サンタナ

2021年11月 1日 (月)

サンタナ SANTANA 「BLESSINGS AND MIRACLES 」

ラテン・ロックからヘビ・メタ、更にジャズまで・・・サンタナ節の炸裂

<Latin Rock>

SANTANA 「BLESSINGS AND MIRACLES 」
BMG/ADA / GERM / 538714542 / 2021

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SANTANA
carlos santana : guitar 
david k. mathews : keyboards
benny rietveld : bass
cindy blackman santana : drums
Karl Perazzo:  percussion
Tommy Anthony:  Guitar
Chris Schwegler:  Bass
salvador santana : keyboards
paoli majias , ray greene, andy vargas etc.

  1969年の衝撃アルバム『SANTANA』からスタートして50年以上の経過のあるこのカルロス・サンタナの率いるSANTANAは、まだまだ健在とニュー・アルバムの登場。

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 再起の再起と繰り返しての経過の中で、1999年に発表したアルバム『Supernatural』は、バンドにとって初期サンタナ以来の全米1位獲得を果たし、グラミー賞史上最多の9部門を受賞した大ヒット作。このアルバムで試みた多くのアーティストを呼び込んでのスタイルを、今作でも展開している。
 カルロスのギターは、もう何年も変わることも無く進歩とか新しさなんてものは無いのだが、こうしてアルバムがリリースされる度に又聴いてみたいと思わせるところはさすがである。多くのアーティストとコラボして、ロック、ラテン、ブルース、ジャズ更に近年のアフリカ音楽というサンタナ世界に、カントリー、レゲエ、ゴスペルなど、あれやこれやが入り交じっての刺激的熱さと、ちょっとしたムーディな世界までも聴かせてくれるのだ。彼のギターが例の如くのチョーキング多用での弾きまくりは、異様に盛り上がって、これも一種の音楽の楽しみでもある。

(Tracklist)

01. Ghost of Future Pull / New Light
02. Santana Celebration
03. Rumbalero - Santana & Salvador Santana & Asdru Sierra
04. Joy - Santana & Chris Stapleton
05. Move - Santana & RobThomas & American Authors
06. Whiter Shade Of Pale –feat.SteveWinwood
07. Break –feat. Ally Brooke
08. She's Fire - Diane Warren & G-Eazy & Santana
09. Peace Power –feat. Corey Glover
10. America For Sale - feat. Kirk Hammett & Marc Osegueda
11. Breath ing Underwater - Santana & Stella Santana & Avi Snow & MVCA
12. Mother Yes
13. Song For Cindy
14. AngelChoir/All Together - feat.ChickCorea&GayleMoranCorea
15. Ghost Of Future Pull II

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  ここで、先ずはこのスタイルでのメガ・ヒットのロブ・トーマス(上左)の登場のM05."Move"、いやはや相変わらずのラテン調とポップさとミックスのロック・ナンバーはやっぱり楽しい。
 そして何故か、昔に惚れ込んだプロコム・ハレムのM6."Whiter Shade Of Pale 青い影"の登場には驚いた。それもスティーヴ・ウィンウッドが歌い、ラテン・パーカッションのリズムにカルロスのギターが演ずるという思いもしなかった曲の登場。このあたりが旨いんだなぁーー。
 オープニングのM01が、極めて短く何か異様で、突然旧来のサンタナ節のM02."Santana Celebration"が女房のシンディのドラムスで、カルロスのギターが泣きまくり、パーカッション群とオルガンが凶暴な乱打で迫る。
   ところがM07."Break"では、28歳の若き女性アリー・ブルック(上中央)の歌うしっとりバラードもアルバム中盤に聴かせるところもヒット作の条件を備えている。
   M08."She's Fire"コリー・グロヴァーはよく知らないが、これもソウフルで聴き応えたっぷり。
 驚きはM10."America For Sale "だ。ええ!メタリカのギタリストKirk HammettとCarlosがギターか、そしてMark Oseguedaが歌うはヘビメタ・ヴォーカルだ。サンタナではまさに異色のかっこよさ。
 続くM11." Breath ing Underwater"は、カルロスの娘のステラ・サンタナ(上右)のヴォーカル、結構聴けるじゃないか。そうそう、息子のサルヴァトール・サンタナのキーボードもM03" Rumbalero"に登場している。
 もう一つ驚きはM14." AngelChoir/All Together"の亡くなったチック・コリアとその妻ゲイル・モランとの共演共作が収録されている。

 カルロス・サンタナがアルバム『Supernatural』で開拓した彼のギターのオールマイティーの技を、このアルバムでも三度生かしている。ラテン・ロックに止まらず、ロックの多様性に挑戦しつつも自己のミュージックに生かしているところは、それなりに彼の達観した一つの世界なのであろう。
 こんな楽しさや、お祭り騒ぎも、その道ポピュラー・ミュージックの一つの世界として歓迎しておこう。

(評価) 
□ 曲・演奏・歌  90/100
□ 録音      88/100

(視聴)

"Move"

*
"A Whiter Shade Of Pale"

*
"She's Fire "

 

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2019年6月30日 (日)

サンタナのニュー・アルバム SANTANA「AFRICA SPEAKS」

久しぶりの新作はアフリカン・ビート、そしてフュージョンの復活

<Latin Rock, Fusion>
SANTANA 「AFRICA SPEAKS」
ConcordRecords / IMPORT / 00888072100541 / 2019

Africaspeaks

Santana Bands
Buika (vocals)
Laura Mvula (vocals)

Conchabuika2a110116  サンタナの流れは我々にとっては人生の歴史の一幕であった為、なんといっても注目してしまう。そして原点回帰の「SANTANA Ⅳ」(2016)以来の3年ぶりのサンタナのニュー・アルバム。一時は「Super Natural」(1999)以来、多くのミュージシャンの共演をネタにしてのアルバム作りであったが、前作からサンタナCarlos Santana流を前面に出してきた。そしてそれからがバンド・サンタナが如何様に展開してゆくかは実は興味のあるところでもあった。そんな中で、ここに登場は、なんとアフリカン・ミュージックにインスパイアされたと思われるの作品の登場をみたのだ。
 そして共演リード・ヴォーカリストにスペイン・マヨルカ島出身の女性シンガーのブイカBuika(→)が選ばれた。彼女はアメリカ公共放送局NPR"The Voice of Freedom"(自由の声)と表され世界的にも認められる存在。
 とにかく全編サンタナの懐かしのギターが炸裂する。しかしそこには更なるサンタナの姿の再確認も出来ることとなった。

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(Tracklist)
1. Africa Speaks
2. Batonga
3. Oye este Mi Canto
4. Yo Me Lo Merezco
5. Blue Skies
6. Paraisos Quemados
7. Breaking Down The Door
8. Los Invisibles
9. Luna Hechicera
10. Bembele
11. Candombe Cumbele

Cindybio   冒頭M1."Africa Speaks"は、ボンゴ、コンガの音から出発して、サンタナの語り、ギターの語りと泣き、ブイカの歌、そしてなるほど今回のアルバムはかっての「不死蝶」の頃のフュージョン・スタイルの復活を思わせる音が聴こえてくる。 これはある意味で私は歓迎なのだ。
  バンド構成は、ドラムスはサンタナの女房Cidy Brackman Santana(→)が務めていて、例の総勢8人のバンド。
 もともとサンタナは、ロック、ラテン、ジャズ・ブルースのミックス・ミュージックだ。中でも「キャラバンサライ」(1972), 「ウェルカム」(1973), 「不死蝶」(1974)の頃はフュージン・バンドとしての印象の強いときがあった。私は当時は一種のプログレッシブ・ロックでもあると言っていたものです。
 M5."Blue Skies" は、サンタナのギターから流れ、女性ヴォーカルにカリビアン・ルーツのLaura Mvulaも加わって、完全にサンタナ・フュージョン・ミュージックの復活。これはロックというよりはジャズの世界と言ってもいい。このアルバムでは最長の9分を超える曲で私は最もこのアルバムではお気に入り。後半に流れるサンタナの静かなギターも聴きところ。やっぱりカルロス・サンタナ自身には、あの45年前の頃の音楽世界がしっかり残っていることが確信できて、今回は嬉しさを隠せなかった。
 M6."Paraisos Quemados"もアフリカン・ミュージックというよりは、サンタナ・フュージョン世界。ここでもサンタナの泣きギターがいいですね。

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 このアルバムは、勿論主題のアフリカン・ミュージックのリズムカルにしてパワーフルな曲による世界がしっかり描かれているのだが、私の好みのサンタナのフュージョン世界が見事に織り込まれていたことに大歓迎したアルバムだった。

(評価)
□ 曲、演奏 : ★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(視聴)

 

 

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2017年8月30日 (水)

サンタナ&アイズレー・ブラザーズThe Isley Brothers ・ Santana 「Power of Peace」

世界の平和と愛を歌いあげる~期待を超えた注目盤

<Soul, Funk,  R&B, Rock>
The Isley Brothers ・ Santana  「Power of Peace」
Legacy Recordings / USA / 88985448512 / 2017

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 Produced & Arranged by Carlos Santana
 
   ジャズ・ピアノ・トリオの抒情的プレイに浸ったり、時にプログレッシブなロックに入れ込んだり、はたまたクラシックのオーケストラ演奏に没頭したりと・・・音楽生活も多種多彩で異常ではないかと言われるのであるが、一向に疑問すら持たない私なのである。そんな流れの中で、ふとこんなソウル・ファンクといった世界にも魅力を感じてしまう。

 今回は、あのサンタナが導入源であった。そう、あっと驚きのサンタナ・バンドの大集合で、昔のラテン・ロックの華を思い起こしてくれた「サンタナⅣ」であったが、あれにゲスト参加したロナルド・アイズレーが今回の話題。どこでどう結びついたかは知らないが、40年、50年という歴史の中で、なんとサンタナ合流でのアイズレー・ブラザーズのアルバムがリリースされたのだ。
 まあ、そんな事になったので、なにはともあれ聴くと言うことになるのである。主力メンバーは下のようになる。

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  このメンバーを見ても、やっぱりアルバム・タイトルどおり「平和」がテーマなんだろうと思う。中身はなんだかんだと言ってもソウル、ファンク、ブルース、ジャズ、ポップスからの彼らが選んだ名曲群、今世界はつまらぬ抗争を繰り返している中に、もっと「平和と愛の心」に想いを馳せろと言わんばかしのアルバムなのである。トランプにも是非聴いて欲しいと言うところだ。
 アイズレー・ブラザース(ロナルド・アイズレー(Vo)、アーニー・アイズレー(G))にサンタナが合流と言うことは、当然女房のシンディ・ブラックマン・サンタナ(Dr)も参加している。そして更にベース、パーカッション、ヴォーカル等で10人以上のミュージシャンが、曲によって必要度で参加している豪華版。なにせロック界とR&B界双方で半世紀以上頑張ってきたこの連中のジョイント版は、やっぱりこの時代にこそ注目しておかねばならないし、どんな演奏や歌を聴かせるかは興味が湧くところである記念盤なのである。

     Absence of conflict is PEACE  --Carlos Santana !

Theisleybrothersandcarlossantana(Tracklist)
“Are You Ready”
“Total Destruction To Your Mind”
“Higher Ground”
“God Bless The Child”
“I Remember”
“Body Talk”
“Gypsy Woman”
“I Just Want To Make Love To You”
“Love, Peace, Happiness”
“What The World Needs Now is Love Sweet love”
“Mercy Mercy Me (The Ecology)”
“Let The Rain Fall On Me”
“Let There Be Peace On Earth”


 いっやーー、やっぱりツイン・ギターのハイパワー・バンドが聴かれる。サンタナ・バンドとは一味違ったところが聴きどころである。
 スタートはKarl Parazzoのパーカッションが鳴り響くところはサンタナ効果だねぇ~。そしてラテン・ロック調に染められたハイパワー曲がエネルギッシュなロナルド・アイズレーのヴォーカルで色づけられる。ギターもかなり騒ぎます。そしてベースにはやっぱりサンタナ・バンドからBenny Rietveldが加わっている。
 5曲目の“I Remember”が異色だ。これはシンディ・ブラックマン・サンタナの曲で、彼女のヴォーカルが聴かれる。いや~~知らなかったが、彼女のヴォーカルはなかなか魅力的。
 Billie Holidayの“God Bless The Child”、Curtis Mayfieldの“Gypsy Woman”の2曲では、情緒ゆたかな味わいあるロナルドのヴォーカル、そして美しいサンタナのギターと納得の曲。
 “Body Talk”のリズムは快調ですな。
 “Let The Rain Fall On Me”は、ピアノ・トリオ・ジャズそのもの。バラード調でそれに説得力十分のヴォーカル。これは期待しなかった意外性の良い曲仕上げ。
 最後の“Let There Be Peace On Earth”では、美しい女性合唱を聴かせ、平和を訴えるのだ。

 意外性のアルバムの出現に、ちょっとご機嫌な私なのであった。

(視聴)

”Gypsy Woman”

”I Remember”

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2017年3月20日 (月)

サンタナⅣライブ映像版 「LIVE AT THE HOUSE OF BLUES LAS VEGAS」

夢にも思わなかった奇跡的結合映像

<Rock>
SANTANA Ⅳ 「LIVE AT THE HOUSE OF BLUES LAS VEGAS」
 Ward Records / JPN /GQXS-90186 / 2016

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54919125Carlos Santana (vocals, guitar)
Neal Schon(vocals, guitar)
Gregg Rolie (vocals, Hammond b-3 organ, keyboards)
Karl Perazzo (vocals, timbales, percussion)
David K. Matthews (keyboards)
Michael Shrieve (drums)
Michael Carabello (congas, percussion, background vocals)
Benny Rietveld(Bass)

A しかしこんな事も起こるんですね・・・・ほんとに奇跡かと思う昨年4月にリリースされた『サンタナIV』 。なにせ45年ぶりの集合ですから信じがたい出来事だった。
 そしてそのお披露目ライブが実現し、ここにその模様を収録した映像版がオフィシャルに登場しているのだ。

 オリジナル・メンバーのカルロス・サンタナ(G)、グレッグ・ローリー(Key)、マイケル・シュリーヴ(Ds)、マイケル・カラベロ(Per)、71年から参加したニール・ショーン(G)、そして現メンバーのカール・ベラッツォ(Per)、ベニー・リートヴェルド(B)、デヴィット・K・マシューズ(Key)という8人編成。
 そして演ずるは、かっての懐かしのサンタナの曲、そして今回の「サンタナⅣ」からの新曲とゴージャスそのもの。
 そしてそれはラスヴェガスのマンダレイベイ・ホテルにある“ハウス・オブ・ブルーズ”のステージで、繰り広げられたお披露目ライヴ(2016年3月)の映像化。

B このかってのメンバーの集結話が実現する切っ掛けは、「サンタナ」にわずか17歳で加入しギター天才少年と騒がれたニール・ショーンの働きによるものであったらしい。

 あの「サンタナ」が実際には世に知られたのは1969年の「ウッドストック」であったが、あの時の感動ドラマー、マイケル・シュリーブの姿が45年以上経って「サンタナ」として見れるとはほんとに夢にも思わなかったわけで、私はもう中身よりこの姿だけで満足してしまう。それが何々、グレッグ・ローリーのヴォーカルもまだまだ若々しく、マイケル・カラベロもパーカッションを軽々と演じてくれた。
 まあカルロスとニールの超絶的なギター・バトルの再現は見応え有りで、”ブラック・マジック・ウーマン”始め、サンタナの歴史とあのラテン・ロックの魅力がたっぷりと良好な映像とサウンドで 納められていて、これは貴重盤であることには間違いない。

【Blu-ray収録内容】
01. ソウル・サクリファイス
02. ジンゴー
03. イヴィル・ウェイズ
04. エヴリバディーズ・エヴリシング(新しい世界)
05. シェイク・イット
06. エニウェア・ユー・ウォント・トゥ・ゴー
07. チュー・チュー
08. オール・アボード
09. サンバ・パ・ティ(君に捧げるサンバ)
10. バトゥーカ
11. ノー・ワン・トゥ・ディペンド・オン(孤独のリズム)
12. リーヴ・ミー・アローン
13. スウェニョス
14. カミナンド
15. ブルーズ・マジック
16. エチゾ
17. カム・アズ・ユー・アー
18. ヤンブー
19. ブラック・マジック・ウーマン/ジプシー・クイーン
20. オエ・コモ・ヴァ(僕のリズムを聞いとくれ)
21. ロナルド・アイズレー・イントロ
22. ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド
23. フリーダム・イン・ユア・マインド
24. トゥーサン・ルーヴェルチュール(祭典)
<ボーナス映像>
バンド・メンバー インタビュー

 演ずる曲は、やはりⅠから勿論”Soul Sacrifice”、”Jinco”と演じられ、 Ⅱ(「Santana ABRAXAS」)からは、当然”Black Magic Woman”、”Samba Pa Ti”など、Ⅲからは”Toussaint L'overture”、”No One to Depend On”などと登場する。
 Ⅳの新曲はしっかりと盛り込まれていて、とにかく楽しめる。
 まあ、ニール・ショーンと言うことで、「CARAVANSERAI」からも”Song of The Wind”あたりは入れて欲しかったのだが、残念ながら収録されていない。この日は演じていなかったのかもしれないが、後のライブでは登場していたはずである。

 とにかく、実際のところはよく解らないが、カルロスの宗教的な指向とジャズへの傾倒が原因かと言われることにより、ショーンとローリーの「ジャーニー」への分裂となった「サンタナ」であったが、今となれば彼らにとっては人生の一コマでしか無いのかも知れない。こうして若き時代の志を一にした時の気分に戻れたのは、彼らもそうだと思うが、聴く我々も嬉しい限りであった。

(視聴)

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2016年5月 3日 (火)

例年より早い「春の花」も一段落 / サンタナSANTANA 原点回顧

もう木蓮も咲き誇って散りました・・・・・・・・・・・

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           「くれはもくれん」 Nikon D800 AF-S NIKKOR 50mm 1:1.4G 

                                             *                  *

牡丹も満開を過ぎました・・・・・・

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<今日のミュージック>

サンタナSANTANA原点回顧の3アルバム~オフィシャル盤

 サンタナの原点回帰のReunionによって、懐かしの45年前に気分を運んでいってくれた。おかげで若き気分でこのところ頑張らせて頂いてます・・・単純なもんですね(笑)。

1 Santana「Live At The Fillmore'68」
  Sony Records / SRCS8300-1 / 1997

カルロス・サンタナとグレック・ローリーが中心となっての6人編成「サンタナ・ブルース・バンド」としてスタートしたのが1966年。その後ブルース・バンドからロック・バンドに体制変化をしてのウッド・ストックへのデビュー前の1968年のライブ記録盤。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/santana-d610.html

2SANTANA 「On the road to Woodstock」
Rokarda Records / 250283 / 2011


 1967年にオーナーからの指示でラテン・ロックへ方向転換後の彼らのスタジオ録音版を収録している。
 ブルース・バンドの余韻の残っている曲群が収録されていて興味深い。特に14分に及ぶ”Santana Jam”などが聴きどころ。今となっては確かにこれは貴重盤。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/santana-on-the-.html

3SANTANA 「THE WOODSTOCK EXPERIENCE」
Columbia / Legacy 88697 48242 2 / 2009


ウッドストックでの彼らのプレイを全て収録している。ここまで良質な録音であれば納得もの。
 なお、これにはオリジナルのデビュー・アルバム「SANTANA」がCD版として付いてくる。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/santana-santana.html

(参考視聴)

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2016年4月24日 (日)

「サンタナⅣ」 VS 「King Crimson : Live in Tronto」

懐かしの60年代両雄の全く相反する復活劇

今日は雑談・・・・・・サンタナに軍配か?


「サンタナⅣ」 Santana 4 Records / S4007 / 2016

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 ニールショーンがカルロス・サンタナをくどいてサンタナⅠ、Ⅱ、Ⅲのメンバー5人が45年ぶりに勢揃いした。
 驚きは懐かしの曲群のオンパレードで”昔の名前で出ています”スタイルでなく、メンバー全員でのニュー・オリジナル曲での完全なニュー・アルバムを作り上げたことだ。

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「King Crimson :  Live in Tronto」 PANEGYRIC/DGM5013/2016

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新キング・クリムゾンは7人バンドとしてお目見えした。これはかってのメンバーのメル・コリンズもいるが、完全な新メンバーと言って良い構成で、サンタナとは逆に昔からのヒット曲を中心のライブ録音盤。メル・コリンズのサックスによって曲のニュー・バージョンと言う衣装替えは評価できる。

           サンタナ                キング・クリムゾン

 ①メンバー  オリジナル・メンバー      ←→   新メンバー(どちらかと言えば
②構成     7人構成(
現バンド2人協力)   ←→      7人構成
③構成特徴  ドラムス・パーカッション3人  ←→    ドラムス3人
         キーボード            ←→    サックス                   
④演奏・録音 スタジオ録音          ←→   ライブ録音
⑤録音の質  優                 ←→    良
⑥曲      ニュー・オリジナル曲(
共作)  ←→   過去のヒット曲(フリップまかせ
⑦曲内容   ラテン・ロック          ←→     プログレ、メタリック・ハード
⑧話題性   100                 ←→     100
⑨盤      CD , LP , Blu-specCD     ←→    CD , 2UHQCD
⑩来日公演  無                ←→     有
⑪意気込み 郷愁ではなく、情熱       ←→    フリップの逆襲
⑫ジャケ   Ⅰの発展系の迫力       ←→        単なるステージ・スナップ

 サンタナは、めくるめく怒涛のラテンロックワールドをエネルギッシュに新曲で展開している。45年の経過でも、当時の心意気が伝わってくる。既に”Anywhere You Want To Go”はヒットしている。私は”Fillmore East”が注目曲。
 キング・クリムゾンは3ドラムスのパワーとサックスによる色づけ変化を見せつけ、中身はファンにとっては涙ものの懐かしの曲のオンパレード・・・・と、言うところだが。ちょっと過去のファンにとってはJakkoのヴォーカルの線が少々細いか?。
 やっぱり勝負は新曲を作り上げたサンタナが優勢。
 それとオフィシャル・アルバムであるから、最高の音質を期待するわけだが、サンタナの優良音質は高評価。一方キング・クリムゾンはやはり一歩後退。しかも大阪もののブートSylph盤よりもそれぞれの楽器の鮮明さと低音部の迫力に一歩譲っている点も納得出来ない(ステレオの左右広がりという点ではSylphより勝っていた)まあ並の良録音レベル。

 こんなところだが、これからは現在の逆で、クリムゾンは"新曲によるニュー・アルバム"が出るかも知れない・・・むしろ出して欲しい、それによって逆転ありか?。サンタナは今年のこのメンバーによる"ライブ録音モノ"が出るかも知れない。それはライブでは”soul sacrifice”始め”black magic woman”など懐かしのヒット曲をも演じているので。
 いずれにしてもそれに加え両者には又ライブ映像モノも期待するところだ。

 余談ですが、まあしかしサンタナの元気には脱帽、この後更にニュー・セッション・バンドの企画有り。それは女房のドラマー・シンディ・ブラックマンの企画で、「Supernova」の結成、これにはギターのサンタナにウェン・ショーター、ハービー・ハンコック、ジョン・マクラフリンそしてもちろんシンディのドラムスという布陣。こちらのジャズ、フュージョン・サウンドも期待度大だ。

(試聴) SANTANA Ⅳ

                           *           *          *          *

(試聴) King Crimson

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2016年4月20日 (水)

(衝撃)驚きのサンタナ「SANTANA Ⅳ」 登場           ~サンタナ万々歳!!

とにかくビックリのサンタナ・オリジナル・メンバーの再結成

 サンタナの最新アルバム(通算24作目)『サンタナⅣ』が発売された。これがなんとサンタナの最初期メンバーである1969年のGREGG ROLIE (Key/Vo/元ジャーニー)、MICHAEL CARABELLO(Per)、MICHAEL SHRIEVE (Dr)、そして1971年の『サンタナⅢ』から参加した現ジャーニーのギタリスト、NEAL SCHON が45年ぶりにCARLOS SANTANAの下に集まってレコーディング。 (これは既にラス・ベガスで”Original Santana Reunion”でお目見えしたセッション・メンバー。現サンタナ・バンドは別に存在している)

    <Latin Rock> 
      「SANTANA Ⅳ」
       Santana Ⅳ Records / US / 69685996949 / 2016

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(収録 全16曲)
1.ヤンビュ  2.シェイク・イット  3.エニウェア・ユー・ウォント・トゥ・ゴー  4.フィルモア・イースト  5.ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド(feat.ロナルド・アイズレー)  6.フリーダム・イン・ユア・マインド(feat.ロナルド・アイズレー)  7.チュー・チュー  8.オール・アボード  9.スエニョス  10.カミナンド  11.ブルーズ・マジック  12.エチゾ  13.リーヴ・ミー・アローン  14.ユー・アンド・アイ  15.カム・アズ・ユー・アー 16.フォギヴネス

 収録曲は上の16曲。現サンタナ・バンドのカール・ペラッツォ(パーカッション)、ベニー・リートヴェルト(ベース)も協力参加している。
 とにかく私の愛する4thアルバム『CARAVANSERAI』からは、音楽的変更が見えているため、その前の『Ⅲ』の続きと言うことで『Ⅳ』としたことが洒落ている。(実のところ、良く聴いてみると「CARAVANSERAI」をちょっと思い起こす全員合作の”Fillmore East”というインスト曲などもある)
 ヴォーカルはグレック・ローリーが担当、さらにアイズレー・ブラザーズのRONALD ISLEYがゲスト参加し「ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド」「フリーダム・イン・ユア・マインド」の2曲でリード・ヴォーカルを担当している。そしてインスト曲5曲。とにかく懐かしのメンバー全員でソングライティングした。つまり懐かしの曲のオンパレードでなく、新曲をぶち上げたところが立派。サンタナ・ファンにとっては盆と正月が一緒に来たような衝撃である。
 当にサンタナ原点回帰のサウンドが圧倒してくる。とにかく聴いてのお楽しみ。

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 我々にとっては、ロックの歴史でもある'69年の「ウッドストック・フェスティヴァル」でのデビューは衝撃的であったサンタナ。そして1stアルバム『SANTANA(サンタナ)』(69年)、2ndアルバム『ABRAXAS(天の守護神)』(70年)と3rdアルバム『SANTANA III(サンタナIII)』(71年)の初期3作品のメンバーが今となって集結、これは信じられない衝撃。誰が聴いても新しいラテン・ミュージックの加味したロック・サウンドで当時は圧巻であった。それがここに来て同メンバーで再現されたわけで、とにかく凄いの一言。今年の一大エポック。

(視聴) 「SANTANA Ⅳ」

           *     *     *     *     *     *     *     *     *     *

(ついでに・・・・こちらはブート)  
現サンタナSANTANAバンドの2015ライブBlu-ray盤「Montreux Jazz Fsstival 2015」も登場

汗びっしょり熱演のサンタナに喝采

 <Latin Rock>
SANTANA 「MONTREUX JAZZ FESTIVAL 2015」
     Live at Auditorium Stravinski, Montreux, Switzerland 2015
     VIDEOSMASH / VS-267BDR (Blu-ray Version) / 2016

Montreux2015

  SANTANA Bands  &  John McLaughlin

  こちらは現サンタナ・バンドもの。これもブートと言えばブートなんだが、プロショット映像であり、その出来の良さを見せつけるところのBlu-ray盤でのリリースもの。

Montreux2015list_2 スイス・モントルーで毎年恒例となっている”モントルー・ジャズ・フェスティバル”に昨年2015年の夏に出演した現サンタナ・バンドのライブ映像で、高画質HDクオリティでで登場!。収録Listsは左のごとくである。

 2015年7月14日この日は”魂の兄弟John McLaughlin”もゲスト参加。「至上の愛」等3曲で共演。
 サンタナは近年このフェスティバルには何回か出演しているので、多くの映像盤がオフィシャル、ブート含めてリリースされてきた。今回はJohn McLaughlin との3曲以外は、特別新しい試みは無いが、それでもブートとしては映像はオフィシャルものに負けて居らず文句ない。演奏内容も例の如く熱気があって楽しめる。
 真夏であって、会場も多分ムンムンしていたんでしょうね、サンタナは白いシャツであったが汗でびっしょり濡れてしまっている。でもこの歳になって手を抜かない演奏はやはりプロですね。
 M12.”Cill Out”でのトランペッターBill Ortizとサンタナのギターとの掛け合いがJazzyでみどころ。
 
 私は昔からの習慣で、サンタナ映像版となると、取り敢えずは手に入れるというところ。これは驚きの良質ブートである。
  そんな中で、サンタナの”Montreux Jazz Festivalもの”として過去にここで取りあげたのはこれらであり、参照して欲しい(↓)。

(参照1)「平和の賛歌Hymns For Peace」、「Plays BLUES」 2004年
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/santana-4-2004-.html

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2014年11月21日 (金)

圧巻のラテン・ロック~サンタナSantana 「LIVE FROM MEXICO」

見よ!このヲジさんのラテン・ロック・パワー!

 最新作アルバム『コラソンCORAZÓN』が世界24ヶ国で1位という快挙、ビルボード・ラテン・アルバム・チャートでも4週連続1位を獲得したサンタナの発売直前のライヴ映像が登場した!

  <Latin Rock>

       SANTANA 「CORAZÓN~LIVE FROM MÉXICO~Live it to Believe it」
       Blu-ray Disc / RCA records & Sony Music Latin / 88843-09689-9 / 2014

Livefrommexico

 今年5月にカルロス・サンタナの37枚目、サンタナ名義としては23枚目となるニュー・アルバム『Corazón』をリリースしたサンタナ(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/santana-corazn-.html)の映像だ。
 アルバム発売前の2013年12月に地元メキシコで行われた『Corazón』参加ヴォーリカスト達をスペシャル・ゲストに迎えた圧巻のステージの模様を収録したものがリリースされた。
  とにかくアルバムがヒットしてその後なら解るが、リリース前にこれだけのパワーをステージで発揮できるサンタナ・ヲジさんに敬意を表したい。そうですロックをやってきたならやっぱりアグレッシブに攻めなければ。そんな意味ではお見事と言わざるを得ない。
  まあカルロス・サンタナの血は”ラテン”てすから、こうして時に自己の世界に戻ってパワー・アップするのは大歓迎である。

Santanaxyz 私はあの1969年、ウッドストックで圧巻だった”Soul Sacrifice”と、アルバムの”Black Magic Woman”で虜になってもう45年、お付き合いをしてきたサンタナであるが、ここに来てのこのエネルギーには脱帽である。
  このステージ・ライブ映像は、一つのロックの歴史でも有りそして結果でも有り、常に過去にのみ依存しない姿がある。かってはプログレッシブ・ロックと言ってもよいアルバム作りをしたり、精神主義に没頭、又々フュージョンの世界に足を入れたり、彼の歴史は決して単なるラテン・ロックではなかった。そんな歴史に生きて、そして今、時代に反応してのアグレッシブな姿であって、これこそラテンを演じようが、ブルースを演じようがロック心なのである。

 今回の今時のラテン・スペシャル・ゲストに対して、サンタナの関わりには、あの「スーパーナチュラル」のゲスト達以上に緊密になっているところがミソ。私好みのグロリア・エステファンとの”Besos de Lejos”などもサンタナが輝いていて嬉しい限り。ちょっと余談だが、この曲のバッキング・ヴォーカル3人の中央に巨大な体格の女性がいて、これまた顔が可愛いのでちょっと気になっちゃいました。
 又”Jingo”、” Black Magic Woman”、” Gypsy Queen”、” Oye Como Va”等々、”Soul Sacrifice”も演じられサンタナ・バンドの健在さを見せてくれる。更に女房のCindy Blackman Santanaのドラム・ソロも登場して、圧巻。楽しいことも大事だと言うことを教えてくれる。先ずは過去に溺れず現在に何をするかが明快であるだけサンタナは評価に値する。

 今回のライブ映像とサウンドは、なかなか上質でカメラ・ワークも適切で、そんな意味でも評価は高くしておきたい。

[Blu-ray]-Tracklist
1. Our Prayer
2. Jingo
3. Iron Lion Zion
4. La Flaca
5. Black Magic Woman
6. Gypsy Queen
7. Oye Como Va
8. Samba Pa Ti
9. Amor Correspondido
10. Margarita
11. Indy
12. Maria Maria
13. Evil Ways
14. Europa
15. Una Noche en Napoles
16. Besos de Lejos
17. Kyoto, November 5, 1976, Part 1 as Performed by Salvador Santana
18. Corazon Espinado
19. Cindy Blackman Santana Drum and Benny Bass Solo
20. Smooth
21. Soul Sacrifice
22. Saideira
23. Cielito Lindo/Descarga Divine Explosion
24. End Credits

1. アワ・プレイヤー
2. ジンゴー
3. アイアン・ライオン・ザイオン feat. チョッキブタウン&エラン・アティアス
4. ラ・フラカ feat. フアネス
5. ブラック・マジック・ウーマン
6. ジプシー・クイーン
7. 僕のリズムを聞いとくれ
8. 君に捧げるサンバ
9. アモール・コレスポンディード feat. ディエゴ・トーレス
10. 愛しのマルガリータ feat. ロメオ・サントス
11. インディ feat. ミゲル
12. マリア・マリア feat. ミゲル
13. イーヴル・ウェイズ
14. 哀愁のヨーロッパ
15. ナポリの夜 feat. リラ・ダウンズ、ニーニャ・パストーリ&ソレダー
16. 彼方への口づけ feat. グロリア・エステファン
17. 京都1976年11月5日パート1 パフォームド・バイ・サルヴァドール・サンタナ
18. コラソン・エスピナード feat. フェール・オルヴェーラ&シンディ・ブラックマン・サンタナ
19. シンディ・ブラックマン・サンタナ・ドラム&ベニー・ベース・ソロ
20. スムーズ
21. ソウル・サクリファイス
22. サイデイラ feat. サムエル・ロサ
23. シエリート・リンド/デスカルガ・ディヴァイン・エクスプロージョン
24. エンド・クレジット
  こうしたライブ映像盤は、いろいろと語ってもしょうがない。一見一聴に勝るものなし・・・・ということで、多くを語らず万歳しておくのが正解だ。
(試聴)

   

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2014年7月 1日 (火)

サンタナsantana のニュー・アルバム 「コラソンCORAZÓN」

デビュー45周年記念はラテンの世界

<Rock>
 SANTANA  「CORAZÓN」
     RCA records  88843-06922-2  ,  2014

 

Corazon
 サンタナのニュー・アルバム。デビュー45周年という節目の作品。
 今回は、前作の「SHAPE SHIFTER」とガラッとイメージを変えての中南米中心のラテンの世界だ。
 とにかく1999年のサンタナ起死回生の一発「Super Natural」以来、スーパー・スター達とのコラボレーションによっての作品作りが多かったが、前作「SHAPE SHIFTER」でようやくカルロス・サンタナ率いるサンタナ・バンドとしてのスタジオ・アルバムをリリース、当時3部作の第一号といわれていたがここに2年ぶりに新作が登場した。果たしてこれが3部作の第2作であるかどうかは、目下のところ解らない。とにかくここらで彼のルーツの中南米を前面に出して迫ったというところか、これはラテン系のアーティストに絞ってのコラボレーション・アルバム、言ってみれば”「スーパー・ナチュラル」のラテン・バージョン”。

 (参照)「SHAPE SHIFTER」
   http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/santanashape-sh.html

Santanaxyz

(「CORAZÓN」収録曲)

1.サイデイラ(スパニッシュver.)feat. サムエル・ロサ
2.ラ・フラカ feat. フアネス
3.マル・ビーチョ feat. ロス・ファビュロソス・キャディラックス
4.僕のリズムを聞いとくれ 2014 feat. ピットブル    
5.アイアン・ライオン・ザイオン feat. ジギー・マーリー&チョッキブタウン
6.ナポリの夜 feat. リラ・ダウンズ、ニーニャ・パストーリ&ソレダー
7.彼方への口づけ feat. グロリア・エステファン
8.愛しのマルガリータ feat. ロメオ・サントス
9.インディ feat. ミゲル
10.永遠の愛 feat. ディエゴ・トーレス
11.我こそは光 feat. ウェイン・ショーター&シンディ・ブラックマン・サンタナ
12.アイ・シー・ユア・フェイス

 まあとにかくサンタナのラテン・ロックそしてジャズ・フュージョンの融合といった過去のものを期待すると、それとは違ったものになっている。まあヒップ・ポップとラテン・ミュージックそしてロックのニュアンスの加味したもの。カルロスのギターも弾きまくっている割にはバック・バンドの一つになっていて、ギターの味を堪能するといったものでない。ただウェン・ショーターのサックス、そしてカルロスの奥様シンディ・ブラックマン・サンタナのドラムスなどの参加は聴きどころ。
 参加アーティストも多彩で花がある。ヒット曲も出そうな雰囲気は充ち満ちている。しかしまあはっきり言ってこれはラテンの世界には楽しい一枚であろうが、アルバム「キャラバンサライ」「ウェルカム」「不死蝶」時代を愛する私にとって個人的にはそれ程感動している訳では無い。

 前作「SHAPE SHIFTER」は、私は~過去の情熱のラテン・ロックのイメージはない。そうかと言ってジャズっぽくもなく、又光明を求めての宗教的世界でもない。カルロス自身の新婚生活から生まれる感謝の心なのだろうか?。しかし、ここに見るはサンタナ・バンドというより、カルロス・サンタナの”人生の賛歌”という感じに受け止められた。アルバムとしては纏まった良盤~と評価したが、・・・・・・・今回のアルバムはどうもお祭り騒ぎに聴こえてきてしょうがない。まあそんなところなんでしょうが。つまりラテンもののファンは歌謡曲的に踊りまくって聴くには楽しいアルバムということですね。

(試聴) ”彼方への口づけ” feat. グロリア・エステファン~をどうぞ・・・

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2012年12月29日 (土)

2012年ROCK界の回顧~私的偏見的~フロイド、クリムゾンなど

ROCK回顧は、どうも・・・・新鮮みに欠けてしまった

 既にもう今年は終わろうとしている。いろいろと今年のROCKアルバムなど回顧してみても、どうもあまり記憶に残る新鮮な大事はなかった年のようだ。それは私自身の歳のせいで感受性が低下しているのか?(・・・・それもたぶんあるのかも知れないが)。いずれにしても今年の良く聴いたアルバムを少々取り上げてみる。

 昨年末のナイトウィッシュ(NIGHTWISH)のニュー・アルバム「IMAGINAERUM」 、そしてスティーブ・ハケット(Stve Hackett)の「幻影の彼方 Beyond Thre Shrouded Horizon」のアルバムを聴いていたことから始まったように思う。全く性格は異なるとは言え、それぞれ持ち味を出してのなかなか良いアルバムだった。

サンタナ SANTANA

Santana_2  まずはサンタナのライブ映像アルバムが登場した。「GREATEST HITS-SANTANA ~ Live at Montreux 2011」
 老骨と言っては申し訳ない(ちょっと皮肉を言いたくなる)サンタナが、なんと新婚生活からの贈り物。ドラマーのシンディ・ブラックマン・サンタナとの結婚後の2011年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルにおけるサンタナ・バンドのご機嫌な演奏。ブルー・レイ、DTSサウンドと中身も濃く、久々に”Black Magic Woman / Gypsy Queen”を楽しませてもらった。
 そして春になったら、以外にも久々の彼のバンドによるインストゥメンタル・アルバム「SHAPE SHIFTER」が登場。私からみると、このアルバムは過去の情熱のラテン・ロックのイメージは少なく、又ジャズに傾いたものでもなく、かっての宗教の世界でもなく、中庸を得た彼の”人生の賛歌”に聴けるアルバムだった。

ピンク・フロイド PINK FLOYD

Thewallbox_2  昨年からのピンク・フロイドの”IMMERSION BOX SET”シリーズの完結版「THE WALL」の登場。CD6枚、DVD1枚の7枚組。1980年のアルバム「THE WALL」の5.1サラウンドのリ・マスター版と、ロジャー・ウォーターズのオリジナル・デモがたっぷり収録。又1980年アールズ・コートのライブ映像”The happiest days of our lives”がお目見えした。これによって「THE WALL」の良好映像がやはり存在する事が確実視された。目下ロジャー・ウォーテーズは”ザ・ウォール・ライブ”を3年続けている。そして2013年は再びヨーロッパ・ツアーに入る。なんと4年にまたがるロング・ラン・ライブとなることで世界を”THE WALL”に巻き込んでいる。まあ彼の人生を核に描いた作品であり、そして時代の警告のアルバムでもあり、今日に於いても色あせないテーマを持っていることでロング・ランはあのショーとしてのスケールの大きさからも当然なんであろう。これは一つのロックの歴史でもある。

ジョス・ストーン JOSS STONE

Soulsession2  今年の彼女のニュー・アルバムは「THE SOUL SESSION VOL2」今年の回顧では、どうしてもプログレ系に私はなってしまうが、彼女だけが別枠。なにせアデル旋風の中での奮戦だ。前作「LP1」(2011年)が快作であったこと、そしてこれは彼女の10年前の17歳のデビュー・アルバムの「VOL2」ということで注目した。ソウル系の1960-70年の曲を、彼女のオリジナル歌詞によって蘇らせたものだ。前作同様の彼女のソウルフルな熱唱は聴きどころ。そしてソウルと言えどもロック色の強いアルバムであることは言うまでもない。ジャニス・ジョプリンを尊敬しているという彼女の意気込みはかなりのもので、結構面白いアルバムに仕上がっていた。

マリリオン MARILLION

Marrion  久々のマリリオンのニュー・スタジオ・アルバム「SOUNDS THAT CAN'T BE MADE」の登場。しかも近年のアコースティック・タイプでなく、原点回帰というかあの名作「Brave」(1994年)にも想いを馳せるアルバムをリリースしてくれた。もちろんスティーブ・ホガースの色は濃いが、それでもそれぞれのメンバーの気合いも感じた。スティーブ・ロザリーも水を得たようにギターをフル回転してくれて、久々にマリリオンを感ずることが出来た。いやはやブリティッシュ・プログレも健在なり。

キング・クリムゾン KING CRIMSON

Larks40cddvd_3  さてさて、またしてフリップ翁の魔術にかかってしまった今年である。なんとあの「太陽と戦慄 Larks' Tongues in Aspic」の5.1サラウンドによるリ・マスター盤を中心に、ライブ音源、映像の公開だった。しかし恐るべきクリムゾン!、サラウンド盤となってまさにその真価を発揮。特に”Larks' Tongues in Aspic”の曲の出來の深さに圧倒されるのだ。そしてとくにあの Jamie Muir の姿を再び手近に感じられたことは、私にとって嬉しいことであった。更にここに来て”Exiles”、”Easy Money”などが、サラウンドで聴けるとは想像もしなかった。こうして聴いてみると、やはりプログレの雄はキング・クリムゾン。

■その他(私にとっては今年初めての出会いでインパクトのあったもの)

(1)アイオナ IONA
Anotherrealm_2    ロックをベースにケルト音楽を作り上げるバンド。今年始めてアルバム「Another Realm」を知って感動ものだった。もちろん一種のプログレとも言える世界であり、又女性リード・ヴォーカル(Joanne Hogg)によってそのイメージは美しく聖なる世界も仕上げてくれる。しかもロックのダイナミックな流れは決して失っていいところがミソ。キー・ボード、ギター(Dave Bainbridge)はもちろんだが、イリアン・パイプスの音色とのシンフォニックに流れる世界はインスト曲もありお見事というところ。

(2)NOSOUND
Sol29_2     こんなバンドも現存していることは嬉しくなった。しかもイタリアというから恐ろしくなる。なにせ昔のイタリアン・プログレに痺れた過去を持つ私であるが故に尚更である。しかしかってのイタリアン・プログレとは全くといって異なる。極めてイギリス的、彼等の曲作りは確かに一時のピンク・フロイドを思わせるところがあって、特に注目してしまった。
  私が聴いたのは彼らの1st「sil29」(Kscope1590/2010)、そして2nd「lightdark」(Kscope108/2008)という2枚のアルバム。キー・ボードの作る空間にギター、ドラムスを筆頭に各種楽器の色づけは音としては厚みがあり迫るところがある。ロックでありながらアンビエントな空間もみせる。曲一つ一つの出來が良いだけに、アルバムとしてはハードなややテンポの早い曲を織り交ぜメリハリを付けたら更に凄いのだが。今後の活動については私には知識が無いが、続けて接してゆきたいバンドの筆頭に入ることは違いない。

 2012年も、社会的には多くの問題を抱え、しかも全く解決の道も開かずに終わろうとしている。来年はどんな年になるのやら・・・・結構不安が感じられる今年の終わりであるが、とにもかくにも何か明るい光を感じられる年になって欲しいと願うばかりだ。

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