ダイアナ・クラール

2017年5月 3日 (水)

ダイアナ・クラールDiana Krallのニュー・アルバム「Turn Up The Quiet」

ヴォーカルを前面に出した懐かしさいっぱいの原点回帰の快作

<Jazz>
Diana Krall 「Turn Up The Quiet」
UNIVERSAL CLASSIC & JAZZ / JPN / UCCV-1162/ 2017

Turnupthequiet

Produced by Tommy LiPuma and Diana Krall
Recorded by Al  Schmitt at Capitol Recording Studios, Hallywood, CA

 いっや~~、数溜まって来たダイアナ・クラールのアルバム。その中でも今回この新作は”原点回帰”と言っても、彼女のピアノ演奏中心というのでなく(私はもう少しバリバリのジャズ演奏を期待していたんですが・・・)、やっぱりヴォーカル・アルバムですね。録音も完全にダイアナのヴォーカルが前面に強調されている。
 まあ、決して悪いわけで無く、ダイアナの相変わらずの親父声の充実感を十分に味わえます。彼女の育ての親と言うべきか、発掘し育て上げた立役者でもあるという巨匠のトミー・リピューマがプロデュース。しかしなんとこれは約10年ぶりの通算8作目のプロデュース作となるようだ。しかし彼はこの3月13日に80歳で発売前に亡くなったと思うが・・・と、すれば彼の記念作でもあり、遺作として感じ取らねばならないだろう(それに十分な内容だ)。

List1(Tracklist)
1.  Like Someone In Love
2.  Isn't It Romantic
3.  L-O-V-E
4.  Night And Day
5.  I'm Confessin' (That I Love You)
6.  Moonglow
7.  Blue Skies
8.  Sway
9.  No Moon At All
10.  Dream
11.  I'll See You In My Dreams
12. How deep is The Ocean *


  さて、収録曲は前作はポップス曲だったが、今回はジャズ・スタンダードの懐かしの曲のオンパレード(*印:日本盤ボーナス曲)。
 スタートM1.” Like Someone In Love ”は、冒頭よりベースの重量感と彼女の低音の効いたヴォーカルがじっくりと迫ってくる。やっぱり彼女のヴォーカルは充実感あって良いですね。
 バック演奏はやっぱり従来のアルバムの流れで、ギター、ピアノ、ベース、ドラムス中心で、オーケストラも入るというヴォーカルを支えるパターンで変わっていない。
  M2.” Isn't It Romantic ”アンソニ・ウィルソンのギター、ジョン・クレイトンのベース、ジェフ・ハミルトンのドラムスに彼女のピアノがお馴染みのパターンで流れ、それにヴォーカルが乗ってダイアナ流懐かしの曲展開。
 M3.”L-O-V-E”こりゃ、ナット・キング・コールですね。1960年代ビートルズ・ロック前の世界を風靡した曲。
 M4.”Night And Day ”コール・ポーターの代表作、シナトラも良かったけど、私はセルジオ・メンデスが懐かしい。それをうまく両方のイメージを残してダイアナは熟してくれます。
 M7.”Blue Skies ”戦前のヒット。この曲はこのアルバムでは珍しくスウィングする。ダイアナのピアノ・プレイが溌剌として楽しめる。
 M8.”Sway”誰もが唄う”キエン・セラ”だ。しかしこれをゆったりと物憂いパターンで唄うところがダイアナ節だ。いやはや昔のザ・ピーナッツが聴いたらビックリでしょうね。
  M10.” Dream ”は、ジョニー・マーサーの作曲で、何とも言えない懐かしさいっぱいです。シナトラも唄ったし、映画でも何回と使われた。「足ながおじさん」が有名にもした曲。痺れますね。
  M12.”How deep is The Ocean ”日本盤ボーナス・トラックだが、昨年日本ライブで評価の高かった曲。これがなかなか深遠なムードあって良い。M11.” I'll See You In My Dreams”のスウィンギーな曲での外盤の終わりよりは日本盤がお勧めだ。

Dk2 全体にバラード調のゆったり、じっくりの世界。これはこれで気分良好ですね。アメリカン・クラシックの前々作『グラッド・ラグ・ドール』2012年)よりは、ムードがあってこの方が私好み。そう思って懐かしがって聴いているとあっという間に終わってしまう。こんな快作でした。

 前作『ウォールフラワー』(2015年)はグラミー16回受賞の大御所デイヴィッド・フォスターがプロデュースを務めたポップス・カヴァー集だったが、多分若い人にはそちらの方が承けると思うが、我々のような歳も重ねた人間にとっては、こちらも懐かしさで充ち満ちてしまったというところだ。

 さてさて、まだ私の期待のバリバリのジャズ演奏アルバムというところには不満作であったが、これだけスタンダードをポピュラーに仕上げると、これ又ヒット・アルバムとなるのは間違いない。しかし私は又々数年後を期待することになった。

(試聴) ” Night And Day

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2016年4月 5日 (火)

ダイアナ・クラールDiana Krall2016東京ライブ3日間完全盤登場 「The Wallflower World Tour Tokyo 3 Days Complete」

これぞ完璧!ダイアナ・クラール2016東京ライブ3日間完全盤
    ~ CD6枚+映像DVD1枚 ~

 ダイアナ・クラールの今年の「The Wallflower World tour」の彼女の”有り難うございます”の発声から始まる東京3日間のなんと収録58曲の完全版が登場。
 そして音質も、ライブ録音としてはハイクラス。それはサウンドボードものではないが、XAVELレーベルの「マルチIEMソース+AUDソース=マトリクス・レコーディング」で文句の無いアルバムだ。そしてしかもボーナスとして3日目の2月27日東京メトロポリタン・シアターの映像版DVD付きでもある。

<Jazz>
             Diana Krall
「The Wallflower World Tour Tokyo 3 Days Complete」
XAVEL Records / JPN / XAVEL-SMS-062/063/064 /  2016

1

(Personnel)
Diana Krall (Piano, Vocals), Anthony Wilson (Guitar), Dennis Crouch (Bass),
Stuart Duncan (Fiddle), Karriem Riggins (Drums) & Patrick Warren (Keyboards)

■“Eyes Of An Angel -1st Night in Tokyo 2016-” (XAVEL-SMS-062)
Showa Women's University Hitomi Memorial Hall, Tokyo, Japan 24th February 2016
[Multiple IEM Sources + EX-Audience Source = Matrix Recording]

(Disc 1)
01. Intro
02. 'Deed I Do
03. There Ain't No Sweet Man That's Worth The Salt Of My Tears
04. Just Like a Butterfly That's Caught in the Rain
05. So Nice (Summer Samba)
06. Frim Fram Sauce
07. How Deep Is The Ocean
08. Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)
09. Temptation
10. Bass & Drums Solo
11. Temptation Reprise

(Disc 2)
01. The Look Of Love
02. I Don't Know Enough About You
03. Angel Eyes
04. California Dreamin'
05. Wallflower
06. Just You, Just Me
Encore:
07. Desperado
08. After You've Gone
09. This Dream of You
10. Ophelia

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■“Call It Madness -2nd Night in Tokyo 2016-” (XAVEL-SMS-063)
Showa Women's University Hitomi Memorial Hall, Tokyo, Japan 25th February 2016
[Multiple IEM Sources + EX-Audience Source = Matrix Recording]

(Disc 1)
01. Intro
02. 'Deed I Do
03. There Ain't No Sweet Man That's Worth The Salt Of My Tears
04. Just Like a Butterfly That's Caught in the Rain
05. On the Sunny Side of the Street
06. So Nice (Summer Samba)
07. How Deep Is The Ocean
08. You Call It Madness
09. Temptation
10. Bass & Drums Solo
11. Temptation Reprise

(Disc 2)
01. The Look Of Love
02. Fly Me To The Moon
03. A Case of You
04. California Dreamin'
05. Wallflower
06. Frim Fram Sauce
07. Just You, Just Me
Encore:
08. Desperado
09. After You've Gone
10. Ophelia

■“Heart Of A Saturday Night -3rd Night in Tokyo 2016-” (XAVEL-SMS-064)
Tokyo Metropolitan Theatre, Tokyo, Japan 27th February 2016
[Multiple IEM Sources + EX-Audience Source = Matrix Recording]

(Disc 1)
01. Intro
02. 'Deed I Do
03. There Ain't No Sweet Man That's Worth The Salt Of My Tears
04. Just Like a Butterfly That's Caught in the Rain
05. So Nice (Summer Samba)
06. On the Sunny Side of the Street
07. How Deep Is The Ocean
08. Temptation
09. Bass & Drums Solo
10. Temptation Reprise

(Disc 2)
01. The Look Of Love
02. A Case of You
03. California Dreamin'
04. Wallflower
05. Just You, Just Me
Encore:
06. The Heart Of A Saturday Night
07. After You've Gone

08. Ophelia

Tokyo3members 今回は風邪(?)による体調不良とは言え見事なステージを観せてくれた。もともと親父声の彼女であり、ハスキー部分はやや強いとは言え、かえってリアルであって聴き応えあり、演奏面は充実していてお見事。愛嬌のあることにトム・ウェイツのカヴァーが登場するところは芸人根性満点の彼女であった。

 中身は人見記念講堂における2/24と2/25の連日公演、そして舞台を東京芸術劇場に移しておこなわれた2/27の東京最終公演。
 さすがに、各日セットリストおよび楽曲へのアプローチに変化をもたせるなど、趣向を凝らして行なわれた3日全日を聴く価値十分の6CDであった。

  演奏では、まず前半は”Just Like a Butterfly That's Caught in the Rain”が味があり、”On the Sunny Side of the Street”が快調。
 ”How Deep Is The Ocean”も聴かせますね、Anthony Wilson (Guitar),Stuart Duncan (Fiddle)が好演。 こうゆうのに私は痺れるんです。
 それに続く”Temptation”がやっぱり出色ですね。今回の編成ではStuart Duncan (Fiddle)が特徴的ですが、毎回演奏の度に変化のある”Temptation”での演奏はよい役割をしている。”Temptation Reprise”の演奏はダナミックな演奏に変わって、彼女の得意の曲だけあってやっぱり聴きどころです。
 ”The Look Of Love”もアルバム版とはかなり違ったジャズ・バラード調の仕上げで面白い。
 今回のツアーの中心曲 ”California Dreamin'”、”Wallflower”、”Desperado”は手慣れた歌声を聴かせる。三日間聴くと、東京最終の三日目が一番声が出ていなかったですね、風邪ということのようで残念ながらしょうがないでしょう。多分これは大阪まで引きづったと思います。と言うところで、二日目が彼女は一番乗っていて、内容も良かったように思うので、この日に参戦した方は果報者です(笑)。

Photo4 このアルバム、初回入荷分のみ、2/27東京芸術劇場公演をプロショットでなく、オーディエンス2台のカメラにて撮影したボーナスDVD-Rが付属していた。それでもステージの様子が分かってサービス満点。

[第1夜、2/24人見記念講堂]
 テンポ快調の「'Deed I Do」からスタートした。今回のジャパン・ツアーではこの日限定となるエラ・フィッツジェラルドの「エンジェル・アイズ」やボブ・ディランの「ディス・ドリーム・オブ・ユー」が聴ける。
 久々の日本公演で、聴衆も盛り上がりのステージ。締めくくりはザ・バンドの「オフェリア」です。全体にピアノ演奏がじっくり聴けるのもライブのよいところだ。

[第2夜、2/25人見記念講堂]
 二日目のステージ。中盤のピアノ・ソロ・パートで聴きたい曲をオーディエンスから募ったりで、ライブならではの楽しいところ。リクエスト・ナンバーのジャズ・スタンダード「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」とジョニ・ミッチェルの「ア・ケース・オブ・ユー」はこの日のみの演奏。
 ナット・キング・コールのカヴァー「ユー・コール・イット・マッドネス」もこの日のみ。

[第3夜、2/27東京芸術劇場]
 三日目は池袋の東京芸術劇場にておこなわれた東京最終公演。
 特にこの日は特にダイアナの喉は不調で、人見記念講堂における連日公演と比べるとやや短めのステージ。この日は土曜日、従ってこの日のみ演奏されたハスキー・ヴォイスを生かして(笑)のアンコール曲のトム・ウェイツのカヴァー「ザ・ハート・オブ・サタデイ・ナイト」が、皮肉にも取り敢えずは最大の聴きどころでしょうかね。

(参考視聴)

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2015年5月23日 (土)

ダイアナ・クラールDiana Krall 2015年ライブ盤「If I Take You Home Tonight」

              <My Photo Album>  ~花の季節 (3)~

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           *    *    *    *

<今日のミュージック>

  2015年 WALLFLOWER WORLD TOUR より・・・・

   <Jazz>

        DIANA KRALL 「If I Take You Home Tonight」
        
Live at Providence Performing Arts Center, Providebce,
        RI, USA, March 04th 2015   /  JM-250  /   2015

Ifitakeyou
              Diana Krall : piano, vocal
              Anthony Wilson : guitar
              Dennis Crouch : bass
              Stuart Duncan : fiddle
              Karriem Riggins : drums
              Patrick Warren : keyboards

 今年の話題の一つはダイアナ・クラールのニュー・アルバム「Wallflower」でしたね。これはまさしく彼女のヴォーカリストとしてのアルバムだったと言うことで、彼女の彼女らしいピアノ・ジャズ・プレイを期待したところでは、賛否両論あったわけですが、それでもじっくりと彼女の歌声が堪能できて良かったというところです。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-aec5.html

 さてそのアルバムリリースと同時にワールド・ツアーに出た彼女ですが、このアルバムは、2015年3月4日ロードアイランド、プロビデンスのパフォーミング・アート・センターでのライブのオーディエンス完全収録盤。 

Ifitakeyoulist_2 もともと、彼女はちょっとステージでは、愛嬌不足という批判もないではないのだが、このライブの様子から言って 結構冗談話もあって、昔と違って年期も入ってきた為か雰囲気は良好である。
 
 当日の完全収録の為2枚組となっている。セットリストは左の如くで(クリック拡大)、前半は前作「GLAD RAG DOLL」から”Let it Rain”など4曲と彼女の過去のヒットや得意の曲群。特に”Temptation”はメンバーも異なるせいか、聴くごとに異なった編曲やアドリブで、彼女の得意どころで、やっぱりこの中でも演奏は冴えているし、聴きものナンバー1だ。”Let's Face The Music And Dance”や”The Look of Love”も歌い込んでいるだけあって、アルバムと違って、なかなかの仕上げ。

 後半は今回のアルバムからの曲も登場する(02, 03, 04, 08)。”California Dreamin”も良いが、こうして聴くとポール・マッカトニーの”If I Take You Home Tonight”も良い曲ですね。
 オーディエンス録音であるので、そう期待も持てるわけでも無いが、それが解って聴くところでは、それでも雰囲気は十分それなりに聴き取れるのでそう不満はない。

(参考視聴)

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2015年4月25日 (土)

ダイアナ・クラールDiana Krallの原点アルバム「stepping out」

  久しぶりに聴いてみると・・・・・これぞジャズの花

    <Jazz>

                  diana Krall 「stepping out」
               
Justin time Records / JUST 50-2 / 1993

Steppingout

         Recorded at Kingsound in North Hollywood, Oct.18-19,1992
                               Diana Krall : Vocals and Piano
                               John Clayton : Bass
                               Jeff Hamilton : Drums

 今年リリースされたダイアナ・クラールのアルバム「Wallflower」は、ジャズというよりは彼女のヴォーカル・アルバムということで、ストリングス・オーケストラも入ってのもので、いろいろと巷では賛否両論。そうはいっても彼女の独特のヴォーカルで楽しんでいる人も多かったというところだが・・・・・。
 (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-aec5.html

 さてそんな時に話題も多いので、ふと原点回帰で、もう20年以上前の彼女のスタジオ・1st・アルバムを引っ張り出して久々に聴いてみると、”おおそうだったか”と、懐かしく彼女のジャズを手に取るように感じられて、結構納得しているのであります(笑)。

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 当初あまり気にしていなかったんですが、彼女の人気を最高潮に押し上げた John Clayton のBass、 Jeff Hamilton の Drumsが、もう既にこの時からフィーチャーされていたんでしたね。そして彼女のピアノよるトリオ演奏が、オーソドックスな展開で、非常に聴きやすいものであった事を今ここで再認識しているのです。

 このアルバムは1993年にリアルタイムに私は聴いたのではなく、彼女の存在は3rdアルバム「All for you」のグラミー賞のエントリーで知ったわけで、その後5thアルバム「When i look in your eyes」で彼女のスタイルが確立して、そのあたりからファンとなったということで、アルバムは軒並み当時手に入れた。・・・・と言うことは1990年代の後半になる頃に多分初めてこれを聴いたと言うことですね。その後ヒット・アルバムが立て続けに出ているので、むしろこのアルバムは意外にあまり聴かずに棚に収まったままでいたと言っても良い状況であった。
 参考までに、彼女のスタジオ・アルバムを並べてみると、こんなところで(↓)12枚になる・・・・「Wallflower」は12作目ということになりますね。

①-Stepping Out 1993
2-Only Trust Your Heart 1995
3-All for you : A dedication to the Nat King Cole Trio 1996

4- Love Scenes  1997
5- When I look in your Eyes  1999
6- The Look of love  2001
7- The Girl in the other room  2004
8- Chrismas songs  2005
9- From this Moment on  2006
10- Quiet night   2009
11- Glad rag doll  2012
12- Wallflower  2015

(参照)①http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/diana-krall-54f.html
 
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/diana-krall-6df.html

Steppingoutlist_2
さて収録の12曲は左のようなところだが、曲の合間に演奏部分をたっぷり取ったり、又4曲はインストメンタルもので、結構トリオ演奏を重要視しているアルバムだ。そんなところに今となっては初々しいダイアナのヴォーカルが乗ってくる。彼女は1964年生まれであるので、当時28歳と言うことになるが、それにしては堂々たるものであるし、9曲は彼女のアレンジによる演奏であった。

”This can't be love” Claytonのベースに乗って彼女のピアノも快調にリズム・カルでちょっと一時代前の感はあるが楽しいジャズを展開。こうして聴いてみると当時の方がやっぱり現在の親父声よりは女性らしい声ですね(笑)。

”Between the devil and the deep blue sea”はヴォーカルなしのトリオ演奏で楽しい。
 
”Body and soul”は、スロー・バラードで、ピアノの響きもなかなか叙情的。
 
”Jimmie”は彼女のオリジナル曲。これがなかなかベースはアルコ奏法で聴かせてくれるしっとりとした曲。もちろん彼女のピアノも哀愁があって良い。

とにかくこのアルバムは、曲の配列もヴォーカルものインストものと織り交ぜながら、テンポの配慮も旨くなかなか配列が上手な出来が良いものである。

ダイアナ・クラールのかっての本来のジャズものも、最近作アルバム「Wallflower」の反動で、聴きたくなることもあって、ふと思い出してこうして取り出して聴いてみると、今にしてこれらのアルバムの価値観を感じますね。

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  更に2ndアルバム「Only trust your heart」(←)のジャズ路線も思こすことになるのだが、このアルバムでは、アルバム・タイトル曲”Only trust your heart”(Benny Carter,Sammy Cahnの曲)のピアノ・プレイはムードたっぷりで、私の好み。

 こうして原点回帰してみると、やっぱり彼女の本格的ジャズ・アルバムを次回は期待したいと思うところに至るのですね。

(試聴)

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2015年2月 3日 (火)

ロツク心をくすぐってくれたダイアナ・クラールDiana Krall の新譜「wallflower」

これは私にとってのロック史礼賛盤だ~お見事!!?

      <Rock, Jazz>

         Diana Krall 「wallflower」
         Verve / US / 0602537866854 / 2015

Wallflower

 出る出ると言いながら、なかなかリリースされなかったダイアナ・クラール(1964年カナダ生まれ、本名"Diana Jean Krall")のニュー・アルバムだ。前作のオールド・ジャズへのアプローチと打って変わって、なんと嬉しいことに歴史的ロックのオンパレード。私は1970年代よりジャズにもメジャーなものには足を入れていたとは言え、どちらかというとロックの歴史と流れてきた人間にとっては、彼女のアプローチは嬉しいかぎりだ。
 さて、今回はプロデュサーはグラミー賞受賞においては数多くの経歴のあるデヴィッド・フォスターということで、彼の編曲も冴え渡り、なかなか大衆的なダイアナ・クラールを堪能できる。(彼女については何度も取り上げているので、そちらを参考に ↓)
① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/glad-rag-doll-4.html
② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/diana-krall-54f.html

 とにかく彼女は重症の肺炎を昨年患って、その為かこのアルバムも数ヶ月遅れでの登場であった。今はとりあえず回復しているようで何はともあれ良かったというところだが・・・。

<tracklist>は下のようで、1960年末から1970年代を中心に、ロックの歴史を語るがごとく選曲となっており、参考までに、以下に曲の出所とその年代を記しておく。

M1) 「California Dreamin'」 from Mamas & Papas 『If You Can Believe Your Eyes & Ears』(1965)
M2) 「Desperado」 from Eagles 『Desperado』(1973)
M3) 「Groupie (Superstar)」 from Delaney & Bonnie 『D & B Together』(1969)
M4) 「Alone Again (Naturally)」 from Gilbert O'Sullivan 『Singer & His Songs: Very Best Of』(1972)
M5) 「Wallflower」 from Bob Dylan 『Another Self Portrait 1969-1971: Bootleg Series 10』(1971)
M6)  「If I Take You Home Tonight」(Paul McCartoney)
M7) 「I Can't Tell You Why」 from Eagles 『Long Run』(1979)
M8) 「Sorry Seems To Be The Hardest Word」 from Elton John 『Blue Moves』(1976)
M9) 「Operator (That's Not The Way It Feels)」 from Jim Croce 『You Don't Mess Around with Jim』(1972)
M10)「I'm Not In Love」 from 10cc 『Windows In The Jungle』(1975)
M11)「Feels Like Home」 from Bonnie Raitt -O.S.T. 『Michael』(1995)
M12)「Don't Dream It's Over」 from Crowded House 『Crowded House』(1986)
M13)「In My Life」 from The Beatles 『Rubber Soul』(1965)
M14)「Yeh Yeh Featuring Georgie Fame」 from Georgie Famee & The Blue Flames 『20 Beat Classics』(1965)

M15) Sorry Seems To Be The Hardest Word - Live From Paris France
M16) Wallflower - Live From Paris, France

Wallflowerdk
 いやはや、ダイアナ・クラールに歌わせると全曲バラードと化して、一層懐かしさが心にしみ込んでくる。
 アルバム・タイトル曲の 「Wallflower」はボブ・ディランの曲で、このアルバムのデラックス版はライブ録音ものも登場する。
 そしてこのアルバムではイーグルスが2曲「Desperado」 、「I Can't Tell You Why」が登場する。ここで私の好きな 「言い出せなくてI Can't Tell You Why」を選んでくれたのは嬉しいですね。
 もちろんビートルズも登場するが、なんとポール・マッカートニーの新曲も入る(「M6」)。
 とにかくエルトン・ジョン、10cc、クラウデット・ハウスなどなど・・・・。
 そしていくらダイアナ・クラールが親父声とは言え、おかしいなぁと思ったら、マイケル・ブブレイとブライアン・アダムスとのデュオが2曲入っている(「M4」、「M11」)。「M13」-「M14」の4曲は、デラックス版のボーナス・トラックス。

Diana_montreal2
  さてこのアルバム・タイトルの「wallflower」と言うのは、”パーティの主役になれず、壁際にポツンと咲く花になっているような女性の意”ということだが、まさに花形の彼女には似つかわしくないが、そこがむしろ味のあるところなのか?はた又、彼女自身にそのような感覚がどこかにあるのか?・・・、フォスターのトリックか?、ちょっと興味があるところ。

 とにかくここでダイアナ・クラールが、私のような老骨を泣かせてくれるとは、まさに意外であって感激の一枚であった。しかしまあジャズ・ファンは、ちょっとスウィングする世界とは違っていることと、彼女のピアノ・プレイが聴けないことが物足りないかもしれないが(実はその点は私も少々そんな感じを持つのでした)、今回はお許しいただこう。

 なおデラックス盤では、DVD付きもあり彼女のライブ3曲の映像版(「Sorry Seams to be The Hardest Word」、「Case of You」、「Wallflower」)。

(試聴)

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2014年5月24日 (土)

ダイアナ・クラールDiana Krall 2013年ライブ映像~「Netherlands 2013」

”グラッド・ラグ・ドール”ツアーのロッテルダム「north sea jazz」映像

<Jazz>
(DVD) Diana Krall 「North Sea Jazz ~Netherlands 2013」

Northseajazz2013

 ダイアナ・クラールの古きよき時代を彼女なりきの解釈で描いた2012年のアルバム「グラッド・ラグ・ドール」。そのリリースに伴っての2013年ツアー、オランダ・ロッテルダムでの「ノース・シー・ジャズ・フェス」の模様が記録されたブートものとはいえプロショットの良好映像版である。

 そもそもあのアルバムは彼女の一つの挑戦であったと思うが、ちょっと私の期待は裏切っていた(参照 : 「GLAD RAG DOLL」~2012)。しかしこうしてステージを観てみると、がらっと印象は変わってくるから恐ろしい。やはりライブの魅力はジャズの醍醐味なんでしょうね。

North(members)

Diana Krall (vocals, piano)
Stuart Duncan (viola, guitar)
Aram Bajakian (guitar)
Patrick Warren (keyboards)
Dennis Crouch (double bass)
Karriem Riggins (drums)

 彼女の演奏としては、今までにない構成だ。ビオラ、キーボードが加わっての6人編成。いつものギタリストAnthony Wilson に変わって、Aram Bajakian が演ずる。そんなところもフレッシュな印象がある。しかし彼女の近年のピアノ・プレイはその充実度は増すばかりで、熱演を今回もしてみせる。そしてハスキーな歌声は、相変わらずの一種独特の魅力を発揮するダイアナ・クラール・ワールドだ。

(Setlist)
1.We Just Couldnt Say Goodbye*
2.There Ain't No Sweet Man That's Worth The Salt Of My Tears*
3.Just Like a Butterfly That's Caught In The Rain*
4.Everything's Made For Love
5.Let It Rain*
6.Temptation
7.Peel Me A Grape
8.Frim Fram Sauce  9.A Man Needs A Maid / Heart Of Gold
10.I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
11.How Deep Is The Ocean?
12.On the Sunny Side Of The Street
13.Lonely Avenue*
14.Just You, Just Me
15.I'm A Little Mixed Up*
                 (TOTAL 1h18min)

 オープニングはアルバム「GLAD RAG DOLL」と同じにHarry M.Woodsの”We Just Couldnt Say Goodbye”。かっての懐かし華々しさのジャズ・ムードが展開する。このステージではアルバムから*印の6曲が登場するが、やはりビオラの音などが入って、彼女の今までになかった世界への挑戦が見て取れる。しかし無声映画の時代の曲”Let It Rain”はしっとりと歌い上げてなかなかいいムード。
 その後は、彼女の得意のレパートリーの”temtation”だが、このメンバーのギターのBajakian始めそれぞれの熱演で、かってと印象が変わってリズミカルで面白く仕上がっていて聴きどころ。彼女のピアノ及びキーボードを操ってのアレンジは過去にも増して熱演で聴かせる。これはロックの愛好家にも聴いて欲しい仕上がり。この曲だけでもこのステージは大いなる価値があったことが窺える。
 この後4曲は彼女のピアノ・ソロとヴォーカルで楽しませる。そしてその後再びメンバーが揃ってPaul Whiteman のカヴァーの”How Deep Is The Ocean?”を演ずるがこれまたムーディーな良い味が出ていて彼女の真骨頂。更にアルバムからのレイ・チャールズのヒット曲”Lonely Avenue”が、彼女の解釈で見事に現代の負の部分を感じさせるべく印象を与えてきて、ダークな中に感動を呼ぶ熱演、これは名演と言ってもいいのではと思う。いっやーー、やっぱりライブは良いですね。
 こうしてライブ演奏を見てみると、この私の否定的であったアルバム「GLAD RAG DOLL」もなかなか興味あるものに感じてきた。

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2013年11月26日 (火)

ダイアナ・クラールDiana Krall ~「2010 Montreux Jazz Fes.」映像

やっぱり一味違う洗練されたプレイ

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<Jazz> Diana Krall 「SWITZERLAND 2010」(DVD)

2010 これはブートDVDの話です。その成り立ちが不明であるところが面白いブートBootlegですが、それにしては画像が綺麗で、マルチ・カメラのプロショット、音声も悪くない。こうゆうのはテレビ放映が材料なのか、その点は解らないが、いずれにしてもこうしてステージ・プレイが見れるところは嬉しいもの。

 これは2010年の「Montreux Jazz Festival」からの映像盤。彼女の2012年のアルバム「GLAD RAG DOLL」があまり面白くなかった為か、このところ話題が少ないので、次作への繋ぎを探っていて手にしたDVD。そろそろライブ・アルバムでも結構なのでニュー・アルバムを期待しているところであるが、まあこうしたライブDVDでもお茶を濁している私なのである。
 これは約50分ものであるが中身は意外と濃い。登場Listはこんなところ(↓)。

  1. Jockey full of bourbon
  2. Just found out about love
  3. Wide river cross
  4. Simple twist of fate
  5. Cheek to cheek
  6. Walk on by

20100713_as_diana_krall_lf_0003


 三年前のプレイになるが、このスイスのジャズ・フェスティバルも、もう押しも押されぬ名フェスとなっていて、出演者の錚々たるところを誇っている。この年はHerbie Hancock, Pat Metheny, Buddy Guy そして Katie Meluaなども参加していた。

 ダイアナ・クラールはElvis Costello と共に7月13日に登場。そしてAnthony Wilsonのギター、 Robert Hurstのベース、Karrien Regginsのドラムスなど、既に息の合ったプレイをみせる。映像でも解るが、ピアノ・タッチの軽快さ、ヴォーカルの隙のなさにベテラン・クラスの演奏にはやっぱり彼女なりきの味があって、見ていると楽しさが倍増する。いっやー、いつ見ても彼女のピアノ・プレイと親父声といわれるところのヴォーカルはいいですね。

 さて、ここでちょっと話はかえて、まずブートといってもちょっと気になるのがこのジャケで、写真はここに載せた最初のモノを使ったのでしょうが、タイトルの”Switzerland 2010”とあるべきところが、ご覧のように”z”が抜けていて・・・こりゃ何でしょう?(笑)、このあたりがブートのブートらしい楽しさでもある。
 そしてもう一つはこの50分の映像モノは、YouTubeにて全て見れるもの(こちらも良好映像)。そのあたりが笑ってしまうわけで、どちらがどうしたのかは知りませんが、是非とも参考にしてください。まあ多分この映像は、テレビ放映当たりがその元ではないかと思いますが、そんなブートとYouTubeの映像の出所なども想像しながら鑑賞すると一晩しっかりと潰せますので、どちらかでどうぞ。

(視聴)http://www.youtube.com/watch?v=ttF45s-Ikb8

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2012年11月 8日 (木)

賛否両論のダイアナ・クラールの新譜 「GLAD RAG DOLL」

まあ、そう売れるアルバムではないでしょうね

 遅まきながら ダイアナ・クラールDiana Krall のニュー・アルバム考察だ。遅れたのは内容の解らないときから、珍しく私としては日本盤のデラックス・エディションを注文し、DVD付き、ボーナス・トラック付きを狙ったためである。既にもう最近は評価が2分していて、一般に不評な声を多く耳にしていた事や、ちょっと耳に入る曲を聴いたところでは、どうも飛びつくほどの世界ではなさそうだと思っていたので、今回は全く期待しないでこのニュー・アルバムに接したという次第。

DIANA KRALL 「GLAD RAG DOLL」
UNIVERSAL MUSIC  ,   UCCY-9445  ,   2012

Gladragdoll

 しかし今回は大胆なポーズのジャケですね。近年のDVDで見た映像はかなり太ったかなぁ~と思いきや、なんとこのジャケ写真を見ると立派なプロポーション。・・・・と、そんなことはよいとして、彼女としては久々のアルバムのリリースで、実は大いに期待していたというのが偽らざるところ。しかし、既に感想はいろいろなところに聞こえてきたが、ひどいのは”こんなアルバム買わなきゃよかった”なんてのもある。

 プロデューサーにT・ボーン・バネットと聞いたところで、若干不安になったのですが、やっぱりと言うか案の定と言うか、我々ダイアナ・クラール・ファンの好む世界と歴然と違っていたことは事実であろう。

Gladragdolllist  全13曲、それもアメリカン・ルーツ・ミュージックの世界とくるから始末が悪い。つまり彼女には都会的な洗練されたジャズをファンは多分期待していると思うから、そのギャップはなかなか埋まらない。

 そして彼女にはピアノ・プレイの醍醐味が付いているが、どうもそれも今回は棚上げ、どちらかというとヴォーカリストにウェイトがある(このあたりは、先日取り上げたイリアーヌ・イリアスは、今回はヴォーカル抜きのピアノ・プレイで勝負し好評というのとは全くの逆)。
 もともと”親父声”とまで言われる低音の太めの男っぽい声は魅力と言えば魅力だが、そううまい唄というほどでなく、むしろその当たりが逆に魅力になっていた彼女であり、ここでそれをどう生かしたか?というのも焦点であろう。

  案の定、中身は多彩と言えば多彩。そしてアメリカのルーツに泥臭く迫ってゆくというダイアナ・クラール自身の希望はかなり達成されたのではないか?。とにかくブルース、カントリー、R&B、ロカビリーなどなどのオンパレード。それだけ統一感がないが、古き良き時代の雰囲気は伝わってくる。
 特に”you know-i know ev'rything's made for love”は、まさにギターそしてピアノのサウンド更に曲の展開は、西部劇に出てくる酒場ですね。
 なんとかアルバム・タイトルの曲”grad rag doll”はダイアナらしいバラードが聴ける。他にこれはと思ったのは”Lonely avenue”かなぁ、これは面白く仕上がっていて、ちょっと注目。

Diana1_2  しかし、近年確かにマンネリ感のあった彼女のアルバムも、ここに来てこれは転機の傑作なのか?、それともブーイングで、この次には又元に復帰してゆくのか?と・・・興味は尽きないと言えばそんなところでもある。
 ただ、多分このアルバムは売れないでしょう、それは彼女のファンは、このタイプを求めてはいないというのは歴然とした事実だと思うからである。しかしこうゆうアルバムをリリース出来る彼女の人気は恐ろしいとも言える。

 更に、このデラックス・エディションのDVDは、中身はお話しであまり意味が無い。T・ボーンが”これは、オールド・ファッションな音楽をやったのでなく、新たなファッション”と言っているが・・・・果たしてそうであろうか?。皮肉にも、ボーナス・トラックの方が、ダイアナ・クラールを聴いたという感じになった。

(試聴)   ① http://www.youtube.com/watch?v=qNoMtPplJKw
            ② http://www.youtube.com/watch?v=vJY8ix3MH3E

Pa081979monoblog
(ポーランド・ワルシャワにて    2012.10)

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2010年10月11日 (月)

ダイアナ・クラール Diana Krall : 好録音の SACD盤検証

9枚のアルバムで、4枚にSACD盤のリリース

 名演もその録音が悪いと興ざめである。しかし、そうした意味ではロック系よりは明らかにジャズ畑ものは録音にもそれなりに力が入っているものが多い。従って古いアルバムでもそのマスター・テープから現在の技術を駆使して好録音盤がリリースされていることは嬉しいことだ。
 そんな意味でもダイアナ・クラールのアルバムは、時代も古くないこともあるが、どちらかというと良好な録音が多い。しかもSACD盤も私の知る限りでは(手持ちの)4枚リリースされていてVerveの努力を評価したい。
 そこでその4枚の音の世界を検証をしてみる。ご存じのとおり、SACDと言えども、その中にステレオものとサラウンドものがあり、更に普通のCDとしても再生可能なハイブリッド・タイプもある。

Lovescenes ①「LOVE SCENES」 SACD:Hybrid type IMPULSE B0002841-36 , 2004  , (Original Release 1997)
 このアルバムは、ドラムス抜きの3人の構成。(Diana Krall-piano, lead vocal , Russell Malone-guitar , Cristian McBride-bass)
 ジャズのスタンダード集といっていいが、この小編成がなかなかリアルな音を聴かせる。ベースとともにダイアナの声も見事に録音されている。そしてホール感もあって手頃。ただし不思議なのは3者全てが中央から聴こえてくる。サラウンド再生でもホール感の強調のみ。



Whenilookinyoureyes ②「WHEN I LOOK IN YOUR EYES」 SACD VERVE 440 065 374-2 , 2002  , (Original Release 1999 )
 このアルバムはRussell Malone のギターをはじめ、John Clatton のベースなど、ドラムス、オーケストラと編成は多彩。ダイアナのピアノ、ヴォーカルも冴え渡る。
 比較的古めのジャズ曲をうまく現代風に演奏してみせる。サラウンドの音はリスナーを包み込むように構成され、楽器の配置も分離している。
 

Thelookoflove ③「THE LOOK OF LOVE」 SACD: Hybrid type VERVE 314 589 597-2, 2002, (Original Release 2001 )
 スタンダード・バラード・ナンバーをどちらかというと少々おしゃれに歌いこなすアルバム。オーケストラの音からスタートして豪華。このあたりから彼女のアルバムはジャズというよりはポピュラーと言った方がいいかもしれない。ボサ・ノヴァのラテン・タッチが魅力。昔セルジオ・メンデスでお馴染みの”the look of love”も、なかなかお洒落に変身。
 

Thegirlintheotherroom ④「THE GIRL IN THE OTHER ROOM」 SACD: Hybrid type VERVE B0002293-36, 2004 , (Original Release 2004 )
 このアルバムでは、ダイアナ彼女自身と亭主のElvis Costello とでのオリジナル曲が全編を主に支配している。オーケストラは無いが、ギター、ベース、ドラムスとの組み合わせに味のあるJazzyなアルバムに仕上がっている。彼女のピアノとヴォーカルも生き生きとして味がある。録音は分離、ホール感も見事。サラウンド効果も十分で、それぞれの楽器のダイナミックレンジも伸びている。オーケストラの無い分だけ、再びジャズ色が濃くなった。

 
 さて、そのアルバムの内容の出来はそれぞれの評価があろうかと思うが、この中でもやはり Origonal Release が古いほど、ジャズっぽさは濃い。彼女のアルバムは年代を経てポヒュラーな曲仕上げになってきていることは周知の通りだ。

 さて、ここではその演奏内容は別として、録音の出来とSACDとしての出来の良さに注目してみると上記アルバムに付けた注釈に現れているように、とにもかくにもベスト録音盤は④の「THE GIRL IN THE OTHER ROOM」である。特にサラウンドが見事、ただ四方から音が来るというのでなく、部屋の中央でどちらを向いて聴いても、それぞれの楽器が生き生きと定位置から聴こえてくる。彼女のヴォーカルも手に取るように繊細な部分までしっかり聴ける。こうした録音盤を聴くとやはりオーディオって良いものが欲しくなりますね。

 取り敢えず、4枚の順位です。
  1(Best)  「THE GIRL IN THE OTHER ROOM」
  2     「WHEN I LOOK IN YOUR EYES」
  3     「LOVE SCENES」
  4     「THE LOOK OF LOVE」
                        ・・・・・・・と、私の装置と耳ではこうゆうことになった。(参考までに)
 

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2010年7月18日 (日)

”スーパー・オーディオ CD (SACD)”の出現から10年経ったが・・・ 

Audio界はどう捉えているのか??

 私は非常に期待したものの一つは、 Super Audio CD (SACD) であった。確か1999年にソニーとフィリップスによってその規格が定まってスタートしたと記憶しているが、さて既に10年以上も経過したわけである。(対抗馬としてはDVD-Audioもある)

Sacdjazzsampler「CONCORD JAZZ SUPER AUDIO CD Sampler」Concord Records, SACD-1032-6 , 2003  (左)
 このCDは、SACDでマルチチャンネル録音、そしてHybridタイプもの(CD録音との2層もの)のサンプル盤として宣伝用に出現したもの。こうしたもののによって大いに刺激されたものだ。

 しかし私の印象としては、SACDと言っても、殆ど”知る人ぞ知る”といったところで、若い人に話しても”何、それ?”と言われてしまう。そんな訳であるから、当然売れ行きは芳しくない。最近はCDそのものの売れ行きも決してよいとはいえない。ネットを使って音楽配信を受けたり、CDなど買う場合もネット販売によることが多く、いわゆる街の「レコード店」なるものも繁盛していない。そしてその店の数も激減している。
 さらにSACDをきちんとそろえて売っている店もあまり見ない。つまりSACDは売れていないのである。そんな訳で私の期待のSACDは、相変わらずタイトルの数も少ないし、従って値段も高い(一枚4500円なんて当たり前と言った感じ)。
 一方画像を中心としたDVDの世界では、このところBD(ブルー・レイ・ディスク)は意外に順調に伸びている印象だ。このところ地上デジタル放送が広がり、薄型テレビの普及によりハイビジョン映像が主流になりつつあり、それに伴って良質な画像を期待するようになったためかも知れない。3Dという新戦略もあるが、このあたりはまだまだといったところか。

 さて話は戻るが、それでも私の弱体オーディオ装置でも、少しでも良い音で音楽を聴きたいという気持ちは今でも続いている。その為、SACDにも少しは頑張ってもらって欲しいものと期待しているのである。
 現状ではCDのリリースされる中では、やはりSACDは、クラシック、ジャズ系に主力がある。つまりマニアのものという世界の印象である。そしてその出来具合が多様というか、つまりよいものもあるが、期待はずれも結構多くある。そのあたりも値段が高い割には満足できずに、そしてユーザーも増えないのだろうか。

Miles 「MILES DAVIS / IN A SILENT WAY」 SONY Records SIPG29 , 2002

 このタイプは1969年もののJAZZ名盤を、現在になってマスター・テープからDSD(Direct Stream Digital)録音したもので、マルチチャンネル盤(5.1ch)に作り上げていて、そんな古い録音とは信じられないほどの音質を確保している。
 まさにマイルス・デイビスをこの2000年代によみがえらせているのである。このタイプのSACD盤は大いに我々には意義あるものとして受け入れられる。

Pinkfloyd「Pink Floyd / THE DARK SIDE OF THE MOON」 EMI Records TOGP-15001 , 2003

ロックものも少しずつSACDのリリースが現在も続いている。このピンク・フロイドの代表作(1973年)は、2003年に、やはりSACD・HYBRIDマルチ・チャンネル盤(5.1ch)としてリリースされた。これはいかにもマルチものと言ったところで、各楽器が四方から分離して出てくる。昔の4チャンネルものを思わせる造りだ。このあたりは好みが分かれるところ。しかしこれも30年前のマスターからのDSDmixingされたもの。それでもここまで音がだせるのであるから当時の録音も馬鹿にしたものでない。

Dianakrall 「Diana Krall / THE GIRL IN THE OTHER ROOM」 VERVE B0002293-36 , 2004

 このあたりにくると、既にSACDを考えての録音をしているし、SACD Surround Sound ,SACD Stereo, CD audio (Hybridタイプ)といった造りである。単に周囲にバック・バンドの楽器配置をとるのでなく、ホール感を生かしての録音。そしてダイアナのヴォーカルとピアノを中央に配して、左右にギター、ドラムス、ベース。その音のダイナミック・レンジの広さは見事で、ほれぼれする録音である。まさに聴くものを演奏の中に引き込んでゆく。 こうした造りをしてくれるとSACDの良さをつくづく感ずることになる。まさにダイアナのJazzyな世界を堪能できる良盤である。

Shostakovich 「Vladimir Ashkenazy / Shostakovich : Symphony No.5 in D minor Op.47  」 EXTON OVGL-00009

クラシックものはさすがにSACDが多い。これは日本の東京・サントリー・ホールでの録音。いわゆるマルチものでなく、ステレオ・タイプのSACD盤。そしてCD盤も同時に別に発売している。
 つまりSACDに対応した装置のみにての再生可能盤である。クラシック愛好家用であるからHybridタイプにしなくとも売れるということか?、このタイプがクラシックものには多い。
 この盤は、さほどSACDとしての魅力は少なかった。そのあたりは、我々にとっては価格が一般CDより高いので、不満が残るところ。

 数枚のSACDを紹介したが、特にマイルス・デイビスのSACD化はこれ以外のものもあるが大歓迎。ダイアナ・クラールの盤はお見事で、これからもこのタイプを望みたい。クラシックものは最近小澤征爾ものがどんどん出ているが、既にSACDの歴史も10年以上となり、この分野は買い手は音に関心も高いので、そんなに弱みにつけ込まないで、もっと値段をCDに近いものとしてリリースして欲しいところだ。
 SACDの歴史から、もっと普及して欲しい希望を込めつつ雑談をしてみた。

 

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