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2022年8月26日 (金)

ブライアン・ブロンバーグ Brian Bromberg 「WOOD」

ウッド・ベース低音の魅力は永遠か・・・・

<Jazz>
Brian Bromberg 「WOOD」
King Record /e-onkyo / Hi-Res MQA 96kHz/24bit / 2022

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Brian Bromberg (bass)
Randy Waldman (piano)
David Bromberg (drums)

  キングレコードの名物企画「低音シリーズ」で、ブライアン・ブロンバーグBrian Bromberg(米国)がウッド・ベースに拘って2001年にピアノ・トリオ・スタイルで作り上げたアルバム『ウッドWOOD』はベース・ファン、低音ファン、オーディオファンに圧倒的な支持を得て大ヒット作品となった。
 このアルバムはオーディオ界の支持は意外に大きく、各地で行われるオーディオフェアなどでも機器の性能チェックとしても重宝がられてきたが、確か2015年にはアルバムが再発され、その後なんと2017年にはLP化(33回転盤2枚組)され、アナログファンにも圧倒的な支持を得た。

 その後さらに音質にこだわって、リマスタリングもされ、2020年に初SACD(kkj-146/2020)化された。
 そして結局のところ、通常CD盤、33回転盤LP、45回転盤LP、SACDハイブリッド盤とそれぞれの録音フォーマットが出そろったのであるが、そこに今になってHi-Resサウンドの登場となり、今話題のMQA-flac 96kHz/24bitものの登場もあって、それならばとe-onkyoより仕入れた次第である。

(Tracklist)

06_0103_02 1 The Saga of Harrison Crabfeathers
2 Dolphin Dance
3 Come Together
4 Goodbye for My Father
5 Speak Low
6 Freedom Jazz Dance
7 I Love You
8 Straight No Chaser
9 All Blues
10 The Days of Wine and Roses 酒とバラの日々
11 Star Spangled Banner 星条旗よ永遠なれ

 私はこのブロンバーグは、それほど意識したことはなかったが、彼は1960年12月5日の米国アリゾナ生まれ。父と兄がともにドラマーであり、彼自身もドラムをプレイしたが、10代はじめに既にアコースティック・ベースに転向し、そして79年、スタン・ゲッツのグループに参加して名前も知られるようになり、89年には初のリーダー作『A New Day』をリリース。アニタ・オデイ、リー・リトナーのサポートを務めるなど、ジャズ/フュージョン界での活躍も大きい。

 このアルバムは、ピアノ・トリオ演奏ジャズだがM1."The Saga of Harrison Crabfeathers"、M3."Come Together"などでは、冒頭からベース・ソロで始まりそのコントラ・バスの低音で圧倒する。近年は寺島レコードからのリリース・アルバムでもベースの音で圧倒する録音ものもあって、昔ほどは驚かないが、それでも一般にピアノ・トリオものではベースは"縁の下の力持ち"的な存在で、地味な立ち位置にあって、ピアノと同等に前に出てくる録音は少ない。しかしここでは指ではじくピチカット奏法のその弾き音と共にリアルに迫ってきて圧巻。このアルバムではドラムスも生きていて、近年の録音に近いスタイルだ。
特にM3ではその荒々しさが響いてくる。
 M4."Goodbye for My Father"、M10."The Days of Wine and Roses"は、ピアノの美旋律が響いて気持ちの良い演奏だが、ここではさすがに前面に出ることではなく、そのピアノ音とほゞ対等な位置で美しい演奏を響かせる。
 M5."Speak Low"でのベースは、低音というよりは、その演奏技巧の披露だ。M8."Straight No Chaser"のようなトリオ演奏の対等な三者の演奏も楽しい。
 M6."Freedom Jazz Dance"、M9."All Blues"、M11."Star Spangled Banner "はベース・ソロ演奏で、低音の響きにスラップ奏法やサムピング音も交えてリアルな録音により、ベース演奏をたっぷり楽しめる。

Iimgw  このように、単なるベースの音を聴くというのでなく、ピアノ・トリオの楽しさと美しさを聴かせながらも、ドラムスも含めてトリオとしての味を見せつつ、そこにウッド・ベースのいろいろな奏法を交えての低音の楽しさをソロ演奏を交えて教えてくれる。なんと20年間楽しませてくれている見事なアルバムである。(なお人気があって2005年には続編『WOOD 2』(KICJ-488)もリリースされた →)
 そしてこのようにHi-Resサウンドで楽しめるのも良き時代になったと実感する。

(評価)
□ 演奏 88/100
□ 録音 88/100

(視聴)

 

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2022年7月17日 (日)

[好録音シリーズ] Three Blind Mice の思い出(4) : 菅野邦彦「慕情」

軽快なリズムの中に情感が流れるピアノ・ジャズの真髄

<Jazz>

Sugano,Kunihiko Trio +1 「LOVE IS A MANY SPLENDERED THING」
Live in "5 DAYS IN JAZZ 1974"
CRAFTMAN RECORDS / JPN / CMRS-0044 /  2019 (Original LP 1974)

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菅野邦彦(p)
小林陽一(b)
高田光比古(ds)
小川庸一(conga)
 
  先日取り上げた Three Blind Mice レーベルの話題作の鈴木勲アルバム「BLOW UP」(下左)「BLUE CITY」(下右)にて、ピアノを演じている菅野邦彦の彼自身のリーダー・トリオの当レーベル唯一のアルバム(1974年ライブもの)。

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 菅野は大学在学中、吉屋潤のバンドで演奏活動を始めた。そして卒業後は、取り敢えずサラリーマンになるが一年で再び音楽の道へ戻ったと。1960年ころより、鈴木勲、ジョージ大塚とトリオで演奏開始。
 このTBMレーベルがスタートして、1973年の「BLOW UP」で人気も定着。

(Tracklist)

1. "Love is A Many Splendored Thing"
2. "Autumn Leaves "
3. "Blues For Wynton Kelly"
4. "Perdido"

 彼は銀座の老舗ライブハウス「JUNK」での活動が聞かれているが、このメンバーが、そのまま1963年~64年ころ、松本英彦カルテットとして活動し解散後は、ソロピアニストとして、またリーダーとして活動しいた。
 又彼はあまりにもの繊細さからコンサートホールでの演奏は苦手だったとか。しかしながら、菅野のブルースフィーリング溢れるピアノ演奏、又曲のテーマのフェイクが旨く彼なりの世界に引っ張り込むところが天下一品。更にアドリブの妙も素晴らしく当時日本ならず世界のJAZZ界でも認められた。

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 そしてこのM1."Love is A Many Splendored Thing"は、軽快な乗りを展開し、それが情感溢れるところが魅力。とにかくご機嫌な演奏で魅了する。
 M2."Autumn Leaves"も、やはり導入までの演奏が見事、そしてメイン・テーマが現れるとほっと感情輸入して聴ける。この曲でもフェイクが又一つの効きどころ。こうゆう有名曲は更にアドリブも楽しめるのがいい。
 M4."Perdido"は、当時LPのB面をすべて使った18分を超える演奏。トリオ演奏の楽しさが伝わってくる。

 なかなかドライブ感がたっぷりで、日本において、ジャズの展開の楽しさを広めてくれた。
   このアルバムの録音は、当時はリアルさにおいて評判だった。ちょっと硬さはあるがライブとしてはよくここまで旨く録音したと思われる。ただ、ピアノが右で、ドムスが左からと、ちょっと慣れない感じが否めない。

(評価)
□ 編曲・演奏 :      88/100
□   録音(当時として) :   88/100

(試聴)

 

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 追加するが、当時というか1980年になって、菅野邦彦が盟友鈴木勲とキングレコードからリリースしたアルバムがあり、紹介する。今日のテーマのTBMレーベルものではないが、日本のジャズ界、ロック界に貢献度の高いキング盤LPも、なかなか好録音としてリリースしているし、なんといっても菅野のピアノ、鈴木のベースは日本のジャズ界の宝物だけにここに取り上げた。

名録音と名演奏

<Jazz>

KUNIHIKO SUGANO, ISAO SUZUKI 「SINCERELY YOURS」
King Records / JPN / KICJ 2622 /  2019 (Orinal LP 1980)

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菅野邦彦(p)  鈴木勲(b)

(Tracklist)

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1. Mean To Me
  Written-By – F.E. Ahlert, R. Turk  5:15
2. The Midnight Sun Will Never Set
  Written-By – D. Cochran, H. Salvador, Q. Jones 8:10
3.Moon River
  Written-By – H. Mancini, J. Mercer 5:13
4. Autumn In New York
  Written-By – V. Duke 7:01
5. I'm Getting Sentimental Over You
  Written-By – G. Bossman, N. Washington  4:47
6. The Very Thought Of You
  Written-By – R. Noble 3:21
7. Goodbye
  Written-By – G. Jenkins  4:11

 当時のLPは録音の良さでマニアにも評判もの。鈴木勲のインパクトたっぷりのベース・ソロが誘導して菅野ピアノ美しいメロデーのフレーズを引っ張り出すという両者の流れは余裕たっぷり。これぞ盟友とのデュオだ。
 このアルバムの音は菅野のピアノのタッチ・音質と鈴木のベースの音を見事に捉えていていて快感。
 菅野は相変わらずのフェイクが楽しく、アドリブも見事なM3."Moon River"
 M4."Autumn In New York"、M7."Goodbye"のベースの響きは圧巻で、しかもこれに優しく菅野が優しいメロディーとアドリブを加えるコンビの妙。
   M6."The Very Thought Of You" のピアノのフェイクで描くメロディーの美しさは抜群。
 日本のジャズ史における貴重盤。

(評価)
□ 編曲・演奏 :   88/100
□   録音    :   88/100

(試聴)

 

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2022年7月12日 (火)

[好録音シリーズ] Three Blind Mice の思い出(3) :    山本剛(2)「SUMMERTIME」,「Midnight Sun」

(前回からの続き) 山本剛の絶頂期

   Three Blind Miceレーベルのジャズ界に及ぼした功績は大きかった。その一つとして前回から紹介しているピアニスト山本剛もこのレーベルからの1974年デビューで、全国区のジャズミュージシャンとして知られることとなった。とにかくリリースされたアルバムの好録音から、オーディオ・マニアにももてはやされ、日本ジャズの普及にも一役買った。その好録音の功績者は神成芳彦であった。
 前回から続いて、このレーベルの主役の一人でもあった山本剛のアルバムを取り上げる。

<Jazz>

5⃣
TSUYOSHI YAMAMOTO TRIO 「SUMMERTIME」
CRAFTMAN RECORDS / JPN / CMRS-0040 / 2019 (Original LP 1976)

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山本剛 (p), 大由彰 (b), 守新治 (ds)

 TBMレーベルからのアルバム「Midnight Sugar」でデビューを果たした若手実力派ピアニスト山本剛率いるトリオが、76年5月17日東京ヤマハホールにて行われた伝説のコンサート「5 Days in Jazz」に出演したときの音源を収めたライヴ盤

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(Tracklist)
1.Like Someone In Love 8:40
2.If You Could See Me Now 6:30
3.Misty 7:43
4.Summertime 7:55
5.Cookin' The Blues 7:51
6.The Way You Look Tonight

  収録全6曲のうちオリジナル曲は、鈴木勲「黒いオルフェ」に"Blues"として収録されているM5."Cookin' The Blues "のみだが、ここでは彼のブルース・フィーリングが満開。一方M1."Like Someone In Love"は、なかなか軽快にしてスウィング感バッチリの曲。
 M2."If You Could See Me Now"は、タッド・ダメロン作曲のバラード曲で、ここでは彼らしい繊細さが出ているが、時にダイナミックにと変化があり、全体に彼の得意の優雅な演奏。そして誰もが喜ぶM3."Misty"の登場、演ずる場によっての変化も聴けメイン・テーマで拍手が起きる。
 M4."Summertime"は、このアルバム・タイトル曲だが、ここでは大由のベースを大々的に取り入れられ、爪弾き、弓弾きと多彩でベース音録音も迫力ありオーラル・ユニゾンも入り、中盤から変調してピアノとのユニゾンがリズム・カルに演じられジャズの楽しさが堪能できる約8分の演奏。

------------------

6⃣

TSUYOSHI YAMAMOTO TRIO 「Midnight Sun」
CRAFTMAN RECORDS / JPN / CMRS-5295 / 2019 (Original LP 1978 )

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山本剛(P)、岡田勉(B)、岸田恵士(D)
Recording Engineer : Yoshihiko Kannari

  山本剛がデビューから4年後の'78年になって「Three Blind Mice」からリリースしたトリオ作品。これはちょうどアメリカ修行をして帰っての作品で、TBM人気者のなんと第9弾目となる。

(Tracklist)
1 Midnight Sun 6:07
2 Autumn Leaves 5:07
3 Wave 6:13
4 A Shade Of Love 4:23 *
5 Billy Boy 5:32
6 Love Is Here To Stay 8:25
7 Blue Manhattan 4:45 *
8 Kid  2:15 *
*印 山本剛のオリジナル曲

 Lionel Hampton作のメロウなM1."Midnight Sun"は、得意の情感込めての美しいピアノ・タッチが印象的。これは彼が'77年米Monterey Jazz Festivalで喝采を浴びた記念すべきスロー・バラード曲。
 M2."Autumn Leaves"は、名曲を軽快なアレンジで演じている。A. Carlos Jobin作の彼の得意曲M3."Wave"もスウィングして軽快。
 彼のオリジナル曲のM4." A Shade Of Love "及びM8."Kid"は、愛児への想いの優しいバラード曲。M6." Love Is Here To Stay "もピアノ・バラード演奏でしっとり聴かせる。
 オリジナル曲のM7."Blue Manhattan"は、神成芳彦の録音もトリオ・ジャズの味をうまく表現して、ベース・ドラムスも生き生きと充実して楽しい。
 山本剛の世界が完成の域へと歩んだアルバム。

(評価)
□ 曲・演奏  88/100
□ 録音    88/100

(試聴)

「SUMMER TIME」

*
「Midnight Sun」

 

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2022年2月16日 (水)

山本剛 TSUYOSHI YAMAMOTO TRIO「MISTY for Direct Cutting」

果たしてダイレクトカッティングは、高音質名録音なのか・・・

<Jazz>

TSUYOSHI YAMAMOTO TRIO「MISTY for Direct Cutting」
SOMETHIN'COOL / JPN / MQA-CD / SCOL106 / 2021

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山本剛(p)
香川裕史(b)
大隅寿男(ds)

録音:2021年2月@キング関口台スタジオ
レコーディング・エンジニア : 松山 努
カッティング・エンジニ ア: 田林正弘(日本コロムビア)

5b52d73134b712273w  ジャズ史上屈指の名盤と言われたThree blind miceレーベルのオーディオ・ファンの永遠のバイブル『ミスティ』(1974CMRS-0033(DQCP-5281))を生んだピアニスト山本剛が、このところのハイレゾ・ブームでのアナログ・レコードの音質的魅力の再認識から、キング関口台スタジオがアナログ用のカッティング・マシンを復活させてダイレクト・カッテイング録音を始めたことにより、ここにメンバーは変わってはいるが現在のトリオでの45年ぶりの過去の再現を試みて、2021年版の『ミスティ・フォー・ダイレクト・カッティング』の録音が実現した。ミックス、マスターリングなどのプロセスを省いたダイレクト録音であり45回転LP録音である。従って録音スタジオの音が、そのまま納められているものだが、同時録音によるDSD11.2MHzデータをMQAでエンコード処理されたハイレゾデータが格納されたCDも作製され発売されたのだった。
 この紹介のMQA-CD盤は、通常のCDプレイヤー(44.1kHz/16bit) で再生可能だが、MQAデコード対応機器等でPCM176.4kHz / 24bitのデータが展開され、ハイレゾ音源で再生することができ、当然私もそのMQAハイレゾとして聴いている。

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1.Misty (Erroll Garner)
2.Midnight Sugar (Tsuyoshi Yamamoto)
3.The In Crowd (Billy Page)
4.Girl Talk (Neal Hefti)
5.The Folks Who Live on The Hill (Jerome Kern) ★
6.Yesterday (Paul McCartney) ★
★印 ボーナストラック

  いっやぁーー、何度聴いてもエロール・ガーナーのこのM1."Misty"は名曲ですね。なにせ歌詞までつけられて多くのミュージシャンがカヴァーしてきた曲だが、日本では山本剛のあの1974年作品は、演奏と言い、録音と言い最高傑作と評され、海外でも評価が高かったものだ。
 それを歳を取ったとはいえ、ここに来て山本剛はそれなりの演奏を展開し、かっての音質の最高峰と言われた録音方式ダイレクトカッテイングにての挑戦であった。まずその演奏はなんと下に紹介する若き45年前の彼の演奏と比較して聴く事になったのである。
 このダイレクトカッタィングは45回転LPであり、収録時間が短いため、彼はかなりそこに自由度の制約があってのストレスのある演奏であったと言っている。従って、'74年版は7分13秒の演奏だが、今回は5分51秒とかなり短い。更に、比較しての結果、'74年版の演奏の方が、更に情感が込められており、演奏も余韻を含めてしっとりとしている。ただこの点は、彼の人生経験を積んだ高齢となった今は、この情感は人生の達観されたところもあるのかかなり整理されたものとなり、むしろこの"ミスティ"への思い入れも変わっているのかも知れない。

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 さて問題の録音評価だが、ダイレクトカッティグのピアノそのものの音質のレベルの高さは解るが、再生しての印象はその音場の広さ奥行き空気感などやはり現代のイタリアのステファノ・アメリオに代表される近代ジャズ録音とすれば、一歩及ばぬところにあった。トリオ三者の表現もその定位が三者とも中央に寄っていて、奥行き感もそれほどなく、このあたりはやはりミックス、マスターリングの施されたものとは一段劣っている。今や、オーディオ的観点での評価は単純に楽器そのものの音だけでなく、多岐に渡って音楽的に評価される時代となり、名録音の評価は難しい。とにかく我々が聴くところの味に如何に満足感があるかというレベルの評価も必要である。
 そんな意味ではMQAハイレゾも、その元となる録音から作り上げられた世界が高いレベルにないとその味のせっかくの高度化が生かされない。そんな意味では今一歩の出来であった。
 M2."Midnight Sugar"は、昔の彼のデビュー作のタイトル曲、スタートのベースの録音された音には若干物足りなさが感じられたが、やはり彼のピアノの演奏には美しさを感ずることが出来る。最近の誰かが好きな若き女性ピアニストのピアノ・トリオものと比較してもその味わいの深さは一歩も二歩も上である。M4."Girl Talk "にしてもその展開には大人の深い味わいがあり、M5."The Folks Who Live on The Hill"の情景描写は出色。
 彼のジャズへの思い入れをあらためて聴く事が出来た。

(評価)
□ 演奏  88/100
□ 録音  88/100

         *      *     *     *     *     *

(参考)

<Jazz>

YAMOTO TSUYOSHI TRIO 「MISTY」
CRAFTMAN RECORDS / JPN /CMR S33 / 2019 (Original 1974)

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山本剛 (p)
福井五十雄 (b)
小原哲次郎 (ds)
Rcorded Aug. 7, 1974 at Aoi Studio , Tokyo
Mixer Yoshihiko Kannari

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1. Misty
2. Blues
3. Yesterdays
4. Honey Suckle Rose
5. Smoke Gets In Your Eyes
6. I Don't Know What Time It Was
7. Angel Eyes

 1974年のジャズ界きっての演奏そして録音の名作、今も語り継がれ、CD化も繰り返されているThree blind miceレーベルのベストセラー第一位の作品で我々を楽しませてくれる。
 結論的には、上に紹介の近作『Misty for Direct Cutting』の録音よりも、古さはあってもその演奏の空気感、ホール感、三者の定位感によるトリオの味などは上と判断する。
 演奏も、曲M1."Misty"の 霧のたちこめたような静かな世界の「ミスティ」は、抒情性も高く現在も山本剛の代表的な演奏曲でもある。彼のストイックな面が充ち満ちている美しい音色によるまさに陶酔の世界。ここでは音の余韻の残す美しさと心に訴える世界までも演じられていて、当時の若さからするとお見事と絶賛するところだ。
 M2."Blues"は彼のオリジナル曲だが、これもスイング感が気持ちよい。
 その他のスタンダード曲も含めて、彼のピアノの音色は硬質でクリアに捕らえられていて、現在もオーディオ的にも評価が高い。

(評価)
□ 演奏  90/100
□ 録音  90/100

(視聴)

2021版 山本剛トリオ「MISTY for Direct Cutting」

*
1974年版 山本剛トリオ 「MISTY」

 

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2022年1月12日 (水)

ダイアナ・パントン Diana Panton 「Solstice / Equinox」

あの自然体で歌い上げる四季折々の情景・情感をハイレゾ盤で聴く

<Jazz>

Diana Panton 「Solstice / Equinox」
e-Onkyo / Download / 2xHD Flac 192KHz/24bit / 2021 (Original-CD 2017)

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Diana Panton (vocals)
Reg Schwager (guitar)
Phil Dwyer (saxophone)
Guido Basso (trumpet, flugelhorn)
Don Thompson (piano, vibraphone)
Audio Mixer: Chad Irschick
Recording information: Inception Sound Studios, Toronto, Ontano, Canada (08/2016)

51cqahpzvyl_ac_   ダイアナ・パントンつて不思議な存在で、なんとなくアルバムを買ってしまうと言う存在だ。近頃なんとベスト盤が出現してその筋では喜んでいるようだが(『Fairy Sings Love Suite』 (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release / 2021)(→))、私は考えてみると彼女のアルバムは殆ど持っているような状態であるのでスタジオ・ニュー・アルバムに期待している

 そこで最近ハイレゾ音盤に関心があってe-Onkyoを覗いていたら、あれっ持っていないアルバムがあった。さっそくflac盤(192KHz/24bit)をダウンロードしてみたのがこれだ。おやおやこれのオリジナル盤は2017年にリリースされたモノだった。
 しかしこのアルバム聴いていなかったので・・なんで知らなかったか不思議であった。そこで調べてみると日の経つのは早いもので、私が彼女のニュ-・アルバムを手にしたのは、つい先日のような気がしていたが、なんと最後があの可愛いジャケのアルバム『I Believe in Little Things』で、なんと2015年だったんですね。従って其の後はここに来るまで特に気にもしないで来た。つまり私としては彼女のニュー・アルバムを知れば手に入れるといったパターンで、特に狙って求めてきたという訳では無かったのが、この事実なのである。そしてその後はComplication盤、ライブ盤、ベスト盤がリリースされているが、スタジオ盤としてはこれが目下最後の盤であることが解った。

 しかし、この音源は当初のCD盤ではなく、2021年に音質に改良を試みた2HD高解像度マスタリングされてのハイレゾ盤で、取り敢えずそれを聴いているのである。

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1.They Say It's Spring
2.Heather on the Hill, The
3.Up Jumped Spring
4.That Sunday, That Summer
5.Estate (Summer)
6.Manhattan
7.Fin Des Vacances, La
8.September in the Rain
9.Tis Autumn
10.Septembre
11.Cloudy Morning
12.I Like Snow
13.By the Fireside

 曲名をみるとおおよそ想像が付くと思うが、春から冬まで順番に四季折々の情景・情感を13曲歌い上げるのである。アルバム・タイトルは、「至/分」つまり、「夏(冬)至/春(秋)分」ということで一年の意味なんですね。そして意識してかバックにはドラムレスで、ギター、サックス、トランペット、ピアノ、ビブラフォーンなどが、ソフトに優しくサポートするのである。
 しかし相変わらずパントンの歌は囁くように力み無く自然体そのもの、そしてキュートな面は相変わらずで十数年変化が無く、スウィートであって嫌みが無い。それが優しく自然の姿にアプローチして四季を描くのであるから聴くモノにとってはまさに和みそのものだ。
 夜の癒やしの時間に・・というムードとはちょっと爽やかすぎて違うのだが、日頃の疲れを癒やしてくれるアルバムであることは間違いない。

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 とにかくバックも完全にパントン・イメージに変身してソフトなサックス、トランペットが曲を優しく支えるし、トンプソンのピアノ・ビブラフォンも美しい。ギターも刺激無く自然を描く。
 まあ、私の注目としてはM8."September in the Rain"が如何に彼女らしくなるかと言うことと、あのM5."Estate"が素直な優しい世界ではどうなるのかと、ちよっと関心を持って聴いたが、なんとこれも完全に嫌みの無い優しい世界となって聴くことが出来た。
 更にM7."Fin Des Vacances"の情感たっぷりのギターバツクに美しいピアノそしてフランス語で囁き調の彼女のヴォーカルと、味ある見事な仕上げだ。
 いずれにしても十数年のキャリアとカナダのグラミー賞を獲得するだけの彼女であるから、見事に自分の世界を築いているんですね。結論的に、なかなか好感のあるアルバム。

参考(Diana Panton Dyscography)

2005 ...Yesterday Perhaps
2007 If the Moon Turns Green...
2009 Pink
2011 To Brazil with Love
2012 Christmas Kiss
2013 Little Gems and Other Keepsakes (Compilation + bonus tracks, Asia only release)
2013 RED
2014 My Heart Sings (Live in Taipei, Asia only release)
2015 I Believe in Little Things
2017 Solstice / Equinox
2018 Yes, Please! (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)
2019 A Cheerful Little Earful
2021 Fairy Sings Love Suite (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)

(評価)
□ 歌・演奏  85/100
□ 録音    88/100

(視聴)

 

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2021年12月23日 (木)

寺島靖国「Yasukuni Terashima Presents シリーズ」取り敢えず順調に

今年も楽しんだコンピレーション・アルバム

 今年も残すとこ10日を切ってしまいました。益々歳のせいか一年が早い、コロナ禍で活動が抑制されているためか、行事が少なかったのも影響しているかも知れない。
 例の寺島靖国のコンピレーション・アルバムも取り敢えず順調にリリースされた。特に「Jazz Bar」シリーズは2001年にスタートして21年続いているわけで、私の棚にもずらっと21枚並んでいて、なんとも偉大なシリーズになっている。とにかく日本にはジャズ・ファンがそれだけいると言うことでも有り、又寺島靖国氏の選曲が日本人の心をくすぐるモノを持っていると言うことだと思う。まあ私も好きな方で、結局のところ毎年仕入れてきたことになる。
 取り敢えず今年の3シリーズをここに取上げておきたい。


<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents 「Jazz Bar 2021」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1101 / 2021

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(Tracklist)

1.Turnpike / Eple Trio
2.Io Te Vurria Vassa / Roy Powell Trio
3.Chez Laurette / Serge Delaite Trio
4.Madrugada / Michel Sardaby Trio
5.Hatzi Kaddish / Emmet Cohen
6.Minnesota Bridge / Bojan Assenov Trio
7.Havar Hedde / Dag Arnesen
8.Susan-Lee / Peter Auret Trio
9.Random Journey / Lisa Hilton
10.Moving Freely / mg3(Martin Gasselsberger Trio)
11.Ex Ego / Leszek Mozdzer/Las Danielsson/Zohar Fresco
12.Love Letter to Christiane / Ralf Ruh Trio
13.When Spring Comes / Frankfurt Jazz Trio

  私の場合は、毎年このコンピレーション・アルバムを聴いて、うーんこれは良いと思ったものに目を付けるのだが、寺島氏の選曲は結構知らないモノを紹介してくれるので有難い。私自身もピアノ・トリオ好きでそんなところも一致している。
 しかし、なかなか毎年の作業も大変そうで、今年の「2021」は結構古いものも多く、ちょっと残念でもあったが、私の所持しているアルバムは二枚であった。やはりもう少し当初のように最新作にアプローチして欲しい。
 特に気に入ったのは、M1 、M6、 M8 で、さらに又それなりに良かったものとして、M2、 M5、 M7 などなど、楽しめた。
  M8."Susan-Lee " のPeter Auret Trioが、2011年ものだがちょっと気になっている。

 


Yasukuni Terashima Presents 「for Jazz Audio Fans Only Vol.14」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1099 / 2021

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(Tracklist)

1.Orbiting [Mats Eilertsen Trio]
2.Due Passi Nel Mare [Alboran Trio]
3.Pool Boy - Swim IV [Florian Ross Trio]
4.Ragtime [Audun Trio]
5.Les Sebots [Adrian Frey Trio]
6.How Deep Is The Ocean [Giovanni Mazzarino Quartet]
7.Evanescence I [Casimir Liberski]
8.Fiery [Peedu Kass]
9.End of September [Tim Allhoff Trio]
10.Nardissism [Olga Konkova Trio]
11.Norr [Tingvall Trio]
12.I Fall in Love Too Easily [Peter Rozsnyoi Trio]

  この今年の「Vol.14」は、既に紹介しているが・・・・・
  このシリーズも14年と長く続いて14作だ。実は私はこのシリーズに一番気合いが入っていて、毎年新発見があって楽しみにしている。ただし今作に選ばれた曲が納まっているアルバム四枚は、既に持っているものであって少々残念。

  やはりジャズといっても私もオーディオ・ファンと言えるのか、興味あるトリオなどの小編成モノは、その音がかなり気になり、なかなかの名演奏も音が悪いと興味半減である。このシリーズで紹介されるものは、オーディオ・ファンとしても名の通っている寺島氏の推薦するものであって、結構納得しているのだ。
 冒頭のM1."Orbiting "のMats Eilertsen Trioとか、M2."Due Passi Nel Mare "のAlboran Trioなどは、、過去に既に私がこのブログで取上げたモノだが、ほんとに素晴らしい。
 未聴だったもので、M7, M8, M12等が今年は気になった。
 M10(Olga Konkova Trio)、M11(Tingvall Trio)は、やはり過去にここで取上げているが、好録音、好演奏である。

 


Yasukuni Terashima Presents 「for Jazz Ballad Fans Only Vol.2」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1097 / 2021

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(Tracklist)

1.Ralph Moore Quintet / It Might as Well Be Spring
2.Cliff Monear / Alone Together
3.George Masso All Stars / Summertime
4.Roy King / Reverie
5.Mark Nightingale / Close as Pages in a Book
6.The Kevin Hays Trio / Beautiful Love
7.Harry Allen / A Nightingale Sang in Berkeley Square
8.Albert "Tootie" Heath / Charade
9.Kai Winding Septet / The Party's Over
10.Guilhem Flouzat Trio / There's No You
11.Spike Robinson / Ghost of a Chance
12.Lisa Hilton / Willow Weep for Me

 バラッドものは、やっぱり私の好みの世界、従ってこのコンピレーションものも楽しみにしているのだが、2年ぶりの登場だった。
 今回は珍しく冒頭からRaiph Mooreとテナー・サックスものが登場する。寺島氏も本質的にはピアノ・トリオ派だが、テナーものもというファンからの要望もあったらしく、今回はその他にも登場する。私はサックスは、ソフトな演奏なら良いのだが、少々うるさい感覚になるとネガテイブになってしまう癖がある。
 結局、サックスの他、クラリネット、トロンボーンなどの登場もみるものが5曲ぐらいあって、このシリーズはまだ二作目だがピアノ・トリオものの多い寺島選曲としては珍しい。それでもやはりソフトなムーディーな演奏が主力でよかった。
 まあ、それなりにバラード調の曲と言うことで、私としては楽しめる曲が選ばれているコンピレーション・アルバムである。

 

(参考視聴)

"Eple Trio Live"  (私のお気に入りのTord Gustavsen もお祝い参加している映像)
  3分14秒にTord Gustavsenのソロ・ピアノからスタートするが、3分55秒から10秒ほど異音がでますので注意

*

"Due Passi Nel Mare / ALBORAN TRIO"

 

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2021年10月 2日 (土)

小曽根真  ピアノ・ソロ「OZONE 60」

還暦の集大成 クラシックとジャズの二本立てで・・・

<Classic, Jazz>

MAKOTO OZONE 「OZONE 60」
MQA-flac Download / e-onkyo / 2021

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Makoto Ozone : piano

Image_20211002101901  このところジャンルを超えての活躍に注目のある小曽根真、ピアノ・ソロ・アルバムとして久々の登場。2021年3月に還暦を迎えるにあたり、クラシック・ホール「水戸芸術館 コンサートホールATM」にて、スタインウェイD型(自己持ち込み)とヤマハCFXという2台のグランドピアノを曲により弾き分け、4日間で収録。ジャズとクラシックの両分野で活躍する小曽根の魅力を2枚のディスクに分けて収録したもの。
 今回私の場合は、それをe-onkyoからハイレゾMQA-flacでダウン・ロードしての音源。ピアノ・ソロは音が重要な一つのポイントにもなる。

(Tracklist)

[ CD 1 - CLASSICS + IMPROMPTU ]
1ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章
Ravel: Piano Concerto in G Major, M. 83: 2. Adagio assai
2ディパーチャーDeparture
3モーツァルト:小さなジグ K.574 ト長調
Mozart: Eine kleine Gigue in G Major, K.574
4プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第3楽章 Op.83
Prokofiev: Piano Sonata No.7 in B-Flat Major, Op. 83: 3. Precipitato
5モシュコフスキ:20の小練習曲 第8番 Op.91-8 ロ短調
Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 8 in B Minor: Moderato
6カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート1
Conversations With Myself - Part 1
7カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート2
Conversations With Myself - Part 2
8モシュコフスキ:20の小練習曲 第20番 Op.91-20 変ト長調
Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 20 in G-Flat Major: Allegro Moderato

[ CD 2 - SONGS ]
09.ガッタ・ビー・ハッピーGotta Be Happy
10.ニード・トゥ・ウォークNeed To Walk
11.ザ・パズルThe Puzzle
12.リッスン...Listen...
13.ストラッティン・イン・キタノStruttin' In Kitano
14.オールウェイズ・トゥゲザーAlways Together
15.オベレクO’berek
16.フォー・サムワンFor Someone

Unnamed_20211002110101   CD-1のクラシック・サイド「CLASSICS+IMPROMPTU」では、モーツァルト、ラヴェル、プロコフィエフなどの曲を、即興演奏を織り交ぜて演奏。
 CD-2「SONGS」と題するジャズ・サイドでは、書き下ろしの新曲を中心に、アルバム初収録となる8曲で構成、合計16曲。

  2台のピアノ用に編曲したオリジナル曲「オベレク」や即興演奏「カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート1、2」では、スタインウェイ+ヤマハで多重録音したものという。

  私的には断然「クラシック・サイド」が良かったですね。M1.M2は、静かな中に余韻ある優しいピアノの響きが、MQAの高音質で内省的であるが、心を安らぎに導いてくれて私好み。
 残念ながらモーツァルトは、あの躍動感はあるも、その中にある微妙などこか寂しげとか、憂いとかが全く感ぜず、どうも納得せず。
 N4.プロコエフは、彼のテクニックの披露。
   M6.の一つ一つの余韻を持って描く音の深さが見事。M7.は理解不能。
 モシュコフスキのM5、M8が又感動的、哀感のあるその美しさはこの上ない。

 彼の「ジャズ・サイド」は、どうも疑問が多かった。聴く人によって評価は高いのであるが、私的には、どうもついて行けない。M.15"O'berek"は、スリリングなアップテンポの演奏、ハイレベルな演奏技法は伝わってくるが・・・そこまで。
 とにかく救いは、M12."Listen...."と、M16."For Someone"があって、ほっとしている。様々な心象風景が描かれ、彼の心が伝わってくるような世界。

 小曽根の過去からの築き上げた世界の還暦に於ける総決算としてのピアノ・ソロ演奏。その世界が如何に多岐にわたっているかが実感できた。

(評価)
□ 曲・演奏 :  88/100
□ 録音   :  88/100

(視聴)

 

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2021年9月18日 (土)

MQAハイレゾで蘇る・・(1) シェルビィ・リンShelby Lynne 「Just A Little Lovin'」

Image_20210917195701 MQA-HyRes

 ハイレゾ(ハイレゾルーションHygh-Resolution)による音楽鑑賞も一般化してきた。中でも「MQAハイレゾ」の誕生によって、我々にとっては更に身近になった。その音質の良さがあってのことだが、製作の廉価、CDとしての取り扱いの便利さ、ストリーミングやダウン・ロードによる配信の便利さなどから、私も既にその世界に没頭することが出来ている。 

 かってPCを介してのハイレゾに挑戦してきたのはもうかなり前からのこととなるが、ここに来て最も音が良く、身近に取り入れられたのは「MQAハイレゾ」である。このMQAについてはこのブログで2018年に、その可能性に触れたのだが、あれから3年、今や特別のものでなく高音質で聴きたいのなら誰でもすぐに取り入れられるところまでようやく来た。

  ハイレゾというのは・・・・CD(44kHz/16bit)よりも高いレゾルーション(解像度)を持つデジタル楽曲ファイルで、CDよりは高音質を特徴とする。PCM(Pulse Code Modulation=ファイル形式WAV,FLAC)とDSD(Direct Stream Digital=ファイル形式DSF)の二つの音源ファイルが存在するが、その高解像度を記録するためにはファイルが大きくなる欠点がある。
 ところがMQA(Master Quality Authenticated)は、ファイル圧縮技術により、その量を1/2以下には縮小でき(場合によっては1/5)、しかも音質面の時間軸の精度を高め高音質化した。ファイルの縮小化はダウン・ロード、ストリーミング、ディスクメディアにとって有利で応用範囲が広い。

Unnamed_20210917200401RoonEonkyologo_big

 これは英国のオーディオ・メーカーMedirianが開発したもので、今やMQAストリーミングとして統合型再生リゾルーション「Roon」を介しての配信サービス「TIDAL」が、欧州、米国、オセアニアに広く普及している。従って既にCDは影に追いやられストリーミング時代になった。遅れたアジアの日本も、もうそれが普及するのは時間の問題となっている。
 又日本では、現在「e-onkyo music」が、MQA音源を提供していて、何時でもダウン・ロードが可能だ。

 MQA方式は、こうして配信が容易で音質がよいことでストリーミング・ユーザーには有難い。一方CD派にはMQA-CDがあり、今まで記録できなかったハイレゾが記録が出来、再生も従来のCDプレイヤーでOKという利点がある。現在Universal Musicを中心に多数リリース。

█ MQA-CDの再生においては・・・・・

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  ①<従来のCDプレイヤーの場合>・・・・アンプと間に「MQAフルデコード対応DAC」を入れるのみでOK (これは「PC」からのデジタル・データの場合も、これにUSBで入れれば良い)。((例)上写真の上段=「ifi NEO iDSD」・・これはヘッドホーン・アンプ機能あり、USB-DACであり、又スマホなどからBluetoothによる無線入力も可能)

  <「MQA対応CDプレイヤー」の導入> ・・・これはそのままアンプに接続でよい(中・高級機が主であったが、普及機も出てきた)。((例)上写真の二段目 「N-mode X-CD3」) 

 この①②のどちらの方法でも良い。

 私の場合は、上の写真のように、①及び②の両方をいろいろな用途を考えて使っているが、それぞれ優劣無く高音質効果を発揮。ただし機種によりその音質は違うので好みを見つけるのも楽しみである。

        * * * * *

 さて、そんなMQAで高音質にCDが変身することにより、かってのアルバムが再び脚光を浴びるようになった。もともと録音の質の良くないマスターのCDはMQAにしたからといって、そう良くなるものでないが、製作時の録音の音質に力を入れて造られたものは、時代が古くても 現在にその価値が蘇ってくるのである。音の高音質化によって見違える程の傑作盤になって蘇る。そんなものを少し紹介する。

█  蘇ったシェルビィ・リン

<Pop-Folk, Folk, Rock, Jazzy not Jazz>

Shelby Lynne 「Just A Little Lovin'」(2008年作品)
Lost Highway Records / e-onkyo : MQA(96kHz/24bit) ダウンロード

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Shelby Lynne[Vocals],  Rob Mathes[Keyboards],  Gregg Field[Drums],  Kevin Axt[Electric Bass],  Dean Parks[Guitar]

 シェルビィ・リンShelby Lynnは1968年ヴァージニア州クワンティコで生まれ、父親の関係で人口200人足らずの田舎町アラバマ州フランクスヴィルに住む。妹と共に大自然の中での少女時代を過ごしたとか。音楽好きの母や祖母の影響を受ける。
 結婚後、ナッシュヴィルに移住し音楽経験を積む。やがてCBSと契約を交わした彼女はカントリー系のシンガーとしてデビュー。アルバムをEPIC等から5枚発表するが鳴かず飛ばず。1999年にロック・シンガーとして再デビュー、 アルバムは派手でないがそれなりに売れ、2000年度のグラミー賞ではベスト・ニュー・アーティストを授賞する。そして、2001年グラミー受賞後初のアルバム『ラヴ、シェルビィ』をリリース。
 このアルバムはその後の2008年作品で、あの故ダスティ・スプリングフィールドDusty Springfieldのトリビュート盤である。

Shelby_lynne_2014w (Tracklist)

 01. Just a Little Lovin' (05:20)
 02. Anyone Who Had a Heart (03:35)
 03. You Don't Have to Say You Love Me (04:13)
 04. I Only Want to Be With You (03:52)
 05. The Look of Love(03:22)
 06. Breakfast in Bed (03:22)
 07. Willia & Laura Mae Jones (04:10)
 08. I Don't Want to Hear It Anymore (04:38)
 09. Pretend (03:08)
 10. How Can I Be Sure (03:37)

 M1のアルバム・タイトル曲、ドラムスからスタート、ギター、ヴォーカルが続く。ブルースロックぽく、ややJazzyでもあり、彼女のヴォーカルには何ともいえない情感があるのだが、やや冷めた雰囲気もあってそこがなんとも魅力。
 とにかく、音質がよく心地よい、これが一つのポイントだ。静かな中に、バックのシンプルな構成でのシンバルの音、更にギターの音は繊細にしてクリア、ヴォーカルをしっかり支えていて変な刺激もなく、ムードがじっくり迫ってくる。ストリングスやフォーンのない構成である為、それぞれの楽器を明瞭に聴けるのも、MQA高音質の利点そのものである。
 M2,  M5 , M8はバカラックの曲。バラード調やボサノバ調など旨くこなしている。
   聴いてゆくとやっぱり彼女らしいカントリー風なところが出てくるも、ムードは牧歌的というのでなく意外に都会的ムードもはらんでいて現代調。多くはバラード調の曲で聴かせ、いずれもじっくり聴けて快感である。
 M9."Pretend"は、彼女の自作、これは彼女のギターでの弾き語りである。
 とにかく聴かせるタイプのアルバムで、聴いてゆくうちに愛着の出るアルバム。

(評価)
□ 曲・歌・演奏  90/100
□ 録音・音質   95/100

(試聴)

 

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2021年8月13日 (金)

ハイレゾHi-Res音楽鑑賞「MQA-CD」 = そして スーザン・ウォンSusan Wongの3アルバム

[MQA-CD] 

Mqalogoe1471714609314    CDよりは高音質であるハイレゾHi-Res(High-Resolution)により音楽を聴くというのは、既に当たり前の世の中になってきた。そのハイレゾにおいて、最も私が注目したのは、ここで2018年に取上げたMQA-CDである。そしてあれからまる3年が経過し、その姿も明瞭になり、そしてソフトであるMQA-CDも各種多くなってきた。そもそもハイレゾを聴く環境には、それなりの装置と環境が必要で、なかなかそれに至るには難点が多かったが、このMQA-CDの出現によって、かなり簡単・単純化してきた。
 このMQA-CD(Master Quality Authenticated-CD)の利点は、従来のCDに高音質ハイレゾHi-Resを記録したことだ。しかもそれは一般の我々もその信号をデジタル信号として記録可能(SACDと異なり、一般の方法でリッピング可能、更にデータディスクとしても作成も可能)、又一般の従来のCDプレイヤーで再生可能であることだ。更にストリーミングにも適している。

MQA-CDをハイレゾで再生するには
① 「MQA対応CDプレーヤー」で再生 (従来のCDプレイヤーでなく)
② 従来のCDプレイヤーのデジタル音声出力を使って「MQAフルデコードDAC」に接続して再生
③ MQA-CDをリッピング(特に特別な装置不要)して「USB-DAC」(もちろん「MQAフルデコードDAC」が最適)を通して再生

 ①は、最も簡単だが、従来のものでなく「MQA対応CDプレイヤー」が必要
 ②も簡単、「MQAフルデコードDAC」のみ購入して今までのCDプレイヤーとアンプの間に入れる
 ③は、音楽再生をPCオーディオで行う人向け

 こうしてハイレゾ・サウンドが楽しめる世界が明確になって、当初私は③を試みたが、現在最も簡単な①で行っている。しかし、②が最もその他の場合にも多機能で安価である。

               ----------------


ハイレゾHi-Resの「MQA-CD」でスーザン・ウォンSusan Wongを聴く

Unnamed_20210813175201  スーザン・ウォン(Susan Wong, 1979年10月8日 生まれ →)は、香港出身の歌手、女優、ファッションモデル。中国名は黄翠珊。香港に生まれ、香港を拠点に活動しているが、6歳の頃、家族と共にオーストラリアのシドニーへ移住し、シドニー大学を卒業後に単身で香港に戻った。シドニーでカラオケのコンクールで優勝、これが本格的に歌手としての道を歩むきっかけらしい。
 1997年アルバム・デビュー、2004年再び日本進出で英語歌詞のアルバム・デビュー。好評を獲得。
   現在、彼女のリリース盤は高音質を一つのポイントに置いている「evosound」レーベルもので、そこではMQA-CDリリースにも力を入れている。彼女の3枚のアルバム紹介する。

<Jazzy not Jazz>

Susan Wong 「511」
MQA 24K Gold Disc : evosound / IMPORT / EVSA877G / 2020

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Recorded,mixed and mastered at 96kHz/24bit

 本作は2011年11月に発売されたアルバム「511」のかなり音質に気合いの入った日本製作のゴルド・ディスク(24KT GOLD)のMQA-CDによる再発盤である。スイスを拠点に活動しているプロデューサー、エイドリアン・ツェルビーニAdrien Zerbiniを迎え、ジュネーブにあるスタジオRoom511で録音。スタジオ名をそのままアルバム・タイトルに採用したもの。メジャー・アーティストのエンジニアとして活躍したKEVことケヴィン・メトカーフKevin Metcalfにより96khz/24bitでレコーディングされた。これは世界1000枚の限定製作で、オーディオ・ファン注目度が高く、既にメイカー在庫売り切れとなっている。
 選曲はマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」ほか10ccなどのポピュラーな曲群。
   音質はそれなりに仕上がっている(低音部の重量が少々甘い)。ただし歌やバックの楽器等が全て中央配置である為、奥行きに工夫が施されているが不完全、これはもう少しそう広くない程度で左右分離配置し、広がりも重視すれば良かったかなぁーーと。そして最も重要な彼女のヴォーカルは、若干ウィスパー・タイプでセクシャル・アッピールを試みている。これは聴く人によっての評価だろうが、私はちょっと違和感もあった。

(Tracklist)

1. September
2. I'm Not In Love
3. You Are So Beautiful
4. Home
5. Umbrella6
6. Blame It On The Boogie
7. Everytime You Go Away
8. Billie Jean
9. Empty Room
10. Windmills Of My Mind
11. It Ain't Over T'll It's Over
12. Saving All My Love For You
13. The Winner Takes It All

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Susan Wong 「My Live Stories」
MQA-CD : evosound / IMPORT / EVSA883M / 2019

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Susan Wong(vo)
Pat Bergeson(g)
John Morton(g)
Denis Solee(as,fl)
Eugene Bien(p)
Daniel O'Lannerghty(b)
Marcus Finnie(ds)
Perry Danos(background vo)
Connye Florance(background vo)
Andy Leftwich(vln, mandolin)

Reorded mixed and mastered at 96kHz/24bit

 このアルバムは、アメリカはナッシュヴィルにある世界的に有名なオーシャン・ウェイ・スタジオで録音され、スーザン自身もレコーディングについては、納得の評価をしているらしい。彼女自身のお気に入りの曲を選び、主としてポピュラー、ボサ・ノバの名曲を収録の形になっている。24bit/96khzで録音された音質を出来るだけ聴き手に届けるべくMQA-CDを採用したアルバムだ。
 これは前回は24KTGOLDの材質でのリリースであったが、今回はMQA-CDに音質の高度化を求めた。従って価格の低下も為し得ている。
 ヴォーカルの音質にはかなりの効果を上げており、又バックのシンバル音を聴いてみると、非常に繊細にして素晴らしい。ここでも重量級の低音が欲しいところ。
 ここで取上げた3枚のCDでは、私自身はこのアルバムのバツク演奏スタイルが良いと思った。

(Tracklist)

1. You’ve got a friend
2. Billie Jean
3. Something
4. (They long to be) Close to you
5. September
6. You make me feel like a natural Woman
7. What a difference a day made
8. Perfect
9. Cry me a river
10. I will survive
11. Love will keep us alive
12. California dreaming
13. When you say nothing at all
14. Sometimes when we touch
15. Have you ever seen the rain
16. Do that to me one more time
17. Desperado

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Susan Wong 「Close To Me」
MQA-CD : evosound / IMPORT / EVSA648M / 2019

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Recorded ,mixed and mastered in Hi-Res audio (96kHz/24bit)

 2018年、96KHz/24bit録音され、2019年リリースの彼女のMQA-CD最新盤、20年を超えるキャリアの中で、最長の制作期間4年を費やした通算6枚目のアルバム。高音質レコーディングに徹底したこだわりでのハイクオリティー・サウンドと銘打って、アメリカ、香港、フィリピンと3カ国でのレコーディングを通して造られている。
 ここでは彼女のヴォーカルには変化がみられ、これまでのウィスパー官能スタイルから、ややストレートな方向に向かっていて、むしろこのほうが良いかとも思う。彼女のヴォーカルを最大限活かすアレンジで徹底カヴァーしたものとの事だが、チェロなど加わったスタイルとなっている。

(Tracklist)

1.Vincent
2.Sing For You
3.Man In The Mirror
4.The One You Love
5.Sunday Morning
6.What's Going On
7.Don't Dream It's Over
8.He's the One
9.Can't Hurry Love
10.That's Why You Go Away
11.When You Were My Man
12.Yesterday

 これらのスーザン・ウォンの高音質盤リリースに力を入れている「evosound」は、アジアを拠点としている高音質盤をリリースするレーベルである。彼女のこれらMQA-CDは、オーディオ・ファンに人気のもの。ここに取上げた3枚の中では、この「Close To Me」が最新盤であるだけ音質は優れている。録音の焦点は当然彼女のヴォーカルにあり、それぞれ彼女を音場の中央前面おいており、その点はかなり充実している。ただし私が聴くに、バック演奏の質がもう少しジャズ的な充実があると面白いと思うところだ。演奏音がクリアであるが、音場的に左右に広がりがもう少しあることと、低音域の充実、それと奥行き面にもう少し深さが欲しいと思った。それは同じ「evosound」の以前紹介した好録音Chantal Chamberland「Temptation」(EVSA719M/2019)と比較してみると解るところ。
 しかし、こうしてハイレゾ・サウンドのリリースに力を注いでいるところは大いに評価したい。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌   85/100
□   録音        88/100

(視聴)

*

 

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2021年5月31日 (月)

シャンタル・チェンバーランド Chantal Chamberland 「TEMPTATION」

メディアム・テンポのスモーキーでソウルフルな歌声
・・・・音質重視のMQA-CDで

<Jazz, Crossover>

Chantal Chamberland 「TEMPTATION」
EVOSOUND / IMPORT / EVSA719M / 2019

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Chantal Chamberland(vo,g)
Eric Boucher(p)
Paul Intson(b)
Dan Lockwood(ds)

GuestJason Fowler(g)
Maureen Brown(per)
Kirk Starkey(cello)
Amy King(back vo)

 シャンタル・チェンバーランド(1965年55歳)はカナダ出身のもうベテランに入る歌手。このアルバムが彼女の最新盤であるので、リリースしてから1年は経過しているが、MQA-CDの音質重視のEVOSOUNDものということもあって、ここに来て遅まきながら聴いたものである。
 カナダと言えば、本格的ジャズ・ピアノを演ずるダイアナ・クラールが頭に浮かぶが、彼女は親父声といわれつつも人気者。このチェンバーランドも低音の魅力のスモーキー・ヴォイスで、バリバリのジャズというよりは、ロック・ソウル系に寄っていて、ギターリストとしての歌が聴かれる。
 このアルバム、バックは上に見るように、それなりのメンバーで、主たるは彼女のギター、ヴォーカルに対して、ピアノ・トリオ・スタイルでサポートし、ジャズとしての味わいもそれなりに加味され、曲によってはチェロその他も加わったりと工夫されている。

Unnamed1 (Tracklist)
1.Temptation
2.Beautiful Life
3.Love Never Felt So Good
4.Miss Sarajevo
5.Chasing Cars
6.I Put A Spell On You
7.Belive
8.Ain't No Sunshine / I Can't Stand The Rain
9.I Wanna Dance With Somebody
10.I Want A Little Sugar In My Bowl
11.I Think Of You
12.I Don't Wanna To Talk About It
13.Syrup And Honey

 内容は、ブルース、ジャズやボサ・ノヴァ等を含むスタイルでオリジナル曲(M.3)に加えトム・ウェイツ、ビル・ウィザーズ、マイケル・ジャクソン、ロドリゲス、シェール、U2 などのロック寄りが多いが、多彩と言って良い曲が収録されている。しかしながら、いずれも彼女の世界にアレンジされ、ミディアム・テンポで、なんとなく大人のムード。それも歌声の質が中・低音に充実していてスモーキー・ややハスキーであり一層そのムードが充実していて、時に癒やし系にも通じている。

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 私からの推薦はまず、トム・ウェイツのM1."Temtation"、この曲ダイアナ・クラールが得意としていて、ちょっと比較したくなるが、どちらかというと低音が魅力で似た雰囲気だが、彼女の仕上げの方がポピュラー寄りだ。
 M5."Chasing Cars"がなかなか情感たっぷりで聴きどころ。
 M6."I Put A Spell On You"も、思いの外ゆったりしたペースで、ピアノとギター・サウンドとともにしっとりと迫ってくる。特にギターがブルージーでいいですね。
 M9."I Wanna Dance With Somebody"は、語り聞かせるタイプの仕上げに好感が持てる。
   M10."I Want A Little Sugar In My Bowl" ニーナ・シモンの曲、ソウル・ブルース調もいけますね。
   M11."I Think Of You" この情感の入れもダニー・ウィッテンも納得でしょうね。

 いやはやとにかく、見事にチェンバーランドの包容力の世界に没頭させられる。見事な説得力のヴォーカルだ。
 又、このレーベルは、オーディオファンや音楽愛好家のために音質的に優れた作品を作るという思想を継承していて、MQA-CDでハイレゾ音源としても、彼女のヴォーカルが眼前に迫ってきて楽しめるところも魅力。

(評価)
□ 編曲・歌  88/100
□ 録音    92/100

(試聴)

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