女性ヴォーカル

2020年9月13日 (日)

チャンピアン・フルトン Champian Fulton 「BIRDSONG」

アメリカン・ジャズの良さをしっかり演ずるアルバムだ


<Jazz>

Champian Fulton 「BIRDSONG」
CHAMPIAN RECORDS / IMPORT / CR003 / 2020

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Champian Fulton (piano) (vocal on 01, 03, 04, 07, 08, 09, 10)
Scott Hamilton (tenor saxophone except 05, 06)
Hide Tanaka (bass)
Fukushi Tainaka (drums)
guest:
Stephen Fulton (Champian's father) (flugelhorn on 02, 08, 09, 11)

Recorded Sept.24,2019 at Samurai Studios, Queens, NY.

  NYシーンで活躍し、ピアニストであり歌手でもあるチャンピアン・フルトン(1985年オクラホマ州ノーマン生まれ)の、今回は、チャーリー・パーカー生誕100周年に因んだパーカー・トリビュート編(チャンピアンのヴォーカルは11曲中7曲に登場)で、スコット・ハミルトン(ts)を迎え、更にシャンピアンの父スティーヴン(flh)もゲスト参入するというジャズ演奏も楽しめる自主制作盤。
 アルバムは結構多いのだが、私が前回ここで取上げたのは、結構アメリカン・ジャズの良さを感じた『After Dark』(GSR022/2016) であった。

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(Tracklist)

01. Just Friends 7:14 (J. Klenner & S. Lewis / April Music Inc.)
02. Yardbird Suite 6:36 (C. Parker / Atlantic Music Corp.)
03. This Is Always 5:32 (H. Warren & M. Gordon / Four Jays Music Pub.)
04. Star Eyes 5:40 (D. Raye & G. de Paul / April Music Inc.)
05. Quasimodo 5:07 (C. Parker / Songs of Universal Inc.) (p-b-ds trio)
06. All God's Chillun Got Rhythm 4:49 (G. Kahn, W. Jurmann & B. Kaper / April Music Inc.) (p-b-ds trio)
07. Dearly Beloved 4:46 (J. Mercer & J. Kern / Universal - Polygram Intl. Pub. Inc.)
08. Out Of Nowhere 5:06 (J. Green & E. Heyman / Sony ATV Harmony)
09. If I Should Lose You 7:22 (R. Rainger & L. Robin / Sony ATV Harmony)
10. My Old Flame 5:00 (S. Coslow & C. Midnight / Sony ATV Harmony)
11. Bluebird 9:25 (C. Parker / Atlantic Music Corp.)

 ピアニストとしても実績のあるチャンピアンだけあって、全曲彼女のアレンジメントと言うことのようだ。所謂、アメリカン・ジャズの世界で、ヨーロッパ系の哀愁という世界では全くなく、バップ&ブルースの伝統的流れに乗ったピアノや、心地よい刺激の無い包み込んでくるようなテナー・サックス、そしてどちらかというとスリリングというような刺激の無いハートウォーミングなコンポ演奏展開。全体的演奏の流れは結構小気味の良いところもあって、スウィング感たっぷりのジャズの醍醐味はちゃんと持っている。

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 又彼女の歌声は、中高音が主体のしっとりさのある情感の豊富なところにある。ただし残念ながら声の質は、これは感覚的なモノで致し方の無いところだが、私個人的な好みとは若干違ったところにあるのは、前作でも感じたところだ。
 しかしM3."This Is Always "、M10."My Old Flame"に聴けるしっとりさはある歌い込みは、テナーの調べやベースとの協演に、暗さの無い情感たっぷりのジャズの良さを十分感じ取れる。これはハミルトンの効果たっぷりというところも感ずるのだ。
 M5."Quasimodo "M6."All God's Chillun Got Rhythm"は、インスト曲で、スウィング感たっぷりの軽快なピアノ・プレイや早弾きを披露していてこれもジャズの標準的良さを聴かせてくれる。そしてM7."Dearly Beloved"では、語り聴かせるようなヴォーカル、リズムカルなヴォーカルとの取り合わせが見事。
 とにかく、M1."Just Friends "、M9."If I Should Lose You " など、小ホールで、ゆったりと安らぎながら一夜を過ごすには、なかなか良い気分にさせてくれるジャズの典型の歌と演奏である。
 
 私自身は、ジャズにおいて欧州系のリリカルな演奏を好むのだが、時にこのようなしっとり、マイルド系のアメリカン・ジャズもいいものだと聴くのである。

(評価)
□ 演奏・歌  85/100
□ 録音    80/100

(視聴)

 

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2020年9月 8日 (火)

シモーネ・コップマイヤーSimone Kopmajer 「My Wonderland」

懐かしい曲を思いがけなく取上げていて、ホッとして聴ける

<Jazz>

Simone Kopmajer 「My Wonderland」
Lucky Mojo Records /  EU  / LMR201 / 2020

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Simone Kopmajer (vo)
Terry Myers (sax)
Paul Urbanek (p)
Martin Spitzer (g)
Karl Sayer (b)
Reinhardt Winkler (ds)

 オーストリア出身の歌姫、シモーネ・コップマイヤー新作。彼女を取上げるのは2年ぶりだが、なかなか充実度が上がっている。
 彼女は1981年生れで、アルバムは2003年以来、『Romance』『Moonlight Serende』などがあって、2018年に『SPOTLIGHT ON JAZZ』とリリースしてきている。
 今回のアルバムでは、彼女のオリジナル新曲、4曲が聴ける。そしてとジャズとボッサのスタンダーズ、更に驚きはサンタナの懐かしのヒット曲やバート・バカラックの曲などが取上げられている。
 難しく凝っていなくて、あのプリティーなヴォーカルを生かして、円熟した歳となって充実度が増した曲作りが、安心して聴けて好感度は高い。

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1 My Wonderland *
2 Voce E Eu (You And I)
3 Something New *
4 A Man And A Woman
5 Why Don't You Do Right
6 Caravan
7 A Tinge Of Yellow *
8 In A Mellow Tone
9 Europa (Manana)
10 So Danco Samba
11 Raindrops Keep Falling On My Head
12 A Trembling Moon (Clair De Lune) *
(*印 オリジナル曲)

 歳相応に円熟した大人の味が加わって来た中で、もともとのプリティーな彼女の持ち味がどの程度残っているのかと思いながら聴いたわけだが、やはりその特徴は失われてはいない。しかし究極は大人のジャズに仕上げていて、しかもポップス様の味付けがあって、非常に聴きやすい。 
 あまり力が入っていなく、ちよっと洒落た味を加えた歌というところで、いわゆる和みのボーカル・アルバムというところだ。

 彼女のオリジナル曲も、変な癖も無く聴きやすいが、なんと言ってもM4."A Man And A Woman 男と女" が、久しぶりに聴けて良かったですね。これもあまりジャズっぽくなくてこんなところでいいと思ったところだ。
 なんと言っても驚きはM9." Europa (Manana) 哀愁のヨーロッパ"のサンタナのヒット曲が登場したところですね、あのギターの音色が日本中で受けた曲が、これがジャズ・ヴォーカルに、と言うだけで驚きですが、挑戦したところに評価しましょう。
 M6."Caravan"も驚きました。ヴォーカルものとしては珍しいでしょう。なかなかこのアルバムでは一弐を争う出来で、お見事と言っておく。
 とにかくポピュラーなバカラックのM11." Raindrops Keep Falling On My Head"なども登場して、肩の凝らないアルバムであり、ジャズ世界としてハイレベルと言うモノでは無いが、嫌みが無く聴きやすいヴォーカル・アルバムとして歓迎したところだ。

(評価)
曲・歌  85/100
録音   80/100

(視聴)

 

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2020年9月 3日 (木)

ケイト・ウェイディー Kate Wadey 「Moon Songs」

サポート陣が洗練されていて、艶やかさのある温かいヴォーカルが生きている

<Jazz>

Kate Wadey 「Moon Songs」
KATEWADEY.COM 自主制作盤

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Kate Wadey (vocal)
Peter Koopman (guitar except 3, 6, 7, 8)
Harry Sutherland (piano except 2, 5, 8, 9)
Samuel Dobson (bass except 5, 7, 8)
Tim Geldens (drums except 5, 7)

 

  これも私にとっては初物です。シドニーを主たる拠点として活躍するオーストラリアの女性歌手:ケイト・ウェイディーKate Wadeyの2019年リリース盤。ギター、ピアノ、ベース、ドラムの伴奏による本人自主製作のセカンド・アルバムである。
 先日も、同じオーストラリアの寺島靖国推薦の初物女性歌手のキンバ・グリフィス・セプテット Kimba Griffith Septetを紹介したが、このケイト・ウェイデイーは、それに比較すると、ちょっと注目度は高いですね。なんと言ってもジャズを演ずるに既に味がある。曲も洗練された世界に出来上がっている。それはベーシストのサムエル・ドブソンの支えが大きいようだ。そんなことで自主制作盤とはいえジャズ・ヴォーカル・アルバムとして良い線を行っているので、ここに取上げるのである。

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(Tracklist)

1. There's A Lull In My Life
2. The Moon Song
3. East Of The Sun (And West Of The Moon)
4. Just When We're Falling In Love
5. These Foolish Things (vo & g duo)
6. Lover, Come Back To Me
7. Early Autumn (vo & p duo)
8. Goody Goody (vo & ds duo)
9. Nobody Else But Me

   まずなんと言っても、バック陣の演ずるジャズが、ブルージーな味がありながら結構粋な展開のギター、なかなかコンテンポラリーにこなすピアノと良い線をいっている。演ずるは、時にトリオになったりとインスト陣のしっかりスウィンギンな味を見せながらのサポートがジャジーな世界を良い味で描いていて、そこに、ウェイティーのヴォーカルはややトーン高めであるがきめの細かい艶やかさのある声である。そして時折ちょっとハスキーになっての味付けがなかなか心得た技術を持っている。結構落ち着きある展開で、清楚で愛らしいチャーミングなところがちゃんとあって、なかなか聴かせるのだ。

Katew3w  スタンダード曲中心のアルバムだが、スタートのM1." There's A Lull In My Life"は彼女のアカペラで始まって、これはなかなかヴォーカルの実力を訴える。
 M2."The Moon Song"は、アルバム・タイトル曲。これは彼女のこのアルバムでの唯一のオリジナル曲なんですね。やはり歌い込みを静かなギターのバックの展開の中でしっかり説得力あるところで聴かせる。
 M5."These Foolish Things"では、彼女と静かなギターとのデュオがしっとりと展開して、しっかり歌い上げる曲は完成品だ。
 M6."Lover, Come Back To Me"は、誰もが知っている曲を、一転しての速攻スイング曲として演じられ、ピアノとスティックのインプロもまさにジャズ。こんな展開はやはりそれなりの技巧が無いと無理で、なかなか聴かせる。アルバムでも中盤で一つの山を造っている。そして一転してM7."Early Autumn " のバラード世界で、しっとりと迫ってくるのはにくいところ。

 洗練されたどちらかというとまろやかで温かい声、そして聴き手に納得感をひきよせる心を感ずる歌い上げは、叙情性もあってジャズ・ヴォーカルとしても良い線をいっている。これからがどう発展してゆくかが注目されるところはまちがいないところだ。

(評価)
曲・歌 :   85/100
録音  :    85/100

(視聴)

 

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2020年8月20日 (木)

キンバ・グリフィス・セプテット Kimba Griffith Septet 「EACH TIME THE FIRST TIME」

ヴォーカル・演奏=寺島靖国お気に入りの二流ジャズ

<Jazz>

Kimba Griffith Septet 「EACH TIME THE FIRST TIME」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1087 / 2020

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Kimba Griffith (vocal)
Adrian Perger (trumpet, arrangement)
Ben Gillespie (trombone)
Gideon Brazil (tenor saxophone, flute)
Ryan Griffith (guitar)
Mark Elton (bass)
Sam Bates (drums)

 ジャズCD界も今や低調の中で、何となく頑張っている寺島靖国によるTERASHIMA RECORDS からの一枚。いつも通りそろそろリリースされるのが、『For Jazz Audio Fans Only Vol.13』(2020年版)であるが、その前にちょっとコロナ渦の中、Stay Homeで暇つぶしに聴いてみたという代物。
 全く聴いたことの無いオーストラリアの歌手のキンバ・グリフィス・セプテット Kimba Griffith Septet、何が特徴なのかも知らない。ライナー・ノーツの寺島靖国によると、オーストラリア、メルボルンでの生れで、現在もそこのジャズ・クラブで活躍とか、いずれにしても気に入って売り物になるだろうと、日本発売に踏み切ったのだろう。彼女に関しては詳しい紹介もないので解らないが、人々の終末期のケアに携わる仕事もしているとか、ちょっと変わった存在でもある。

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(Tracklist)
01. Too Close For Comfort
02. From This Moment On
03. Getting To Be A Habit
04. A Good Man Is A Seldom Thing
05. That's All
06. The Carioca
07. Comes Love
08. Old Devil Moon
09. How Long Has This Been Going On?
10. Dream Dancing
11. Sickness & Health
12. The Endless Queue (日本限定ボーナストラック!)

 とにかく変なアルバムです。何を歌おうとしているか解らないジャズ・アルバム。そうジャズ・アルバムに仕上げようとして訳がわからなくなったと言った方が良いのか。
   前半は、ホーンが頑張って華々しいビック・バンドっぽいバック、彼女のヴォーカルが少々音程を外しての健闘。このパターンで進行する。
 最後まで聴くと、この歌手のほんとの目指すところはこうしたジャズじゃ無いのだろうと思ってしまった。M4."A Good Man Is A Seldom Thing"はスロー・バラード調だが、このパターンはどうかと聴くと、比較的素直で変な技巧は無くて良いのだが、どうも情感という処では描くところが薄い。
 寺島靖国もこれにぞっこんというなら彼のジャズ心はどこに焦点を当てて、しかもお気に入りになったのだろうか。ちょっと疑問に思うのである。

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 あるところには、なんと「澄みきった清潔感や透徹さと、落ち着いた渋味や陰影っぽさ、がナチュラルに一体化した、中音域の折り目正しく涼やかな美声(ちょっとハスキーに掠れるところもある)による、中々のハイテクニシャンでスウィンギン・グルーヴィーなノリにノッた躍動的側面もあるものの、基本はあくまで歌詞とメロディーを大切にした優しい真心溢れる、自然体で語りかけてくるような抒情指向の柔和な演唱」と書かれているものがある。・・・ほんとかなぁと思いつつ聴いているのだが、確かに癖の無い歌声、力みとか、過度の装飾の無いところは好感持てる。しかしそうはいっても歌の情感、テクニックなどちょっと高度とは言えない、むしろ平坦で一生懸命歌っているといった感じ。ジャズ心という一つの世界はあまり感じない。
 
J00483_0095w  又バックの演奏陣も曲の情感が余り感じられなく、一生懸命演奏しているといった感じ、そしてちょっとサックス、トランペット、トロンボーン等がうるさい印象で、二流クラブのジャズ演奏かと思ってしまう。
 曲の出来は、寺島靖国推薦のM6."The Carioca"と、私的にはM7."Comes Love"、そしてM9." How Long Has This Been Going On?"のように静かなギターをバックにしっとり歌うというのが、強いて言えばこのアルバムの中では聴きどころなんでしょうね(最後のフォーン・セクションは要らない)。
 ところが、M11."Sickness & Health"となると、一変してトラディッショナルなフォークっぽい曲で、バッキング・ヴォーカルが入ってガラッとムードが変わって、異色な雰囲気。ところが彼女のヴォーカルはこれには合うんですね。おそらく彼女はこのパターンなんじゃないだろうか。つまりスウィング・ジャズにはどうも向いていないのではと・・・。
 オマケのM12."The Endless Queue " は、単なるポピュラー・ソングで、このアルバムの前半とは別物でちょっと不自然ある。

 私は一枚のアルバムを通して聴く方なので、このようなアルバムを敢えてジャズ・ヴォーカルものとしてリリースしたところに、ちょっと疑問を感じつつ聴いたアルバムだった。

(評価)
□ 曲・演奏・歌  70/100
□ 録音      75/100

(視聴)
 

 

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2020年8月11日 (火)

キャロル・ウェルスマン Carol Welsman 「Dance with Me」

"キャロル、ラティーナを歌う"と・・・ラテン・ジャズ・ヴォーカル・アルバム

<Jazz>

Carol Welsman 「Dance with Me」
Justin Time Records / JPN / MZCF-1419 / 2020

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Carol Welsman キャロル・ウェルスマン (vocal, piano, produce)
Justo Almario ジュスト・アルマリオ (tenor saxophone, soprano saxophone, flute)
Rene Camacho ルネ・カマチョ (bass, background vocal)
Jimmy Branly ジミー・ブランリー (drums)
Joey de Leon ジョーイ・デ・レオン (conga, percussion, background vocal)
Juan Luis Guerra フアン・ルイス・ゲラ (guest vocal on 04)
Oscar Hernandez オスカー・ヘルナンデス (arrangement, produce)

200306_042atrw  カナダのベテラン歌姫キャロル・ウェルスマン(1960年カナダ・トロント生まれ) の、なんと「ラテンを歌う」というニューリリース盤。それも私は彼女自身の過去のアルバムでもラテンものはあまり印象に無いし、ピアノ弾き語りのジャズのイメージがあって、実はあまりラテンには合わない印象なんですね。
   以前ここで話題にした『ディス・イズ・キャロルThis is Carol - ラヴ・ソング20』(MUZAK Fab./MZCF1340/2016) がベスト・セラーとなって、日本でもおなじみの彼女だが、本人の話だと、ライブでラテンものを歌うと会場が楽しげに盛り上がると言うところから、ラテンものは従来から考えていたとのこと。
 満を持して作り上げたアルバムで、なかなかバックにはラテン・ジャズ界の雄オスカー・へルナンデス、そしてトロピカル・ラテンの至宝ドミニカ共和国1957年生れのファン・ルイス・ゲラ(1曲デュエットを展開)といったグラミー賞連中をはじめとするトップ・プレイヤー達が集まり、楽しく演ずるところは、ジャジーでゴージャスな明るいラテン・ワールドとなっている。

(Tracklist)

1.You and the Night and the Music 貴方と夜と音楽と
2.A Taste of Paradise
3.Femme Fatale (Amor Fugaz)
4.Dance With Me (Si Tu No Bailas Conmigo)
5.Time to Dance Cha Cha Cha (Ya Llego La Hora)
6.Yesterday (Como Fue)
7.Island Lullaby
8.I Think of You (Hoy Como Ayer)
9.I Won't Dance
10.Revelations
11.Yesterday I Heard the Rain (Esta tarde Vi Llover)

  とにかく難しいことは抜きにして楽しくラテン・ジャズ・ヴォーカルを楽しんでくださいと言ったスタートは、定番曲 M1."You and the Night and the Music 貴方と夜と音楽と"である。サックス、コンガが響いて明るく一気にラテン・ムードに。
 どちらかというと彼女のヴォーカルは、M2."A Taste of Paradise"のように、中・低音域の歌声が印象深い。
 私はこのM3."Femme Fatale"のようなスローな曲での彼女の味のほうが好きなのでこの曲は歓迎。
 いずれにしても英語で歌っているのは殆ど彼女の作詞らしく、そこまで気合いが入っている。
Juanluisguerra2017w  M4."Dance With Me"は、このアルバムで唯一のファン・ルイス・ゲラ(→)とのデュオ、彼のラテン・ヴォーカルがやっぱりラテン・ムードを盛り上げている。これがアルバム・タイトルになっているメイン曲。
 M5."Time to Dance Cha Cha Cha"バッキング・ヴォーカルと楽しいチャチヤチャだ。
 M6."Yesterday "は、楽天的ではない曲で、むしろ彼女らしい味がある。これもスロー・ナンバー。
 M7."Island Lullaby" 大人のラテン・リズムといった雰囲気で、このアルバムでは中核的曲仕上げ。
 
  まあ肩のこらない力みの無いラテン・ミュージック、バック演奏も南米の猛者連を含む強力な精鋭コンボ体制による本格的なラテン・アルバムと言うが、昔ながらのラテンもの演奏で新しいモノは無い。
 私的には、バラード・コンセプトっぽい語りかけるようなヴォーカルでリラクシング・ムーディーな M8."I Think of You "、 M11."Yesterday I Heard the Rain " あたりがお気に入りであった。

 ヴェテランの風格の彼女の味付けは、このアルバムにもちゃんと感じられ安心して聴いていられる。
 いずれにしても、ラテン特有のダンサブルな展開や、快調なテンポで明るい曲を織り交ぜてのアルバムで、ただでも暗いコロナ渦にあっては、気分転換に良いアルバムであった。

 (評価)
□ 曲・演奏・歌   80/100
□ 録音       80/100

(試聴)

 

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2020年7月28日 (火)

欧州ブルース・ロック歌姫 = ジョアンJoanne Shaw Taylor と イリア Erja Lyytinen

ギター・テクニック抜群で熱唱とソフトヴォーカルと・・・

 つい最近、ブログ友フレさんのブログで知ったこの歌姫二人、かなりレベルの高いギタリストにしてブルース・ロックを演ずるところは興味津々であった。なにせ、彼女らは欧州のブルース・ロッカーで、どのようにして育って来たのかとちょっと不思議に思いつつも、聴いてみるとなかなかそれぞれ魅力的であったので、ここに取上げた。

<Blues-Rock>

█ ジョアン・ショウ・テイラーJoanne Shaw Taylor 
  
CD「RECKLESS HEART」
  Sony Music / Import /SNY5948142 / 2019

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All Songs Written by Joanne Shaw Taylor

Joanne Shaw Taylor : Guitor , Vocals
Ron Otis : Drums , Percussion

James Simonson : Bass

Taylorjoanneshaw2w_20200728151901 (Tracklist)
1. In the Mood
2. All My Love
3. The Best Thing
4. Bad Love
5. Creepin'
6. I've Been Loving You Too Long
7. Reckless Heart
8. Break My Heart Anyway
9. New 89
10. Jake's Boogie
11. I'm Only Lonely

  彼女は英国出身のブルース・ロックを演ずるギタリスト、ヴォーカリストそして作曲者である。こうゆうのが英国でヒットするのはちょっと不思議な感あると思って、この3rdアルバム聴いてみたが、うーーん、これはブルース・ロックと言ってもややハードがかったロックですね。アルバム・タイトルのようにやや無謀な味付けのロック味を演じたのでしょう。ブルースっぽい味のある曲は M6."I've Been Loving You Too Long"、これはなかなかのもので、泣きギターも頂きだ。もともとはこの線で頭角を現してきたのではと思うのだが。
 彼女の声はちょっとハスキーっぽい、本来はもっとクリーンな声だと思うのだが、ブルース曲向きに作為的にスモーキー・ハスキー系に仕上げているのだろう。
 M10."Jake's Boogie"、M11."I'm Only Lonely"のスローな線は、味があって良い。やっぱりブルースが良さそうだ。
 いずれにせよ、ギターの腕前もなかなかでギブソンを使いこなして格好いい。今は米国に渡って活動しているようで、その結果が今回のアルバムの方向性に影響したのかと思うのだが、更にロックに磨きがかかったようだ。

CD+DVD「Joanne Shaw Taylor / SONGS FROM THE ROAD」
    Ruf Records / IMPORT / RUF 1197/ 2013

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  これは、CDに加えDVD映像付きのライブ盤。ブルース系でそんなに大きくない会場で、たっぷり彼女の演奏と歌が楽しめる。
 彼女は1989年英国生れ、8歳からギターブルースに傾倒。16歳でデイヴ・スチュアートに見出され、翌年、彼とキャンディ・ダルファー、ジミー・クリフからなるスーパーグループ、D.U.P.のツアーにギタリストとして参加。2009年のデビュー作『ホワイト・シュガー』は全米・全英でブルース・ミュージック・アワードを受賞するという快挙あげたとか。

                  *          *          *          *          *

█ イリア・ライチネン Erja Lyytinen

<Blues-Rock>

① CD + DVD  「Erja Lyytinen / SONGS FROM THE ROAD」
      Ruf Records / IMPORT / RUF1179  /2012

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Erja Lyytinen : Guitar, Vocals
Davide Floreno : guitar , Backing vocals
Roger Inniss : bass , Backing vocals
Miri Miettinen : drum , Backing vocalss

161014_elyytinen3  こちらの歌姫イリア・ライチネンは、なんとフィンランド出身のブルース姫というから驚きですね。15歳から音楽学校でギターを学び2001年にCDデビュー、もう20年のキャリア。もともとはジャジーな世界で、フォーク系のムードのある曲を演じていたようだ。Rufレコードと契約し、会社の企画のブルース・ギターで注目を浴びたという。ここでのライブもギター・プレイ中心のインスト曲も演じ、何と言ってもギターの名手で、女子スライド・ギターでは世界トップ・クラスと言われている。
 このアルバムは2011年にヘルシンキで収録されたライブ盤で、映像DVDも付いている。
 曲は、典型的なブルース・ロック。映像もあって観れるのが嬉しいが、カラーの派手なテレキャス・モデルを赤そしてブルーと持ち替えて更にシルバー色も出てくる。まさに女流ギタリストの面目躍如の演奏を展開する。
 彼女のヴォーカルは、そのままの素直な歌声で私にとっては好評、あまり作った声は好きで無いのでこれでよい。
 M6."Can't fall in Love"、M8."Steamy Windows"のバラード・ナンバーがギターの情感と共に良いですね。
 M9."No Place Like Home"もうっとりだ。
 M10."Crossroads" 如何にもカントリー・ムードとスライド・ギターのハイテクニカル・プレイとうねりが聴き所。ほぼインスト曲。
 このアルバムは、後半に行くに従ってブルース色と、ギター・プレイが濃厚になって良い感じで聴き終える。

  参考までに、61f9laxf1fl_acw イリア・ライチネンの近作アルバムは 
『Another World』(BSMF Records /BSMF2661 / 2019)である。(→)

      *          *          *          * 

 今回、ここに英国とフィンランドのブルース・ロック歌姫を取上げたが、両者とも女流ギタリストとしては優れた業師であり、その上ヴォーカルはそれなりにこなしている。私の場合は発声の素直さと聴きやすさ、更にブルース色の濃さからイリア・ライチネンに軍配を上げたが、曲の演奏を楽しめるブルース系世界としてもイリアの出来に納得した。ロッカーとしてはジョアン・ショウ・テイラーですかね、彼女の作曲者としての才能も注目しておこう。
 
 いずれにしても、この両者の世界はなかなかそれぞれ貴重であって、2019年には両者ともニュー・アルバムをリリースしている。まだまだこれからも健闘して欲しいと願っている。

(参考視聴)

Joanne Shaw Taylor

*
Erja Lyytinen

 

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2020年7月14日 (火)

ケリー・ジョンソン Kelley Johnson 「SOMETHING GOOD」

実力派女性ジャズ・ヴォーカリストの深い感情表現が見事だ

 

<Jazz>

Kelley Johnson 「SOMETHING GOOD」
OA2 Eecords / US / OA2 22173 / 2019

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Kelley Johnson (vo)
John Hansen (p)
Michael Glynn (b)
Kendrick Scott (ds)
Jay Thomas (ts on 1, ss on 4, tp on 8)

 これはアメリカの実力派女性ジャズヴォーカリスト:ケリー・ジョンソンKelley Johnsonの最近作。
 ピアノトリオ中心のサポートによる本格的なジャズ・ヴォーカルが聴ける。なかなかムーディーかつエレガンスに歌い上げるので評価は良い。それも大学でも教育者として活動していると言うだけあって王道のジャズを展開。3曲にJay Thomasがテナー・サックス等で参加して色をつけている。

(Tracklist)

1. Anyone Can Whistle
2. Goodbye To Love
3. You Do Something To Me
4. Lullaby of Birdland
5. Let’s Do It
6. Some Other
7. Tip Toe /
8. Unforgettable
9. You For Me
10. Something Good

   彼女に関しては、キャリアがあるにも関わらず、このアルバムが実は私にとっては初物であった。そして印象としては、なかなかソフトにして筋の通った生きの良さとともに、大人の幅の広さが感じられるヴォーカル、それはジャズとしてのポイントを押さえた安定感抜群といったところにある。
 しかも、その選曲がなんともマニヤックである。それはポピュラーなところを狙うのでなく、おそらく彼女のものとして描くアレンジに向くか向かないかで選び抜き、そこにトリオ演奏もいかに生かせるかというところまで配慮しての選曲とみた。

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 カーペンターズのM2."Goodbye To Love(忘れられない)"も、こうジャズに変化するのかと驚かされるし、彼女のジャズ・ヴォーカルものに一変しつつ、後半にはトリオのジャズ演奏に預けたりと充実感ある。
149  M3."You Do Something To Me "のコール・ポーターの曲を聴いても、このケリー・ジョンソンとピアニストのジョン・ハンセン(→)のコンビによる編曲が更に幅広いジャズの味を作り上げるに貢献していると想像する。聴きなれたジョージ・シァリングのM4." Lullaby of Birdland "なども登場するが、その変化も恐れ入る。ここまで本格的ジャズ・アルバムに仕上げた実力は相当なものとみる。
 いずれにせよ、彼女の歌声の魅力も大きい。やや抑えてのアンニュイなナイト・ムードを作り上げての世界が、如何にもジャズ向きなんですね、M8."Unforgettable"では、ゲストのジェイ・トーマスのミュートを効かしたトランペットとの協演で歌い上げるが、そこに深い感情が感じられその相性の良さがお見事。
 やはりアルバム・タイトル曲M10."Something Good"は、演奏陣の安定感とその不安ないヴォーカルの完成度の高さに聴いていても気持ちが良い。

  まあ女性ヴォーカルものというのは、後は声の質や雰囲気等に感覚的に聴く方に合うかどうかですね。私の場合は70%位はOKでした。 
 このアルバムはそれぞれの曲が単に聴き慣れたものの再現でないだけに、キャリア十分のトリオの演奏とともに彼女のヴォーカルをこれから何回と聴いて味わえる楽しみもある。

(評価)
▢ 編曲・演奏・歌   90/100
▢ 録音        85/100

(視聴)  

"Lullaby of Birdland"

*
"Anyone Can Whistle"

 

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2020年7月10日 (金)

ディナ・ディローズ Dena DeRose 「Ode To The Road」

叙情性と風格のある円熟ヴォーカルの本格的ジャズ・アルバム

<Jazz>

Dena DeRose 「Ode To The Road」
HIGH NOTE / US / HCD 7323 / 2020

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Dena DeRose (vocal, piano)
Martin Wind (bass)
Matt Wilson (drums)
Sheila Jordan (vocal on 04, 06)
Houston Person (tenor saxophone on 07, 11)
Jeremy Pelt (trumpet on 02, 08)

2019年10月1&2日ニュージャージー州ティーネックのTeaneck Sound録音

 

  ピアノ弾き語りの、もうベテラン組に入る私の注目女性歌手ディーナ・ディローズ(1966年ニューヨーク州ビンガムトン生まれで今年54歳)の、前作『United』(HCD7279/2016)以来の4年ぶりのニュー・アルバムだ。なんか非常に久しぶりって感じで聴いている。
 今作もマーティン・ウィンド(b)&マット・ウィルソン(ds)とのトリオ作品だが、シーラ・ジョーダン(vo)、ヒューストン・パーソン(ts)、ジェレミー・ペルト(tp)というゲスト陣を迎えて本格的ジャズ・ヴォーカル・アルバム。
 彼女の演ずるは、NYジャズそのものだが、現在はオーストリアに住んでいてグラーツ音楽大学で教鞭をとっているという。そしてNYには頻繁に戻って活動しているという生活のようだ。

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(Tracklist)

01. Ode To The Road
02. Nothing Like You
03. Don't Ask Why
04. All God's Chillun Got Rhythm / Little Willie Leaps
05. That Second Look
06. Small Day Tomorrow
07. The Way We Were
08. Cross Me Off Your List
09. I Have The Feeling I've Been Here Before
10. A Tip Of The Hat
11. The Days Of Wine And Roses

 

  スタートはアルバム・タイトル曲M1."Ode To The Road"、ピアノ・トリオのバックに堂々の彼女のヴォーカルは、風格すら感ずるダイナミックスさとパッションある躍動感はジャズそのもので、安心してリリカルなハード・パップの世界に身を寄せて聴くことの出来る世界だ。
  そしてM3."Don't Ask Why" 、M6."Small Day Tomorrow"のスロー・ナンバーになると、その叙情性と円熟感あるヴォーカルにうっとりというところ。私はバラード好きであって、このテンダーであるにも関わらずブルージーな情熱の世界を演ずる彼女の世界は貴重である。
 M7."The Way We Were"は、ヒューストン・パーソンのテナー・サックスが加わって、更にスロー・ナンバーを朗々と歌い上げてお見事。
 M8."Cross Me Off Your List"は、今度はジェレミー・ペルトのトランペットが加わって軽快な展開に快活スウィンギン・ジャズ。
   M9."I Have The Feeling I've Been Here Before"のバラードは、説得力十分。
 締めくくりのM11."The Days Of Wine And Roses"は、ミディアム・テンポのトリオ演奏とパーソンのテナー・サックスも快感。

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 彼女はピアニストであり"弾き語り"だけあって、メロディーを十分意識しての歌詞に味付けと叙情性を描いている。その様は風格のヴォーカルでありお見事だ。中音域を中心としての歌声には温かみもあって細かいニュアンスをじっくり訴えてくれる。そして躍動感あるスウィンギーな曲にはドラマティックにパンチ力も備わっていてパッションを感じ、文句の言いようのない歌世界だ。
 もともとの彼女のピアノ・プレイも文句なく快調に流れて快適だ。
 又、このアルバムでのゲストのシーラ・ジョーダンの90歳の若々しいヴォーカルには驚かされた。更にゲスト陣も奮戦していて良いアルバムに仕上げられている。久々の本格ジャズ・ヴォーカル・アルバムを聴いた思いである。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌  90/100
□ 録音       85/100

(試聴)

 

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2020年7月 3日 (金)

ジュリア・カニングハム Julia Cunningham 「SONGS FROM THE HARP」

ハープ奏者のエレガントな優しさ溢れるヴォーカル・アルバム


<Jazz>
Julia Cunningham 「SONGS FROM THE HARP」
Soul Harp Music / IMPORT / JC1901 / 2019

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Harp & Vocals: Julia Cunningham
Piano: Miles Black
Violin & viola: Richard Moody
Trumpet: Miguelito Valdes
Guitar: Reuben Wier (tracks 1, 2, 4, 5, 10-12)
Adam Dobres (tracks 2, 7, 8, 10, 11)
Quinn Bachand (solos on tracks 1 & 4)
Joey Smith (track 13)
Bass: Joey Smith (tracks 1, 2, 4-6, 10, 12, 13, 15)
Joby Baker (tracks 3, 7, 8, 11)
Congas: Joby Baker
Drums: Kelby MacNayr

Recorded at Baker Stugios, Prospect Lake, BC, Canada

 カナダの美人ハープ奏者でありヴォーカリストであるジュリア・カニングハムが、変動的コンポ編成をバックに録音したアメリカン・スタンダードを中心としての作品。彼女はカナダのブリティッシュ・コロンビア州ヴィクトリアを拠点として活動を続けているという。
 ノスタルジックなムードで優しくエレガントなヴォーカルと彼女のハープ演奏も入ってのなかなか聴きやすいアルバムだ。

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(Tracklist)

1. Medley: Dream a Little Dream of Me & I’ve Got a Crush on You
2. Sunny Side of the Street
3. There’s a Small Hotel
4. Aged and Mellow Blues
5. God Bless the Child
6. My Romance
7. Besame Mucho
8. Bye Bye Blackbird
9. All I Do Is Dream of You
10. Pennies from Heaven
11. L-O-V-E
12. Boy from Ipanema
13. What the World Needs Now
14. Smile

  このハープ奏者がどのような経過でジャズ・ヴォーカリストとなったかは知らないのだが、非常に落ち着いた優しく優雅なジャズ・ヴォーカルを展開する。曲によっては得意のハープの演奏も入って、ジャズとしてはちょっと変わったタイプの味が出ている。
 このアルバムはジャズ特有の夜のムードとか、ちょっとした酒場のムードとかとは違った暗さは全くなく又哀愁という世界でもない。どちらかというと難しさのない自然体での心地よいエレガントな親近感たっぷりの世界を展開する。恐らく彼女はヴォーカルというよりはハープ演奏が主体であったと思われる若干素人っぽいヴォーカルもなかなか聴きどころというか、特別のところがないのが取り柄という面白い世界なのである。
   M7."Besame Mucho"はハープ演奏を主体にビオラも入ってインストでの演奏、久々にハープの良さも堪能した。
 14曲の中で最も長い曲がM6."My Romance"であり5分12秒だが、なかなかシットリとしたムードが漂って彼女の囁き様のヴォーカルで気持ちが休まる。M14."Smile"も同様だ。
 M9."All I Do Is Dream of You" 3分弱の短い曲だが、ハープ演奏に加えて最も彼女らしいやや夢のある展望の曲だ。
 M.11"L-O-V-E" 聴き慣れたこうゆう曲もなかなか軽快に無難にこなしている。

 しかしカナダは後から後から、女性・ジャズ・ウォーカリストが出てきて、ちょっとしたブームを感じますね。そんな中からの一枚だ。とにかく彼女は期待株。

(評価)
□ 選曲・歌     80/100
□   録音       80/100

(視聴)
   このアルバムの曲が見つからないので参考までに・・曲「Fragile」の彼女の演奏

 

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2020年6月28日 (日)

ナーマ・ゲーバー Naama Gheber 「Dearly Beloved」

NYシーンのジャズムードたっぷりのロマンティック・ヴォーカル

<Jazz>

Naama Gheber 「Dearly Beloved」
Cellar Live Recors / Canada / CM100119 / 2020

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Naama Gheber (vocal)
Ray Gallon (piano)
David Wong (bass except 09)
Aaron Kimmel (drums except 09)
special guest:Steve Nelson (vibraphone on 01, 05, 08, 10, 12)

2019年3月31日&4月1日Bunker Studios(NY)録音

 名前は初聞きと思いきや、これはイスラエル出身の若手女性ヴォーカリスト:ナーマ・ゲーバーNaama Gheber(1991年イスラエルのベエルシェヴァ=Be'er Sheva生まれ ) のデビュー・アルバム。中身はスタンダード集で、バックはピアノ・トリオにヴィブラフォンのスティーヴ・ネルソンがゲスト参入していてしっかりしたジャズ演奏。
 彼女は テル・アヴィヴの音楽学校でジャズ・ヴォーカルとクラシックの声楽を学び、更に米ニューヨークのThe New Schoolにも学んで修練を積み、2017年に同校卒業後はNYシーンでかなり意欲的にライヴ活動を続けてきたという若手女性ヴォーカリストだ。

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01. Dearly Beloved
02. So In Love
03. 'S Wonderful
04. Since I Fell For You
05. I Can't Give You Anything But Love
06. Get Out Of Town
07. This Time The Dream's On Me
08. You Stepped Out Of A Dream
09. What's New (vocal & piano duo)
10. Just Squeeze Me
11. Sometimes I'm Happy
12. Good Night My Love

 

 久々にこうしてスタンダード曲を演じて、ヴィブラフォンが入ると、如何にも一時代のアメリカン・ジャズを思い出すというところ。そんな落ち着いたジャズの典型的演奏をバックに彼女がしっかりと歌い上げる。声の質はややトーンは高めにあるがどちらかというとかなり純粋な清澄ヴォイスと言っておきたい。しかし曲によっては甘い潤いが大人っぽくあって、そこに若干癖を感ずる。時折イメージの変わる芸をみせるという芸達者ぶりも感ずるし、また時には適度に渋い味もみせハスキーになるところもあって、ジャズ・ヴォーカリストとしてはなかなか良い線をいっているのだ。
 所謂都会派のムードもった世界を描くが、それもコール・ポーターなどの30-40年代の作曲家に興味があるのか、ジャズのある意味でのよき時代を描いている。

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 M1." Dearly Beloved "は、意識してのことと思うが、ちょっと癖のある発声が気になったが、コール・ポーターのM2."So in Love"になって、かなり素直なバラード・ヴォーカルになって、この方は頂けるぞといったところでスタート。
 M4."Since I Fell For You"では、彼女のアレンジもあって大人っぽく歌い上げたり、M5." I Can't Give You Anything But Love "はヴィブラフォン入りのバック演奏のウェイトも多く取って曲を十分楽しめる。
 M6."Get Out Of Town"そしてM9."What's New"もバラード仕上げで、しっかり歌い込んでいて情感の歌唱力は十分。
  その他、スウィングする曲の対応も手慣れていて、バックのトリオもなかなかジャジィな味付け良く、NYシーンを描くには十分の仕上げ。

 スウィート・テンダーなしっとりと艶っぽいバラード・シンガーとしてのアプローチと、スウィンギン調やブルージーな曲では、意外に姉御肌の色合いを見せたりと、若いと言われていても百戦錬磨のイメージのある歌いっぷりだ。私はバラード派だが、これからどう発展していくか楽しみでもある。

 

(評価)
□ 選曲・歌・演奏    80/100
□ 録音         80/100

 

(視聴)

*

 

 

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