イモージェン・ヒープ

2009年8月26日 (水)

イモージェン・ヒープ の ニュー・アルバム「ELLIPSE(楕円)」

4年ぶりの新作で迫るIMOGEN HEAP

 グラミー賞候補やジェフ・ベックとの競演、そしてラプトップ・コンピューターを携えてのプレイ。更にマルチ・プレイヤーであり独特の発声で話題のイモージェン・ヒープの4年ぶりの新作アルバムの登場だ。
Ellipse 「ELLIPSE(楕円)」Magaphonic Records 88697-50605-2  2009.8

期待の新作、さっそく聴いてみた。アルバム・タイトルが如何にもイモージェンらしい。今作も13曲全曲彼女の作品。

    first train home
    wait it out
    earth
    little bird
    swoon
    tidal
    between sheets
    2-1
    bad body double
    aha!
    the fire
    canvas
    half life

 スタート曲”first train home”は意外にミドル・テンポで、彼女とすれば比較的オーソドックスに唄う。相変わらずエレクトリック・サウンドでバック・リズムを刻む中、彼女の高音部への変化は独特の世界だ。続く”what it out”では、重録音での歌声を響かせ、5曲目”swoon”、6曲目”tidal”あたりで、軽快なテンポの彼女の世界が全開する。 そして7曲目の”between sheets”で特異の浮遊感の世界に聴くものを引き込んでくる。8曲”2-1”と9曲”bad body double”は、曲としてはスローに、そして異様な雰囲気を醸し出す。
 そして11曲目の”the fire”は多分彼女の演奏と思うが、2分間の静かな中にピアノの音色が流れ、その中に我々は浸れる。それが次の曲”canvas”に流れ、アコースティック・ギターとピアノの演奏に変わり、そしてヴァイオリン、チェロのストリングスの音色がピアノと合体して、彼女の低音部から独特な高音部へのハスキーでいて美しい生きた歌声と共に聴くものの心に浸透する。このあたりがこのアルバムの聴きどころか。
 最後の曲”half life”では、最終章らしく静かに美しく自己のハーモニーで流して結ぶ。
 
 いずれにしても、独特のイモージェン・ヒープの世界は相変わらずで、若干大人向きになったオルタナティブ・ロックの世界を堪能できる。
 今回は、ジェフ・ベックのエレクトリック・ギターは聴かれないが(2曲で若干エレキ・ギターが登場するが)、私としてそのあたりの世界も実は期待したいところであった。しかし、まああまり欲張ってもいけないでしょう。
 とりあえず、しばらく聴き込んでみたいアルバムであることは事実である。

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2009年7月21日 (火)

イモージェン・ヒープ iMOGEN HEAP の世界再考

この浮遊感と危険性

 私にとっては、ジェフ・ベックによって知らしめられた英国の女性オルタナティブ・ロック歌手イモージェン・ヒープiMOGEN HEAPですが、近作アルバムの「speak for yourself」には圧倒された訳で、もう少し彼女の世界を知りたいと思っているところに、この8月にはニュー・アルバムがお目見えしそうだ。しかしそれに先駆けて彼女の過去のアルバムを聴いてみるのも面白い。
ここで再び彼女を取り上げる。

Imegaphone 「i MEGAPHONE」 ALMO sounds AMSD-80017 1998
これは今手に入る彼女の初期のアルバムかと思うが、既に彼女の特異な世界が完成している。例の高音部への独特の声の変化を伴った浮遊感ある歌声は、まさに彼女の真骨頂。息づかいまで歌にしてしまうような危険感ある世界はスリルというかゾクっとくる。もう10年以上前のアルバムだから驚きだ。ギターやピアノそして刻むエレクトロニック・サウンドと一体化した彼女の声の厚みのある低音部から浮遊の高音部は貴重な世界である。アルバムはスタートの”getting scared”、”sweet religion”の2曲でリズムに乗せて次第に彼女の特異な感覚を醸し出す世界に引きずり込み、全9曲の7曲目の”candlelight”になると歌唱力で語り込んでくる。
 いずれにしても、貴重なアルバムである。

Froufrou 「details」 / frou frou    MCA 314 586 996-2   2002
これはイモージェン・ヒープがビョーク、マドンナなどのプロデュースをしたGuy Sigsworth との共作。Guy はプロデュサー、アレンジャー、ソング・ライターで Ambient とか electronic-Music   といった世界だが、イモージェンにたっぷりと歌わせている。しかし、これはこれなかなかリズム感はコンピューター世界も感ずるスマートさがある。それにイモージェンのセクシーさのある変調ヴォイスが色づける。
 しかし、曲の変調の楽しさは、彼女のアルバム「iMEGAPHONE」に軍配が挙がる。それでもこれも貴重なアルバムだと思う。結構ファンがいるようだ。しかしこの frou frou という名前のユニットは、これ以降は見えないところは、多分彼女がこのアルバムは若干凄みにかけるところが気に入らなかったのかも知れない。私もこの2枚のアルバムを比べたら、彼女の描く世界観からいっても断然4年前の「iMEGAPHONE」が一歩先にいると思う。

 とにもかくにも、彼女の世界はそう聴かれるモノでない。これからの新譜が又どう進化するか楽しみな今日この頃である。

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2009年4月10日 (金)

イモージェン・ヒープ iMOGEN HEAP の独特の世界

不思議なヴォイスで迫ってくるアルバム「ひとりごとspeak for yourself」

Imogenheap1  ジェフ・ベックの「LIVE AT RONNIE SCOTT'S」にゲスト出演している女性ヴォーカリストのイモージェン・ヒープについてなんですが、私には詳しい情報は持っていない。かって2000年のジェフのアルバムにもヴォーカルとして参加した事はあるが、その時に聴いた程度だった。そもそも活動の場はインディーズ系であったようで、日本においても一般的というよりは知る人ぞ知るという存在だ。ただアルバム「ひとりごと speak for yourself」(日本盤 SICP1387)という2007年のアルバムは、なかなかそれなりにファンがいて私も幸いにして所持している(ジェフから教えられた結果であるが)。
 そんな訳で、少々彼女について書いてみる。いずれにしても英国の女性シンガーであるが、ピアノ、ギター、クラリネット、チェロ、ドラムスなどをこなすマルチ・プレイヤーで、ステージではラップ・トップ・コンピューターを抱えて登場して、バック・トラックをコンピューターで流しながら、ピアノを弾きながら唄うという一人による演奏世界であるようだ。曲タイプはオルタナティブ・ロックと言っていいのだろう。
Imogenheap2 いずれにしても、彼女の特徴はシンガー・ソングライターというに止まらず、その歌声にある。憂いのあるややハスキーな声で語り聴かせ、やや高音部となると吐息と共に消えゆく浮遊感と、妖艶と表現して言い声で迫ってくる。まさに一種独特な世界である。
 この世界をジェフ・ベックはどうゆう繋がりか解らないが、2000年のジェフのアルバム「YOU HAD IT COMING」にて2曲に登場している。彼のギターと融合させているところに、非常に興味を持つ。そしてこの彼女のアルバムにおいても一曲にバック・ギターとしてジェフが参加しているところも見逃せない。
 もう彼女もデビューして10年を経過している。このアルバム「ひとりごと」の後は、まだニュー・アルバムの話は聞いていないが、どんな状況なのか?。
 ジェフの2007年のライブでは元気な姿が見れるので、その後も彼女なりきのペースでニュー・アルバム作りも進行しているかも知れない。
 とにもかくにも、このアルバム「ひとりごと」(全14曲)によって彼女の世界を覗いてみるのは、決して無駄なことでない。このような一種独特な世界は映画等のサウンド・トラックとしても有用であるようで、「ナルニア国物語」始めいくつかに起用されているようだ。
 音楽を一つのアートとして構築する世界観すら感ずる彼女の活動に今後も関心を持って行きたい。
 最後に追加するが(ほんとは書こうかどうしようか考えていたんですが)、やっぱり彼女の歌う世界の中でも、出色(私にとってかも知れないが)は、ジェフのギターとのロニー・スコッツにおけるライブの”Blanket”にみる世界と私は断言する。ジェフの控えめの音とのマッチングは他に類をみないところであるし、”Rollin' And Tumblin'”から伝わってくるリズム感は、圧巻である。ジェフ・ベックが彼女を迎える理由がここからも窺い知ることとなる。そんなところからも、ジェフ・ベックの「LIVE AT ronnie scott's」のDVD盤はCD盤の方にはこれらの曲が収録されていないところからも貴重盤である。

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2009年3月29日 (日)

ジェフ・ベック映像で迫る「Live at RONNIE'S SCOTT'S」

ここまで観れるのはまさにこの一枚のみ「JEFF BECK / Performing this week.......LIVE AT Ronnie Scott's」 SIBP 123

Ronnie1  既に発売されている同題のCD「Performing this week...Live At Ronnie Scott's」sicp 2111 の映像版と言っていいDVD映像の登場 。しかもCDの16曲に+α加えての21曲が収録されている。あの200人収容というロンドンの小ジャズ・クラブでの収録。CDもなかなかの好録音で、しかも彼のテクニック満開の音の世界は圧巻であったが、更に映像が迫ってくるこのDVD盤はDTS5.1surroundでも聴ける代物。かってジェフ・ベックのオフィシャル・ライブ映像はどうした訳かまさに彼の名義のものはなく、ブートレグにてお茶を濁してきた私であるが、ついにここに手に入れることが出来たわけだ。
 幸いにして、小クラブでの収録で大観衆のステージとは違って、彼の操るギター・テクニックが、手に取るように見れる。
 ライナー・ノーツの細川真平も書いているが、彼のピックを使わない指弾きの妙技とデリケートなアーミングにまさに溜息をつく。
Ronnie2  そしてこれには、エリック・クラプトンの2曲の参加がしっかり収録されているし、やっぱり、あのCROSSROADSで話題になった可愛い女性ベーシストのタル・ウィルケンフェルド Tal Wilkenfeld の存在が、このドラムス(ヴィニー・カリウタVinnie Colaiuta)とキーボード(ジェイソン・リベロJason Rebello)に囲まれて、なんともいえないこのグループの楽しさを醸し出している。特に例の曲”哀しみの恋人達”の彼女のソロ・パートは、ジェフの頼もしげな表情を生み出して、実に訴えてくるところがある。
Ronnie3  更に、イギリス出身のかなりソウフルな歌声のジョス・ストーンJoss Stone が登場する。彼女はハービー・ハンコックやサンタナとの競演もあった実力派で、映画女優としても確か活躍したはずだ。R&Bソンガーと言っていいと思うが、2007年には日本公演もあった。このライブにおいても"peaple get ready"をジェフのギター・サウンドを見事に唄いきっている。
Ronnie4  更に更に、オルタナティブ・ロックと言った範疇になろうと思うが、美人マルチ・プレイヤーとして知る人ぞ知るイモージェン・ヒープ Imogen Heap が登場する。あの独特の一種の息を漏らす喘ぎのような歌声は、ジェフの刻み込むサウンドと妙にマッチングして面白い。このあたりもCD盤にはなかった楽しめる場面だ。
 やはりライブものは映像があってこそ楽しめるというのは事実である。ここにジェフ・ベックが、おしげもなくギター・テクニックをお披露目したことは、彼が一つの境地から一つ超えての世界に入ったのかも知れない。このDVDは私にとっては貴重盤となることは間違いない。

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