ウィズイン・テンプテーション Within Temptation 「Wireless」
"戦争に目覚めろ"がテーマか
<alternative Metal Rock>
Within Temptation 「Wireless」
(Single CD)Music On Vinyl / Europe / MOV7068 / 2023
シャロン・デン・アデル (Sharon den Adel) - ボーカル (1996年- )
ルード・ヨリー (Ruud Jolie) - ギター (2001年- )
ステファン・ヘレブラット (Stefan Helleblad) - リズムギター (2011年- )
イェローン・ファン・フェーン (Jeroen van Veen) - ベース (1996年- )
マルテン・スピーレンブルフ (Martijn Spierenburg) - キーボード (2001年- )
マイク・コーレン (Mike Coolen) - ドラムス (2011年- )
ローベルト・ヴェスターホルト (Robert Westerholt) - ギター(1996年- ※2011年以降は製作とスタジオ録音に専念)
久々にシンフォニック・メタルの話題です。CDリリースがこのところ低迷しているロック界、この1997年オランダで誕生したWithin Temptationも、スタジオ・アルバム『RESIST』(VICP-65510 / 2019)が5年ぶりにリリースされて以来は、その前からの沈黙を破って活動が再開され歓迎されたが、あれからもう既に4年経過。
アルバム『Hydra』(2014)の大成功後は、噂では"燃え尽き症候群"のような状態に陥り、シャロン嬢(今は既に母親としての貫禄もついて)はソロ・プロジェクトを始動させたりで、このバンドの行く末に不安がよぎったが、しかしアルバム『RESIST』が登場し、取り敢えずファンをホッとさせたのだった。
そして2020年に「メタル・フェスティバル」(ドイツの「WAKEN OPEN AIR 2019」)の話題にてここに取り上げて以来あっという間に3年経過、その後のWithin Tについては、丁度このタイミングでシングル・アルバム『WIRELESS』のお目見えがあったので、ちょっと見てみたい。
この間、昨年2022年に4曲入りEP『AFTERMATH』(MOV12071)が、なんとLP(CLEA VINYL 3000枚限定)でリリースされている。そしてまたここに今年新曲シングル『WIRELESS』(MOV7068)がリリースされたのだ。しかし時代の影響かフルCDアルバムの登場はなく、サブスク・ストリーミング時代の中であって、この両者の5曲とそのインスト版5曲の計10曲のアルバムとしてストリーミングで聴くことが出来るのであり、それを取り上げてみた。
(Tracklist)
<Single>
A: Wireless
b: Wireless (Instrumental)
<Streaming>
1.Wireless
2.Don't Pray For Me
3.Shed My Skin
4.The Purge
5.Entertain You
6.Wireless (Instrumental)
7.Don't Pray For Me (Instrumental)
8.Shed My Skin (Instrumental)
9.The Purge (Instrumental)
10.Entertain You (Instrumental)
とにかく目玉曲はM1."WireLess"だ。このところ無事母となったシャロン・デ・アレンが夫のローベルトの協力によってライブ活動も充実して、新曲を登場させた。なにせシャロンは一時のソロ・プロジェクトの「マイ・インディゴ」にてこのバンドとは異なるエレポップにアンビエント系をまじえながらどちらかというとオーソドックスな音に乗せての清々しく美しい歌唱を頑張ってみた経験などから、やはりWithin Tの世界は身についた充実感があるのだろう、ここに世界に訴えるところに到達している。まあそれこそロックの原点であろうから、そんな衝動にかられたということ事態、再びロック世界の開始という事にも通ずるのかもしれない。
なかなかパワフルですね、何年か前の彼らを思い出しながらヘビーなリフを楽しめるし、さらに壮大なコーラスをブレンドしたサウンドを堪能できる。シャロンも歳を超えて声も出ているし奮闘。彼らの問題意識が刺激したんでしょうね。ようやくロジャー・ウォーターズが叫んでいる社会や政治的問題、特に戦争と言うものの非人間性に彼らも目が覚めて、戦争を目の前にしての若者と政治問題に目が向いた。活動の目標も見えてきたというところでしょう。ロックの存在感が実感できたというパワーが感じられる。
彼らの言葉は「このシングルは、戦争や混乱に飢えている人々、そしてメディアを操作し支配しようとする人々に対して書かれた曲です。この曲は、正当な理由があって戦地に行くのだと信じている兵士のことを歌っています。彼は政府に支配されたメディアによって洗脳され、自分が救世主として歓迎されると思っていましたが、結局自分は利用されたのだと悟ります。人々は彼を残虐な支配者として見るようになり、彼は自分が間違った側にいることに気づくのです。彼の人生は、そして他の多くの人々の人生も、欺かれ、破滅させられるのです」
ロックの存在感と問題意識に一つの世界が確認できたというところで、エネルギーの蓄積発散に光がさしたというところだろうか、いずれにしても今後の健闘に期待したいところだ。
(評価)
□ 曲・演奏・コンセプト 87/100
□ 録音 87/100
(視聴)
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(30:00から・・・"Wireless")
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