ピンク・フロイド

2019年12月12日 (木)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「Roger Waters With Eric Clapton / Chicago 1984」

クラプトンのギターが美しく響くウォーターズのライブ
今となれば貴重な記録が・・好録音で

<Progressive Rock>

Roger Waters 「Roger Waters With Eric Clapton / Chicago 1984」
IAC( KING STREET) / JPN / KING2CD4105 / 2019

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(Tour band)

Roger Waters: Lead vocals, Bass guitar, Acoustic guitar
Eric Clapton: Lead guitar 
Tim Renwick: Rhythm guitar, Bass guitar
Michael Kamen: Keyboards
Andy Newmark: Drums
Chris Stainton: Hammond organ, Bass guitar 
Mel Collins: Saxophone
Katie Kissoon: Backing vocals
Doreen Chanter: Backing vocals

 しかし相変わらすロジャー・ウォータースの話題は尽きない。つい先日は世界的に「US+THEM」映画の公開で話題をさらったが、ここに彼がピンク・フロイドから一歩引いてのソロ活動当初に再び関心が高まるのである。まずその一つがこのエリック・クラプトンとのライブ録音の驚愕とも言える素晴らしい音源が出現した。このライブは話題高かったがその記録版は、私も何枚かを所持しているが、どちらかというと見る耐えない何となく解る程度の映像モノ、そしてサウンド版も良好と言ってもかなり聴くに問題の多いモノ。しかし中身はさすがクラプトンのギター世界は素晴らしい、そしてメル・コリンズのサックスも、マイケル・カーメンのキー・ボードもと聴きどころは多かったのだ。
 とにかくギルモアとは全くの趣違いのクラプトンのギターと、ピンク・フロイド時代のウォーターズの手による曲をとにかくアグレッシブに編曲したところの楽しさだ。当時は最も脂ののったウォーターズのこと、エネルギーに満ち満ちたプレイが凄い。

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 ピンク・フロイドの熱気最高潮の「アニマルズ・ツアー」、莫大な資金をかけた「ザ・ウォール」ツアー。しかしその後の、1983年にリリースする12thアルバム『ファイナル・カット』以後、ピンク・フロイド は内部亀裂によりコンサート・ツアーを行わず、バンドは活動休止する。そんな中で、 ロジャー・ウォーターズは1984年にソロ・アルバム『ヒッチハイクの賛否両論(原題:The Pros And Cons Of Hitch Hiking)』(右下)をリリースした。これは彼が『ザ・ウォール』時代に既に出来上がっていたものだが、ピンク・フロイド・メンバーに受け入れられず、アルバム・リリース出来なかったモノだが、ギタリストにエリック・ クラプトンを起用して、彼の心の内面にある不安の世界を描いた作品として、クラプトンのギターの美しさと共に注目された。そしてエリック・クラプトンと共にメル・コリンズをも帯同して大規模なライヴ・パフォーマンスを披露する。同年6月16日の スウェーデンのストックホルムからスタートし、ヨーロッパ~北米で19公演を行う。その中で最終公演 となる7月26日のイリノイ州シカゴでのコンサートは地元のロック専門FMラジオWXRT-FMのスペシャル番組として収録・放送されたのであった。このアルバムはそれが音源となっているためサウンドはオフィシャル級で、30年以上経ってのこのオフィシャル・ブートレグの出現は驚愕を持って受け入れられているのだ。

(このライブの評価)
□ ロジャー・ウォーターズの世界に何をみるか
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_aff8.html

 

81idrepzkfl_ac_wjpg (Tracklist)

(Disc 1)
01 太陽讃歌
02 マネー
03 もしも
04 ようこそマシーンへ
05 葉巻はいかが
06 あなたがここにいてほしい
07 翼を持った豚
08 イン・ザ・フレッシュ?
09 ノーバディ・ホーム
10 ヘイ・ユー
11 ザ・ガンナーズ・ドリーム
1db4d8e94f124bfc95703bd4e71b9ffa (Disc 2)
01 4:30 AM トラベリング・アブロード
02 4:33 AM ランニング・シューズ
03 4:37 AM ナイフを持ったアラブ人と西ドイツの空
04 4:39 AM 初めての出来事 パート2
05 4:41 AM セックス革命
06 4:47 AM 愛の香り
07 4:50 AM フィッシング
08 4:56 AM 初めての出来事 パート1
09 4:58 AM さすらう事そして生きる事をやめる
10 5:01 AM心のヒッチハイキング
11 5:06 AM ストレンジャーの瞳
12 5:11 AM 透明なひととき
(Encore)
13 狂人は心に
14 狂気日食

 セット・リストは第1部、第2部、そしてアンコールを含めて全25曲で、このアルバムは上のように完全収録している。このコンサートの特筆すべき点はウォーターズがピンク・フロイドから一歩離れてのロックらしい世界に原点回帰している事と、やはり エリック・クラプトンの参加である。自己の世界を持つクラプトンが、自らの楽曲は一切演奏せず、ピンク・フロイドとロジャー・ウォーターズの楽曲を一人のリード・ギタリストとして デヴィッド・ギルモアとは全く異なる世界で完璧なギター・ソロを披露している。特に前半のピンク・フロイド曲の変化が面白い、これは当時のウォーターズのフロイド・メンバーへの不満が攻撃性となり、一方クラプトンが時々見せるギター・ソロ・パーフォーマンスは、完全に彼ら自身の世界に突入し、かっての曲がむしろ異色に変化して新鮮に蘇ってくる。これはウォーターズとクラプトンのプライドの成せる技であったのかも知れない。このあたりは当時単にピンク・フロイドの再現を期待したファンには不満があったと言われているが、何度聴いてもその変化はブルージーなロックに変化していて面白い。又こうも演者によってギターの音色も変わるのかと圧倒される。

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  後半のアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』の再現は、クラプトンの美しいギターによって描かれるところが聴きどころであり、相変わらずのウォーターズの造る美しいメロディーと"美・静"の後に来る"彼の絶叫"と"爆音"に迫られるところは圧巻である。そして"セックス革命"のテンションの高いギターと"愛の香り"、"ストレンジャーの瞳"の美しさにほれぼれとするのである。

Image2  商業的問題から僅か19公演で終了したこのツアーであったが、この二人を筆頭に豪華メンバーでの パフォーマンスを収録したこのライヴ・アルバムはファンにとってまさに驚きで迎えられる作品である 。
 そして輸入盤を国内仕様としてここにオフィシャル盤以上にかなり丁寧な解説付きでリリースされているところは評価したい。久々にロジャー・ウォーターズのアグレッシブな編曲演奏に触れることが出来、又あのピンク・フロイドの転換期を体感できるところが貴重である。

(評価)
□ 曲編成・演奏 ★★★★★☆
□ 録音       ★★★★☆

 

(視聴)

 

 

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2019年9月30日 (月)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「US+THEM」Film 公開

「US+THEM Tour」の記録を映画として制作し公開する

音楽と人権、自由、愛のメッセージにインスピレーションを与える創造的な先駆的な映画・・・と言うが

 

<Rock>   映画 「Roger Waters US+THEM」
                               by Bean Evans and Roger Waters

Usthemmoview  ロジャー・ウォーターズの2017-2018年の世界的ツアーであった(残念ながら日本にはこなかった)「US+THEM」ツアーの模様を納めた映画の公開を、世界的にこの10月2日と6日に行う。
 ライブものとしては今までに無い画期的な内容と言われているが、その中身は不明、彼のことだから何か新しい試みをしているのだろうことは容易に想像が付く。

 その前の歴史的大規模だった3年に及んだ「The Wall 」ツアーの記録は、彼の戦場で失って会えることが無かった父親を戦争批判をこめて回顧した映画として作り上げたが、果たして今回は ?・・・・。

   おそらくこの作品も「映像もの」として一般にリリースしてくれるだろうと期待しているのだが。

 一方、彼は大がかりなツアーは、この「US+THEM」で終わりにすると言っていたが・・・、ここに来て別企画の北アメリカ、メキシコにてのライブ・ツアーを2020年に行うこともほのめかしているようだ。彼の集大成をしたいのか、入場料は無料でやりたいと言っているらしい。
 "アンチ・トランプ"、"パレスチナ情勢"などに問題意識を持って訴えた「US+THEM」であったが、今度は何を企画しているか・・・このあたりも、彼のエネルギーが続く限りは問題意識の中から何かを展開してゆくのであろう。楽しみと言えば楽しみである。

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(参考視聴)


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2019年6月 3日 (月)

ロジャー・ウォーターズRoger Watersの「US+THEM」記録盤

「US+THEM TOUR」 の英国ハイド・パークの記録

<Progressive Rock> 

PINK FLOYD'S ROGER WATERS 「 US+THEM」
HYDE PARK LONDON  FRIDAY 6 JULY 2018
COLUMBIA/LEGACY / EU /4607147953443 37852 / 2019

2

 既に、ここで何回か取り上げたピンク・フロイドの頭脳ロジャー・ウォーターズの「US+THEM Tour」ライブの記録されたCD2枚組盤。これはキング・クリムゾンのロバート・フリップがよく行ってきたオフィシャル・ブートレグというタイプの代物である。(COLUMBIA/Legacy 、Roger Waters.com、SONY MUSIC の名がクレジットされている)
Roger1  従って、ロジャー・ウォーターズも当然関わっているものと思うが、なるほど期待以上の高音質録音盤である。とにかくこのツアーものは、数え切れないほどの映像版も含めて巷には溢れている中で、それならばと、取り敢えずオーディエンス録音には近いが、音質はライブものとしてはトップ・クラスに値するものを出してくれた訳です。今年中には映像版とともに正規版がリリースされるという話がある中での思わぬ出現に驚いたといったところ。

  2016年、トランプ批判を展開したアルバム「アニマルズ」の曲"Pigs(three different ones)"が圧倒的支持を得たことに端を発して、彼の久々のニュー・アルバム「is this the life we really want ?」も丁度リリースされた時でもあり、その紹介曲も含めての人気のアルバム「狂気」「炎」「アニマルズ」「ザ・ウォール」からの選曲で構成して、特にピンク・フロイドと言っても殆ど彼のワンマン・バンドと化したアルバム「アニマルズ」からの"Dogs","Pigs"には充実した演奏を展開した。特に"Pigs"は、"TRUMP IS PIG"と大々的に打ち上げ、そして人間の根源に迫る"Us and Them"を演奏して世界情勢の不安定を訴えた。

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 いずれにしても再び大規模な世界ツアーへと発展したこの「US+THEM Tour」。2017年北米・オセアニア・ツアーから2018年の欧州、南米のほゞまる2年間の世界規模ツアーと拡大して、その2018年7月6日のブリティッシュ・ハイド・パーク・フェスにてのパフォーマンスをここに収録されたものだ。残念ながら日本には上陸しなかったが、このツアーの大規模さは群を抜いている。そしてすでに私自身も多くの映像ブートレグでも見てきたものである。しかしこれはおそらく放送用音源として録音されたものではないかと推測される良質もの。とにかくSEはもちろん効果音もしっかりとクリアに記録されていて十二分に楽しめる。

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 メンバーは10名編成バンドで、重要なギターはお馴染みのデイブ・キルミンスターに加えて人気のジョナサン・ウィルソンのツイン構成。そしてジョン・カーリンがキー・ボードを中心にマルチなプレイヤーぶりを発揮。また、女性ヴォール陣はLUCIUSの二人、又サックスは長い付き合いになっているイアン・リッチー。2年間通して同じメンバーでやりきった団結力も見事であった。

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 歴史的経過からは、ピンク・フロイドを離れたろロジャー・ウォーターズだがこうして聴いてみると、殆どがなんのことはない彼によって作られた曲群であって何の違和感もなく、むしろ彼によるピンク・フロイドの問題意識をここに再現していることに驚かされる。そしてニュー・アルバム「is this the life we really want? 」の世界情勢の不安定さに問題意識が、なんともう40年以上も前のアルバムがここに生きている彼のピンク・フロイド作品に驚くのである。このライブ演奏の締めくくりは相変わらず"Comfortably Numb"であったが、「狂気」の最後を飾る"Brain Damage", "Eclipse"が、ここまで生き生きとこの時代にマッチするのに驚きを隠しえなかった。

 おそらく、これ程大規模ツアーはウォーターズはもう考えていないだろうから、ロックの時代を作った彼の今となっての75歳の男の努力に敬意を表したい。

(参考視聴)

 

 

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2018年9月18日 (火)

ロジャー・ウォーターズRoger Watersストラヴィンスキーに挑戦「The Soldier's Tale 兵士の物語- Narrated By Roger Waters」

ピンク・フロイドの頭脳が遂にストラヴィンスキーの世界に

 驚きのニュース!!、目下2年にわたる「US+THEM」ツアー中のあの元ピンク・フロイドの"The Creative Genius of Pink Floyd~ピンク・フロイドの創造的鬼才"と言われるロジャー・ウォーターズが、ロシアの異色作曲家ストラヴィンスキーの作品『The Soldier's Tale 兵士の物語』(1918年発表)を題材に、器楽演奏のナレーションを独自の構想で行うというクラシック・アルバムの発売ニュースがアナウンスされている。

<Classic>
Roger Waters
「The Soldier's Tale 兵士の物語- Narrated By Roger Waters」

Sony Classical / 19075872732 / 2018

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<演奏>
ロジャー・ウォーターズ(語り)
ブリッジハンプトン室内楽音楽祭の音楽家
 スティーヴン・ウィリアムソン(クラリネット)
 ピーター・コルケイ(ファゴット)
 デイヴィッド・クラウス(トランペット/コルネット)
 デミアン・オースティン(トロンボーン)
 コリン・ジェイコブソン(ヴァイオリン)
 ドナルド・パルマ(コントラバス)
 イアン・デイヴィッド・ローゼンバウム(パーカッション)

<録音>
2014年12月11日 12日 Bridgehampton Presbyterian Church

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 ストラヴィンスキー(イーゴリ・フョードウィッチ・ストラヴィンスキー1882-1971)と言えば「火の鳥」「春の祭典」などは聴いたことがあるが、この「兵士の物語」は全く知らない。第一次世界大戦の社会的・人間的疲弊の中での作品と言われ、考えて見るとロジャー・ウォーターズの祖父は第一次世界大戦で戦死、また父親は第二次世界大戦でイタリアのアンツィオの激戦で戦死している。従って父親とのコンタクトなく少年時代を過ごした彼には、常にこのトラウマが人生を左右してきた。彼のピンク・フロイド時代の作品に於いても後期(特にアルバム「狂気」以降、「THE WALL」、「THE FINAL CUT」には切々と訴えてくる)にはこの事実のトラウマとの闘いでもあった。とすれば彼の才能からすれば、このクラシック作品に挑戦するというのは、極めて自然な話なのかも知れない。

 中身は”読まれ、演じられ、踊られる”作品と紹介されるこの「兵士の物語」は、3人のナレーション(語り手、兵士、悪魔)と7人の器楽奏者によって演奏される舞台作品だそうだ。原作はフランス語だが、その英語版をもとにウォーターズ自身が改作。本来3人で演じられるものを声色やアクセントの変化をつけることで、ロジャーひとりで語りを担当したニュー・ヴァージョンと言う事だ。
 ロジャーのこうした挑戦は、ピンク・フロイド作品から全くのブレもなく一貫している。彼の戦争という社会悪にあらゆる側面から訴え続ける道には一つも陰りが無い。
 彼のフランス革命を題材にしたクラシック・オペラ作品『サ・イラ』(2005年) 以来のソニークラシカルからの作品近々リリースだ。

 取り敢えず早く聴いてみたい一枚である。

(参考視聴)

① Stravinsky "The Soldier's Tale "

*
② Roger Waters "The Fletcher Memorial Home"(from 「the final cut」)

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2017年11月23日 (木)

現代ピンク・フロイドPink Floyd論 = 番外編-その1-

PINK FLOYD

「お祭り騒ぎ」と「総決起集会」 ~ デビュー50周年の話題

 

 ロックの歴史の中で日本人は最も”プログレッシブ・ロックの好きな民族”と言われているらしい(私もその構成員)。その中でも、このピンク・フロイドというロック・バンドの占める位置はまさに異常というか、怪奇というか・・・・70年代アルバムが未だにヒットチャートに登場しているところはキング・クリムゾン、イエス、E.L.P.、ジェネシスと言えどもあり得ない事実なのである。
 そのピンク・フロイドが今年はデビュー50周年と言うことで、又々騒ぎは大きくエスカレートしている。ロック・ミュージック界の低調の中では、唯一商業価値が間違いないと言うことで、ロンドンでは「ピンク・フロイド大回顧展」が開催された。このフロイドの『神秘』(1968)、そしてキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』(1969)以来は完全リアルタイムでロック・ファンあった私は、長いお付き合いにふと想いを馳せるのである。

 

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 まあ回顧は別として、今年もピンク・フロイド絡みでは、デヴィッド・ギルモアの「飛翔ライブ=ライブ・アット・ポンペイCD+DVD発売」、そしてロジャー・ウォーターズのニュー・アルバム『is this the life we really want?』と「UA+THEM ライブ」は、もはや何をさておいてもロック界のトップニュースになってしまっているのだった。

 さて、そんな中であの奇妙な意味の解らない2014年のアルバム『永遠』で幕を下ろしたかの感のあるピンク・フロイドだが、それがどうして益々ここにギルモアとウォーターズの価値感が高揚していることが、我々をして興味の渦に陥れるのである。

 

 まずギルモアは、結構なことに取り敢えずはギルモアらしいアルバム『飛翔』(Columbia/88875123262)をリリースして、ようやくピンク・フロイドという重責から逃れて自分を演じた。そしてその「飛翔ライブ」を欧州南北米ツアーを展開、その中でも欧州各国の遺跡や古城、宮殿などでの世界遺産公演を敢行したのであった。
 一方ウォーターズは、なんとロック・アルバムとしては25年ぶりに『is this the life we really want?」』をリリースし、同時に「UA+THEM ライブ」南北米ツアーを半年に渡って展開、更には来年早々引き続いてオーストラリア、欧州ツアーを行う。


■ デヴィッド・ギルモア『ライブ・アット・ポンペイ』 (Sony Music/SICP-31087)

Liveatpompeii こんな流れから出てきたギルモアのライブ版
 『ライブ・アット・ポンペイ』 (SonyMusic/SICP-31087)(→)
  もちろん彼の”「飛翔」ライブ”の一会場モノである。それもCDそしてDVDと映像絡みでリリースして、”ピンク・フロイドのその昔の無人ポンペイ遺跡円形闘技場の記念すべきライブ”の再現とばかりにアッピールしているのである。
 いやはや頼もしいと言えば頼もしい、しかし如何せんギルモア女房のジャーナリストのポリー・サムソンの商業主義の展開そのもので、ギルモアの意志はあるのかないのか、派手なライト・ショーが会場いっぱいに展開、なんとお祭り騒ぎに終わってしまっている。もともとアルバム『飛翔』も、”アダムとイヴの旅立ち”という如何にもコンセプトというか思想があるのか無いのか、むしろ無いところがギルモアらしい。まあ女房の作詩頼りに彼女の発想にまかせての気軽さだ(それが良いとの見方もあるが)。
 しかしそうは言っても、あのかってのピンク・フロイド時代の曲を織り交ぜてのギター・サウンドの魅力を引っさげての展開は、それはそれファンを酔わせてくれるのである。まさにギタリストの所謂「The Voice and Guitar of PINK FLOYD」なのである。
 しかし、ウォーターズの去ったピンク・フロイドを数十年引きずってきた男が、あの昔のピンク・フロイドの円形スクリーンそままで、ピンク・フロイドは俺だと言わなければならないところに、未だピンク・フロイド頼りの姿そのままで、ちょっと哀しくなってしまうのである。

■ ロジャー・ウォーターズ『US + THEM ライブ』

 

Isthisthelife 一方ロジャー・ウォーターズは、70歳を過ぎた男にして、今日の混乱の時代が作らせたと誰もが信じて疑わないアルバム『is this the life we really want?」』(Sony Music/SICP-5425)(→)をリリースした。
 それはNigel Godrichとの名コンビで、”現代プログレッシブ・ロックはこれだ”と圧巻のサウンドを展開。”ロック=ギター・サウンド”の既成概念を超越したダイナミックなピンク・フロイドから昇華したサウンドには感動すらある。
 ”歪んだポピュリズムPopulism・ナショナリズムNationalismへの攻撃”と”新たな抵抗Resistのスタート”のコンセプトと相まって、ミュージック界に殴り込みをかけた。

 そして日本の評論家の反応も面白い。何時もよく解らない事を言っている立川直樹も絶賛せざるを得ないところに追い込まれ、ロックと言う面から見ればそれこそ本物である伊藤政則は”怒り”の姿に共感し、ロックをギタリストとしてしか見れない和久井光司にはこの進化は理解不能に、最近カンバックした市川哲史の冷静な評論では、あのアルバム『風の吹くとき』のコンセプトとオーバー・ラップさせながらも、”破壊寸前の国際情勢に徹頭徹尾対峙したアジテーション・アルバムに特化した”と74歳の男の生き様に感動している。

23722640_1604990236211442_499588949 そして「UA+THEM ライブ」では、
 今回のニュー・アルバムの曲と同時に、彼の自らのコンセプトで作り上げたピンク・フロイド・アルバム『狂気』、『ザ・ウォール』、『アニマルズ』を再現している。それは今様に新解釈を加えつつ、今まさに展開している世界情勢に照らし合わせての”抵抗の姿”の展開は、”US(我々)とTHEM(彼ら)の関係”に挑戦しているのである。
 米国大統領トランプの出現は、彼に火を付けてしまった。反トランプの歌に特化した『アニマルズ』からの"Bigs (Three Different Ones)"は、トランプをしてあの歌のシャレードと決めつける。又パレスチナ問題、米・メキシコ関係問題にみる「壁」問題は、何時になっても人間の姿としての「心の壁」を含めてその存在にメスを入れている、まさに『ザ・ウォール』だ。
 しかも『狂気』の"Us and Them"に見るが如く、彼のピンク・フロイド時代の問題意識は現在に於いても色褪せていないどころか、彼の意識の高さを今にして認識させられるのである。
 (これは余談だが・・・日本に於ける安倍総理の”あの人達は”発言(これこそ"THEM")にみる危険性をも感じ得ない世相にふと想いを馳せざるをえない)
Djjhcgmuqaa_cth_3 彼は、「The Creative Genius of PINK FLOYD」とのキャッチ・コピーそのものからの展開なのである。”戦後の反省からの理想社会”からほど遠くなって行くこの今の世界情勢に、自分の出来ることはこれが全てと、彼をしてライブでの訴えに奮い立たせている。もう止せば良いのにと言うことがはばかる”戦争のトラウマ”を背負った70歳男の抵抗だ。
*
*
*

(取り敢えずは結論)

 

デヴィッド・ギルモア   ピンク・フロイド 
           (フロイドをどうしても越えられないその姿)

ロジャー・ウォーターズ  ピンク・フロイド 
           (フロイドに止まれない宿命的進化)

 

 この関係が益々はっきりした今年の情勢だった。過去のピンク・フロイドに”イコールの中に生きるギルモア”、”イコールもあるが宿命的にそれ以上を求めざるを得ないウォーターズ”。
▶かってのピンク・フロイドに酔いたい→「イコールこそに満足のファン」
▶あのビンク・フロイドは今何をもたらすのかと期待する→「イコールから発展的世界を求めるファン」
 どちらにとっても愛するピンク・フロイドの現在形であることには変わりは無い。

▼そして並の規模を越えた両者のライブは、
ギルモアは・・・・・・”お祭り騒ぎ”、
ウォーターズは・・・”総決起集会”
        ・・・・という構図は明解になった今年でもあった。


 今ここに、二つのピンク・フロイドが体感できる。これは我々にとって、これ以上のものはないのだろう。

 

                                  (いずれ続編を・・・)

(視聴)

David Gilmour

                   *                         *

Roger Waters

 


*

 

 

 

 

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2017年6月 8日 (木)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters”怒り”のニュー・アルバム「Is This The Life We Really Want?」

『If I had been God 』 (もし私が神ならば) 
            から
『Is This The Life We Really Want?』
これが我々が本当に望んでいる人生なのか?への怒りの展開

  「不安」そして「訴え」「抵抗」の問題作

<Progressive Rock,  Art Rock>
Roger Waters 「Is This The Life We Really Want?」
SONY MUSIC ENT. / JPN / SICP5425 / 2017

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 (Members)
Roger Waters – vocals, acoustic guitar, bass guitar
Nigel Godrich – keyboards, guitar, sound collages, arrangements
Gus Seyffert – guitar, keyboards, bass guitar
Jonathon Wilson – guitar, keyboards
Roger Manning – keyboards
Lee Padroni – keyboards
Joey Waronker – drums

Lucius (Jess Wolfe, Holly Laessig)–  vocals
David Campbell – string arrangements

 ピンク・フロイドの“Creative Genius創造的鬼才”=ロジャー・ウォーターズの25年振り「怒り」のニュー・アルバムだ。そもそも宗教問題も含めて社会にアプローチした『If I had been God (もし私が神ならば)』のタイトルで作り上げてきたアルバムだが、ここに来ての世界では米国トランプ大統領誕生などを始めとしての如何にも理解とか納得の範疇から逸脱した政治情勢、増え続ける紛争、差別問題、環境問題への意識低下などと不安情勢によって、彼の元々のテーマであった「不安」がエスカレート、”訴え”と”抵抗”のスタートとして『Is This The Life We Really Want?(これが我々が本当に望んでいる人生なのか?)』と題してのアルバムと化して到着した。

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Nigelgodrich011trw プロデュサーはナイジェル・ゴッドリッチNigel Godrich(英国, 1971-)だ(→)。彼は英国、米国系のポピュラー・ミュージック界では40歳代にして既にプロデュサーとして実績ある重鎮で、オルタナティブ・ロック系アーティストを多く担当してきている。サウンドはメタル・ロック系とは一線を画していて、どちらかというとクリアと言われる音が構成要素。又かってのピンク・フロイド風とはちょっと異なり、近年のロジャー・ウォーターズの趣かと思われるところ。あの2015年の『Roger Waters: The Wall』でもプロデュースを担当している。そしてこのアルバムの出来をみると、今作への気合いは相当であったと推察する。実際、演奏面でのKeyboads、Guitar での介入もしている。

 このアルバム、全編を通してアコースティック・ギター、ピアノ、ドラムスがクリアに重く響き、バックのKeyboad系や、String系の音場の広がりによる立体感も素晴らしく、それによる単なる乾いたサウンドでなくウォーターズ流の重厚なところで展開する。録音の出来も最高クラス。

Jwilson2tr 近年のウォーターズ自身のサウンドの指向の色合いも変化しているが、今回そんな意味でも、バンド・メンバーを見ても、現在の彼の北米ツアー「The US+THEM Tour」に同行しているギターのJonathon Wilson (近作アルバム『Fanfare』(Downtown/USA/70373/2013) →)にも注目だ。彼はおそらくゴッドリッチとの関係で、今回のアルバムやツアーにウォーターズとの関係が出来たのでは?と思うところ。その他、Joey Waronker (drums)、Gus Seyffert (guitar,  bass )もツアー・メンバーとなっている。こんなところからも、今回のアルバムはサウンド的にもピンク・フロイド時代の流れからはかなり変化を示しており、ギルモア流のエレキによるギター・ソロ的因子は殆ど影を消していて、アコースティックでハードな因子が強い。そのあたりが、ウォーターズの意志の感ずるところで新鮮と言えば新鮮。

(Tracklist)
1. “When We Were Young” 1:38
2. “Déjà Vu” 4:27
3. “The Last Refugee” 4:12
4. “Picture That” 6:47
5. “Broken Bones” 4:57
6. “Is This The Life We Really Want?” 5:55
7. “Bird In A Gale” 5:31
8. “The Most Beautiful Girl” 6:09
9. “Smell The Roses” 5:15
10. “Wait For Her” 4:56
11. “Oceans Apart” 1:07
12. “Part Of Me Died” 3:12

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(Roger Waters, Gus Seyffert & Jonathon Wilson  )

 このアルバムは、もともとタイトルが『If I had been God 』であった様に、”もし私が神だったら、何が変わるだろうか、何が変わっていただろうか”と、宗教的因子のもたらす社会現象に警告を発しつつ、M2.“Déjà Vu”から問題提起が始まる(この曲は”Lay Dawn Jerusalem (If had Been God)”で 2014年発表)。この”デジャブ”というのはフランス語で、”既視感”と訳されるが、実際には一度も体感したことが無いのに、以前どこかで体感したことがあるように感ずることを言うらしい。そんなところからウォーターズの神だったらの仮定から発展して、かなり抽象的に社会異常を皮肉たっぷりに歌いあげている。M3.“The Last Refugee”では今に生きる難民に追いやられた子供の姿から悲観的側面を描き、そしてM4“Picture That”でこの異常社会の告発を爆発させる。

 そしてハイライトはM6.“Is This The Life We Really Want?” だ。静かに始まるこの曲で、社会に渦巻く不安感、絶望感、それを生み出す世界の紛争、危機、差別を訴え、その今の社会環境、政治などへの怒りがぶちまけられる。"若い娘が人生を無為に過ごす そのたびに 大馬鹿者が大統領に就任する そのたびに"などなど・・・延々とかず数え切れない異常事態を歌いあげる。そして、『これは我々が本当に望んだ人生なのか?』と問いかけるのだ。この曲の悲劇的暗さは凄い。続くM7.“Bird In A Gale”の悲劇的不安感へのやるせない訴えは、ウォーターズの心そのものだ。

 ネガティブ因子の強いメッセージが詰め込まれたこのアルバムではあるが、ウォーターズは過去のアルバムでは、何時もその最後の曲には、必ず少しの光明を覗かせてきた。しかしこのアルバムの最後の曲M12.“Part Of Me Died”に何かの光明は感じ取れるのだろうか、悲観的因子の中でも自分の救いの居場所を感じ取れたのであろうか?、今回は、私は悲劇にしか終わらない世界の疑問の中で終わってしまった。

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 さて、現在進行中のウォーターズの北米ツアーが、オーバー・ラップするのだが、彼はツアーとこの新作を通して、一つにはトランプと同類の勢力へのレジスタンスを起こしたいとも公に語っている。その布石がこの突如タイトルが変えられたこのアルバムであり、後はツアーを通して理解出来る仲間を通じて、力ある勢力となり得るかどうか、それが今彼の出来る運動でもある訳だ。「連中のようなナルシズム、欲望、悪意、そして他人の気持ちをなんとも思わない態度、ほかの誰とも共感しない態度」に対抗していきたいと言い、そして「ドナルド・トランプのような反社会的な社会病質者は共感の欠如が生み出したものなんだ」と説明している。もはやウォーターズが最も信じてきた「人類が第2次世界大戦の反省に立った新しい人間的世界への構築の約束」が破壊されていくことの落胆と怒りとが収まらない不満がこのアルバムに込められている。

 1960年代に産声を上げたロックの歴史は何らかの「抵抗」から始まったとも言って良い。それが多様な発展を遂げながら、社会構造に存在するエネルギーを何時も生み出してきたとも言える。しかし50年以上の歴史を経ての今日こうしたロックの力はどのように存在するのか?疑問の多い中で有りながら、何かこのウォーターズのニュー・アルバムに、一つのロックの究極の姿を見たよう気がするのは私だけであろうか?。

<追記>
  BBC : UK Top 40 Rock Album (Friday 9th June  2017)
       1. Roger Waters / is this the life we really wants? *
       2. KISS / KISSWORLD *
       3. SikTh / The Future In Whose Eyes *   
              ↓    
      
5.Pink Floyd / The Dark Side of The Moon
     15.Pink Floyd / The WAll
     21.Pink Floyd / Wish You Where Here
     38.Pink Floyd / Animals

          *印: 新登場,   Top40に恐ろしいですね、Roger Waters と Pink Floyd で
           5アルバムがチャート・インしています。

(視聴)

1  “Picture That”

2   “The Last Refugee”

“Smell The Roses”

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2017年5月30日 (火)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「the US + THEM Tour」 スタート

相変わらずのバック映像が圧巻~ニュー・アルバムからも5曲

Roger Watersの北米ツアー「The US + THEM Tour」

 ”Creative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才)”と言われるロジャー・ウォータースのライブ・ツアー。今回は、昨年来のトランプ批判、そして彼のニュー・アルバムの社会問題意識をバックにした社会に訴える色彩が強い。
 この5月26日、Cansas Cityの Sprint Center からスタートした。これから延々と10月まで各地で演奏される。いやはや70歳を超えたウォーターズのエネルギッシュなステージには驚きだ。それには社会問題への彼の意志があるからこそ出来ることのようにも思う。

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 ツアー・メンバーは、「The Wall Tour」からのDave 'Killer' Kilminster (guitar)、Jon Carin ( keyboards & guitar)の二人と、昨年の「Desert Trip 2016」からはIan Ritchie (saxophone)と、 女性Vocals のLucius (Jess Wolfe & Holly Laessig)である。特にJon Carinのバックで果たす役割も大きいと思う。
 そしてそれに 新メンバーとしてアメリカン・ミュージシャンJonathan Wilson を代表に4人が加わっての10人バンド。この辺りが、新風を吹き込んでいる。今やウォーターズはアクターではあるが、ディレクターとしての才能をも大いに発揮している。下記のような構成で相変わらず豪勢そのもの。

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Roger Waters - bass, Guitar and Vocals
Joey Waronker - drums
Jonathan Wilson - guitar and vocals
Gus Seyffert - guitar and bass
Dave 'Killer' Kilminster - guitar
Drew Erickson - Hammond organ and piano
Lucius (Jess Wolfe & Holly Laessig) - vocals
Ian Ritchie - saxophone
Jon Carin - keyboards & guitar

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 Setlistは、ピンク・フロイド・アルバム「狂気」「炎」「アニマルズ」「ザ・ウォール」が中心というところだが、ロジャー・ウォーターズの6月発売のニュー・アルバム『Is This The Life We Really Want?』から5曲登場。
 相変わらず、さすがアメリカというところで、スケールの大きいライブを展開。
 スタートは”Speak to Me”締めは”Brain Damage ,Eclipse ”。 アンコールは”Vera & Bring The Boys Back Home ”(この曲はJess Wolfe と Holly Laessigの二人の女性とウォーターズの三人でのアコースティック・バージョン)からお決まりの”Comfortably Numb ”という形で以下の通り。

  演奏では、相変わらずの Dave 'Killer' Kilminster のリード・ギターはピンク・フロイドを十分に演ずる。それとギターとヴォーカルで米国組Jonathan Wilsonが健闘、ウォーターズのニュー・アルバムの印象は、このアメリカ組の色彩が結構強く、ウォーターズの新境地も見え隠れする。

18671007_14320909w<Setlist>
Speak to Me (Pink Floyd song)
Breathe (Pink Floyd song)
One of These Days (Pink Floyd song)
Time (Pink Floyd song)
Breathe (Reprise) (Pink Floyd song)
The Great Gig in the Sky (Pink Floyd song)
Welcome to the Machine (Pink Floyd song)
When We Were Young (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
Déjà Vu (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
The Last Refugee (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
Picture That (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
Wish You Were Here (Pink Floyd song)
The Happiest Days of Our Lives (Pink Floyd song)
Another Brick in the Wall Part 2 (Pink Floyd song)
Another Brick in the Wall Part 3 (Pink Floyd song)
Dogs (Pink Floyd song)
Pigs (Three Different Ones) (Pink Floyd song)
Money (Pink Floyd song)
Us and Them (Pink Floyd song)
Smell the Roses  (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
Brain Damage (Pink Floyd song)
Eclipse (Pink Floyd song)

Vera & Bring The Boys Back Home (Pink Floyd song)
Comfortably Numb (Pink Floyd song)

(視聴)
1  Tour Members紹介

2  Picture That (from New Album)

3 Dogs , Pigs

4  Brain Damage,   Eclipse

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2017年5月15日 (月)

スノーウィ・ホワイトSnowy White久々のアルバム「RELEASED」

一つの境地、非常に聴きやすいブルース・ロック

<Blues, Rock>
Snowy White「RELEASED」
Snowy White / Imp. / SWSOLO2016 / 2016


Released

all musics : written by Snowy White
Guitar : Snowy White
All instruments, synths and Programming and vocals : Snowy White

 私の愛するギタリストの一人、スノーウィ・ホワイト(Snowy White =本名Terence Charles White 1948年英国生まれ)のソロ・アルバム。彼ほど実力がありながら、目立たないロック・ギタリストはいないと言ってよいぐらいだ。常に一歩控えめな位置に居り、それだけに奥深さと味の深さを感じ取れる。そんな真摯にして紳士な彼の近作がこれだ。

 とにかくリラックスして聴けるブルース・ロック。今のスノーウィ・ホワイトのギターは激しさはなく、非常に心地よい響きだ。
 近年は、ピンク・フロイド時代からのお付き合いで、ロジャー・ウォーターズのツアーやライブには必ず同行している彼だが、あのウォーターズの足かけ4年に及んだ「The Wall ツアー」をこなし、そして昨年は「Desert Trip 2016」など、とにかく社会に常に打って出るウォーターズを、いつも静かに見守っているかの如くのツアー同行でのギター・サウンドを聴かせてくれている。そんな彼だが、昨年の少々の休みに、多分ふと我に返ってのことと思うが、独自のレーベルでこんなソロ・アルバムをリリースしていた。(彼のバンド・アルバム『REALISTIC』(2011年)、ライブ・アルバム『Live at Rockpalast』(2014年)以来の新作)

(Tracklist)
1.  Opening Peace
2.  The Blues Talking
3.  It's All Down To Me
4.  It's Always Love (That Breaks Your Heart)
5.  Out Of Control
6.  I Know What's Coming
7.  Blue Day
8.  Blues On A Borrowed Guitar
9.  Life Full Of Lonely
10.  Missing..
11.  Wrong Side Of The Tracks
12.  Everything - It's Alright
13.  How Was It For You

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 なんとも優しく聴きやすい彼のエレキ・ギタ-・サウンドや彼の演ずる各種演奏機器(シンセサイザー等)そしてヴォーカルでブルース・ロックを展開するソロ・アルバム。ホワイトは、ギターは殆どフェンダーでなく、ギブソン(レスポール)を使うところが特徴だ。
 M8.”Blues On A Borrowed Guitar”を代表的に、得意のブルース・ギターを十分味合わせてくれる。
 いずれにしても、このアルバムの彼のギター・サウンドは、全体的に非常に角の無い優しさとクリアな音色とで、時に泣きも入って聴く者をして安らげてくれる。
  M9.”Life Full Of Lonely”は、彼の得意な繊細なクリアーにして軽快なギター・サウンドを、このアルバムでは珍しく”The White Flames”のメンバーと共に聴かせてくれ、近年お付き合いのMax Middletonのピアノとの交わりがなかなか洒落ていて味わい深い。
  M.10 ”Missing...”は、ギター・サウンドと曲の流れとが、ちょっとピンク・フロイド風の仕上げ。ところが彼のヴォーカルで全く別物となるが、それは上手いのか下手なのかよく解らない独特のもので、これはホワイトだとすぐ解るもの。

 もともと以前にも取りあげてきたが、彼には3つの世界を持っている。一つは延々と続いてきたシャジィーでブルージィーなロックである「Snowy White & The White Flames」、そして彼のブルースの世界「Snoey White's Blues Agency」や「The Snowy White Blues Project」、それとピンク・フロイド時代からの「ロジャー・ウォーターズとのお付き合い」だ。
 今回のアルバムはそれらから離れての完全のソロ(4曲を除いて)。自己でマルチ楽器をこなしている。私の印象とすれば、まさにウォーターズとのお付き合いの一休みの一時に、心安まる世界を構築したという感じである。
 いやはやホワイトらしい、万人に聴いてもらいたいクリアーで美しく真摯なギター・アルバムである。

(試聴)

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    2017年4月27日 (木)

    ロジャー・ウォーターズRoger Watersニュー・アルバム「Is This The Life We Really Want?」

    社会に訴えるニュー・アルバムリリース間近

     Creative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才(守護神))のロジャー・ウォーターズの『死滅遊戯Amused to Death』(一昨年リニューアル)以来25年ぶりのスタジオ・ニュー・アルバムが6月2日に登場する。これがかなり内容が見えてきましたね。
     

    <Progressive Rock>

    Roger Waters 「Is This The Life We Really Want?」

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    (Members)
    Roger Waters – vocals, acoustic guitar, bass guitar

    Nigel Godrich – keyboards, guitar, sound collages, arrangements
    Gus Seyffert – guitar, keyboards, bass guitar
    Jonathon Wilson – guitar, keyboards
    Roger Manning – keyboards
    Lee Padroni – keyboards
    Joey Waronker – drums
    Jessica Wolfe – vocals
    Holly Proctor – vocals
    Lucius – vocals

     プロデューサーはNigel Godrichか?、アルバムはプロデューサーによって出来の印象が変わるが、彼はどちらかというとプログレ系と言うよりはオルタナティブ・ロックでしょうね。過去の仕事はRadioheadが有名かと思うが・・・・、しかしU2、 Beck、 Paul McCartneyのアルバムに関係している。近年のウォーターズの流れはむしろその線で良かったのかもしれない・・・・・。

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    (Tracklist)

    1. “When We Were Young” 1:38
    2. “Déjà Vu” 4:27
    3. “The Last Refugee” 4:12
    4. “Picture That” 6:47
    5. “Broken Bones” 4:57
    6. “Is This The Life We Really Want?” 5:55
    7. “Bird In A Gale” 5:31
    8. “The Most Beautiful Girl” 6:09
    9. “Smell The Roses” 5:15
    10. “Wait For Her” 4:56
    11. “Oceans Apart” 1:07
    12. “Part Of Me Died” 3:12

    17798911_13831040w このうちM9.”Smell The Roses”は、5分15秒全曲公開された。アコースティック+エレキ・ギターそして乾いたドラムスによる流れの中で、ウォーターズのヴォーカルは、やはり時代を歌いあげていて、中盤からはガラッと変わって、SEをふんだんに含めてプログレ・サウンドが全開、なかなか面白そうだ。
     ここに来て益々世界情勢は不安定化する中で、台頭するナショナリズム(国家主義)、ポピュリズム(人民主義)など不確実性の増した世情の中に生きる我々は、あの第二次世界大戦の反省から築いてきた社会、そしてそこに生活する我々にとって今やこの現実は何か?と問いながら、聴く者に問題意識を訴えているのだろう。彼のコンセプトは一貫している。
     ウォーターズがここに来て現実の嘆きからの創造意欲の高揚があったに違いない。
     リリース前の今、期待しているところである・・・・・・・

    (試聴) .”Smell The Roses”  from New Album

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    2017年2月23日 (木)

    ロジャー・ウォーターズの1992年以来の完全ニュー・アルバム「Is This The Life We Really Want?」

    いよいよ完成か? 近々リリース!!

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      今年は春からの北米を中心としてのピンク・フロイドの新解釈リニューアル版ライブ「US+THEM 2017」(→)で話題のロジャー・ウォーターズ。

     ここに来て、噂のニュー・アルバムが現実化した。

     ロジャー・ウォーターズのロツク完全ニューアルバムとなれば、いやはや1992年『AMUSED TO DEATH 死滅遊戯』以来ですね・・・・ピンク・フロイドの進化=待望の登場です。

              ↓          ↓
    <Progressive Rock>
     Roger Waters
    『Is This The Life We Really Want?』

     アルバム・タイトルからして現代社会への問題提起、社会批判となりそうだ。これぞ彼の真骨頂、ロック魂老いて盛んというところ。まさに『AMUSED TO DEATH 』の続編か?。

     思い起こせば、とにかく1992年『AMUSED TO DEATH 』以来、この25年は長かったが、クラシック・オペラ作品『Ça IRA 希望あれ』とか、「To Kill the child/Leaving Beirut」があったり、印象の強い曲としては”Each Small Candle”、”Hello(I love you)”、”flickering flame”、”Knock'n on heaven's door”、”Song for Palestne” 等々結構味のある曲の披露もあった。   

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    (参考)

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