デヴィット・ギルモア

2016年11月26日 (土)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット 「THE EARLY YEARS 1965-1972」~その4

このボックス・セットの目玉はやっぱりCD(10枚)とBlu-ray Audioである

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PINK FLOYD ボックス・セット 
「THE EARLY YEARS 1965-1972」

Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

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 このところこのピンク・フロイド・ボックス・セットに圧倒されていたが、やはり中でもCDとBlu-rayに納められた良質音源が感動的ですね。いろいろと映像モノは若きフロイド・メンバーが見れて実に楽しいのだが、そう新しいものの出現もやたら数多いという事でもないので、最終的には彼らの成してきた結晶であるミュージックそのものを、いろいな角度から味わえることが・・・貴重だ。
 特に今回のリミックス盤やその他ライブもの等も、サウンドが特に高音域は繊細に伸びており、低音域は落ち着いたものに作り上げており、センスの良さを感じた。それが非常に快感であった。そこで若干チェックをしたところを書いておく事にする。

4br シド・バレット時代(1965年~)からその後のウォーターズ、ギルモア、メイスン、ライトの4人体制(1968年)の新展開ピンク・フロイドまでは、既に取りあげたので・・・
(バレットとウォーターズの明るい表情が印象的→)、
 それ以降のCD盤を中心にポイントに触れてみたい。

4gilm■ ”Embryo”  ロジャー・ウォーターズの傑作曲

 1968年、これは私の好きな曲。ブートで各種何度も聴いたのが懐かしい。発表が曰く付きだったが(1983年の「WORKS」でようやく公式発表)、ギルモアもシドの影から脱して4人スタイルの役目も明解になり、彼のブルース流から泣きギターもうまく聴かせるようになる。こうしてピンク・フロイドは彼らの世界になって行くのだ。この曲はSE効果(子供の声など)も上手に入れられ、その後のウォーターズ流の原点をみる。Early Yearsの重要な曲。

■ BBC Radio Session もの ( 1967.9 、 1967.12 、1968.6、 1968.12.2 、1968.12.20、 1969.5、 1970.7、  1971.9、 計8回  ) 

  BBCはピンク・フロイドのSessionものとして重要なものを数多く残してくれた。その為、このボックス・セットで過去を知るため音源として採用されているものが多く、最も大きな役割を果たしている(数えると上記の8回の放送分が納められている)。しかも音質も良く、有り難いところである。
 リアルな音源として、ライブ録音ものと双璧をなすところだ。

4wright「More」 Album alternative Version, non  album version

 ここに映画「More」も画像改良が試みられて全編収納されているが、そのサントラ関係は、原点である「The Man & The Journey」組曲として、ライブ(アムステルダム)もので納得の音源が聴ける。更にアルバム『More』に納まらなかった曲のアウトテイクの公開もここにされていて・・・・納得。
 曲”Thema” は、映画「More」の冒頭に聴かれるもの。私はこの後の映画「The Vallee」は好きになれなかったが、この「More」は感動映画だった。その為この曲を聴くと今でも心に響いてくる。あのピンクの字で”Music : The Pink Floyd”と画面に出たときは興奮したものです。 
 その他の曲”More Blues”は、まさにブルースで、こうゆうものもなかなかの聴きモノ。”Embryo”もこのアウトテイクに入る。
 この頃の曲の作曲は、ピンク・フロイド立て直しに頑張ったロジャー・ウォーターズよるものが多く、演奏ではリック・ライトのキー・ボードの因子が非常に重要な役を果たしていた。デヴィット・ギルモアはギターよりむしろヴォーカルで魅力を発揮といった形がとられている。

4m「Atom Heart Mother」

 この曲は、多くのVersionが、これでもかこれでもかと襲ってくる。
 まあピンク・フロイドがこの曲がヒットしたことによって、分解せずにグループとして存在して行く事になった訳だから、当然と言えば当然。これがなかったら間違いなく”Echoes”はなかった。
①ブラス・オーケストラ合唱無し: Montrewux Live , Early Studio Version Band onlyなど。私はこのオーケストラ、コーラスなしの方がフロイドらしいロック・バンドの味を感じられて好きなんですね。中盤の手法は”Echoes”にも通ずるところがあって聴きどころ。いろいろと過去に於いてもブートで聴いてきたところです。
②チェロ、合唱、ブラス・アンサンブル付き: これもブートで過去にいろいろとお目見えしたが、ここにも好録音が納まっている。ブートではこのタイプの方が人気はあったが、私は①の方なんですね。

4w■ 「ZABRISKIE POINT」Soundtrack 全16曲 (第4巻)

 今回、この映画そのものは、このセットに納まっていない。当時、映画サントラに関心のあったフロイドは、曲作りに結構頑張ったが、映画に実際に採用された曲が少なかった。その為、彼らをガッカリさせたというか怒らせたというか・・・。私はしっかり映画及びLPを持っていました。
   後の”Us and Them”となる原曲”The Riot Scene”や”Careful with That Axe, Eugene”ばりの”Explosion” 、”One of These Days”となる”Take Off”など興味深い原曲が聴ける。
しかし、それ以外にも”Love Scene”と言う曲など、ピンク・フロイドとは思えない優しい曲もあって是非聴いておくべきもの。

■ 「Echoes」

   「原子心母Atom Heart Mather」の成功によって(英国アルバム・チャート1位)、このバンド・メンバーは自ずから諸々の問題があっても(実は既に解散ムードもあった)一つにならざるを得ない流れに入ることになる。
 それは各方面から次作への期待と要求が高まって、次なるアルバム製作を試みることになる。その為メンバー4人で”Nothing ~”と命名された多くの曲を生み出して(実に24曲の存在が解っている)、これが”Echoes”として組み立てられてゆくわけたが、その辺りも納得のゆくようにこのボックス・セットでは企画されている。
 このセットで、LiveそしてBBC Radio sessionものなど、非常に多くのVersionものに接することが出来る。又おまけとして”74年Wembley Live”ものまで収録されていて、これはSaxがフィーチュアーされ旋律を奏でるという異色タイプ。

 久しぶりにこの「Early Years」ボックス・セットの出現で、ピンク・フロイドの始動期から頂点への歩みの道に関して振り返ることが出来た。このブログの4回の私の感想アーティクルは、あまり系統的で無く、適当に聴いたり観たりしたものを取り敢えず書かせて頂いた。まだ何か落としているかもと思うところだが、まあ取り敢えずこんなところでした。

(参考視聴)
”Green is The Colour” (music & Words : R.Waters,  Vocal : D.Gilmour)

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2016年11月23日 (水)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット 「THE EARLY YEARS 1965-1972」~その3

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宇宙空間から人間社会へ 

(「おせっかい」・「雲の影」から「狂気」へ)

PINK FLOYD ボックス・セット 
「THE EARLY YEARS 1965-1972」

Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

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 1969年から1972年の4年間でピンク・フロイドは作られたと言っても過言で無い。この4年間こそピンク・フロイドの全てが試みられ、そして形作られ、彼らの頂点の「狂気」に繋がるのだ。その過程を多くの資料を収載してくれたこの「THE EARLY YEARS 1965-1972」の企画はみるに充実感がある。

■ ”Atom Heart Mother ”は、ブラス・オーケストラ・合唱付きのものと彼ら4人によるモノの2タイプがあるが、それを紹介すべく数多く納められている。しかし残念なことにこの当時から彼らのライブはオフィシャルな完璧な良質映像録画モノがない。これがピンク・フロイドの体質であったのだ。おそらく彼らは自身で納得した状況でのもの以外は収録拒否していたのであろう。
 取り敢えず、映像なしでは、CDにはこの両タイプを楽しめるべく良質録音ものが収められている。
 そんな訳で、当時のライブ映像としては、「ポンペイ・ライブ」は貴重なのだ。

Meddle(注目経過)
1969年「The Man & The Journey 」(ライブ全曲)
    映画「ZABRISKIE POINT」サウンドトラック収録(全16曲CD収納)
▲1970年『原子心母Atom Heart Mother 』(Original 4.0 Quad Mix盤+ライブ録音もの)
▲1971年4月「Ehoes」 完成 (Original 4.0 Quad Mix盤 +ライブ録音もの)
▲1971年8月「Hakone Aphrodite Open Air Festival」(テレビ放映Video)
▲1971年10月「Live at POMPEII」撮影
▲1971年11月『おせっかいMEDDLE』リリース
▲1972年2-3月映画「LA VALLEE」サウンドトラックをレコーディング(映画収録、CDに全曲)
▲1972年6月『雲の影Obscured by Clouds』リリース(2016 remix 盤+アルバム未収録曲)
▲1972年9月「Live at POMPEII」公開(映像5.1 surround Mix 版)
▲1972年11月-1973年1月「Roland Petit-Pink Floyd Ballet」公演 (放映Video)
()内、当ボックス・セット内容

 この4年間の注目経過はこんなところだが、1971年に「Echoes」を完成させ(Original 4.0 Quad Mix を納めたのは歓迎)、彼らの宇宙空間的ミュージックの完成を見た。そして彼らの評価は既にヨーロッパ諸国ではProgressive Rockとして右に出る物なしの感覚すら生まれていた。しかし一方ロック界は多様で、ロックの精神であるメッセージ性のなさに”Echoes”のネガティブ評価も生まれたのである。

Photo■ 「Hakone Aphrodite Open Air Festival」    6-7,Augast 1971映像

 実は完全に近いアフロディーテ映像に期待していたのだが、残念ながら、過去に何度か見てきたブート映像と比べるとこちらはカラーであるが同じものであった。テレビ放映用に組まれたもので、これは私の期待を裏切った一つ。もう少し別物でマシなものがないのであろうか。
 これに関しては、今回この企画の製作スタッフが、オリジナル映像をかなり探したようだが発見できず、現存しないと判断したらしい。ほんとは完璧な映像を見たいところであるのだが。

映画「LA VALLEE」、アルバム「雲の影Obscured by Clouds」

 映画「LA VALLEE」:全編改良映像で収録
 アルバム「雲の影Obscured by Clouds」: 2016年Remix盤(CD)

 72年には”Careful with that axe, Eugene”、”Set the controls for the heart of the sun”、”Atom heart mother”、” Ecoes” を中心に世界でのライブは圧倒的支持を得る中で、彼らの当時の関心事である映画サウンドトラックにも着手した。そこでは彼らの持つもう一つの世界である牧歌的な大地に足を付けたミュージックにも目を向けアルバム『雲の影Obscured by Clouds』の完成となったのである。

Obs_4 しかしこの「雲の影」は、ピンク・フロイドとしては一般にあまり評価が高く無い。それは彼らの築いたコスミックなスペーシーなサウンドでないためだと思うが、実はこれも彼らの持っている貴重な一面であって、牧歌的にして簡素なフォーク調の曲を中心に納められ、”Wot's...Uh The Deal”(Waters,Gilmour)、”Free Four”(Waters)など良く聴くと実に味があるのだ。(アコースティックな演奏→)
  彼らのそれまでの凝ったサウンドでなく、ストレートなギターの音、そしてヴォーカルなど”素材そのまま”であるだけに、ファンとしては彼らと現実に接している感覚となるだけでなく、彼らを知ることのために意味あるアルバムだった。

 そして今回このアルバムは2016年リミックス盤として、音質の改良も加えられ全編第6巻に納められてお目見えしたのである。実はこれを歓迎しているファンも多い。

■ 「Roland Petit-Pink Floyd Ballet」

 フランス・ツアーにおけるローラン・プティのマルセイユ・バレエ団との共演。過去に無い一つの実験であったと思うが、この映像モノは結構多数収められている。これに関しては、私はその意義について特にコメントは無い。

 1972年までの結論

72rog_3 こんな映画サントラ作業の一方では、ロジャー・ウォーターズの心には、”Echoes”のメッセージのなさに対しての批判を受けた事のショックは大きく、ここに彼にはもともと持っている”現代人の生活に疑問を抱いていた心”に大きな刺激を受けたのである。
 そして人間の持つ”狂気・我が儘、生と死、人間社会の矛盾の意味”に的を絞って、全ての曲にウォーターズが詩を付けてメッセージを込めた作品作りに着手。それが世界的作品となる『狂気The Dark Side of The Moon』である。


72gil_3 この多忙極めた1972年に「狂気」構想は練られ、曲作りされ収録を開始した。そしてロジャー・ウォーターズの得意とするコンセプトの確立が行われたのだ。そして翌年1973年3月にリリースされた。

 この1972年の「狂気」作成の過程においては、それぞれ異なったメンバーの個性が、ライブを重ねながら有機的に絡んでエネルギーを増していったことは事実である。つまり彼らの意識は別として、ピンク・フロイドとしての4人バンドの頂点に到達すべくそれぞれが挑戦的な作品作りに邁進したのであった。

 つまりこの『狂気』作成への1972年までが、ピンク・フロイドの”Early Years” としての大きな意味ある時であり、それに関する資料を纏め上げたのがこの企画である。その後の彼らの姿は誰もが知っているところに落ち着くわけで、ここまでの”Early Years” が最もピンク・フロイドとして私にとっては面白いところなのだ。

( 「THE EARLY YEARS 1965-1972」考察その4 に続く)

(参考視聴:Grantchester Meadow)

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2016年11月19日 (土)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット 「THE EARLY YEARS 1965-1972」~その2

シドのサイケデリック時代の回顧とプログレへの道の歩み

PINK FLOYD 「THE EARLY YEARS 1965-1972」
Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

  「1965-1972」ボッス・セットの考察2回目である。これは確かに充実度は高い。しかしかなりマニアックと言えマニアックで、ここまでの要求は、フロイド病でなければ・・・・?と、いったところでしょうかね。とにかく座右に置いて何時でも視聴したいというより、ここにあるぞといったところに満足するタイプのものだ。

Floydsid
1967(若き学生時代からの4人ロジャ-、シド、リック、ニック)
             ↓
Floyssyd3b
(1968 ギルモア加入5人体制)
            ↓
Floyd4b
(1969 シド脱退4人体制へ)

「1965-1972」ボッス・セットは全7巻のセット構成だが・・・・

■ ピンク・フロイド始動初期の第一巻(1965-1967年もの)
   (CD2,DVD1,Blu-ray1)

Floyd67
 <CD1>には「ザ・ピンク・フロイド」と名乗っての、シド・バレットの活動性の高い時の音源だ。
 特に注目は、バンドとしての最も古いものが納まっていて、それは1965年の6人体制ものだ(バレット、ウォーターズ、メイスン、ライトに加えてボブ・クローズ、既に離れたはずのジュリエット・ゲイルのヴォーカルも聴ける)。この頃はブルース基調のいわゆるロック・サウンドと言われるとおりで、まだサイケデリックというところにはない。この時のもの6曲収納されているが昨年まで公に聴かれなかったもので、マニアには貴重品と言えるもの(参照:下の1~6)である。これはデッカ・スタジオ収録だが、多分初めてのレコーディングと思われる。私は初めて今回聴いたが、学生バンドらしい若々しいもので、バレットと思われるヴォーカルは結構味がある。

 続いて、1966年から67年の曲群の登場。本来のバレット、ウォーターズ、メイスン、ライトの4人体制になってからのもので、放送禁止になった経過のある”Arnold Layne”始め、良く聴いた懐かしの数々が登場する。今まで初期フロイドものと言うのは一般的にはこの時からの曲であった(7~16)。

Vol1cd_2

 <CD2>には、ライブ音源が収録されている。この1967年STOCKHOLMライブはヴォーカル抜きの収録もの。ここにウォーターズの”Set the controls for the heart of the sun”が既に異色を放ち始めている。これがアルバム『神秘』への流れの開始であったのだ。”Reaction in G”、”Scream the last scream”などの未発表テイクも聴ける。
 更に、初お目見えの約30分の映像作品の為のサウンドトラックとして収録されたスタジオ・ライブ・セッションもの(’67年)。これは未公開もので、今回初の正規リリース。

  DVD、Blu-ray収録映像には、シド・バレットと言うと難しい顔つき画像が多いのだが、ここでは意外に明るい表情の映像で結構画質も良好で問題なく見れるモノが多くあることだ。勿論ピンク・フロイドのメンバーとしてだが、彼らの学生ムードの残っている初期の映像から始まって、当時の4人体制の息の合った姿がみれる。この頃の4人は実に未来に夢のある若者グループというイメージそのものだ。
 そして1967年からのUFOクラブのサイケデリックな彼らの姿が堪能できる。50年前のロンドンのアンダー・グラウンドの姿を見るという意味でも貴重。

■ 第2巻 1968年ギルモア加入から5人体制そしてバレット脱退
   ~リーダーは、シド・バレットからロジャー・ウォーターズに
   (CD1,DVD1,Blu-ray1)


1969 ここでは、シドの抜けた後のウォーターズの奮戦がピンク・フロイドの歴史としては最も重要であるのだが、その姿が後の世界的なバンドに成長する芽生えとして見ることが出来て楽しい。
 シド・バレットの不完全状態から脱退までの不安定状態の補充としてウォーターズが引っ張り込んだフレッシュなギルモアを加えての5人体制が姿を現すが、これもつかの間で、結局シド抜きの4人体制となる。
 
 <CD> シドに変わってウォーターズが作曲するようになり”Julia Dream”(後に「RELICS」に収録)の美しい曲が登場する。
 又未発表曲の”Song1”、”Roger's Boogie”が納められていて初聴きだ、これは貴重もの。
 1968年BBC Raio Sessionものとして、彼らの当時の代表的曲となる異様であり美しい曲”Murderotic Woman”(後の”Careful with that axe, eugene”)、”The massed gadgets of hercules”(後の”神秘A Saucerful of secrets”)も登場。更に彼らにとっての当時大事な曲”Embryo”(ウォーターズ作詩作曲、1983年「WORKS」で陽の目を見るも、回収騒ぎとなったもの)も聴ける。こうして如何にもピンク・フロイドだと味わえる時を迎えるのだ。ここから世界を駆け上がる。

Photo アルバム『神秘A Saucerful of secrets』リリース期でロジャー・ウォーターズ主導により、コズミック・サイケデリック・サウンドを強調している。又ここでは曲”太陽讃歌”、”神秘”がメインだが、ロジャー・ウォーターズの”Corporal Clegg”の反戦歌の登場に注目しなければいけない。又曲”神秘”も実は戦争に纏わるもので戦争・戦後の風景を描いている(4パートに別れる小組曲で後の曲作りの原点)、これから彼のこの”反戦世界”が延々と今日まで続くのである。

 この第2巻の1968年の映像ものは価値が高い。ウォーターズのマスコミ嫌いは有名だが、まだ当時は彼らも売り出しに躍起になっていたんでしょうね、多数のライブ、テレビ映像があって、それらが良好映像で納められていて楽しめる。(この後の世界的ロッカーになっての”Atom heart mother”、”Echoes”などはプロ・ショットが激減するのだ)~このボックス・セット企画の映像ものの最も価値あるところである。
  ここでライブは、ウォーターズの”Set The Control for The Heart Of The Sun”が彼らの演奏の中心となり、又”Interstellar Overdrive”のウォーターズ流に演奏の変化が出てきており("Pop68",Rome, Italy, 06 MAY1968)その迫力が凄い。

(この企画考察は、どうもまだ続きます・・・・・・・)

(参考視聴)

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2016年11月15日 (火)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット「THE EARLY YEARS 1965-1972」

驚異の27枚組12時間30分の物量に圧倒されて・・・・

注目の・・・
感動の4チャンネル”Echoes”
良質サウンド”The Man & The Journey”72分完全版

 とにかく前代未聞の物量で、初期ピンク・フロイドの多くの未発表音源、映像。そしてピンク・フロイドの膨大なアーカイヴから未発表音源・映像を含む全7巻の書籍形式に収納された27枚組のヘビーなボックス・セット『The Early Years 1965-1972』である。
 今作には12時間33分、130トラックからなる音源(未発表音源・アウトテイク・デモ音源・テレビ音源・BBCでのセッションなど7時間分の未発表ライヴ音源とともに20以上の未発表音源)と、15時間を越える映像(5時間分以上に及ぶレアなコンサート映像、映画他)が新たなサウンド・ミックスとともに収録されている。まあこれはピンク・フロイドだから出来た企画ものですね。(内容は既に紹介

<Progressive Rock>
PINK FLOYD 「THE EARLY YEARS 1965-1972」
Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

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 とにかく、このボックスの大きいことと重いこと、やっぱりそれぞれ7巻のブックに収納されての27枚組(CD10枚、DVD9枚、 Blu-ray8枚、 7インチシングル5枚)となれば当然というところでしょうが・・・・。

 取り敢えず、まだ好きなところから1/2位しか視聴していないので全体の感想は書けないが、私の興味のあるところを拾っての感想第1回だ。

■ 幻のアルバム「The Man & The Journey」完全版(1969年)

Themanthejourney  ピンク・フロイドを愛するものなら、彼らのシド・バレットから離れての新しい試みとして、アルバムとして作成することを念頭に企画され作曲し、ライブでの実験を始めた組曲「The Man & The Journey」('69.4英国から'70.2フランス・ライブ)に関心があるだろう。(→)
 これは結局のところリリースすることはなく、我々はこれはかってはライブもののブートでしか聴けなかったものだ。
 私は1970年代には、この実態を詳しく知りたかったし、ブートでも最も手に入れたく聴きたいと思ったもであった。
 しかし今回のこの企画ものに、ついに好録音良好サウンドの全15曲の完全版の登場となったのだ。

69rogergilmour かって私はこの組曲はブートで何枚か集めたが、最も良好な音質ものは、何時ぞや紹介したように”THE SWINGIN' PIG”もの(「AMSTERDAM'69」TSP-CD-052)であったが、あれは完全収録ではなかった。
(参照: 「Bootlegから見るPink Floydの真髄”ザ・マン””ザ・ジャーニー”」
  今回ここに日の目を見たものは、同じSep.17 1969 アムステルダム・ライブものであるが、全15曲トータル76分の良好音質の完全収録版である。
 これは今回リミックスを施したのであろうか、これ程の良好サウンドで聴けるとは思わなかった。これはまずは驚きの収穫である。
 これらの組曲は映画「モア」のサウンド・トラック用に使われて分解してしまい、この組曲としてのリリースはならなかったのもので、ロック界の歴史においても最初に試みられた組曲として注目されたもの。後のアルバム「モア」には、このうち何曲かは収録されたわけだが、しかしこうして組曲として聴くと、これまた印象は全く異なるところが面白い。今回のこのボックス・セット企画を評価する一つである。

Themanphoto

■ ライブ映像「Live at  Pompeii」サラウンド・サウンド版
    ~2016 5.1 Audio Remix~


  映像は、最新版の「The Director's Cut」の画像改良が加えられ、なんとサウンドは5.1サラウンドで楽しめることになり、サウンドの改良も凄い。特に高音部の繊細な音は素晴らしいし、低音も伸びた。ここまで改良できる事に驚きだ。
 これで私はこのポンペイものはLDやDVDなどを含めて4枚目となるが、その度に改良が加えられ、とにかくご機嫌である。

■ 名曲”ECHOES”の4チャンネル・立体音響もの
      ~Original 4.0 QUAD MIX 1971~
  (Blu-ray : 4.0 DTS HD MASTER AUDIO 96KHZ/24-BIT)

Floyd19712 これほどフロイドの曲でも立体音響にぴったりの曲も少ないが、かってLP盤でリリースされた”4.0 QUAD MIX”を更に音質改良されてBlu-ray4チャンネル立体音響盤 として聴くことが出来る。なんとライトのキー・ボードとギルモアのギターが聴く者の周囲をゆっくり旋回し、ウォーターズのベースが頭上から響くという残響を十分堪能できる曲仕上げで、まさに”エコーズ”を楽しむには最高だ。こうしてサラウンド化すると、それぞれの楽器が分離して聴くことが出来て、”なるほどこうした演奏であったか”と、彼らのサイケデリック・プログレッシブ・ロックを改めて感ずることが出来る。
 今にして驚くのは、彼らはこの70年スタート時に、”原子心母”(このQUAD MIXも、収録されている)以来のモノをこうしてマルチチャンネル立体音響をいち早く試みていたのである。

 私はフロイドものの多くの楽しみ方として、リアル・タイムに彼らと歩んできたため、「狂気」に至るまでの彼らの姿が実に興味深いし懐かしいのである。なにせ60年-70年の当時は現在のように情報も多くなく、又ブート探しも簡単で無かった。従って今にして今日までの長い間の過去に得た資料がこのように改良され再び接することが出来ることに感動がある。こんな重量感ある歴史絵巻は多分このセットまでであろうと思われるところだ。 
 「モア」や「ザ・バレイ」の映画も、画像が見事に改良されて収録もされているし、その他のピンク・フロイド誕生物語やシド・バレット時代の資料、「原子心母」の多彩なライブものなど又次回に触れることとする。

(参考)

 

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2016年10月25日 (火)

デヴィッド・ギルモアDavid Gilmourライブ 「WROCŁAW 2016-Rattle That Lock World Tour」

ギルモアのニューアルバム・ライブも半分はピンク・フロイドもの

<Progressive Rock>

(映像版)David Gilmour
「COMPLETE WROCŁAW 2016-Rattle That Lock World Tour」

(Bootleg) Plac Wolności, Wrocław, Poland 25th June 2016

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  デヴィッド・ギルモアDavid Gilmourの ニュー・アルバム「Rattle That Lock 」にともなう昨年から今年にかけての「Rattle That Lock World Tour」も成功だった。ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカのライブだったが、Bootlegで何枚か映像版がリリースされている。ここに取りあげたのは、ポーランドでの放送用オフィシャル映像もので良好盤だ。

Dgilmour3 2枚組でこの日の全てを収録している。こうしたものがリリースされるので、近年は情報に事欠かず、サウンドもそれなりのもので演奏を観賞できる。そこに居ずして全容を感じ取ることが出来て良い時代ですね。昔はその内容の情報すら手に入れるのに大変だった。
 これはポーランドに於ける2016年6月もので、ディスク1がポーランドの公共テレビ局「TVP2」のHD放送だったのに対し、ディスク2は「TVP1」もので完全を期している。
 私はギルモアに関しては、「ピンクロフロイドもの」となると、余りにも4人体制時との本質的違いで、そのギャップであまり興味が無いのだが、ソロである「ギルモアもの」となると、別の意味で楽しみにしている。
 結論的には、やはりギルモアは、ソロで彼のやりたいところをピンク・フロイドという拘束なしに、女房のポリー・サムソンの力を借りてミュージック・プレイヤーとして作り上げるとなかなか味が出るのですね。もともとピンク・フロイドの彼のギター・サウンドは圧倒的支持を得たわけで、そのミュージシャンとしては完成域に有り、それを中心にしたロック・ショーと言うよりは、彼のミュージック・ショーとしての売りには大いに歓迎するところなんです。

List

 収録リストは上の通り。やはり彼のニュー・アルバムの「Rattle That Lock Tour」と言えども、”Time”、”Money”など半分以上は懐かしのピンク・フロイドもので、この映像を見ていても解るが、そちらの方に観衆は反応している。まあそれはそれでしょうがないのだろうが、ギルモアとしては若干複雑であったろう。

 彼のギターの演奏も既に”究極のギルモア世界”で完成しており今回は新しさは無かった。そして結構ヴォーカルものが多かったが、その力量はやっぱり少々低下していた。これも年齢からはやむをえないところだろう。
 これをみると、ジェフ・ベックはロッカーとして”まだ俺はやってるんだ”というところには頭が下がるが、ギルモアは既にロッカーというところでなく、ミュージシャンですね。もともとそうだったが。

 このライブでの一つのポイントは、ポーランドと言うことで”The Girl In The Tellow Dress”に、私の注目株のジャズ・ピアニストのLeszek Moźdźerがゲストとして登場したことだ。これはなかなかよい企画であった。この曲は今回のニュー・アルバムでは唯一ジャズ・ブルース調で私が注目したものだ。ピンク・フロイドを意識して問題意識を持とうなんてことをしてもロジャー・ウォーターズには及ばないので、ギルモアは自分なりきの姿で軽い曲作りでいたほうが、良い味が出るんですね。
 そしてお決まりの”Comfortably Numb”で打ち上げのスタイルをとっている。これはウォーターズも同じパターンであって、この2人の関係は如何にも・・・同じくしてピンク・フロイドをベースに持っての活動であると言うことに落ち着くのですね。

 今度は又ロジャー・ウォーターズが「US+THEM」ツアーに入るようで、この2人でピンク・フロイドからの独自の発展系を目指して人生の究極の姿を作り上げていってくれるのは大歓迎である。

(視聴) 

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2016年9月15日 (木)

ピンク・フロイドPink Floydを動かした女達(3~番外編)

(ほぼ雑談です)
バンド・メンバーが共に何かを求めている時の姿は美しい

 さて、この秋、途轍もないピンク・フロイドもの(「The Early Years 1965-1972」=CD&Blu-ray 27枚組)がリリースされると言うことで、私のピンク・フロイド関係に関心を刺激してくれているのであるが・・・・

Rogerwaterslauriedurning201 そんな時に、ロジャー・ウォーターズはここ十数年のお付き合いのロリー・ダーリングと今年離婚したらしい話もあり、フロイド・メンバーと女性軍達の話もまだまだ続きそうである。

 もう7-8年前だから、いやはやあっという間に昔の話になってしまったが・・・・・ 
 「ピンク・フロイドを動かした女達」
として2回に分けて、最もピンク・フロイドのその活動性の高かった頃のウーマン・パワーの迫力(?)に考察を向けたのだった。
 それは
 リビー・チスマン、リンゼイ・コーナー、メアリー・ウォーターズ、ジュリエット・ゲイル、リンディー・ルーター、ジュディ・トリム、ジンジャー・ギルモア、キャロライン・クリスティー、アネッテ・リントンと・・・・9人の女性達であった。

 (参照)
「ピンク・フロイドPink Floydを動かした女達(1)」
  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/pink-floyd-2103.html

「ピンク・フロイドPink Floydを動かした女達(2)」
  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/pink-floyd-0457.html

 さてそんな女性達とピンク・フロイドのメンバーの雰囲気が十分感じ取れる写真がある。それはピンク・フロイドのアルバムで言えば「原子心母Atom Heart Mother」が完成し「おせっかいMeddle」に向かわんとしている頃、つまり彼らの共同作業の確信を得た頃である1970年、そんな時の写真であるが、私の最も好きな彼らの集合写真であるのでここに紹介したい(↓)。

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    (On the beach at St Tropez , summer 1970)

 前列に、ギルモア、メイスン、ウォーターズ、ライト(娘Jamie Wrightを抱いて)と座っていて、家族が集合している。
 後列左より四人目が(メイスンの後ろに)メイスンの妻のLindy Mason 、その右ひとりおいて(ウォーターズの後ろに)ライトの子Gaia Wrightを抱いてウォーターズの妻Judy Waters、更に一人於いて ライトの妻Juliette Wrightが立っている(この頃はギルモアは独身)。
 とにかくピンク・フロイドのメンバーが家族ぐるみで仲良く休日を楽しんでいる様が撮れている。特に子供に恵まれなかったウォーターズの妻Judyが、ライトの女の子を抱いている姿が何とも言えないほほえましいところである。
(この写真には、Naomi Watts が、母親に抱かれているところも見どころで(後ろ左)、その横に父親のPeter Wattsがいる。彼はサウンド・エンジニア兼ツアー・マネージャーだった。又マネージャーのSteve O'Rourke夫妻も最後部中央にいる。又最後列右にAlan Styles、彼はあの「原子心母」の”Alan's Psychedelic Breakfast”の立役者)

 上へ上へと共に目指している頃の彼らの姿が実にほほえましく撮れている。これぞ和気藹々としていて良い写真なので紹介するのだ。こんな頃が一番よい時なんでしょうね。

Insideout ここに見る姿から、後のウォーターズとライト、ギルモアの確執に至るところはみじんもかんじられない。”上を目指しているとき”と”頂点に立ってしまったとき”の人間関係の変化というものは実に複雑であることを知るのである。

 近年の彼らの女房は、メイスンはアネッテ・リントン、ギルモアはポリー・サムソン、ウォーターズはロリー・ダーリングと変わってしまっているが・・・・ウォーターズの離婚話などで、結構話はこれからも続くのである。

(写真は、Nick Mason著「INSIDE OUT A PERSONAL HISTORY OF PINK FLOYD」から~この自叙伝は、発刊に理由はよく解らないがギルモアが反対したもの。しかしメイスンは出版した)

(視聴) "Atom Heart Mother"~私はこの当時のオーケストラなしの演奏の方が好きなんです

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2016年8月 9日 (火)

ピンク・フロイドPink floyd 前代未聞のスケールで=ボックス・セット「The Early Years 1965-1972」

驚異の超レア音源・映像全7巻27枚組ボックス・セットの登場
  (CDx10 + DVDx9 + Blu-rayx8 + 7インチシングルx5)

  ~(価格)さあ、どうする・・・・→ 8万円(実売 \62,000か?)~

<Progessive Rock>
PINK FLOYD 「EARLY YEARS 1965-1972」

Earlyyearsw

 しかし、途轍もない企画物がリリースされますね。まだまだピンク・フロイドは売り物になるんですね。なんとCD、DVD、Blu-rayなど27枚組セット。
 「Columbia/legacy」レーベルのオフィシャル盤。今年11月の発売だが、既に話題が騒然としている。
Pf2
 これは1965年から1972年までのピンク・フロイドの膨大な保存記録の未発表音源・映像など詰め込んだ。なんと12時間33分の音源、15時間の映像物なのだ。しかも長編映画は「ザ・コミッティー」「モア」「ラ・ヴァレ」の3本収録と。
 過去にいろいろと集めた私にとっても、おそらく初物が納められている可能性も高く、これは無視できないと・・・・言うことになってしまうのだが。

 なんと言ってもこの60年代から70年始めは面白いですからね・・・。ネタは山ほどある。

Pf1■「シド・バレットの狂気」
■そしてシドが抹殺されて・・・・立て直しに「ロジャー・ウォーターズの奮戦記」ギターにギルモアを正式メンバーに登用したが、バレットとの反動が大きく反発もあって、ウォーターズは一生懸命作曲してギルモアに唄わせて(”Green Is The Colour”、”Cymbaline”など)、次第に彼ら4人のパターンを構築して行く。
■実はアルバム「モア」、「ウマグマ」、「原子心母」の頃が最も面白い時期なので、その当時の資料満載。→これからほぼ完成形の「おせっかい」に向かう。
■オフィシャルの「箱根アフロディーテ」の映像は如何(まあ、そう凄い物は出ないでしょうが)

・・・・・・と、言うところで11月までに貯金ですね(笑)。

(参考)[主たる収録内容]

■ 第一巻:1965-1967 CAMBRIDGE ST/ATION (ケンブリッジ駅)
EMI契約前のデモからアルバム未収録ヒット・シングル、関連トラックまで、シド・バレット在籍時代をカバーする第1巻。ピンク・フロイドの私蔵映像も収録される。

■ 第二巻:1968 GERMIN/ATION (germination=発芽)
シド・バレット脱退直後、ピンク・フロイドが引き続きシングルの曲作りをしながら、同時によりイ ンストゥルメンタルを重視した独自のスタイルを発展させていった時期を探求している。未収録シングル、キャピトル・レコード・スタジオ・セッション、BBCセッショカなど。

■ 第三巻:1969  DRAMATIS/ATION (dramatization=戯曲化、脚色)
1969年、ピンク・フロイドは夢想、覚醒、その他の活動からなる24時間をテーマとした「The Man」と「The Journey」の2部からなるコンセプト・ライヴ・プロダクションを発表した。本巻は「The Man」と「The Journey」のツアーに遡り、アムステルダムでのライヴ 音源やロンドンのBBCで行なわれた演奏を取り上げている。
 映像マテリアルにはアンソニー・スターン監督による、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールで行わ れた「The Man」「The Journey」の20分に及ぶリハーサル映像。ベルギーで行われたピンク・フ ロイドのライヴ・ステージにフランク・ザッパが飛び入りで共演した「星空のドライヴ」を収録して いる。

■ 第四巻:1970  DEVI/ATION (deviation=逸脱、偏向)
1969年暮れと1970年初期、ピンク・フロイドはミケランジェロ・アントニオーニの米国社会に対す る新たな見解を描いた映画『砂丘』への提供曲の録音とミックスを行った。3曲がサウンドトラッ ク・アルバムに収録され、さらに4曲が1997年に発売された同作のエクスパンデッド・エディショ ンに収録されている。
 本作に はオーケストラや合唱団との共演によるBBCでの初演時の音源が収録されるほか、『原子心 母』の4人のメンバーだけの初期スタジオ・ヴァージョンも収録されている。更にDVDにはオリジ ナルの4チャンネル・ステレオ・ミックスが収録される。
 映像マテリアルにはサンフランシスコのケーブル・テレビ局KQEDで行われた、まる1時間に及ぶピンク・フロイドのライヴ映像、『原子心母』の歴史的パフォーマンスの抜粋、フランス南部で行われたサン・トロペ・フェスティヴァルをフランスのテレビ局が取材した際の映像などが含まれる。

■ 第五巻:1971 REVERBER/ATION (reverberation=残響)
アルバム『おせっかい』のアルバム片面を占める「エコー ズ」を中心に。「Nothing」から「Return Of The Son Of Nothing」まで 展開していく「エコーズ」プロジェクトの制作過程でのオリジナル・デモ音源の一部や、同時期の BBCセッション音源が収録される。
 「エコーズ」の4チャンネルによる未発表オリジナル音源の他、ピンク・フロイドの初来日公演である1971年8月に箱根の芦ノ湖畔 でおこなわれたフェス“箱根アフロディーテ”出演時のライヴ映像「原子心母」も収録されてい る。

■ 第六巻:1972  OBFUSC/ATION  (obfuscation=曖昧化)
アルパム『雲の影』を録音した。バーベット・シュ ローダー監督の映画『ラ・ヴァレ(La Vallée)』のサウンドトラックである。本巻のCDに収録されて いる『雲の影』は新たに2016年にREMIXされたもの。
 本巻の映像マテリアルには映画『ライヴ・アット・ポンペイ』の演奏を新たに5.1オーディオ・ミックスに編集したものや、同時代にフランスのテレビ局で収録された映像、1972年6月にブライトン・ドームで行われた演奏、ローラン・プティのバレエ団との共演映像などが含まれる。

■ 第七巻:BONUS CONTINU/ATION (Exclusive to 'The Early Years 1965-1972' box set) (continuation=継続)
初期のBBCラジオ出演時セッション、映画『ザ・コミッティー』のオーディオ・トラック、1969年のNASAによる月面着陸生中継時のサウンドトラックとしてピンク・フロイドが提供した音源などが収録される。
 長編映画『ザ・コミッティー』、『モア』、『ラ・ヴァレ』の3本収録される他、ライヴ映像やフェスティヴァルでの演奏も収録される。

■ 7インチ・シングル×5(オリジナル復刻スリーヴに収納)
・Arnold Layne C/W Candy And A Currant Bun
・See Emily Play C/W The Scarecrow
・Apples And Oranges C/W Paintbox
・It Would Be So Nice C/W Julia Dream
・Point Me At The Sky C/W Careful With That Axe, Eugene


視聴)「The Early Years 1965-1972」

"Careful With That Axe, Eugene "

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2015年9月18日 (金)

デヴィッド・ギルモアDavid Gilmour のニュー・アルバム「飛翔 RATTLE THAT LOCK」

力みの無いところが・・・・良いというか、肩すかしというか?
   ~もうプログレって言わない方がギルモアも安まる~

     <Rock>

           DAVID GILMOUR 「RATTLE THAT LOCK」
          Columbia / USA / 88875123262 / 2015

Rattlethatlock
David Gilmour : Guitars, Vocals
Phil Manzanera : Hammond organ
Stive DiStanislao : Drums
etc.

    デヴィッド・ギルモアの2006年『オン・アン・アイランド』以来9年振りのニュー・アルバムの登場(和題「飛翔」って、ワープロ「一太郎」みたいだが)。ソロとしては通算四作目となるが、先頃のピンク・フロイドのラスト作『永遠(TOWA) The Endless River』からすれば早いと言えば早いリリース。とにかく発売当初の騒ぎからすれば、一年も経たない今となっては、あっと言うまに過去のアルバムとなってしまったという結局のところ失敗作であった『永遠』であっただけに、ピンク・フロイドの大看板を背負うところに無理があったというところで、彼のソロとしてのリリースはむしろ期待度が高い。
 今回のこのアルバムもBlu-specCD2、Blu-rayなどなど、ハイレゾ音源も含めてなかなか力が入っている。

List その中身だがTrackListを見るとおり、全10曲。宣伝としては”天にも昇るが如く。桃源郷へと誘う、儚くも美しい夢幻の調べ”と言うところで、既にアニメーションでアルバム・タイトル曲”Rattle That Lock”は宣伝されてきた。この曲は、女房のポリー・サムソン(サイモン)Polly Samsonがジョン・ミルトンの叙事詩『失楽園』(私は読んではいない)にインスピレーションを得て作詞し作曲にも関わったというが、ピンク・フロイド世界とは異なって、なかなか軽快で面白そうと期待を持たせた。

 さて、彼の看板の美しい魅力のギターで始まってギターで締めるアルバム全曲を聴いてみて結論はこんなところだ・・・・・・”深みとか深刻さというところはない。でもそんなに明るいわけでも無い。それでも聴きやすく、聴いて疲れない”これは一つのミュージックのパターンとしては評価は出来ると思う。

Dg_3 やっぱり2曲目の”Rattle That Lock”は最も注目して良いのだろう。まあ軽いけどそれで良いと思う。
  3曲目”Faces of Stone”これは歌謡曲ですね。
  5,6曲目はギルモア節そのものですね。前作からの流れを感ずるところ。
  9曲目”today”はそれほど面白みは無い。
 ところが実は、8曲目”The Girl in The Yellow Dress”これは頂き物。やっぱりギルモアはピンク・フロイド看板を意識しないで、自己の感ずるところ自己の描くところとしての作品、これでいいのだ。この曲も女房ポリー・サムスンとの共作だが、こうしたブルース調の世界が構築できるところは捨てたものじゃないですね、もともと彼にはブルースが基礎にあったしね。なかなかJazzyで面白い。

 まあ、ブログレッシブ・ロックと言う世界ではない。それはそうですね、ギルモアはロジャー・ウォーターズの様な問題意識のロック世界を構築するタイプでもないのだから。そして女房ポリー・サムスン色の濃いものになって、ロックとしてはちょっと寂しいが、むしろやることをやり終えたという安堵感みたいなところが見えるこのアルバムで彼は良いと、私は結論づけるのである。

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2014年12月19日 (金)

ピンク・フロイドはこれだ!!「Live at Pompeii」~ポンペイ遺跡に立って

ポンペイ遺跡にピンク・フロイドを想う

 今回12月になっての南イタリアの旅は、ナポリからこのポンペイ遺跡を訪れるところからスタートした。西暦79年のヴェスヴィオ山の大噴火によっての火砕流の直撃にあったポンペイは、繁栄した街も1500年も灰の下にあったわけだが、18世紀になってこのように発掘が開始され今や世界の観光客を集めている。

Ponpei1       (ポンペイの遺跡からヴェスヴィオ活火山を望む 2014.12)

Ponpei2         (発掘されたポンペイの街 2014.12)

 私にとっては、この地に立って思うのは、歴史的なポンペイのローマ帝国時代の繁栄した街と火砕流により全滅したこの地のことは当然心に訴えてくるところであるが・・・・・それと同時に、なんとあのピンク・フロイドの「Live at Pompeii」が頭をよぎるのである。

Pompeiiliveld<Rock>

(LD盤) 「Pink floyd Live at Ponpeii」
  RM Production 1972        VAL-3072
  (LD盤1992年リリース)

Side1
1. introduction
2. Echoes Part1
3. Interview Part1
4. Carful with that axe eugene
5. A saucerful of secrets
6. Interview Part2
7. One of these days I'm going to cut you into little pieces

Side2
1.Set controls for the heart of the sun
2. Interview Part3
3. Mademoiselle nobs
4. Echoes Part2

 

 この映像盤はライブ盤と言われているが、実はピンク・フロイドの演奏する姿を描きつつ、一つの世界感を描いた映画と言って良い作品なのである(監督:Arrian Maben)。
 その舞台はポンペイ遺跡の格闘や演技などの円形会場であるパンクラチオンの廃墟である。
 このLD盤は当時「完全版」と言われ、オリジナルの60分ものから、90分ものに充実して公開された。オープニングは人一人いない遺跡の会場に、演奏機材を一つ一つ運び込むところからスタートする。既にこの情景から神秘性が漂う演出が成されている。そして無人の会場で彼等は6曲を演奏し収録される。更に彼等の絶頂期を迎える1972年の「狂気」のアビー・ロード・スタジオでのウォーターズがVCS3シンセサイザーを操作したり、ギルモアのギターのオーヴァ・タブを行う貴重な収録風景などや、メンバーのインタビューも加えられているものだ。

Relay 何と言っても「オリジナルもの」は、もともとTVスペシャルものとして1971年10月4日から7日にかけて撮影作成されたもので有り、1973年に日本ではNHKが放映したことが、ロックの先進性を一般に知らしめて話題騒然となった事件でもあった。私は偶然それを見て感動したのだが、記憶ではモノクロで見たようなイメージになっている。私の見たテレビがモノクロだったのか?、そのあたりは定かな記憶が無いのだが、しかしこれは立派なカラー作品であり、ギタリストがシド・バレットからデヴッド・ギルモアに変わり、完全に独り立ちできたロジャー・ウォーターズ中心のピンク・フロイドの初期の一つの完成形の姿でもある。ニック・メイスンのエネルギッシュなドラミングも見物である。
 結果的には、後の「ディレクターズ・カット」版も含めて、これらの映像は全て持つことになったのは私にとっては当然というところであった。

Ponpeiilive
 左はその「ディレクターズ・カット」と称して更に編集し直されたものが2003年になってリリースされたものである。

(DVD盤) 「PINK FLOYD Live at POMPEII -The Director's Cut」
  HIP-O Records  B0001315-09  2003

 実はこの「ディレクター・カット版」は(「オリジナルもの」もまったく別ものとして二重に収録されているので文句は無いのだが)コンピュータ・グラフィックスやナサの人工衛星の映像のちょっと余計なものの混ぜすぎで、かってのポンペイ遺跡の撮影部分や演奏映像部分がカットされていて私はあまり納得していない。

 とにかくTracksは、上に記したように、炎天下にての演奏の”Echoes”を2分割して最初と最後に配置して、彼等の原点である”神秘A saucerful of secrets”、そして”太陽賛歌Set controls for the heart of the sun”を夜になっての演奏風景として収録し、ピンク・フロイドの姿・本質を知らしめてくれる。如何に当時は彼等は前衛ロックであり、そしてプログレッシブ・ロックと言われるものである事が、ここに記録されている。古代の神秘性と極めて合致した演奏映像であった訳だ。そしてライブで最も演奏された”Carful with that axe eugene”も演ってみせてくれる。

 考えてみれば、これが彼等の初めての公式の長尺ライブ演奏映像版であって、もともとマスコミ嫌いで有名なロジャー・ウォーターズであったため、意外に彼等の映像は公式には少ないのである。

ポンペイ遺跡に立ってみると、やはりピンク・フロイドが最も印象深く思い出されるのであった。

(視聴)  A saucerful of secrets (神秘)

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2014年11月13日 (木)

ピンク・フロイドPink Floydの最終章 :「THE ENDLESS RIVER」

ちょっと肩すかしの最終章(解っていても・・・・・・)

 いやはや話題性としては今年No1と言うところでしょうか?このアルバム。しかし聴いて疑問符??、これはいったい何を目指して作られたのでしょうか?、やっぱり私が危惧していたとおりになってしまった。これならギルモアのソロ・アルバムで十分だったのでは?、でもそれじゃ売れないし・・・ピンク・フロイドの名を弄(もてあそ)んだポリー・サイモンのマネー・ゲーム。今更自立も出来なかったリック・ライトを引っ張り出さねばならなかったところ(そうで無ければピンク・フロイドの名を語れないし)に大いなる落とし穴があっと言うことでしょう。

  <Rock>

         PINKFLOYD  「THE ENDLESS RIVER」
                Columbia Records / 88875007882 / 2014

Endlessr_2
Produced by : David Gilmour, Phil Manzanera, Youth, Andy Jackson

David Gilmour(guitars, bass, vo, effects),  Richard Wright(piano, keyboards,synth.),  Nick Mason(drums, perc.),  Bob Ezrin(keyboads, bass), Damon Iddins(keyboads), Jon Carin(synth.) etc
   
 残念ながら、これは「ピンク・フロイド」名義としては、リック・ライトはその名義のための材料で有り、ニック・メイスンは出汁に使われただけで・・・あって、ギルモア一派の作り物そのものですね。ギルモア自身も納得しているかどうか?疑問。
Polly_samson
 とにかくビック・マネーに餓えたジャーナリストのポリー・サムスンPolly Samson(デヴィッド・ギルモアの女房→)の一味によって企画された結果でしかないシロモノなんです。ギルモアも哀しいかな、男が女房に尻を叩かれてやった仕事はこんなところなんですね。ギルモア自身が全てを無にして、自分で思うところ、自己の欲求からアルバムを作ればもっとましなモノが出来たのは間違いない。残念です。
 

 しかしあの歴史的「ピンク・フロイド」ですからね~~~、やっぱり売れるんでしょうねぇ~~(ロジャー・ウォーターズが”Money”や”Welcome To The Machine”更に”Pigs”で、あれほど警告していたものが、ピンク・フロイドの最終章となるという皮肉)。こんな企画を恥も外聞も無くやるところが、商業主義なんだろうなぁ~~。昔からリアル・タイムに彼等の作品と接してきた私としては情けないの一言に尽きる(ロック界においてプログレッシブと言われたこと、パンクやニューウェーブを乗り越えた唯一のプログレ・バンドの魂を思うにつけ)。

Endlessrlist
 さてそのアルバムは、上のような4っの構成で18曲。アンビエントものなのか?、ロックものなのか?中途半端で押さえどころが無い。かってのピンク・フロイドのスペーシーな部分の焼き直し。”Echo”の一部であったり”Shine on You the Crazy Diamond”の一部であったり・・・・しかしそれが肝心なところは、その目指している「ロック心」が見えてこない。これも私の解っていても期待してしてしまっていたところの・・・悲しさだろうか?。
 それでもあのある時のピンク・フロイド・サウンドを少しでも・・・と思うには、そんな人に若干貢献しているのだろうか?。ただプログレッシブなものでなく、レトロスペクティブなものとして受け入れるのが良いのであろう。まあそれ以上期待してもいけないのかも知れない。取り敢えずバック・グラウンド・ミュージックとして一つの評価をしておきたい。

Dg
 私はピンク・フロイドというのは、初期のシド・バレットは別格・別物と思っているので、やはりロジャー・ウォーターズ、リック・ライト、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイスンの業績に焦点を持っている。そのギルモアがこうしてピンク・フロイドの名を語りたいなら、かっての彼等はアルバム一枚一枚意見や思想の違いをお互いギリギリの線で協力しながらも何かを求めて作ってきた「ロック心」を大切にして欲しかったと言うのが偽らざるところ。それは歳を取っても同じだと思うからである・・・・・。やっぱり大事なのは「ロック心」を持ってミュージックを作り上げるところなのだと思っている。
 ああ・・・・そんな意味でもU.K.のSteven WilsonやポーランドのRiversideのようなグループの活動をみるにつけ、もはやギルモア・ピンク・フロイドの時代ではなくなったとしか思えない。・・・・・さあ、どうするロジャー・ウォーターズ。

(試聴)

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