女性ヴォーカル

2024年2月26日 (月)

アンドレア・モティス Andrea Motis 「Febrero」

中南米曲を中心にアンサンブル演奏をバックに歌うアルバム

<Jazz>

Andrea Motis 「Febrero」
AUTO EDITED / Import / JJAMCD00302 / 2024

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Andrea Motis(vocals & trumpet)
Camerata Papageno(young Chilean classical chamber orchestra)
Christoph Mallinger(violin & mandolin)
Federico Dannemann(guitar & direction)

20190423fbw   スペインはバルセロナ出身の人気歌手でトランペッターのアンドレア・モティス(1995年生まれ、→)の2022年の『Loop Holes』(JJAMLP00101)及び『Colors & Shadows』(kkJ187)に続くニューアルバムということで、さっそく聴いてみた。  チリのクラシック・アンサンブルであるカメラータ・パパゲーノと共演だ。レパートリーは、アンドレア・モティスが、ギタリストでアレンジャーのフェデリコ・ダンネマンとともに選曲。チリ、ペルー、アルゼンチンに由来する中南米の音楽、及び、ブロードウェイのナンバーを、親交のあるクリストフ・マリンガー(vln,mandrin)、フェデリコ・ダンネマン(g)のサポートを得て完成させたと。彼女のパートナーであるオーストリアのヴァイオリニスト、クリストフ・マリンガーとパパゲーノ文化財団とのつながりから生まれたという経過の様だ。

 モティスの言うには「繊細なアレンジと録音の響きを通して録音された曲は、チリでの夏の日々に私たちみんなが一緒に過ごした穏やかさと深い喜びの感覚を思い出させてくれる」と、いうことのようだ。そして彼女は具体的には、「ガーシュウィン兄弟の2つの作品、ピクシングイーニャとジョビンの作曲、2つのメキシコのボレロ、そしてオラシオ・サリナスによるインティ・イリマニのヴァージョンを収録したこのアルバムは、作者、演奏者、未来のリスナーなど、さまざまな世代の時代を超越した瞬間の記録である」と説明している。

(Tracklist)

1.La Pajita (Horacio Salinas / Gabriel Mistral)
2.The Man I Love (George & Ira Gershwin)
3.Carinhoso (Alfredo da Rocha Viana Filho Pixinguinha / João de Barro Braguinha)
4.Noche de ronda (George and Ira Gershwin)
5.Garota de Ipanema (Antonio Carlos Jobim / Vinícius de Morales)
6.Someone to Watch Over Me (Agustín Lara)
7.Sensemayá (Horacio Salinas / Nicolàs Guillén)
8.Perfidia (Alberto Domìnguez Borrás)
9.El Carnaval (Horacio Salinas)

 ちょっと心配したのは、フェデリコ・ダンネマン指揮のカメラータ・パパゲーノの音世界だ。このあたりは私の好みの問題で、おそらくソロ楽器などでしっとり落ち着いた世界というのとは全く別物であろうと踏んでいたが、まさにその通り、ストリングスの美しさもあるが、どちらかというと中南米の独特なホットな世界だ。彼女の前作『Colors & Shadows』もビック・バンドがバックであって、ヴォーカルを聴くには若干期待に反していたのだが・・・・。
 今回のこのアルバムも、アンサンブル主体のカメラータの音とジャズやラテンアメリカのリズムをミックスした作品として聴くのがいいといったところ。彼女のトランペットも勿論入ってくるが、その演奏を聴くのか、ヴォーカルを聴くのか、その役割も気にしているのだが、どうも私の期待とは別の世界に仕上がっている。

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M1."La Pajita " チリでは子供から大人まで広く知られた曲とか、マンドリンと共に相変わらずのちょっと可愛らしさのある歌声で優しく歌って聴かせる、このあたりは期待の世界。
M2."The Man I Love" ストリングスから始まって、更に美しくしっとりと歌いあげる
ここまでは、トランペットの登場もなくファンタジーな物語の始まりのムード。
M3."Carinhoso" ブラジルの愛の有名曲。モティスの優しい歌声。どうもバックのストリングスが私のラテン印象に合わない。
M4."Noche de ronda" これも古いメキシコの歌、彼女の巻き舌の歌は初めて聴いた感じ。
M5."Garota de Ipanema" ここでは、リズムカルな誰もが知っている曲の登場、やっぱりぐっと落ち着いた歌だ。彼女のトランペットもようやく歌い上げる。最後に変わった編曲。
M6."Someone to Watch Over Me" ガーシュウィンの昔の曲、フランク・シナトラとかエラ・フィッツジェラルドの歌、ちょっと時代ものを感ずる歌だが聴き惚れるところもある。
M7."Sensemayá" これは快調のテンポの難しい曲、メキシコの曲でこのカラメータのような多楽器編成向きの曲の様だ。モティスのトランペツトも生き生きと。
M8."Perfidia" メキシコのアルベルト・ドミンゲスの曲。ちょっと変わった編曲でスタート。テンポは快調だが・・・・とにかく超有名曲を楽しくといつたところか。
M9."El Carnaval"民族ダンス・ミュージツクの仕上げ。モティスのトランペットも加わってのお祭り的世界。

 このアルバムは、勿論モティスのヴォーカルものであるが、どうもカラメータ・パパゲーノというアンサンブル演奏集団(チリの非営利団体で、クリスチャン・ボエシュが設立・会長を務めており、この財団は、地方の78の学校に通う6歳から10歳までの約2,000人の子どもたちの才能を音楽を通じて育成することを目指しているもの) の明るい演奏に大きなウエイトがあって、それ自身が私の好むジャズとしての感覚とのズレでどうも手放しに楽しめない。このようなところは聴く者の好みであるから、喝采を浴びせる人もいるのかもしれないが。
 私としてはギター、ピアノなどとのデュオぐらいのほうがかえって彼女の歌を楽しめるような気がするのだ。そんなところで今回も期待とは別世界であった。しかし、トランペッターとしての期待度もあろうから、なかなか難しい、ペットといえどもチェット・ベイカーのような世界も有るし、まだまだ彼女にはヴォーカルの質が好きなので期待はしている。従って演奏と歌をどのように聴かせてゆくかは今後の課題だろう。いずれにしても私としては次回は小編成ものに期待したいところだ。

(評価)

□ 編曲・演奏・歌  85/100
□ 録音       85/100

(視聴)

"Someone to watch over me "

*
"El Carnaval"

 

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2024年2月21日 (水)

ユン・サン・ナ Youn Sun Nah『ELLES』

唯では終わらせないユンの世界が詰まっている

<Jazz>

Youn Sun Nah『ELLES』
VM Germany / Import / 5419781215 / 2024

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Youn Sun Nah: vocal, kalimba, music box
Jon Cowherd: piano, fender Rhodes, wurlitzer

Lachanteusedejazzyounsunnahw   韓国出身、現在はフランスを拠点に活躍するジャズ・シンガー、YOUN SUN NAH(ユン・サン・ナ)の4年ぶりの最新アルバム。これは彼女自身が好み、インスピレーションを受けてきたという女性アーティストの楽曲を取り上げて、あの彼女の独特のヴォーカルと、アメリカ人のジャズ・ポップス、ロックと広い分野で活躍中のジョン・カウハードJon Cowherd(ピアノやフンンダー等)とのデュオによって作り上げた作品。

 彼女は1994年からACT JAZZレーベルで多くの作品をリリースし、2014年のソチ冬季オリンピックの閉会式には、朝鮮民謡「アリラン」を歌い上げ絶賛を浴びた。そしてなんと2019年にはフランス文化省・芸術文化勲章を受章している。

 又2019年にワーナーミュージック・グループのArts Musicへと移籍し、そこからの第1作となる『IMMERSION』(ATSM5873132)をリリースしたが、試みの斬新さもあって評価は高い作品だった。そして4年の経過でここに新アルバムを完成させた。アルバム・タイトルは"彼女たち“ということのようだが、ビヨークからサラ・ヴォーン、グレース・ジョーンズやロバータ・フラック、エディット・ピアフなどなど、時代もジャンルも異なる女性アーティストたちの名曲を取り上げ歌い込んでいる。

(Tracklist)
1.Feeling Good
2.Cocoon
3.I've Seen That Face Before (Libertango)
4.My Funny Valentine
5.White Rabbit
6.Sometimes I Feel Like A Motherless Child
7.Baltimore Oriole
8.Coisas Da Terra
9.La Foule
10.Killing Me Softly With His Song

 彼女のヴォーカルのサウンドスケープは音域の広さを駆使した独特の解釈・編曲に基づいた異色の世界だが、その為か不思議に引き付ける魅力がある。一般的なジャズ・ヴォーカルとは一線を画していて、特に前作『IMMERSION』の出来が新しさを追求する姿勢に満ちた評価を獲得している為、今作は?と思ったところもあるが、多くはかなり標準的仕上げにもってゆき、時として2オクターブも上げる高音部とかアカペラ・スキャット手法などとやはりそれなりに尋常でない気配も感じさせる。それをカウハード(↓)の曲の表現が見事でこのデュオは成功していると感じた。

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M1."Feeling Good"はニーナ・シナモンに迫ってのものだが、常識的な聴きやすい歌に仕上げている。
M3."I've Seen That Face Before "は、異様なスタートだが、歌は極めて軽快なタンゴの世界。しかし後半の高音の世界は聴く方がひびる。
M4."My Funny Valentine" そしてM10."Killing Me Softly With His Song"のポピュラーな原曲以上に、彼女の世界のしっとりムードで訴えてくる、聴き応え十分。
M5."White Rabbit" こうしたロックも、ユン・サン・ナ節で落ち着くところが不思議。
M6."Sometimes I Feel Like A Motherless Child" こうしたソウルフルな世界もなかなか心を込めての歌が見事。
M7."Baltimore Oriole" クリス・コナーの味もそこなわず、彼女の歌に。
M8."Coisas Da Terra" スキャットの凄い処を聴かせる。芸術性は高そうだが、私には向かない。
M9."La Foule" シャンソンの大人っぽさもこなしきっている。

 究極はレベルの高さを感ずるヴォーカル・アルバムだ。バラード好きの私にとっても納得のヴォーカルもあり十分楽しめる。前作のように彼女らしい新世界への試みの革新的・独創的テーマが、今作は古きを回顧するところにとの違いがあって、常に期待度が大きいのでその相違に不満足というところもあるかもしれないが、このアルバムも現ジャズ・ヴォーカル界における異色面が出ていて、ただでは終わらないスタイルは見えていた。面白いアルバムだ。

(評価)
□ 編曲・歌  88/100
□ 録音    87/100
(試聴)
"Killing Me Softly With His Song"

*
"I've Seen That Face Before "

 

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2024年1月12日 (金)

ジョージー・ブラウン Georgie Brown 「My Gramps Was A Jazzman」

初のお目見えアルバム、中身は多種・多芸なジャズ

<Jazz>

Georgie Brown 「My Gramps Was A Jazzman」
Bam Productions / Import / CD1299GEOMY / 2023

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Channels4_profile Georgina Brown (vo)
Oliver Oliver (p)
Jean-Hugues Billmann (b)
Eric Bourciquot (ds,per)

Geraldine Laurent (as)
Sebastian Munoz (ts)
Varery Bertrand (g)
Lionel Berthomes (congas)

  ジャズ・ヴォーカルは今や圧倒的に女性の世界ですね、これはフランス系英国人女性シンガーソングライター・ジョージー・ブラウンの初のジャズ・アルバムで、彼女自身はかなりの実績を積み上げてきたようで、両親からも音楽の影響を受け、13歳でスウィング・ジャズ・バンドのメンバーになり初めてジャズを歌い始めた。その後新しいジャンルを探求することに情熱を注ぎ、兄とEDMトラックに取り組み始め、2020年にはロンドン・グラマーのサウンドにインスパイアされた初のエレクトロニック・ポップ・ソング「Free」をリリースした。
 しかし現在、パリでジャズを学んでいる彼女は、初のジャズ作品アルバムをここにリリースにこぎつけ、単なる新人という感じではなく、これまでの彼女の人生から得たインスピレーションをもとに、書き上げられたオリジナル曲で独自の個性を発揮したアルバムとなっている。
 演奏陣はピアノ・トリオを中心に、曲によってサックス、ギター、コンガなどの数人のゲストアーティストが加わるスタイル。一貫したコンセプトのある作品というよりは、私はこんなジャズを歌いますといったてんこ盛り的アルバムだ。

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1.I Can Try
2.Entre deux
3.The River
4.My Gramps Was A Jazzman
5.Conmigo
6.Not In My Arms
7.Le temps est changeant
8.Rêve d'un inconnu
9.Valentine
10.Music To Me 

 彼女の歌声は、中低音部が深く充実したところにある。バック演奏はゲスト・ミュージシャンとしてはサックスの因子が大きいスタイルの印象が強い。曲は極めて多様、伝統ジャズの世界から、現代的しっとりムードのフィーリングを取り入れたり、ボサ・ノヴァの世界などと多様に楽しめる作品に仕上げている。又言語も英語、フランス語など曲により使い分けているところも多芸ぶりを発揮している。

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 M1."I Can Try"は、静かなピアノからスタートし、ゆったりと充実感たっぷりのややハスキーの低音で歌いはじめ、ジャズ・ミュージシャンの意気込みを力みなくサックスの間奏を挟んで歌い上げる。なかなかジャズ向きの感あり。
 M2."Entre deux" ぐっとリズムは軽快、言語もフランス語で軽く・・・、流れはオールド・ジャズ調。
 M3."The River" ピアノとサックスがしっとりと演じて、歌声もバラード調でぐっと迫ってくる、ここでは高音も優しくのびる。このあたりが本領発揮なのだろう。彼女は初お目見えと言っても場数は踏んでいると推測する。
 M4."My Gramps Was A Jazzman" オリジナルのアルバム・タイトル曲。全曲から一転して古き良き時代の速攻ジャズ。彼女は家系的にジャズとの付き合いのある事を訴えているのか、後半にスロー転調をみせるところは旨い。
   M5."Conmigo" ギター、コンガなどでボサノバ・スタイルでムードを一変。
 M6."Not In My Arms" 自分の世界をしっとりと訴える。切なさの心情を訴えているように。
 M7."Le temps est changeant" ここでもサンバ調。
   M8."Reve d'un inconnu" スローな展開も結構旨い。
   M9."Valentine" 憧れ的訴えを歌い上げているのか。
   M10."Music To Me" 最後は明るい軽快な曲で。

 まあ、彼女としては自己のキャリアの中で、これだけジャズを歌ってきましたという自己アッピールの作品で、Facebookを見てもアルバムが出来たことを喜んでいる姿が見れる。ヴォーカルとしては、ダイアナ・クラールなどが目標のようだが、さあ、どこまで迫れるかはこれからだろう。声の質は高音美声というよりは中低音で聴かせるところに魅力があるといったタイプ。
 陽気な軽快なジャズ歌唱もこなしているが、一方バラードものをしっとりとした歌いまわしで郷愁、思慕、切なさの心情を深く歌うというところも聴かせて、なかなか芸は広く期待株。

(評価)
□ 曲・歌  87/100
□ 録音   87/100

(試聴)

*

 

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2023年12月 8日 (金)

ハンナ・スヴェンソン Hannah Svensson「 THE OTHER WAY AROUND」

クール・ロマンティック・ヴォーカルで真摯な世界を歌う

<Jazz>

HANNAH SVENSSON 「 THE OTHER WAY AROUND」
Ladybird / Import / 79556874 / 2023

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Hannah Svensson ハンナ・スヴェンソン (vocal)
Ewan Svensson エーヴァン・スヴェンソン (guitar)
Jan Lundgren ヤン・ルンドゥグレーン (piano)
Matz Nilsson マッツ・ニルソン (bass except 1, 2, 5, 7) (electric bass on 1, 2, 5, 7)
Zoltán Csörsz ゾルターン・チェルス (drums)

録音 2021年12月 ギューラ・スタジオ(Gula Studion)(スウェーデン)

  スウェーデンの女性ジャズ・シンガーソングライター、ハンナ・スヴェンソン(1986‒)は既に6枚のアルバムをリリースしていて、これは『Snowflakes in December(十二月の雪のひとひら)』につづくニュー・アルバム。

 彼女はスウェーデンでは、最も有名なジャズシンガーの一人としての地位を確立してきているようだ。生まれと育ちはスウェーデン西海岸のファルケンベルクで、彼女の音楽教育は、著名なジャズ・ギタリストである父親のユアン・スヴェンソンによるという。ピアノとギターのレッスンを受けた後、17歳のハンナはエヴァ・キャシディの歌声を聴いて、初めて歌に興味を持ち始めた。21歳の時から、ハンナは自身のグループ、"ハンナ&アコースティック3"を率い、父親もギターを弾いていた。それ以来、彼女は独自の道を切り開いて来たと。そして故郷の文化賞やスウェーデンのエグゼクティブジャズ協会の周年記念賞など、スウェーデンでいくつかの賞を受賞している。
 彼女はその他、画家としても活躍している。具象と抽象のブレンドされた作品で知られているようだ。そのように特徴的なジャズ・ミュージシャンの道を歩んでいる。

 さてこのアルバムだが、収録曲は"The Other Way Around"はじめ彼女の8曲のオリシナル曲に、ボブ・ディランの1曲により構成されている。したがつて内容は彼女の人生観が歌い込まれているようだ。

Hannah2w (Tracklist)

1. Today Is Gonna Be A Better Day (Hannah Svensson)
2. Crossroad (Hannah Svensson)
3. It's All Over Now, Baby Blue (Bob Dylan)
4. The Other Way Around (Hannah Svensson)
5. The Two Of Us (Hannah Svensson)
6. Time To Go Home (Hannah Svensson)
7. We'll Get Through (Hannah Svensson)
8. Carry On (Hannah Svensson)
9. Little Friend (Hannah Svensson)

 

 このアルバムは、過去盤でも共演していたピアノにヤン・ルンドゥグレーンや父親のエーヴァン・スヴェンソンのギターと再び組んだカルテット編成の伴奏での一編。
 彼女のヴォーカルは、自然体で優しく極めて端正で "北欧固有の冷涼な清風を吹きかけるが如きクール・ロマンティック・ヴォーカル"と評されている。透明感とやや高めのトーンのクリーン・ヴォイスによって、歌詞とメロディーをあくまで大切にし心情豊かに丁寧に語りかけてくるような歌である。
 とにかく奥ゆかしさが感じられる自然体の姿で、謙虚に、真摯に切々と語るがごとくに歌うところには気品が感じられ、思わずぐっと引き込まれる。内容は自己の体験からのポジティブな意志の表現のようだ・・・そんなところからも真摯な世界に描いているのかもしれない。

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M1. "Today Is Gonna Be A Better Day" 自己のオリジナル、かなり私的な心情の姿を描いて歌っているようだが、情に流されるのでなく冷静な印象。その為、いわゆるジャズ・ヴォーカルと言った世界よりはクラシックよりの雰囲気も。
M3. "It's All Over Now Baby Blue" Bob Dylanの曲、ギターをバックに情緒豊かにしかも美しく歌い上げる。私の一押しの曲。
M4. "The Other Way Around"M5. "The Two Of Us" ちょっと物語風の世界。
M6. "Time To Go Home" 新しい出発と未来への意志が美しく歌われる。
M8. "Carry On" 、M9. "Little Friend" 希望の感じられる明るさが見える展開がいい。  

 自らの経験から真摯に未来に向かっての意志を歌い上げた彼女の作詞・作曲・編曲の曲群が、聴く我々に好感を持って迎えられる因子が多い。エーヴァン・スヴェンソンのギター、 ヤン・ルンドゥグレーンのピアノも洗練されていて聴きやすい。なかなかジャズ・アルバムとしてはテーマも特異でもあるが、これも一つの世界として聴くに十分答えてくれるアルバムであった。

(評価)
□ 曲・編曲・歌  88/100
□ 録音      88/100
(試聴)

 

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2023年11月28日 (火)

メッテ・ジュール(メテ・ユール) Mette Juul 「Celeste」

テンダーな心地よい癒されるボーカルが・・・

<Jazz>

Mette Juul feat. Lars Danielsson & Mike Moreno 「Celeste」
Prophone / Import / PCD325 / 2023

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Mette Juul メテ・ユール (vocal, guitar)
Mike Moreno マイク・モレーノ (guitar)
Lars Danielsson ラーシュ・ダニエルソン (cello, double bass, celeste, kalimba, melodica, cymbals)

米ニューヨークのBass Hit Recording録音
2023年スウェーデン作品

  メッテ・ジュールと呼んでたが、最近、メテ・ユールと書かれてますね。彼女はデンマークのホアンシルの1975年生まれの北欧のギタリスト兼ヴォーカリストでこれは最新盤。このProphone Recordsのリリースする『Celeste』は、彼女のソロ・アルバム第6作。スウェーデンのベーシストのラーシュ・ダニエルソン Lars Danielsson(前作も)とアメリカのギタリスト、マイク・モレノ Mike Morenoの共演で、スタンダード曲中心に録音されたヴォーカル・アルバムだ。

02ff38519d8558b501111w  彼女は日本でも既に多くのファンを獲得しているが、若いころからシンガー・ソングライターとして活動し、2007年にエストニアのタリンで行なわれた国際ジャズ・アーティスト・コンペティションで第1位に選ばれた。2010年、ここでも取上げたアレックス・リール・トリオとのデビュー・アルバムのComing from the Dark』(YMCJ-10005)をリリースし好評で、既に13年のキャリアがある。
 彼女は今回のアルバムに関して次のように語っていることが紹介されている
「私は幼い頃にジャズヴォーカルの世界に出会いました。スタンダードのメロディーと歌詞は私に大きな印象を与え、今でも私に語りかけます。マイク・モレノとラース・ダニエルソンと一緒にツアーをして、ジャズスタンダードの曲を一緒に演奏したり、歌ったりすることは、私の長年の大きな願いでした。そしてアルバムには、ジャズのスタンダードだけでなくグラウコ・ヴィエニエやノーマ・ウィンストンの"Distance"などのオリジナルも入れることが出来ました」

  彼女の過去のアルバムも非常にしっとりと描く世界が安らぎに導くところがあり、これは秋の夜長を彩るにふさわしい女性ヴォーカル盤だ。
  今回の録音は、米ニューヨークへ出向き、マイク・モレーノ(g)、ラーシュ・ダニエルソン(b他多数)とのトリオ体制で、ヴォーカルとギターのコンビネーションを基軸に、ダニエルソンのチェレスタ、カリンバ、メロディカ、シンバル、チェロ、ベースなどの多彩な音世界のゆったりとした雰囲気で包まれた作品。いずれにしても彼女のヴォーカルは包容力もあり美しさ優しさを持っているので大歓迎の一枚。

(Tracklist)

01. Beautiful Love (Wayne King / Victor Young / Egbert Van Alstyne / Haven Gillespie)
02. My Foolish Heart (Victor Young / Ned Washington)
03. With A Song In My Heart (Richard Rodgers / Lorenz Hart)
04. Nature Boy (Eden Ahbez)
05. I'm Moving On (Mette Juul)
06. Distance (Glauco Viénier / Norma Winstone)
07. Northern Woods (Mette Juul)
08. Love Is A Many-Splendored Thing (Sammy Fain / Paul Francis Webster)
09. Celeste (Laura Pausini / Beppe Dati)
10. Where You've Never Been 

 相変わらず彼女の世界は、透明感や涼やかさのクリーン・ヴォイスでソフトな温もりをも持ち合わせていて、バラード調の流れで中音域を中心に情感をこめて優しく語りかけ叙情的で、聴く者に好感の持てるところにある。
 曲の展開としてハミング〜スキャット系統の手法も結構取り入れたヴォーカル、全体的にはテンダーにして穏やかで包容力ある美しさとロマンチックな処もある心地よい癒やされる世界である。

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M1. "Beautiful Love" スキャット風のウォーカルも入ってなんとなく幻想的。
M2. "My Foolish Heart" 彼女独特の節回しの入っての編曲効果が大きい不思議な曲仕上げ。
M3. "With A Song In My Heart" しっとりと説得力あるバラード風の世界を美しい中音域で歌い上げる。
M4. "Nature Boy" よく聴く曲が続くだが、美しいギターの調べと共にゆったりと包容力ある歌い込みが魅力的。ダニエルソンのメロディカだろうか、その調べが印象的な世界へ。
M5. "I'm Moving On" Mette Juulのギターの弾き語り調の異色のオリジナル曲。
M6. "Distance"  ギターの調べと共に、ちょっと陰影のあってなかなか美しい曲。
M7. "Northern Woods" これも彼女のオリジナル。北欧の自然の描写だろうか。
M8. "Love Is A Many-Splendored Thing" このように聴き慣れた曲をギターをバックにしっかり新たな気持ちで聴ける歌い回し。
M9. "Celeste"M10. "Where You've Never Been" 両曲はあまり特徴を出さずにソフト・タッチの優良曲と仕上げた。

 ここまで優しさを持って描ききったアルバムは近年珍しい。スウェーデン風と言って良いのか、ちょっと不思議な節回しも入ったり、ハミングで歌ったりと、新鮮味もちゃんとあって飽きさせない。秋向きのいいアルバムだ。

(評価)
□ 曲・編曲・歌  90/100
□ 録音      88/100

(参考視聴)

 

 

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2023年11月18日 (土)

ロヴィーサ・イェンネルヴァルとエラス・カペル Ellas Kapell feat. Lovisa Tennervall 「For All We Know」

女性ヴォーカルとピアノ・トリオによるコンテンポラリーな世界

<Jazz>

Ellas Kapell feat. Lovisa Tennervall 「For All We Know」
PROPHONE / Import / PCD321 / 2023

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Lovisa Jennervall (vocal)
Manne Skafvenstedt (piano)
August Eriksson (bass)
Edvin Glänte (drums)

2023年6月スウェーデン-ヨーテボリのNilento Studio録音

 スウェーデンからの4人組ユニットの3rdアルバム。女性ヴォーカルを立てたピアノ・トリオだ。私にとっては初物であったのだが、女性ウォーカルものというのでなく、あくまでもヴォーカルも入ったカルテットと考えた造りを目指しているようだ。そしてどうもこの「Ellas Kapell」という精鋭トリオは、スタンダード・ナンバーをレパートリーとしているようだが、かなりコンテンポラリーな線を描いていて、ちょっと一筋縄ではゆかないタイプ。そして注目の女性歌手ロヴィーサ・イェンネルヴァルをグループの看板にもしているようだが、その彼女は自己名義のソロ・アルバムもリリースしている。近作では個人的な色彩の濃い『Between You and Me』PCD278/PCD278/2022)が好評の若き実力派女性歌手(兼ソングライター)である。

Lovisajennervall_w  聴いてみるとカルテットといっても、やはり女性ヴォーカルのロヴィーサ・イェンネルヴァル(→)の因子は大きい。彼女は1990年生まれの33歳、ヴェステルノルランドのヘルネサンドとヨーテボリというところで子供時代と青春期を音楽に囲まれて過ごしたと、2015年春、ニューヨークでジャズを学ぶ。帰国後まもなく、ヨーテボリで「ロヴォーサ・イェンネルヴァル・カルテット」を結成。2016年秋、ストックホルム王立音楽大学に入学、最初の学年でプロジェクト「ロヴィーサ・イェンネルヴァル・ウィンドアンサンブル」を立ち上げ、作曲と編曲を担当し、その後「エラス・カペル」を結成、スタンダードを中心にした曲を編曲し歌った『Longing(あこがれ)』(PCD 216)と『What's It All About?』(PCD 266)の2枚のアルバムが話題を呼んだ。


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(Tracklist)

01. I Get Along Without You Very Well  
02. Autumn Leaves
03. For All We Know
04. How Could You?
05. Something On Your Mind
06. Softly As In A Morning Sunrise
07. Devil May Care
08. If I Should Lose You
09. (They Long To Be) Close To You
10. For All We Know

 まずは、この女性ヴォーカリストのロヴィーサ・イェンネルヴァル の北欧の空を思わせる透明感に満ちた豊潤クール・ヴォイスが、時には温もりまでみせ、そこには清楚可憐な雰囲気さえ描き、英語圏とは若干異なる節回しで迫ってくるところに魅力が溢れている。そしてある時は耽美的に、又ある時はダイナミックなタッチをみせるピアノと、ベース、ドラムスも安定感があり、又曲想によって変幻自在なサポートも板についている。それはユーロ・ジャズのクラシカルなものやメロウにして美メロのイタリア風世界などとは違って、基本的にはコンテンポラリー・ジャズを基調にした北欧美意識を盛り込んだタイプと言っていいかもしれない。

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 多くの曲は、まずはトリオが彼女の歌をサポートする形でスタートして、中盤にトリオ演奏として三者それぞれの主体性と協調性による形を作って曲を展開させ、最後はヴォーカルを呼び込んで纏め上げるパターンをとる。しかしスタンダード曲を演ずるに、インプロヴィゼーションを時に生かして、原曲をかなりの編曲によって彼ら自身の曲に仕上げてゆく手法はコンテンポラリーな世界でなかなかのもの。

M1. "I Get Along Without You Very Well"  冒頭から圧巻の高く広がり訴えるヴォーカル。
M2. "Autumn Leaves" 初めて聴くタイプの枯葉。スタートと締めに聴きなれない編曲でのヴォーカル、中盤に編曲されたトリオ演奏。 
M3. "For All We Know" アルバム・タイトル曲。しっとりと歌い込む曲、中盤の情緒的ピアノが美しい。
M4. "How Could You?" ドラムスがリードするタイナミックなトリオ演奏。アヴァンギャルドな雰囲気も。スキャット・ハミング調のヴォーカルも。
M5. "Something On Your Mind" 状況描写を歌い込みピアノの響きも語るが如く。 
M6. "Softly As In A Morning Sunrise" 清々しさと美しさのヴォーカル。スキャットも入れての世界は美しく、ピアノ、ベースも優しく。
M7. "Devil May Care" なかなか軽快さも見事。
M8. "If I Should Lose You" 美しさを描く演奏、説得力のある静かに迫る美しい歌声。
M9. "(They Long To Be) Close To You" 中盤のスキャット・ヴォーカルとベースの新解釈演奏に美しいピアノは注目点。
M10. "For All We Know" ピアノのヴォーカルを導く優しさの展開はお見事で、ドラムスのブラッシ音に乗っての見事なカルテット演奏。

 とにかく聴きなれた曲も初めて聴くが如くの世界に浸れる。今までにない新世界を聴く想いである。特にロヴィーサの清楚感の透明感ある艶と香りの歌唱力に脱帽だ。又ピアノ・トリオはコンテンポラリーな世界にリリカルさとダイナミックさの味をしっかり身に着けていて見事。スウェーデン恐ろしという事で今後が楽しみだ。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌  90/100
□ 録音       88/100
(試聴)

 

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2023年11月13日 (月)

サラ・マッケンジー Sarah Mckenzie 「WITHOUT YOU」

ボサノヴァをテーマに歌ったアルバム登場

<Jazz>

Sarah Mckenzie 「WITHOUT YOU」
TERASHIMA Records / JPN / TYR-1117 / 2023

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SARAH McKENZIE (vocals, piano)
JAQUES MORELENBAUM (cello)
ROMERO LUBAMBO (guitar)
PETER ERSKINE (drums)
GEOFF GASCOYNE (bass)
ROGERIO BOCCATO (percussion)
BOB SHEPPARD (flute, sax)

  オーストラリア出身のサラ・マッケンジーが、今回はボサノヴァをテーマにしたアルバムをリリースした。彼女に関しては2017年にここでアルバム『PARIS IN THE RAIN』や、Live-DVDなどを取り上げた経過があるが、ピアノの弾き語りに秀でていて、見方によってはダイアナ・クラールを追える逸材かと見ているのだが、まだまだジャズ・ピアノ演奏を前面に出したミュージシャンとしてのアルバム実績は無い。

 さて今回のアルバムは、彼女が2018年にリオデジャネイロに訪れた際、多方面に感動を受け今作への企画を持ったという。そして2020年には、前作でも共演したギタリストのロメロとチェロリストのジャキスとボサノヴァ曲"Corcovado"を演じ、Facebookで評判が良かったことからこの作品制作を決意したようだ。つまり彼女の曲も挟み込んでの彼女の意志が前面に出たと考えて良さそうなのだ。

Sarah_mckenziew  彼女は、オーストラリアのパースにある音楽院にてジャズの学士課程を修了。その後バークリー音楽大学へ進学、2015年5月に同大学を卒業。その後世界各地でのジャズのパフォーマンスを行ってきている。2015年にアルバム『We Could Be Lovers』をリリース、ベスト・オーストラリアン・ヴォーカル・アルバム賞を受賞。その後Impulse!レーベルと契約し、世界的なアルバム・リリースがなされた。現在はパリに移住し活動の幅を拡げている。ヴォーカル、ピアノ・プレイだけでなく、作曲、アレンジも手がける有能な女性アーティスト。
 
 彼女の歌声は清涼感の溢れるところにあり、洗練されてはいるとは言え若干地域性のある人間の機微をも扱うボサノヴァを歌ってどうなるのか、ちょっと興味のあるところだ。バック演奏には、当然彼女のピアノがあるのだが、ロメロ・ルバンボ(G)やピーター・アースキン(ds)をはじめジャック・モレンバウム(Cello)などそれなりのミュージシャンが集結した意欲作言えるものになっていて、これもボサノヴァ向きかどうか気になるところでもある。

(Tracklist)
1. The Gentle Rain
2. Corcovado (Quiet Nights)
3. The Voice of Rio*
4. Mean What You Say*
5. Fotografia
6. Quoi, Quoi, Quoi*
7. Once I Loved
8. Without You*
9. Wave
10. Dindi
11. Thr Girl from Ipanema
12. Chega de Saudade
13. Bonita
14. Modinha
*印 : Sarahのオリジナル曲

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  やはり相変わらずの清涼感ある美声の彼女の歌声は豊かで響きが良い。
 M1."The Gentle Rain"は、オープニングとしては魅力にあふれたバラード曲で、情熱というよりはぐっと落ち着いたしっとりとしたムードの優しい曲仕上げ。チェロの調べが入るのが、その効果を上げているのかもしれない。
 M2."Corcovado" この曲はダイアナ・クラールを頭に描くが、サラもピアノの響きのリードで美しく歌い上げるところは、彼女なりきの歌として聴ける。 たまたまステイシー・ケントも時を同じにして歌っているが、やはりしっとりとした大人の味はケントに譲る。
   M3." The Voice of Rio" 彼女のリオをイメージしてのオリジナル曲。ギターをバックにしての優しい歌。
   M5." Fotografia" チェロとパーカッションの意外な組み合わせのでのバックが生きた曲。そして彼女のピアノも描くところ優美といったところだ。
 M7."Once I Loved" ギターとのデュオ。スローな曲で十二分に彼女の美声を聴き込める。
   M8."Without You" ギターのロメロとの共作のアルバム・タイトル曲、ギター、フルートなどが効果を上げ、ちょっと歌にも哀感があってなかなか聴きごたえあるバラード曲。
   M10." Dindi" 美しいピアノとギターと共にしっとりと歌い上げる。
 M11."Thr Girl from Ipanema"  超有名曲だけに、中盤の演奏に突如驚く変調が入ってなかなか工夫がうかがえるが、元の曲のイメージが薄らいでしまっている。
   M12."Chega de Saudade" 快調なテンポの曲、彼女の歌がもっと軽くこなす方向でよかったのではと思うところ。
   M13." Bonita" 彼女はこうしたややしっとり系の歌の方が合いそうだ。
   M14." Modinha" ピアノの弾き語りで、じっくり歌いこみで描くスロー・バラード。このスタイルがもう一曲ぐらいあってもよかったのかも。

 こうして聴いてみて思うところ、やっぱり彼女にはボサノヴァの快適なテンポを軽く歌いそこに秘められた味のある洗練された世界を描くとか、豊かな落ち着きやリラックスに導いたり、又一方人生の感傷的な部分を描いて共感を呼ぶといった奥深さにはまだ今一歩の感があった。人生の様々な機微を背景に感傷的ともいえるところをシンプルなバック演奏にて歌い上げるという芸も、もう少し欲しいと思う。
 又多くが歌ってきた有名曲の場合、自分を出すその対応法はいろいろだろうが、バック演奏を含めて意識過剰で細工をし過すぎを感じたところがあった。彼女は普通に歌って、自身の特徴がちゃんと出ると思うのだが。

 ボサノヴァがあまり好きでないという寺島靖国氏が面白い事を言っている。"ボサノヴァに寄りかからず、あくまでも手段として用い、…彼女の表出を心がけた結果、私に福音をもたらした"と。"つまりボサノヴァを歌い込んだというより、彼女の歌を聴けた"ということなのだ。まあ、そうゆう事になりますかね。
 しかし声の美くしさと豊かで力強いところを感じさせる歌を聴かせてくれて、囁きタイプとは一線を画していて、これはこれで貴重なタイプであるので、ピアノのジャズ演奏にも磨きをかけ、更に前進して楽しませてほしいところである。

(評価)
□ 曲・演奏・歌  87/100
□ 録音      87/100

(試聴)

 

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2023年10月13日 (金)

ステイシー・ケント Stacey Kent 「Summer me, Winter me」

多彩な世界を、誠実感のある歌いこみに好感

<Jazz>
Stacey Kent 「Summer me, Winter me」
Naive / Import / BLV8224 / 2023

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Stacey Kent (vocal)
Jim Tomlinson (tenor saxophone, flute, alto flute, clarinet, guitar, percussion, keyboard)
Art Hirahara (piano)
Graham Harvey (piano)
Tom Hubbard (double bass)
Jeremy Brown (double bass)
Anthony Pinciotti (drums on 01, 02, 03, 04, 05, 07, 09, 10)
Joshua Morrison (drums on 06, 08, 11)
Aurélie Chenille (first violin on 05)
Claire Chabert (second violin on 05)
Fabrice Planchat (viola on 05)
Gabriel Planchat (cello on 05)

#06, #08, #11:2019年5月6日英国ウェスト・サセックス(州)アーディングリー=ArdinglyのCurtis Schwartz Studio録音
#01, #04, #09, #10:2019年8月2日米ニューヨークシティのEastside Studios録音
#02, #03, #05, #07:2019年12月12日米ニューヨークシティのSpin Studios録音
(追加録音)米コロラド州カーボンデイルのStirling Studio、米ヴァージニア州アーリーズヴィルのLake Studios

 ステイシー・ケントもここで取り上げるのも久しぶりだと思いましたが、2年前にピアノとのデュオ・アルバム『Songs from Other Places』(2021)が出ていたんですね。今回もなかなかバックは小コンポで、彼女の充実したヴォーカルがじっくり聴けるアルバムの登場である。
 なんとそれは、彼女のコンサートでアルバムとしてリリースされていないが高評価の人気曲を集めたというまさにファン・サービス・アルバムで、古いレパートリーであったり新しいものもあり統一感というよりは、聴きたいという希望に答えている。しかもフランスのレーベルNAIVEからのリリースである。

 彼女は、ニュージャージー州サウスオレンジ出身(1965年生まれ)のアメリカのジャズ歌手だが、父方の祖父はロシア人で、フランスで育った。サラローレンス大学を卒業した後、彼女はロンドンのギルドホール音楽演劇学校で音楽を学ぶためにイギリスに渡航し、そこで1991年に結婚したサックス奏者のジム・トムリンソンに会ったという事だ。

 過去にグラミー賞にノミネートされ、2009年にフランス文化大臣から芸術文学勲章シュヴァリエを授与されている。夫のジム・トムリンソンは彼女のアルバムをプロデュースし、彼女のために曲を書いたりしている。もともとフランスでの人気が先行して今やインターナショナルにファンがいる。

 

O0460069114486459352 (Tracklist)

01. Summer Me, Winter Me (vo-fl-p-b-ds)
02. La Valse Des Lilas (vo-ts-p-b-ds)
03. Thinking About The Rain (vo-afl/cl/fl?/key?-p-b-ds)
04. Under Paris Skies (vo-fl/ts-p-b-ds)
05. If You Go Away (vo-cl-p-b-ds-strings)
06. Happy Talk (vo-fl/ts/acg-p-b-ds)
07. Show Me (vo-p-b-ds)
08. Postcard Lovers (vo-afl-p-b-ds)
09. Corcovado (vo-fl/ts/acg-p-b-ds)
10. A Song That Isn't Finished Yet (vo-ts-p-b-ds)
11. Ne Me Quitte Pas (vo-p-b-ds)

  彼女はもうベテランの範疇だが、声は全く衰えることもなく以前からのままであるが、歌いっぷりはやはり充実していて、いろいろという事が憚れるといったところ。バックの演奏もヴォーカルものにぴったりの小コンポで、ピアノ・トリオにフルート、テナーサックス、ギターなど曲により加わりいいムードである。
 アルバム・タイトル曲であるM1."Summer Me, Winter Me"は元々、ミッシェル・ルグランが作曲した映画「おもいでの夏」のテーマ曲"Summer Song"に後付けで歌詞が付けられたもので、シナトラや、エラ・フィッツジェラルドなどの大物がカバーしている名曲らしい。ケントは軽快なバックに優雅に歌い上げていて歴史を感じられる曲だ。
 M2."La Valse Des Lilas" ゆったりしたフランス・ムードの情景豊かな曲で聴いていて気持ちがいい。
 M4."Under Paris Skies"は、誰でも知っているという名曲だが、快適なテンポでパリの華やかさと明るさを歌い上げていてこれも気持ちが良い。

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 M5."If You Go Away"は、彼女の歌うコンサートでは人気曲のようで、このピアノのバックでしっとりと歌での味付けとムードはさすがである。これが収録されてファンは大喜びというところだ。
 M8."Postcard Lovers"は、カズオ・イシグロ氏の作詩、なかなか落ち着いた大人の歌が聴ける。
 M9." Corcovado"は、彼女が尊敬しているというジョビンの曲で、リオデジャネイロのコルコバードの象徴的美しい場所を見てのブラジルの自然の美しさや愛情を歌った曲で、しっとりと歌いこまれていて聴きごたえ十分。
 M11."Ne Me Quitte Pas"は、これはフランス語の歌詞で、英語では"If You go away"(いかないで)と歌われる。このアルバムではM5.と同一曲のフランス語版。なんと、かってシンディ・ローパーが見事に歌って私は驚いた曲である。アルバム締めくくりとして、ケントはスタートはアカペラで歌い上げ、控えめなピアノと共にしっとりと歌いこんで切ないムードを盛り上げる。

 彼女のヴォーカルは、不思議なのは、年齢とは別のなんとなくあどけなさも感ずるところがあったり、しっとりと大人のムードで包容力があったり、パリ・ムードの華やかさを若々しく歌ったり、このアルバムの選曲によって多彩で至れり尽くせりといったところにある。とにかくなんとなく彼女が一つの節目として誠実真摯に変な色付けなく自然なムードで歌い上げたアルバムのような感覚になる。取り敢えず推薦アルバムだ。

(評価)

□ 選曲・演奏・歌  88/100
□ 録音       88/100
(試聴)

 

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2023年10月 3日 (火)

オリヴィア・メイセル Olivia Maisel 「A Moment In Time」

大人のジャズ・ヴォーカルを精神性を込めたスタイルでしっとりと聴ける

<Jazz>

Olivia Maisel 「A Moment In Time」
OLIVIA MAISEL / Canada / OLIVIA2301 / 2023

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Olivia Maisel - vocals
Thélonius Garcia -piano
Luc Herrmann - guitar
Alex Le Blanc - upright bass
John Buck - drums

 フランス・トゥールーズ出身、現在はカナダ・モントリオールで活躍するフランス系アメリカ人女性シンガーのオリヴィア・メイセルが、スタンダード中心に歌う、ソフトで透明感溢れる1枚。彼女の自己出版のデビュー・アルバムだ。

 彼女は、シューリッヒ・スクール(マギル大学)でジャズ・ヴォイス・パフォーマンスの学士号を取得し、モントリオールのシーンで活躍するカナダの偉大なジャズ・シンガーたちと共演してきた。音楽活動に加え、オリヴィアはニューヨーク大学(NYU)で音楽療法の修士号も取得している。
 そして在学中、カナダの偉大なジャズ・マスターたちとの関係を持ち、ジャズの即興演奏や作曲、そして編曲技能も習得した。一方ブラジリアン・カルテットのリーダーとして演奏したり、更にシンガーとしての技能の取得に努力したという。
 従って、このアルバムはデビュー盤であるが、かなりの遅咲きである。

(Tracklist)

1. Crazy He Calls Me 6:23_bp15643trw
2. My Foolish Heart 6:10
3. The Nearness of You 6:34
4. Send in the Clowns 7:23
5. Easy to Love 5:26
6. Embraceable You 5:30
7. Que Reste-T-Il De Nos Amours? 6:01
8. Last Time for Love 5:16

  M1."Crazy He Calls Me" 静かなギターの音から始まりおもむろに彼女の歌が始まる。どこか自己を振り返っての静かな中に意思の感じられる様を描くがごとくソフトなヴォーカルが好感だ。ピアノの美しい旋律のバックも頂きというところ。
 M2."My Foolish Heart" ピアノのしっとりとしたムードの前奏でぐっと静かに迫るヴォーカルは大人のムード。適度な編曲とインプロが光る。中盤のベース・ソロとピアノの味付けも味がある。

 このアルバムは彼女の何十年にもわたる個人的な経験を反映しているとのことで、「団結の物語、私たちが共通する過去、私たちが一緒に経験できる現在、そして希望と変化の未来」という彼女が伝えたい物語に基づいて曲を選んだという事を語っているようだ。
 そしてそのの背後にある彼女の意図についてあまり多くを明かしておらず、彼女は誰もがここで自身の物語のバージョンを見てもらう事を望んでいるようだ。そんなことをふと考える年齢になってのファースト・アルバムだということを知りつつ聴くのも良いことだ。

 M4."Send in the Clowns"には、フランク・シナトラを思い出すところだが、どこか明るさ・楽しさも感じられるところが良い。
 M6."Embraceable You" このラブ・バラードを、ベースのアルコ奏法の音とともに、ただ明るいだけでなくちょっと憂いを感じさせしっとりと描くところは大人の世界だ。
 
 いやーーしかし久しぶりに芸術性のある中に、精神性を感ずるしっとりとしたヴォーカル・アルバムに出会った感がある。その声には透明感があるし表現力も見事、スタンダード曲を自分の世界に取り込んで、フランスの洒落たところも取り入れつつ一つの世界を描き切ったところは納得である。
 バックの演奏も、ピアノ、ギター、ベースなどが歩調を合わせてのジャズ世界をしっとり描いていて好感がもてる。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌   90/100
□ 録音        87/100

(試聴)

 

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2023年9月28日 (木)

レイヴェイ Laufey 「Bewitched」

ファンタジー・ポップで、・・ジャズ色を期待して聴かない方がいい

<pop, Jazz>

Laufey 「Bewitched」
Laufey-AWAL / Import / LAULP003CD / 2023

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Laufey : Vocals, Viola, Phonographic
Ted Case : piano

Thorleifur Gaukur Davidsson : Slide Guitar
Simon Moullier : Vibraphone
Junia Lin : Violin
Carson Grant : Drums
Jordan Rose : Drums

Philharmonia Orchestra (Orchestration : HalRosenfeld)

 ここでも既に取上げたLaufey(lāy-vāy=レイヴェイ 、本名Laufey Lin Jōnsdēttir, 1999年生まれ、アイスランド出身)の早々の第2弾だ。彼女は2022年に発表した1stフルアルバム『Everything I Know About Love』は、ポップな中にジェントリーでクラシカルなジャズっぽさが見え隠れしての独自のサウンドが、彼女の魅力ある声と共に各方面から高い評価を受けた。今作2ndアルバムは、宣伝では、ジャズ色が更に増したとも言っており、取り敢えず孫の音楽を聴くような感覚で聴いてみた次第である。

Laufeypressphotosalbumreleasew  曲は一曲"Misty"以外全て彼女の手によるもので、SSWとしての技量も発揮している。
 タイトル「Bewitched」 とは"魅せられた"、"魔法をかけられた"の意味だが、1960代後期から1970年初めにテレビ・ドラマで人気を博した「奥様は魔女」とのタイトルにならっての意味で使われているようなフシもあり・・・、果たしてこのアルバムの目指すところは?と、ちょっと気になるところである。
 又、彼女は「アルバムタイトル曲"Bewitched"では、『ファンタジア』や『シンデレラ』などの古いディズニー映画からインスピレーションを得たんです。そのジャンルの映画のスコアは本当に私に刺激を与えました。彼らは音楽や楽器で魔法を見せてくれたんです。その映画の曲の多くは、今日の偉大なジャズミュージシャンたちが演奏するジャズスタンダードになりました。」と言っている。果たしてこの感覚がジャズというところに結び付く何かが有るのだろうか、それがいかなる形で表れてくるかという事もポイントとして聴いてみたいのである。さらにテーマとして引き続き”愛”に焦点を当てているとのこと、どんな進歩が今作であるのか、これも一つの注目点であろう。

(Tracklist)
1.Dreamer
2.Second Best
3.Haunted
4.Must Be Love
5.While You Were Sleeping
6.Lovesick
7.California and Me
8.Nocturne (Interlude) 
9.Promise
10.From the Start
11.Misty
12.Serendipity
13.Letter to My 13 Year Old Self
14.Bewitched

 まず、スタートのM1."Dreamer"からソフトな混成合唱と共にスタート、きつさのない比較的ソフトな声は人気の一つだろう。ただムードは若き女性の夢を描く古きデズニー映画のムード。 
 M2."Second Best"ギターのバックにしての彼女の低音のしっとりヴォーカルは聴き応えある。
 曲の流れで、ストリングスオーケストラがバツクに顔だすがちょっと古臭く、ジャズ・ムードではない。
 M4."Must Be Love"出だしから少しギターとの彼女の歌のデュオ・スタイル、この流れはなかなかいいのだが、そのうち合唱がバックに入ってきて美しく仕上げようとするところがダサい。
 M6."Lovesick" やはり合唱とオーケストラ・サウンドでの盛り上がりを図る手法は同じ。ジャズとしては聴かない方がいい。
 M8."Nocturne" 何故かここに突然間奏ということでピアノソロが入る。アルバム構成の手法としては面白い。
 M9."Promise" スロー・バラード調の感情輸入の歌いこみはそれなりに旨く、聴き応えあり。
 M10."From the Start" 突如、ガラッとムード変わり彼女が愛するというボサ・ノバの登場。ボサ・ノバの描く世界に応える出来として感じなかった。
 M.11"Misty" どうしてか解らないが、この曲のみジャズ・スタンダードが登場する。しかしなかなか出来は面白い。彼女のこの曲だけ別に聴いたことあり、それなりのジャズとしての新感覚の世界として興味を持って、聴いてみたいと思ったが、このアルバムの他の曲にその期待は応えていないので注意。

Laufeygeneral1blythethomasscaled1


 アルバム・タイトル曲M14."奥様は魔女"に期待してみたが、彼女が言う「私のファンは実際にはクラシックやジャズの方が好きだということがわかったので、今回はそれに全力で寄り添って、私が好きな音楽を作ることができました。」と言っているには、ちょっと期待を裏切って、やはりデスニー・ファンタジー世界で終わってしまう。

 このアルバムは、全体に彼女自身が言っていたように、デズニーのファンタージー世界の因子の方を圧倒的に感じて、所謂ジャズ世界ではない。ジャズというのは形だけでなく歴史がある世界だ。デズニーの曲がジャズ・スタンダート化したのは、その演奏によってジャズに昇華したところにあり、そのものがジャズとして捕らえられたわけではない。ちょっとそんなところが勘違いしているような出来であった。ジャズと言われても、まだまだジャズ・ファンは納得しないと思う。
 しかし、彼女の演ずるところがこのスタイルだというのであれば、それはそれそれなりにファンは納得してゆくと思うので、あまりジャズ・ジャズと言わない方が良いのではとも思った次第。

 究極、悪いアルバムではないので、是非とも更なる発展を期待するのである。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 87/100 
□ 録音     87/100

(試聴)

 

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