1 The Saga of Harrison Crabfeathers 2 Dolphin Dance 3 Come Together 4 Goodbye for My Father 5 Speak Low 6 Freedom Jazz Dance 7 I Love You 8 Straight No Chaser 9 All Blues 10 The Days of Wine and Roses 酒とバラの日々 11 Star Spangled Banner 星条旗よ永遠なれ
私はこのブロンバーグは、それほど意識したことはなかったが、彼は1960年12月5日の米国アリゾナ生まれ。父と兄がともにドラマーであり、彼自身もドラムをプレイしたが、10代はじめに既にアコースティック・ベースに転向し、そして79年、スタン・ゲッツのグループに参加して名前も知られるようになり、89年には初のリーダー作『A New Day』をリリース。アニタ・オデイ、リー・リトナーのサポートを務めるなど、ジャズ/フュージョン界での活躍も大きい。
このアルバムは、ピアノ・トリオ演奏ジャズだがM1."The Saga of Harrison Crabfeathers"、M3."Come Together"などでは、冒頭からベース・ソロで始まりそのコントラ・バスの低音で圧倒する。近年は寺島レコードからのリリース・アルバムでもベースの音で圧倒する録音ものもあって、昔ほどは驚かないが、それでも一般にピアノ・トリオものではベースは"縁の下の力持ち"的な存在で、地味な立ち位置にあって、ピアノと同等に前に出てくる録音は少ない。しかしここでは指ではじくピチカット奏法のその弾き音と共にリアルに迫ってきて圧巻。このアルバムではドラムスも生きていて、近年の録音に近いスタイルだ。 特にM3ではその荒々しさが響いてくる。 M4."Goodbye for My Father"、M10."The Days of Wine and Roses"は、ピアノの美旋律が響いて気持ちの良い演奏だが、ここではさすがに前面に出ることではなく、そのピアノ音とほゞ対等な位置で美しい演奏を響かせる。 M5."Speak Low"でのベースは、低音というよりは、その演奏技巧の披露だ。M8."Straight No Chaser"のようなトリオ演奏の対等な三者の演奏も楽しい。 M6."Freedom Jazz Dance"、M9."All Blues"、M11."Star Spangled Banner "はベース・ソロ演奏で、低音の響きにスラップ奏法やサムピング音も交えてリアルな録音により、ベース演奏をたっぷり楽しめる。
そしてこのM1."Love is A Many Splendored Thing"は、軽快な乗りを展開し、それが情感溢れるところが魅力。とにかくご機嫌な演奏で魅了する。 M2."Autumn Leaves"も、やはり導入までの演奏が見事、そしてメイン・テーマが現れるとほっと感情輸入して聴ける。この曲でもフェイクが又一つの効きどころ。こうゆう有名曲は更にアドリブも楽しめるのがいい。 M4."Perdido"は、当時LPのB面をすべて使った18分を超える演奏。トリオ演奏の楽しさが伝わってくる。
KUNIHIKO SUGANO, ISAO SUZUKI 「SINCERELY YOURS」 King Records / JPN / KICJ 2622 / 2019 (Orinal LP 1980)
菅野邦彦(p) 鈴木勲(b)
(Tracklist)
1. Mean To Me Written-By – F.E. Ahlert, R. Turk 5:15 2. The Midnight Sun Will Never Set Written-By – D. Cochran, H. Salvador, Q. Jones 8:10 3.Moon River Written-By – H. Mancini, J. Mercer 5:13 4. Autumn In New York Written-By – V. Duke 7:01 5. I'm Getting Sentimental Over You Written-By – G. Bossman, N. Washington 4:47 6. The Very Thought Of You Written-By – R. Noble 3:21 7. Goodbye Written-By – G. Jenkins 4:11
当時のLPは録音の良さでマニアにも評判もの。鈴木勲のインパクトたっぷりのベース・ソロが誘導して菅野ピアノ美しいメロデーのフレーズを引っ張り出すという両者の流れは余裕たっぷり。これぞ盟友とのデュオだ。 このアルバムの音は菅野のピアノのタッチ・音質と鈴木のベースの音を見事に捉えていていて快感。 菅野は相変わらずのフェイクが楽しく、アドリブも見事なM3."Moon River"。 M4."Autumn In New York"、M7."Goodbye"のベースの響きは圧巻で、しかもこれに優しく菅野が優しいメロディーとアドリブを加えるコンビの妙。 M6."The Very Thought Of You" のピアノのフェイクで描くメロディーの美しさは抜群。 日本のジャズ史における貴重盤。
Three Blind Miceレーベルのジャズ界に及ぼした功績は大きかった。その一つとして前回から紹介しているピアニスト山本剛もこのレーベルからの1974年デビューで、全国区のジャズミュージシャンとして知られることとなった。とにかくリリースされたアルバムの好録音から、オーディオ・マニアにももてはやされ、日本ジャズの普及にも一役買った。その好録音の功績者は神成芳彦であった。 前回から続いて、このレーベルの主役の一人でもあった山本剛のアルバムを取り上げる。
TBMレーベルからのアルバム「Midnight Sugar」でデビューを果たした若手実力派ピアニスト山本剛率いるトリオが、76年5月17日東京ヤマハホールにて行われた伝説のコンサート「5 Days in Jazz」に出演したときの音源を収めたライヴ盤
(Tracklist) 1.Like Someone In Love 8:40 2.If You Could See Me Now 6:30 3.Misty 7:43 4.Summertime 7:55 5.Cookin' The Blues 7:51 6.The Way You Look Tonight
収録全6曲のうちオリジナル曲は、鈴木勲「黒いオルフェ」に"Blues"として収録されているM5."Cookin' The Blues "のみだが、ここでは彼のブルース・フィーリングが満開。一方M1."Like Someone In Love"は、なかなか軽快にしてスウィング感バッチリの曲。 M2."If You Could See Me Now"は、タッド・ダメロン作曲のバラード曲で、ここでは彼らしい繊細さが出ているが、時にダイナミックにと変化があり、全体に彼の得意の優雅な演奏。そして誰もが喜ぶM3."Misty"の登場、演ずる場によっての変化も聴けメイン・テーマで拍手が起きる。 M4."Summertime"は、このアルバム・タイトル曲だが、ここでは大由のベースを大々的に取り入れられ、爪弾き、弓弾きと多彩でベース音録音も迫力ありオーラル・ユニゾンも入り、中盤から変調してピアノとのユニゾンがリズム・カルに演じられジャズの楽しさが堪能できる約8分の演奏。
(Tracklist) 1 Midnight Sun 6:07 2 Autumn Leaves 5:07 3 Wave 6:13 4 A Shade Of Love 4:23 * 5 Billy Boy 5:32 6 Love Is Here To Stay 8:25 7 Blue Manhattan 4:45 * 8 Kid 2:15 * *印 山本剛のオリジナル曲
Lionel Hampton作のメロウなM1."Midnight Sun"は、得意の情感込めての美しいピアノ・タッチが印象的。これは彼が'77年米Monterey Jazz Festivalで喝采を浴びた記念すべきスロー・バラード曲。 M2."Autumn Leaves"は、名曲を軽快なアレンジで演じている。A. Carlos Jobin作の彼の得意曲M3."Wave"もスウィングして軽快。 彼のオリジナル曲のM4." A Shade Of Love "及びM8."Kid"は、愛児への想いの優しいバラード曲。M6." Love Is Here To Stay "もピアノ・バラード演奏でしっとり聴かせる。 オリジナル曲のM7."Blue Manhattan"は、神成芳彦の録音もトリオ・ジャズの味をうまく表現して、ベース・ドラムスも生き生きと充実して楽しい。 山本剛の世界が完成の域へと歩んだアルバム。
さて問題の録音評価だが、ダイレクトカッティグのピアノそのものの音質のレベルの高さは解るが、再生しての印象はその音場の広さ奥行き空気感などやはり現代のイタリアのステファノ・アメリオに代表される近代ジャズ録音とすれば、一歩及ばぬところにあった。トリオ三者の表現もその定位が三者とも中央に寄っていて、奥行き感もそれほどなく、このあたりはやはりミックス、マスターリングの施されたものとは一段劣っている。今や、オーディオ的観点での評価は単純に楽器そのものの音だけでなく、多岐に渡って音楽的に評価される時代となり、名録音の評価は難しい。とにかく我々が聴くところの味に如何に満足感があるかというレベルの評価も必要である。 そんな意味ではMQAハイレゾも、その元となる録音から作り上げられた世界が高いレベルにないとその味のせっかくの高度化が生かされない。そんな意味では今一歩の出来であった。 M2."Midnight Sugar"は、昔の彼のデビュー作のタイトル曲、スタートのベースの録音された音には若干物足りなさが感じられたが、やはり彼のピアノの演奏には美しさを感ずることが出来る。最近の誰かが好きな若き女性ピアニストのピアノ・トリオものと比較してもその味わいの深さは一歩も二歩も上である。M4."Girl Talk "にしてもその展開には大人の深い味わいがあり、M5."The Folks Who Live on The Hill"の情景描写は出色。 彼のジャズへの思い入れをあらためて聴く事が出来た。
Diana Panton (vocals) Reg Schwager (guitar) Phil Dwyer (saxophone) Guido Basso (trumpet, flugelhorn) Don Thompson (piano, vibraphone) Audio Mixer: Chad Irschick Recording information: Inception Sound Studios, Toronto, Ontano, Canada (08/2016)
ダイアナ・パントンつて不思議な存在で、なんとなくアルバムを買ってしまうと言う存在だ。近頃なんとベスト盤が出現してその筋では喜んでいるようだが(『Fairy Sings Love Suite』 (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release / 2021)(→))、私は考えてみると彼女のアルバムは殆ど持っているような状態であるのでスタジオ・ニュー・アルバムに期待している
そこで最近ハイレゾ音盤に関心があってe-Onkyoを覗いていたら、あれっ持っていないアルバムがあった。さっそくflac盤(192KHz/24bit)をダウンロードしてみたのがこれだ。おやおやこれのオリジナル盤は2017年にリリースされたモノだった。 しかしこのアルバム聴いていなかったので・・なんで知らなかったか不思議であった。そこで調べてみると日の経つのは早いもので、私が彼女のニュ-・アルバムを手にしたのは、つい先日のような気がしていたが、なんと最後があの可愛いジャケのアルバム『I Believe in Little Things』で、なんと2015年だったんですね。従って其の後はここに来るまで特に気にもしないで来た。つまり私としては彼女のニュー・アルバムを知れば手に入れるといったパターンで、特に狙って求めてきたという訳では無かったのが、この事実なのである。そしてその後はComplication盤、ライブ盤、ベスト盤がリリースされているが、スタジオ盤としてはこれが目下最後の盤であることが解った。
(Tracklist) 1.They Say It's Spring 2.Heather on the Hill, The 3.Up Jumped Spring 4.That Sunday, That Summer 5.Estate (Summer) 6.Manhattan 7.Fin Des Vacances, La 8.September in the Rain 9.Tis Autumn 10.Septembre 11.Cloudy Morning 12.I Like Snow 13.By the Fireside
とにかくバックも完全にパントン・イメージに変身してソフトなサックス、トランペットが曲を優しく支えるし、トンプソンのピアノ・ビブラフォンも美しい。ギターも刺激無く自然を描く。 まあ、私の注目としてはM8."September in the Rain"が如何に彼女らしくなるかと言うことと、あのM5."Estate"が素直な優しい世界ではどうなるのかと、ちよっと関心を持って聴いたが、なんとこれも完全に嫌みの無い優しい世界となって聴くことが出来た。 更にM7."Fin Des Vacances"の情感たっぷりのギターバツクに美しいピアノそしてフランス語で囁き調の彼女のヴォーカルと、味ある見事な仕上げだ。 いずれにしても十数年のキャリアとカナダのグラミー賞を獲得するだけの彼女であるから、見事に自分の世界を築いているんですね。結論的に、なかなか好感のあるアルバム。
□ 参考(Diana Panton Dyscography)
2005 ...Yesterday Perhaps 2007 If the Moon Turns Green... 2009 Pink 2011 To Brazil with Love 2012 Christmas Kiss 2013 Little Gems and Other Keepsakes (Compilation + bonus tracks, Asia only release) 2013 RED 2014 My Heart Sings (Live in Taipei, Asia only release) 2015 I Believe in Little Things 2017 Solstice / Equinox 2018 Yes, Please! (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release) 2019 A Cheerful Little Earful 2021 Fairy Sings Love Suite (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)
█ Yasukuni Terashima Presents 「for Jazz Audio Fans Only Vol.14」 TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1099 / 2021
(Tracklist)
1.Orbiting [Mats Eilertsen Trio] 2.Due Passi Nel Mare [Alboran Trio] 3.Pool Boy - Swim IV [Florian Ross Trio] 4.Ragtime [Audun Trio] 5.Les Sebots [Adrian Frey Trio] 6.How Deep Is The Ocean [Giovanni Mazzarino Quartet] 7.Evanescence I [Casimir Liberski] 8.Fiery [Peedu Kass] 9.End of September [Tim Allhoff Trio] 10.Nardissism [Olga Konkova Trio] 11.Norr [Tingvall Trio] 12.I Fall in Love Too Easily [Peter Rozsnyoi Trio]
やはりジャズといっても私もオーディオ・ファンと言えるのか、興味あるトリオなどの小編成モノは、その音がかなり気になり、なかなかの名演奏も音が悪いと興味半減である。このシリーズで紹介されるものは、オーディオ・ファンとしても名の通っている寺島氏の推薦するものであって、結構納得しているのだ。 冒頭のM1."Orbiting "のMats Eilertsen Trioとか、M2."Due Passi Nel Mare "のAlboran Trioなどは、、過去に既に私がこのブログで取上げたモノだが、ほんとに素晴らしい。 未聴だったもので、M7, M8, M12等が今年は気になった。 M10(Olga Konkova Trio)、M11(Tingvall Trio)は、やはり過去にここで取上げているが、好録音、好演奏である。
█ Yasukuni Terashima Presents 「for Jazz Ballad Fans Only Vol.2」 TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1097 / 2021
(Tracklist)
1.Ralph Moore Quintet / It Might as Well Be Spring 2.Cliff Monear / Alone Together 3.George Masso All Stars / Summertime 4.Roy King / Reverie 5.Mark Nightingale / Close as Pages in a Book 6.The Kevin Hays Trio / Beautiful Love 7.Harry Allen / A Nightingale Sang in Berkeley Square 8.Albert "Tootie" Heath / Charade 9.Kai Winding Septet / The Party's Over 10.Guilhem Flouzat Trio / There's No You 11.Spike Robinson / Ghost of a Chance 12.Lisa Hilton / Willow Weep for Me
[ CD 1 - CLASSICS + IMPROMPTU ] 1ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章 Ravel: Piano Concerto in G Major, M. 83: 2. Adagio assai 2ディパーチャーDeparture 3モーツァルト:小さなジグ K.574 ト長調 Mozart: Eine kleine Gigue in G Major, K.574 4プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第3楽章 Op.83 Prokofiev: Piano Sonata No.7 in B-Flat Major, Op. 83: 3. Precipitato 5モシュコフスキ:20の小練習曲 第8番 Op.91-8 ロ短調 Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 8 in B Minor: Moderato 6カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート1 Conversations With Myself - Part 1 7カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート2 Conversations With Myself - Part 2 8モシュコフスキ:20の小練習曲 第20番 Op.91-20 変ト長調 Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 20 in G-Flat Major: Allegro Moderato
[ CD 2 - SONGS ] 09.ガッタ・ビー・ハッピーGotta Be Happy 10.ニード・トゥ・ウォークNeed To Walk 11.ザ・パズルThe Puzzle 12.リッスン...Listen... 13.ストラッティン・イン・キタノStruttin' In Kitano 14.オールウェイズ・トゥゲザーAlways Together 15.オベレクO’berek 16.フォー・サムワンFor Someone
01. Just a Little Lovin' (05:20) 02. Anyone Who Had a Heart (03:35) 03. You Don't Have to Say You Love Me (04:13) 04. I Only Want to Be With You (03:52) 05. The Look of Love(03:22) 06. Breakfast in Bed (03:22) 07. Willia & Laura Mae Jones (04:10) 08. I Don't Want to Hear It Anymore (04:38) 09. Pretend (03:08) 10. How Can I Be Sure (03:37)
█ MQA-CDをハイレゾで再生するには ① 「MQA対応CDプレーヤー」で再生 (従来のCDプレイヤーでなく) ② 従来のCDプレイヤーのデジタル音声出力を使って「MQAフルデコードDAC」に接続して再生 ③ MQA-CDをリッピング(特に特別な装置不要)して「USB-DAC」(もちろん「MQAフルデコードDAC」が最適)を通して再生
1. September 2. I'm Not In Love 3. You Are So Beautiful 4. Home 5. Umbrella6 6. Blame It On The Boogie 7. Everytime You Go Away 8. Billie Jean 9. Empty Room 10. Windmills Of My Mind 11. It Ain't Over T'll It's Over 12. Saving All My Love For You 13. The Winner Takes It All
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█ Susan Wong 「My Live Stories」 MQA-CD : evosound / IMPORT / EVSA883M / 2019
Susan Wong(vo) Pat Bergeson(g) John Morton(g) Denis Solee(as,fl) Eugene Bien(p) Daniel O'Lannerghty(b) Marcus Finnie(ds) Perry Danos(background vo) Connye Florance(background vo) Andy Leftwich(vln, mandolin)
1. You’ve got a friend 2. Billie Jean 3. Something 4. (They long to be) Close to you 5. September 6. You make me feel like a natural Woman 7. What a difference a day made 8. Perfect 9. Cry me a river 10. I will survive 11. Love will keep us alive 12. California dreaming 13. When you say nothing at all 14. Sometimes when we touch 15. Have you ever seen the rain 16. Do that to me one more time 17. Desperado
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█ Susan Wong 「Close To Me」 MQA-CD : evosound / IMPORT / EVSA648M / 2019
Recorded ,mixed and mastered in Hi-Res audio (96kHz/24bit)
1.Vincent 2.Sing For You 3.Man In The Mirror 4.The One You Love 5.Sunday Morning 6.What's Going On 7.Don't Dream It's Over 8.He's the One 9.Can't Hurry Love 10.That's Why You Go Away 11.When You Were My Man 12.Yesterday
これらのスーザン・ウォンの高音質盤リリースに力を入れている「evosound」は、アジアを拠点としている高音質盤をリリースするレーベルである。彼女のこれらMQA-CDは、オーディオ・ファンに人気のもの。ここに取上げた3枚の中では、この「Close To Me」が最新盤であるだけ音質は優れている。録音の焦点は当然彼女のヴォーカルにあり、それぞれ彼女を音場の中央前面おいており、その点はかなり充実している。ただし私が聴くに、バック演奏の質がもう少しジャズ的な充実があると面白いと思うところだ。演奏音がクリアであるが、音場的に左右に広がりがもう少しあることと、低音域の充実、それと奥行き面にもう少し深さが欲しいと思った。それは同じ「evosound」の以前紹介した好録音Chantal Chamberland「Temptation」(EVSA719M/2019)と比較してみると解るところ。 しかし、こうしてハイレゾ・サウンドのリリースに力を注いでいるところは大いに評価したい。
(Tracklist) 1.Temptation 2.Beautiful Life 3.Love Never Felt So Good 4.Miss Sarajevo 5.Chasing Cars 6.I Put A Spell On You 7.Belive 8.Ain't No Sunshine / I Can't Stand The Rain 9.I Wanna Dance With Somebody 10.I Want A Little Sugar In My Bowl 11.I Think Of You 12.I Don't Wanna To Talk About It 13.Syrup And Honey
私からの推薦はまず、トム・ウェイツのM1."Temtation"、この曲ダイアナ・クラールが得意としていて、ちょっと比較したくなるが、どちらかというと低音が魅力で似た雰囲気だが、彼女の仕上げの方がポピュラー寄りだ。 M5."Chasing Cars"がなかなか情感たっぷりで聴きどころ。 M6."I Put A Spell On You"も、思いの外ゆったりしたペースで、ピアノとギター・サウンドとともにしっとりと迫ってくる。特にギターがブルージーでいいですね。 M9."I Wanna Dance With Somebody"は、語り聞かせるタイプの仕上げに好感が持てる。 M10."I Want A Little Sugar In My Bowl" ニーナ・シモンの曲、ソウル・ブルース調もいけますね。 M11."I Think Of You" この情感の入れもダニー・ウィッテンも納得でしょうね。
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