サンタナのニュー・アルバム SANTANA「AFRICA SPEAKS」
久しぶりの新作はアフリカン・ビート、そしてフュージョンの復活
<Latin Rock, Fusion>
SANTANA 「AFRICA SPEAKS」
ConcordRecords / IMPORT / 00888072100541 / 2019
Santana Bands
Buika (vocals)
Laura Mvula (vocals)
サンタナの流れは我々にとっては人生の歴史の一幕であった為、なんといっても注目してしまう。そして原点回帰の「SANTANA Ⅳ」(2016)以来の3年ぶりのサンタナのニュー・アルバム。一時は「Super Natural」(1999)以来、多くのミュージシャンの共演をネタにしてのアルバム作りであったが、前作からサンタナCarlos Santana流を前面に出してきた。そしてそれからがバンド・サンタナが如何様に展開してゆくかは実は興味のあるところでもあった。そんな中で、ここに登場は、なんとアフリカン・ミュージックにインスパイアされたと思われるの作品の登場をみたのだ。
そして共演リード・ヴォーカリストにスペイン・マヨルカ島出身の女性シンガーのブイカBuika(→)が選ばれた。彼女はアメリカ公共放送局NPR"The Voice of Freedom"(自由の声)と表され世界的にも認められる存在。
とにかく全編サンタナの懐かしのギターが炸裂する。しかしそこには更なるサンタナの姿の再確認も出来ることとなった。
(Tracklist)
1. Africa Speaks
2. Batonga
3. Oye este Mi Canto
4. Yo Me Lo Merezco
5. Blue Skies
6. Paraisos Quemados
7. Breaking Down The Door
8. Los Invisibles
9. Luna Hechicera
10. Bembele
11. Candombe Cumbele
冒頭M1."Africa Speaks"は、ボンゴ、コンガの音から出発して、サンタナの語り、ギターの語りと泣き、ブイカの歌、そしてなるほど今回のアルバムはかっての「不死蝶」の頃のフュージョン・スタイルの復活を思わせる音が聴こえてくる。 これはある意味で私は歓迎なのだ。
バンド構成は、ドラムスはサンタナの女房Cidy Brackman Santana(→)が務めていて、例の総勢8人のバンド。
もともとサンタナは、ロック、ラテン、ジャズ・ブルースのミックス・ミュージックだ。中でも「キャラバンサライ」(1972), 「ウェルカム」(1973), 「不死蝶」(1974)の頃はフュージン・バンドとしての印象の強いときがあった。私は当時は一種のプログレッシブ・ロックでもあると言っていたものです。
M5."Blue Skies" は、サンタナのギターから流れ、女性ヴォーカルにカリビアン・ルーツのLaura Mvulaも加わって、完全にサンタナ・フュージョン・ミュージックの復活。これはロックというよりはジャズの世界と言ってもいい。このアルバムでは最長の9分を超える曲で私は最もこのアルバムではお気に入り。後半に流れるサンタナの静かなギターも聴きところ。やっぱりカルロス・サンタナ自身には、あの45年前の頃の音楽世界がしっかり残っていることが確信できて、今回は嬉しさを隠せなかった。
M6."Paraisos Quemados"もアフリカン・ミュージックというよりは、サンタナ・フュージョン世界。ここでもサンタナの泣きギターがいいですね。
このアルバムは、勿論主題のアフリカン・ミュージックのリズムカルにしてパワーフルな曲による世界がしっかり描かれているのだが、私の好みのサンタナのフュージョン世界が見事に織り込まれていたことに大歓迎したアルバムだった。
(評価)
□ 曲、演奏 : ★★★★☆
□ 録音 : ★★★★☆
(視聴)
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