8008 →)があるが、これはケスタティス・ヴァイギニス(リトアニア出身のサックス奏者)との作品で、ピアノとサックスのデュオ作品で、日本庭園でみられる円月橋にインスパイアされたという。水面にその姿が反射するように配置されアーチと水面に映った影で形成された円は、満月を象徴していることからデュオの「共生」、国と国との「繋がり」、平和を築き橋を架けるとする彼らの想いが込められているアルバムだ。
 
 彼は、今までは主としてピアノ・トリオ作品であったが、今回のこちらのこのアルバムは、おそらく満を持してのピアノ・ソロものと推測する。そして内容は彼に大いに影響をもたらしているJ.S.バッハがテーマになっている。タイトルも"INNER VERSION = 内部反転"という意味深なところにあって、どうも自己の内面に迫り、相対する側面を見つけるという感覚のようだ。単なるクラシックもののジャズ化ではないところは明白で、彼の描きたいところに興味を持ちつつ聴くことになったアルバム。

Imagesw_20241122221701  ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavistoは、1982年生まれ42歳。7歳の時に故郷コッコラの音楽院で音楽の勉強を始め、クラシックのコントラバスを演奏し、16歳でジャズピアノのレッスンを受けた。高校を卒業し、兵役を終えた後、2002年世界有数の音楽大学であるヘルシンキ芸術大学(旧シベリウス音楽院)に入学した。2004年秋、フィンランドのトップビッグバンド、UMOジャズオーケストラでデビューし、更に2005年、マイアミ大学フロスト音楽院に留学。2006年自身のカルテット「アピラス」が名誉ある「ヤング・ノルディック・コメッツ」で最優秀賞を受賞。2010年アルバム『BLUE WATERS』(ZENCD2130)リリース。2012年2nd作『Micro to Macro』(BLUE GLEAM)で日本デビュー。2017年世界トップのピアノメーカー、スタインウェイ&サンズ社(米国)より、スタインウェイ・アーティストとして承認される。2022年USAツアーで、ジャズクラブの最高峰「BLUE NOTE NEW YORK」に出演。キース・ジャレット、チック・コリア等に影響を受けた。卓越したイマジネーションとハーモニーセンスを持つ北欧屈指のジャズピアニスト。

(Tracklist)
1. Paraphrase on Bach's Fugue in C Minor
2. Kuer Changes
3. With Me
4. Jesu, Joy of Man's Desiring, BWV 147
5. Paraphrase on Bach's Prelude in C Major
6. Paraphrase on Bach's Fugue in C Major
7. Sleepers Awake, BWV 140
8. Prelude for B.G.
9. Inner Inversions
10. Waltz for Debby (Bonus Track)

 全編、ハーヴィストにとって最も重要な意味をなす、つまり彼の内面に大きな影響をもたらしているJ.S.バッハをテーマにした曲による構成がまさに美しい。登場する10曲は、バッハの名曲「平均律クラヴィーア曲集第1巻」からインスピレーションを得てイメージして彼が作り上げた曲(Paraphrase=M1,5,6)と、バッハの曲を彼の感覚で編曲したもの(M4,7)、更にバッハの手法を模倣し彼自身が作曲した曲(M2,3,8,9)の3つ分かれる。そして最後には、ビル・エヴァンスがバッハの影響を受けて作曲し演じた人気曲"Waltz for Debby"が登場する。

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 冒頭のM1."Paraphrase on Bach's Fugue in C Minor"から美旋律が流れてくる。この曲は平均律第1巻第2曲のフーガをイメージしての彼なりの構築が見事。M6."Paraphrase on Bach's Fugue in C Major"のParaphrase(表現しなおす)も優しさがあふれている。
 そしてバッハの演奏を試みたのは、M4."Jesu, Joy of Man's Desiring, BWV 147"M7."Sleepers Awake, BWV 140"で、両者原曲旋律を演じつつ即興を交えるも、かなり曲そのものの美しさは出来るだけ残してかなり素直に演じていて聴きやすい。
 問題のM9." Inner Inversions"は、ジャズとクラシックを境界なく融合して、優美さを描いた技に彼の本気を見た思いだ。
 日本向けサービスのエヴァンスのM10."Waltz for Debby "は、ちょっとさわりといった程度でどっぷり浸かれなかったのが残念。

 近年のBrad Mehldauのバッハへの迫り方のジャズとしての奥深さ、複雑性と若干異なっていて、ハーヴィストの場合、北欧的美学が根底にあって、アルバムとしての聴き方には、私自身が北欧系に惹かれる因子があるだけに、このハーヴィストのほうにピアノのリリカルな美が感じ取れて聴きやすかった。従って、その違いをどう受け入れるかは聴く者の個性によるところで良いのではないかと思うのである。
 なお2024年11月30日から6年振り5度目の来日公演「JOONAS HAAVISTO JAPAN TOUR 2024」がスタート。本作「Inner Inversions」ライヴパフォーマンスを披露する。

(評価)
□ 曲・演奏  90/100
□ 録音    87/100

(試聴)

 

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2024年11月20日 (水)

コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」

独特のリズム感と空気感により表現主義的センスが生きている

<Jazz>

Colin Vallon 「Samares」
ECM / Internatinal Version / 6593279 / 2024

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Colin Vallon(piano)
Patrice Moret(double-bass)
Julian Sartorius(drums)

2023年6月,7月 Auditorio Stelio Molo RSI,Lugano 録音

Engineer:Stefano Amerio
Produced by Manfred Eicher

Ab6761610000e5eb2998d02393cw  久しぶりですね、スイス人ピアニストのコリン・ヴァロンのニュー・アルバムだ。前作がなんと2017年の『Danse』ですから7年ぶりの登場。構成はトリオ・アルバムでメンバーはスイス出身で固められ前作と変わっていない。
 そして変わらずの ECMからのリリースであり、と、なると誰もが知っている通りマンフレート・アイヒャー(Manfred Eicher)が創設したレコードレーベルでの彼のプロデュースする音楽哲学は「The Most Beautiful Sound Next To Silence (沈黙の次に美しい音)」であり、かって私がこのコリン・ヴァロンのアルバムの評価は、まさにそれを地で行くものと評価していた。おそらく今作もと、そのパターンは私の好むところで期待が大きいのである。

 そもそもコリン・ヴァロン・トリオは1999年に設立され、1stアルバム『Les Ombres』は、2004年にスイスのレーベルUnit Recordsからリリースされた。そして2007年、『Ailleurs』がHatHut Recordsからリリースされ、2011年に国際的な実績のあるレーベルECM Recordsから3枚目のアルバム『Rruga』をリリースし、2014年には『Le Vent』、2017年には『Danse』をECMからリリースしたという経過だ。そしてジュリアン・ザルトリウスのみは『Le Vent』からトリオ・メンバーとなっている。
 コリン・ヴァロン(1980年生まれ)は、紹介では、過去において、ラリー・グレナディア、ホルヘ・ロッシー、ジェフ・バラード、アンブローズ・アキンムジーレ、ヴォルフガング・ムスピール、トム・ハレル、ケニー・ウィーラーなどのアーティストと共演したり、レコーディングを行ったりしてきていると。
 又、ベースのパトリス・モレット(スイス、1972年生まれ、下左)は、2005年よりこのトリオ入り、クラシック・ベースを基礎としている重量感あるベース・サウンドを奏でる。ジュリアン・サルトリウス(スイス、1981年生まれ、下右)は2014年より当トリオに加わって、コーディネーション(リズム・反応・バランスなど)の才能が評価されている 

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(Tracklist)

1. Racine
2. Mars
3. Lou
4. Ronce
5. Étincelle
6. Timo
7. Samares
8. Souche
9. Brin

  期待通りのリリシズムとメランコリーの流れを感じ取れるアルバムだ。ヴァロン自身のオリジナル曲により構成されていて、アルバム・タイトルのフランス語の 「Samares」は、"サマラという実"のことを指していて、見た目は種と葉の中間のような形をしており、翼のような羽ばたきが特徴だとか、そんなイメージはこのトリオが演ずるところとかなりマッチングが良いようだ。自然の植物からのインスピレーションを瞑想的に描くことに一つの世界観に誘導しているようだ。
 M1."Racine"(根)、M4."Ronce"(荊またはブラックベリー)、M9." Brin"(小枝または草の葉)など、植物由来が曲名となっている。
 なかなか描くところの真髄に迫るのは難しいが、演ずるところ、このトリオそれぞれが音質と音色に対する強い意識を共有していると言われ、おり、非常に複雑なアンサンブルサウンドがリリカルな世界で構築されている。 今回は新たに導入したエレクトロニクスの効果も興味のある処。

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 いずれにしてもオープニングM1." Racine"から、深遠な世界にどっぷり浸かることが出来る。ドラムス(パーカッション)の微妙な響きが印象的。そして M2." Mars" でリリカルなピアノのメロディーが登場する。
 M3."Lou" 優しさはこの上なく、M4."Ronce"の後半の盛り上がりが面白い。
 M5."Étincelle"  重く響くベースに誘われピアノの美旋律が流れ、M6."Timo"のリズムカルなひねりは先進的。M7."Samares" では、まさにピアノの響きが広く展開し語り聴かせる。
   M8."Souche" で、やや瞑想的に沈むもピアノの美しさは描かれ、M9."Brin"にて、安堵感に通ずる雰囲気を描いて納めている

 やはりヴァロンの独特のリズム感と空気感の表現主義的センスが生きているリリカルな世界は相変わらずで、ベースがピアノを導き、ピアノの世界を独特な手法でサポートするドラムス、トリオの相互関係が即興的な世界でも見事に充実していて素晴らしい。歴史的ピアノ・トリオ・スタイルから一歩も二歩も進歩した世界を聴かせてくれる。
 又Stefano Amerioの録音は、立体的なトリオの配置が心地よく聴きとれて、特にメロディーを支えるベース・ドラムスの生かし方は素晴らしかった。

(参考)Colin Vallonに関する過去の記事はこちら →http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat59236188/index.html

(評価)
□ 曲・演奏  90/100
□ 録音    90/100
(試聴) "Mars"



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2024年11月15日 (金)

アヴィシャイ・コーエン Avishai Cohen 「Brightlight」

若き才能を取り入れての独自のジャズをスリリングに演ずる

<Jazz>

Avishai Cohen 「Brightlight」
NAIVE / Import / BLV8583 / 2024

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Avishai Cohen (bass & vocals)
Guy Moskovich (piano on 01, 02, 04, 05, 07, 09, 10, 11)
Eden Giat (piano on 03, 06, 08)
Roni Kaspi (drums)
Noam David (drums on 03)
Yuval Drabkin (tenor saxophone on 06, 08, 11)
Yosi Ben Tovim (guitar on 03)
Lars Nilsson (trumpet on 08, 10)
Hilel Salem (flugelhorn on 03)
Jakob Sollerman (trombone on 10)
Ilan Salem (flute on 03)
Jenny Nilsson (vocal on 10)

Recording at Nilento Studio, Goteborg, Sweden (1, 2, 4, 5, 7, 9, 10), Kicha Studios, Tel-Aviv, Israel (3, 6, 8, 11)

Dsc00804w   イスラエルを代表する既にお馴染みのベーシストのほうのアヴィシャイ・コーエンのニューアルバムの登場。過去のアルバムにては、独特なメロディーに引き付けられ、不思議な世界でのジャズに魅せられてきた。その不思議さは、ユダヤの民俗音楽、ジャズ、ワールドミュージック、クラシックの影響をミックスしたドラマチックなアコースティックベースサウンドを、独特で親しみやすいスタイルに織り込んだものと言われている。しかしこの2023・2024 年ツアーでは、更に世界中で熱狂の渦に巻き込んでいると言われる(日本でもブル-ノ-ト東京公演で2年連続登場)驚異の若き才能が注目で、イスラエル出身のロニ・カスピ(drums、2000年生まれ、下左) とガイ・モスコビッチ (piano、1996年生まれ、下右)とのトリオ+αの待望の録音アルバムということである。
 この二人、女流ドラマーのロニ・カスピはダイナミックなリズムでエネルギッシュにして、ライヴで迫力のソロを展開し、時折交える変拍子もセンス抜群と言われている。ピアニストのガイ・モスコビッチも、繊細なタッチで描くハーモニーの魅力と、技術力の高さで注目。
 そしてこのアルバムの収録曲は、11曲で8曲がアヴィシャイのオリジナル曲だ。

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 アヴィシャイ・コーエンは、1970年4月20日にイスラエルのKibbutz Kabriで生まれ、スペイン、ギリシャ、ポーランドにルーツを持つ多文化家族で育った。家の環境は常に音楽があり、母親の芸術的センスからクラシック音楽と伝統音楽の両方を聴いていたという。彼のの音楽人生は9歳のときのピアノを弾く事に始まり、14歳のときに家族と一緒にミズーリ州セントルイスに引っ越した後、ピアノの勉強を続け、一方ベースギターを弾き始めました。その後イスラエルに戻ってから、エルサレムのミュージック&アーツアカデミーに参加し、ベースの世界をさらに探求。22歳のとき、軍楽隊で2年間勤務した後、コーエンは大きな一歩を踏み出すことを決意し、ニューヨーク市に引っ越した。1990年代後半にチック・コリアのトリオで注目を集めた後、彼はユダヤ民俗音楽からジャズ、クラシックの特徴を、独特で親しみやすいスタイルに構築。それにより世界的な認知度と幅広い影響力を獲得、今やジャズ界のトップベーシストの一人としての地位を固めている。

(Tracklist)
1.Courage
2.Brightlight
3.Hope
4.The Ever And Ever Evolving Etude
5.Humility
6.Drabkin
7.Roni’s Swing
8.Hitragut
9.Liebestraum Nr 3
10.Summertime
11.Polka Dots And Moonbeams

 収録11曲のうち、ガイ・モスコビッチがアレンジしたリストのM9."Liebestraum Nr 3"、ジャズ・スタンダードM10."Summertime"M11."Polka Dots And Moonbeams"以外はアヴィシャイ・コーエンのオリジナルである。

 全体の印象として、過去のアルバム(『From Darkness』(2015)、『Gentry Disturbed』(2008)など)と少々ニュアンスが異なっている印象だ。このアルバムでは、過去のオリジナル曲におけるピアノ・トリオのピアノやベースによる美旋律の情緒ある演奏が後退している。それはいつも少々見え隠れはしていたのだか、挑戦的ジャズ因子への試みがここでは主体的に増大しているのだ。それは前作『Shifting Sands』(Naïve Records、2022年)においてもみられたところであるが、その評価はこのところむしろ高まっているところにある。しかし一方私自身の好みとなると、Shai Maestro(ピアノ)がトリオにいたころの曲の描く世界の方が親しみやすかった。

 このアルバムは、いわゆる躍動的ピアノ・トリオを基軸に、テナーサックスやトランペット、フリューゲル、トロンボーン、フルート、ギター、ヴォーカルらも加わって、曲による変動した体制で迫ってくる。このあたりは私の個人的好みとは別だが、むしろジャズのグルーブ感としては面白いと思うところにある。彼が結成している現在のこの基本にあるトリオ自身がその方向に向かってエネルギー感たっぷりの充実感を追求しているのかもしれない。
 そんな中で、いつものようにコーエンの肉太ベースのうねるような躍動もリズミカルにぐっと迫ってきて、なかなかパッションあるエネルギッシュなピアノ、そしてドラムはたたみ掛けるスリル感満点を演ずる。又テナーサックスは3曲に登場し、思いの他M11."Polka Dots And Moonbeams"のように、ソフトで中々味わい深さを感じさせてくれた。

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 オープニング曲M1."Courage"は、ドライブ感のあるベースサウンドで始まり、軽快なモスコヴィッチのメロディーに乗せて、常に活気に満ちたカスピのドラムが展開。このトリオの役割紹介のような演奏。
 M2."Brightlight"タイトル曲で、トリオ三者が技術力で楽しんでいるようなコンテンポラリー作品。
 M3."Hope"は、ちょっと今までにない世界だ。ゲストミュージシャンのギタリスト、ヨシ・ベン・トヴィムとフルート奏者のイラン・セーラムが描くところが魅力的。
   M7."Roni's Swing"は、カスピに捧げられているようで、ピアノがリズミカルなスウィングにて流れるようなソロをみせ、中盤のコーエンのベースソロに繋がる。それがカスピの鋭さを引き出している。M6."Drabkin"では、ドラブキン(イスラエル)の豊かなサックスのメロディにトリオが伴奏する形。『Shifting Sands』から取られたM8."Hitragut"は、サックスのパートに対応する編曲版。M4."The Ever and Ever Evolving Etude"は、『Gently Disturbed』(2018年)に収録されている曲の再演。

 最後に3曲のカバーがアルバムを締めくくる。ちょっと驚きは、M9."Liebestraum Nr 3"で、アルバムの頂点が過ぎたところで登場し、なんとフランツ・リストの夜想曲「愛の夢」で、モスコヴィッチの流れるような上質演奏作品で納得。ジョージ・ガーシュウィンのM10."Summertime"は、コーエンのヴォーカルが登場し、跳躍するリズムを奏でアルバムを高揚感で盛り上げようとしている。しかしあまり新鮮味無く、アルバム前半のイメージからは異質で意味が感じられなかった。その代わり、最後のM11."Polka Dots and Moonbeams"は、スロー・ベースとサックスの響きが心地よく、よりメロウな音色でアルバムをうまく締めくくっている。

 作曲と演奏スタイルは、コーエンの多方面の幅広い音楽世界を反映して、快調にこ展開する。カスピは全体を通して独自路線を崩さず攻撃的でパワフルなところが目立った。モスコヴィッチはシャイ・マエストロとは異なるが、Cohenの低音ドライブに適応してそれなりに素晴らしい。このアルバムは、コーエンの創造性は相変わらず進行形で、彼の描くトリオの多才さとダイナミズムは、やはり一流と言えるだろう。

(過去のアヴィシャイ・コーエンの記事) →http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat57629737/index.html

(評価)
□ 曲・演奏 :   88/100
□   録音   :    88/100

(試聴)

 

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2024年11月10日 (日)

アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」

ニュー・ヨーク・ジャズに故郷のバルカン半島の心を籠める

<Jazz>

Alma Micic 「You're My Thrill」
Vinus Records / JPN / VHGD-10013 / 2024

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Alma Micic アルマ・ミチッチ (vocal)
Rale Micic ラレ・ミチッチ (electric guitar on 2, 3, 4, 5, 8, 9)
Brandon McCune ブランダン・マッキューン (piano except 3, 8)
Alexander Claffy アレクサンダー・クラフィ (bass except 6)
Jason Tiemann ジェイソン・ティーマン (drums except 6)
Eric Alexander エリック・アレクサンダー (tenor saxophone on 1, 2, 7, 9)

2023年6月16日米ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのVan Gelder Studio録音
(engineered by Maureen Sickler)

 私にとっては初物の現在ニューヨークのクラブで活躍中のジャズ・ボーカリストであるアルマ・ミチッチの登場。彼女独特の魅力的なソフトで中低音の充実しヴォイスで高音にも伸びる本格的ジヤズを歌い上げ、その表現力の素晴らしさはなかなかのもの。今回のアルバムは日本のヴィーナスレコードからで、テナー・サックスのエリック・アレキサンダーが4曲参加している。

Imagesw_20241107184201   アルマ・ミチッチは、セルビア・モンテネグロ共和国=旧ユーゴのベルグラードで生まれ育った。16歳の時、地元のカルテットで演奏を始め、すぐに彼女はラジオ・ベオグラード・ビッグ・バンドのゲスト・ボーカリストとなった。ツアーを始め、多くの地元のジャズ・フェスティバルやテレビ、ラジオ放送に出演した。1995年、マサチューセッツ州ボストンの名門バークリー音楽大学に入学するための奨学金を授与され、1999年に卒業、以降ニューヨーク市に住む。その後2000年から彼女は多岐に活躍し、2004年に1stアルバム『Introducing Alma』をリリース、広くわたって好評を得る。その後『Hours』(2008)、『Tonight』(2013)をリリースとキャリアは十分。アルマの歌は、「自信に満ち、ソウルフルで、傷つきやすく、リズミカルに精通しており、最も官能的なビブラートが聴ける」と評されている。クレオ・レイン賞(優秀音楽家賞)やニューヨーク・アーツ・カウンシル(NY Arts Council)のBRIO賞など、数々の賞を受賞している。

(Tracklist)

1 バイ・バイ・ブラック・バード Bye Bye Blackbird (Mort Dixon - Ray Henderson) 4:44
2 アイル・ビ・シーイング・ユー I'll Be Seeing You( Irwin Kahal - Sammy Fain) 3:25
3 イン・ア・センチメンタル・ムード In A Sentimental Mood ( Duke Ellington) 4:04
4 マッド・アバウト・ユー Mad About You (Aaron Earl Livingston) 4:20
5 あの子は最高 Moja Mala Nema Mane ( Traditional, arr. Alma Micic) 3:01
6 マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ My One And Only Love (Robert Mellin - Guy Wood) 3:01
7 いそしぎ The Shadow Of Your Smile (Paul Francis Webster - Johnny Mandel) 4:48
8 ユア・マイ・スリル You're My Thrill (Sidney Clare - Jay Gorney) 3:20
9 黄色いマルメロ Zute Dunje (Traditional, arr. Alma Micic) 5:54

 まずの印象は、あまり癖のない極めて標準的な歌を展開する。あるところでは「メロウ・テンダー&クール・ソフトな優しいしっとり感と敏活でダイナミックなスイング&ブルース・センスを併せ持った基本はあくまで柔和で節度とゆとりある抒情派ヴォーカル」という評をしているが、これは案外的(まと)を得ていると思う。つまりスローでもアップ・テンポでも自在に歌い上げる表現力の素晴らしさを持っている。
 主力はやはり自己の主張による彼女のオリジナル曲を展開するSSWの機能発揮でなく、いわゆるクラブなどでスタンダードなど彼女自身の好むところを歌い上げて、会場に心地よさを提供するといった世界とみる。

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 M6."My One And Only Love"のようにバラード調は見事に歌い上げ、M7."The Shadow Of Your Smile"のようなポピュラーなスタンダードは、手慣れた歌だ。
 アルバム・タイトル曲はM8."You're My Thrill"で、これは古い1933年の人気曲で、ジャズ界の多くに愛されてきた曲(ジェイ・ゴーニー作曲、シドニー・クレア作詞)で、映画『ジミーとサリー』(1933年)で披露。これをメインにおいてのアルバム造りから、ニュー・ヨークのジャス界に根ざしている彼女の姿が見て取れる。
 しかし注目は、続く最後のM9."Zute Dunj(ズテ・ドゥンジェ)"で、これはこのアルバムでも異色で、特にバルカン半島の伝統的な民謡に属する曲で、彼女の故郷のボスニア・ヘルツェゴビナやセルビアなどの地域で歌い継がれて来たものだと。そして曲のテーマは、愛や悲しみ、自然への愛(季節の移ろいなど)を歌った内容が多く、地元の人々にとって感情深い歌詞と旋律が特徴的で、愛されているようだ。
 更に、M5."Moja Mala Nema Mane"も、セルビアやクロアチアの伝統的なフォークソングのようで、「私の小さな(恋人/妻)には欠点がない」という意味で、主に愛や魅力について歌った内容であって明るい曲だ。バルカンの伝統音楽には、このように情熱的で感情表現豊かなスタイルが多く、リズミカルなビートや複雑なメロディーラインが特徴的のようだ。この2曲がちょっと異質ではあるが、彼女にとっては生まれ故郷を想い一つのよりどころとしているのだろう、こんなところからは、彼女の心の歌としてここに登場させているところが、ちょっと哀感の感ずるところである。

463064503_11266842623w バックは、ちょっと粋な味を見せるピアノ(Brandon McCune )やソウル感溢れるブルージーなギター(Rale Micic)、テナー(Eric Alexander)はそれらしい力をみせて、アメリカ・ジャズっぽいグルーヴ感を演じつつ彼女の抒情派ヴォーカルを旨く乗せているという感じだ。まあそれで良いのだろうと思うところ。

(評価)
□  編曲・歌  87/100
□ 録音    87/100

 

(試聴)

 

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2024年11月 5日 (火)

メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」

15年以上のキャリアの中から、自身の選曲による初のベスト盤
・・・・チャーリー・ヘイデンも登場

<Jazz>
Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」
<限定盤/White Colored Vinyl>
DECCA / International Version / LC-00171 / 2024

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 Melody Gardot : Vocals, Guitar, Piano

Images_20241101213701  私の押すジャズ・シンガーの3本の指に入るメロディー・ガルドー(米国、1985年生まれ →)のベスト盤の登場。2008年にデビュー以降過去の彼女のキャリアの14年間に及び、6枚のスタジオアルバム、リミックス、ライブ録音、未発表曲からのセレクションをフィーチャーした24曲により構成されている。その中身はスペシャルエディションと初登場曲5曲も含まれているが、彼女の過去のアルバムは一つの色でなく異なる性格であったものを、単なるヒット曲を並べたのでなく、彼女なりきの意思でここに一つの世界へとまとめ上げた点も評価したい。

 かって、交通事故後の後遺症での歩行障害があり、頭部強度打撲による健忘症と光・聴覚過敏症にての光に敏感な障害を持って2ndアルバム『My One And Only Thrill』を引っ提げて、2009年に来日して、サングラスとステックをついて歩く姿でライブ・ステージに登場し、日本という国に来れたことを子供のように喜んでいた姿をみ、又、丸の内ビルのMARUCUBEで、演奏終了後に私も彼女と話も少しできた昔を思い出すと、今日への進歩も計り知れないところにあり、こうして作り上げたベスト盤を実はお祝いしたい気持ちになる。そこで今回はCD盤でなくLP2枚組のアナログ盤を購入してここに楽しんでいるのである。

 こうしてみるとメロディー・ガルドー自身のオリジナル曲の多いのにも驚くが、それがSSWとしての芸術性における才能にも長けている事を表していると思うのである。彼女のその音楽的個性はが単純な分類に属すことが難しいアーティストであることは、作品群のそれぞれの異なった特徴が示している。ガルドーの音楽キャリアは、彼女の個人的な生き様と関連が濃い、19歳の時、事故に遭った後、彼女は音楽療法を回復のための重要なツールとして使用し、歌や作詞作曲を通じて話す方法と楽器の演奏もを身に着けた。こんな経過は、彼女が持っていた基本的な技能を取り戻すのに役立っただけでなく、繊細さを持って訴え感じる世界を特徴とする音楽というものの分野に足を入れるにも役立ったと思われる。

 

(Tracklist)
Disc 1
A1. Baby I’m A Fool
A2. If The Stars Were Mine
A3. C’Est Magnifique
A4. Morning Sun
A5. Sweet Memory
A6. Mira
A7. Over The Rainbow
B1. Worrisome Heart
B2. Our Love Is Easy
B3. Love Song Feat. Ibrahim Maalouf
B4. La Chanson des vieux amants
B5. Les Etoiles (Live)
B6. La Vie En Rose
Disc 2
C1. First Song *UNRELEASED*
C2. This Foolish Heart Could Love You (Paris Strings Session)
C3. Once I Was Loved
C4. Ain’t No Sunshine (Live In Paris)
C5. Moon River
D1. Your Heart Is As Black As Night
D2. If I Tell You I Love You
D3. Who Will Comfort Me
D4. Love Me Liker A River Does (Live In Paris)
D5. Bad News (Live)
D6. La Llorana (Live) *UNRELEASED*

Image_20241102123701  このベスト盤であるアルバムは、ガルドー自身の音楽の世界と生き様を描く目的に沿って造られていることが良く解る。私が彼女に最初に接した2nd『My One And Only Thrill』(2009)(さらに『Sunset In Blue』(2020)など、ラリー・クラインのプロデュース)からの曲"Baby I’m A Fool"からスタートするのも歓迎だ。それはかって十数年前に書いた彼女の評価である"包み込む暖かいヴォリュームのある低音、そして美しい高音にゆったりと流れていく歌声、哀愁と説得力のある語りにも通ずる唄の流れ"が最高なのだ。ストリングスをバックにJazzy not Jazzといったパターンであるが、ある意味優雅さもありながらミステリアスなところ良い。そしてアルバムのまま"If The Stars Were Mine"に続く。(右上は、2009年の来日時に、彼女にサインしていただいた記念アルバム・ジャケ)。

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 素材の6枚のスタジオ・アルバムは、2006年の『Worrisome Heart』から、2022年のフィリップ・パウエルとのコラボで製作された『Entre eux deux』の最新作までだが、ライブものは『Live in Europe』(2017)など、そしてその他からの24曲は、まだまだその他に名曲があるが、まあかなり彼女の姿を描くには十分な選曲であった言えそうだ。
 難物は故郷であるフィラデルフィアに想いを馳せたソウルでありロックでもあるアルバム『Currency Man』(2015)であるが、これは私は落としてならない彼女の重要な世界であり、そこの"Preacherman"は印象的だが、"Bad News""Morning Sun"が採用されていて、取り敢えずホッとしているのである。
 一方、音楽伝統へ足を入れた『The Absence』(2012)は、アルゼンチン、ポルトガル、ブラジルなどの世界各国に探求が及んでいたし、又多国語をこなしいろいろな国の文化を深める事にも注目もあるが、ここに来てはフランスに自己の世界を発見したりとその世界の広さには圧倒される。
   又"Love Song"のハイレベルのジヤズの出来の素晴らしさは、やはりここでも取り上げられている。
 そこに来て、このベスト盤の驚きは、未発表曲今は亡きチャーリー・ヘイデンとの貴重な共演2曲が登場し、"First Song"は優しく美しく彼女の繊細なヴォーカルとヘイデンの歌い上げるがごときベースに酔える。更に締めくくりの伝統曲"La Llorona"(2019年マヨルカ島にて録音)などは彼女の感情表現の深さに感動的でもあったし、ヘイデンのベースが聴けてチェロも加わり感動だ。

 このベスト盤は、改めてメルディ・ガルドーの世界を見直す良いチャンスであり、又彼女の質の高さを改めて知らしめられるところにある。
   (参考:メロディ・ガルドー関係全記事はこちら →http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat36978461/index.html)

(評価)
□ 曲編集・歌  90/100
□ 録音     87/100

(試聴) "First Song" with Charlie Haden

 

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