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2018年10月13日 (土)

寺島靖国プレゼント 「For Jazz Drums Fans Only VOL.2」

結構このコンピレーション・アルバムも聴き応えあり

<Jazz>
Y.Terashima Present 「For Jazz Drums Fans Only VOL.2」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1068 / 2018

Forjazzdw

 もともとピアノ・トリオを愛する私からすると、ピアノの描く気品ある抒情性やどこか心に響くメロディの美しさ・優しさというのは他の楽器では得られないところにある。楽器の個性によってそれぞれの迫ってくる味は異なっていて、そこに味わいが生まれるのだと思うのだが・・・・・。
Photo_2 ところが、ライブに参加して思い知らされるのだが、オーソドックスなピアノ、ベース、ドラムスというピアノ・トリオ位の小編成の場合、実はその重要な位置に意外にもドラムスがあると言っても過言では無い。実はそこがCD再生によって聴く場合と、ライブ会場での場合との大きな違いであるとも思っている。これはレコーディング・エンジニアやプロデュサーによって作られる世界と現実の差なのかも知れない。

 ドラムスは、リズム隊として若干軽んじられるところにある場合があるが、決してそうでは無い。ライブではドラムスのリードなくしてその充実感は得られないのではないかと思うところにある。

 寺島靖国の選ぶコンピレーション・アルバムであるから、まあドラムスに注目してのものとは言え、3曲ぐらいは私の持つアルバムからの選曲だろうと高をくくっていたら、なんと1枚のみで完敗(Fred Herschのみ)。しかしそれだけ初聴きもあって結果的には儲けたと言うところなのである。

(Tracklist)
01.Alone Together [Robert Glasper Trio]
02.Ringo Oiwake [Kenny Barron Trio]
03.Autumn Leaves[Orrin Evans]
04.Arcata[Fred Hersch]
05.Peaple Will Say We're In Love[Dave King]
06.Nar-this [Antonio Sanchez]
07.My Shining Hour [Ulysses Owens, Jr.]
08.Tears Inside[Mike Melillo Trio]
09.I'll Be Seeing You [Barry Green New York Trio]
10.Another Uphill Morning [Juan Ortiz Trio]
11.So In Love [Gregg Kallor]
12.Keep It Fresh [Inaki Sandoval]

 寺島靖国プレゼントとしてのコンピレーション・アルバムは、なんと言っても「Jazz Bar」だが、なんと17巻リリースされている。そして更に「For Jazz Audio Fans Only」は、オーディオ・ファン向けに、又「For Jazz Vocal Fan's Only」も女性ヴォーカルが主体でジャズ・ファンの一面をくすぐって・・・と言うところで支持がある。この三者は年一枚のペースでのリリースであるが、確実に人気が続いているのだ。
 そして新たに始まったこの「For Jazz Drums Fans Only 」も、今年で一年経っての二枚目というところで、ようやく軌道に乗ろうかとしている盤のリリースとなった。

 このアルバムの特徴は、前三者に比べると一口に言わせてもらうと”マニアック”と言ったところか?、私のようにECMに代表されるユーロ系の抒情派ピアノ・トリオ・ファンとすれば、日頃手にする事の少ないアルバムが納得の世界で聴けるところが素晴らしい。

Dave_king_drummer2_3 M1."Alone Together"
は、ドラムスに限らず、ベース、ピアノのスピード感は圧巻。ここには靖国一押しのハイテクニックが支配している。オーソドックスのようでいて、違うんですね。そこが聴きどころ。
 M2."リンゴ追分"Kenny Barronによって、これが出で来るから笑っちゃう、しかし笑っては居られない。支えるドラムスが東北の世界になっているところが恐ろしい。
 M3."Autumn Leaves"の編曲、インプロが圧巻だ。これも所謂従来から聴きならされたリズムでは刻んでこない。ここが何とも言えずプロフェッショナルっぽいのだ。
 M5."Peaple Will Say We're In Love"のDave King(右上)のドラムスの音はリアルでお見事。
Antonio_s1 M6."Nar-this"Antonio Sanches(右)、この流れ、いかにもプロ・ミュージシャンの面目躍如。Brad Mehldauも貢献。
 M7."My Shining Hour" Ulysses Owens, Jr.(右下)の健闘。
 最後の曲M12."Keep It Fresh" のようにドラムスが・・・チン、シャイーン、カンと響いてドカン、ドスンと来る迫力も楽しいもの。

Ulyssesojrtr_2 こんな調子で全編気を許さない選曲には驚いた。寺島靖国をなめちゃいけませんね。オーディオ感覚優先と本人は何時も言ってますが、ここに選ばれたものはドラムスの収録が優れていることは事実だが、決してそれだけでは無い。ジャズを知っての離れ業だ。
 このアルバム、一枚のCDとしては、かなり収録時間が長いのだが(80分近いか)、飽きることを知らずに一気に聴いてしまう。これで私は今更彼を見直してしまった。

(評価)
□ 収録選曲 ★★★★★
□ 録音    ★★★★★☆

(My Image Photo)

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Sony ILCE-7M3, FE 4/24-105 G OSS,  PL

(参考視聴) Antinio Sanchez

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2018年6月21日 (木)

話題のハイレゾCD=MQA-CD 登場 ~CD革命~ まずは日本から

CD低迷期に登場した「新CD」は、新たなCD時代を築けるか?
~ハイレゾ音源をCDに格納・保存、今までのCDプレイヤーで再生~

  (宣言) 私はこれを支持する!!

 しかし、現代のデジタル処理技術も凄いですね。オーディオ再生がその高音質化の流れの中で、ハイレゾの価値感が認められ、既にCDから離れて、デジタル・データとしてのネット配信が主流となりつつある時に、一方ではアナログ時代の高音質に再び回顧し、LPとしての価値が高まりつつある時に・・・・・なんとCDの逆襲だ。

 高音質ハイレゾCDの 「MQA-CD」 (Master Quality Authenticated-CD)が遂に登場!!
  

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 なんと、私は現在の手持ちの機器そのままで、このハイレゾCDからハイレゾ再生が出来るのである。そこで既に試みてみたのである。(ただしDACを持たないCDプレイヤーはハイレゾ再生不可)

「JAZZ  Hi-Res CD Sampler」
Unversal Music / JPN / UCCU-40126/7 / 2018


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Cannonball Adderley、Miles Davis、John Coltrane 、Stan Getz、Joao Gilberto、Art Blakey & The Jazz Messengers、Oscar Peterson Trio、Anita O'Day、Bud Powell

Tracklist

1. 枯葉 / Cannonball Adderley、Miles Davis
2. セイ・イット / John Coltrane
3. イパネマの娘 (Stereo Version) / Stan Getz、Joao Gilberto
4. モーニン / Art Blakey & The Jazz Messengers
5. 酒とバラの日々 / Oscar Peterson Trio
6. オールド・デヴィル・ムーン / Anita O'Day
7. クレオパトラの夢 / Bud Powell
8. ザ・キャット (Album Version)

 なんと上のようなミュージシャンの1950年代の録音モノが、MQA-CDサンプラーとして登場。この時代モノが、クリアにしてメリハリのある、しかも奥行き感たっぷりの驚きの高音質で聴けるので、とにかく万歳である。これなら今後どんどんリリースして欲しい(MQA-CDの音のにじみはCDの1/400と言う)。

Mqa01Mqa02

 

  まあとにかく更なる驚きは、なんと言ってもあのCDに、これだけ高音質のハイレゾ音源の大量データをロスレスで納めてしまう圧縮技術が成功し、しかもそれを今までの一般のCDプレイヤーで読み取ることが可能にした事だ。
 ただしそのデータは、MQA-デコーダー内蔵の機器であればハイレゾ・サウンドを再生出来る(発売されたもの MQA 88KHz~348KHz/24bit)。又今までのMQA非対応機器であれば、CDと同じようにハイレゾではないが再生は可能(44.1KHz/16bit)、しかしそれも従来のCDよりは音質の改善は確実にあるという代物。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~

そこでハイレゾ対処法として、

 全くの従来のMQA非対応一般CD再生機でハイレゾ再生したい場合↓
      
   「MQAデコード対応DAC」を追加・・・・CDプレイヤーに接続でOK

 (私の場合) DAC内蔵のプレイヤーで、CD-ROM(DVD-ROM)読み取り可能、更にUSB端子のあるプレイヤーを使っている場合↓
             
   このMQA-CDから「FLACファイル」としてリッピング可能で(これは簡単)、そのデータをプレイヤーに読ませれば、特に別に購入機器なしでハイレゾ・サウンドの再生可能となる。今回は私はこの方法で、特別機器の導入なしで聴いている。

        ~ ~ ~ ~ ~ ~

 このように特徴は、データはSACDとは違って、一般CDプレイヤーで読み取り可能であって、そのデータはそのまま今までのCDのように再生出来ることと、又「MQAデコーダー」を介する事によってハイレゾ・サウンドの再生が可能。又FLACとしてリッピングして再生させてハイレゾを楽しめる。そんななんとも言えない便利CDの登場となったのである。

 そしてこの6月、世界に先駆けて日本でUniversal Musicから、このMQA-CDのソフト(CD)が発売を開始したのである(一枚のMQA-CDはUHQCD仕様で約2500~3500円と従来と変わらない)。とにかく従来のCDと同じ扱いでハイレゾ・サウンドが身近になるという歴史的展開がスタートしたのである。そして価格もそう高くない。それはMQA-CD作製のプレス工場でMQA対応機器を購入するという設備投資の必要なく、通常のCDと同じようにプレス出来るからである。

 人気のあの高額な重量級LP再生は、ここに来て恐ろしいライバルの登場となった。又手元にしっかりCDとして置いておきたい輩にとっては、ネット配信データよりは確実に楽しめるものの出現となった。

(MQAの特徴)
  MQAとは、英国Medridian(ボブ・スチュアートが1977年創立。CDプレイヤー、アンプの製造開発)が提唱した音楽データの形式。2014年に発表されたもの。その一つは、時間的ボケ、ブレを減らして高音質に(この為、ハイレゾ再生で無く従来のCD再生でも音がよくなる)、二つ目は独自の圧縮技術によって高音質を保ったままで、大量データを軽量化した。そして従来機器との互換性を確保した。更にCD音源、ダウンロード音源、ストリーミング音源の全てに対応している。

(現実のところ)
3 Universal Musicでは、このMQA-CD(高音質のデータ)とUHQCD(高音質のCD素材盤質)を組み合わせて、クラシック、ジャズ、ロック、ポップス分野で発売を開始した。
  又既にe-onkyo musicでは、MQAハイレゾ音源の配信を始めている。

 多分あっと言う間に、ネット配信、CDなどの音楽サービスは、このMQAによって行われることになるであろうと予感する。

(参考)       

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2018年6月 7日 (木)

リン・スタンリーLyn Stanley のオーディオを意識したアルバム「THE MOONLIGHT SESSIONS Volume Two」

アナログの良さを=オーディオ・マニアに支持されて・・・・
<Jazz>
Lyn Stanley 「THE MOONLIGHT SESSIONS Volume Two」
A.T.Music/US/ATM3106/2017
715c7w

Lyn Stanley, all vocals
Mike Garson, piano
Tamir Hendelman, piano
Christian Jacob, piano
Chuck Berghofer, bass
Joe La Barbara, drums
Ray Brinker, drums
Bernie Dresel, drums
John Chiodini, guitar
Corky Hale, harp
Carol Robbins, harp
Hendrik Meurkens, harmonica
Luis Conte, percussion
Chuck Findley, trumpet
Rickey Woodard, tenor sax
Bob McChesney, trombone
The Budapest Scoring Symphonic Orchestra string players from Budapest Hungary’s Studio 22
 ”リン・スタンリーは、まさに大人のフィメール・ジャズ・ヴォーカリストですね。そして過去の誰でも知ってるポピュラーなスタンダード・ナンバーを歌い上げる。その声の質は簡単に言うと宝塚の男役そのものですね。低音にヴォリューム感があって高音部は伸びますが、澄んで清楚というタイプではなく、ちょっとマイルドに若干故意に作り上げているパターン。”
 そうですね、今回のアルバムも同じ印象だ。

Dsc_4764 彼女は特異な存在で、歌手であると同時にミシガン大学博士課程でマスメディアを学び、卒業後は米国有名企業などで働き、また幾つかの大学でも広告宣伝やマーケティングを教えるなどのキャリ アを積んで来ているのだ。又社交ダンサーとしての実績も凄い。世界プロ /アマ選手権 3位入賞など社交ダンスのナショ ナルチャンピオ ンなのだ。
   彼女自ら”International Recording Artist & Singer” と名乗っているのは、その演奏ばかりでなく、自らレコーディングに力を注いでいる為だろう。世界のオーディオ誌が彼女の歌や演奏ばかりでなくその音質を評価し、多くのハイエンドオーディオメーカーがサウンドデモに使用しているという。
 それは録音がふるっていて、1950年代と全く同様にアナログテープを用いて行われているようで、我々にとっての再生用にSA-CDによるステレオハイブリッド盤(通常のBlu-ray、CDプレーヤーなどで再生可能)やCDBaby.comなどのダウンロード音源(ハイレゾ音源)だけでなく、180グラムの重量級45回転2枚組のLPアルバム、更にオープンテープなども提供している。

Xat1245672747 このアルバムは昨年(2017年)リリースし好評アルバム『Moonlight Sessions Volume One』(→)(現在、このアルバムが入手困難)の第2弾だ。
  世界的に注目を集めていると言われているこのリン・スタンリーも、子供の頃からジャズ・ヴォーカリストには憧れていたようだが、実は遅咲きで、アルバム・デビューは、2013年でまだ5年前である。
 今作も、Steve Genewickによるオーディオファイル・レコーディング、ミックスにAl Schmitt、マスタリングはBernie Grundmanという一流陣が参加。

(Tracklist)
1.  Makin’ Whoopee
2.  The Very Thought Of You (p. Christian Jacob)
3.  That Old Feeling (p. Mike Garson)
4.  The Summer Knows (p. Christian Jacob)
5.  Over The Rainbow (p. Christian Jacob)
6.  How Deep Is The Ocean (p. Mike Garson)
7.  Angel Eyes (p. Mike Garson)
8.  At Seventeen (p. Mike Garson)
9.  You’ve Changed (p. Mike Garson)
10.  Smile (p. Christian Jacob)
11.  How Insensitive with Christian Jacob
12.  Love Me Or Leave Me (p. Tamir Hendelman)
13.  Since I Fell For You (p. Mike Garson)
14.  I’ll Be Seeing You

 曲目はもうジャズ・ヴォーカルものとしてのスタンダード集で完璧。とにかくバックの演奏も、昔からのジャズを感じさせるタイプで、昔を思い出すアナログ録音の刺激の無い音が広がってなかなか快感の録音だ。
 そして彼女のヴォーカルもやっぱり昔からの流れを無視すること無く、どちらかというとオーソドックスに歌いあげる。まあこれも大人のジャズ・ヴォーカル・アルバムとして聴くとそれなりに評価して良いのだと思う。とにかく聴いていて癒やされるというか何故かホッとするところが良いですね。特にM5. "Over The Rainbow" のバック演奏のピアノのメロディーには驚きの世界(聴いてのお楽しみ)。

(評価)
□ 歌・演奏  ★★★★★☆
□ 録音・   ★★★★★☆

(視聴)

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2018年3月21日 (水)

ジャズとオーディオ 寺島靖国「テラシマ円盤堂~曰く因縁、音の良いJAZZ CD ご紹介」

<My Photo Album (瞬光残像)>       (2018-No6)

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「待つ」   (Feb. 2018 撮影)

オーディオ的感覚でジャズを聴く楽しさ

<書籍>
ONTOMO MOOK
寺島靖国「テラシマ円盤堂~曰く因縁、音の良いJAZZ CD ご紹介」


音楽の友社 2018年3月1日発行

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 こうゆう書籍の発行されるのは歓迎ですね。主たる内容は雑誌「STEREO」雑誌と「レコード芸術」に連載された記事の総集編である。今やジャズ愛好家の中では知らない人はいないと言われるぐらいのジャズ評論家であり、寺島レーベルでCDのリリース、そして本来のジャズ喫茶のマスターというトリプルに活躍中の寺島靖国の執筆ものだ。

 なんといっても、「STEREO」誌の「寺島円盤堂」は2013年からの56題、毎月一題であるので5年分。又「レコード芸術」誌の「クラシック・ファンのための音のいいJAZZ CD」が60題、これも5年分という総集編。興味のある私にはいっぺんにこうして見れるのは有り難い。もう忘れていたものも多く、懐かしく見れるところも楽しいのである。

Photo_2▶ 巻頭言「オーディオでジャズを楽しむ悦楽」
寺島靖国と言えば、ジャズ・ファンであると同時にオーディオ・ファン。なにせここでも書いているが、彼はCDの評価に音楽とオーディオどちらに重きを置くかという事になると、それは”7:3”でオーディオという位の大将である。これはまさに極端だろうと思うが、私だったらと考えると”7:7”と言いたいですね。それじゃ10を越えていると言われるが、”5:5”とは言いたくない。つまり両方極めて重要と言いたいのです。こんな話は余談だが、そんなファン心をしっかり掴んだ寺島靖国の話は100%賛成とは言わないが、極めて興味深く又参考になる話なのである。
 もともと今日の若者には、かってのオーディオ・ブームなんかは知らないわけで、とにかく秋葉原の電気街は殆どがオーディオ関係で一色になった時代を過ごしてきた私のような高齢者は、極めてオーディオには関心があるのである。

総集編「寺島円盤堂」
 
ここで面白いのは2013年8月号の「ジェーン・モンハイトはCDを聴くにかぎる」ですね、ジャズ・クラブのライブに赴いたら、ロシアの中年婦人がジェーン・モンハイトの顔をして現れた。・・・・と、やはり女性ヴォーカルは、CDによって性能の良いオーディオ装置で、自分にとって魅力ある女性を頭に描きつつ聴くのが良いってことですかね。
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 一方この企画の中でも、やはり録音技師の重要性を訴えていますね、特に注目は最近のイタリアのステファノ・アメリオ(ex : Alessandro Galati Trio盤など)(→)、フランスのヴァンサン・ブルレ(ex : Georges Paczynski Trio盤など)ですね。この点は私も最近非常に注目しているところです。彼はブルレがお気に入りのようだが、私はどちらかと言えばアメリオですね。

「クラシック・ファンのための音のいいJAZZ CD」
Cottonw 
寺島靖国とすれば、ヘイリー・ロレン(→)とかカレン・ソウザはやっぱり注目株のようですね。
 又イゴール・ゲノー・トリオのアルバム『ROAD STORY』の低音を代表的に録音の素晴らしさを書いています。実は私はこのアルバムのリリース当時に、このブログで取りあげているんですが、私の評は”このトリオはなかなか三者のバランスのとれた演奏の展開で、今後も私のような抒情派には向いている。まさに期待株である。又、このアルバムは録音も良く、ピアノの音は勿論、ベースの響き、ドラムス、シンバルの音などクリアーで良い”と当時書いていて、フムフムと寺島靖国の評価にニンマリしているんです。
 又面白いのはキース・ジャレットは嫌いのようだが、私のお勧めの1980年代末のアルバム『Changeless』(ECM/POCJ-2016)は評価しているようですね。

▶ 「寺島靖国ジャズオーディオ世界」
 さて、この本には上記の2つの総集編の他に、巻頭言と「寺島靖国ジャズオーディオ世界」と称して①から⑧までの8つの特集も収載されている。

Contralaindw①ジャズオーディオ世界遺産 ~この音を聴け CDベスト10
   
Bobo Stenson Trio「Contra La Indecision」(→)が入ってます
②巻頭対談 寺島靖国Vs後藤雅洋「ジャズとオーディオの濃密な関係」
   
かってのシャズにはJBLという絶対論が懐かしい
③クロスポイント/音楽とオーディオの交差点~お気に入りディスクは、こんなシステムで 対談寺島靖国×山之内正(オーディオ評論)
   
ジャズとオーディオ・システムの関わり方
④試聴室のオーディオシステムとジャズ喫茶Megのオーディオシステム
   
CD再生の装置に於けるポイント-ケーブルの話、スーパーツイーターの話
⑤ジャズオーディオ、気になる機器探検
   
スピーカー論
⑥クロスポイント/音楽とオーディオの交差点~お気に入りディスクは、こんなシステムで 対談寺島靖国×鈴木裕(オーディオ評論)
⑦「メグ・ジャズ・オーディオ愛好会」イベント紹介/林正儀
   
人それぞれのオーディオ感覚
⑧「寺島レーベル推薦盤レビュー」音で聴くジャズを実践。オーディオファンにも好評なCD/林正儀

 なかなかここまで多くのジャズ・アルバムを取りあげて、オーディオ的感覚で聴いて行こうという評価をするのもそう多いわけでなく、その為結構面白く見れた本でした。
 もともと寺島靖国は、ピアノ・トリオ・ファンであったり、ユーロ・ジャズに興味は深いと言うことなど、私からみればその点も同感であって、そんな為かこの冊子は親近感を感じた点でもあったかも知れない。
 更に現実的なオーディオ機器における装置の改善のポイントなどの話の特集もあって、そこそこに興味をそそって参考になったというところです。

(PS) 私はステファノ・アメリオStefano Amerio派という話をしましたが、その好例は、Alessandro Galatit『WHEELER VARIATIONS』(SCOL-4024)にて聴くことが出来ます。

(参考視聴) 寺島靖国ジャズ喫茶「Meg」

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2017年11月 9日 (木)

大橋祐子トリオ「ワルツNo.4」

(今年聴いて印象に残ったアルバムを-1)
 もう11月、これからあっという間に年末になってしまうんですね。となれば、今年聴いたアルバムを整理しておくことにする。

スタジオとホール録音、「迫真の疲労」と「快感」の違い

<Jazz>
YUKO OHASHI TRIO 「WALTZ No.4」
TERASHIMA Records / JPN / TGCS-9672/9673 / 2017

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大橋 祐子(piano)
佐藤 忍(bass)
守 新治(drums)
Recorded by 江崎友淑 (オクタヴィア・レコード)
Recorded by 佐藤宏章 (ランドマークスタジオ)

 寺島レコード10周年特別企画として昨年末にリリースされたアルバム。ジャズ・ピアニスト大橋祐子の4作目としてピアノ・トリオ作品を録音に凝って作成されたもの。もともと寺島靖国はオーディオ的にジャズ・アルバムを聴いてきた人であるし、こんなスタジオ録音(寺島サウンド)vsホール録音(大間知サウンド)の2枚組CDとして我々に聴かせてくれたのである。
 大橋祐子(東京都八王子市出身)は、もともとクラシック・ピアノを学び、2010年に寺島レコードより『PRELUDE TO A KISS』(TYR1018)でデビュー。その後の諸作に好評を得てきた女性ピアニスト。現在、佐藤 忍(bass)、守 新治(drums)とトリオを結成している。

★ このアルバムの注目点は、オーディオ的に楽しめると言うところだ。先ずは寺島靖国の納得のスタジオ録音、これには寺島靖国プロデューサーとランドマークスタジオ佐藤宏章によるもの。最近は「哀愁とガッツ」というタイトルが有名になった録音。そして今回は、なんとエソテリック社顧問にして、数々の高音質録音に携わる大間知基彰が、アコースティック録音でのオーディオ・マニアに絶大な信頼を得るオクタヴィア・レコード江崎友淑エンジニアと組んだ稲城市立iプラザホールにおける録音の2本立てのCD2枚組。

20170325014811_deco_2【DISC.1】 ホール録音盤
Recorded by 江崎友淑 (オクタヴィア・レコード)
サウンド・プロデュース:大間知基彰 (エソテリック株式会社)
2016年10月5日稲城市立iプラザホール録音

(Track List)
01. セント・ジェームズ病院 (Traditional)
02. エストレリータ (Manuel Ponce)
03. メキシコ (Harvie Swartz)
04. ホーム (Michel Petruccani)
05. ラヴ・ミー・テンダー (Traditional / Elvis Presley)
06. アイ・シンク・アイ・クッド・ビー・ハッピー (Magne Furuholmen)
07. ソー・イン・ラヴ (Cole Porter)
08. プルメリア (Yuko Ohashi)
09. ワルツ #4 (Yuko Ohashi)
10. セント・ジェームズ病院 (別テイク) (Traditional)


【DISC.2】 スタジオ録音盤
Recorded by 佐藤宏章 (ランドマークスタジオ)
サウンド・プロデュース:寺島靖国 (寺島レコード)
2016年9月30日横浜ランドマーク・スタジオ録音

(Track List)
01. セント・ジェームズ病院 (Traditional)
02. エストレリータ (Manuel Ponce)
03. メキシコ (Harvie Swartz)
04. 哀しみのダンス (Leonard Cohen)
05. ダニー・ボーイ (Traditional)
06. アンカー (Yuko Ohashi)
07. アワ・スパニッシュ・ラヴ・ソング (Charlie Haden)
08. アインダ・ベム (Marisa Monte)
09. ニュー・デイズ (Yuko Ohashi)
10. オヴァート (King Fleming)



 約一週間の間隔を開けての同メンバーによる演奏の2タイプ録音であるが、最初の3曲は若干演奏が違うが同一曲。やはり"セント・ジェームズ病院"が聴きどころ。
 まずはなんと言っても寺島サウンドのスタジオ盤の迫力。とにかく生々しいリアルな迫真のサウンド。 切れ味とソリッド感が抜群で有り、低音の重さと迫力も十分。まあドラマチックというところです。
 一方ホール録音は残響も含めてホール感はしっかりとあり、同一のピアノ(Steinway & Sons D274 Concert Grand Piano)とは思えない音色だ。まあこうゆうのをエレガンスな音と言うのだろう。バックのベース、ドラムスは、これは明らかにそのもののバックでの支えに録音されていてトリオ三つ巴というよりは、ピアノ中心主義だ。

W
                                                (寺島靖国)
 これ程異なる音となると、いやはや録音が如何に重要か思い知らされる。
 さてそこで結論を言ってしまおう。とにかく「スタジオ録音」寺島サウンドは凄い。聴いてみればもう文句は言えない迫力である。聴き始めのM01. "セント・ジェームズ病院 "を聴いた瞬間ゾクっとする迫真の迫力音。さてそこは凄いのだが、このCDを聴いていって解るが、ピアノ、ベース、ドラムスが同一の迫力で迫ってきて、そしてこの音ですから、数曲聴くとまず「疲労」に陥る。
 一方、このCDの後に「ホール録音盤」を聴くとベース、ドラムスの音が少々空しくなる。・・・・が、数曲聴き込んでいくと、その繊細にして優しさの音に快感の世界に流れ込むのである。
 さあ、この違いにどちらに軍配を挙げるのだろうか?、それはもう好みの世界であってということになる。さてそこで私の場合であるが、まず聴く時の状態でどちらかを選ぶことになるだろう。ガンガン聴きたい高揚した気分の時は、「スタジオ盤」。夜などに一人でゆったりと安らぎを求めて聴きたいときは「ホール盤」ということになるだろう。つまり両方欲張りだが欲しくなるのであるが、ミュージックを聴き込むとなればホール盤なんでしょうかね。

Photo ★ 最後に大橋祐子のピアノ演奏は?、と言うところだが・・・・目下過渡期ですね。 "セント・ジェームズ病院"はそれなりにジャズ色も感じられ意志がみられるが(10曲目の別テイクが良い)、しかし"エストレリータ"はどこでも聴かれる単なる演奏であって聴く人の心を呼び起こすところは無い。 " ソー・イン・ラヴ"は余韻の使い方に一歩前進あり。 "ワルツNo.4"そして"アンカー"は自己の曲だけあって聴き応えあり。 "哀しみのダンス"は、中盤以降の編曲部になってようやくそれらしくなる。 "アワ・スパニッシュ・ラヴ・ソング"は、こうした美旋律をどう熟すかがポイントだが、味付けはもう一歩。
  (余談)大橋祐子って鼻から口の辺りがダイアナ・クラールに似てますね(特に横顔)。ヴォーカルはどうなんでしょうか?。まさか親父声では?。

(視聴)   「ワルツNo.4」に関する映像が見当たりませんでした・・・・取り敢えず↓

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2017年11月 5日 (日)

ルイージ・マルティナーレLUIGI MARTINALE TRIO「face the music」

音楽的センスが漂っている粋なトリオ

<Jazz>

LUIGI MARTINALE TRIO「face the music」
ABEAT Records / ITA / AB JZ 549 / 2015


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Luigi Martinale (p)
Reuben Rogers (b)
Paolo Franciscone (ds)
Recorded by Alberto Macerata at Play Studio, Bricherasio, (CN) Italy
on January 15th, 16th, 2014

 寺島靖国選曲シリーズ『for Jazz Audio Fans Only Vol.10』(TYR-1060)で知ったアルバムだ。実はこのルイージ・マルティナーレ・トリオLuigi Martinale Trioに関しては、私は白紙状態。このシリーズに選ばれた事から興味を持せていただいた。まだまだ私の守備範囲の狭さを実感させられた。

Rmtrio このアルバム、ここに選ばれたと言うだけあって録音も秀悦。リアルな音と曲としての配置と残響が見事にバランス良く再生される。なんと寺島靖国自身のアルバムは、ちょっとリアルなところを追求するが為に、曲としてのバランスをどうしても欠いてしまうのだが、そんな意味でもこれはさすがに音楽のイタリアというところである(昨年末リリースされて評判だった大橋祐子の『ワルツNo.4』(TYR-1054/1055)の”スタジオ盤”と比較してみると面白い)。
  ピアニストのルイージ・マルティナーレは1963年生まれと言うことだから今年で54歳、円熟期ですね。彼はトリノ音楽院でクラシック音楽を学んで、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院ではエンリコ・ピエラヌンツィにジャズを学んでいる。
 このアルバムもベースにリューベン・ロジャースReuben Rogers を迎えての音楽的センスの満ちあふれたアルバムに作り上げている。

(Tracklist)

List

  収録曲は10曲中6曲はルイージ・マルティナーレ自身のオリジナル曲。スタートのThelonoous Monkの曲"Ask me now"を聴くと、三者のバランスも良くなかなか粋なトリオだと言うことが解る。
 M2."Caress" 、マルティナーレの曲が登場すると、成る程ユーロ・ジャズのメロディーの美しさが迫ってくる。明らかにこの曲を挟むM1.M3.のモンクの曲とは本質的に異なるところが見えてくる。それでかえって私の求める魅力度が高まってくる。
 M4.Coots/Lewisの"For all we Know"はしっとりと演奏され、ピアノが美しく流れちょっと想いに耽ることが出来る。後半にベース・ソロも気持ちを落ち着かせてくれる。
 M5からM9までマルティナーレの曲が続くが、寺島靖国にも選ばれたM7."Breath"が良いですね。ピアノが高音で流す部分のメロディーはエレガントで美しく魅力たっぷり。展開もふと題名のように"囁(ささ)き"が感じられる。
 M9."Indian Trick"のリズム展開は、異色的で面白い。

 このアルバムは好録音も後押ししていると思うが、なかなか達人のトリオ・ミュージックとして捉えることになったもの。彼の他のアルバムも聴いてみたいと思っているところだ。

(視聴)
(Solo)      Luigi Martinale

 
                             *            *

(Trio)     Luigi Martinale Trio

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2017年11月 1日 (水)

寺島靖国選曲シリーズ「For Jazz Audio Fans Only Vol.10」

(ミュージック鑑賞の秋)

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      (このところLP復活で、古き名機のDENON DP-80が頑張ってます)

オーディオ・ファンを楽しませてくれるジャズ・アルバム10巻目
~好録音のピアノ・トリオを満喫~

<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents
「For Jazz Audio Fans Only Vol.10」

Terashima Records / JPN / TYR-1060 / 2017

Forjazzaudiofansonly10

 2001年スタートの寺島靖国選曲のコンピレーション・シリーズの『Jazz Bar』も既に16年となり、年1枚での16巻をなんとなく聴いて来た。そしてここに取りあげるそれに継ぐシリーズとして、これも既にいつの間にか10年となる『For Jazz Audio Fans Only 』、今年で10巻目となった。これも私は取り敢えず楽しみにしているシリーズで、既に聴いたアルバムからの曲も収録されているのだが、やっぱり聴いてしまうのである。
 寺島靖国の選曲は録音にも拘りがあってのことで、『Jazz Bar』に登場する曲群もオーディオ・ファン向けでもあるが、この『For Jazz Audio Fans Only 』シリーズは更にその点が強調されている。又曲もどちらかというとピアノ・トリオが主力であるため、その点は私好みとも一致していて、既にこれによって知ったマイナーなトリオも過去にあって、結構楽しませて頂いているのである。そして10年目の「Volume 10」を、ここで少々紹介する事とする。

(Tracklist)
1. Estate [The Kirk Lightsey Trio]
2. Les Rails enchevetres [Georges Paczynski Trio]
3. Spring Lingers [Alf Haggkvist Trio]
4. Laberinto [Sergio Gruz Trio]
5. St. James Infirmary [大橋祐子トリオ]
6. Elm [Roberto Olzer Quartet]
7. Pap [Carsten Daerr Trio]
8. Drum Afterlude [Carsten Daerr Trio]
9. Breath [Luigi Martinale Trio]
10. Noble One [Scott Earl Holman Trio]
11. When My Anger Starts To Cry [RGG]
12. Then Goodbye [Michael Salling Trio]
13. Fit To Fly [Guido Santoni Trio]

 2曲目は、あのシンバルの響きを代表に驚きのサウンドであったGeorges Paczynski Trioのアルバムだが、ここでは既に紹介した『LE VOYAGEUR SANS BAGAGE』(ASCD161101)から"Les Rails enchevetres"が取りあげられている。これはフランスのヴァンサン・ブルレVincent Bruleyによる録音・ミックスもので、数年前の作品からそのリアルなサウンドで話題になってきており、そのメンバーによる今年のリリースもの。

Walz4w M5. "St. James Infirmary" は、大橋祐子トリオだ。寺島レコード・アルバム『WALZ 4』(TYR-1054)(→)から。スタジオ録音の他、大間知基彰氏が、オーディオ・マニアに評価の高いオクタヴィア・レコード江崎友淑エンジニアと組んだホール録音などが別にCD一枚あって話題になったもの。オーディオ・マニアに喜ばれた。

 M6."Elm"これもここで既に取りあげた Roberto Olzer Quartetのアルバム『FLOATIN' IN』(ABJZ168)からの、Richie Beirachの曲だ。私の愛する曲では最右翼のもので、これはトリオにトランペットが加わった良演奏、録音はこれも名手イタリアのStefano Amerioだ。

61jpjmedv9lw M9. "Breath" この曲は知らなかったが、イタリアのLuigi Martinale Trioによるもので、なかなか情緒のあるピアノ・トリオ演奏と好録音で気持ちが良い。アルバム『face the music』(ABJZ549)(→)からで、ピアニストのルイジ・マルティナーレのオリジナル曲が6曲収録されていて、この曲はその内の1曲。彼はエンリコ・ピエラヌンツィに多々指導を受けてきたようであるが、今年で50歳代半ばになり円熟期。

5169yse82l M12. "Then Goodbye"も良いですね。デンマークの Michael Salling Trioですが、アルバム『Nice Vibrations』(CALI087)(→)からだ。スウィングするジャズ心とヨーロッパ的リリシズムが合体した感のあるこれも愛すべきアルバム。
 

 今回の選曲もなかなか味なもので、ナイスなコンピレーション・アルバムが出来上がった。本来オムニバスものは余り好まないのだが、これは選ばれ採用されるモノが、ピアノ・トリオが主力であってその為私は大歓迎ということになるのであった。又今時の名技術陣による好録音合戦を目の当たりに体験できる。そんなところも注目点。

(試聴)

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2017年9月23日 (土)

寺島靖国プレゼント「FOR JAZZ DRUMS FANS ONLY Vol.1」

ジャズにおけるドラムスの役割の再認識を!

<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents
「FOR JAZZ DRUMS FANS ONLY Vol.1」

Terashima Records / JPN / TYR1057 / 2017

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  ドラムスが生き生きと活躍するジャズ演奏シリーズの開幕だ。この寺島靖国によるシリーズでは、「Jazz Bar」、「FOR JAZZ AUDIO FANS ONLY」、「For Jazz Vocal Fans Only」など楽しませてもらっているが、中でも時にちょっと馴染みの無い演奏家にお目にかかる事があって、しかもそれがなかなか納得の世界であることを教えて頂いたと言う経過もある。そんな事で、楽しみにしている一つです。そこに今度はドラムスに焦点を当ててのシリーズで、いやはやこれも当然聴いてみたくなったというところなのである。

 宣伝では、「ガッツと哀愁のサウンド」というところがテーマであるようで、それはそれ重要点であることは納得である。レーベル創立10周年ということもあって新たなコンピレーション・シリーズをスタートさせたという意味は、「ジャズは音で聴け」と言うところにも関わってくるようで、案外録音された音にもポイントを置かれていて、私にとっては、それも楽しみと言えば楽しみなシリーズでもある。

 さて登場は、以下の通り13のグループのアルバムからの選曲だ。

1. It's All Right With Me (Cole Porter) by Emmet Cohen
2. Fragile (Sting) by Hans Esbjerg
3. Alone Together (Arthur Schwartz) by Joe Mulholland Trio
4. My Heart Belong To Daddy (Cole Porter) by Bill Carrothers
5. Wise (Alex Mercado) by Alex Mercado Trio
6. Tres Palabras (Oswaldo Farres) by Christof Sanger
7. The Fruit (Bud Powell) by David Hazeltine
8. From The Beginning (Matija Dedić) by Matija Dedić
9. The Intimacy Of The Blues (Billy Strayhorn) by Albert Heath
10. Rockin' Chair (Horgy Carmichael) by Allison Miller
11. Marie's Delight (Red Garland) by Kris Bowers
12. Omnibus (Ernst Glerum) by Ernst Glerum
13. Eastern Elegy (Daniel Freedman) by Daniel Freedman

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                                                        (Allison Miller)
 成る程聴いてみるとピアノ・トリオ曲が中心であるでが、ドラムスの活動が華々しい曲が連なって流れる。シンバルの音にハッと思わせるリアルな録音モノが連続して登場。成る程これはよく集めたモノである。

 3. Alone Together (Arthur Schwartz) by Joe Mulholland Trio:トリオによる生き生きとしたスウィング演奏、ドラム・ソロ(Bob Tamagni)の占める位置も有り、又ベースとドラムスの掛け合いが面白い(アルバム「Runaway Train」より)。
After_hoursw 4. My Heart Belong To Daddy (Cole Porter) by Bill Carrothers:シンバル音(Kenny Horst)で圧倒してピアノに入るスタイル。ピアニストの熟練したパッサージ・ワークが見事で最終的には抒情的ピアノ・トリオ曲に仕上げている(アルバム「After Hours」(→)より)。
 5. Wise (Alex Mercado) by Alex Mercado Trio:なかなか派手な録音もの。メキシコの実力派ピアニストAlex Mercadoによる、Antonio Sanchez(ds)、Scott Colley(b)参加のピアノトリオ作品(アルバム「Symbiosis」より)。
Matijadedicw 8. From The Beginning (Matija Dedić) by Matija Dedić:ドラムス(Jeff Ballard)から入るピアノ・トリオもの。Matija Dedićのピアノの芸達者ぶりが聴ける(アルバム「From The Bebinning」(→)より)。
 10. Rockin' Chair (Horgy Carmichael) by Allison Miller:名女性ドラマーAllison Millerの登場だ。なかなか聴かせる曲仕上げ。前半ベース主導で流れ、そして美しいシンバル、控えめなピアノによって流れるメロディーが美しい世界を築き上げる。聴き惚れます(アルバム「Boom Tic Boom」より)。
 13. Eastern Elegy (Daniel Freedman) by Daniel Freedman :ドラマーのFreedmanによる抒情性豊かな曲で、次作への期待に繋げる(彼の初リーダー・アルバム「Imagine That」より)。

 ジャズもいろいろな聴き方があるが、ここに見るようなピアノ・トリオものでは、どちらかというとドラムスはリズム隊として、バックで支えるところに位置することが多い。しかしこの企画物でドラムスの位置の重要性も認識させてくれていて、ちょっと”でかした企画”であったと思う。

(試聴)

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2017年1月 4日 (水)

今年の酉年にちなんで・・・ブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoft 「TRIALOGUE」

その道の達人による未来志向のジャズとは・・・・

<Future Jazz>
Wesseltoft Schwarz Berglund 「TRIALOGUE」
Jazzland / nor / 060253786601 / 2014

Trialogue1

Recorded at Schloss Elmau Feb 2014
Bugge Wesseltoft(p), Henrik Shwarz(computer), Dan Berglund(b) 



 酉(とり)年にちなんで・・・・十二支の「とり」は、「鶏(ニワトリ)」の事になるようだが、まあ拡大して「鳥」ということでは、なんと言ってもこのジャケのアルバムだ。
 もともと「酉」の意味は、”果実などが極限まで熟した状態”を言うようで、従って”物事が頂点にまで極まった状態”を言っていることになる。しかしそんな意味でもこのアルバムの価値を見いだせるのである。

Trialogue2 これは2014年リリースだが・・・・今年新年早々に頭に浮かんだ。とにかく強烈なインパクトのあったものであり、今になったが是非とも記録しておきたい。
 しかしこのタイプのジャズは何と言えばよいのろうか?、フューチャー・ジャズと言う言葉があるが、これも漠然としている。とにかくエレクトロ・アコースティックでアンビエントな世界に、それに止まらずスリリングな味付けの中に抒情性すら感ずるという演奏が見事なアルバムだ。

 とにかくドイツ・ベルリンの奇才エレクトロ・ジャズのヘンリク・シュワルツHenrik Shwarzに、ノルウェー・オスロのジャズ・ピアニストのブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoftが合体、そこにスウェーデンのあのE.S.T.で知られたベーシストのダン ・ ベルグルンド Dan Berglundが合流したんですから、それはやっぱり単なるトリオでなく未来志向の快作になるのは推して知るべしであった。
 又ブッゲ・ヴェッセルトフトは、昨年秋に来日、それも5人の女性を引き連れての再興プロジェクト「ニュー・コンセプションズ・オブ・ジャズ(NCOJ)」2016年版として話題をさらった。しかし彼は私好みとしては、クラシックのイメージすら感じさせる『it's snowing on my piano』(1997, 2013再発)『Songs』(2012)のようなソロ・ピアノのアルバムもあり、更に、同郷のシゼル・アンドレセンとのコラボレーションも印象深く、非常に不思議な人だ。

Wsbjoach

 そしてこのアルバムは非常に録音もリアルで良好。スタートM1.”Interlude”は、我がオーディオ装置が壊れたかと思わせる不思議な雑音様のコンピューター・サウンドを交えて、ピアノが深遠な世界に導く。しかしこうしたテクノ系にしてはベースはアルコ奏法を交え不思議な世界に導き、ピアノの調べは極めて叙情的で美しい。このテクノ感覚の斬新さにクラシック調の演奏がかみ合って聴くものを引き込んでいくのだ。曲はインプロヴィゼイションの流れを取り込んでの彼らのオリジナルもので効果を上げている。又曲によってヴァイオリン、ビオラ、チェロなどが加わって一層クラシック・ムードを盛り上げる。
 ピアノ・トリオを愛する者にはテクノ指向は実は受け入れないところと思うのだが、何故かこのアルバムはおそらく抵抗なく入ってしまうのではと、私自身がそうであったことから想像してしまうのだ。それ程異色快作であった。

(視聴)

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2017年1月 1日 (日)

謹賀新年 2017 =アラベラ・美歩・シュタインバッハー Arabella Miho Steinbacher 「Fantasies・・・・」

明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

                     2017年 元旦

Tr

 (今年の初聴きアルバム)
  惚れ惚れする緊張感と美しさ、そして懐かしの心をくすぐる

<Classic,  Violin Concerto >
Arabella Miho Steinbacher 「Fantasies, Rhapsodies and Daydreams」
PENTATONE / GERM / PTC 5816 536 / 2016

Fantasiesrd

Recorded at Salle Yakov Kreizberg of the Auditorium Rainnier III, Monte-Carlo in October 2014
(演奏)
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン;1716 年ストラディヴァリウス「ブース」(日本音楽財団貸与))
ローレンス・フォスター(指揮)、モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団

(曲目)
(1)ワックスマン:カルメン幻想曲(11'41")
(2)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20(9'01")
(3)ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり(14'40")
(4)サン=サーンス:ハバネラ Op.83(11'06")
(5)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28(9'51")
(6)マスネ:タイスの瞑想曲(5'57")
(7)ラヴェル:ツィガーヌ(10'52")



 名曲のヴァイオリン・コンチェルト集である。ヴァイオリニストは女性で、今や世界的な評価を勝ち取るに至った日本人の血の入ったドイツ人アラベラ・シュタインバッハー、オーケストラはモナコ公国のモンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団である。

927_690x465 アラベラ・美歩・シュタインバッハーArabella Miho Steinbacher (1981年11月14日- )は、諸々の紹介を見ると以下のようなところ・・・・・
 ドイツ女流のヴァイオリニスト。ミュンヘンでドイツ人の父親と日本人の母親との間に生まれた。3歳でバイオリンを始め、9歳でミュンヘン音楽大学にてアナ・チュマチェンコに学んだ。ドロシー・ディレイやイヴリー・ギトリスにも師事した。2000年にハノーファーで開催されたヨーゼフ・ヨアヒム・ヴァイオリン・コンクールで入賞、翌年にはバイエルン州より奨学金を授与された。
 ゲルギエフ、マゼール、パッパーノ、シャイーといった数多くの巨匠指揮者たち、世界を代表するオーケストラとの共演を次々と成功させ、今やドイツ音楽界を担う地位を確立している。繊細さと力強さをあわせもつ演奏で、バッハから近現代作品までレパートリーは広い。
・・・と、知ることが出来る。

 このアルバムでの私の個人的な一つの注目点は、冒頭から登場するワックスマンFranz Waxman(1906-1967)のM1.「カルメン幻想曲」だ。この幻想曲」は、サラサーテのものが有名だが、この映画音楽で名を馳せたワックスマンのものもジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ『カルメン』に登場するメロディを用いて、ヴァイオリンの名演技を示し聴かすべくを目的とする作品で、なかなか魅力的。私は幼少の頃から「カルメン」はなんとなく聴かされてきて非常に懐かしさが回顧される曲で有り、それがヴァイオリン協奏曲手法で、ときに懐かしのメロディーの登場にほろっとしてしまう。それが見事にシュタインバッハによってメロディーが歌いあげられるが如く演じきられている。
 その他、「ツィゴイネルワイゼン」、「揚げひばり」、「タイスの瞑想曲」等と名曲がズラーっと並んで登場。M6.「タイスの瞑想曲」にはうっとりとしてしまい楽しめるそのものの一枚だ。
 そして彼女のヴァイオリン演奏の技量と音質とを知りたいならM7.ラヴェルの「ツィガーヌTzigane」(10'52")ですね。この曲にはヴァイオリンのソロ演奏の要素も多く、又各種演奏技術を要するところが要求される。しかし繊細な技術が見事に演じられていて素晴らしい。

  このアルバムは、なかなか力が入っていて、SACDハイブリット盤であり、サラウンド録音も同時に聴ける。このタイプは歓迎ですね。
 今年のオープニングは名曲クラシックで・・・・そして今年一年もジャズやロックに、感動がありますよう願ってのスタートであります。

       ------------------------------------

<今年の予感>
     昨年から、CD全盛期を迎える前のLPの再生の比率が高くなってきたのが気になります。
     今年はLPの購入に・・・と言うことになって行くのだろうか・・・・・

  (懐かしの機器 DENON Turntable DP-80 及び MICRO Dynamic Balance Tonearm MA-505L
      
そしてDENON Pre-Amplifiyer PRA2000 が健在なのです)

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            *               *
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(視聴) Arabella Steinbacher ”Méditation from "Thais"”

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