ドリーム・シアター

2016年2月21日 (日)

ドリーム・シアターDream Theaterのニュー・アルバム 「Astonishing」

壮大なテーマをロック・オペラで・・・・だが賛否両論

  <Progressive Rock,  Progressive Metal,  Neo Progre>
         DREAM THEATER 「Astonishing」
        Roadrunner / JPN / WPCR-17071 / 2016

Dtheader

John Petrucci – guitar, backing vocals
John Myung – bass guitar, chapman stick
James LaBrie – lead vocals
Jordan Rudess – keyboards, continuum
Mike Mangini – drums, percussion

<DISC-1>
1.Descent Of The NOMACS /2.Dystopian Overture /3.The Gift Of Music/4.The Answer /5.A Better Life /6.Lord Nafaryus /7.A Savior In The Square /8.When Your Time Has Come /9.Act Of Faythe /10.Three Days /11.The Hovering Sojourn /12.Brother, Can You Hear Me? /13.A Life Left Behind /14.Ravenskill /15.Chosen /16.A Tempting Offer /17.Digital Discord /18.The X Aspect /19.A New Beginning /20.The Road To Revolution
<DISC-2>
1.2285 Entr'acte /2.Moment Of Betrayal /3.Heaven's Cove /4.Begin Again /5.The Path That Divides /6.Machine Chatter /7.The Walking Shadow /8.My Last Farewell /9.Losing Faythe /10.Whispers On The Wind /11.Hymn Of A Thousand Voices /12.Our New World/13.Power Down /14.Astonishing

001 前作『Dream Theater』から2年半ぶり、いっやーーやりましたねぇ~~。なんと2枚組2時間10分の超大作。ロックもここまで来れば本物だ!と、言いたいところだが・・・・ポートノイからマンジーニに変わっての第3作目、やっぱりと言うところか?、賛否両論の嵐。

 そりゃ~そうですね、あのドリーム・シアターの世界であるヘヴィにして複雑なシンフォニック・メタルのこれでもかこれでもかと畳み込んでくるバトルとも言える曲展開は確かに影を潜め、オーケストラをバックにしてどちらかというとシンフォニックな音構成で、メロディの洪水という展開はまさにオペラ。
  これはかっての彼らのプログレ・メタルの世界とは明らかに異なっている(と言っても、時に彼ららしいハード・メタル・シンフォニック・ロックの様も展開して見せてますが・・・)。

 基本的にはポートノイから解放されたジョン・ペトルーシのアイデアからスタートしているようで、作詞はそのペトルーシ、作曲はペトルーシとジョーダン・ルーデスが主として任を果たしての作品のようだ。そして更にオーケストラが重要な役割を果たしていてデイヴィッド・キャンベルによってアレンジされ作り上げられた(しかしこの延々34曲、ちょっと長すぎやしませんかね?、一時昼寝をしてもまだ十分聴けます(笑))。

R1 更にラブリエのヴォーカルも、前作ではちょっと引っ込んだ感もあったが、今作では全編通しての物語の展開があって、そこに登場する人物を全てカヴァーするという結構重要な役割を果たしている。そのため彼のヴォーカルもかなり丁寧に美しくと意識されたバラード調のものが多くを占める。それでも、時にメタリックなロックの展開もみせて、例のハイトーンの張り上げ声も聴けるところがないではない。

 いや~しかしそれにしても、えらいところまで発展させたものですね。このスケールの大きさは見事です。ポートノイ派にすれば納得作とはいかないとするだろう事は十分解るところだが、その為今作には頭からの否定派もいるのだ。しかし私は結構これはこれいけると実は思っている。賛否両論、これは結構なことである。
 まあ二十数年前の『Images and Words』時代に拘るのも解るが、もともと私は当時のキーボードのケヴィン・ムーアのムードも好きだったし、今作のこうしたアップテンポの曲は少なめであることに淋しさは無いでは無いが、これはこれでオーケストラ・サウンドと共に十分聴き込むところがあるので、今回は一つの流れの頂点として堪能して聴けると思っているのである。

Place2
 さて、これをピンク・フロイドの『THE WALL』とオーバーラップして聴いているという輩もいるようだが、ロック・オペラということだけではそうした世界にあることは解るが、私は全く異質のモノと思って聴いた。時にSE、人の声なども挿入して手法は真似とも思えるところもあるが、その洗練度はフロイドには及ばないし、そもそも曲の質が異なり、又テーマが全く異なっている。
  このアルバムは、2285年アメリカ大北部帝国という設定の世界から、中世の帝国をオーバーラップさせた異次元の世界の物語であって、印象的にはかって流行したロールプレイゲームのような一面を持っている。しかしそこあるものは、ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズによる『THE WALL』に描く、現実社会に存在する多様な”壁”の問題と、自己の負の部分を吐露し、人間の深層心理に至ろうとしたモノとは全くの別物であって一緒にしない方がよい。

 結論的には。ドリーム・シアターとしての今作は、彼らの持っている体質の一部を大々的にぶち上げた一つの作品として私は大いに評価したいのである。むしろ”何時も同じモノの化粧直し”よりは、むしろ”価値ある試みの大作”と言っておきたい(前作からちょっとそんなところも少し見えてはいましたが)。結論的にロック・ファンなら取り敢えずは聴いてみて欲しいと思っている。

(視聴)

                          *         *         *         *

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2013年12月27日 (金)

プログレッシブ・ロック=「2013年ベスト5」はこれだ!!

   プログレProgressive Rock 健在なり・・・・・・・

Pb051854blog          葡萄牙(ポルトガル)-瞬光残像4 
                    (Mosteiro dos Jerónimos / Lisboa / Portugal     2013.11)

 2013年プログレProgressive Rock=ベスト5

 なんだかんだと言いつつも、今年もプログレ界はそれなりに賑わせて頂きました。これは偏見に満ちた全くの私の私的評価によるベスト5です。あしからず。(新作を対象として、クリムゾンなどのリマスター盤等は除いてあります)

① STEVEN WILSON
  「THE RAVEN THAT REFUSED TO SING レイヴィンは歌わない
  「DRIVE HOME」

     Swsolotheraven_2

(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/steven-wilson-t.html
            http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/steven-wilson-d.html

         
        

  Riverside 「Shrine of New Generation Slaves」
      Songs
(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-044e.html

③ Dream Theater 「Dream Theater」
   Dreamt


(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/dream-theater-d.html

④ NOSOUND 「afterthought」
   Afterthoughts


(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/nosound-afterth.html

 Millenium 「ego」
   Milleniumego


(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/millenium-ego-3.html

 

               

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2013年12月 7日 (土)

ドリーム・シアターDream Theater映像盤 : 「LIVE AT LUNA PARK」

新生ドリーム・シアターのライブ映像は充実していた

<Progressve Metal Rock>
            Dream Theater 「LIVE AT LUNA PARK」
       
(Blu-ray Disc ) Eagle Vision  EVB334459 ,  2013

Lunapark
 考えてみると、私にとってはかって一時夢中にさせてくれたドリーム・シアターDREAM THEATER、あの中野サンプラザのライブに駆けつけたのは、もう何年前になるのだろうか?(いやはやもう20年前の話)。そして近年マンネリに陥っていたかと思わせるところであったが、ドラマーであり、このバンドの中心人物のマイク・ポートノイが、何を考えたか脱退宣言をしてしまって、その後復活を試みたが、あっさりジョン・ペトルーシ以下のメンバーにそっぽをむかれ、しかも新ドラマーのマイク・マンジーニの加入で新生ドリーム・シアターは2011年アルバム「a dramatic turn of events」 で再出発。そして今年何とバンド名を冠したアルバム「DREAM THEATER」をリリースと、意欲満点のバンド活動を展開している。
 そしてこの映像盤は再生した彼等の2011年のアルバム「a dramatic turn of events」リリース後の世界ツアー「A Dramatic Tour Of events 2012」の収録だ。収録場所は"Luna Park", Buenos Aires, Argentina で、2012年8月19ー20日。 なんと300分に及ぼうとする長編ライブ・アルバムだ。

personnel:
James LaBrie(vo)
John Petrucci(g,vo)
Jordan Rudess(kb)
John Myung(b)
Mike Mangini(d,per)


 

 収録内容は以下のとおり・・・()内は収録された過去のアルバムです。参考まで・・・

TRACKS
01.Bridges In The Sky ("a dramatic turn of events('11)")
02.6:00 ("Awake('94)")
03.The Dark Eternal Night ("Systematic Chaos('07)")
04.This Is The Life ("a dramatic turn of events('11)")
05.The Root of All Evil ("Octavarium('05)")
06.Lost Not Forgotten ("a dramatic turn of events('11)")
07.drum solo
08.A Fortune In Lies ("When Dream And Day Unite('89)")
09.The Silent Man ("Awake('94)")
10.Beneath The Surface ("a dramatic turn of events('11)")

11.Outcry ("a dramatic turn of events('11)")
12.piano solo
13.Surrounded ("Images And Words('92)")
14.On The Backs Of Angels ("a dramatic turn of events('11)")
15.War Inside My Head ("Six Degrees of Inner Turbulence('02)")
16.The Test That Stumped Them All ("Six Degrees of Inner Turbulence('02)")
17.guitar solo
18.The Spirit Carries On ("Metropolis Pt.2:Scenes From A Memories('99)")
19.Breaking All Illusions ("a dramatic turn of events('11)")
20.Metropolis Pt.1 ("Images And Words('92)")

BONUS TRACKS
21.These Walls ("Octavarium('05)")
22.Build Me Up,Break Me Down ("a dramatic turn of events('11)")
23.Caught In a Web ("Awake('94)")
24.Wait For Sleep ("Images And Words('92)")
25.Far From Heaven ("a dramatic turn of events('11)")
26.Pull Me Under ("Images And Words('92)")

BOUNS FEATURE
27. Trailer
28. Behind The Scenes
29. Cartoon Intro
30. Outcry Multi-Angle

DOCUMENTARY
31. Intro/Recap
32. Dinner In Buenos Aires
33. Soundcheck
34. Pre-show Rituals
35. The Show Goes On

executive producer : John Petrucci

Livelunapark_2 まあとにかくこれでもかこれでもかとエネルギッシュな演奏がたたみ込んでくる。カメラ・ワークも充実Blu-rayでの映像も良好で、又DTS-HDでサウンドも評価できる。つまり良好な映像モノ。
 そして収録曲も26曲とアルバム「a dramatic turn of events」の曲を中心に、過去のメイン曲も含めての総集編的映像盤である。ドリーム・シアターに気持ちがある輩は是非とも所持しておいた方がよい。
 観てみると良く解るが、このバンド・メンバーになってギターのジョン・ペトルーシがリーダーであることが良く解る。かってのリーダーとも言えるポートノイが居なくなってのバンド編成、何故かむしろペトルーシが逆にのびのび自己のギターをかってより前面に出して演奏する。新生ドーム・シアターのプロデュースを行っているだけのことはある。そしてジョーダン・ルーデス(Kb)も以前より頑張って見えるのは気のせいか?。つまりマンジーニのドラムスになって全員がのびのびしてきているように見えるのだが・・・・・。

Bio
 そして彼等の演奏構成も変化している。かってのドラムスの出方もやや後方に、ギター、ベースの音が大きめになり、ヴォーカルは若干引っ込めている。とくに1992年の”Pull Me Under”を聴き比べると良く解る。
 そして注目はドラマーのマイク・マンジーニだ。ドスン・バタンは少々減ったが(その分迫力は低下したが)、彼のドラム・セットの構成のすごさは圧倒される。そして更に彼の人間業を超えたと思われるドラミングはその回転の速さは2倍にも及ぶかと思われる。彼のソロを収録したのもよいことだ、圧巻。

 ここにペトルーシを中心とした新生ドリーム・シアターの姿が納得のレベルで見ることが出来た。この映像盤もかなり力を入れて作り上げたことも解る。彼等が私のロック鑑賞歴史の中でも大切な一幕を築いていたことは事実で、そしてスタートからのメンバーはペトルーシとジョン・ミユングの二人のみではあるが、このドリーム・シアターをしっかり今後も構築していって欲しいと思うのである。

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2013年9月18日 (水)

新生ドリーム・シアターDream Theater決意の降臨 : 「DREAM THEATER」

お見事!、圧倒的 5.1サラウンド・サウンドで登場!

<Rock> Dream Theater 「DREAM THEATER」
       Roardrunner Records  WPZR 30479/80  , 2013

Dreamt

 いやはや久しぶりに圧倒的サウンドに酔ってます。今度のドリーム・シアターのニュー・アルバムはなんとバンド名がアルバム・タイトルの「DREAM THEATER」だ。それにはそれなりの決意があるのだろう。
 あのバンド中心メンバーのマーク・ポートノイが去って前作「a dramatic turn of events」(参照http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/drem-theater-a-.html)が、それなりの成果を上げての2年ぶりの新作の登場。ここに彼等の決意のアルバムとみたい。実は彼等はこの数年、一つのマンネリに直面していたと思う。そんな時に新ドラーマーMike Manginiを迎えての取り敢えずのアルバムをリリースして、ここに来て彼等は新生ドリーム・シアターの決意が固まったとみて良いと思う。今回もJohn Petrucciのプロデュースになっている。このあたりが新展開の一面なんだろう思う。

Dreamtlist TrackListはボーナス・トラック1曲を入れて10曲。しかも今回はDVDによるPPCM(96KHz/24bit)5.1サラウンド・サウンド(ハイレゾ音源)で登場。
 やはり彼等の演奏世界はサラウンド・サウンドにピッタリ、CDステレオ盤もあるがDVDサラウンドで絶対に聴くべきである。 ウーハー、スーパー・ツイターの能力をフルに使ってくれて、CDとは別世界を体験する。”8.along for the ride”などのオープニングのギター・サウンドの”生き”がそして”息”が全くCDとは異なるのだ。

 しかし今度のアルバム、イントロ曲の”1.false awakening suite”を聴いたときは、”ええ!、ナイトウィッシュ?”と思わせるシンフォニック・メタルで驚かされた。それが次の”2.the enemy inside”になって、おお、やっぱりドリーム・シアターと、ほっとするというか、これで良かったと思うのである。ナイト・ウィッシュはナイトウィッシュとして最高であるが、そのパターンに彼等がなってしまったら、今までのドリーム・シアターは何だったと言うことになってしまうからね。
 やっぱりこうして聴いてみるとドラマーの違いも見えてくる。Manginiはドスン・バタンより若干こまめな連打も早めで、色彩豊かである。
 又、全体を通してLaBrieのヴォーカルのウェイトが減って、インスト的演奏の世界に突入しているところも楽しめる。

Member1

 最後”illumination theory”は組曲になっていて、ストリングス入りで、どうなっちゃうの?と思わせる広い世界を展開させて美しく終わるところはにくいところである。と、思いきやドラムスとベースの重低音連打と音場を廻るサウンドで圧倒する展開、そこにヴォーカル登場で彼等の世界を歌い上げ、そしてそれでもかとPetrucciのギターとオーケストレーションが壮大に締めるのである。なかなか展開を考えた一大叙情詩に仕上げたアルバムで圧巻である。
 更にもう一つの特徴は、彼等は社会情勢と人間性に眼を向けていること。戦争の功罪、又テロリズム、非道な非人間的な歪みにも批判の声を上げたところも大きな特徴となっている。
 

 なにはともあれ、私にとっては取り敢えず納得のアルバムであった。それも5.1サラウンドで生きる演奏世界である事を打ち出して、彼等の演奏を見事に技術陣が仕上げたところも評価したい。今取り敢えず第1回目の聴いたところの感想だ。もう少し聴き込むと又違ったところも見えてくるかも知れない。

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2011年9月17日 (土)

ドリーム・シアターDream Theater のニュー・アルバム「a dramatic turn of events」

新構成はプログレ・バンドへの色合いが濃くなった

 プログレッシブ・ロックが過去のものとなった時の寂しさは私だけでなかったと思う。その後フェイツ・ウォーニング、クイーンズライクなどが慰めてくれていたときに、プログレッシブ・メタルとしての支持を1990年代に世界的に集めたのが、このドリーム・シアターであった。もちろん私は歓迎した一人である。しかしこのバンドの中核であったドラマーのマイク・ポートノイの脱退話が約1年前にあり、ファンを驚かしたり心配させたが、ここに新ドラマーを加えての最新作(11作目)の登場だ。

Adramaticturn 「Dream Theater / a dramatic turn of events」 ROADRUNNER RECORDS RR7765-2 , 2011

 さて、このニュー・アルバムは変わったか?と言うとやはり変わったといった方がいい。明らかにメタル色の後退である。そしてまず印象深いのは、ジョーダン・ルーデスのキー・ボードの締める位置が大きくなり、そしてその音もメロディー・ラインも共々美しくなった。もともと旨い下手は別としてプログレ色の強いケビン・ムーアのキー・ボードが私はこのバンドが好きになった一つの要素であったが、何かそのパターンへの復帰のイメージすら感ずる。このあたりは歓迎だ。
 問題の新加入マイク・マンジーニのドラムスはというと、かなりテクニシャンという音造りで、リズム隊としてもジョン・マイアングのベースの音とのマッチングが極めてバランスが取れている。これはミキシング(アンディ・ウォレス)との関係もあるかも知れないが、なかなか良いじゃないかと言っておく。

Dreamtheater_studio_groupphoto 今回のこの新構成バンドにおいては、このニュー・アルバムのプロデュースにギターのジョン・ペトルーシが係わったことが記されている。確かにポートノイの脱退によって、このバンドは危機感からかも知れないが、それぞれのリキ(力)が入っていると言っていいのだろう。ペトルーシは結構泣きギターも聴かせてくれるし、珍しくピンク・フロイド流のマイアングのベースの音も聞こえてくる。

Adtolist 納められた曲は左のように9曲、ジョン・ペトルーシを中心としての彼らのオリジナル曲である。そして10分以上に及ぶ曲が4曲も盛られた。
 相変わらずリズムの変調子は健在で、特に長曲では楽しませる。又ジェイムズ・ラブリエのヴォーカルも適度に散りばめられて、Lyrics もペトルーシにより書かれているが、バランスはそれなりに良いのではないか(ただし、詩の意味についてはまだ私は未消化)。
 前アルバには、カヴァー曲が特集されていたが、そんな雰囲気はなくなっている。彼らは彼らの曲で演奏で勝負して欲しい。又、今回も日本盤(私は敢えて買っていない)ではインスト曲を付加したようだが、それはレコード会社の販売テクニックなのかよく解らないが、曲はヴォーカル共々一つの演奏隊としてあってもなくてもいいというのでなく曲作り完成させていって欲しい。
 
John_petrucci  今回のアルバムは、ペトルーシ(左)の意欲で、それぞれのメンバーの個性を生かしつつ創り上げたという印象が強いが、若干メタル色の後退で圧倒的パワーで迫ってくると言うところはなくなって寂しいという人もいるかも知れない。しかしその分、プログレ回帰が濃くなって、むしろ昔からのファンは見事に練り上げて創り上げられた完成度の高い曲の構築に、安心して聴いてゆけるといったところもあるのかもと推測する。

 結論的には、前作あたりで一つの壁に当たっていたことも事実である。2009年8月3日に私はこのブログで”ドリーム・シアターの新作「Black clouds & silver linings」 進化はあるか?マンネリか?”と書いて若干疑問を持ったことを思い出す。いまこうしてみるとプログレ色への回帰へ方向を持ったようにも見える。多分このアルバムは売れ行きは良いかも知れない。そして問題は次作がどう出るかというとこであろう。

 最後に、このドリーム・シアターの日本盤は相変わらず変な日本語タイトルは付けていなくてよいと思う。一方ジャケ・デザインは洒落ている。よく見るとこのロープの一部が今にも切れそうに最後の一本の糸で繋がれているところがドキッとさせてお見事である。

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2010年9月10日 (金)

ドリーム・シアター Dream Theater 解体?再出発?

マイク・ポートノイの脱退の衝撃

 ドリーム・シアターのドラムスのマイク・ポートノイが脱退するニュースが流れてきた。彼の場合、リーダー的存在であるだけにこのバンドの行く末に暗雲がかかったというのは事実だ。

Dreamtheater  プログレッシブ・メタル・バンドという新しい分野の開拓者でもある彼ら。私が日本で初にお目にかかったのは、”「Images and Words」 ツアー”での中野サンプラザでのライブだった。考えてみるともう十数年というか二十年近く前の話になる。やはり新しい道の頂上を目指している彼らは何とも言えず輝いていた。
 しかし、最新作は昨年の「Black clouds & Silver Linings」だったが、ちょっと彼らの壁に当たってのもがきが見え隠れするアルバムだった(このブログ2010.8.3の”進化はあるか?マンネリか?”参照)。特に三枚組の一枚はレインボー、クイーン、アイアン・メイデン、キング・クリムゾンのカヴァー集という疑問が残ったもの。彼らはかってもピンク・フロイドのカヴァーも得意だったが、どうもサービスであったと思うが不安の一歩でもあった。
 私はもともと1stからのファンだったので、当初ヴォーカルがチャーリー・ドミニシからジェイムズ・ラブリエに変わったときに心配した。しかしその後の発展がいつのまにかそのことは忘れさせてくれたが、ケヴィン・ムーア(キーボード)の脱退はこのグループに変化があっと思っている。私は彼の幻想的と言っていいのか、何か精神安定剤的演奏が救いであったし、プログレと言われる因子の一つでもあったと思う。メタル的攻めとムーアの音楽性の対比によるバランスが面白かったのだ。現在のジョーダン・ルーデスとはちょっと違った感覚の世界であったと思う。

Mike_portnoy2  それはさておき、ここにきてマイクの脱退は驚きだった。創始者であるから尚更だ。しかし彼には腱鞘炎という不安材料があることは伝えられていたが、どうも今度のこの事件は、彼のこれからの音楽的方向性に関係しているようだ。ドリーム・シアターから若干の期間を離れて次の作業を希望したが、メンバーからは受け入れられなかったという。
 残るメンバーも彼抜きでの決意は出来ているようで、これから新作に臨むという。我々にとっては歴史的にも一つの世界を構築したロック・バンドとしてなくなって欲しくないところであり、又今後それぞれがそれぞれの道で発展して欲しいものと祈らざるを得ない。
 

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2009年8月 3日 (月)

ドリーム・シアターの新作「Black clouds & Silver Linings」

進化はあるか?マンネリか?

Blackclouds  ロードランナー移籍の前作「systematic chaos」から既に2年経過しての彼らの第10作となるニュー・アルバム「Black Clouds & Silver Liningsブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニングス」 ROADRUNNER Records 1686-178835 2009の登場。
 プログレッシブ・メタルというジャンルも定着している現在、この世界を構築した彼らは結構偉大と言えば偉大である。その彼らの1stに引きつけられて以来の10作目となると、それなりに結構感動もある。
Blackclouds2  今回のアルバムは、CD3枚組で1枚目はこのアルバムのオリジナル全6曲。そしてボーナスCDとして、2枚目はカヴァー曲6曲、3枚目はこのアルバムのインスト・ヴァージョン6曲という構成である。(左パック裏面を参照:クリックにて拡大)
 まず、前作があまり記憶に止まらない程度の作であったことから、今作に期待する気持ちが大きかったこと、そして又今回のヒュー・サムのカヴァー・アートが秀作であることからこのアルバムに接することは実は大きな喜びでもあった。
 ドリーム・シアターは、あのリフそしてフレーズの多彩さは類を見ないし、展開のドラマティックさはトップクラスであることは誰もが認めようが、いかんせん最近はマンネリ化に陥っていたことは事実だ。彼らは器用であるが故に、ピンク・フロイドを筆頭にカヴァーも見事で、それが実は逆効果を及ぼしていたのではないか?。
 そんな中での今作、アルバムとしてのまとまりは十分納得する。オープニング”A Nightmare To Remember”は極めて彼ららしいスタートで期待を持たせ、救急車のサイレンが何か不安な一つの世界を想像させるところは頂きだ。1曲目が16分の大作、このハードな曲展開はむしろ私は歓迎した。それは4曲目”The Shattered Fortress”にも繋がってこの曲の疾走感はいい。ただし、今回登場するマイクのデス声は頂けない。これらの曲をむしろネガティブに作用している。それが不安だったのか?、CD3枚目にインスト曲として披露している。これが実は彼らのマンネリからの脱却を計りたい暗中模索の姿とみた。かってある意味での美しさを描いた中のヘヴィネスが取り柄であったと言えるが、どっかのバンドのようなデス声は全くのマイナスだ。そもそもインスト盤をカップリングすること自体、彼らの曲作りに不安があったのだろう。これはサービスでなく、受けを求めてのナンセンスな抵抗だ。
 それはさておき、5曲目の”The Best Of Time”のストリングス、ピアノ、ギターからの入りは美しい。
 アルバム全体のラブリエの声も大人っぽくなった。これは賛否両論あろうところだ。しかし、結論的にはこのアルバムはマンネリ感の中の集大成といったところ。けっして駄作ではないが進化は見られなかった。であるが、ニュー・アルバムとしてこうして新曲を聴けるところは嬉しい複雑な気持ちになる。当然今後の頑張りはなんといっても期待するバンドであることには間違いない。
 そうそう、2枚目CDのカヴァー集、レインボー、クイーン、アイアン・メイデンになんとキング・クリムゾンと来るから器用な彼らのサービスだ。しかし、よく聴いてみるとクリムゾンの”太陽と戦慄パート2”だって、なんかあのクリムゾンのスリルと不安感が出ていない。どっか違うのだ。クリムゾンをフロイドが演奏したような変な世界である。

 もう一度結論的には、ドリーム・シアターのニュー・アルバムは歓迎する。音の単純化の方向にはどうしてもゆけない彼らのスタイルを、今後如何に進化するかの課題を残したアルバムといえるが、アルバムのまとまりは良くさすがと言っておきたい。

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2006年12月31日 (日)

2006年 記憶に残る音楽DVD(ROCK)   -3-

「SCORE」 / DREAM THEATER   WANER MUSIC VISION

Dtheaterscre_1   日本でもこれだけ人気がでるとは思っていなかったドリーム・シアターですが、もう20年の歴史を踏んできた。そこでのアルバム「Octavarium」からの曲を中心としてのライブ映像。やっぱり「IMAGE AND WORDS」のあたりが非常に懐かしい。あの時の日本でのライブにもなんとか飛び込んだ私ですが、時の経つのは早く、彼らは既に重鎮のイメージすらある。時にはピンク・フロイドもやってみたり、芸達者な・・・というよりは、やっぱり技術の高いバンドなんでしょうね。ここではオーケストラをバックにしてまでの充実ぶりをみせるが、彼らもプログレ・メタルと言われるところはそうしたアプローチが曲にも反映しているのかも知れない。ただ私が好きだったケヴィン・ムーアがいなくなって淋しい。しかし、今のジョーダン・ルーデスもなかなかムーアとは違ってはいるが、高い技能の持ち主らしい点は、ここに来てハードな曲作りには貢献しているのかも知れない。このDVDは歴史に残る価値あるものとして扱われそうだ。

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2006年 記憶に残る音楽DVD(ROCK)   -2-

「LIVE IN ATHEN」 / FATES WARNING  INSIDEOUT 2005

Fates1_1  なかなか、いいジャケです。彼らの11枚目になるのかな?アルバム「FWX」発表後のライブ映像だ(2005.2.20)。ここでは"a pleasant shade of gray"も上手く取り入れていて、ベスト曲ライブという感じです。
 彼らはなんとなく哲学的アプローチを感ずるグループ作品(アルバム)が多いのですが、ここに来てキーボードの位置が薄れている。最近ケビン・ムーアが時としてゲストとして登場している彼らのバンド構成ですが、このライブではキー・ボードなしの構成でちょっと淋しい。ヴォーカルのRayはどうも映像的にはプログレ・メタルのイメージに合わず、私自身は彼らはCDアルバムで聴いているほうが、どうもイメージはいい。しかしライブ映像も、こうして見てみたいのは、私は長い彼らのファンの一人であるからだ。
 ドリーム・シアターとよく比較されるが、むしろ彼らに影響を与えた大御所であるが、その風格はそれほどない。ライブ会場も馬鹿でかいところでなく、メタル・バンドの親近感も出ている。このDVDもそうは売れているというシロモノではないと思うが、私にとっては「AWAKEN THE GUARDIAN」とか「NO EXIT」とかの頃が懐かしく、今も彼らのニュー・アルバムを楽しみにしている。

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