ケイテイ・メルア

2017年12月19日 (火)

ケイティ・メルアKatie Melua 「IN WINTER」(Special Edition)

(今年聴いて印象に残ったアルバムを-6)

究極の癒やしの世界にみえるグルジアへの郷愁

<Jazz, Pop>

Katie Melua 「IN WINTER」(Special Edition)
BMG/ADA / EU / 538339070 / 2017


Inwinter1

Katie Melua : Vocals, Guitar
Gori Women's Choir

Katie1w ケイティ・メルアのアルバムも久しぶりのような気がする。もともとこのアルバムは2016年の冬にリリースされたものであるが、ここにライブ盤も同梱されてのスペシャル・エディションの登場だ。
  彼女はここでは何回と取りあげているのだが、ジョージア(旧グルジア)で生まれ、イギリスを拠点に活動するシンガー・ソングライター。幼少期は悲劇の紛争のグルジアからイギリスへ避難。そんな経歴から彼女の美しい透明感のある歌声には、どこか陰影もあってそれが又一つの魅力でもある。(参照:ケイティ・メルア

 さて、このアルバムは「冬」がテーマなのだが、彼女の冬にこだわった旧グルジアに想いを馳せたところが、しみじみと感じ取れる。それにはグルジアのゴリという小さな街の24人編成の女声聖歌隊、ゴリ・ウィメンズ・クワイアを迎えてアルバムのレコーディングを行ったところにも見て取れる。なんとこの地の文化コミュニティ・センターにお手製のレコーディング・スタジオを作り、そこで録音したという気合いの入れ方であった。
 前作『KETEVAN』 (2013年)も、彼女のグルジア生まれのバース・ネームをアルバム・タイトルに持ってきた作品であったが、過去のポップな因子の強いアルバムで彼女は一つのアーティストとしての地位を獲得すると、自己の原点に目を向ける因子が年と共に深まっていることが解る。そんな意味でもこのアルバムはその頂点に位置しそうである。

Katie_melua_zmf_2016w【CD1 - In Winter】 
1. The Little Swallow 
2. River 
3. Perfect World*
4. Cradle Song 
5. A Time to Buy* 
6. Plane Song *
7. If You Are so Beautiful 
8. Dreams on Fire*
9. All-Night Vigil - Nunc Dimittis 
10. O Holy Night   


 曲は上のように10曲。彼女自身の曲は4曲(*印)、そしてその他の一つは、彼女の思い入れの冒頭の曲はウクライナのトラディッショナル聖歌「The Little Swallow (Shchedryk)」であり、ウクライナ語で唄われている。オープニンクから並のポップ・アルバムではないぞと思わせる。
 又、ロシア革命(1917年)の2年前にラフマニノフが作曲した「All-Night Vigil(徹夜祷)」の「Nunc Dimittis(聖抱神者シメオンの祝文)」という曲は、紹介によるとケイティにとって一つの挑戦でもあると同時に、どうしても入れたかった曲だという。美しいバック・コーラスとケイティの美しい声によって描くところは深遠な大自然を描くがごとくの美世界。敬虔な気持ちになる。
 彼女のオリジナル曲「Perfect World」や、共作のなんとグルジア語のナンバー「If You Are so Beautiful」も登場、そして最後に収録されているケイティが初めて出演したベルファストの学校でのコンサートで披露したと言う「O Holy Night」などが『IN WINTER』に収録されている。 ここには彼女の冬の雪の日の”心の癒やしの世界”の展開が聴く者の心に響いてくるのである。

 そしてこの「Special Edition」には、彼女のライブ版をカップリングされている(↓)。これには、この『IN WINTER』の全曲のライブ・バージョンと、彼女の過去のヒット曲を完全にこのアルバムに相応しい編曲を施して、彼女のアコースティック・ギターでしっとりと聴かせてくれるのである。いやはや大人のケイティといったところだ。
 透明感と癒やしのケイティの声と、ゴリ・ウィメンズ・クワイアの聖なるコーラスが織りなす深遠なる聖なる世界は素晴らしい。

【CD2 - Live from Admiralspalast, Berlin】 
1. The Little Swallow
2. River   
3. Perfect World   
4. Cradle Song   
5. A Time To Buy   
6. Plane Song   
7. If You Are So Beautiful   
8. Dreams On Fire   
9. All-Night Vigil - Nunc Dimittis   
10. Holy Night   
11. Belfast   
12. Bridge Over Troubled Water   
13. Wonderful Life   
14. Nine Million Bicycles   
15. Closest Thing To Crazy   
16. Satrpialo 
17. I Cried For You 
18. Fields Of Gold (Bonus Track)

(視聴)

      *               *              *   

 

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2013年10月29日 (火)

ケイティ・メルアKatie Meluaの6thアルバム 「KETEVAN」

自己のバース・ネームをアルバム・タイトルに!!

Katie10
 さてさてケイテイ・メルアがニュー・アルバムをリリースしたのでここに登場させる。彼女に関しては既に2009年から数回ここで取り上げて来た。もうあれから4年以上経過してしまったのかと、その月日の経つのが早いのに驚きつつ、それはどちらかというとシンガーソングライターで実力があり、丁寧にクリアな声で歌い上げるところに好感の持てる彼女の世界に関心があったからだ。
 さて今回の多分6作目となるこのアルバム、やや低迷気味であったので、ここらで起死回生を狙ってきたのだろう。英国で活躍する彼女であるが、元をただせばグルジア出身(1984年生まれ)、そこでの彼女の名前(バース・ネーム)そのものが今回のアルバムのタイトル”KETEVAN(ケテヴァン)”なのだ。

<Popular> KATIE MELUA 「KETEVAN」
                 DRAMATICO  DRAMCD0095  ,  2013

Katevan_2

 さてこのアルバム、今回も彼女の育ての親である英国ポップ職人といわれるMike Battのプロデュースだ。そして更にMikeの息子のLuke Battもプロデュースに名を連ね、更に曲も提供している。前々作2010年「The House」 で一本立ちしたかに見えた彼女も、結論的にはそれ程の成果が上げられず、前作2012年春リリースの「Secret Symphony」は、再びMike Battによる作品で打って出て、そして今回1年半の間を空けて更に彼の力によってかっての注目を狙ってきたと思われる。
 もともと優しいというか聴く者に癒やしをあたえる彼女の独特な歌唱に好感を持って全てのアルバムを聴いてきたが、もう30歳にもならんとしているのだから、更なる一歩を期待したいところで今回のアルバムに接したわけである。

Katevanlist tracklistは左のようだが、今回もシンガーソングライターとしての彼女自身のオリジナル曲が5曲(3.4.6.9.10.)が登場するが、Mike Battの曲がオープニング曲からこのアルバムの色付けをして、合計5曲お目見えだ。もともとメディアム・テンポの曲で、優しさ、安堵感を導く彼の曲は独特で、聴く者に快感を与える。そこにケイティのバラード調のヴォーカルによって一層味付けされているのである。相変わらず、なんとなくあどけなイメージのあるクリアな歌声も一つの魅力になっている。

 さてこのアルバムも新天地というよりは、今までのパターンの継承であった。Mike Batt の曲とケイティの曲の若干の違いがアルバムのメリハリになるところもあるが、まぁ全体的に一つの傾向のアルバムに聴ける。
 こうして何枚かの彼女のアルバムを聴いていると、それぞれに大きな変化は無くそんなところが若干不満にもなる。
 ここらあたりで、ガラっとイメージ・チェンジでJazzy色を強めたアルバムなんかはどうかとフト思うのだが・・・?。

 一つの注目点は、最後の”I will be there”は、エリザベス女王の戴冠60周年記念式典用の曲と言うことで、ちょっとイメージが違うが、大いなる讃歌という感じで良い曲である。

(試聴) "I will be there" http://www.youtube.com/watch?v=7IRIP-hSfJ0

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2012年4月 6日 (金)

ケイティ・メルアKatie Melua ニュー・アルバム「SECRET SYMPHONY」登場

マイク・バットMike Batt のプロデュースでの奮起は??

Secretsymphony 「KATIE MELUA / SECRET SYMPHONY」 DRAMATICO  DRAMCD0078  ,  2012

 取り敢えず3年ほど前から私の注目している英国のケイティ・メルアだが(”ケイテイ・メルアの世界”2009.7.28 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-bdf3.html)、彼女のニュー・アルバムの登場だ。前作「the house」は2010年のリリースだから、既にあれから2年近くなるんですね (2010年8月に取り上げているので参照して欲しい=”ニュー・アルバム「the house」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/the-house-cb90.html)。
 これはスタジオ・アルバムとしては5thアルバムとなるが、前作では自立し卒業したかに見えた師匠のマイク・バットのプロデュースによってのお目見えだ。

 確かに、前作「the house」は、100%ケイティ・メルア自身の曲によって作られていたが、残念ながら良くできたアルバムであったが、話題性はあまりなかった。
 その為かどうか解らないが、今回のアルバムは、過去に世話になったマイク・パットに全面的にゆだねられている感がある。まあ、つまり彼からは卒業できなかったと言うところであろう。それも、昨年一年を通して英国ではアデル旋風が吹き荒れて、こうしたややJazzyなポピュラー派は相当な影響を受けたであろう事が想像されるところ。

Secretsymphonylist  曲は左の11曲であるが、彼女自身はシンガーソングライターであり、自己の曲も多いと思うが、このアルバムでの登場は3曲で、しかもその内の2曲は、マイクの世話になっている。一方マイクの曲は4曲と多く、更にケイティの曲2曲に彼が関係している。バック・オーケストラもマイクの指揮によっていて、実質彼の作品と言うところ。
 歌詞はアルバムのブックレットには載っておらず、彼女のホーム・ページに載せてあるという手法をとっている。

 全体の印象は、かなり落ち着いたやや大人っぽくなったケイティ・メルア(1984年グルジア生まれであり今年ようやく30歳になる)のヴォーカルを中心に、バックはオーケストラが美しく流し、ギターが印象的な曲作りをしている。ジャズっぽい面はあまりない仕上げ。
 相変わらずケイテイの唄は、嫌みのないややあどけなさの残った声で、聴く者にとっては安堵感に繋がってゆく。又グルジアの悲劇を克服してきた彼女の姿から、なぜか美しい中に哀愁を感じてしまうのは、私だけであろうか。
 ただし、このDRAMATICOは、なかなか録音の質は常にハイレベルにある。。

Katie5  かってエリザベス女王にお墨付きをもらったというのが彼女のキャチ・フレーズであるが、それだけその唄には品があると言ってもいいのであろう。

 このアルバムの印象も極めて好感の持てる曲の集合体といったところ。ただしこの曲が看板作というパンチの効いたものは今回は感じられなかった。彼女のアルバムとしては平凡な部類かもしれない。
 ただ不思議なのはマイク・パットの曲の後にケイティ自身の曲が来ると、彼女の曲が引き立つという現象が起こる。これは過去に於いてもそうであったのだが、やっぱり相性が良いというところなんでしょうね。

 いずれにしても、女性ヴォーカル・アルバムとしては良質の一枚であることは事実。しかし残念な事に、これはそうした評価で終わってしまいそうなのだ。つまり過去のケイティ・メルアの世界から一歩発展性が見て取れなかった。私的にみた期待度は、もう少しジャズの世界に足を踏み込んでほしいと言うところ。つまり、ここらあたりで一歩前進しないと、これで終わってしまいそうなのである。

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2011年8月19日 (金)

ケイティ・メルア Katie Melua オーケストラとの共演ライブDVD

オーケストラとの共演のもたらすもの・・・・・

 私がこのケイティ・メルアの唄を知ったのは2009年の夏なのでまだ2年前だ。にもかかわらず、ずいぶん前から聴いてきたような錯覚に陥っている。それは何故なんだろう?と・・・・・・。多分2003年の1stアルバムから昨年の4thアルバムの「the house」まで、結構何度となく良く聴いた為かも知れない。
 そして今年になって、2009年のライブDVDが登場していた。最近私はそれを手に入れて視聴した訳だが、なんか結構懐かしい気持ちで観ていたのである。

Stuttgartdvd 「Katie Melua with the Stuttgart Philharmonic Orchestra」 DRAMATICO DRAMDVD0006 ,  2011

 これはドイツのシュツットガルドで、1994年以来毎年行われている”JAZZ OPEN Stuttgart”という音楽の祭典に、2009年ケイティ・メルアの出演した時のライブ・映像盤だ。それが今年になってリリースされた(輸入盤だがリュージョン・フリーで日本でも観れる)。
 この音楽行事は、”JAZZ OPEN”と名付けられているように、毎年話題のミュージシャンを、音楽ジャンルはジャズに主軸を於きながらも、ジャズばかりには固執せず、そして広く各国から招待公演させているものだ。

 彼女に関してはこのブログで何度か取り上げたので省略するが、1984年旧ソ連のグルジア生まれであり、このライブではまだ25歳という若さである。
 ピアノ、ギターを弾きながら歌うシンガー・ソングライターで、かなりの音楽の積み重ねもあると思うが、その曲はJazzyであるが(ブルースも)、ロック、ポップスの範疇にも入るし、時にアイリッシュ・フォークの色合いも見せる。
 その歌声もなんとなくあどけないところがあって、それも又魅力である。

Stuttgartdvdlist    収録されている曲は左のようで、どちらかというと彼女のヒット・パレードだ。
 なんと言っても、このライブの特徴はオーケストラとの共演である。彼女自身も初めての試みで、感動したようである。もちろんジャズ畑のピアノに加えてギター、ベース、ドラムスの参加もある。
 しかも、このシュツットガルド・フィルファーモニー・オーケストラを指揮するは、彼女をここまで育ててきた師マイク・バットである。
 もう一つ驚かされるのは、この会場の9千人と言われるオーディエンスは25歳のジャズぽいと言えどもポピュラー系の女性のステージというのに年齢層の高いのに驚かされる。彼女の主たる活動の国イギリスに於いてもライブ映像を見ると年齢層はかなり広く中年以上が結構多い。
 こうした広い年齢層に愛されている歌手だと言うことが解るのだ。しかし、不思議に日本ではそうネーム・バリューは高くない。従ってこのDVDも日本版はないのだ。

Katie_melua  この彼女のライブを観て思うのだが・・・・、彼女はグルジアでの内戦の悲惨さの中で育った為なのか?、このあたりは全く私の想像の域を出ていないのだが・・・・、演ずる会場の雰囲気はそれほど明るくはない。彼女の歌う表情も笑顔ではないのがそうさせるのか?。ましてフル・オーケストラをバックにするとなお更静かな会場と化している。
 曲の内容でも、リズムでも、決して全てが暗いわけでもないが・・・、なんかこのDVDをみてそんな雰囲気を感ずるところだ。このあたりが、日本でも若者にあまり注目されないところであるのかもしれない。それでも若い連中に彼女のCDを聴かせると評判はすこぶる良いのだ。
 ライブでも、もうちょっと、会場を楽しくさせるパフォーマンスも必要なのかも知れない("on the road again"などでは頑張ってはいるのだが・・・・)。
 しかしいずれにしても、若いにもかかわらず一つの世界を持ったミュージシャンであることは間違いない。私にとっては2年前から注目し、応援している女性シンガー・ソングライターの一人なのである。
 
 

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2010年8月 3日 (火)

ケイティ・メルアのニュー・アルバム「the house」

一つの転機か?過去のアルバムから一歩脱皮


Thehause 「Katie Melua / The House」 DRAMATICO DRAMCD0061,  2010

 比較的日本では広く行き渡って聴かれているというわけではないが、私の注目歌手の一人であり、ここでも何回か取り上げているケイティ・メルアのベスト及びライブ盤を除くと、4thアルバムとなるニュー・アルバムの登場である。今回も日本からのリリースは今のところない。
 3rdアルバム「Picture」以来久しぶりだ。グルジア(旧ソビエト)出身の英国での活動の彼女、かなりの評価を得ているにもかかわらず、どうゆう訳か日本版のリリースがない。(レコード会社の関係か?)
Photo  収録曲は左のごとくの12曲(クリック拡大参照)。そのうち11曲は助けを得ながらも彼女のオリジナル曲ということで、相変わらず自己の力を示している。ただし1stアルバムからの彼女の世界を造って来たかってのMike Battの関係した曲は1曲のみとなっている。そして演奏からも彼のピアノは消えている(彼はExective Producerと記されている)。そして今回は、彼女自身はアコースティック・ギターの演奏のみのヴォーカル中心の作品となっている(バンド構成はDrums , Guitars , Bass , Keybords )。
 そんな訳か、今回のアルバムはイメージが若干変わっている。基本的には、ややJazzyな印象は後退して、どちらかというとポップスである。
Katiemelua  さてさて、その内容であるが、スタートの”I'd love to kill you”は多分彼女自身の静かなアコースティック・ギターに乗ってのラブ・ソング。これは3rdまでの彼女の世界である。しかし2曲目の”The flood”となるとイメージが変わる。若干アジア的世界観というか?、彼女のグルジアの雰囲気か?、そして一転して迫り来るパワーを感ずる曲である(シングル・リリースしていた曲)。そしてそれに続く”A happy place”と続いて、彼女の訴えを歌い上げているような展開となる。このあたりがこのアルバムの一つの焦点のような気がする。
 そして4曲目には”A moment of madness”は、ちょっとタンゴ調の大人の世界に変わる。
 私の好みは、やはり失恋曲(?)”Red Balloons”とか、8曲目の哀しげなギターの音をバックにしての”The one i love is gone”あたりが好みである。
 そしてタイトル曲の”The House”は、このアルバムでは中身が濃い。スロー・テンポの曲であるが、彼女の歌が凝縮してている。ここに彼女の別の一つの世界が示されている。彼女の人生の中にあるかっての哀しい中身でも示していそうな世界でもある。これはお勧めである。
 いずれにしても、このあたりは日本盤がリリースされ、専門家のライナー・ノーツも拝見したくなるが、目下のところはそれはない。
 この盤は、やはり最後の曲の締めによって、やはり良いアルバムという結論を持った。

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2009年8月12日 (水)

ケイティ・メルアKatie Melua の世界(3)

O2a  あのグルジア生まれの英国の若き女性歌手のケイティ・メルアのライブ・アルバムが今年の春にリリースされている。これが彼女の最新盤であるので聴いてみた。
「KATIE MELUA LIVE AT THE O2 ARENA」 DRAMATICO 2009
 アルバム「The Collection」にて観られたDVD盤のライブと同じ2008年の”KATIE's pictures World tour”であるが、このCD盤は11月8日、ロンドン郊外の世界最大と言われるドームにての収録。演奏し唱われた曲も、ほぼ「The Collection」と同じであるが、一部カットされて全19曲。
O2b 曲目は左参照(クリックにて拡大します)。
 こうしてみると、Pictures Tuor といえどもアルバム「Pictures」からの曲というよりは、過去の話題曲、ヒット曲のオンパレードだ。特に私が推薦するアルバム「PIECE BY PIECE」からの曲がメインと言ってもよい。もともとこのDRAMATICOレコードは、彼女の過去の4アルバムとも、なかなか低音が豊かに録音されていて疲れない音であり、メルアの歌声も適度のホール感の残響があり好録音と言っていい。そしてこのライブ盤は若干派手な音に録音されているが、ライブものとしてもクリアでよい部類に入る。
O2c  そして、このライブ・ステージは左右にライブ・カメラ画像の投影と、中央にコンピューター画像5枚を並べて動画で演出するというかなりの凝りようで、そのあたりは「The Collection」のDVDで見て取れる。
 曲は、彼女作の”PIECE BY PIECE”からじっくり聴かせるパターンでスタートする。そしてグルジアのフォーク・ソング”Yellow Leaves”や、例のサイレント時代の女性映画スターを歌う”Mary Picford”など、更に”Spider's Web”、”The Closest Thing To Crazy”、”Nine Million Bicycles”などなどヒットを唱い上げる。そしてアンコールに入って、あの乗りの良い”On The Road Again”、その後にジャニス・ジョプリンの”Kozmic Blues”をカヴァーする。これにはやはり彼女のブルース心と、ジャニスの熱唱とが混在して面白い。最後は”I Cried For You”で締めくくっている。
 バック・バンドも良質で6人の健闘が光る。Luke Potashinick のギターもいいし、Frank Gallagher のViolin、Pipes が印象的だ。

Katie_melua3  いずれにしても、これだけの観衆(24歳という若年の彼女としては、40代以上の多くを集めることが出来ることに脱帽する)を集め、そして堂々とステージいっぱいに展開する演技と歌には驚かされるのである。

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2009年8月11日 (火)

ケイティ・メルアの世界(2)

Pictures3 Katie Melua ケイティ・メルアの3rdアルバム「picturesDRAMATICO 2007

 先日、1st、2ndアルバムに触れたが、彼女のブルースやジャズ色のロック&ポップスといったスタイルは、その歌声とともに精神安定剤的効果を発揮するところは、このアルバムも同じだ。内容的にはタイトルどおり映画というものを意識したもの。オープニングの曲は、ライブでも結構力を入れている”mary pickford”。これはチャーリー・チャップリンと共にサイレント時代の女優であるピックフォードを取り上げている。
2曲目に入って”it's all in my head”は、やや大人っぽくなったケイティが見えかくれする。4曲目”what i miss about you”は語りかけるように、そして”dirty dice”はリズムに乗っての歌ではあるが、同様に大人の世界も臭わせる。
 いずれにしても彼女独特のあどけなさの残る声は魅力的であり、その唱い方の聴きやすさが出色である。
Katiemeluab  そして彼女のこれぞケイティというパターンは10曲目”if you were sailbot”で頂点を迎える。12曲目”in my  secret life”では、なんとなく色気のある歌い方もみせるところが面白い。13曲目”when you taught me how to dance”は映画「ミス・ポター」の主題歌で、映画のエンディングに登場する曲。この映画DVDで持っていたので、改めて観てみた。意外にスッキリとこの曲は歌い上げる。締めくくりはあのヒット曲”the closest thing to crazy”のアコースティック・バージョンが登場する。
 こんな感じのアルバムであるが、この3rdアルバムに至って、ロック調であれフォーク調であれ既にケイティ節は出来上がっていることが解る。このあたりは、ちょっと恐ろしいくらいだ。

Collection  ■ CD+DVD(ライブ)盤で登場の4thアルバム「The Collection」DRAMATICO 2008

 これは、過去のアルバムからの曲のコンピレーション盤といってよい。内容は過去のアルバムからの曲群14曲とニュー・トラックとして3曲が追加されている。
 いきなり”The Closest Thing To Crazy”が登場して、一気にケイティの世界に引っ張り込む。飽きずにあっという間に17曲が聴かされる。とにもかくにも買って損のないアルバム。
 そして、DVDはケイティの2008年tourでのRotterdamのLIVE90分が見れる。彼女の歌声、アクションはもちろんギター、ピアノ・プレイが堪能できるし、バック・バンドもギター、ベース、ドラムス、ピアノ、パーカッションを主体にヴァイオリンその他も登場しての充実ぶり。会場の観衆は、彼女の年齢からしては立派な大人が多い。支持者はかなり年齢層の幅が広そうだ。
 このCD+DVD盤は結論的には、楽しめると同時になんとなくやはり精神安定剤的に気持ちも救われるアルバムである。
 これは一応の集大成盤であり、これを聴くといよいよ次のアルバムからは、どうした新展開があるのか?と、ついつい期待してしまうのである。

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2009年7月28日 (火)

精神安定剤(2)ケイティ・メルアKatie Meluaの世界

Katie_melua歌唱力から生み出す安堵感の中の官能美

ケイティ・メルアという歌手の歌声は、これも私の友人から知らしめられた。
 まさに精神安定剤としての効果十分。この若さからは信じられない心地よさの世界は不思議なくらいだ。
 英国の歌手であるが、KATIE MELUA という名前は英国としてはちょっと首をかしげる。それもそのはず、旧ソ連のグルジア出身1984年生まれという。バツーミ(グルジア)からモスクア、ベルファスト(北アイルランド)を経てロンドンに移り住んだという。グルジアの内戦の厳しさを幼少時に目に見てきたと思われる。そんな経歴の中から15歳にテレビの勝ち抜き番組にて優勝してのデビューらしい。
 作曲は17歳ぐらいから始めていて、ジョニ・ミッチェル、エヴァ・キャシディなどに影響受け、アイリッシュ・フォークやインド音楽にも傾倒したという。
 いずれにしてもエリザベス女王から讃辞の言葉を受けたとか、英国ではポスト・ノラ・ジョーンズというレッテルも張られるぐらいの存在に早熟ながら地位を構築している。
 しかし、2003年には1stアルバムを発表しているにもかかわらず、私は知らずに経過してきていた。今これを知って非常に感激している。
 又、彼女のアルバムを作成リリースしているのはDRAMATICOというレーベルだが、なかなか録音と音作りがいい。この点も私は楽しませていただいているし、まさに精神安定剤である。

Calloffthesearch 1stアルバム「CALL OFF THE SEARCH」 / KATIE MELUA    DRAMATICO B0002666-12  2003

 オープニングの曲”call off the search”から、静かなピアノ、ヴァイオリンをバックに語りかけるように唱って、次第にストリングス更にトランペットなどがバックに静かに流れる19歳とは思えない大人ぽさの曲。3曲目”the closest thing to crazy”は彼女の代表曲といっていい。多分彼女のアコースティック・ギターをバックに歌い上げる。低音が非常に心地よいし、高音に移っていくところにあどけなさと、又甘い官能的なところをチラッと見せるところがにくい。これは誰もが絶賛する曲であろう。4曲目”my aphrodisiac is you”は、ジャス的アプローチを見せる。5曲目”learnin' the blues”、6曲目”blame it on the moon”は10代とは思えない大人の曲を歌い上げる。このアルバム12曲の中で、彼女を見いだしたプロデューサーのマイク・バットの曲が6曲と大半を占めている他に、彼女自身の曲も2曲ある。しかしマイク・バットの造り上げる世界が多分このアルバムには大きいのであろうと想像するが、それをこなしきったケイティ・メルアに喝采を送りたい。

Piecebypiece 多分2ndアルバムと思われる「PIECE BY PIECE」 / KATIE MELUA   DRAMATICO B0006868-02  2006

 このアルバムも素晴らしい。オープニングは”shy boy”エレクトリック・ギターをバックにジャズィーにリズムカルにスタート、静かに説得ある歌声。おお、成長したなと思わせる。2曲目”nine million bicycles”は、もう完全に彼女の世界。これも代表的な曲と私は押す。3曲目はタイトル曲でメルア自身の作曲”peace by piece”、このアルバムの最初の山が訪れる。これぞメルアだと言っていい。私のお気に入りのいい曲だ。このアルバムは彼女の22歳の時のモノと思われるが、彼女自身の曲が5曲に増え、バットの曲は4曲となっており彼女の成長をもの語る。6曲目”spider's web”も彼女の曲で、このあたりで彼女の世界が明確になってくる。これもやはりこのアルバムではポイントの美しい曲。彼女が高音の魅力も見せる印象に残る曲である。続いてはバットの曲”blue shoes”は、大人の世界に変身する。ここがメルアの魅力を一層高める因子にも繋がる。9曲目”thankyou , stars”は彼女の特徴が納得させるべく唱われ、12曲目の最後の曲”i do believe in love”まで、全く飽きさせない。そして聴き終わったときにいつの間にかストレスが解消されたごとくの世界に包まれ、しかも女性ヴォーカルの快感をおいていってくれるところは、なんといってもお勧めのアルバムなのである。

続いて、もう2枚のアルバムの紹介、感想は次回に譲る。

(視聴)

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