イモージェン・ヒープ の ニュー・アルバム「ELLIPSE(楕円)」
4年ぶりの新作で迫るIMOGEN HEAP
グラミー賞候補やジェフ・ベックとの競演、そしてラプトップ・コンピューターを携えてのプレイ。更にマルチ・プレイヤーであり独特の発声で話題のイモージェン・ヒープの4年ぶりの新作アルバムの登場だ。
「ELLIPSE(楕円)」Magaphonic Records 88697-50605-2 2009.8
期待の新作、さっそく聴いてみた。アルバム・タイトルが如何にもイモージェンらしい。今作も13曲全曲彼女の作品。
first train home
wait it out
earth
little bird
swoon
tidal
between sheets
2-1
bad body double
aha!
the fire
canvas
half life
スタート曲”first train home”は意外にミドル・テンポで、彼女とすれば比較的オーソドックスに唄う。相変わらずエレクトリック・サウンドでバック・リズムを刻む中、彼女の高音部への変化は独特の世界だ。続く”what it out”では、重録音での歌声を響かせ、5曲目”swoon”、6曲目”tidal”あたりで、軽快なテンポの彼女の世界が全開する。 そして7曲目の”between sheets”で特異の浮遊感の世界に聴くものを引き込んでくる。8曲”2-1”と9曲”bad body double”は、曲としてはスローに、そして異様な雰囲気を醸し出す。
そして11曲目の”the fire”は多分彼女の演奏と思うが、2分間の静かな中にピアノの音色が流れ、その中に我々は浸れる。それが次の曲”canvas”に流れ、アコースティック・ギターとピアノの演奏に変わり、そしてヴァイオリン、チェロのストリングスの音色がピアノと合体して、彼女の低音部から独特な高音部へのハスキーでいて美しい生きた歌声と共に聴くものの心に浸透する。このあたりがこのアルバムの聴きどころか。
最後の曲”half life”では、最終章らしく静かに美しく自己のハーモニーで流して結ぶ。
いずれにしても、独特のイモージェン・ヒープの世界は相変わらずで、若干大人向きになったオルタナティブ・ロックの世界を堪能できる。
今回は、ジェフ・ベックのエレクトリック・ギターは聴かれないが(2曲で若干エレキ・ギターが登場するが)、私としてそのあたりの世界も実は期待したいところであった。しかし、まああまり欲張ってもいけないでしょう。
とりあえず、しばらく聴き込んでみたいアルバムであることは事実である。
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