ピンク・フロイド

2023年7月23日 (日)

ピンク・フロイドの頭脳・ロジャー・ウォーターズ「新『狂気』」10月公開 Roger Waters 「The Dark Side Of The Moon REDUX」

50有余年、ロックと共に戦ってきた男の心のアルバム

<Progressive Rock>

Roger Waters 「The Dark Side Of The Moon REDUX」

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(この動物(犬)の目の中に、あのジャケのプリズムが光を分散している=クリック拡大してみると解る。にくい演出です)

   ロジャー・ウォーターズがロック界きっての名作『狂気 The Dark Side of The Moon』(1973)のオマージュ作品を温めていたが、その公開に踏み切った。この10月にリリースされる。

Rwrockdownsw  コロナ・パンデミックにてすべてが抑制された中での先ごろの話題のロックダウン・セッションThe Lockdown Sessions』(2022 →)としてリリースされたアルバムに納められた曲を、それぞれの過去の曲からアコースティックな雰囲気への削ぎ落とされた曲として録音した時、アルバム『狂気』のリリース50周年が間近に迫っていた。このアルバムは、オリジナル作品へのオマージュとしてだけでなく、アルバム全体の政治的、感情的なメッセージに再び取り組むためにも、同様のリワークの適切な候補になる可能性があると思いついたのだという。

362115349_807288040768w  ウォーターズはこのところの協力者と話し合いリリースに向けて製作にかかることにしたもの。それは彼が言うように、明らかにかけがえのないオリジナルの代替品でなく、それは79歳の男性が29歳の目に映り描いた世界から50年経た今日のその間を振り返り、ウォーターズのトラウマと言うべき幼少時に戦死した父親との対峙であり、私の詩を引用するために、「私たちは最善を尽くし、彼の信頼を保ちました、私たちの父は私たちを誇りに思っていたでしょう」と言う世界である。

 こうした作品のリリースにはD.ギルモアは例のごとく反対したが(もう彼の独占欲はいいかげんにしてほしい)、ピンク・フロイドのスタート時からのメンバーのニック・メイスンは、むしろ当時からの制作目的、心情を知っているがゆえに、その内容に大きな評価をして、ウォーターズ主導であった『狂気』(曲は10曲中8曲にウォーターズがクレジットされており、歌詞は全て彼の当時の心情で書かれている)の半世紀の経った現在の世界をオーバータブして描いたアルバムのリリースに賛同した。このことはリリースに大きな力になったのだ。

 そしてこの10月CD、LP、ストリーム等でリリースされるが、ここに来て現在その中の曲"Money"のみが公開された。(↓)


 これを聴いてみて、やはりこのところウォーターズのライブ『This is not a Drill』(下左)や、彼の国連での発言(下中央)、又ドイツの反ユダヤ主義としての反発事件とそれに対抗しての歓迎キャンペーン(下右)など、相変わらず彼の歩むところ、問題が起きてはいるが、これこそ彼の歩んできた道であり、そのようなミュージシャンとしては異色の行動からの反発に対してもめげずに戦っている80歳を迎える男の生きざまには圧倒される。

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 ロック界においては、いろいろな老け方があるが、レナード・コーエンのような"老紳士の味わい"を前面に出しての世界も素晴らしいが、ウォーターズのように今も「Resist CAPITALISM」、「Resist WAR」、「Resist FASCISM」を掲げて戦い抜いている姿も、これ又人それぞれの道であり、評価に値するところだ。
 10月のニュー・アルバムの内容におそらく彼の80歳男の心情が見えてくると思われるが、これは過去の名作『狂気』とは全く別の観点で描くところのモノであって、ニック・メイスンも共感した時代を見つめてきたロック活動家の姿をここに味わいたいと思うのである。

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2023年6月23日 (金)

ロジャー・ウォーターズ 2023欧州ライブ プロショット映像版 Roger Waters 「THIS IS NOT A DRILL - LIVE FROM PRAGUE 2023」

デストピアを描き、反戦・原爆廃止・人権擁護を訴える"フェアウェル・コンサート"

<Progressive Rock>

Roger Waters 「THIS IS NOT A DRILL - LIVE FROM PRAGUE 2023」
Complete Live Broadcast HD BluRay Edition
Live at O2 Arena, Prague, Czechia, 25th May 2023

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NTSC Full HD 1920 x 1080p Linear PCM Stereo + Dolby 5.1 Surround Total Duration 171min.

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Roger Waters – Vocals, Guitar, Bass
Gus Seyffert – Bass, Synth, Vocals
Joey Waronker – Drums
Dave Kilminster – Guitar
Jonathan Wilson – Guitar and Vocals
Jon Carin – Synth, Vocals, Guitar
Shanay Johnson – Vocals
Amanda Belair – Vocals
Robert Walter – Keyboards
Seamus Blake - Sax

 2022の北米ツアーでスタートしたピンク・フロイドの頭脳と言われるロジャー・ウォーターズの「THIS IS NOT A DRILL」が今年の欧州ツアーが追加され、既に各地を回っているが、この5月チェコ・プラハでの公演がプロショット映像でLinear PCM Stereo + Dolby5.1SurroundのBlue-Ray版が手に入る。
 これは全世界の劇場に生配信されたプラハ公演(上左)で、フルHDのプロショット映像の為圧巻である。
 このツアーは、間もなく80歳になろうとしている彼の「farewell Live 別れのライブ(第1章?)」ということもあってか各地で盛り上がっている。相変わらず斬新な方法論を示すライブ会場、ステージは会場の中央に設置され、その上には全方向からみれるスクリーン、そして例のごとく豚が宙を舞い、その上に今回は羊も会場の頭上を旋回する。

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 このライブは相変わらずの彼の政治思想の色づけが見られる為、ドイツでは騒動が起きた。まずドイツ・フランクフルトで「反ユダヤ主義」の疑いで公演がキャンセルされた。これは彼のイスラエル批判に端を発しているが、世界各地で長年にわたって行ってきた「人権を擁護する活動の一環」であって、エリック・クラプトン等の擁護する署名活動の展開があったり、ウォーターズ自身も「ロジャー・ウォーターズを非難している当局者はイスラエルの違法で不当な政策を批判する行為と反ユダヤ主義を混同するという危険な動きに加わっていることになる」と批判し、訴訟を起こし勝訴している。

Wall1w  更に行われた「ベルリン公演」が物議を醸している。そのことに関してはウォーターズは自分を「黙らせたい」ための「中傷」だとして声明を発表している。彼はベルリン公演でナチスを彷彿とさせる衣装が登場したことから警察の捜査を受けていることが明らかになっている。ベルリン公演ではロジャー・ウォーターズが第二次世界大戦を連想させるような服を着ていた上にホロコーストの犠牲者であるアンネ・フランクの名前もスクリーンに映し出されたことから物議を醸すこととなったのだ。しかし、彼のピンク・フロイド、そしてソロ活動の一連のアルバムにも見るとおり、彼の一貫した政治思想は個人の尊厳であってまずは、人間尊重の「反戦思想」である。

 ウォーターズは、「いかなるものであれ、戦争で人が死ぬことは絶対悪」であるという立場をとる。そしてそれに加え「弱きモノへの弾圧」に抵抗する。これも彼の父親の戦死の悲劇の事実が大きくのしかかっている。戦争のもたらす悲劇に比べたら「妥協による共存がはるかにマシである」ということ。彼が国連での発言に見るように西側、東側という立場でなく、ベルリンの壁崩壊時のゴルバチョフと約束したNATOの不拡大の約束を守らず、ウクライナを戦争に導くのではなくロシアと妥協させて戦争を防止しなかったバイデン大統領も「戦争犯罪者」であると糾弾する。

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 今回のライブにおいても反戦、イスラエル非難、反人権無視、原爆禁止などがテーマと上がってくるためにあらゆるところで物議を醸している。しかし、今回明白になったのは、ロジャー・ウォーターズを擁護するエリック・クラプトン、トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)、ニック・メイスン(ピンク・フロイド)ら多くの一連のミュージシャンによる、フランクフルト公演中止決定を覆すことを求める署名活動も行われ、「ミュージシャンの社会的主張」の存在意義が焦点になったが、法廷での否定は行われなかった。これは結果としてウォーターズ側が勝訴したことになっている。

 そんな話題の多い欧州ツアーは現在も進行中であるが、ピンク・フロイドの黄金時代を象徴するクリエイティブなロジャー・ウォーターズが、一夜限りで、プラハにおけるライブを"初のフェアウェル・ツアー「This Is Not A Drill」"としとて世界中の映画館で一斉に披露した。そしてこのBlu-Ray映像版はそれが原点と思われる。いずれにしても圧巻のサラウンド・サウンドの効果も大きく見ごたえ十分だ。

(Tracklist)
01. Intro 02. Comfortably Numb 03. The Happiest Days of Our Lives 04. Another Brick in the Wall (Part 2) 05. Another Brick in the Wall (Part 3) 06. The Powers That Be 07. The Bravery Of Being Out of Range 08. The Bar 09. Have a Cigar 10. Wish You Were Here 11. Shine On You Crazy Diamond (Parts VI-IX) 12. Sheep 13. Intermission 14. In the Flesh 15. Run Like Hell 16. Stop 17. Déjà Vu 18. Is This the Life We Really Want? 19. Money 20. Us and Them 21. Any Colour You Like 22. Brain Damage 23. Eclipse 24. Two Suns in the Sunset 25. The Bar (Reprise) 26. Outside the Wall N

 いずれにしても彼は反戦を主体とした政治思想をライブで展開することは彼の信条であり、面白いことに、このライブの冒頭に「ピンク・フロイドを愛すが、ロジャー・ウォーターズの政治思想が嫌なら、会場を出てバーにでも行って飲んでいてほしい」とアナウンスしている。

Images_20230716123201    しかし公演前半のスタートM2."Comfortably Numb"のニューバージョンの素晴らしさは、ギター・レスの仕上げでギルモアへのあてつけとともに社会不安を描き、今回のツアー仲間の女性歌手Shanay Johnson(→)のソロの歌声の響き、それは印象的で会場をうならせたのである。
 又M10. Wish You Were Here, M11. Shine On You Crazy Diamond (Parts VI-IX) でのピンク・フロイド結成当時とシド・バレットの思い出には彼の心情が歌い上げられる。今回のアルバム「アニマルズ」からはM12."Sheep"が取り上げられ弱き大衆の反乱を描く。

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 やはり後半に入ると「デストピアDystopia」に焦点は当てられ、発達した機械文明の、否定的・反人間的な側面が描き出され、典型例は反自由的な社会であり、隠れた独裁や横暴な官僚システムなどを批判し訴える。これを描く世界はM18. Is This the Life We Really Want? , M19. Money, M20. Us and Them で頂点に至る。そして最後には、M24. Two Suns in the Sunsetでは原爆の恐ろしさを描いて幕を閉じる。

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 ウォーターズの人生においては、彼のトラウマは「人生一度も話が出来なかった戦死した父親」であって、しかも祖父も同様であったことからの全て「反戦」が基調となって発展している。もう80歳になろうとしている今回の彼の「Farewell Concert」においても一貫してその線は崩れていないし訴え続けている。又"The Bar"の新曲も披露している。

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         (ツアー・メンバー)

 相変わらず、ウォーターズ・ツアー・メンバー(上)のDave Kilminster (Guitar)、Jonathan Wilson (Guitar and Vocals)そしてJon Carin (Synth, Vocals, Guitar)の演奏技術の高さはお見事と言いたい。見ごたえのあるライブだ。

(評価)
□ 曲・演奏・舞台装置 90/100
□ 録音・映像     90/100
(視聴)

*

 

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2022年12月12日 (月)

ロジャー・ウォータース Roger Waters 「The Lockdown Sessions」

コロナ禍にてミュージシャンがリモート集合しての演奏で録音
  (新アルバム・・ストリーミング・サービス・リリース)

<Progressive Rock>

Roger Waters 「The Lockdown Sessions」
Legacy Recordings / 2022

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ROGER WATERS : Vocals,  Guitar,  Piano
"US+THEM Tour"and"This is Not A Drill Tour"Members
Dave Kilminster (g)、Jon Carin (key, g)、Jonathan Wilson (g, vo)、Joey Waronker (d)、Gus Seyffert (b, g)、Robert Walter (org)、Ian Richie (ts)、Bo Koster (Ham)、Lucius(Jess Wolfe, Holly Laessic - vo)、Shanay Johnson (vo)、Amanda Belair (vo)

2022 The copyright in this sound recording is owned by Roger Waters Music Overseas Limited, under exclusive licence to Legacy Recordings, a division of Sony Music Entertainment

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 ピンク・フロイドの"The Creative Genius(創造的才能)"を自負するロジャー・ウォーターズが、ここにストリーミング・サービスにて新アルバムをリリースした。
 このコロナ禍で予定した「This is Not A Drill」ツアーが延期を繰り返していて、ようやく今年北米で実現したところだが(反響が大きく2023年欧州ツアーが追加された)、このロックダウン中2020年から2021年に、彼がツアー・メンバーと連絡を取りつつ、自宅からリモートでつないで新アレンジにて演奏し歌いあった曲がYouTubeで公開していたのであるが、それをここにアルバムとしてリリースした。そして先日紹介した今回の「This is Not A Drill」ツアーのオープニングで公開した曲"Comfartably Numb 2022"のニューバージョンを追加している。
 これは身近にはe-onkyoでは、Hi-Res 音質(flac 48kHz/24bit)でダウンロード出来る為、手に入れたものだ。

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(Tracklist)

1 Mother
2 Two Suns In the Sunset
3 Vera
4 The Gunner's Dream
5 The Bravery of Being Out of Range
6 Comfortably Numb 2022

 ロジャー・ウォーターズはこのようにコメントしている。
 " 僕たちの『US+THEMツアー』は3年に渡って終わった…どのギグでも、ショウの本編を"コンフォタブリー・ナム"で締めくくった後でアンコールをやった。アンコール曲にはいつも"マザー"だ。ツアーの終盤に僕はこう思うようになった、“アンコールを全曲集めたら興味深いアルバムができそうだな”.....そしたらロックダウンになってしまった!、“アンコール”プロジェクトはもう諦めるしかないかと思った時もあったけど…とにかく、この作品集ができた。この最後には"コンフォタブリー・ナム2022"を付け加えた。この愛の輪を締めくくる感嘆符の適切な置き所だと思ってね"

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 もうじき80歳になろうとする彼が精力的な活動をしている。ロックダウン中もツアー・メンバーと連絡を取り合い、リモートによって集まって、それぞれが自分の居場所にて曲を演奏していたのだが、YouTubeでの公開が意外に好評で、ウォーターズはアコーステック・ギターを中心に、時にはピアノも演じてしっとりと歌った曲群だ。

 M1.,  M3., M6.はアルバム「THE WALL」(1979)から、アルバム「THE FINAL CUT」(1983)からはM2., M4.、彼のソロ・アルバム「AMUSED TO DEATH」(1992)から M5.と、相変わらず戦争、社会不安に焦点があり反核を訴える曲が多い。(ウクライナ戦争に関しては、ウクライナ・ゼレンスキー大統領夫人及びプーチン大統領本人に公開書簡を送って話題になった)

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 今回のツアーにおける演奏曲も締めくくりに、問題曲M2." Two Suns In the Sunset"が取り上げられており、彼が一貫して訴えてきた反戦、そして反核の思想はぶれていない。ここでは、夕陽に映える2つの太陽、"風防ガラスが溶けるとともに、僕の涙も蒸発してゆく、後には炭しか残らない・・・灰とダイヤモンド、敵と友人 結局僕らはみな同じなのだ"と、歌い上げ40年間訴え続けている。
 それと関係して余談であるが、私は今回この曲を聴くに付け、彼の大々的ツアー・ライブでは披露していないピンク・フロイドとは別物であるが、映画サウンド・トラック・アルバム「WHEN THE WIND BLOOWS 風が吹くとき」(1986)にある彼の作曲し当時の彼のTHE BLEEDING HEART BANDと演奏した"THE RUSSIAN MISSILE"から"FOLDED FLAGS"までの10曲の中から、歌詞にも意味のある"TOWERS OF FAITH"そして"FOLDED FLAGS"などを、どこかで演奏してほしいと思っているのだが・・・。

 ここでは、M1."Mother"は意味の違う曲だが、これは人気曲で単純にライブのアンコールで彼がソロでよく歌う曲であって、今回も最も早期に披露した。

 いずれにしても、こうして老体にむち打って歌唱の力は落ちたとは言え、訴えを中心に演奏活動も頑張っている彼の姿を見るにつけ、このアルバムにも喝采をしたいと思うのである。

(評価)
□ 曲・演奏  88/100
□ 録音    90/100

(視聴)
"Two suns in the sunset"

*

 

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2022年11月25日 (金)

ロジャー・ウォーターズ Roger Waters 「Comfortably Numb 2022」

ウォーターズの意地の回答
「Comfortably Numb」ニュー・バージョンの登場
暗さと不安と不吉を描く感動の曲に・・・・

<progressive Rock>

Roger Waters 「Comfortably Numb 2022」

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 ロジャー・ウォーターズRoger Waters(1943年生まれ、79歳)は、1979年のピンク・フロイド時代のアルバム『ザ・ウォールTHE WALL』(1979)中の人気曲「Comfortably Numb」の新しいバージョンをリリースした。タイトルは2022年のものとして「Comfortably Numb 2022」となり、アップデートは、オリジナルよりもかなり暗く、描くところ不安と不吉なムードが漂っている。
 これは目下の彼の"別れのショー"としての北米ツアー「This Is Not a Drill」(人気の為、2023年には引き続きヨーロッパでのツアーが3月17日からポルトガルのリスボンで始まり、続いて14か国で40回のショーが追加企画されいている)のオープニングの為に書かれた曲で、話題になっているもの。それをシングルとしてリリースした。(YouTubeにて公開中 ↓)

 「コロナ禍で予定されたツアーが中止となり(今年ようやく2年越しにスタートした)、そのパンデミック下に新しいショーのオープニングとして「Comfortably Numb」の新しいバージョンのデモを作成しました」とR.ウォーターズはニューリリースに関し述べ、「イ短調で、暗くするために一歩下がって、ソロなしでアレンジしました。アウトロのコードシーケンスを除いて、私たちの新しい歌手の1人であるシャネイ・ジョンソンShanay Johnsonによる話題になるほど美しい女性ボーカルソロがあります」と付け加えている。
 成程、彼らしい曲の展開で、現在の世界情勢が破滅に向かう事に対しての警告となっている。

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  ライブ・メンバーの10人のミュージシャンが「Comfortably Numb 2022」の作成に貢献し、ストリングス、パーカッション、ベース、ギターなどを提供し、ウォーターズ自身はトラックを共同プロデュースし、ボーカルも担当した(↑)。

Credits:
Produced by Roger Waters and Gus Seyffert
Roger Waters – Vocals
Gus Seyffert – Bass, Synth, Percussion, Vocals
Joey Waronker – Drums
Dave Kilminster – Vocals
Jonathan Wilson – Harmonium, Synth, Guitar and Vocals
Jon Carin – Synth, Vocals
Shanay Johnson – Vocals
Amanda Belair – Vocals
Robert Walter – Organ/Piano
Nigel Godrich – Strings, amp and backing vocals from Roger Waters ‘The Wall’ Sessions.
Video produced and directed by Sean Evans.

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 もともと1979年のアルバム『The Wall』は、ピンク・フロイドものといっても、中身はロジャー・ウォーターズの自伝にもとづいて彼主導で作成されもので、ロック・オペラとも言えるところもあっての人気アルバムだが、その中の人気曲「Another Brick In The Wall 」は当時、子供の教育問題を歌い上げ、しかも子供のコーラス入りという事で、ご本家英国では発売禁止にもなった話題アルバムだ。
 そしてその中の「Comfortably Numb」(作詞:Roger Waters, 作曲David Gilmour,Roger Waters)は、ピンク・フロイドの有名な曲の1つである。その歌詞は、肝炎に苦しんでいた時のR.ウォーターズがステージに上がる前に精神安定剤を注射された1977年の事件に触発されている。「それは私の人生で最長の2時間でした」と彼は後にローリングストーンに語った。「腕を上げることがほとんどできないときにショーをやろうとしている」といった状況だったようだ。

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 さて、このニュー・バージョンの注目点は、もともとこの曲の人気はR.ウォータースの語り利かすようなヴォーカルと不安なベース音、そしてD.ギルモアの現実の世界から離れる感覚へ誘うギター・ソロが大きな因子であった。そしてR.ウォーターズがピンク・フロイドから離れたあと、多くのファンの期待から「ライブ8」に際して一時的再結成した際の最後のメンバー4人によるショーの締めくくりにも演じられた貴重な曲でもある。
 しかし、その後のファンの期待があってもピンク・フロイドの再結成の夢も実現せず、R.ウォーターズからは彼自身のライブにてD.ギルモアを呼んで、この曲を演じさせたりなどしたが、D.ギルモア側のピンク・フロイド名義の企業的独占欲が強く、もう40年という経過を経ても再結成は実現できないで来た。
  しかもなんとここに来て、ピンク・フロイド再起の一つのターニング・ポイントとなった1977年のアルバム『ANIMALS』のリマスター版の発売に関して、英国ミュージック・ジャーナ・リストのマーク・ブレイクMark Blake(ピンク・フロイド研究に実績と評価がある)の書いたライナー・ノーツ(どうしてもR.ウォーターズの功績が浮き彫りになってしまう)をD.ギルモアが拒否して発売もままならない状況になるという不祥事が起きるなどして、R.ウォーターズは諸々に不信感を持ちそれが極限に達してしまった。

 そんな時に書かれたこの「Comfortable Numb 2022」は、R.ウォーターズの人気曲を使っての"無言の回答"である。人気のあったD.ギルモアのギター・パーツをすぱっと削除して、R.ウォーターズの得意の社会の不安、人間の不安を描ききった。しかもそこには全く異なったメロディーで美しい女性ヴォーカルを聴かせ、今回のツアーにおける冒頭の曲として登場させ、多くの喝采を得たのである。そして曲に対する多くの要望で、なんとここにシングル・リリースとなった。
 ここにて彼は完全にD.ギルモアを切ったのである。そしてそれが彼の「Farewell Tour」として演じられているのだ。

(評価)
□ 編曲・演奏 : 90/100
□   録音           : 87/100  

(LIVE視聴)

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2022年9月20日 (火)

ピンク・フロイド Pink Floyd  「Animals 2018 Remix」

「ライナー・ノーツ騒動」経てようやく発売・・・・
5.1サラウンド・ミックス、ステレオ・ミックスHi-Res盤 など各種

<Progressive Rock>

Pink Floyd  「Animals 2018 Remix」
①Sony Music Japan / JPN /SICP-6480
②e-onkyo /Hi-Res flac  192kHz/24bit
③Blue-ray audio : 5.1 surround

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(BLUE-RAY AUDIO)
2018 Remix - Stereo: 24-bit/192kHz Uncompressed, dts-HD MA
2018 Remix - 5.1 Surround: 24-bit/96kHz Uncompressed, dts-HD MA
1977 Original Stereo: 24-bit/192kHz Uncompressed, dts-HD MA

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(Tracklist)

1.Pigs on the Wing 翼を持った豚(Part One)
2.Dogs 犬
3.Pigs 豚(Three Different Ones)
4.Sheep 羊
5.Pigs on the Wing 翼を持った豚(Part Two)

F78645b2368a27911afd2d24cw   ピンク・フロイドの第4期スタートとなったロジャー・ウォーターズ主導で制作された1977年発売のコンセプトアルバム『Animals』の2018年リミックス盤が、なんだかんだとすったもんだしてようやくリリースされた。ジェームス・ガスリーによってオリジナルマスターテープからのリミックスだが、特に最近「Pink Floyd権」を持つD.ギルモアとその一派(敢えて一派というのは、まさしくロジャー・ウォーターズがいみじくも歌ったアルバム『炎』の曲"Welcome To The Machinようこそマシーンへ"で批判した音楽産業の営利独占主義そのものになってしまっているギルモアの女房で実業家のpolly samson主導のアメリカ流商業主義の組織である)のマーク・ブレイクMark Blake(英国ミュージック・ジャーナリスト)がこのリミックス盤の為に書いたライナー・ノーツを拒否するというみっともない独占欲の抵抗で、遅れに遅れてここに日の目を見た。・・・これに関しては既に詳しくここ記したところである(参照:"2021.7.4「Pink floyd 「Animals」(5.1Surround)」リリースか")

  これも話題になったロジャー・ウォーターズの発想でバターシー発電所に豚が飛ぶ象徴的なアートワークも、ヒプノシスの元メンバーでもあったアートデザイナー、オーブリー・パウエルによって元画(↓参照)を生かして一新、上のように現代風に衣替え(初めて見たときは、これは現代調で良いと思ったが、比較してみると1977年のオリジナル・デザインの方が、やっぱりいいですね)。ここに 発売45周年、またバンドのデビュー55周年を迎えた2022年ついにピンク・フロイドの歴史的問題作が一新リリースとなったのである。

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 この『Animals』は、人間の世界を動物に置き換えながら社会問題を痛烈に批判したコンセプトのプログレッシブ・ヘビー・ロック・アルバム。
 又この1970年代半ばは、英国において特に社会不安高まった時代だった。ロック界はプログレッシブ・ロックの波が最高潮を迎え、その結果形骸化、AOR化という流れは否定できず、それに反応してのパンクの波の襲来は、イエス、キング・クリムゾンなどの巨星をも撃沈し、当然恐竜と化したピンクロフロイドにも向かった。確かにピンク・フロイドもアルバム『炎』の内向き傾向から方向性を失いつつあった中で、この刺激こそ眠っていたロジャー・ウォーターズの眼を覚ましたのである。そして彼は自身の目論見の為にはアルバム制作にマイナスの者の締め出しも行った。これはこのバンドの頂点への一歩であったと同時に、ある意味悲劇の始まりでもある。

 とにかくこの英国社会不安は、当時労働組合と労働党政府の間での断絶、ストライキの発生、経済不安は頂点に達し、スポーツでもサッカーは衝突の場となり、街にも暴力が増えパンクとスキンヘッドの連中により扇動された不安社会が動き、一方右翼の台頭は人種問題にまで発展していた。こんな時にウォーターズの世界観が動かないはずはない。そしてピンク・フロイドは宇宙的浮遊的快いサウンドから、ウォーターズは新しいサウンドの試みを展開し、ウォーターズの歌詞にも誘導され、ギルモアもそのキター・ワークはヘビーな展開を見せたのだ。ただ一人リック・ライトの色は消え、彼の協力も薄くなりクレジットから消えてしまっている。
 このフロイドの新時代が・・・彼らの歴史の中でも最高潮の4期の開幕となったのである。

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 こんな事態背景の中でのロック界、ピンク・フロイドは消滅に向かうだろうという見方がなされ、代わりにセックス・ピストルズのようなバンドに方向は向いていた。しかしこのアルバムの登場は、ミュージック評論家はこぞってネガティブ反応とフロイド・ミュージックの変化に批判を集中させたが、しかし事態はそれに反して、ピンク・フロイド熱は更に上昇し、各地でのライブは異常な熱気の中で成功をおさめ、パンクからの支持まで生まれ、ロック市場では圧倒的支持を得たのである。更にバンドには当時ウォーターズの要請でスノーウィ・ホワイトがサポート・ギタリストとして加わってツイン・ギターのスタイルでこれも好評だった。

 このアルバムの中身は長編"Dogs犬", "Pigs豚(Three differrent ones)" 、"sheep羊"3曲と、ウォーターズのソロ"Pigs on The Wing翼を持った豚 part1,part2"によって成り立っているが、一曲はウォーターズとギルモアの共作だが、その他は全てウォーターズの曲、そして作詞は全てウォーターズであり、"支配階級"(豚の社会構造連鎖の頂点に金と権力で太る存在)、"権力者"(ビジネスのボスたる犬)、"従順な羊"を描き社会の三構造に痛烈な批判をする(しかし、よく聴いてみると一般に言われるようなそんな単純でないところにウォーターズの意図は隠されている。社会の疎外と残酷さが暗くのしかかってくるし、羊の犬に対しての逆襲をも示唆している)、なんと冒頭と最後の曲"翼を持った豚"は、対照的に非常に優しい歌でウォーターズのロマンスの相手キャロライン・クリスティーに捧げているという芸達者だ。

 こうしてロック・ミュージックは、その時代の社会に根差したものとしての市民権の獲得に根拠を回復し、ピンク・フロイドはウォ-ターズ主導の社会派転換によって更に基盤は確実なものに築き上げられた。続く『The Wall』、『Final Cut』と他の追従を許さない世界の構築がなされるのだ。しかしこれが又ピンク・フロイドにとっての一つの悲劇ともなった。

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 今回は、当然私はリミックス盤として、「BLUE-RAY AUDIO」盤を手に入れたが、ここには「2018REMIX」の①5.1Surround 24bit/96kHz と、②Stereo 24bit/192KHz が収録されている。又e-onkyoからHi-Res192kHz/24bitもダウン・ロードして聴いているが、しかし今回のREMIXは、宣伝にあるほどの大きな変化はない。従って5.1Surroundがお勧めである。しかしこのSurroundも昔のもののような著名な音の分離はなく、比較的前面に音を集めていて聴きやすく作られている。そんな訳で、面白さという点では少々期待を裏切っていた。
 目下80歳を目の前にしているウォーターズは北米ツアー「This is not a Drill」を展開して、相変わらず社会問題としての訴えを続けている。そしてそこには今回はこのアルバムからの"Sheep"を演じているのだ。彼は過去のどのツアーにおいてもこの『Animals』からは必ず一曲は演じ、特に"Bigs"によるトランプ前米国大統領批判はインパクトを残している。

(評価)
Remix効果  :   80/100
Surround効果 :  70/100

(参考試聴)

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2022年8月 6日 (土)

ピンク・フロイド Pink Floyd 「HEY HEY RISE UP」

ウクライナ支援のために・・・・

<Progressive Rock>

(CD Single) Pink Floyd 「HEY HEY RISE UP」
Sony Music Japan international / JPN / SICP6479 / 2022

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Pink Floyd (David Gilmour, Nick Mason, G.Pratt, N.Sawhney)
Andriy Khlyvnyuk (Boombox)

(Tracklist)
01. Hey Hey Rise Up
02. A Great Day for Freedom 2022

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 ピンク・フロイドが、ウクライナの人々を支援するための新曲「HEY HEY RISE UP」が限定CDシングルで発売。収益はウクライナ人道支援募金へ寄付されるとのことだ。7インチは日本のみClear Vinyl仕様となっているらしい。

Subbuzz159816477w   事の始まりは、ピンク・フロイドのデイヴィッド・ギルモアは、息子のチャーリーと結婚しているウクライナ人アーティストのヤニナ・ペダンから、2015年に知ったウクライナの歌手アンドリー・クリヴニュクAndriy Khlyvnyuk(ウクライナのロック・グループBoomboxのメンバー →)のインスタグラムの投稿を見せられ、ロシア・ウクライナ戦争でウクライナを支援する何かを録音するよう促された。そこで彼はニック・メイソンに連絡を取り活動を提案したことによるようだ。
 ピンク・フロイドはもうここ数年間活動しておらず、ギルモア自身もはバンドが再結成しないと何度か言っていた。しかし、この戦争に対して身内の中からも訴えが出てきたことから、腰を上げたようだ(再結成と行っても相変わらずロジャー・ウォータースとの関係はない)。このインスタグラムの投稿内容は、A.クリヴニュクのウクラエル軍に所属してのウクライナ国歌をキエフのソフィア広場で、聖ソフィア大聖堂の鐘楼を背景にして歌うパフォーマンスを動画で撮影したものだった。

 今回のこのCDシングルには、一曲の新曲M1. "Hey Hey Rise Up"が収録されている。そしてこの曲にはA.クリヴニュクのインスタグラムの投稿から、キーウのソフィア広場で歌う彼の声を使用。彼の歌う「ああ、草原の赤きガマズミよ(英題:Oh, The Red Viburnum In The Meadow)」が使われている。従って彼とD.ギルモアらは一緒に録音していない。この曲は第1次世界大戦中に書かれたもので、ウクライナの抗議のフォーク・ソングであって、同国がロシアから侵攻されてからウクライナの人々を鼓舞すべく世界各地で歌われてきたもの。そしてピンク・フロイドのこの曲のタイトルは、この曲の歌詞「さあ、立ち上がろう、勝利の喜びを(HEY HEY RISE UP and rejoice)」からきているものである。
  この曲のアートは、キューバ人芸術家のヨサン・レオン(Yosan Leon)の描いたウクライナの国花ヒマワリの絵が使われている。

  ニック・メイスンは立場上、呼ばれただけで曲の作成にどんな役割をしているかは全く不明だが、A.クリヴニュクの如何にもウクライナらしい国の曲が高らかに歌い上げられ、それを支えるべくギルモアの泣きのギターが入るパターンだ。悪くない。
 D.ギルモアとA.クリヴニュクの関係というと、2015年のロンドンで行われたベラルーシ人民の支援コンサートで一緒になるはずが実らなかった事件がそもそもスタートらしい。

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 もともと今回のCDシングル・リリースの件は、D.ギルモアの身内にたまたまウクライナ人がいて、ウクライナ支援という戦争に対しての反応のようであるが、不思議に思うのは、かって彼はピンク・フロイドの「創造的才能」と言われるR.ウォーターズの反戦運動、そして戦争に導かれる社会的・政治的問題、それらに対するコンセプト・アルバム作成には、D.ギルモア自身は"ミュージック至上主義"で、そのような曲作りや演奏にはリック・ライトと共に反対してきた経過があるが、今にしてこうした反応は、いかなるものかと疑問が湧いてくる。

000000038566_k63sw ウクライナ支援は決して悪いこととは思わないが、そこにある根本的な民族的、社会的問題に相対してゆかねばどこか形だけのものに見えてきてしまう。R.ウォーターズがアルバム『ANIMALS』から『THE WALL』『THE FINAL CUT』で訴えてきた事、そして彼はバンド内での協力が得られなくなり孤立し脱退することになった。そしてそれ以後のギルモア主導のピンク・フロイドとは何であったのかと、今更にして疑問も残る事ではある。最後のアルバム『The Endless River』で終わっていた方がD.ギルモアらしかったと言えるような気がする。

 又D.ギルモアは「R.ライトが死亡してのピンク・フロイドはあり得ない」と、ピンク・フロイドを終わらせた。しかし、今回このシングルをリリースしたことに関しては、かってのライトのいたころの曲をつけて辻褄(つじつま)を合わせている。そして更に今回発売にようやく至ったアルバム『ANIMALS』リマスター版に対しても、その時代の背景、政策に至る経過のライナー・ノーツをつけるのを反対したりと、R.ウォーターズにしてみれば納得できないことなんだろうとも想像できる。

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 R.ウォーターズは、D.ギルモアは結構お人好しなんだと言い、アルバム『The Final Cut』制作においても彼一人協力してくれたと感謝している。そしてR.ウォーターズの過去の大々的なライブにも顔出し出演を誘ってきた。しかし人間関係はそれを取り巻く人々によってゆがめられて行ってしまう事も多い。今のピンク・フロイド・サイドは商業的営利主義が旺盛で(特にギルモアの作品の歌詞を殆ど書いている出版業界から始まった商業感覚の旺盛な米国人の女房のポリー・サムソンPolly Samsonの影響が大きいようだ)、そんなことで、R.ウォーターズの反発も大きい。そしてその波に乗らざるを得なくなっているD.ギルモアも、被害者なのかもしれない。R.ウォーターズがかって曲"Welcome To The Machine"で訴えた現実がここにもあるようだ。
 
(評価)
□ 曲・演奏  88/100
□ 録音    85/100
(視聴)

 

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2022年7月23日 (土)

ロジャー・ウォータース Roger Waters 大規模ツアー「This Is Not a Drill」開始

ピンク・フロイドのCREATIVE GENIUS(創造的才能)の
面目躍如の世界 
 --  初めての別れのツアーの開始 -- (その1)
           

<Progressive Rock>
Roger Waters :「This Is Not a Drill」- 2022Tour

 ロジャー・ウォーターズがこの7月6日、ペンシルヴェニア州ピッツバーグのPPGペインツ・アリーナで公演を行ない、4年ぶりの北米ツアー「This Is Not a Drill」が幕を開けた。

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 もうじき80歳を迎える彼にとって、おそらく最後の大規模ツアーであろうと見られているが、今年いっぱい北米中心に行われる。そんなことの為か、会場でのスタートに当たってのアナウンスが会場スクリーンに映し出されるテキストと共に流れる。いやはや彼独特の皮肉も込められたアナウンスだ。

 If You're one of those " I Love Pink Floyd, but I can't stand Roger's Politics " people, You might do well to fuck off the bar right now.
    (あなたが「ピンク・フロイドは大好きだけど、ロジャーの政治に耐えられない」人の一人なら、今すぐバーにファックオフするのが良いかもしれません)

 これには、冒頭からファンも度肝を抜かれつつ熱狂的な拍手とロジャーの期待道理のブーイングすらも寄せられた。彼のメッセージが大々的なショーでの歓声となんと嘲笑でも満たされるのは一つのマジックでもあり、又ロジャーの総決算的心の開示でもある。こんなところがロジャーにしかないロックの歴史に残してきた世界でもあり、又それが彼に対しての狂信的なファンを生んで来た所以である。

 こうして彼の総決算とも言える異色のステージがオープンする。
 それを物語るのが、冒頭の曲"Comfortly Numb"だが、これがなんと驚きの新編曲での展開だった。そこには、より暗く深く沈み込むアレンジによりバックスクリーンに描かれるは、荒廃した都市景観が描かれ、その風景を通り抜ける無表情・無感覚な人々の地上の崩壊の黙示録的な情景。こんな叙事詩的であり非常に暗示的な世界を描きつつスタートするのだ。そしてなんとこの曲の有名なギターソロを放棄し、非常に深遠にして重厚感ある音空間を広げるのだ。普通なら圧倒的なバンド演奏で迫ってのライブ・スタートとなるのだが、今回は見事に裏切り、深遠な響きと視覚と聴覚の霧のような霞んだ世界を作り出すことによって、それは群衆を一つの奥深い世界に誘い、神経を集中させる手法をとった。

 

 いままでの、ツアーに見られた彼の意識や信条、社会批判、反戦の世界を描くものとしての位置づけは更に濃密になっている。その上に最近繰り広げられた1977年のアルバム『ANIMALSアニマルズ』のデラックス・リイッシューに関して起きたロジャーとデヴィッド・ギルモアとの騒動、ここに書かれた貴重なアニマルズ誕生の秘話のマーク・ブレイクMark Blakeのライナーノーツにギルモアが反発したことを知ってのロジャーの不信感の爆発、その結果の一つがこのギルモアのギター・ソロを無視した曲の編曲がなされた一つの所以でもある。そして一方、曲というのは造りようによっては、どんな変化をもたらすか、そこに訴えるものは何か、そしてもたらす効果は何なのかをここに示したのである。1977年が2022年に通ずるというこのあたりがトリックの得意なロジャーのなせる業だ。

 ピンク・フロイドがアルバム『THE DARK SIDE OF THE MOON 狂気』『WISH YOU WERE HERE 炎』で、プログレッシブ・ロックの頂点に立ったときに、これらをAORとして否定する社会派ロック運動の一つであったパンク・ムーブントへの回答として、ロジャーが作り出したアルバム『ANIMALS』の世界観であったことの暴露は、あまりにもロジャーの偉業が大きすぎるために、ピンク・フロイドを名乗っているにも関わらず、影に隠れてしまうことを嫌ったギルモアの抵抗でもあった。この事のあまりの馬鹿馬鹿しさにロジャーおよびニック・メイスンはこのライナー・ノーツの掲載に関してはやむを得ないものとして折れて載せることを止めることを認めたわけだが、そんな「歴史的社会現象の中から生まれてくるロック・ミュージックの流れ」を現代の若者に伝えたいという作業は、「単なるミュージック」として捉えるギルモアの思惑で消えることになった。ロジャーにしてみれば、ロックのロックたる所以は音楽であると同時に訴えであることが重要と考えているためだ。これがこの9月リリース予定のリイッシュー・リマスター・アルバム『ANIMALS』騒動であった。

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 今回のライブでも、アルバム『ANIMALS』から曲"Sheep"を登場させている。前回の「US+THEM Tour」では曲"Big"、"Dog"を登場させ、トランプ批判を展開したが、今回もこのアルバムでの社会批判はロジャーにとっては後期ピンク・フロイド・ミュージックの魂でもあることによっている。これがあのアルバム『THE WALL』にもつながるのであるから。このあたりが、彼が"Creative Genius of Pink Floyd"(ピンク・フロイドの創造的才能)と言われる所以でもある。

 (参考)この「アニマルズ」の誕生の背景には、英国の産業競争、経済混乱、北アイルランド問題、人種問題・暴動などの時代があり、アルバム・コンセプトがロジャーにより造られ(1曲のみ共作で、残る4曲はロジャーによるもので、すべての歌詞もロジャー作だ)、「羊」が経済的優位に立つ専制的な「豚」とインテリに代表される権威主義的な「犬」に仕えるという動物を擬人化しての"悪循環に陥った人類・社会の描写とその問題と批判"に集中したものである。

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■Roger Waters, PPG Paints Arena, Pittsburgh, PA, July 6, 2022, Setlist
-Set 1-
1. Comfortably Numb
2. The Happiest Days of Our Lives
3. Another Brick in the Wall, Part 2
4. Another Brick in the Wall, Part 3
5. The Powers That Be
6. The Bravery of Being Out of Range
7. The Bar
8. Have a Cigar
9. Wish You Were Here
10. Shine On You Crazy Diamond(Parts VI-IX)
11. Sheep
-Set 2-
12. In the Flesh
13. Run Like Hell
14. Déjà Vu
15. Is This the Life We Really Want?
16. Money
17. Us and Them
18. Any Colour You Like
19. Brain Damage
20. Eclipse
21. Two Suns in the Sunset
22. The Bar(Reprise)
23. Outside the Wall

 今回は、ピンク・フロイド曲は当然だが、ロジャーのソロ・アルバムから5曲登場し、更に新曲"The Bar"が演じられている。バンド・メンバーは若干の変動はあるがギタリストのジョナサン・ウィルソンとデイヴ・キルミンスター、ギタリスト/ベーシストのガス・セイファート、キーボーディスト/ギタリストのジョン・キャリンあたりは常連で変わっていない。又このところ時々見られるロジャーのピアノの演奏が初めてツアー・ライブに登場した。

(Band members)
Roger Waters (b, g, piano, vo)
Dave Kilminster (g)
Jon Carin (key, g)
Jonathan Wilson (g, vo)
Joey Waronker (d)
Gus Seyffert (b, g)
Robert Walter (org)
Amanda Belair (vo)
Shanay Johnson (vo)
Seamus Blake (ts)

Remasteranimalsw  ちょうどこのツアーと期を一にして、2018年ジェームズ・ガスリーによるピンク・フロイド・アルバム『ANIMALS』の新しいミックスが完成し、当アルバム史上初の5.1サラウンド・サウンド・ミックスも登場する。パンデミック下であったことと、ロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの絶え間ない口論の間で(問題のライナー・ノーツを書いたピンク・フロイド研究で評価の高いマーク・ブレイクにしてみれば、内容の真実に対してのギルモアの拒否行動にはあきれると同時に空しかったようだ)、実際に発売までには時間がかかったが、ついにこの9月16日にさまざまなエディションで発売されることとなった。これも考えてみると奇遇である。

 今回のこのツアーは、ロジャーの"初めての別れのツアー"と言われている。彼が、祖父そして父親の戦死よりの孤独な幼少期から始まっての社会への疑惑、国家的教育の不信、世界の紛争、戦争、貧困、人種問題などなど社会に疑問の人生から生まれたロック・ミュージックに生きて、ここに80歳を迎えようとして、今なお訴えるロック魂を失われずいるのが不思議なくらいだが、ここに別れのツアーを開始したのだ。

(試聴)

 

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2021年12月 1日 (水)

箱根アフロディーテ50周年記念の年として・・ピンク・フロイド

ピンク・フロイド Pink Floyd
アルバム「原子心母」の再発と1971年来日映像、更に「完全記録盤」の出現

  今年も最後の12月を迎えました。コロナ禍ということで日本始め世界の全てが抑制され、日本で華々しく行われるはずであった「オリンピック」「パラリンピック」も無観客開催という異例の盛り上がらないものとして終わった。
 音楽界も大々的なライブ活動や、落ち着いた小さな会場でのライブも中止されて例の無い低調な年でもあった。

 思い起こすと、ロックが社会を動かしていた時代に、初来日で話題になった伝説の「ピンク・フロイドの箱根アフロディーテ・ライブ」が行われて50年、そんな記念の年でもあった。従って日本でも記念的動きがあった中でのピンク・フロイド記念アルバムのリリースもあったので、日本企画で「箱根アフロディーテ」の映像盤とアルバム「原子心母」の再発が行われた。ちょっと時間が経ったが、年末も近くなったので今年の記念行事みたいなものなので、ここに取上げておく。

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<Progressive Rock>

Pink Floyd 「Atom Heart Mother」
Sony Music Entertainment / JPN / SICP-6396-7 / 2021

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<CD>
1.Atom Heart Mother
2.If
3.Summer'68
4.Fat Old Sun
5.Alan's Psychedelic Breakfast

<Blu-ray>
1.Hakine Aphrodite Festival,1971
2.Scott & Watt

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 CDは、アルバム『Atom Heart Mother 原子心母』そのものである。このアルバムは1970年10月のリリースで、来日の前年である。従つて来日ライブの曲目としては、当然メインのものとなるが、そもそもこのアルバムは、所謂ロックの分野で"Progressive Rock"といわれるものが提唱された記念的アルバムで、これ以降キング・クリムゾン、イエスなども"プログレ"といわれる世界に評価されるようになったものだ。
 このプログレというものは、日本盤アルバムの帯に「ピンク・フロイドの道はプログレッシブ・ロックの道なり!」と書かれたことが有名で、意外に日本において世界のロックの区分けをする草分けになったととも言われていて、そんな意味でも記念的アルバムである。今回はその再発であるが、音質はそれなりに改善している(2011年リマスターしたものかとも思われる)。

 Blu-rayは、伝説の箱根アフロディーテのライブ映像版だが、内容はかなりお粗末。当時放送されたものの映像を手を加えて見やすく改善されているが、特に新鮮なところは無い。かって我々が見てきたものと大差は無い。来日の羽田空港からの映像など、これもかって見たものである。ロジャーが女房のジュディ・トリムと仲良くしているところが印象的だ。
 その他、3分ほどのものだが、ピンク・フロイドのクルーを追いかけたB-Roll映像が新発見され、ホテルから機材を積んでトラックで運び、現地で前日の大雨で泥濘にはまった機材車をブルドーザーが引っ張っている様子など、短いながらも当時の会場設営の苦労風景を見ることのできるという、貴重と言えば貴重な映像が付け加えられている。

 いずれにしても、しかし6600円で大騒ぎして売るほどのものでは無いと思った次第。

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█ 
 さて、話題を変えて、その箱根アフロディーテのライブは、映像は極めて少なくもうこれ以上は出てこないと思われるが、ライブ音源記録も実はなかなかパーフェクトなものも無く、なんと当日の演奏のセットリストも寧ろ謎になっていたところもある。しかし、ここに来てSigmaから貴重盤が出ているのでこちらを紹介する。
 上の記念盤の映像を見ておいて、こちらはブートではあるが、アフロディーテのパーフェクト音源収録盤として聴くこと出来る。それには良好の記録を選りすぐって編集して完全なライブ記録に仕上げたもので、全貌を知ることが出来るという寧ろこれこそ貴重盤だ。

<Progressive Rock>

PIMK FLOYD 「HAKINE APHRODITE 1971 2ND NIGHT」-50TH ANNIVERSARY-
Sigma 283 / 2021

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HAKONE Aphrodite, Hakone, Japan 7th Augast 1971 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)

Disc 1 (65:51)1. The Circle Game (Buffy Sainte-Marie)
2. Soundcheck / Announcement
3. Atom Heart Mother 
4. Soundcheck
5. Green Is The Colour
6. Careful With That Axe, Eugene 
7. Soundcheck 
8. Echoes

Disc 2 (43:55) 
1. Soundcheck 
2. Set The Controls For The Heart Of The Sun 
3. A Saucerful Of Secrets
4. Soundcheck
5. Cymbaline

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 これまでアフロディーテ録音もので箱根初日と思われたものも、ここに来て全て箱根二日目の記録であることが明らかになり、いわゆる注目盤は全て二日目と言うことであった。それは勿論オーディエンスものであり、主として下に紹介する五つの記録がある。しかし残念ながら、それぞれ完全なモノは一つも無かったのであった。

 ▶[記録1=モノラル録音46分] 幻の名作アナログ・モノラル録音もの
 ▶[記録2=ステレオ録音62分] 最高音質を誇るステレオ録音(『APHRODITE1971』既発)
 ▶[記録3=モノラル録音31分] 取り柄が特になし
 ▶[記録4=モノラル録音55分] 名音源、"太陽讃歌"と"エコーズ"が完全収録
 ▶[記録5=モノラル録音100分] 最長録音モノで"神秘"が初めて聴けたもの。"太陽讃歌"、"シンバライン"もノーカット。謎のあった当日を完全解明することの出来た貴重モノ

 このブート・アルバムは、これらの五つの録音モノを分析して、欠落部を補完する作業をし、完全版の制作を行ったモノである。簡単に説明すると・・・
 まず、Disc1のライブ前半は、最高録音モノ[記録2]を中心に完全化したもの。"ュージン"の中盤の30秒、"エコーズ"の終盤5分を[記録4・5]で補完。
 Disc2は、最長モノ[記録5]を[記録4]で補完。

 このように、最良のものを中心に欠けていた部分を補完して、曲間も含めて完成させた100分を超える第二日完全盤である。

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 とにかく、このライブにおいてもピンク・フロイドは手抜きをしていないことが良く解る。発売後間もなくであった"原子心母"、そして当時実験中の"エコーズ"と、更に謎であったセットリストは、過去のライブ人気曲の"ユージン"、『モア』の"グリーン・イズ・ザ・カラー"、"シンバライン"などを全て網羅している。この辺りはプロ根性ですね、手抜きはしていない。そしてその当日の記録が完全に聴けるのである。

   演奏内容は"原子心母"からスタートするが、オートバイの効果音は冒頭に配しているが、勿論アルバムのようにチェロ、ブラスバンド、コーラス隊はない。実は彼らのライブは殆どこのタイプだが、ギルモアのギターやウォーターズのベースとライトのキーボードの旋律の流れなどの演奏の味があって、このほうが私は好きなのである。そして続くは、美しいウォーターズの曲"Green is The Colour"、これはシド・バレットの抜けた後、ギルモアをなんとか売り出そうとウォーターズが彼に歌わせたモノである。そしてウォーターズの絶叫曲"ユージン"もしっかり披露している。又この年11月にリリースされた『おせっかい』の"エコーズ"も24分の演奏でほぼ完成されている。
 その他も改めて聴くと後半の"神秘"の演奏も19分で迫力満点、しかも打ち上げられた花火の音も収録されている。最後は"シンバライン"で聴衆の拍手の音頭と共に演奏され括っているのも感動もの。

 とにかくこの二枚組ブートこそ、謎だらけであった「箱根アフロディーテ」を知ることと共に感動を呼ぶ貴重盤であるのだ。

 

(視聴) 箱根アフロディーテ

*
Atom Heart Mother 1970

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2021年7月16日 (金)

スノーウィ・ホワイト Snowy White 「SOMETHING ON ME」

ホワイトらしい優しさに包まれたブルース・ロック色が濃い

<Rock>

Snowy White and The White Flames「SOMETHING ON ME」
Soulfood / EU / SWWF2020 / 2020

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Snowy White : Guitor
Thomas White : Drums
Rowan Bassetts : Bass
Juan van Emmerloott : Drums, Perercussion
Ferry Lagenddijk : Piano, Organ
Max Middleton : Keys

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 スノーウィ・ホワイト Snowy White(1948-)(→)は私の愛するギタリストだが、70年代から活動し、80年代初頭にソロキャリアを開始した。「Blues Agency」、「Blues Project」、「The White Flames」などの名前で独自のバンドを結成してきた。かってのピーター・グリーン(フリートウッド・マック)、ピンク・フロイド、ロジャー・ウォーターズなどとの共演、そしてアイルランドのハードロックバンド、シン・リジィなどの活動も見逃せない。私が興味を持ったのは70年代にピンク・フロイドのサポート・メンバーとしての時代だが、その後ロジャー・ウォーターズとの活動は長きにわたった。

 このニュー・アルバムは「The White Flames」となっているが、メンバーは一新されている。もともと1993年から2000年の間に、彼は2人のなかなか味のあるオランダ・インドネシアのミュージシャン、Juan van Emmerloot(ドラム/パーカッション)とWalter Latupeirissa(ベースとリズムギター)と一緒にツアーとレコーディングを行った。 「The White Flames」として、彼らは『No Faith Requir』、『Restless』、『The Way It Is』、『Realistic』などの一連のアルバムをリリースし、ヨーロッパ全土でライブ演奏した。更にバンドはキーボードのマックス・ミドルトンMax Middletonをも増強しての充実ぶりだった。
 その後近年2017年の「The White Flames」のアルバム『Reunited...』(SWWF2017)ではこのメンバーが久しぶり集結していたが、2019年には『THE SITUATION』(SWWF 2019)をリリース。今回は主としてドラムスにThomas White、ベースにRowan Bassettsと (Juan van Emmerloottが曲により参加)なり、その他多様な「The White Flames」メンバーが競演していて、演奏スタイルも更に優しくなって変化している。そして彼の控えめな態度がそのものとして、ジャケでは彼は愛器ギブソンの影に顔を隠しているところが面白い。

Snowy_white1w_20210715154501 (Tracklist)
1.Something On Me (7:44)
2.Another Blue Night (5:09)
3.Another Life (5:13)
4.Get Responsible (5:08)
5.Cool Down (3:42)
6.Ain’t Gonna Lean On You (8:00)
7.It’s Only The Blues (5:45)
8.Commercial Suicide (7:05)
9.I Wish I Could (4:22)
10.Whiteflames Chill (4:29)
11.One More Traveller (4:40)

  全曲、ホワイト自身のオリジナル曲。相変わらず刺激のない彼独特のヴォーカルが聴ける。とにかくよき時代から今日までのロック界においては、最も紳士といわれる彼だから、極めて大人の味を聴かせてくれる。とにかくクラシックなブルース指向の英国のエレクトリック・ギター・プレーヤーの1人で、そのサウンド、テクニック、スタイルは、ブルースの独創性とモダンロックの因子を反映し、彼独自と言ってよい「イングリッシュ・ブルース」を構築した。ハード・エッジのリフを持ってブルース・フレーズを演じての世界は、極めて上品なギター演奏で、それに基づいたどちらかというとのんびりとしたブルージーな曲仕上げ、このアルバムは、なかなか品と味の音楽コレクションである。 

 こうしたブルースとの彼の交わりは、かって70年代に、今や伝説的なブリティッシュブルースのギタリストであるピーター・グリーンと親しくなり、一緒にジャムをすることに多くの時間を費やしたという経過が大きく影響していると思われる。これはバンド「Blues Project」という活動にも残されている。

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 彼自身が独自での主体的に演ずるとこんな世界となり、実は元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズの攻撃性のロックとは、見方によると相対するモノとなっている。ところがその彼がロジャー・ウォーターズの総決起集会のような何年にも及ぶ世界ツアーなどに、『Roger Waters THE WALL Live in Berlin』以降、ほぼ25年間に及ぶ間、ずっと長く付き合ってきたのは実に不思議な現象である。この違いこそが、むしろ両者をしてお互いに無いものをもってして、相手を認め合うところとなったのではないかと想像するのだ。男同士の付き合いというのはそれなりに不思議なもので、とにかく彼の今日の老界に突入する前は、殆どロジャー・ウォーターズとのお付き合いに費やされており、合間をみてソロ・アルバムをリリースしてきた。   

 このアルバムは、どちらかというとブルース主体のバンド「Blues Project」よりは、メンバーの関係か、ややハード・ロックよりの「The White Flames」名のバンドで演じたものであるが、それでも彼なりのブルースよりの演奏が主体になっている。とにかく何ともいえない優しい世界に包まれており、彼の今の安定した老期を迎えての一つの世界であると同時に、世界のコロナ・パンデミック社会を見据えてのアルバム作りになっていたものかも知れない。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 :  85/100
□   録音     :  85/100

(試聴)

 

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2021年7月 4日 (日)

ピンク・フロイドPink Floyd リミックス版「Animals」(5.1Surround)リリースか

またしてもギルモアの独占的妨害で、ライナー・ノーツ無し

<Progressive Rock>

PINK FLOYD 「ANIMALS」
 REMIX - 5.1Surround

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Roger Waters
David Gilmour
Nick Mason
Richard Wright

61krnmcjuml_ac_  プログレッシブ・ロックとしてのピンク・フロイドPink Floydの作品群の中で、一つの到達点であったと言える第10作目のアルバム「アニマルズAnimals」(1977年Hervest/SHVL815 →)は、世界のロックの歴史においても物議がかもされた重要な作品である。それが当時立体音響にて録音され、マスター・テープが保存されていた。そのリミックスによる5.1サラウンド・サウンドでリリースされるところにきた。しかし、そこに一つのトラブルが発生した。
 (参照) ピンク・フロイドの到達点「アニマルズ」(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/pink-floyd-1729.html)

 米国から広がり、英国でスタートした第二世代ロックは、ビートルズの出現で瞬く間もなく全世界に広がり、そして多様に変化し発展してプログレッシブ・ロックを産んだ。そこには音楽的な実験的センスによるところまでも昇華し、そして次第に本来のロックとは何かという問題も生むに至った。とくに英国ではピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエスは三大プログレ・バンドとして圧倒的人気を獲得したのだが、時に1970年代半ばから後半に台頭したバンク・ロツク・ムーブメントを中心として、特にブログレ・ロックはやり玉にされ、なんとキング・クリムゾン、イエスはほゞ撃沈されてしまう。そもそもパンクとはメロトロンやシンセサイザー等の機材を使い音楽的追求や技巧を追求する当時のハードロックやプログレッシブ・ロック・シーンに対する反発により生まれたものだ。簡素なロックンロールへの回帰、簡潔なスタイルで大衆に根ざしたタイプを求めた。従つて攻撃的スタイルで浸透し、ブルースの要素すらも排除された。これはピンク・フロイドの根底にも実はみられるブルース調とは相対したものであった。

 そんな時に、ピンク・フロイドも例外でく影響を受け批判も浴びた。アルバム「狂気」(1973)、「炎」(1975)など、AOR(Adult-Oriented Rock,  Album-Oriented Rock)化したロックとして否定的な流れに直面したのだ。ところが音楽の方向性に追究してやまないロジャー・ウォーターズの基本的思想に強烈な刺激を与えることになった。彼は当時ライブで盛んに演奏した曲"Raving And Drooling"、"You're Gotta Be Crazy"が、前作第9作「炎」に相応しくないと判断して温存していたものに手を加え(歌詞も変更した)、この第10作「アニマルズ」のアルバム作りに彼の根底にある社会批判を露骨に示し、逆にパンク、ニューウェーブに打って出ることを試み、ここにロジャーは3曲を追加して一つの回答を示したのであった。内容は、収録の5曲のうち、1曲のみロジャーとギルモアの共作で、それ以外は全てロジャーひとりによる作曲となり、全曲作詞となった。そして録音はかなりの難航があったが、彼の決断でかってのスタイルからむしろ敢えてシンプルな音作りに変更し挑戦した。しかし当時過去のものにとらわれるミュージック評論家からは、その変化を受け入れる事無く賛辞は得られなかった。一方、なんと新たな変化が功を奏してか、大規模なツアーはパンクを圧倒し更なる成功を成し遂げ、バンドにも過去以上の成功をもたらしたのだ。

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Unnamed_20210704105401  こんな多くのプログレ・バンドの惨敗期に、ピンク・フロイドの存続かどうかという重要な状況下のロジャー・ウォーターズを中心としてのピンク・フロイドの流れを実に素直に見つめ、事実に基づいてマーク・ブレイクMark Blake(英国ミュージック・ジャーナリストであり各種書籍の著者、ピンク・フロイド研究に実績ある。→ )が、このリミックス・アルバム「アニマルズ」のライナー・ノーツを書いたのだ。ピンク・フロイド自身のミュージツクに対する葛藤と変更に至る経過、メンバーの果たしてきた事などを忠実に実に簡潔に纏めたライナー・ノーツであり、内容はニック・メイスン、ロジャー・ウォーターズの認めるところであり。又デヴィット・ギルモアも否定はしなかったのだが、このライナーを今回のニュー・リミックス・アルバムに付けることにはギルモアは拒否をしたのである。あまりにも当時のピンク・フロイドが、ロジャー主導のものであった事実の公開に、ギルモア及び彼の女房のジャーナリストで実業家のポリー・サムソンPolly Samsonが拒否したのだ。ピンク・フロイドの業績のあらゆるものをギルモアのものしようとするには、秘密にしておきたかった内容の事実公開という事が気に入らなかったのである。確かに「アニマルズ」の構想にはギルモアの関与は少なく、ロジャーの独壇場と化していたことは事実で、ジャケ・デザインまでもかってのヒプノシスと決別し、ロジャーがあのロンドン郊外の火力発電所の四本の煙突塔の上に豚を飛ばすというアイデアを思いつくまで熱を込めていたのだ。
 この「アニマルズ」の誕生の背景には、英国の産業競争、経済混乱、北アイルランド問題、人種暴動などの時代があり、アルバム・コンセプトがロジャーにより造られ、羊が専制的な豚と権威主義的な犬に仕えるという動物を擬人化しての悪循環に陥った人類の描写と批判に集中した。

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 こんなパンク・ニューウェーブに対してのピンク・フロイドの葛藤とロジャーの発想の流れを教えてくれた貴重なライナーを拒否するというギルモア側の暴挙によって、5.1サラウンド・リミックス版はそのリリースまでも風前の灯火となった。
1w_20210704120001  そこまで露骨なやり方に対して、ロジャーとメイスンはアルバムのリリース実現のために、この貴重なライナーを付けることを断念したのである。もともとニック・メイスンのピンクフロイド回顧録「INSIDE OUT - A personal History of PINK FLOYD」(→)にも発行をさせないように働いたギルモア、これはギルモアとポリー・サムソンの自利主義の結果によるものである。しかし、メイスンはこの回顧録を断固発刊した。しかし今回は、又もやのライナーの拒否にあきれつつも、大人の対応としてロジャーと共にメイスンもやむを得ないと折れたのである。

 ピンク・フロイドは今や巨大産業として、ギルモア・サイドの営利主義と独占欲で固められており、ピンク・フロイドのFacebookにロジャーは投稿も許されていない。こんな中で、ロジャーはやむをえず不本意ながらライナーを付ける事を断念したところである。しかしこの貴重なブレイクのライナーを闇に葬るわけにもゆかず、ついにここにきて rogerwaters.comに公開したと言うことになったのである。

 ここに「マーク・ブレイクのライナー・ノーツ」を公開する。当時のピンク・フロイドの葛藤や、如何に「アニマルズ」が造られたか、パンク・ニューウェーブとの流れの中でのロジャー・ウォーターズの試みがどう成されたが手に取るように参考になる。(英文苦手の方はGoogle翻訳などで見てください)

Mark Blake: Liner Notes
Pink Floyd: Animals
Despite being recorded in London during the long, summer heatwave of 1976, Pink Floyd’s Animals remains a dark album. Its critique of capitalism and greed caught the prevailing mood in Britain: a time of industrial strife, economic turmoil, The Troubles in Northern Ireland, and the race riots of Notting Hill. The album was released on January 23rd 1977, but the roots of Pink Floyd’s tenth studio album go back earlier in the decade. Following the success of 1973’s The Dark Side Of The Moon, Pink Floyd pondered their next move. During a two-to-three week jam session in early 1974, the band worked on ideas for three new compositions. From these sessions the band developed Shine On You Crazy Diamond, (A passionate tribute to Syd Barrett, words by Roger Waters. Added by me, sorry couldn’t help it.) which became the centrepiece of Floyd’s next album, Wish You Were Here, and Raving And Drooling (composed by Roger Waters) and You Gotta Be Crazy written by Waters and David Gilmour.
Raving And Drooling was a tale of violent social disorder, while You Gotta Be Crazy told the story of a soulless businessman clawing and cheating his way to the top. Both were performed live for the first time on the Floyd’s winter tour of 1974. They were both considered for the Wish You Were Here album, but Roger insisted that neither song was relevant to the overall idea, that “Wish You Were Here” was essentially about absence, and as neither song fitted his conception of the record’s overall theme, neither song should be included. The band eventually concurred. Scroll forward two years, and Roger had an idea for the next Pink Floyd album. He borrowed from George Orwell’s allegorical story, Animal Farm, in which pigs and other farmyard animals were reimagined anthropomorphically. Waters portrays the human race as three sub-species trapped in a violent, vicious cycle, with sheep serving despotic pigs and authoritarian dogs. You Gotta be Crazy and Raving And Drooling perfectly fitted his new concept. In the meantime, a year earlier, the group had bought a set of disused church buildings in Britannia Row, Islington, which they’d converted into a studio and storage facility. Prior to this every Pink Floyd studio release had been partly or wholly recorded at Abbey Road studios. Pink Floyd had also found a new recording engineer. Brian Humphries, an engineer from Pye studios, who they had met while recording the sound track for “More”, a movie directed by Barbet Schroeder. Brian had gone on to engineer Wish You Were Here at Abbey Road, and also helped them out on the road, so they had got to know him very well. Using their own studio marked a significant change in their working methods. There were setbacks and teething problems, but also a great sense of freedom.
Following Roger’s instincts about the new songs paid off, the songs had an aggressive edge far removed from the luxuriant soundscapes on Wish You Were Here. It was a timely change of direction. At Britannia Row, he renamed Raving And Drooling, Sheep and Gotta Be Crazy became Dogs. The narrative was completed by the addition of two new Waters songs: Pigs (Three Different Ones) and Pigs On The Wing.

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On Pigs (Three Different Ones), the lyrics namechecked Mary Whitehouse, the head of the National Viewers And Listeners Association. Whitehouse was an outspoken critic of sex and violence on British television and a topical target for Roger’s ire. The subject matter was bleak, but Nick Mason recalled lighter moments over dubbing songs with special effects and barnyard noises. While Sheep also made room for Roger’s blackly comic variation on Psalm 23: “He maketh me to hang on hooks in high places/ He converteth me to lamb cutlets…” The music and the performance mirrored the intensity of the lyrics. Keyboard player Richard Wright’s eerie-sounding synths and Hammond organ cranked up the unease. While David Gilmour’s shared lead vocal on Dogs and his guitar playing throughout Animals offered a striking counterpoint to Roger’s brutal lyrics. In contrast, Animals began and ended on an optimistic note. The verses of Pigs on The Wing were split in two and bookended the album. Roger’s lyrics and vocal performance of acoustic intro and outro (“You know that I care what happens to you/ And I know that you care for me too…”) suggested hope for humanity. The idea for Pink Floyd’s flying pig was also Roger’s. He had already commissioned its building as a stage device for the next tour. Storm Thorgerson and Aubrey Powell of the design company Hipgnosis, had produced a number of design ideas for an Animals sleeve and presented them to the band but none of the band, liked them, and when Roger added his disapproval someone said, ”Well why don’t you come up with something better then?” So he did, on the drive from his house in South London to Britannia Row, he regularly passed Battersea Power Station. He was drawn to the imposing brick building, and by the number four. Four in the band, four phallic chimneys, and if the power station were turned upside down then it resembled a table with four legs. He pursued his idea and had a maquette made, a small scale model of the eventual full scale inflatable pig. He then took photographs of Battersea Power station and created a photographic mock up of an album sleeve. The rest of the band loved it. Storm and Po, who had designed all of the previous Pink Floyd album covers, graciously offered to source photographers for the photo shoot, and did. On the first day of the photo shoot, the pig failed to inflate. On the second day, it broke free of its moorings and disappeared into a beautiful brooding sky, prompting a frantic call to the police and a halt to all flights in and out of Heathrow. The pig eventually crash-landed in a farmer’s field in Kent. The following day, the shoot went ahead without a hitch, great shots of pig in situ but no brooding sky. So Storm and Po stripped Day three Pig into Day two sky, bingo! History. Animals was a hit, reaching Number 2 in the UK and Number 3 in the US. Pink Floyd’s pig, Algie, made its live debut on their subsequent “In The Flesh” tour in 1977. At stadium shows in America, it was joined by another Water’s idea, an inflatable nuclear family comprising a mother, father and 2.5 children, surrounded by the spoils of a consumerist lifestyle: an inflatable Cadillac, oversized TV and refrigerator. Roger called it Electric Theatre. Both the album and the tour signposted the way to Pink Floyd’s next release, The Wall, and to Roger’s ever more ambitious ideas, both in terms of his music, narratives, politics and stage shows. But his themes and ideas explored on Animals have endured. More than 40 years on the album has been remixed in stereo and 5.1. In troubled times and an uncertain world, Animals is as timely and relevant now as it ever was.
Mark Blake

 

(Mark Blake 紹介 - Wikipediaより)

Mark Blake is a British music journalist and author. His work has been published since 1989 in The Times and The Daily Telegraph, and the music magazines Q, Mojo, Classic Rock and Prog. In May 2017, he was hired as launch editor of Planet Rock magazine and is a contributing editor to the title.

41de5clj77l Career
Blake is the author of the 2007 music biography, Pigs Might Fly: The Inside Story of Pink Floyd,[2] published by Aurum Press (available under the title Comfortably Numb: The Inside Story of Pink Floyd in the United States); Stone Me: The Wit & Wisdom Of Keith Richards,[3] (Aurum Press, 2008); Is This The Real Life: The Untold Story of Queen (Aurum Press, 2010) and Pretend You're in a War: The Who and The Sixties, published by Aurum Press in September 2014. His next book, Bring It On Home: Peter Grant, The Story Of Rock's Greatest Manager is due for publication by Little Brown/Da Capo in the UK and US in 2018.

Blake is a former Assistant Editor of Q, and previously edited the books Dylan: Visions, Portraits and Back Pages and Punk: The Whole Story" (Dorling Kindersley, 2004 & 2005). He has also contributed to official projects for Pink Floyd, including Pink Floyd: Their Mortal Remains, The Who, Queen and the Jimi Hendrix estate. He is represented by Matthew Hamilton at The Hamilton Agency.

Books
Blake, Mark (2008). Pigs Might Fly : The Inside Story of Pink Floyd. London: Aurum.
Blake, Mark (2010). Is This the Real Life : The Untold Story of Queen. London: Aurum.
Blake, Mark (2014). Pretend You're in a War : The Who & The Sixties. London: Aurum.
Articles
Blake, Mark (Dec 2014). "The birth & death of Pink Floyd : in the beginning". Mojo. 253 (6): 66–73.

 

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