メロディ・ガルドー

2016年5月12日 (木)

メロディ・ガルドーMelody Gardot のライブ映像版「Live At Olympia Paris」

待望の「"CURRENCY of Man" Tour」の映像版Blu-rayで登場!
~見よこの「メロディ・ガルドー・ジャズ・ワールド」の超越性~

        <Jazz、Rock、 Soul、 Root's Music>
         
 Melody Gardot 「Live At Olympia Paris」
            Decca Records/Eagle Vision  /  EVB335359 / 2016   

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Recorded at L'Olympia Bruno Coquatrix on Oct. 26&27,2015
(Tracklist)
1.Don't Misunderstand  2.Same To You   3. She Don t Know    4.Bad News   5.March For Mingus    6.Morning Sun    7.Les Etoiles    8.Baby I'm A Fool    9.Who Will Comfort Me    10.Preacherman     11.It Gonna Come

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 ようやく登場しました!。私に言わせれば2015年ジャズ・アルバム大賞候補の最右翼のメロディ・ガルドーの「CURRENCY of MAN」、そのリリース後の彼女のツアーの映像モノ。これがジャズでなきゃ何なんでしょう?。これがロックでなければ何なんでしょう?(フュージョン?、ソウル?)、はっきり言えば「Root's Musicの発展型」・・・こうゆうのに評論家は弱いんですね。・・・ある「ジャズ雑誌」の2015年総括には名前も出てきません。
 
 つまり評論家に言わせると”ジャズという昔ながらの型”にはまっていなければジャズとしての評価が出来ないということなんでしょう。時代の動きと共に変化があってジャズなんですよ(例えば今時の”Jazzy not Jazz”って何なんでしょう?)。だから評論家というのは・・・ちょっとね(?)。後になって言い訳はして欲しくないですね。
 ところでこれって新しいの?、そうじゃないでしょう。その道の解ったようなことを言っている人が、評価が出来ないだけのものですよ。(わっはっは、これは私のような素人が言うのだけのものですけどね)

P5111755w しかしこのライブは凄いですね。アルバムよりは何歩も発展している。メロディ・ガルドーの凄いところはアルバムに停滞していないところです。
 これを観ずに、講釈は垂れて欲しくない。彼女の音楽というモノの極みを知って欲しい。いっや~~、私は感動しました。

(Tour Members)
 ギター、ピアノ、ヴォーカルの彼女を支えるのは、ギター、ベース、ドラムス、アルト・サックス、テナー・サックス、トランペット、キー・ボードの7人(↓)。
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  収録Listを見て解るように、殆どアルバム「CURRENCY of MAN」からの曲です。
 ところが” Who Will Comfort Me ”も登場するが、この編曲の極みは凄い。もともと過去のライブでも、その都度新しい編曲とアドリブを施して来たが、又々更にここでは更に一歩前進。これがメロディ・ガルドーなんですね。

P5111805w 彼女は、ヴォーカルといっても、ギター、ピアノを演ずるわけで、このライブでも重要な役回りをしている。
 又、かっての交通事故による障害によって、杖なしでの歩行は困難であったが、昨年ようやく歩行は可能になり、このステージでもかなりのアクションも見せて、かっての彼女のステージとは大きく変わっているところも見所だ。

P5111765w 究極は、彼女のミュージシャンとしてのブルージーな味付けの編曲によるジャズ、フォーク、フュージョン、ロックを超越した「メロディ・ガルドー・ワールド」なんですね。これを評価せずに、ジャズは語れないと(いや、語って欲しくないと)私は断言するのである。

(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/melody-gardot-c.html

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(視聴) Live at Olympia Paris 2015

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2015年6月 9日 (火)

(続)メロディ・ガルドーMelody Gardot の新譜「CURRENCY of MAN」 ~考察その2~

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「スタンダード盤」の完成度は?

 メロディ・ガルドーのニュー・アルバムを考察しているのだが・・・実は是非対比してみなければならないことがある。
 それは前回このニュー・アルバム『CURRENCY of MAN カレンシー・オブ・マン~出逢いの記憶~』の感想を書いたのは、基本的には2種あるバージョンのうち所謂「Delux Edition」(全15曲)であったわけだが(日本盤はこれを取りあげてリリースしている)、しかし「スタンダート盤」は全10曲であって、全くの曲の配列が異なっている。実はそこが面白いところで比較して聴いてみるとかなり印象が異なってくるのだ。

Melody Gardot 「CURRENCY of MAN」
Universal / International / 54724682 / 2015

New2 スタンダード盤では、まず3曲のインスト曲がない。それとこのアルバムでの最高のパワーを効かせる”Preacherman”が2曲目に登場して、アルバム冒頭近くから哀しい怒りを叩きつけるパターンをとる。
 これは「デラックス盤」の問題点を積み上げながら、徐々に最高潮に盛り上げて行く手法とは異なっている。

 そんな相違が意外に印象を変えているのだ。

   つまりアルバムの流れは以下のようになる。これが・・・・

Album2list1.2.先ずは問題意識を叩きつける

3.そして 光明を見いだそうとする

4.反省

5.自己の要望

6.自分相応の世界へ

7.美しき悟りへ

8.悪しき展開

9.哀しきストリート・ガールの姿に未来はあるか

10.過去の貴重な記憶に未来を託す

  ・・・・こんな流れであるが、つまるところ、デラックス盤の”No Man's Prize”と”Byrying My Troubles”の2曲が納められていない。まずメロディ・ガルドー節の典型の”No Man's Prize”が無いのは寂しい。そしてデラックス盤の最終曲”Burying My Troubles”の一つの光明を信じて行くところがやっぱり無いのは更に空しいのである。
 そんなところと、曲間の繋ぎの3曲のインスト曲が又ムードを盛り上げるのに良い味があるが、それが「スタンダード盤」には無いわけで、これからこのアルバムを聴くならば、やっぱり「デラックス盤」にして欲しい(日本盤はこれを取り入れている)と思うのだが・・・・・いかがであろうか?

 いずれにせよ、2種あるとどうしても比較してしまうのだが、「スタンダード盤」はメロディ・ガルドーのCD一枚を聴いたという感じには満たされるが、「デラックス盤」は、物語を感ずる一編の映画を見終わったという感覚になる。
  両者には、そんな違いを感ずるのだが・・・・。

(試聴)

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2015年6月 4日 (木)

メロディ・ガルドーMelody Gardot渾身の注目新譜「Currency of Manカレンシー・オブ・マン~出逢いの記憶~」

           <My Photo Album> ~花の季節(6)~

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                                            NIKON D800 , AF-S NIKKOR 50mm 1:1.4G
             *    *    *    *

<今日のミュージック>

  私の一押し=メロディ・ガルドー待望のニュー・アルバム
~闇、哀しき訴え、光明、悟り・・・「社会意識」
へのアプローチ~
             今年の問題作

<Jazz、Rock、 Soul、 Root's Music>

             Melody Gardot 「Currency of Man」
        Universal Classics & Jazz / UCCU-1488 / 2015

Currency_of_man

 今回のニュー・アルバムも気合いが入ってますね。新譜発売からいくつかのバージョンがあって、お付き合いが大変です。少なくとも輸入盤で3タイプ?(10曲アルバム、15曲アルバム、デラックス・エディション(The Artist's Cutヴァージョン収録))あり、それに日本盤(16曲・SHM-CD)がリリースされた。

 前作『The Absence』からもう3年ですかね、あれはメロディ・ガルドーのラテン版というか、それまでのイメージを変えての彼女の意志でのセルフ・プロデュース作品であったが、今回は2009年のヒット作『My One & Only Thrill』のラリー・クラインのプロデュース。

(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/melody-gardot-a.html

Mg2_2 彼女は1985年生まれのアメリカ・フィラデルフィア出身だが、19歳の時の交通事故で現在も後遺症が残っている。2009年に来日した際も光刺激を避けるためのサングラスと、下肢の障害をカヴァーするためのステッキによる歩行をしていた(しかし我々にはサービス精神旺盛な対応をしてくれたあの時からもう6年経つんですね)。
 しかし彼女のシンガー・ソングライターとしての才能は素晴らしく、都会的センスのジャジーな曲作りと歌唱力は魅力たっぷり。ピアノやギターも操っての弾き語りも得意で音楽そのものへの拘りも大きい。

Currencydlist
 さて今回のアルバムは左のような15曲。全曲メロディ・ガルドーのオリジナル(3曲に共作者が入る)、そして3曲のインスト曲もある。ロックやソウルっぽいところから、ジャズ、ブルースまでのまさにアメリカ南部文化と言うべき”roots music”への挑戦でもある。そしてそこにメロディ・ガルドー節が詰まっている。

  しかし最も注目は、勿論彼女のミュージックとサウンドにこだわったものである事だが、又それ以上に彼女の社会派活動と関連したコンセプト・アルバムだと言うことだ。彼女の言う”「社会意識」の世界”がテーマなのだ。それは彼女がこの数年に出会った印象深い人々を取り上げて歌い訴える・・・・。
 ”currency of man”つまり”人間の声価”に心を馳せるべきと言うところか?。彼女の言葉を借りると”今の世界における我々自身の価値の再認識。肌の色、社会的地位、出自に関わらず、誰もが人生の目的を持っている”と・・・・・人間の価値を訴える。

 既に公開されているプロモーションビデオにも描かれているように、”It Gonna Come”はストリート生活のホームレスのインテリジェンシーの高い老人の姿に何を見るか?。
 更に問題のPreacherman”は、1955年の黒人少年の虐殺事件の「エメット・ティル事件」を取り上げている。この母親の悲しみ・憤りを歌い上げ、この人種差別に関わるテーマをロック調のミュージックで迫ってくる。

 このアルバムの前半は社会の陰の部分に焦点を当て、”No Man's Prize”で彼女の唄が堪能できる。そして10曲目の”Preacherman”で問題意識の頂点に叩きつけるリズムで達する。しかしその後”Morning Sun”では心を広げる一つの光明を与え、12曲目の”If Ever I Recall Your Face”のこのアルバムでピカイチの美しい曲が流れ、自己を説得する。そして最後の”Burying My Troubles”で希望を感じさせて幕を閉じる。
 このアルバムは一つの映画を見たような展開をみせる。メロディ・ガルドー自身の音楽人生と人生観を集約したアルバムの完成だ。
       Still I know     I will find my happiness at last
        Somewhere in the bottom of a bottle  of a stone cut glass

 かって来日の際の、”日本の饅頭が旨かった”と笑いながら話す明るさの影には、「死」や「絶望」を一度見た人生の経験から作り上げられた彼女のもう一つの姿がこのアルバムには込められているのだろう。今年の一押しアルバムになることは間違いない。

                (credit ↓クリック拡大
Credit

(試聴1)

(試聴2)

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2015年4月30日 (木)

期待の話題 : メロディー・ガルドーMelody Gardot & ロジャー・ウォーターズRoger Waters

 期待の2015年初夏の話題-2題

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 我が家のクレハモクレンも咲いて春たけなわとなりましたが(↑)・・・・ここに来て期待のニュースが入ってます。

<Jazzの話題>
 メロディー・ガルドーMelody Gardot のニュー・アルバム「Currency of Man ~出逢いの記憶~」がこの6月にリリースされる。
New いっや~~、久しぶりです。メロディー・ガルドーは私の期待のシンガーソングライターですからね。彼女の2012年の「アブセンスAbsence」以来3年ぶりのニュー・アルバムですね(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/melody-gardot-a.html)。前作はラテンよりの作品で、ちょっと私の期待する”都会の夜”ムードとちょっと違ってはいたが、全米ジャズ・アルバム・チャート1位にはなりました。
 期待の今作は又プロデュサーがラリー・クラインに戻って、ジャジーな世界を聴かせてくれるのは間違いなさそうです。

(試聴1) ”Same To You”

(試聴2) ”Preacherman”

<Rockの話題>
 さて話はジャズからロックの方に変わって、続いての期待は、あのピンク・フロイドのGenuineと言われるロジャー・ウォーターズの「The Wall」ライブを記録した映画が今秋劇場公開が決まったことですね。多分いずれDVD化はされるでしょう。

Rogerwatersthewalllive これはToronto International Film Festival (2014年9月)にて公開された映像もの。
 2010-2013年の4年にわたっての記録的ロング・ラン・ライブとなった「The Wall Live」の記録ものが、ここに来てようやくオフィシャルに公開される。
 残念ながら日本嫌いのロジャー・ウォーターズのこと”日本ライブ”は実現しなかったが・・・・と、言うよりも実際のところは、とにかく資材が大量で、ちょっと東洋ライブまでは拡大できなかったようですね。
 しかしこの映像ものは単なるライブ記録に止まらず、関係映像が盛り込まれているようで、期待ものである。

002 そしてロジャー・ウォーターズのもう一つの話題は、あのイスラエル問題に対峙したニュー・アルバムの噂があったんですが、目下は1992年の話題作「Aused to Death 死滅遊戯」がリマスタリングされ高音質化、SACD、 Blu-ray Audio 5.1チャンネル・サラウンド・リミックスで、ジャケもリニューアルされてこの7月に発売と言うことになってます(LP盤もあり)。
 このアルバムは、私はこれこそ真のピンク・フロイド最終盤と勝手に思っている作品で、彼の社会に対する警鐘というコンセプト・アルバムであったことと(中国の天安門事件など忘れられない)、中身の音楽的濃さも抜きんでている名作だったので、ここで再発は時代感覚も現在にも十分通ずるところから当然と判断する。参加ミュージシャンはジェフ・ベック始め充実しての中身の濃いアルバムであっただけに、サウンドの高音質化というのも興味のあるところ。
 そしてそれに続いて彼のニュー・アルバムが登場すれば文句のないところだが・・・・・そこは目下定かな話は浮上していない。

(試聴1)

(試聴2)

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2013年2月17日 (日)

圧巻のライブ映像=メロディ・ガルドーMelody Gardot:「DONOSTI 2012」

アルバム「Absence」の”ハイネッケン・ジャズ2012”のライブ映像

Mg6

 またしてもここで取り上げるのは、ブート映像でのライブ鑑賞である。なにはともあれ、オフィシャル映像がなければ、この手で楽しんでいるというところ。
 これは、私の一押しのJAZZシンガーソングライターであるメロディ・ガルドーMelody Gardotのライブだ。つい最近の2012年7月、スペインはDONOSTIにおけるジャズ・フェス「ハイネッケン・ジャズ HEINEKEN JAZZALDIA」の模様である。

<JAZZ> MELODY GARDOT 「DONOSTI 2012」
              Bootleg DVD - MegaVision
       Live at 47th HEINEKEN JAZZALDIA, DONOSTI, SPAIN July 20, 2012

Donosti2012   
 もともと彼女の場合は、アルバムは殆ど自己のオリジナルの曲で構成されているが、それをライブにおいては諸々のアレンジを凝らしてくれて、明らかにその出來はアルバムを超えて素晴らしい。前作「MY ONE AND ONLY THRILL」も、パリでのライブものが良かったのは記憶に新たなところだ。今回のこのアルバム「Absence」は昨年リリースされた最新作であるので、こうしてライブでの出來はどうかと、実は興味津々であったが、案の定アルバムを遙かにしのぐ曲の仕上げは見事で、もうこのライブものでリリースして欲しいと思うほどである。
 これは2012年7月20日 歴史あるジャズ・フェスの第47回ハイネッケン・ジャズ(於スペイン)における彼女のパフォーマンスである。

Donosti2012list 収録セットリストは左のごとく8曲。昨年のニュー・アルバムの「Absence」からの曲が中心。実は私にとってはこのアルバムは若干期待とは別物であったアルバムで(彼女には、私の期待はどちらかというと”都会の夜派”をイメージしている)少々残念であったというのが偽らざるところだった。しかしなんとこのライブ・ステージの演奏と唄には、アルバムの雰囲気とは一転して、なるほど彼女のステージは、いつも通り、アルバムを遙かに超えての納得の世界描いてくれて、魅せられるのである。

 しかもこのDVDの映像はプロショットでサウンドも良好というもの。これもブートとしては良好の部類に入る。
 オープニングの”No More My Load”は、彼女のアカペラでエキゾチックなムードでスタート。そしてその後彼女のピアノ弾き語りも披露してくれる(”Goodbye”、”Lisboa”の2曲)。
 しかし後半に入って、アルバム「MY ONE AND ONLY THRILL」からの曲No6.”Les Etoiles”のサックス、パーカッションの掛け合いから始まっての展開は、バックのジャズ・センスの良さが十分感じ取れ、この曲の練り上げは見事と言える・・・(試聴:http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=8kPvUIHYENI&NR=1 )。
 更にNo7.”so we meet again my heartache”クラリネットとギターが曲の展開を誘導して彼女のヴォーカルへと流れ、この出來は更に更に極上で、ステージのレイアウト、照明も加味されて大人の魅惑の世界へと誘われてしまう。

Donosti2012members 演奏陣はメロディ・ガルドーの他は総勢8人で、バッキング・ヴォーカルの女性2人の他は、ギター、ベース、チェロ、サックス・フルート、パーカッション、ドラムスという構成。これに彼女のピアノが加わる。
 彼女のヴォーカルは、いつものように演奏の中の一つの楽器のように溶け込んでゆく。そしてリズムはボサ・ノヴァ、サンバ、カリプソのパターンを取り入れ、更にタンゴまで登場するが、曲の流れはあくまでもディープにしっとりとしかも浮遊感が漂って流す。このあたりがガルドーの十八番で聴きどころとも言える。
 ブラジル、ラテン系のアコースティック・ギターのMitchell Long が、バッキング・ヴォーカルと共に味付けが良く、又サックス、フルートのIrwin Hall が健闘している。

(試聴)
http://www.youtube.com/watch?v=4k-70DpmB1c
 今年もこの3月から広く各地で彼女はライブを展開するが、日本にも是非と、期待しているのだが・・・・・・。

 このところブート映像ものがシリーズのように続いてしまっいるが、いやはやこうしたものを探すのも楽しみの一つなんです。そんな結果でついついここに書いてしまったという次第、だがまだ獲物はあります又次回。

<Today's PHOTO>

Monoblog
(Hasselblad 503CX , Planar 2.8/80 , PL)

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2012年6月 3日 (日)

メロディ・ガルドーMelody Gardot のニュー・アルバム「The Absence」

メロディ・ガルドー世界(jazzy not jazz)への意欲作

Melody Gardot 「The Absence」
DECCA  B0016816-02 ,  2012

Absence

 私の最も期待株のメロディ・ガルドーの3rdとなるニュー・アルバムが3年ぶりに登場した。彼女のアルバムについては何度と語ってきたが(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/jazzymelody-gar.html)、久々のニュー・アルバムの登場は大いに歓迎である。
 シンガー・ソングライターとしての全曲自己の曲であるスタジオ・フルアルバム。
   
    Vocal : Melody Gardot
    Piano : Melody Gardot, Heiter Pereira 他
    Guitar : Heiter Pereira
    Bass : John Leftwich
    Potuguese Guitar : Melody Gardot
  orchestra conductor : Nick Glennie Smith

<収録曲>
1. ミラ
(Mira - Melody Gardot)
2. アマリア
(Amalia - Melody Gardot / Heitor Pereira / Phil Roy)
3. ソー・ロング
(So Long - Melody Gardot)
4. ソー・ウィ・ミート・アゲイン・マイ・ハートエイク
(So We Meet Again My Heartache - Melody Gardot)
5. リスボン
(Lisboa - Melody Gardot)
6. インポッシブル・ラヴ
(Impossible Love - Melody Gardot)
7. イフ・アイ・テル・ユー・アイ・ラヴ・ユー
(If I Tell You I Love You - Melody Gardot)
8. グッバイ
(Goodbye - Melody Gardot / Jesse Harris)
9. セ・ボーセ・ミ・アマ
(Se Voce Me Ama - Melody Gardot / Heitor Pereira)
10. マイ・ハート・ウォント・ハヴ・イット・エニー・アザー・ウェイ
(My Heart Won't Have It Any Other Way - Melody Gardot)
11. イエマンジャ
(Iemanja - Melody Gardot)
 ・・・・(
これに続いて隠しトラック)

Melody3tr  まず私の印象としては、このアルバムは意外であった。もともと”Jazzy not jazz” 路線とは言え、2ndアルバムのその後の流れからも、若干想像したジャズへの流れが異なり、むしろボサ・ノヴァやサンバ、更にタンゴ、その上にカリプソの味まで取り入れての意欲作だ。
 南米各地やヨーロッパでもスペイン、ポルトガル、フランスのラテン系に彼女はライブ活動とともにその地に関心を持って接してきたと言われているが、その結果としてうなずけるところでもある。
 
 彼女の交通事故による後遺症から、自己を解放してゆく道としての音楽、それが身を結んできた現在の形としての3rdアルバムとして位置づけて良いのかも知れない。
 しかしその南国の開放的世界と言っても、彼女のアルバムにはその独特の派手さはない。むしろ異国情緒を醸し出すところに逆に寂しさすら感ずるところもある。
 フランス語、ラテン語も登場しての今作は、彼女の一つの挑戦的意欲作であるとも言える。

 スタート曲”mira”の軽快な南国タッチのギターをバックにしての曲には驚いたが、・・・・・
 3曲目の”so long”、続く”so we meet again my hearttache”などでメロディ・ガルドー節が本番となる。彼女独特の細部に及ぶ繊細で深みがありそして説得力あるヴォーカルは相変わらずで、聴く者を引き込んでゆく。
 更にバックの演奏陣もストリングス・オーケストラ、そしてそれにも増してギターなどの演奏陣の相変わらずセンスの良さが滲んでいる。
 ”lisboa”もバック演奏の明るさに反して彼女のヴォーカルは陰影を残すがごとく歌われ、このあたりの彼女の描く世界が見えてくる。SEも独特の効果を上げている。
 6曲目”impossible love”、7曲目”if i tell you l love you”の曲は、シャンソン調も取り入れてバックの演奏陣のアレンジの妙も絡んで曲自身の仕上げが見事である。このあたりは、プロデュースとアレンジを行っているギター奏者のヘイター・ペレイラHeitor Pereira の成せる技か?。

 11曲の”iemnja”終了後に約10分の間隔を空けて突如出てくる鐘の響きに続き前衛的な演奏の隠しトラックがある。この演奏パターンは私好み、こうしたバックにメロディの唄も聴いてみたいところ。この隠しトラックのアルバム造りには賛否両論あろうが、メロディ含めて制作陣の何か挑戦が感じられるアルバムであった。

(最近、彼女は自分自身も患った事故による外傷性脳損傷の後遺症に対して、その治療の為の施設を作る活動をスタートさせたとか・・・)

 

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2011年7月14日 (木)

チャーリー・ヘイデンCharlie Haden QUARTET WEST : ニュー・アルバム「Sophisticated Ladies」

オーソドックスで楽しく聴けるジャズ~6人の女性ヴォーカリストをフィチャー

Charllieh3  ベース奏者のチャーリー・ヘイデンというと、どうしても私の接し方はキース・ジャレットの世界からである。近作は「JASMINE」 (このプログにて、2010.6.4”静かなる安堵感:キース・ジャレット「JASMINE」”参照http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-j.html)で、彼とキースの30年ぶりの共演、キースの誕生日に合わせてのリリースとその内容に二人の関係が如何に人間的であったかを窺い知らされた。
 一方、キースとの歴史を鑑みると、やっぱりアメリカン・カルテットであろう。その中では私にとって強烈な印象のアルバム「DEATH AND THE FLOWER 生と死の幻想」(当プロク2010.6.14”キース・ジャレットの世界(3)孤独と生と死”参照http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-1.html)とか「The Survivors' Suite 残もう」のアルバムを思い出す。これらはベーシストのチャーリーのフリーな、コンテンポラリー・ジャズ感覚がなかったら出来なかったとも思われるキースの名盤だ。もう20-30年前のことであった。

Sophisticatedladies さて、ここに登場するチャーリー・ヘイデンのニュー・アルバム。
「CHARLIE HADEN QUARTET WEST / SOPHISTICATED LADIES」 UNIV.MUSIC UCCM-1191 ,  2011

  これは彼の1986年に結成されたカリフォルニアを基盤としたカルテットによるものだ。
 今回は11年ぶりに新ドラマーを迎えてのそのカルテット・ウェストで、なんと6人の女性をフィチャーしての12曲(うち6曲に女性ヴォーカルを登場させている)を聴かせてくれる。 
 その6人の女性は、アルバム・タイトルどおりの”Sophisticated Ladies (洗練された女性といっていいのか)”のメロディ・ガルドーMelody Gardot, ノラ・ジョーンズNorah Jones, カサンドラ・ウィルソンCassandra Wilson, ルース・キャメロンRuth Cameron, ルネ・フレミング Runee Fleming, ダイアナ・クラールDiana Krall (登場順)だ。
 私がこのアルバムに接したのは、私がメロディ・ガルドーのファンであることを知っている友人からの紹介だった。それぞれの女性シンガーは一曲のみの登場で、少々残念なのであるが、それでも昨年の彼女らの現状報告みたいなもので、そんな感覚でこのアルバムを聴いたわけである。

(members)
   charlie haden : double-b
   emie watts : ts
   alan broadbent : p,cond
   rodney green : ds

Melodygb  1曲目”if i'm lucky”からメロディ・ガルドーが登場。この演奏にはカルテットの演奏に加えてストリングス・オーケストラもバックに登場し、意外にクラシカルな印象のジャズに仕上がっている。ガルドーが優しく歌うが、彼女の特徴のちょっとした遊びがすくないかなぁ~という印象で、彼女自身のアルバム曲とは趣が異なる。
 このアルバムのカルテット・ウェストの演奏は、かなりオーソドックスなアコースティック・ジャズで肩が凝らずに聴けるところは73歳になるチャーリー・ヘイデンのなせる技か?。
 3曲目”ill wind”を唄うノラ・ジョーンズはいつもの彼女のパターン。続く”today i am a man”のカルテットの演奏は、それぞれの持ち味を出して楽しんでいるかのようだ。
 5曲目のカサンドラ・ウィルソンの唄う”my love and i”は、ゆったりと聴くものの気持ちを静めてくれ、特にチャーリーのベースが楽しめる。
 6曲目の”theme from "markham"”の彼らの演奏は私好み。チャーリーの妻のルース・キャメロンの”let's call it a day”とルネ・フレミングの”a love like this”はなかなか説得力がある。
Diana_krall  ダイアナ・クラールの”goodbye”は、彼女の語るような歌の低音も生きていい仕上がりだ。エルビス・コステロ夫人の彼女は目下育児に奮戦中のようだが・・・。

 このアメバムはスタンダード曲を、6人の女性シンガーをフィーチャーして色づけしつつ、カルテット・ウェストのどちらかというとオーソドックスな演奏集である。そんな意味では聴いていて休まる世界でもある。彼女らに2曲づつ歌わせてもよかったかなぁ~~とも思うが、まあこんなところがいいところなのかもしれない。
 いずれにしても、誰が聴いてもいいJAZZアルバムといったところだ。(ちょっと余談だが・・・もう少し洒落たジャケ・デザインにしてほしかったとは思うが)

(試聴)

 

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2011年6月 9日 (木)

Jazzyなメロディ・ガルドーMelody Gardotの世界(5):「my one and only thrill / DELUXE EDITION」の賛否両論

そろそろ3rdアルバムに期待しているところであるが・・・・・・・

Byebyeblack 「MELODY GARDOT / Bye Bye Blackbird」 DECCA- 2754306 ,  2011.5

 とにかく、フィラデルフィア出身1985年生まれのメロディ・ガルドーは私の期待中の期待の女性ジャズ・ヴォーカリストである。魅力はシンガー・ソングライターということと、なんと言っても Larry Kleinのプロデュースによる彼女を支えるバンドとの醸し出す世界により作られるアルバムは、Jazzの持つ深遠な世界としてピカイチだからだ。2009年の2ndアルバム「My One And Only Thrill」の出来は素晴らしく世界的ヒットとなり、ライブ活動も盛んだが、それ以来のニューアルバムは目下まだ届いていない。
 しかしながら、ここに4曲のEP盤の登場だ。これは、先日発売された「MELODY GARDOT / My One And Only Thrill DELUXE EDITION」に付けられた一枚。
  Vocals & Guitar : Melody Gardot
   Guitar : David Preston

Myonandonlythrilldelux 又この”DELUXE EDITION” には、本来のアルバム12曲に”CHILL OUT REMIXES”として3曲がボーナス・トラックスが加えられいる。従ってこの企画には取り敢えず3曲のニュー・バージョンとこのEP盤としてのカヴァー曲4曲が聴くことが出来るのだ。
 実はこの”DELUXE EDITION”が発売されることは知っていたが、このように内容に7曲が加えられていることは知らなかった。ところがその内容を友人から知らされて、ビックリしながらこの7曲を聴くことになった。つまり一曲も聴き逃したくないというのが、私にとっての彼女の作品であるからだ。

”CHILL OUT REMIXES”
    1. our love is easy
    2. baby i'm a fool
    4. my one and only thrill

”EP / Bye Bye Blackbird ”
    1. get out of town
    2. someday my prince will come
    3. bye bye blackbird
    4. summertime

Mgdeluxe1 ”CHILL OUT REMIXES”の3曲は、これは多分アルバムではこのパターンを採用するのは多分若干抵抗があろうかと思われる技巧を凝らしている。しかし、このパターンをやってみたいという彼女自身やバンド・メンバーの発想、そしてEngineerの Charlie Patiernoの挑戦的作業からうなずけないこともない。もともとそうした新しさを求めようとする感覚が彼らにはあるからだ。是非とも聴いてみて欲しい。多分、賛否両論の世界であろう。

 EP”Bye Bye Blackbird”の4曲はスタンダート曲だが、これらはアコースティック・ギターのみのバックで、彼女の唄い込みが十分堪能できるように聴かせる曲作り。このパターンも一つには実験なのかも知れない。取り敢えずのサービスといったとこなのであろう。

 さて・・・ここで一言。どうも最近はヒット・アルバムが出ると、そのスペシャルとかデラックスとかの別バージョンが流行である。それには一般的には映像ものを付けたり、このメロディー・ガルドー版のようにニュー・バージョンの曲を付けたりして又売りするわけだ。
 しかし、ファンの意識はやはり別物があったり、映像ものがあったりすると見逃したくないというのが心理である。その為同じアルバムを再び買って、視聴きすることになる。どうもその商法が私は納得できない・・・・と、言うことなのである。
 先般(昨年)、このメロディ・ガルドーの「My One And Only Thrill ”SPECIAL EDITION”」というのもあって(このブログの 2010.4.24”LIVE IN PARIS の魅力”参照)、パリ・ライブ音源5曲を付けてのリリースであった。これも実にまた素晴らしい5曲の出来で、聴き落とすわけにはいかないというところ。つまり今回の”DELUXES EDITION”が加わって、同一アルバムの後のダブル・パンチが襲ったわけだ。 取り敢えずあまり文句も言わずに聴くことにしようと思ってはいるものの・・・ちょっとこうした商法に一言、言ってみたくなったのは解っていただけるかどうか?(考えてみると、過去にこのブログでも何回と取り上げているが、キング・クリムゾンの場合などは、特に「宮殿」なんかはLP含めて何枚持っているか、そら恐ろしくなる)。

 

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2010年4月24日 (土)

メロディ・ガルドー LIVE IN PARIS (来日記念盤)の魅力

パリのライヴ5曲に酔う

Mg2  いやはや、ニクイニクイ音源がリリースされていました。昨年9月には、2ndアルバム「MY ONE AND ONLY THRILL」を引っ提げて来日、東京国際フォーラムにてライブ(東京JAZZ2009)を行ったメロディ・ガルドー Melody Gardot は、その当時以来私の一押しの女性シング・ソングライターである。
 昨年来、このアルバムは世界的にもJAZZYなアルバムとして人気が上昇。彼女の曲の素晴らしさと、低音から高音まで丁寧なしっとりとしたヴォーカルはピカイチ。
 その後のニュー・アルバムにはまだ早いと思っていたところであったが(目下彼女は世界を股にかけかなり広い範囲にてライブ活動中)、それでもライブものでのニュー・アルバムはあり得るのかもと、期待をしいてる最中であった。

 ところが、なんとこの3月の渋谷クラブクアトロでの単独公演来日(来日はこれが公には3度目)したことの記念とした2ndアルバムの来日記念盤とやらがリリースされていることが判明(2010年3月10日)。それは2枚組で、本来のこの2ndアルバムに加えて、もう一枚のボーナス・ディスクCDが加えられ、”LIVE IN PARIS”と銘打って、彼女初のオフィシャル・ライヴ音源5曲の披露があるのだ。

Photo
「MY ONE  AND ONLY THRILL-SPECIAL EDITION」ユニバーサル・インターナショナル UCCU-9704/5
 スリーブ・デザインは、2ndアルバムと同一。そしてボーナス盤には、フランスのラジオ局”ラジオ・フランス”のイベントに出演した際のスタジオ・ライヴ録音で5曲収録されている。(2009年9月10日)
   1.the rain
   2.Ain't no sunshine
   3.Baby I'm a fool
   4.my one and onry thrill
   5.love me like a river does

1.3.4.の3曲は2nd、5は1stに収録されている曲であるが、2.”ain't no sunshine 消えゆく太陽”はあの黒人シンガー・ソングライターのビル・ウィザースの1971年のデビュー曲をカヴァーしたもの。
 スタジオ・ライヴの為、録音はすこぶる良好。手に取るように聴こえてくる。拍手もうるさくなく、そして彼女の演奏は、とにかくジックリと丁寧に歌い上げる。このあたりはライヴものの魅力である。又バックも比較的後方に位置して彼女の声が前面にホール感を持って広がってくる。いずれにしても、1st,2ndアルバム収録曲も、このライヴでは歌いこみによる完成度は高く、素晴らしい。
 小ホールのライヴとなると、昨年秋の来日の際の、幸い私は観ることが出来た丸ビルMARUCUBEにおけるスペシャル・ショー・ケースでの彼女の演奏が思い出されるところだ。(期日をみるとまさにこの来日直後(数日後)のフランス・ライヴということになる)

  取り敢えず、このボーナス盤で、期待して待っているニュー・アルバムまでの期間を少しは埋めてくれたと思っているところだ。

 PS : この記念盤は、やはり私の友人からのプレゼントで、ここを借りて感謝する。
 

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2009年9月15日 (火)

JAZZYなメロディ・ガルドーの世界(3)「MY ONE AND ONLY THRILL」

静かな世界であっても、沈んではいない熱い訴えが・・・・・

Mono2 考えてみると、彼女はまだ24歳、何故あのような”小さな音がとても大切”と言う感覚の世界が構築出来たのであろうか?>ささやくような静かな歌声は実に緻密で、我々を引きつける。19歳の時の瀕死の重傷の交通事故、そしてその後遺症との戦い(今でも左手にステッキを持って歩く)、ある意味での人間の極限を知ってしまった世界からのメッセージなのか?。
 今年の夏に初めて、友人から送られたメロディのCDアルバムによって、このような単なるJAZZYと言う表現以上の奥深い静かな中に熱い訴えが感じられる世界を知ることになった訳だが、もともと女性ヴォーカルの為には、男性作家の曲と歌詞がいいと、実は私は長年思ってきたという偏見の持ち主であるが、ここに来てメロディによって完全に覆された。

Mg  さて、今年リリースされた2ndアルバム

「MY ONE AND ONLY THRILL」 Universal classics and  jazz UCCU-1186  2009

プロデューサーがラリー・クライン(ジョニ・ミッチェル、ハービー・ハンコックなどのプロデュースで実力派)という本作は、その為か一歩マイナーからメジャーへの作品に、バンドの層も厚くなると同時に内容が充実した。

    baby I'm a fool
    if the stars were mine
    who will comfort me
    your heart is as black as night
    lover undercover
    our love is easy
    les etoiles
    the rain
    my one and only thrill
    deep within the coners of my mind
    over the rainbow

 ”baby I'm a fool ”でスタート。曲の初めからストリングスが入って、そしてギターが後追いしてくる。明らかに1st とは異なった展開であるが、やはりメロディの歌声が流れると、もう彼女の世界そのものだ。ストリングスは、むしろ間をつなぐがごとくに流れ、彼女のヴォイスが時にリズム・カルにそして又ゆったりと語るがごとく聴くものを包み込む。
 3曲目”Who will comfort me”  の思わず体でリズムとってしまう展開こそニュー・ジャズィー・バンドとの組み合わせで見事である。先日のMARUCUBEのオープニングの曲で、初めて眼の前にしたこれぞメロディ・ガルドーだという感覚が私の脳裏にあっての忘れられない世界である。こんなタイプも実に彼女にはピッタリだ。
 続いての”Your heart is as black as night ”は、夜に向けての流れを意識させ、さらに”Lover undercover 秘密の恋人”で聴くものを静かに包み込み最後はストリングスで締めくくる。
 6曲目 ”Our Love is easy”は、easyな中の不安な世界を感じさせ、”Les E'toiles 流れ星” のラテン・ミュージック的曲展開は見事に尽きる。
 そして”The rain”は1stの"夜と朝の間のムード"の続編だ。この世界を歌い込むメロディの人間的深さを知らされる。
 アルバム・タイトル曲の”My one and only Thrill”こそ、彼女の曲の全てを網羅した名曲だ。一度聴いただけで、変な表現だが頭に取り付いてしまう。ピアノとストリングス・オーケストラをバックにしての繊細にしてダイナミックな唄い込みと間のとり方はハイレベルだ。
 そして”Deep within the corners of my mind”で、このアルバムでの彼女の作品は終わり、唯一のカヴァー曲”Over the rainbow”が、最後にラテン・タッチでまさに初めて聴く編曲を聴かせ、そしてアルバムを閉じる。
 
 このアルバム、無駄な曲が一つもなくその充実ぶりは、時間の経過とともに高い評価を得ることは間違いないと確信する。ここまで完成すると・・・次作が如何なるものとなるのか?作成に当たっては、相当なプレッシャーが彼女を襲うかも知れない。負けないで欲しい。いや、彼女の不幸の克服の姿を見れば、更なる展開は案外たやすい事なのかも・・・・・・。

* このメロディ・ガルドーの2ndアルバムの感想は、この夏、私にCDを送ってきた友人に捧げたい。( 多分、彼は笑って見てくれると思う ) *

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