女性ヴォーカル

2018年12月 5日 (水)

ソニア・スピネロのニュー・アルバム Sonia Spinello Quintet 「CAFÉ SOCIETY」

実力派のヴォーカルは情感たっぷり

<Jazz>
Sonia Spinello Quintet 「CAFÉ SOCIETY」
Abeat Jazz / ITA / ABJZ182 / 2018

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Sonia Spinello : voice
Fabio Buonarota : trumpet
Gianni Cazzola : drums
Lorenzo Cominoli : guitar
Attilio Zanchi : doublebass

45327647_2214351592178953w_2  私の注目のロベルト・オルサーRobert Olzerとのカルテット・アルバム『WONDERland』(ABJZ162/2017)の素晴らしさで知ったイタリアの実力派女性歌手ソニア・スピネロ。今度はクインテットによるスタンダード・ナンバーのアルバムだ。
 相変わらず、彼女のディープにして情感充ち満ちたヴォーカルで歌い上げられているが、彼女は1974年生まれで目下充実の年齢、ジャズ・ヴォーカルの研究者でもあるらしい。
 そして今度はピアノに変わって、トランペット、ギターがムードを盛り上げ役になっている。
 しかしそれにつけても、もうちょっと洒落たアルバム・ジャケにして欲しかった。それによりガラっと変わったムードとして聴けると思うのだが・・・。

20374504_1940449609569154_112946471(Tracklist)
1. Body And Soul
2. But Not For Me
3. Love For Sale
4. Misery
5. Our Love Is Here To Stay
6. Sophisticated Lady
7. You Don’t Know What Love Is
8. Yesterdays

 M1. "Body And Soul" ギターとミュートを効かせたトランペットがムード盛り上げ、ソニアのソフトにして厚みのある深く沈むヴォーカルがしっとりと聴かせる。
 M4. "Misery" も良いですね。これは”悲嘆”と言う意味だろうか、トランペットも哀しく響き、彼女のヴォーカルも美しくも哀しく歌って心打つ。
 M6. "Sophisticated Lady "このあたりは彼女の独壇場。
 M7. "You Don’t Know What Love Is"が、しっとりと訴えてきて、こうゆうムードには私は痺れて弱いんですね(笑)。

  まあどちらかというと、ユーロというよりアメリカン・ナイト・ムードといったところだ。この世界もジャズ・ファンの中では結構好きな人は居るんじゃないかと思うところ。ユーロ好きの私もこのような世界であればOKなんですね。なかなかこのような大人のムード・ヴォーカルも最近少なく、暫く聴き入ってしまった。

(評価)
□ 歌・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(試聴)  

(視聴)

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2018年12月 1日 (土)

ペトラ・ヴァン・ナウスPetra van Nuis 「because we're night people」

女性ヴォーカルを堪能したかったら・・・これだ!

<Jazz>

Petra van Nuis & Dennis Luxion 「because we're night people」
MUZAK.Fab./ JPN / MZCF1378 / 2018

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ペトラ・ヴァン・ナウスPetra van Nuis (vocal)
デニス・ラクションDennis Luxion (piano)
2018年3月14日 録音
Live recording at PianoForteChicago

 女性ヴォーカリストのペトラ・ヴァン・ナウスPetra van Nuisは、近年アンディ・ブラウン(多分、夫)のギターをバックにしたジャズ・ヴォーカル・アルバムで好評を得てきていたが、この新作品はピアノのみをバックにしてのヴォーカル・アルバム。ピアニストには、まさにベテランのデニス・ラクションDennis Luxionを迎え、彼は如何にも優しく親密に一歩ひいて彼女に寄り添い支えるプレイに徹している。
 その作り上げられた世界は、大人の静かな夜を描く彼女の知性派を感じさせる歌声が何の邪魔になる音の無い空間に響き渡ってくる。なんと言ってもアルバム・タイトル「because we're night people」と言うのが、ふるってます。

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(Tracklist)
1.
Street Of Dreams
2.
Night People
3. The Piano Player
4.
Moonlight Saving Time
5.
You And The Night And The Music
6.
While My Lover Sleeps
7.
Small Day Tomorrow
8.
Dreamsville
9.
No Moon At All
10. The Night We Called It A Day
11.
Shadows Of Paris
12.
Black Coffee
13.
Count Your Blessings Instead Of Sheep 

Yjimage_2  とにかくラクションのピアノはリリカルにして流麗で、ムード作りに於いては最高である。そして彼女のヴォーカルは、どちらかというと技巧の凝らした巧さというのはなく、むしろ素直な歌い方で、ジャネット・サイデルほど上手いわけでは無いがどこか似ている。今回私は初めて彼女のアルバムをしっかり聴いたのだが、そうそうダイアナ・パントンもふと思い出したというそんなタイプの歌声である。
 とにかくアルバム全編を通して、しっかり歌詞をかみしめて歌いあげているところは好感が持てる。

 彼女は、米シンシナティ出身。クラシック・ピアニストの父親の影響で幼少期より音楽に接してきて、11歳でシンシナティ・オペラ・カンパニーでデビュー。大学卒業後もミュージカル・タレントとして活動したようだが、ギタリストのアンディ・ブラウンの影響でジャズ・シンガーに転向したという。シンシナティやニューヨークでの活動を経て、2004年からシカゴに拠点を移し、2009年にはブラウンとのデュオ作『Far Away Places(いつも二人で)』を発表。これが日本でも2011年にリリースされファンを獲得している。
 
 これは女性ジャズ・ヴォーカルそのものというアルバムだ。

(評価)
□歌・演奏 :★★★★☆
□録音   :★★★★☆

(試聴)

 

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2018年11月23日 (金)

サラ・ブライトマンのニュー・アルバムSarah Brightman 「HYMN」

忘れる頃にやって来たニューアルバム・・・それは「喜びと希望」

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<Popular,  Classical crossover>

Sarah Brightman 「HYMN」
DECCAGOLD / USA / B0028980-02 / 2018

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Sarah Brightman : Vocal
Orchestra : London Symphony Orchestra
Choirs : Crouch End Festival Choir,  Spirit of David Choir


 いやはや久しぶりですね、ちょっと忘れ掛かっていたサラ・ブライトマンが、5年ぶりにニュー・アルバムをリリース。そして世界ツアーに出ている。前作『ドリーム・チェイサー(夢追人』だった。しかしもう10年前のDVD+CD盤『SYMPHONY~LIVE IN VIENNA』がやはり彼女の絶頂期でしょうね。しかしこうして総決算編のようなアルバムの登場となったのだ。
  アルバム・タイトル「HYMN」とは「讃歌」、内容はこのタイトルから押して知るべしといったところ。この”ヒム”は2曲目に登場する英国プログレ・バンド、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェストの名曲で、これをカヴァーしている。
 又日本ではこのアルバムは、YOSHKIが提供した共演曲” Miracle ”が収録されていると言う事からも話題にもなっている。
 前作とは変わって、むしろ彼女の原点回帰的なスタンスで、ハンブルク、マイアミ、ロンドン、バンクーバー、ロサンゼルス、ニューヨーク、そしてブダペストで2年間にわたってレコーディングされたものだという。
 
Blackgolde153tr(Tracklist)
01. Hymn Overture
02. Hymn
03. Sogni 夢 [Feat. Vincent Niclo]
04. Sky And Sand
05. Canto Per Noi私たちの為に歌う
06. Fly To Paradise [Feat. Eric Whitacre Singers]
07. Gia Nel Seno既に胸の中で (La Storia Di Lucrezia)
08. Follow Me
09. You
10. Better Is One Day
11. Tu Che M’Hai Preso Il Cuor君こそ我が心の全て
12. Miracle [Feat. YOSHIKI]
13. Time To Say Goodbye

 ブライトマンは、「『HYMN(讃歌)』という言葉について、そしてそこから思いつくことは何だろうって考えたの。私にとって、それは喜び、希望と光、親近感があって安心感があるものを意味していた。それこそ自分の人生の中で私が必要としていたものだった。私がこれまでにやったきた全てのプロジェクトも全て私の感情から生まれているわ」と語っているようだ。

 そんなところからもかなり壮大な「喜びと希望」と言った感覚の曲が並ぶ。バックにもオーケストラ、合唱団を惜しげも無く引っ張り込んで大きなスケールで歌いあげるところもサラ・ブライトマンのClassical crossoverの面目躍如といった感じだ。これぞ彼女の長年培った総集編と言った充実アルバム仕上げ。

Kaiken2018111202  フランスのヴァンサン・ニクロをフィーチャリングしたM03."Sogni夢"、クラシック・ソプラノを聴かせる彼女特有の歌い込み。
 そしてレハールのオペレッタ『微笑みの国』からのアリア”M11.君こそ我が心のすべて”、これは美しく歌いあげは、お見事。
  又M10."Better is One Day"のような軽快な曲もある。
 更に彼女の最大のヒット曲”M13.タイム・トゥ・セイ・グッバイ”も、最新スロー・バージョンで登場。そして盛り上がり最高潮には例のYOSHIKI(X JAPAN)との夢のコラボレーション(→)が実現しているM12:"Miracle"を歌い上げる。

 いずれにせよ、3オクターヴの声域を持つと言われ、ステージでの圧倒的な存在感のある歌姫サラ・ブライトマンのスケールの大きい曲群に仕上げられ、見事なアルバムとなった。多分1960年生まれだからもういい歳だ。顔も丸くなり体型もなるほど中年パターンに近づいているとは言え、なかなか健闘してのヴォーカルを披露。昔より若干声にヴォリームがなくなった感があるも頑張っている。
 万人向けの良質・充実アルバムと言っておきたい。

(評価)
□ 曲・演奏: ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(試聴)

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2018年11月19日 (月)

アンナ・マリヤ・ヨペクの新作 Anna Maria Jopek 「ULOTNE幻想」

「ポーランド民族音楽への愛」からの回想か・・・・・

<Jazz>

Anna Maria Jopek & Branford Marsalis 「ULOTNE 幻想」
AMJ / Import / AMJ001 / 2018


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Jopek Anna Maria (voc)
Marsalis Branford (ts,ss)
Krzysztof Herdzin (p,arr)
Mino Cinelu (per)
Maria Pomianowska (Bilgoray suka)
Robert Kubiszyn (b)
Piotr Nazaruk (cytra)
Marcin Wasilewski (p)
Atom String Quartet

 近年、世界各地の音楽とミュージシャンとの共演に挑戦してきたアンナ・マリヤ・ヨペクのニューアルバム。
 これは自主製作盤といってよいものであるが、おそらく彼女の意志が大きく働いてのものと推測する。ジャケ、ブックレットもポーランド語、英語、日本語が記されている。今や日本は彼女にとっては音楽的にも最愛の国でも有り、その結果であろう。

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 彼女としてみれば、ポーランドから発して世界各地の民族的愛を探究してきたことより、なんとしても根本的には自己の”ポーランド民族音楽への愛”をアルバムにしたかったという究極の一枚と思われる。それにはクラリネットとか、ソプラノサキソフォンの音が欲しかったのかも知れない。その結果ソプラノ・サックスにブランフォード・マルサリスBranford Marsalis をフィーチャーしての二人名義のアルバムを完成させた。又ピアニストはクシシュトフ・ヘルジンKrzysztof Herdzin が務めているが、彼の編曲も大いに力を発揮した作品とみる。日本での人気の高いピアニストのマルチン・ヴァシレフスキMarcin Wasilewski の登場もある。更にこのアルバムへの貢献は夫のマルチン・キドリンスキMarcin Kydrynskiであることが、曲の作曲者を見ても伺える。

(Tracklist)
DISC 1
1. W Polu Lipenka (tradycyjny)/野に立つ菩提樹
2. W Kadzidlanskim Boru (tradycyjny/Tadeusz Sygietynski)/カジドランスキ森
3. Niepojete i Ulotne (Marcin Kydrynski)/おぼろげ
4. Patrz i Sluchaj (Anna Maria Jopek/Marcin Kydrynski)/見て、耳を澄ませて
5. Niezauwazone (Anna Maria Jopek/Marcin Kydrynski)/見過ごされしもの
6. Czekanie (Anna Maria Jopek)/待ち侘びて
7. Na Droge (Anna Maria Jopek)/旅立ち
8. Opowiesc (Krzysztof Herdzin)/物語
9. Czule Miejsce (Anna Maria Jopek/Marcin Kydrynski)/繊細な心
10. Nielojalnosc (Andrzej Zieliński/Adam Kreczmar)/移り気

DISC 2 Bonus CD
1. Pozegnanie z Maria- pamieci Tomasza Stanko (Tomasz Stanko)/マリアとの別れ
2. A Night in the Garden of Eden (Karry Kandel)/
3. To i Hola (tradycyjny)
4. Czekanie – Alternate Version (Anna Maria Jopek)/待ち侘びて

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           (当アルバム・ゴールド・ディスクの獲得)

 上に紹介したように、このアルバムはアンナ・マリア・ヨペックとブランフォード・マルサリス(Sax)のコラボレーションアルバムの型を取っていて、通常のCD にボーナスCD がついたスペシャル・エディションとなっている。
 タイトルの「ULOTNE」は、「幻想」と訳されていて、中身はスラブ民族のトラディッショナルとポーランド民族音楽にインスピレーションを受けたものからの作曲など、ヨペクの民族音楽への拘りと思い入れの曲集である。又トマシュ・スタンコを追悼して、2年前に共演し、レコーディングされた楽曲「マリアとの別れ」もボーナス盤に収録されていた。

Na こんな事からして、彼女のキーバのゴンザロとの前作『Minione』(Universal Music Poland/2017→)とは全く趣向の異なった作品で、我々日本人からしても馴染みのない民族音楽に若干戸惑うのである。音楽ジャンルもこれというものでなく色々なタイプが混在し、文化の多様性を集約している作品として受け取れる。そんなところから、一般的ジャズ・アルバムとは性質を異にして、マルサリスの美しく歌いあげるソプラノ・サックスや、ピアノの音もそれぞれ美しいのだが、如何せん私の聴く立場としてスラブ民族音楽旋律を理解してついて行くことが出来ず、又肝心のヨペクのヴォーカルも情緒たっぷり引きつけるところがあり、高音部への歌いあげなどかなりの技能を発揮してはいるが、今回は私の鑑賞能力に無理があり、理解が追いつかず聴くに大きな感動というものには巡り会えなかった。

 まあこうしたアルバムは、ヨペクのようにジャズ・ヴォーカリストとして一定の評価を勝ち取ったものとして、彼女の今だから出来る事としての「拘り」として、ポーランドにおける一つの自己の世界の格調を高めたものとして作られた感がある。従って若干自己満足的なニュアンスもあり、一般ジャズ愛好家に広く愛着あるアルバム作りをしたというものではないと思う。もともと過去の彼女のアルバムにはこうしたトラッドものが顔を出していたのは事実で、その拘りは感ずるが・・・・・ここまで迫られると芸術性が高くなった分、ちょっと難物となった。

参考)
62557_444917708535_5510521_n<ブランフォード・マルサリスBraford Marsalis>  (ネットにみる紹介)
  1960年8月26日、ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。教育者エリスを父に持つ音楽一家に育ち、4歳でピアノ、小学校でクラリネット、15歳でアルト・サックスを演奏。父親が教鞭を執るニューオリンズの芸術専門学校と、ボストンのバークリー音楽大学に学び、’80年にクラーク・テリー・ビッグ・バンドでプロ・デビューした。’81年には、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズと、実弟ウィントンのグループに加入。’83年に、故ケニー・カークランドやジェフ・ワッツらと初リーダー作『シーンズ・イン・ザ・シティ』を発表し頭角を現した。以後、『ロイヤル・ガーデン・ブルース』『ルネッサンス』などの話題作を出す一方、マイルス・デイヴィス・グループでも活動し、『デコイ』の録音に参加。’85年にスティングの『ブルー・タートルの夢』に加わると、ツアー・メンバーとしても後援し、’88年には同バンドの一員として来日した。
 ’92年のアルバム『ブルース・ウォーク』で、グラミーの「最優秀器楽ジャズ・グループ賞」を受賞。’00年は、ピアノにジョーイ・カルデラッツォを迎えたカルテットによる『コンテンポラリー・ジャズ』で3つ目のグラミーを獲得。それに並行し、オルフェウス室内管弦楽団との近代フランス音楽集『クリエイション~20世紀フランス音楽作品集』もリリースし、ジャズ以外の舞台にも成果を残してきた。カルテットによる最近作は、『ブラッグタウン』と『メタモルフォーゼン』で、共に世界的なヒットになった。

(評価)
□ 曲  :  ★★★★☆
□ 演奏 : ★★★★☆
□ 録音 : ★★★★☆

(視聴)

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2018年11月13日 (火)

アレキサンドラ・シャキナAlexandra shakina「All The Way」

なんと言っても、中低音の魅力が・・・・・・

<Jazz>
Alexandra shakina「All The Way」
Venus Records / JPN / VHCD-1239 / 2018


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Alexandra Shakina (VOCALS)
Massimo Farao (PIANO)
Aldo Zunino (BASS)
Ruben Bellavia (DRUMS)

Recorded at Riverside Studio in Torino on April 5&6, 2018
Produced by Tetsuo Hara
Engineered by Alessandro Taricco
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara

   全く知らなかった女性ヴォーカリスト、そしてVenusレコードときたので、若干尻込みしがちな私ですが、美女狩りを得意とする友人からの勧めで聴いたアルバムである。
   アレキサンドラ・シャキナAlexandra Shakina は、ロシアのジャズ・シンガーだがこれがデビュー・アルバムのようだ。彼女に関しては現在のところ情報も少なく詳しいことは解らないのだが、とにかく宣伝では”妖艶なハスキー・ヴォイスが魅力的な本格的ヴォーカリスト”ということになっている。
 更にそこまでの流れも解らないが、このアルバムはトリノにての録音であり、バックの演奏は近頃も取りあげたマッシモ・ファラオ・トリオMassimo Farao' Trioが努めていて、どうもイタリアでの活動であるのかと思うのである。
 しかしイタリアと言ってもマッシモ・ファラオ・トリオの特徴であるアメリカン・ジャズ・ムードも上手に描いており、取り敢えずは立派なジャズ・ヴォーカル・アルバムに仕上がっている。
 
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01.All The Way (J. Van Heusen)オール・ザ・ウェイ
02.Let Me Love You (H. Bart) レット・ミー・ラブ・ユー
03.Get Out Of Town (C. Porter)  ゲット・アウト・オブ・タウン
04.Dedicated To You (Cahn, Chaplin, Zaret) デディケイテッド・トゥ・ユー
05.I Concentrate On You (C. Porter)  あなたに夢中
06.Weaver Of Dreams (V. Young) 夢織人
07.I’m Just Lucky So And So (D. Ellington) アイム・ジャスト・ラッキー・ソー・アンド・ソー
08.That Old Black Magic (H. Arlen) ザット・オールド・ブラック・マジック
09.Come Fly With Me (J. Van Heusen)  カム・フライ・ウィズ・ミー
10.Where Or When (R. Rodgers)何時か何処かで

 いずれにしても、ポイントである彼女の声の質はちょっとジャケの顔の印象とは異なって、低音の重量感というところだろう。とにかく中低音部に魅了する厚みがあり、これを生かしてのこれからへの展望も持っている。
 M10."Where Or When"などのように、彼女向きの独特な編曲もなされており、 この点は取り敢えず合格点だ。
 唄う曲はスタンダードものというところであり、ほぼ一般ジャズ・ヴォーカル・アルバムとして捕らえてよい。そして全体的に曲仕上げはマッシモ・ファラオ・トリオの流れで有り、ジャズとしては最も一般的な、言いようによっては特徴のあまりない世界に納まっている。

 Venus Recordもかなり意欲的にこのアレキサンドラ・シャキナに取り組んでいて、このアルバムの売れようによっては、彼女のヴォーカルものは今後立て続けにリリースされてくる可能性も秘めている。取り敢えずは期待株としておこう。

(評価)
□ 歌唱・演奏 ★★★★☆
□ 録音     ★★★★☆

(My Image Photo)

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初冬の花・石蕗   Nikon D800,  Lensbaby

(視聴)

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2018年10月22日 (月)

ロ・ジェイのヴォーカル・アルバム Lo Jay 「Joue O'day」

フランスからのアメリカン・クラシック・ジャズ

<Jazz>

Lo Jay & Serge Moulinier Trio 「Joue O'day」
France / LISM2011 / 2018

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Lo Jay (voc)
Serge Moulinier (p)
Christophe Jodet (b)
Pascal legrand (ds)

 フランスものとしては珍しいアメリカン・クラシック・ジャズへの想い、アニタ・オデイ(Anita O'Day、1919 - 2006)回顧の女性ヴォーカル・アルバム。唄うはフランスではそれなりの評価を得ているロ・ジェイLaurence Lo Jayだ。しかし私にとっては初物で、このアルバムも今年リリースされているが、元は2012年作品のようで、元をただせば自主製作盤である。彼女はもともと心からアニタ・オデイのことを敬愛しているとのことで、そんなところからの作品。
 バックにはセルジュ・ムニエルのピアノ・トリオがこれ又スウィング感たっぷりにあのよき時代1950年から1960年代を甦らせている。

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(Tracklist)

970025_10202984451785880_28500024841. Sweet Georgia Brown 
2. Tennessee Waltz 
3. What is this thing called love 
4. Honeysuckle Rose 
5. Love for sale 
6. Skylark 
7. Boogie Blues   
8. I want a grown up man 
9. Just one of those things 
10. Angel eyes 
11. Tea for two 
12. Anita's 1940's Medley 

 フランス版であり自主製作盤ということで、あの自国気質の強い国なので、フランス語によるものかと思いきや、ロ・ジェイはヴォーカルは英語で唄われている。まあアニタ・オデイに捧げた作品なのであるからそれも当然のことであろう。もちろん世界を相手にするには英語というのは当然だ。

 比較的癖の無い素直なヴォーカルと演奏である。
 M2. "Tennessee Waltz"を聴いても、特別な編曲のもなく一般受けの仕上げ。
  M4. "Honeysuckle Rose"ベースをバックに語るように唄い、感じは良い。後半スウィング感をたっぷり聴かせる。
 M6. "Skylark"かなり優しい歌い込みで好感。
 M10. "Angel eyes" これが一番のお勧め曲。SEが入り、ベースがアルコで重厚に響き、ここで彼女の技量を示すゆったりとした歌い込みが見事。そしておもむろに演じられるピアノが美しい。後半でもやはりベースのバックが抒情的で良いし、ピアノとの交わりもよく、更に彼女のヴォーカルも頂点に。まさにこれ1曲で納得するアルバムである。

 まあ、あまり本気で聴き込もうと思わずに軽く聴くのが良いアルバムである。

(評価)
□ 演奏・ヴォーカル : ★★★★☆
□ 録音        : ★★★★☆

(My Image Photo)  「秋の赤」

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NIKON D800, TAMRON SP90mm F2.8 Di Macro VC USD, PL


(視聴) 

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2018年9月30日 (日)

ニッキ・パロットNicki Parrott 「Stompin' At The Savoy」

ニツキ・パロットの50年代ジャズ・ムードたっぷりの快作

エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングに捧ぐ!!
バイロン・ストリプリングをフィーチャリング

<Jazz>
Nicki Parrott 「Stompin' At The Savoy~tribute to Ella & Louis」
Venus Records / JPN / VHD-1238 / 2018

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ニッキ・パロット Nicki Parrott - vocals & bass
バイロン・ストリプリング Byron Stripling - trumpet & vocals
ジョン・ディ・マルティーノ John Di Martino - piano
アルヴィン・アトキンソン Alvin Atkinson - drums

 

Produced by Tetsuo Hara
Recorded at Trading 8's Studio in New York on February 19,20 & 21, 2018.
Engineered by Chris Sulit
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix Stereo
Artist Photos by Brian Wittman

  Venus Records から又々ニッキ・パロットの登場。今や完全に彼女は看板ジャズ・アーティストになりましたね。

Striplingbyron2w 今回は、”エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングに捧ぐ”と言う事で、まあ50年代ジャズを回顧している。それはトランペットをこなし渋いヴォーカルでルイ・アームストロングの再来とまで言われるバイロン・ストリプリングByron Stripling(1961-)(→) をフィーチャリングして、二人のデュエットとニッキ・パロット流の編曲によっり、トランペットも入って聴かすちょっと洒落たアルバムである。

(Tracklist)

1.イット・エイント・ネセサリリー・ソー
2.ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
3.誰も奪えぬこの思い
4.スイングしなけりゃ意味ないね
5.チーク・トゥ・チーク
6.いつもさよならを
7.私の小さな夢
8.サヴォイでストンプ
9.ミスター・パガニーニ
10.サマータイム
11.二人でお茶を
12.我が恋はここに
13.エヴィル・ガル・ブルース
14.ジス・タイム・ザ・ドリームス・オン・ミー


  実はこちらの方が先にリリースされたのだが(当初『Cheek to Cheek』というアルバム・タイトルだったと思うのだが)、前回紹介したダイアナ・クラールとトニー・ベネットのデュエット・アルバムと手法は同じである。こちらではパロットはベースも弾きながらの作品になっており、久しぶりにジャズらしいアルバムに仕上がっている。
 とにかくVenus Recordsは、パロット作品がそこそこに売れてくれるので、年に数枚のアルバムをリリースをするという離れ業を展開している。

 エラ・フィッツジェラルドElla Jane Fitzgerald(1917-1996)&ルイ・アームストロングLouis Armstrong(1901-1964)の共演が華咲いた50年代が、ジャズ界では一つの歴史ですね。それを回顧再現するという企画はおそらくジャズ・ヴォーカリストにとっては一つの願望なのかも知れない。
 
 まあとにかく聴き慣れた懐かしのジャズを十分楽しく展開してくれる。こうゆうのは肩ぐるしくなくリラックスして文句なく聴けるところが良いのですね。

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 M1."It Ain't Necessarily So "イントロからトランペットが歌いあげ、おもむろにパロットのスローにして情感のあるヴォーカル、そしてストリプリングのヴォーカルがムードを盛り上げる。こりゃなかなかいいじゃないかと冒頭から思わせる。このパターンはM2."Gee,Baby, Ain't I Good To You"も同様だが、パロットのベース、ストリプリングのトランペットの共演も聴きどころ。
 M5."Cheek To Cheek"は、このアルバムでは珍しくストリプリングのヴォーカルがリードして唄われる。まあこれといっての特徴は無くもっとも一般的な仕上げ。
 M6."Everytime We Say Goodbye"は、パロットの叙情的な歌いあげのスローバラード。
 M8."Stompin' At The Savoy"は、パロットのヴォーカルにストリプリングのトランペットが絡み、後半彼のヴォーカルも後押しするというスウィング感たっぷりの短い曲。
 しかしそれに続くM9."Mr.Paganini"はスロー・バラード調で、パロットのヴォーカルを中心に展開。後半はスウィングとスローが転調して交互に展開する。ここではストリプリングのヴォーカルは入らない。
 そしてM10."Summertime"はしっとりとしたトランペットと両者のヴォーカル。なかなか良い味を出している。
 M11."Tea for Two"はスロー仕立てでパロットのソロ・ヴォーカル。

 相変わらず、パロットの声は嫌みが無く素直で好感持てる。ストリプリングはルイ・アームストロングとまでは行かないが、それでも渋さはあるし、曲の中での彼のヴォーカル部分はそれ程多くなくパロットの支えに徹していて、これはこれで良いのではと思った。
 パロットの最近のアルバムの中では、これはJazzy not Jazz路線で無く、懐かしのジャズに徹していて、あまり細工無しの聴きやすいタイプで私はこの方がいいと思ったところだ。

(評価)
□ 歌・演奏 ★★★★☆
□ 録音   ★★★★☆

(参考視聴) 今回のアルバム関係の映像はまだ見られないので・・・

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2018年9月26日 (水)

ダイアナ・クラールとトニー・ベネットのデュエットTony Bennett & Diana Krall 「LOVE IS HERE TO STAY」

ジャズ界のキング&クイーンによる懐かしのアメリカン・ジャズの粋な世界
~ビル・チャーラップ・トリオのバックで

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<Jazz>
Tony Bennett & Diana Krall 「LOVE IS HERE TO STAY」
Verve / USA / B0028703-02 / 2018

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TONY BENNETT トニー・ベネット(VOCAL)
DIANA KRALL ダイアナ・クラール(VOCAL)
BILL CHARLAP ビル・チャーラップ(PIANO)
PETER WASHINGTON ピーター・ワシントン(BASS) 
KENNY WASHINGTON ケニー・ワシントン(DRUMS)

Produced by Dae Bennett & Bill Charlap
Arranged by Bill Charlap

  いっやー、驚きですね、ジャズ・ヴォーカル界のキングと言われる90歳越のトニー・ベネットとダイアナ・クラールとのデュエット盤である。
 かってもこの二人のデュエットはあったのだが、一枚のフル・アルバムとしてのリリースには驚きだ。クラールにとっては、父親とのデュエットと言うところである(両者は20年以上の付き合いがあるとか)。録音はNYのスタジオで録音日の記載が無いが最近と判断される。
61abhgxwp5l そう言えば少々前にベネットはレディ・ガガとの共演盤(『Cheek To Cheek』(Interscope Records/3799884/2014)(→))もあったが、いずれにしてもお元気そのもので驚きである。

 そして曲は全て生誕120周年を迎えたアメリカ音楽界の父ジョージ・ガーシュウィンを祝っての、ジョージ&アイラのガーシュウィン兄弟作の名曲の数々を取りあげている。
 更に、これにはビル・チャーラップが強力に関係している。プロデュース、編曲に携わり、演奏も自己のピアノやピアノ・トリオがバックを支えているのだ。

(Tracklist)

1.  `S Wonderful (George Gershwin/Ira Gershwin) 2:51
2.  My One and Only (George Gershwin/Ira Gershwin) 2:50
3.  But Not For Me (George Gershwin/Ira Gershwin) 3:06
4.  Nice Work if You Can Get It (George Gershwin/Ira Gershwin) 2:45
5.  Love is Here to Stay (George Gershwin/Ira Gershwin) 4:28
6.  I Got Rhythm (George Gershwin/Ira Gershwin) 2:00
7.  Somebody Loves Me (George Gershwin/George De Sylva & Ballard McDonald) 3:42
8.  Do it Again (George Gershwin/George De Sylva) 2:55
9.  I've Got a Crush on You (George Gershwin/Ira Gershwin) 4:00
10.  Fascinating Rhythm (George Gershwin/Ira Gershwin) 2:43
11.  They Can't Take That Away From Me(George Gershwin/Ira Gershwin) 3:25
12.  Who Cares? (George Gershwin/Ira Gershwin) 1:59

  もうこれはアメリカン・ヴォーカル・ジャズの究極の姿を披露している。聴いて疲れず、気分は良好に、そしてムードは何か前途に開ける人間関係を美化しているようだ。
 好感100%の曲はやっぱりアルバム・タイトル曲のM5."Love Is Here To Stay"だと思った。これぞ社交場と化している大きくない酒場に集う大人の社会に気分最高に聴こえてくるパターンだ。よき時代のアメリカん・ムード。

Diana20krallw ダイアナ・クラールのソロM3."But Not For Me"もビル・チャーラップのピアノ・ソロをバックにバラード調の歌声で聴ける。私としては叱られるかも知れないが、このパターンでもう少し聴きたいぐらいでもあった。彼女なら弾き語りでこのムードをもってアルバム一枚でも作って欲しいものだと思うぐらいである。と、言うのも実のところは、私はクラールのヴォーカルを聴くということからこのアルバムを入手していると言う経過であって、言ってみれば、まあそんなところなのだ。
 とにかくベネットの年齢から来る歌声は決して美しいわけでは無いが、年輪を感じさせる枯れた味わいが聴きどころなのである。しかしほんとはクラールの描くところの近代性とは実は別ものとも思っている。しかしまぁこの対比も一つの味として評価しておこうと思うのである。ガーシュウィンの曲も又それで良かったのかも知れない。まあバック・グラウンド・ミュージックとしては上出来の部類。
 
(評価)
□ 歌・演奏 : ★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(視聴)

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2018年9月15日 (土)

ウンサンWoong Sanのニュー・アルバム「I'm Alright」

ウィスパー・ヴォイスに、なんとブルジー、ソウルフル、ファンキーと取り混ぜての久々のフルアルバム快作

<Jazz>
Woong San「I'm Alright」
Universal Music / JPN / UCCU-1583 / 2018

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Woong San ウンサン(vocal)
John Beasley ジョン・ビーズリー(piano)
Benjamin J.Shepherd ベンジャミン・J.シェパード(bass)
Terreon Gully テレオン・ガリー(drums)
Paul Jackson Jr. ポール・ジャクソンJr. (guitar)
Charlie Jung チャーリー・ジュン (guitar)
Damon Brown デイモン・ブラウン (trumpet)

Produced by John Beasley
Recorded 12th,13th April 2018


  私は決して韓流派じゃないのだが、このウンサンは例外。彼女の過去の何枚かのアルバムもウィスパー系のヴォーカルには一目置いてきた。これは久々のスタジオ・アルバムのような気がしたが、3年ぶりらしい。実はもう年齢も45歳ぐらいだと思うのでリタイアしたのかとも思っていたが、しかしかってのポニーキャニオンからユニバーサルミュージックに移籍しての第一作品としてお目見えした。なになに健在であったのだ。そしてプロデュースがビーズリーに変わっての彼女の変化が実はこのアルバムには確かに見られるところが聴きどころ。

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(Tracklist)

01. Smoke Gets In Your Eyes
02. Heartless
03. Bear Walk
04. Too Far
05. Love Is A Losing Game
06. I’m Alright
07. You And The Night And The Music
08. Forget Regret
09. I Love You More Than You'll Ever Know
10. I Can’t Stand The Rain
11. Tell Me Why

 オープニングはM01. "Smoke Gets In Your Eyes 煙が目にしみる"で、これはやっぱり得意のスロー・バラード調に仕上げている。しかし続く曲でこのアルバムは少々過去と違うところがミソ。
 M04. "Too Far"は、ラテン・タッチでなかなかいい。 そこにM05. "Love Is A Losing Game"はファンキー・ムード。このあたりから今回のアルバムのイメージが見えてくる。それはM10. "I Can’t Stand The Rain"で頂点を迎えるのだが、エレクトリック・ベースの低音に彼女の語るが如くのソウフルな歌声はなかなか味がある。
 このように過去の彼女のイメージから一歩脱却してのM09. "I Love You More Than You'll Ever Know溢れ出る愛を"のブルージーな曲を、ギターの味のある演奏をバックに歌い込むところはなかなか聴きどころなのだ。
 そうはいっても、アルバム・タイトルの彼女のオリジナル曲M06." I’m Alright"は、泣きギターをバックに彼女のファンも納得のラブ・バラード。M07. "You And The Night And The Musicあなたと夜と音楽と"もビーズリーのムードを盛り上げるキー・ボードによってベースが低音で語り、彼女の落ち着いたウィスパー・ヴォイスで迫るのである。 
 最後の彼女のオリジナル曲M11. "Tell Me Why"は、バックのギター、ピアノも美しく、彼女の魅惑の歌声がしっとりと聴ける。

 こうしてオリジナル曲に加え、スタンダードの「煙が目にしみる」「あなたと夜と音楽と」、ソウル曲のカヴァー(「溢れ出る愛を」、「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」等)を歌い込んで、彼女のカレン・ソーザも顔負けのセクシー・スモーキー・ヴォイスの上に、多彩・多様な芸を盛り込んだ面白いアルバムとなった。

(評価)
□演奏・歌 : ★★★★☆
□録音   : ★★★★☆

(My Image Photo)

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Sony α7Ⅲ ILCE-7M3,  FE 4/21-105 G OSS, PL  Aug. 2018

(参考試聴)

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2018年8月16日 (木)

ホリー・コールHolly Coleの映像版「40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009」

重量級の存在感でのヴォーカル・パフォーマンス

<Jazz>
HOLLY COLE 「40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009」
Live at 40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009, Germany

Bjazz

Holly Cole – vocals
Aaron Davis – piano
John Johnson - tenor/soprano/baritone sax, bass clarinet
Marc Rogers – bass
David Direnzo - drums, percussion

 2009年ドイツにおけるライブをプロショット収録した映像版で、最近ブートで配布され、YouTubeでもお目見えしている。決して新しくないが、Holly Colleの場合、10年近く前という印象は無い。彼女は1963年生まれでこのライブは45歳位だが、既に貫禄十分。カナダ出身の彼女はあの”コーリング・ユー”(1991年)でもう25年以上も前に日本でもブレイク、なんと女性ファンが多く支持したところがちょっと異色だった。その後の彼女はやっぱりジャズ・ヴォーカルとしてはなんとなく異色の範疇に入るのだが、その存在感は重量級で、アルバムも寡作だがしっかりファンは根付いている。先日来日し又久しぶりのアルバム『HOLLY』もリリースされここでも取りあげたところだ。

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01. Frank's Theme
02. Tango Till They're Sore
03. Down, Down, Down
04. Shiver Me Timbers
05. Little Boy Blue
06. Good Old World / Take Me Home
07. Train Song
08. (Looking For) The Heart of Saturday Night
09. Walk Away
10. Invitation to the Blues
11. Closing Time
12. Jersey Girl
13. Soldier's Things
14. Black Market Baby
15. The Briar and the Rose
16. Whistlin' Past the Graveyard
... e n c o r e ... 17. Love Lies

 不思議にこうゆうパターンってあるんだなぁ~~と、このホリー・コールって惚れ込んだってことは無いのだが、なんとなく彼女のアルバムとか映像版となると、聴いたり観たりしてみたいって感じになるところにあるのだ。
 このライブものは、冒頭の" Frank's Theme"もステージのバックで表に出ずに歌い始めるという手法で、途中でステージに就くともう圧巻で、バックのカルテットも霞んでしまう。相変わらずの節回しはホリー・コール節で特徴がある。声もスモーキーであり、そうはいっても高音は伸びる。発声がちょっと癖があるが彼女そのものというところで容認してしまうのだ。
 選曲もそれほど一般的というか、ポピュラーなものに絞っているのでなく、やはり彼女のアレンジを施してのホリー・コール世界に特化したものを演ずるといったなかなかの主張派でもある。

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                                   (Japan Live)

 私の好みからすると. "Invitation to the Blues"のやや前衛がかったバック陣の演奏としっとりしたヴォーカルのこのタイプがいいですね。その他インストゥルメンタル演奏で "Closing Time"は、 John Johnsonの哀愁がかったサックス演奏もなかなか聴かせてくれる。
   "Soldier's Things"のような語りかけるようなヴォカール、又 " The Briar and the Rose"のようにソロに近い歌い込みなどを聴くと、やっぱり上手い歌手であることが解る。
 とにかく大人のジャズ世界ムードは貫かれていて、なかなか魅力あるライブである。

(評価)
□ 演奏・歌     : ★★★★☆
□ 映像・サウンド : ★★★★☆☆ 

(視聴)

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