サンタナ SANTANA 「BLESSINGS AND MIRACLES 」
ラテン・ロックからヘビ・メタ、更にジャズまで・・・サンタナ節の炸裂
<Latin Rock>
SANTANA 「BLESSINGS AND MIRACLES 」
BMG/ADA / GERM / 538714542 / 2021
SANTANA
carlos santana : guitar
david k. mathews : keyboards
benny rietveld : bass
cindy blackman santana : drums
Karl Perazzo: percussion
Tommy Anthony: Guitar
Chris Schwegler: Bass
salvador santana : keyboards
paoli majias , ray greene, andy vargas etc.
1969年の衝撃アルバム『SANTANA』からスタートして50年以上の経過のあるこのカルロス・サンタナの率いるSANTANAは、まだまだ健在とニュー・アルバムの登場。
再起の再起と繰り返しての経過の中で、1999年に発表したアルバム『Supernatural』は、バンドにとって初期サンタナ以来の全米1位獲得を果たし、グラミー賞史上最多の9部門を受賞した大ヒット作。このアルバムで試みた多くのアーティストを呼び込んでのスタイルを、今作でも展開している。
カルロスのギターは、もう何年も変わることも無く進歩とか新しさなんてものは無いのだが、こうしてアルバムがリリースされる度に又聴いてみたいと思わせるところはさすがである。多くのアーティストとコラボして、ロック、ラテン、ブルース、ジャズ更に近年のアフリカ音楽というサンタナ世界に、カントリー、レゲエ、ゴスペルなど、あれやこれやが入り交じっての刺激的熱さと、ちょっとしたムーディな世界までも聴かせてくれるのだ。彼のギターが例の如くのチョーキング多用での弾きまくりは、異様に盛り上がって、これも一種の音楽の楽しみでもある。
(Tracklist)
01. Ghost of Future Pull / New Light
02. Santana Celebration
03. Rumbalero - Santana & Salvador Santana & Asdru Sierra
04. Joy - Santana & Chris Stapleton
05. Move - Santana & RobThomas & American Authors
06. Whiter Shade Of Pale –feat.SteveWinwood
07. Break –feat. Ally Brooke
08. She's Fire - Diane Warren & G-Eazy & Santana
09. Peace Power –feat. Corey Glover
10. America For Sale - feat. Kirk Hammett & Marc Osegueda
11. Breath ing Underwater - Santana & Stella Santana & Avi Snow & MVCA
12. Mother Yes
13. Song For Cindy
14. AngelChoir/All Together - feat.ChickCorea&GayleMoranCorea
15. Ghost Of Future Pull II
ここで、先ずはこのスタイルでのメガ・ヒットのロブ・トーマス(上左)の登場のM05."Move"、いやはや相変わらずのラテン調とポップさとミックスのロック・ナンバーはやっぱり楽しい。
そして何故か、昔に惚れ込んだプロコム・ハレムのM6."Whiter Shade Of Pale 青い影"の登場には驚いた。それもスティーヴ・ウィンウッドが歌い、ラテン・パーカッションのリズムにカルロスのギターが演ずるという思いもしなかった曲の登場。このあたりが旨いんだなぁーー。
オープニングのM01が、極めて短く何か異様で、突然旧来のサンタナ節のM02."Santana Celebration"が女房のシンディのドラムスで、カルロスのギターが泣きまくり、パーカッション群とオルガンが凶暴な乱打で迫る。
ところがM07."Break"では、28歳の若き女性アリー・ブルック(上中央)の歌うしっとりバラードもアルバム中盤に聴かせるところもヒット作の条件を備えている。
M08."She's Fire"コリー・グロヴァーはよく知らないが、これもソウフルで聴き応えたっぷり。
驚きはM10."America For Sale "だ。ええ!メタリカのギタリストKirk HammettとCarlosがギターか、そしてMark Oseguedaが歌うはヘビメタ・ヴォーカルだ。サンタナではまさに異色のかっこよさ。
続くM11." Breath ing Underwater"は、カルロスの娘のステラ・サンタナ(上右)のヴォーカル、結構聴けるじゃないか。そうそう、息子のサルヴァトール・サンタナのキーボードもM03" Rumbalero"に登場している。
もう一つ驚きはM14." AngelChoir/All Together"の亡くなったチック・コリアとその妻ゲイル・モランとの共演共作が収録されている。
カルロス・サンタナがアルバム『Supernatural』で開拓した彼のギターのオールマイティーの技を、このアルバムでも三度生かしている。ラテン・ロックに止まらず、ロックの多様性に挑戦しつつも自己のミュージックに生かしているところは、それなりに彼の達観した一つの世界なのであろう。
こんな楽しさや、お祭り騒ぎも、その道ポピュラー・ミュージックの一つの世界として歓迎しておこう。
(評価)
□ 曲・演奏・歌 90/100
□ 録音 88/100
(視聴)
"Move"
*
"A Whiter Shade Of Pale"
*
"She's Fire "
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