キング・クリムゾン

2019年10月23日 (水)

72年の キング・クリムゾンKing Crimson 「Live in Newcatle」

72年の驚異の好演奏と好録音・・これは決定盤
ミューアのパーカッションが・・これぞクリムゾン

<Progressive Rock>

King Crimson 「Live in Newcatle」 
Panegyric / EU / CLUB48 / 2019

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Robert Fripp(g, mellotron)、John Wetton(b, vo)、David Cross(violin, mellotron)、Bill Bruford(ds)、Jamie Muir(per, allsorts)

71afcupmupl_acw  ここに来て、またしてもフリップ魔術でキング・クリムゾン病が発症している。近年のライブ総集編『KING CRIMSON AUDIO DIARY 2014-2018』(KCXP5007/2019)(→)がリリースされ、これは5枚組アルバムであって連日聴いているのだが、これをレポートする前に、まずは片付けておかねばならないアルバムがある。それはこの『Live in Newcastle』だ・・・今年リリースされたライヴ音源発掘シリーズ「The King Crimson Collectors’ Club」の第48弾。1973年のアルバム『Larks' Tongues In Aspic 太陽と戦慄』 発売前の1972年秋から冬にかけてのUKツアーより12月8日のニューカッスル公演を収録したもの。なんと言っても私がファンであったジェイミー・ミューア在籍時の音源で、涙もの。

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(Tracklist)
1. Larks’ Tongues in Aspic Part One 10:47
2. RF Announcement 1:09
3. Book of Saturday (Daily Games) 2:49
4. Improv I 14:49
5. Exiles 6:20
6. Easy Money 9:33
7. Improv II 17:28
8. The Talking Drum 5:49
9. Larks’ Tongues in Apsic Part Two (incomplete) 3:47

Smalljamie_muir  アルバム『Larks' Tongues In Aspic太陽と戦慄』の全曲収録。しかもその間にインプロが挟まれるという構成。それぞれの曲のスタイルはほぼ完成しいるが、なんと言ってもライヴであるだけに、それぞれのメンバーの試行錯誤と思い入れが入っていて、正直言ってアルバムよりインパクトがある。又不思議なことに何十年と彼らのライブ音源を追ってきたのであるが、当時のものがこのモノラルではあってもこの良音質で聴けるのは奇跡に近い。演奏も悪くない、とくにフリップのギターフレーズを振るっているし、なんと言ってもミューア(→)のパーカッションが十分堪能出来る。

 M1."Larks’ Tongues in Aspic Part One" 伝説的な映像版でも見てきたとおりのミューアはホイッスルを駆使してのパーカッション・プレイが重要で、クロスのウァイオリンもスリリングに、そしてフリップのギターもロックを超越していて・・・当時両者ここまでプログレッシブであったことに改めて脱帽。
 M3."Book of Saturday " はウェットンのヴォーカルが懐かしさを呼び起こす。当時のクリムゾンのスリルと荒々しさとこのロマンティックな歌の交錯による世界は類を見ないモノだった。
 M4."Improv I" これと M7."Improv II" がこのアルバムでは核である。これぞクリムゾンと唸らせる。彼らのインプロヴィゼーションの結晶。15分と17分のブラッフォードのドラムスとミューアのパーカッションが最も生き生きとする世界だ。なんとミューアのソロ・パートもあってアルバムでは聴けないライブものの最も楽しめるところ。今のクリムゾンにはこのミューアのパーカッションが無いのが物足りない一つだ。フリップのキターがどこか哀愁がある。
Robert_frippw  M5."Exiles" クロスのヴァイオリンとフリップ(→)のメロトロンの叙情性がクリムゾンのもう一つの私が愛した面である。
 M6."Easy Money" いつもどうりの盛り上がりを作るが、後半のインプロがいいですね、パーカッションがここでも有効。
 M8."The Talking Drum" ブラッフォードのドラムスは当然だが、クロスのヴァイオリンの盛り上がりも凄い。
   M9." Larks’ Tongues in Apsic Part Two (incomplete)" はおまけのように途中でストンと終わってしまうのが残念。

 こうして驚異の録音盤が時として現れるのはフリップの魔術なのか、何時も私なんかはそれにまんまとひっかかって興奮してしまう。こうして周期的にクリムゾン病が発症するのはなんと50年も続いているのである。
 それにつけても、ミューアをここで感じ取れたことは感動であったと同時に、このところの三人ドラムス・クリムゾンに現をぬかしていたわけだが、それにも増してこの50年近く前のがクリムゾンが如何に素晴らしかったかを再認識するのである。

(評価)
□ 曲・演奏  ★★★★★
□ 録音    ★★★★☆

(視聴)

 

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2018年11月 5日 (月)

キング・クリムゾンKing Crimson Live in Mexico「MELTDOWN」

8人バンド「ダブルカルテット・フォーメーション」でのパワーは圧巻
   ~2018ジャパン・ツアー記念盤~

<Progressive Rock>

King Crimson Live in Mexico「MELTDOWN」
WHD Entertainment / JPN / IEZP-122 / 2018

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Robert Fripp – Guitar
Jakko Jakszyk - Guitar, Vocals
Mel Collins - Saxes, Flute
Tony Levin - Basses, Stick, Backing Vocals
Pat Mastelotto - Acoustic And Electronic Percussion
Gavin Harrison - Acoustic And Electronic Percussion
Jeremy Stacey - Acoustic And Electronic Percussion, Keyboards
Bill Rieflin - Mellotron, Keyboards, Fairy Dusting

Cwhbowcueaayusmw 何回と終止符を打ったキング・クリムゾン、いつもロバート・フリップに騙されてきた我々は、多分気分転換だろうと、過去の経過から今回も見ていたのだが、案の定2014年ライブ活動を再開。同年6月に発表されたメンバー構成は、リーダーのフリップに、メル・コリンズ、トニー・レヴィン、ジャッコ・ジャクスジク、そして3人のドラマー、パット・マステロット、ギャヴィン・ハリソン、ビル・リーフリンという「トリプルドラム」編成の7人構成キング・クリムゾンで圧倒的パワーを見せつけた。そして同年9月9日よりアメリカにて17回公演のツアーを開始した。
 
 ついに日本にも2015年に12年ぶりに上陸、その高松サンポート公演が、2016年リリースの映像とオーディオ版の「ラディカルアクション~ライブインジャパン+モア」 としてお目見えした。
 しかし、2016年ビル・リーフリンが休養、代わりにジェレミー・ステイシーが加わる。彼はドラムスとキーボードを熟している。
 その後、2017年ビル・リーフリンが復帰、ステイシーはそのままで、なんと8人クリムゾン「ダブルカルテット・フォーメーション」となった。

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News01 この8人編成の2017年7月のメキシコ・シティ5公演を収めた映像・オーディオのブルーレイ・ディスクとメキシコ・シティ5公演で演奏された楽曲をCD3枚に収めたライブ・アルバムが、なんと立派な重量級パッケージで登場したのである(オマケにキング・クリムゾン・オリジナル・チケット・ホルダーが付いてきた→)。

 そしてこの延長上に「2018ジャパン・ツアー」が行われるが、その来日記念盤というニュアンスもある。(内容は↓クリック拡大)

List

 Blu-rayは”映像版”では、熱狂的ファンに迎えられた2017年北米ツアーのハイライトとして、ただでも加熱ぎみのメキシコ・シティ公演の熱気をそのまま収録。”オーディオ版”とともにサラウンド・サウンドで聴ける。クリムゾンはやはりこれだと、8人バンドの迫力を実感できる。今回はこれを観ると、エンジニアとしてアルバムを仕上げているビル・リーフリンは、ドラムスをステイシーに渡し、キーボードに専念している。

 また、メキシコ・シティ5公演マスターから制作されるライヴCDはフリップの総指揮の下とは言え、CD収録には、オーディエンスの騒音を如何にカットするか苦労したようだ。しかし『ラディカル・アクション』の音像をクリエートし好評であったデヴィッド・シングルトン以下ファミリー・チームが再度挑戦して仕上げている。

 とにかく、リアル・プログレッシヴ・ロック・バンドと言われるキング・クリムゾンが史上4度目となる決定的ラインナップを完成させたわけで、『ラディカル・アクション』以上にファンを唸らせるのである。

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 とにかく、中身は濃い。ジャッコ・ジャクスジクも、声の質にはもう一歩と言われてはいたが、もうこれで良いだろうとクリムゾン・ファンにも容認されて熱唱する。
 1960年代からのクリムゾンの歴史を辿る演奏曲目も、このバンドとしてのアレンジも加わって、十分納得して聴けるのである。フリップの言う”過去とは一線を画した演奏”は、なかなか強者の集まりで、お見事である。"Larks' Tongues In Aspicでは、ジェイミー・ミューアのパーカッションとまではゆかなくても、それなりの納得演奏。"特に"21st Century Shizoid Man"は、確実に一歩前進、昔の暴れ者メル・コリンズも紳士になっての奮戦、ギャビン・ハリソンのドラムスも感動もので、会場と一体になった演奏は楽しめる。何回観て聴いても飽きないクリムゾンだ。しかしやっぱり映像ものは説得力がある。

 今回の来日ライブを逃すと、おそらく50周年記念でのこの全開パワーには多分再びお目にかかれることはないだろうと思う状況にある。このアルバムと共にクリムゾを手中にしよう。

(評価)
□演奏    : ★★★★★
□録画・録音 : ★★★★★☆

(参考視聴) 

① 2015年 高松版 

② メキシコ版

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2016年9月 2日 (金)

キング・クリムゾンKing Crimon 「RADICAL ACTION (To Unseat The Hold of Monkey Mind)」

フリップの逆襲=ライブ総集編「ラディカル・アクション~ライブ・イン・ジャパン+モア」 ~ ライブはやっぱり映像版だ!
(CD3枚+BLu-ray1枚)

<Progressive Rock>

King Crimon「RADICAL ACTION (To Unseat The Hold of Monkey Mind)
WOWOW / JPN / IEZP108 / 2016

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Robert Fripp : Guitar & Keyboard
Jakko Jakszyk : Guitar, Voice & Flute
Tony Levin : Basses & Stick
Mel Collins : Saxes & Flute
Gavin Harrison : Drums
Bill Rieflin : Drums & Keyboards
Pat Mastelotte : Drums

Radicalaction2_2 しかしロバート・フリップも元気といえば元気ですね。もうミュージシャンとしての活動は止めたと言いながらも、ちゃっかりと「ア・キング・クリムゾン・プロジェクトA King Crimson ProjeKct」から発生した現行の「King Crimson 7人バンド」をもとに、世界にあしかけ3年(2014-2016)のライブを展開し又こんなアルバムをリリースして頑張っている。今回はオフィシャル・ジャパン・ライブものだ。

 (参照) 新キング・クリムゾンKing Crimson -その4-「2015ジャパン・ツアー」
             新キング・クリムゾンKing Crimson -その3-「Orpheumライブ・アルバム」
             新キング・クリムゾンKing?Crimsonの復活の謎

  やっぱりキング・クリムゾンというのは、ロックの歴史から無くなることのないピンク・フロイド同様ロックの一角として君臨し、商業ベースとしてはこの上ない美味しいところにあるんですね。それはフリップ自身の考えとは別に(フリップ自身もなかなかの策師だが)それ以上に独り歩きしているといっても良いのだろう。

Stage
 また、人間というものは、諸々に於いて”ここで手打ち”と思っても最終的にやっぱり止めれるものでないというのも習性というか?実状というか?、演ずるキング・クリムゾン、それを聴くファン、そこには”歴史的産物”とただ決めつけられないところの”現行の世界”を実感したいのであろう。

 まあそんな中で、何回か反省してもやっぱりクリムゾンとなると無視できない。また今回はライブ・アルバムであり、既に良質のブートで多く聴いてきたもの。しかしオフィシャルものとなれば・・・・、更にその上、映像物もあるとなると、その病気は再発してこうして手に入れてしまうのである。

3cd 2015年ツアーのシンボル・キャラクターのサイクロプス(一つ目の人物キャラ)をジャケに4枚組アルバムという迫力もの。

  さて、その中身は2015年ワールド・ツアーからの日本公演、特に高松公演(2015年12月15日)をベースに一部各地の公演録音から成り立っている。なんとCD3枚組で、それぞれテーマごとに纏められた全27曲(←)。私のようなオールド・リアルタイム・ファンにとっては、やっぱりDisc-2、3が楽しめます。

 まあこのツアーものは、オフィシャルに『Live at the Orpheum』(これは今となると意味の無いアルバムだ)、 『Live in Toronto』が既にリリースされているが、ようやく演奏も脂がのってきての、このジャパン・ツアーが究極のライブ・アルバムとなりそうだ。
 しかも音楽以外の全てのノイズを取り除いてのライブ演奏版。雑音なしで演奏を楽しめるところがミソ。それも2HD HQCD の高音質盤。

【Blu-ray映像版】
 いずれにせよ更にこれらの映像がBlu-ray版に納められている。それも嬉しいことにサウンドにも力が入っていて24bit/48kHzLPCM&DTS HD-MAサラウンド・サウンドで楽しめる。(このアルバムの注目点は映像にあると思うので、内容は末尾に記載、参照)

Fripp  映像はステージ全景をベースに、それぞれの曲の中心演奏者をアップしてダブらせるというタイプ。従ってライブ会場のように、見たいところを観るということが出来てなかなか良い。ところで久々ですね、ここまでフリップのギター演奏姿をアップでじっくり見れるというのも。しかし残念であるが、映像の質はBlu-rayとは言っても良くない。つまりDVD2枚分を収納したと言うだけの映像で、残念ながら一昔前のDVD映像だ。
 この「7人新クリムゾン」の楽しみは3人ドラムスというところにあったが、でも久々のMel Collinsも注目するところ。 彼の昔の暴れものぶりを知っている者とすれば、随分紳士になったなぁ~と思うのだが、サックス、フルートで昔のクリムゾンの音を思い出させる。特に”レターズ”、”船乗りの話”、”イージー・マネー”のあたりは少々涙ものである。
 そうそうJakko Jakszyk を忘れてはいけない、このバンドの第2の中心人物だ。ヴォーカルを全てこなしているのだが、若干線の細いところはまあ許すとするところ。それでもこの新クリムゾンでは貢献大。

Photo_2 フリップRobert Frippは「過去の再現バンド」でなく、これは「新しいクリムゾンを展開するバンド」だと強調していたが、それでもやっぱり懐かしの再現版である。ただ。”ラディカル・アクションⅠ”~”メルトダウン”~”ラディカル・アクションⅡ”とメドレー形式で演奏された新曲は、21世紀のクリムゾンが提唱する“ヌオヴォ・メタル”のイメージとして受け入れよう。
 とにかく重低音空間を生み出していた今回のバンドは、私とすれば、”The Hell Hounds of Krim /ザ・ヘルハウンド・オブ・クリム”、”Devil Dogs of Tessellation Row /デヴィル・ドッグス・オブ・テセレーション・ロウ”のような3人ドラムスの展開が結構面白かった。まあPat Mastelottoのドスン・バタン・ドラムスなんですけどね。
 Bill Rieflinがどういう位置なのかと思いきや、ドラムス・プレイもいいけど、キー・ボードで昔のメロトロンの音を再現して健闘している姿がよく見れる(今年2016年脱退)。

 映像版は、やっぱりそれぞれの演奏者の介入がどのように行われているかが解って、クリムゾンの場合は特に意味ありますね。

<Blu-ray-Tracklist>
Threshold Soundscape /スレッショルド・サウンドスケープ
Larks' Tongues in Aspic Part One /太陽と戦慄 パート1
Pictures of a City /冷たい街の情景
Peace /平和
Radical Action (to Unseat The Hold of Monkey Mind) I /ラディカル・アクション(トゥ・アンシート・ザ・ホールド・オブ・モンキー・マインド)I
Meltdown / メルトダウン
Radical Action II /ラディカル・アクションII
Level Five /レヴェル・ファイヴ
Epitaph /エピタフ~墓碑銘
The Hell Hounds of Krim /ザ・ヘルハウンド・オブ・クリム
The ConstruKction of Light /コンストラクション・オブ・ライト
Scarcity of Miracles /スケアシティ・オブ・ミラクルズ
Red /レッド
Backstage Adventures Of The Crimson Kind /バックステージ・アドヴェンチャー・オブ・ザ・クリムゾン・カインド
VROOOM /ヴルーム
Banshee Legs Bell Hassle /バンシー・レッグス・ベル・ハッスル
Easy Money /イージー・マネー
Interlude /間奏曲
The Letters /ザ・レターズ
Sailor's Tale /船乗りの話
The Light of Day /ザ・ライト・オブ・デイ
The Talking Drum /ザ・トーキング・ドラム
Larks' Tongues in Aspic Part Two /太陽と戦慄 パート2
Starless /スターレス
Devil Dogs of Tessellation Row /デヴィル・ドッグス・オブ・テセレーション・ロウ
The Court of the Crimson King /クリムゾン・キングの宮殿
21st Century Schizoid Man /21世紀のスキッツォイド・マン

Extras:
Suitable Grounds for the Blues /ブルースに適した環境
One More Red Nightmare /再び赤い悪夢

(視聴) (目下、Jakko Jakszykのヴォーカルもの以外ライブ映像なし)

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2016年4月24日 (日)

「サンタナⅣ」 VS 「King Crimson : Live in Tronto」

懐かしの60年代両雄の全く相反する復活劇

今日は雑談・・・・・・サンタナに軍配か?


「サンタナⅣ」 Santana 4 Records / S4007 / 2016

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 ニールショーンがカルロス・サンタナをくどいてサンタナⅠ、Ⅱ、Ⅲのメンバー5人が45年ぶりに勢揃いした。
 驚きは懐かしの曲群のオンパレードで”昔の名前で出ています”スタイルでなく、メンバー全員でのニュー・オリジナル曲での完全なニュー・アルバムを作り上げたことだ。

                    VS

「King Crimson :  Live in Tronto」 PANEGYRIC/DGM5013/2016

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新キング・クリムゾンは7人バンドとしてお目見えした。これはかってのメンバーのメル・コリンズもいるが、完全な新メンバーと言って良い構成で、サンタナとは逆に昔からのヒット曲を中心のライブ録音盤。メル・コリンズのサックスによって曲のニュー・バージョンと言う衣装替えは評価できる。

           サンタナ                キング・クリムゾン

 ①メンバー  オリジナル・メンバー      ←→   新メンバー(どちらかと言えば
②構成     7人構成(
現バンド2人協力)   ←→      7人構成
③構成特徴  ドラムス・パーカッション3人  ←→    ドラムス3人
         キーボード            ←→    サックス                   
④演奏・録音 スタジオ録音          ←→   ライブ録音
⑤録音の質  優                 ←→    良
⑥曲      ニュー・オリジナル曲(
共作)  ←→   過去のヒット曲(フリップまかせ
⑦曲内容   ラテン・ロック          ←→     プログレ、メタリック・ハード
⑧話題性   100                 ←→     100
⑨盤      CD , LP , Blu-specCD     ←→    CD , 2UHQCD
⑩来日公演  無                ←→     有
⑪意気込み 郷愁ではなく、情熱       ←→    フリップの逆襲
⑫ジャケ   Ⅰの発展系の迫力       ←→        単なるステージ・スナップ

 サンタナは、めくるめく怒涛のラテンロックワールドをエネルギッシュに新曲で展開している。45年の経過でも、当時の心意気が伝わってくる。既に”Anywhere You Want To Go”はヒットしている。私は”Fillmore East”が注目曲。
 キング・クリムゾンは3ドラムスのパワーとサックスによる色づけ変化を見せつけ、中身はファンにとっては涙ものの懐かしの曲のオンパレード・・・・と、言うところだが。ちょっと過去のファンにとってはJakkoのヴォーカルの線が少々細いか?。
 やっぱり勝負は新曲を作り上げたサンタナが優勢。
 それとオフィシャル・アルバムであるから、最高の音質を期待するわけだが、サンタナの優良音質は高評価。一方キング・クリムゾンはやはり一歩後退。しかも大阪もののブートSylph盤よりもそれぞれの楽器の鮮明さと低音部の迫力に一歩譲っている点も納得出来ない(ステレオの左右広がりという点ではSylphより勝っていた)まあ並の良録音レベル。

 こんなところだが、これからは現在の逆で、クリムゾンは"新曲によるニュー・アルバム"が出るかも知れない・・・むしろ出して欲しい、それによって逆転ありか?。サンタナは今年のこのメンバーによる"ライブ録音モノ"が出るかも知れない。それはライブでは”soul sacrifice”始め”black magic woman”など懐かしのヒット曲をも演じているので。
 いずれにしてもそれに加え両者には又ライブ映像モノも期待するところだ。

 余談ですが、まあしかしサンタナの元気には脱帽、この後更にニュー・セッション・バンドの企画有り。それは女房のドラマー・シンディ・ブラックマンの企画で、「Supernova」の結成、これにはギターのサンタナにウェン・ショーター、ハービー・ハンコック、ジョン・マクラフリンそしてもちろんシンディのドラムスという布陣。こちらのジャズ、フュージョン・サウンドも期待度大だ。

(試聴) SANTANA Ⅳ

                           *           *          *          *

(試聴) King Crimson

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2016年2月16日 (火)

新キング・クリムゾンKing Crimson-その4-           「2015ジャパン・ツアー」

USツアーに無かった”Epitaph”,”The Court of the Crimson King”,”Easy Money”も登場して、懐かしの1970年代オンパレードが嬉しい

<Progressive Rock>

King Crimson 
「THE ELEMENTS OF King Crimson TOUR IN JAPAN」
2015 OSK complete
Sylph Records / SY-1296 / 2015

Osk

LIVE AT FESTIVAL HALL OSAKA DECEMBER 12nd & 13rd 2015

Robert Fripp(g.), Jakko Jakszyk(v.g.), Tony Levin(b. st. v.), Mel Collins(sax.fl.), Gavin Harrison(d.p.), Pat Mastelotto(d.p.), Bill Rieflin(d.p.)

 さて、今年2016年になっても続いているあしかけ三年目になる”新キング・クリムゾンのツアー”であるが、昨年末の「THE ELEMENTS OF King Crimson TOUR IN JAPAN」からのブートで良好盤の紹介だ。それがこの大阪での12月の二日間の収録もの。

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 もう何回か書いているが、新クリムゾンを究めるには、ライブ収録オフィシャル盤『Live at Orpheum』があまりにも欲求不満盤であったこと、又The Elements Tour Box 2015』でも納得出来ない。そんなところブートによって堪能しようというわけなのだが。
 さて、このツアーの当初はUSから始まったわけだが、なんと言ってもまだ十分なるこの七人体制が熟していなかったためか、「THE ELEMENTS」と言っても’70年代の曲の取り上げも実のところ若干片手落ちだった。しかし1年後の日本ではそのあたりは克服されて以下に見るように充実度満点である。

Osklist

 特に”Epitaph”,”The Court of the Crimson King”,”Easy Money”などの登場で、”Larks' Toungues in Aspic”,”The Letters”,”Starless”,”The Talking Drum”,”21st Century Schizoid Man”などと共に、そのクリムゾンとしての「THE ELEMENTS」と銘打つ体制は整った。
 そして全編を通して聴いてみると、今回の七人構成では、ヴォーカルのジャクスジクのウェイトも大きく、リーフリンの芸達者も重要だったが、やっぱりメル・コリンズの加入が大きな効果を上げていることが解る。何年もの流れの中でその都度ポイントの配置はさすがフリップは上手である。又コリンズは日本国家の「君が代」の旋律を流すなどサービス精神も十分。

Newkc5 しかも”日本ライブ”はさすが日本だけあって収録技術も良く、このブート盤の音のクリアさは抜群で、ややメタリックな音の感もあるが、それぞれのパートの音がしっかりと聴き取れる。その点はオフィシャル盤にもひけを取らない。

 いやはや、昔クリムゾンのブートを大枚はたいて手に入れた頃が懐かしいが、ここまで近年は音が良好だと昔が恨めしく思うところである。

 後はやはり何台かのカメラで捕らえたオフィシャル並の映像と良好サウンドのDVDが欲しいところだが・・・・、目下そのようなハイレベルものはまだ手に入っていない。いずれはその出現もあろうというところで、この新クリムゾンを楽しんでいる訳である。

(参考)The Team In Tokyo

 

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2016年2月10日 (水)

新キング・クリムゾンKing Crimson-その3-「Orpheumライブ・アルバム」の不満は何か

 ブートの充実度を聴くと・・・空しいフリップ・オフィシャル盤戦略

 新キング・クリムゾンのオフィシャル・ライブ・アルバム『Live at the Orpheum』は、じっと買うのを控えていた話は先日したが、それでも結局手にしてしまう哀しさと、そして結局予想通り落胆してしまったその内容について誤解があるようなので、その至る所の所以につて、少々言及する次第。
 それには、ここで紹介するようなブートではあるが、次のようなアルバム等を聴いて比較してしまうからである。(”等”と言うのは、この1年後のジャパン・ライブものも比較対象として聴いてますので、それは又次回に)

<Progressive Rock>
 KING CRIMSON 「TWO FROM THE EGG~TWO SHOWS AT THE EGG IN NEW YORK 2014
      THE ELEMENTS / TECD-140909B/140910AB / 2014
   Live at The EGG,Albany.NY Sept.9th & 10th 2014

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 この七人編成の新キング・クリムゾンは2014年秋にはUSライブを始めたのだったが、このブート盤は来日より一年前のニュー・ヨークの9月9,10日両日のEGGのステージの模様を全てをCD4枚組で納めている。

Egglist1_2 左のリストを見ると解るように、なんと言っても所謂我々が愛した1970年代の「King Crimson」かと思わせるセット・リストで圧倒される(勿論、その他2000年の”The ConstruKction Light”も復活させているが、更におまけがちょっと余分だとは思うが、あの2011年のA King Crimson ProjeKctからも2曲)。そしてこれは1年後の2015年9月の”ジャパン・ライブ”もほぼ同様内容であった。

 これをフリップに言わせると”リニューアルを施した新曲=何時作った曲であれ、どれも新曲だ(All the music is new, whenever it was written.)”と言うことなのである。
 まぁフリップりことだから、まさに「天動説」そのもので、それぞれ演ずる者の変化と、楽器構成の違いがあるのだから、そりゃ同じではないのは解るが、一番言いたかったのは、おそらく”演ずる心が当時と全く異なっている”という事なんだろうと思う。従って曲の変化の付け方には、”進歩”と言ったら言い過ぎだろうから”編曲”と言っておくが、それがあることは事実だ。主としてメル・コリンズの活躍と、ジャコのヴォーカルの変化、そして注目を浴びた三人ドラムスでの展開であろう。

Egglist2 とくに”Larks Tongues In Aspic”はパーカッションの面白さを復活しての演奏は確かに味わいがあるし、”21st Century Schizoid Man”も、メル・コリンズのサックスが騒いで全体で重くのしかかってくる変化をし、ドラムスが快調なテンポを演じ、全体のメリハリも効いているところは面白い。
  又”The Letters”は、ジャコが結構熱唱している。”Starless”は完成度が高い。さすがに”The Court of The Crimson King”はやってませんね。一方”Red”なんかは、ドスンバタンものに変身でちょっと味が後退して頂けない。”Vroom”あたりはこのバンドに向いているかも知れない。

(参考までに、この二日間のライブ録音は、きちんとしたサウンド・ボードものではないが、特に二日目の録音はブートとしては良好も程度は高く出色です)

Newkc2 さて、ところが問題のオフィシャル盤『Live at the Orpheum』には、こんなところを盛り込まずに、たったの40分のさわりだけに終始したアルバム造りが面白くないんですね。つまり私からみれば、新キング・クリムゾンの面白さが盛り込んでいないというところが不満なんです。その辺りは当然フリップは解っているのだろうからちょっと始末に於けない。

 ・・・・と、言ったところでこのオーディエンス録音のブート盤クリムゾン・ライブの方がよっぽどクリムゾンらしいのです。ちょっとオフィシャル「Orpheum」は、さわりだけでひどすぎたという話なんですね。

 まあ、”フリップ・マジック”と言うのもあるので、この後又大枚はたけば、ほんとのところを聴かせてくれる盤を高値でリリースしてくるのかも知れないが、ちょっとね、ファンをもう少し大事にすると同時に、オフィシャルならそれらしく一枚に精魂詰め込んで世に問うて欲しいというのが偽らざる私の気持ちであったという・・・・・話であります。

 クリムゾンとなると、ブートがどうしても話題になってしまう。今回のオフィシャル・ライブ盤のような出し方だと、フリップの思惑と違って、更にブートが元気を出してしまうと言うことにならないか?。

(視聴) ”The talking drum”

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2016年2月 3日 (水)

新キング・クリムゾンKing Crimsonの復活の謎~ロバート・フリップの逆襲?

2011年のロバート・フリップ引退は何だったのか?
  ・・・・・・・・そして逆襲が始まった。

 2014年「新キング・クリムゾン」誕生し、2015年ニュー・アルバム『Live At The Orpheum』リリース。
(参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/king-crimson.html
 
 こうなれば・・・・・・・1980年から、これまでの流れを分析せざるを得ない。

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 あの1970年代の『レッドRed』(1974)で終焉を迎えたキング・クリムゾンであったが、その後の歴史は「再結成」、「メンバー・チェンジ」、「解散」そして「プロジェクト」、「セッション」と、めまぐるしい変化の中で流れてきた・・・・・・・・・

<(Pogressive Rock)新キング・クリムゾン誕生までの流れ>

 1980年代再々結成(第4期)~ディシプリンの流れから

71jjms8jvql__sl1067b 再々結成その中身はロバート・フリップの一種独特の音楽精神と言って良いのか、喝采を浴びた過去を否定とまではゆかなくとも、それを欲しがるファンの前で、それを見せずに新たな音楽開拓のつまり”過去に生きるので無く、現実から未来に求める姿”を強調して、それを演じてきた(シンフォニック、ドラマティックな曲作りのウェットンは否定された)。
 そしてその流れの中には”70年代の郷愁のファン”をあざ笑うが如く、ビル・ブラッフォード、エイドリアン・ブリューを中心にバンド「ディシプリン」結成。その流れが結局はキング・クリムゾン再々結成となり、アルバム『Discipline』(1981)からスタートして、スリリングなリズム・アプローチを展開し、メロトロンの哀愁・郷愁的サウンドから敢えて脱皮して、ダブル・ギター、スティックの絡みからなるインダストリアル・テクノ的響きで乾いたメタリック音を展開した。これをお呼びのかからなかったウェットンは、ブリューのいるキング・クリムゾンを頭から否定した。そんな流れであったが、この集合体も結局は解散の憂き目となる。
 1993年の「シルビアン&フリップ」プロジェクトは、内省的であるがハイセンスなライブを展開した。

 再々々結成(タブル・トリオ第5期(1994~1996)へ) 

Thrakb 1993年、フリップはDGM(ディシプリン・グローバル・モービル)結成し、クリムゾンの再編を企てる。そして94年、ギター、ベース、ドラムスが二人づつのダブル・トリオと言われた構成でキング・クリムゾン再々々結成となり、六人メンバーを操って、更にテクノ・サウンドを推し進めながらも、ブリューのメロウなアプローチを織り交ぜて『VROOM』『THRAK』(1995)を発表した。
 とにかくフリップ流のバンドは演奏の度に、その緊迫度を上げてメンバーも行き着くところに行って終焉を迎えざるを得ないこととなる。

 混沌からヌーヴォ・メタル誕生(プロジェクト期(1997~1999)~第6期(1999~2003)へ)

71rsnisvl__sl1114b その後ダブル・トリオの難しさから、所謂プロジェクト・シリーズの展開、メンバーの交流に混沌とした編成が行われた。そしてブラッフォード、レヴィンの脱退となる。そして作られたアルバム『The ConnstruKction Of Light』(2000)では、フリップ、ブリュー、ガン、マステロットの四人によるメロディヤスな部分は完全に姿を消して重い複雑な曲構成と重圧感を展開して見せた。その後アルバム『The Power To Believe』(2003)と流れてきたが、ここでもシリアスにして重いアルバムとなった。そしてガンの脱退後、活動停止となった。

 「新キング・クリムゾン」計画頓挫(2008)

 2007年になって、フリップは新しいキング・クリムゾンの展開を企てた。それはフリップ、ブリュー、レヴィン、マステロットにギャビン・ハリソンが加わっての五人バンドとしてスタートさせたのだった。しかし2008年になって、フリップのいないブリューが中心の「キング・クリムゾン・プロジェクトKing Crimson Project」がスタートし、キング・クリムゾンは活動不可に陥り、更にブリュー中心の「ザ・クリムゾン・プロジェクトThe Crimson Progect」もスタートしてフリップの新生キング・クリムゾンは頓挫してしまった。

 フリップの回顧期(2009)

 頓挫の結果か、フリップはそれまでに観られなかった”過去に振り返る活動”に没頭するようになった(この姿はそれまでのフリップからみると、信じられない姿だ)。その結果は、スティーブン・ウィルソンとジャッコ・ジャスクスジクに、過去のクリムゾン作品のマルチ・チャンネル化というリミックス作業を依頼し 「40周年記念盤」の登場をみる結果となった。

 セッション活動(2010)~引退劇(2011)

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 ここで接点のあったジャッコ・ジャスクスジクとのレコーディング・セッション「ア・キング・クリムゾン・プロジェクトA King Crimson ProjeKct」を立ち上げ、アルバム『Scarcity of Miracles』を発表。このプロジェクトの命名はブリューらの我が儘勝手なプロジェクトに相対する意味を持って作られたと推測される。それはその後のフリップの活動で明らかになるのだが、しかし2011年にはフリップは音楽業界から不可思議な引退宣言。

 逆襲~「新キング・クリムゾン」誕生(2014)
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 フリップらしく引退宣言後3年にして再活動。
 メンバーはフリップの逆襲劇そのもので、新クリムゾン計画の頓挫の原因のエイドリアン・ブリューを除外して、あのセッション・グループ「ア・キング・クリムゾン・プロジェクト」の三人(ジャッコ・ジャスクスジク、ロバート・フリップ、メル・コリンズ)を中心に、お馴染みトニー・レビン、パット・マステロットそしてビル・リーフリン(ドラマーであり、キーボードも演ずる)、ギャビン・ハリスン(元ポーキュパイン・トゥリーのドラマー)の七人構成トリプル・ドラムスの新キング・クリムゾンの誕生になった。
 
 そして2015年ライブ・アルバム『Live At The Orpheum』リリース。
 
 さて、逆襲の新キング・クリムゾン、新スタジオ・オリジナル・アルバム誕生なるか??

(参考視聴) 新King Crimson ライブ 

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2016年1月31日 (日)

新キング・クリムゾンKing Crimsonのライブ盤「Live at the Orpheum」

クリムゾンと来れば、又もや哀しき習性が・・・・

     <Progressive Rock>
           KING CRIMSON 「Live at the Orpheum」
           Panegyric / DGMSP2 / 2015 (CD + DVD-Audio)
            Live at The Orpheum Theatre LA, CA  Sep.30 & Oct.1, 2014

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 今回は騙されないぞと、購入せずにじっと我慢を続けていたが、結局のところキング・クリムゾンとなると哀しき習性といったところか、ロバート・フリップの術中にはまって、このアルバムもちょっと廉価になったので、遅まきながら手に入れたという結末。
 2014年に行われたキング・クリムゾンのUSツアーから、9月30日と10月1日LAのOrpheum Theatreで行われた2公演の、スタンダード16/44.1ステレオ音源を収録したCDと24/96ハイレゾ音源を収録したDVD-Audioのセット(しかしそれほど驚きの好録音というわけでは無い。まあ並)。

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 聴くには聴いてきたエイドリアン・ブリュー時代のクリムゾン、どこかあのヴォーカルがひっかかってしまったのだが・・・・。
 この新キング・クリムゾンには、なんとあのコピー・バンド(?)とも言える「21st Century Schizoid Band」が、ご本家を乗っ取りかと言いたくなる懐かしのメル・コリンズ(Sax,Fl.)が復帰、それもジャッコ・ジャコスジク(vo, g)と共に。そしてトニー・レヴィン(b, stick)は順当なところだが、驚きはパット・マステロット(dr)、ギャヴィン・ハリソン(dr)、ビル・リーフリン(dr)と三人ドラムス。そしてロバート・フリップ(g)ご本尊での7人編成である。

Orpheumlist_2 そうは言っても、2014年6月からリハーサルを開始し、完全主義者のフリップ様の取り敢えずの納得のもと、9月9日から10月6日にかけて全19公演のアメリカツアーを行った。このアルバムはその15公演目と16公演目のロサンゼルス公演を収録したものである。
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 中身は実質6曲みたいなもんだが、3ドラムスが効いてドスン、バタンは迫力がある。しかしジャッコ・ジャコスジクのヴォーカルは、とにかく過去にオフィシャル以外に山ほど積み上がったブートで鍛えられた耳には、やっぱりそれほど馴染んで来ないですね。むしろ新曲ならそれなりに聴けそうだとも思う。

News_photo02  まあメル・コリンズのサックスで色づけした感はあるが、全体的に大人になったクリムゾンと言った感じで、カリッとした危機感が薄れ、ちょっと間延びのクリムゾンと言っておく。
  それでもいいやと言いながら、何か面白い刺激でもあるのかと聴くのだが、フリップ翁だけあって、曲の盛り上げはやはり旨いが、それ以上はやっぱりちょっと無理な注文と言ったところだった。

 又新曲で無く、過去の遺産をリニューアルしての新曲と言ってライブ演奏を繰り広げて来たのだが、このアルバムは、又もやフリップ商売術か?と疑問を抱く内容だ。いまやCDと言っても70分は収録可能だが、なんと40分・・・・これは何故の結果だろうか、不満ですね。日本公演でも一晩に20曲弱は演奏しているのだから、この当時だって音源はあるはず、こりゃー、ブート対策で取り敢えずは穴埋めしたのと、ライブ寄せのデモ盤なんじゃないだろうか。

 またまた今回も肩すかしのアルバム、この後せっかくのメンバーなんだからパワーを見せつける新曲をどっさり収録しての入魂のニュー・アルバムをリリースしてくれなければ・・・と、怒りながら期待してしまう哀しき私なのであった。

(参考視聴)

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2012年12月29日 (土)

2012年ROCK界の回顧~私的偏見的~フロイド、クリムゾンなど

ROCK回顧は、どうも・・・・新鮮みに欠けてしまった

 既にもう今年は終わろうとしている。いろいろと今年のROCKアルバムなど回顧してみても、どうもあまり記憶に残る新鮮な大事はなかった年のようだ。それは私自身の歳のせいで感受性が低下しているのか?(・・・・それもたぶんあるのかも知れないが)。いずれにしても今年の良く聴いたアルバムを少々取り上げてみる。

 昨年末のナイトウィッシュ(NIGHTWISH)のニュー・アルバム「IMAGINAERUM」 、そしてスティーブ・ハケット(Stve Hackett)の「幻影の彼方 Beyond Thre Shrouded Horizon」のアルバムを聴いていたことから始まったように思う。全く性格は異なるとは言え、それぞれ持ち味を出してのなかなか良いアルバムだった。

サンタナ SANTANA

Santana_2  まずはサンタナのライブ映像アルバムが登場した。「GREATEST HITS-SANTANA ~ Live at Montreux 2011」
 老骨と言っては申し訳ない(ちょっと皮肉を言いたくなる)サンタナが、なんと新婚生活からの贈り物。ドラマーのシンディ・ブラックマン・サンタナとの結婚後の2011年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルにおけるサンタナ・バンドのご機嫌な演奏。ブルー・レイ、DTSサウンドと中身も濃く、久々に”Black Magic Woman / Gypsy Queen”を楽しませてもらった。
 そして春になったら、以外にも久々の彼のバンドによるインストゥメンタル・アルバム「SHAPE SHIFTER」が登場。私からみると、このアルバムは過去の情熱のラテン・ロックのイメージは少なく、又ジャズに傾いたものでもなく、かっての宗教の世界でもなく、中庸を得た彼の”人生の賛歌”に聴けるアルバムだった。

ピンク・フロイド PINK FLOYD

Thewallbox_2  昨年からのピンク・フロイドの”IMMERSION BOX SET”シリーズの完結版「THE WALL」の登場。CD6枚、DVD1枚の7枚組。1980年のアルバム「THE WALL」の5.1サラウンドのリ・マスター版と、ロジャー・ウォーターズのオリジナル・デモがたっぷり収録。又1980年アールズ・コートのライブ映像”The happiest days of our lives”がお目見えした。これによって「THE WALL」の良好映像がやはり存在する事が確実視された。目下ロジャー・ウォーテーズは”ザ・ウォール・ライブ”を3年続けている。そして2013年は再びヨーロッパ・ツアーに入る。なんと4年にまたがるロング・ラン・ライブとなることで世界を”THE WALL”に巻き込んでいる。まあ彼の人生を核に描いた作品であり、そして時代の警告のアルバムでもあり、今日に於いても色あせないテーマを持っていることでロング・ランはあのショーとしてのスケールの大きさからも当然なんであろう。これは一つのロックの歴史でもある。

ジョス・ストーン JOSS STONE

Soulsession2  今年の彼女のニュー・アルバムは「THE SOUL SESSION VOL2」今年の回顧では、どうしてもプログレ系に私はなってしまうが、彼女だけが別枠。なにせアデル旋風の中での奮戦だ。前作「LP1」(2011年)が快作であったこと、そしてこれは彼女の10年前の17歳のデビュー・アルバムの「VOL2」ということで注目した。ソウル系の1960-70年の曲を、彼女のオリジナル歌詞によって蘇らせたものだ。前作同様の彼女のソウルフルな熱唱は聴きどころ。そしてソウルと言えどもロック色の強いアルバムであることは言うまでもない。ジャニス・ジョプリンを尊敬しているという彼女の意気込みはかなりのもので、結構面白いアルバムに仕上がっていた。

マリリオン MARILLION

Marrion  久々のマリリオンのニュー・スタジオ・アルバム「SOUNDS THAT CAN'T BE MADE」の登場。しかも近年のアコースティック・タイプでなく、原点回帰というかあの名作「Brave」(1994年)にも想いを馳せるアルバムをリリースしてくれた。もちろんスティーブ・ホガースの色は濃いが、それでもそれぞれのメンバーの気合いも感じた。スティーブ・ロザリーも水を得たようにギターをフル回転してくれて、久々にマリリオンを感ずることが出来た。いやはやブリティッシュ・プログレも健在なり。

キング・クリムゾン KING CRIMSON

Larks40cddvd_3  さてさて、またしてフリップ翁の魔術にかかってしまった今年である。なんとあの「太陽と戦慄 Larks' Tongues in Aspic」の5.1サラウンドによるリ・マスター盤を中心に、ライブ音源、映像の公開だった。しかし恐るべきクリムゾン!、サラウンド盤となってまさにその真価を発揮。特に”Larks' Tongues in Aspic”の曲の出來の深さに圧倒されるのだ。そしてとくにあの Jamie Muir の姿を再び手近に感じられたことは、私にとって嬉しいことであった。更にここに来て”Exiles”、”Easy Money”などが、サラウンドで聴けるとは想像もしなかった。こうして聴いてみると、やはりプログレの雄はキング・クリムゾン。

■その他(私にとっては今年初めての出会いでインパクトのあったもの)

(1)アイオナ IONA
Anotherrealm_2    ロックをベースにケルト音楽を作り上げるバンド。今年始めてアルバム「Another Realm」を知って感動ものだった。もちろん一種のプログレとも言える世界であり、又女性リード・ヴォーカル(Joanne Hogg)によってそのイメージは美しく聖なる世界も仕上げてくれる。しかもロックのダイナミックな流れは決して失っていいところがミソ。キー・ボード、ギター(Dave Bainbridge)はもちろんだが、イリアン・パイプスの音色とのシンフォニックに流れる世界はインスト曲もありお見事というところ。

(2)NOSOUND
Sol29_2     こんなバンドも現存していることは嬉しくなった。しかもイタリアというから恐ろしくなる。なにせ昔のイタリアン・プログレに痺れた過去を持つ私であるが故に尚更である。しかしかってのイタリアン・プログレとは全くといって異なる。極めてイギリス的、彼等の曲作りは確かに一時のピンク・フロイドを思わせるところがあって、特に注目してしまった。
  私が聴いたのは彼らの1st「sil29」(Kscope1590/2010)、そして2nd「lightdark」(Kscope108/2008)という2枚のアルバム。キー・ボードの作る空間にギター、ドラムスを筆頭に各種楽器の色づけは音としては厚みがあり迫るところがある。ロックでありながらアンビエントな空間もみせる。曲一つ一つの出來が良いだけに、アルバムとしてはハードなややテンポの早い曲を織り交ぜメリハリを付けたら更に凄いのだが。今後の活動については私には知識が無いが、続けて接してゆきたいバンドの筆頭に入ることは違いない。

 2012年も、社会的には多くの問題を抱え、しかも全く解決の道も開かずに終わろうとしている。来年はどんな年になるのやら・・・・結構不安が感じられる今年の終わりであるが、とにもかくにも何か明るい光を感じられる年になって欲しいと願うばかりだ。

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2012年11月28日 (水)

感動の40周年記念盤:キング・クリムゾンKing Crimson「太陽と戦慄」

またしてもフリップ翁の術中にはまって・・・・・・サラウンド・リミックスはお見事

 恐ろしやキング・クリムゾン!、アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」、「レッド」と40周年記念盤にたっぷりとお世話になって、そして喜んだり、反省したりしてきたが、やっぱりその流れは止められず、ここに来て「Lark's Tongues In Aspic太陽と戦慄」に又々、ロバート・フリップの術中にはまって、40周年記念盤に現(うつつ)を抜かしているのです。

KING CRIMSON 「LARKS' TONGUES IN ASPIC」
(K2HD  HQCD  DVDAudio)
WHD Entertaiment  IEZP-38  ,   2012

Larks40cddvd_3

 私としても、何回と買わされるアルバム「太陽と戦慄」であるが、今回の目玉は・・・・
① K2HD Mastering HQCD の2012年度版ステレオ・ミックス
② 2012年 DTS 5.1 Digital Surround Mix
③ オルタネート・ミックス
④ ライブ映像もの

    ・・・・・・この3点であろう。
 とにかく一方今回は、CD、DVD、BDの15枚のボックス・セットもお目見えである。これは別に入手したいと思っているが、かってはブート漬けで明けても暮れてもキング・クリムゾンに振り回された私としては、ライブものも多くに接してきたので、今回はそこはちょっと別の手段に委ねて、取り敢えずのその中の注目4点を網羅したこの記念版に手を付けたわけだ。

Larkslp 左は、かっての私の持っている1973年のLP。この頃は絶頂期でしたね。
 キング・クリムゾンは、ビートルズを蹴落としての1969年の「クリムゾン・キングの宮殿」以来、試行錯誤を続けメンバーの出入りもあるも、4thアルバム「Ilandアイランド」をリリースした2期はスタジオ盤はそれに終わる。
 そして新メンバーとなっての第3期としてリリースされたのが、この1973年の「太陽と戦慄」だ。
 私は、このように大切に保存しているのであるが、その後CD時代となり、CD盤の購入。そして更にリマスター盤の登場など関わり合いは続いていた。
 
Larks30_2  そして極めつけは”30周年記念24ビット・リマスター盤”だった(左)。何度か買わされてきた訳だが、確かにサウンドの改良はみられたし、こんなところで一段落かとも思っていたが、なんとなんと、ここに来てピンク・フロイドと同様に、2012年ステレオ・リミックス、5.1サラウンド・リミックスを施しての登場で、またまた飛びつかざるを得なかったのである。

 もちろん、クリムゾンのあのデビュー・アルバム「宮殿」は、当時なかなか手に入らなかったし、そして手にして聴いた曲群には圧倒されたわけであるが、・・・・やっぱりその後の再度の大きな衝撃はこの「戦慄」であった。

Larksmembers  この3期は、左のようなロバート・フリップによって、ビル・ブラフォード、ジョン・ウェットン、デヴィット・クロス、ジェイミー・ミューアが集められ(作詞にリチャード・パーマー・ジェイムスもいる)この衝撃的アルバムがリリ-スされたわけだ。
 とにかくロック・ミュージックにあってインプロヴィゼイションというものに挑戦したこのメンバーの技量は優れものだった。
 アグレッシブとも言えるギターに、ミューアのパーカッションの音の瞬間というものへの挑戦、クロスのヴァイオリンの危機感と美の表現など、かってロック界ではあり得なかった世界の構築をした。

 確かに、クリムゾンにとっては歴史的アルバムであるが、ここに来ての5.1サラウンド・ミックスは、このアルバムには非常に効果満点のリミックスだ。これだけの繊細にして大胆な音が凝縮していたのかと、あらためてサラウンド音により感じ取れるのである。特に残響の強調でなく、各楽器を前方後方左右にうまく分離したための効果だ。
 
  もう一つ嬉しいのは映像物として、ビートクラブのLD盤でもっている映像の他に、インプロヴィゼーションの”the rich tapestry of life””Exiles”そして”Lark's tongues in aspic”が良い映像で見れることだ。私が当時も注目していたフリー・ジャズ的センスを持って、このバンドに貢献したミューアの各種パーカッション・プレイが堪能できるところが嬉しい。それもオルタネート・ミックスにても各曲の原点が垣間見れるが、特にやはりミューアのソロ・パーカッションによる”Easy money”が面白い。

 いやはや、40年経っても未だに感動できるアルバムであることは恐ろしいことである。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=tCed47HdRu8

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(ポーランド・クラクフにて  2012.10)

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