女性ヴォーカル

2018年4月22日 (日)

エンリコ・ピエラヌンッィEnrico Pieranunziのドビュッシーへの想い 「Monsieur Claude - A Travel with Claude Debussy」

[My Photo Album (瞬光残像)]  Spring/2018

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  (Nikon D800/ 90mm/19,Apr,2018)



しかし、これはどこか変なアルバムと言ってしまいたい代物

<Jazz>
Enrico Pieranunzi 「Monsieur Claude - A Travel with Claude Debussy」
BONSAI / France / BON180301/2018

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Enrico Pieranunzi(p),
Diego Imbert(b), Andre Ceccarelli(ds)
Featuring: David El Malek(sax-M1,3,6,9), Simona Severini(vo-M4,5,8,11)
Mixed and Mastered by Stefano Amerio

Claude_debussyw あのフランスの作曲家トビュッシーClaude Achille Debussy(1862.8.22-1918.3.25)(←)も今年没後100年なんですね。それにちなんで、なんと注目度も100%のエンリコ・ピエラヌンツィが、ドビュッシーに捧げた作品だ。
  トビュッシーといえば「海」というのがありましたねぇ~、それはそれとして彼の作曲群はクラシック・ファンの中でもそれなりに支持者が多いと思うのだが、私的にはイマイチ夢中になるという感動はなかった。「月の光」とか「亜麻色の髪の乙女」とか聴いたこともあるが、まあ知らない方が多いので、現代ジャズ・ピアノの美旋律最右翼のピエラヌンツィがトリオを中心にして演ずるといことの訳で、興味津々で聴くことになったのである。

(Tracklist)
1.  Bluemantique (d'après Valse Romantique de Claude Debussy) (5:30)
2.  Passepied nouveau (d'après Passepied de Claude Debussy) (4:51)
3.  L'autre ballade (d'après Ballade de Claude Debussy) (5:36)
4.  Romance (Paul Bourget / Claude Debussy) (5:02)
5.  Rêverie (Claude Debussy / arrangement Enrico Pieranunzi) (7:45)
6.  Cheveux (d'après La fille aux cheveux de lin de Claude Debussy) (5:11)
7.  Blues for Claude (Enrico Pieranunzi) (4:28)
8.  Nuit d'étoiles (Théodore de Banville / Claude Debussy) (8:11)
9.  Mr. Golliwogg (d'après Golliwogg's Cake-Walk de Claude Debussy) (5:35)
10.  My Travel with Claude (Enrico Pieranunzi) (2:04)
11.  L'adieu (Guillaume Apollinaire / Enrico Pieranunzi) (6:38)

Ep1w まずは聴いての印象だが・・・・ウーンこれはあまりジャズ・ファンには勧めるものではないなぁ~~。ピアノ・トリオの美しさを前面にと言ったものではないし、そういう中でもM1,3,6,9には、SAXが登場してジャズっぽくなってくれるのだが、どこかしっくりしない。
 M2."Passepied nouveau" は、エンリコ・ピエラヌンツィ(→)らしいピアノが、如何にもクラシック調をベースに聴かせてくれるところは聴きどころと思う。この流れで全編通してくれると、一つの世界を描けたのではと思いつつ、次なる変化に欲求不満になる。
 又、更にM4,5,8,11の4曲は、シモーナ・セヴェリーニの歌をフィーチャーしていますが、ちょっとクラシック・ベースにポップ、フォーク感覚もあったりとして、M8."Nuit d'étoiles"や最後の締めくくりの曲M11. " L'adieu " なんかは発声も充実してなかなか良い出来だと思うのだが、どこか印象がちぐはぐ。一つの曲として聴くにはなかなか完成度も高く魅力もあるのだが、このアルバムとしてどこか不釣り合いと言ったところで終わってしまうところが空しい。
  私がそれでもちょっと注意して聴いたのは、M7. "Blues for Claude"や、M9. "Mr. Golliwogg" のようなピアノ・トリオのやや前進的展開に見るところもあるが、感動というところとはほど遠い。
 M10. "My Travel with Claude" は短い曲だが、ここにみるような、何かを思わせるピアノの響きの世界は嬉しくもなった。このパターンで仕上げて欲しかった思うのである。

 結論的には、私のような中途半端者にとっては、このアルバムの評価は難しく、演奏のレベルは高そうだが、多分これからも聴き込みたいと言うものではなかったというところ。高評価の方が居られれば、その聴きどころとアルバムとしての評価の話を聞かせて頂きたいと思っている。録音は、さすがStefano Amerioで良いです。

(評価)
曲・演奏: ★★★★☆
録音     : ★★★★★

(視聴)

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2018年4月18日 (水)

ホリー・コールHolly Coleのニュー・アルバム 「HOLLY」

[My Photo Album (瞬光残像)]             Spring/2018

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                                              (Yaezakura-NikonD800/90mm/17.Apr.2018)

貫禄十分の味のあるヴォーカル

<Jazz>

Holly Cole 「HOLLY」
Universal Music Canada / Canada / IMT2639822 / 2018

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Holly Cole : Vocals
Larry Goldings : Piano
Wycliffe Gordon : Vocal & Trombone
Ben Street : Bass
Scott Robinson : Sax
Justin Faulkner : Drums
Ed Cherry : Guitar
etc.


 ホリー・コールとしては、いやはや久々のアルバムですね。彼女は1963年生まれですから今年で50歳半ばというところで、貫禄十分のスタンダート・ヴォーカル集である。
  2007年に『HOLLY COLE』KOC-CD-4404)ってアルバムがあり、その後2012年には『NIGHT』(TOCP-71318)があって、それ以来ではないだろうか?、とすると6年ぶりと言うことになる。もともと彼女は低音を駆使して重量感があるのだが、今回はそれにややハスキーとなった歌声が更にヴォリューム・アップして迫ってくる。
 カナダのジャズ・ウォーカリストですから、基本的にはアメリカン・ジャズの流れにあって、そんなムードもしっかり聴かせるアルバムだ。

(Tracklist)
1.  I'm Begining To See The Light
2. Your Mind is on Vacation
3. I was doing All Right
4. It could happen to you
5. Ain't that a kick in the Head
6. Teach me Tonight
7. We've got a world that swings
8. They can't take that away from Me
9. Everybody Loves Somebody Sometime
10. I could write A Book
11. Lazy Afternoon



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M3."I was doing All Right" M10."I could write A Book"では、Wycliffe Gordonの渋いところとのヴォーカル・デュオを聴かせていて、両者の声質がこれまた貫禄十分で圧倒してくる。なかなかアメリカン・ジャズ・ムードをしっかり醸し出している。
 M4."It could happen to you"はソロ・ピアノをバックにしっとりとしたムードで唄い聴かせてくれて最高です、これぞ円熟の境地。私のようなバラード好きにとっては、M6."Teach me Tonight"も、静かに流れるHammond Organに乗っての彼女のヴォーカルに降参です。
 M5."Ain't that a kick in the Head"の軽さも彼女ならではの味がある。これも彼女の魅力の一つだ。
 M9."Everybody Loves Somebody Sometime"は、私にとっても懐かしさいっぱいの曲です。バックのピアノとベースのデュオがこれ又落ち着いた味を出して彼女の歌声とピッタリだ。
 M11. "Lazy Afternoon" このやるせない退廃的なムードのスロー・ナンバーは、締めくくりに十分の充実ぶり。Ed Cherry のギターが聴かせます。

 貫禄十分の彼女は、歳と共に味が増していて久々のアルバム・リリースも成功ですね。今年夏に来日しての公演予定がありますが、その時にはしっかりとその味を魅せてくれるでしょう。1991年の”コーリング・ユー”のヒットから25年はいつの間にかもうそんなに経っているのかと言う感じです。こうして彼女の健在ぶりを喜ぶべきでしょう。

(評価)
□ 演奏、ヴォーカル ★★★★★
□ 録音         ★★★★☆

(参照) ホリー・コール (灰とダイアモンドと月の裏側の世界)

(視聴)

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2018年4月11日 (水)

アルゼンチンからの女性ジャズ・コンピレーション盤「JAZZ SEXIEST LADIES VOLUME Ⅲ」

[My Photo Album (瞬光残像)]  四月の高原

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「融雪の時・・・」-3-

いやはやセクシー・ム-ドを売り物に三巻目だ

<Jazz, Rock, Pops>
「JAZZ SEXIEST LADIES  VOLUME Ⅲ」
Mudic Brokers / South America / MBB7264 / 2018

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 アルゼンチンMusic Brokersレーベルの女性ジャズ・ヴォーカル・コンピレーション『JAZZ SEXIEST LADIES』(MBB7238/2017)を紹介したのは2017年6月、それからなんとこれでもう第3巻目の登場だ。今回もKaren Souzaを筆頭にFlora Martinez, Michelle Simonal, jazzystics, Stella Starlight Trio, Amazonicsなどが登場、CD3枚組36曲。
  こう早く矢継ぎ早のリリースは、やっぱりVOLUMEⅠ(MBB7238/2017)、VOLUMEⅡ(MBB7249/2017)が結構売れたということなのでしょうね。

Pp61_2  私には、このところ人気があるアルゼンチンが誇る歌姫カレン・ソウサ(→)や映画女優フローラ・マルチネスぐらいが馴染みのあるところだが、ついこの間のソウサのニューアルバム『Velvet Vault』MBB9337/2017)からもう"Don't Let The Sun Go Down On Me"、"I Fall In Love Too Easily"、"I'm Not In Love"、"Valerie"の4曲が収録されている。
  値段もお手頃で、シャズ/ポップス/ロックの世界的ヒット曲をカヴァーして、結構女性の雰囲気を大事にしてのヴォーカル・アルバムであって、人気もそれなりだろうと推測する。

(Tracklist)

 [CD 1] - SEXY NIGHTS
1. Don't Let the Sun Go Down On Me / Karen Souza
2. Take My Breath Away / Flora Martinez
3. Forever Young / Jazzystics
4. She Used To Be Mine / Anakelly
5. I Fall In Love Too Easily / Karen Souza
6. Black Hole Sun / Stella Starlight Trio
7. Ain't Nobody (Loves Me Better) / The Cooltrane Quartet
8. Is This Love / Jazzystics Feat. Shelly Sony
9. Love Is Love / 48th St. Collective
10. Sugar / Stella Starlight Trio
11. Enjoy The Silence / Dinah York
12. Castle On The Hill / George White Group

Fmartinez2[CD 2] - BOSSA NOVA MOODS
1. Lovin' You / Amazonics
2. I'm Not in Love / Karen Souza
3. This Is What You Came For / Michelle Simonal
4. New Rules / Shelly Sony
5. Someone Like You / Sao Vicente Feat. Shelly Sony
6. Sugar / Dinah Eastwood
7. Garota de Ipanema (The Girl From Ipanema) / Ituana
8. Come Undone / Urban Love
9. Your Love Is King / Amazonics
10. Losing My Religion / Banda So Sul
11. Loving You / Dual Sessions
12. She Will Be Loved / Urselle

[CD 3] - COCKTAIL CLASSICS
1. Is This Love / Groove Da Praia
2. 2u / Shelly Sony
3. Valerie / Karen Souza
4. Skyfall / Sixth Finger Feay. Natalie Renoir
5. Don't Stop 'Till You Get Enough / Scubba Feat. Alanah
6. Heavy / Os Digitalistas
7. Hello / Amazonics
8. I Can Feel Your Voice / Jazzystics
9. Together In Electric Dreams / Stella Starlight Trio
10. Say It Isn't So / Nikki Ocean
11. Can't Feel My Face / Stella Starlight Trio
12. Strangers In The Night / Lud Marceau

 まあ、Ⅰ、Ⅱと大きな違いも無く、ちょっと流しておくにはそう邪魔にも成らず、あまり気にしないで聴いていれば、それはそれで良いと言ったところ。
  カレン・ソウザのこのところの奮闘で、その結果導かれたようなアルバムだが、Mudic Brokersでは、自己のレーベルを宣伝にも有効で、おそらくその為廉価でリリースしているのだろう。
 全体にセクシーさも売り物にしているところであるが、カレン・ソウサがその筆頭で、全てが・・・と言うわけでも無い。つまりいやにセクシーなところが狙いという代物でも無いのである。ただし目的が違うので、アルゼンチン様のリズムと明るさはそう感じないアルバム仕立てになっている。それでもお国柄、ボサノバの流れはやはりその締めるウエイトは高いところであった。

(評価)
□ 演奏、ヴォーカル ★★★☆☆
□ 録音         ★★★☆☆ 

(試聴)

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2018年3月24日 (土)

メラニー・デ・ビアシオMelanie De Biasio 「LILIES」

<My Photo Album (瞬光残像)>       2018-No7

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「異世界」       (Feb. 2018  撮影)


ダークな世界はその止まるところを知らない・・・

<Jazz, Blues, Soul, Rock>
Melanie De Biasio 「LILIES」
Hostess Entertainment / JPN / HSE-4286 / 2017

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Melanie De Biasio : Vocals
Pascal Paulus : Piano, electric Guitars, Clavinet
Pascal Mohy : Piano
Dre Pallemaerts : Drums

 個性派女性ジャズ・ヴォーカリストと言えば、なんといってもこのベルギーのメラニー・デ・ビアシオでしょうね。自己のオリジナル曲を中心に彼女の描く世界は類をみないダークの中に社会派とも思えるメッセージを感ずるところだ。又そればかりでなく女性独特の人生観に自己を裏切らずに訴えているところだと思う。しかも唄もうまい。私の最も注目している一人で、ここでは数回目の登場である。

 そのメラニーの最新盤はつい昨年10月に思ったより早くにリリースされた。遅まきながらここに登場だ。
 今回のアルバムは前作のEP盤『BLACKENED CITIES』(PIASLO-50CD/2016)を別にして3枚目のアルバムだ。なにせ1stアルバムが『a stomach is burning』(IGL193/2007)という強烈なタイトルでデビュー、2ndアルバム『NO DEAL』(PIASR-690CDX/2014)では、そのダークな特異性と音楽性の高さによって圧倒的賞賛を得た。そして直近EP盤『BLACKENED CITIES』では、そのダークさと深刻さが一層増し、もう救う道すらあり得ないところまで沈みきった。そしてその後の今作、果たして何処へ行くのかと興味津々であったのだ。

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1.  Your Freedom Is The End Of Me *
2.  Gold Junkies *
3.  Lilies *
4.  Let Me Love You *
5.  Sitting In The Stairwell *
6.  Brother *
7.  Afro Blue
8.  All My Worlds *
9.  And My Heart Goes On *

                            (*印 Original)

  例の如く音は少ないが深みがある。又その余韻が効果抜群、そして低音から響くメラニーの歌声。それでも冒頭のM1. "Your Freedom Is The End Of Me"は、過去の一連の曲からすればリズムとメロディーの豊富な流れで音もクリア、前作とは異なるスタート。
 なかなか難解なM2." Gold Junkies" 、これも思いの外アップテンポの軽快な曲。しかし決して彼女のヴォーカルは明るくない。この"黄金の中毒者"(?)というのが彼女の重大テーマ、EP盤の前作から続いている。
  M3. "Lilies"になって、いよいよメラニー節の登場。 暗く不安の世界から何処かに光明があるのか?。
  M4. " Let Me Love You" ラブ・ソング?、深刻の愛?。もちろんメラニーの詩"あなたを愛させて、でなきゃ私を刺し殺して・・・ちゃんと殺して、息を引き取るまで・・・でもベイビー私は生きている、だからあなたは私のものになるはず"。
 彼女はもともとフルート奏者、M7. "Afro Blue"でようやくその音が聴ける。
 M8. "All My Worlds" 深く静かに沈み行く世界に更に深くメラニーのスローな歌声。
 M9. "And My Heart Goes On" 深く陰鬱に、唄うと言うよりは・・語り、しかしそこに不思議なメロデイーが流れている。

Mlaniedebiasiocopyrightcarstenwilde

 相変わらず総じて暗い。彼女の唄声にしても深く重く暗い。しかしそこに引き込むパワーは凄い。相変わらず背筋にゾクゾクくる世界だ。

 メラニー・デ・ビアシオは、ジャズ、ブルース、ソウルの影響を受けるというベルギー出身のまさに個性派シンガー(1978年生まれ、父はイタリア人、母はベルギー人)。その歌唱力と、音と余韻を曲に仕上げる抜群の能力を身につけている。ベルギーの名門大学ブリュッセル王立音楽院で音楽を探究。2007年に発表したデビュー・アルバム『ア・ストマック・イズ・バーニング』から注目を浴び、2ndアルバム『ノー・ディール』は絶賛を浴びた。2015年、2016年と"モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン"出演のため来日している。

  • (評価)
    □曲・演奏     ★★★★☆
    □唄             ★★★★★
    □録音          ★★★★☆
  • (視聴)

    **

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    2018年3月 2日 (金)

    ノーマ・ウィンストンNorma Winstone 「Songs for Films」

    <My Photo Album (瞬光残像)>   (2018-No1)

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       「いよいよ陽光も・・・・」                         (2018.2.26 撮影)
                
                *          *          *          *

    聴くもお恐れ多いベテランの心象風景

    <Jazz>
    Norma Winstone 「Songs for Films」
    ECM / Germ. / ECM2567 / 2018

    Songsforfilms

    Norma Winstone(voice)
    Klaus Gesing(b-cl, ss)
    Glauco Venier(p)
    with
    Helge Andreas Norbakken(perc)
    Mario Brunnello(violoncello, violoncello piccolo)


     英国の女性ベテラン・ジャズ・シンガーのノーマ・ウィンストンの映画音楽集。なにせ彼女は1941年生まれですから、今や75歳は過ぎている”おばあちゃん”である。しかし驚きはマイルドにして美しい声によりしっとりと歌いあげるから驚きでもある。そして彼女は作詞家でもあり、その為今作でも5曲(下記Tracklistの*印)は彼女の作詞で、それにより更に独特なノーマ・ウィンストン世界を貫徹するのである。
     メンバーは、彼女の歌声と Glauco Venier(ピアノ)、Klaus Gesing(クラリネットとサックス)のトリオに、ノルウェーからパーカッショニスト Helge Andreas Norbakken、そしてイタリアのクラシック・チェロ奏者Mario Brunelloがゲストで参加しているという構成。イタリアにおける2017年録音である。

    A32195614659516024760_jpeg(Tracklist)
    1. His Eyes, Her Eyes
    2. What Is A Youth?
    3. Descansado *
    4. Vivre Sa Vie
    5. Lisbon Story
    6. Malena
    7. Il Postino *
    8. Amarcord (I Remember) *
    9. Meryton Townhall
    10. Touch Her Soft Lips and Part *
    11. Theme from Taxi Driver (So Close To Me Blues) *
    12. Vivre Sa Vie (var.)


     上のように、ニーノ・ロータ、ミシェル・ルグラン、ウィリアム・ウォルトン、バーナード・ハーマン、エンリオ・モリコーネなどによる音楽が登場する。しかし驚くなかれ、Klaus Gesingと Glauco Venierによるアレンジも功を奏して、全く原曲のイメージはなく、完全にノーマ・ウィンストン世界になる。これは彼女の作詞も当然大きな役割を果たしているのだろうと思うところ。
     とにかく静かな中に、決して派手に大げさにならないしっとりとした彼女の歌声が誘導して築かれるところに、ピアノ、クラリネット、チェロなどの演ずることによって、クラシックなムードにフォークの味わいのあるコンテンポラリーな世界を聴くことになるのである。
     そして優美な世界というので無く、どちらかと言えば暗いと言えば暗い。しかし描くところただ沈没して行くところではなく、どこか不思議な展開して行く光を感ずるのである。
     紹介もので見たのだが、「叙情的でカリスマ性に富み、幻想的でリリカルな歌声は、優雅で気高い印象を与える」というところは確かに感じられる。
     いずれにせよ、静かな夜に一人でゆったりと諸々に想いを馳せて聴くには良いアルバムで、明るい陽の光の下での活動的な昼間には向かないと言って良い。

     まあとにかくこのノーマ・ウィンストンは、1960年からジャズ・ヴォーカリストの道を歩んできており既に50年以上の歴史がある。今更我々がああだのこうだのと言う筋合いのものでなく(笑い)、むしろある意味では敬虔な気持ちで聴かなきゃならないのかも知れない。既に2007年に、名誉ある大英帝国勲章(MBE:The Most Excellent Order of the British Empire)を授与されている(彼女の正式な呼称は「Norma Ann Winstone MBE 」となるようだ)彼女で、お恐れ多くもそんな達観した人生観から生まれる心象風景を覗かせて頂く気分にもなるのだ。
     1970年代後半にはピアニストの夫ジョン・テイラーと、トランペット奏者のケニー・ウィ―ラ―とともに「アジマス」というグループを結成しECMレコードに作品を残し、またソロとしてもECMに『Somewhere Called Home』等の名盤と言われる作品がある。更にピアニストのフレッド・ハーシュと共作した『Songs and Lullabies』もある。2001年にはBBCジャズ・アワード・ベスト・ヴォーカリスト賞を受賞という経歴。

    (参考視聴)

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    2018年2月 9日 (金)

    メロディ・ガルドーMelody Gardotのライブ・アルバム「Live in Europe」

    心の琴線にふれる歌心のライブ・ベスト盤

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    ★ライブで大切なものはただ一つ。・・・それはハートです。このアルバムには私のハートとツアー中に応援してくださった皆様の愛情が込められています。私にとって大切な思い出溢れたギフトであると同時に、リスナーの皆様にも贈りたいギフトでもあります。このアルバムは長い「ありがとう」のメッセージです。感謝しています。・・・・メロディ・ガルドー

    (上記はメロディ・ガルドーのこのアルバムにおけるメッセージです。そう言えば2009年の彼女の私にくれたサインにも、”Arigato !”と記してあった)

    <Jazz>
    Melody Gardot 「Live in Europe」
    Universal Music / JPN / UCCM-1243 / 2018


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    Vocals , Guitar and Piano : Melody Gardot
    Trumpet: Shareef Clayton,  Sax: Irwin Hall,  Organ: Devin Greewood,  Guitar: Mitchell Long,  Bass: Edwin Livingston,  Drums: Chuck Staab


     いやはや頑張っているジャケですね。このヌードの女性はメロディ・ガルドーなんでしょうか?、ギターを弾き語りしていますね。何処かに今回のアルバムを作るに当たって彼女は自らヌードを披露することを選んだとか書いてあったような気がしますが・・・・・。と、すれば気合いが入ってますね。

     まあそれはそれとして、このアルバムはメロディの精力的な2012年から2016年までに行われた世界ライブからのヨーロッパにおけるもの。彼女自身が厳選したものを納めている。2枚組という豪華版に仕上がった。デビュー10周年記念としての意味もあるようだ。

    Mg 私は彼女に直接話をしたり生演奏に接したのは、2009年の話。2ndアルバム・リリース時でした。右はその時の彼女のサイン。あれ以来ファンと言えばファンである。
      もともと彼女はライブへの力の入れ様は高い。従ってアルバムの出来とライブの出来には、そのパターンにかなりの違いがあり、それぞれ興味深いのである。ライブではよく編曲も行っているし、そんな意味でもライフ盤の価値は結構高い。又彼女のライブ盤への力の入れ様も解るのである。

     今回は初のCDライブ・アルバム盤となっているが、既にライブ映像オフィシャル版は、一昨年ここでも取りあげたようにリリースされている( 『Live At Olympia Paris』(EVB335359/2016))。
      又、ブート・ライブ・映像版『DONOSTI 2012』 (MegaVision, Live at SPAIN)もあった。

    (Tracklist)
    Disc 1
    1.  Our Love Is Easy - Live in Paris / 2012 *
    2.  Baby I'm A Fool - Live in Vienna / 2013 *
    3.  The Rain - Live in Bergen / 2013 *
    4.  Deep Within The Corners Of My Mind - Live in Amsterdam / 2012 *
    5.  So Long - Live in Frankfurt / 2012 #
    6.  My One and Only Thrill - Live in Barcelona / 2012 *
    7.  Lisboa - Live in Lisbon / 2015 #
    8.  Over The Rainbow - Live in Zurich / 2013 *

    Disc 2
    1.  (Monologue) Special Spot - Live in London / 2016
    2.  Baby I'm A Fool - Live in London / 2016 *
    3.  Les Etoiles - Live in London / 2016  *
    4.  Goodbye - Live in Utrecht / 2016 #
    5.   (Monologue) Tchao Baby - Live in Utrecht / 2016
    6.  March For Mingus - Live in Utrecht / 2016 %
    7.  Bad News - Live in Utrecht / 2016 %
    8.  Who Will Comfort Me - Live in Amsterdam / 2015 *
    9.   Morning Sun - Live in Paris / 2015 %

     *印 アルバム『MY ONE AND ONLY THRILL』より
     #印  アルバム『ABSENCE』より
     %印  アルバム『CURRENCY of MAN~出逢いの記憶~』より

     さてこのライブ盤の内容であるが、成る程、上のようにヒット曲満載の作品に仕上がっていると同時に、見事な編曲が施されているものが選ばれている。そしてファンから愛される代表曲 ”Baby I'm A Fool ”(2013年のウィーン、2016年のロンドン録音)、”My One and Only Thrill” (2012年のバルセロナ録音)、”Who Will Comfort Me”(2015年アムステルダム録音)など聴き応え十分。更に”Les Etoiles ”(2016年ロンドン録音)、”March For Mingus” (2016年ユトレヒト録音)なども収録されている。とにかくオリジナル・アルバム(スタジオ録音盤)を持っていても、このライブ盤は全く別のアルバムとして聴くに十分だ。
      ”The Rain”(2013年ベルゲン録音)は、11分以上に及ぶ曲と化して、器用なIrwin Hallのサックスなどの演奏の別仕立てによっての編曲はお見事。
     又 ”Lisboa” (  Lisbon / 2015) ”Over The Rainbow” ( Zurich / 2013 )の2曲などは、会場との一体感を表現しているなど聴き手を飽きさせない。

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     もともと歌唱能力が高く、ギターやピアノの演奏能力も長けているメロディのライブは聴くものにとっては魅力十分で有り、こうしたミュージャンは貴重である。
     彼女の交通事故による重体などの不幸な経歴を乗り越えての活動に喝采を浴びせるのであるが、それはむしろ彼女自身が、自己の作曲や演奏活動の力にしているところが共感を呼ぶところである。
     スタジオ最近作は、2015年の『CURRENCY of MAN~出逢いの記憶~』(UCCU-1468)であったが、勿論女性としての心の流れを描くと同時に、現在の社会に目を向けて、ジャズからプログレッシブ・ロックっぽい技法でコンセプト世界も描いてみせるところは稀有な存在である。目下は当然スタジオ次作にも期待をしているところだ。

    (視聴)

     

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    2018年2月 6日 (火)

    アンナ・コルチナAnna Kolchina「野生の息吹 Wild Is The Wind」

    ( 2017年リリース 印象に残ったアルバムを-13 )

    (美女狩りシリーズ) やや物憂いミステリアスな歌声が魅力

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    <Jazz>
    Anna Kolchina「 Wild Is The Wind」
    Venus Record / JPN / VHD01228 / 2017

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    Anna Kolchina (vocal)
    John Di Martino (piano)
    Peter Washington (bass)
    Willie Jones (drums)

    Recorded atTedesco Studio, New York on Sept.12,13and14,2017
    Produced by Tetsuo Hara
    Engineer by Tom Tedesco

     ジャズ界におけるヴォーカル部門では、まさに女性ヴォーカリストの独壇場で、いやはや尽きることを知りません。これもロシア出身の女性ヴォーカリストのアンナ・コルチナAnna KolchinaのVenus Recordsからの3rdアルバム。彼女はニューヨークでの活動のようで、それに至った経過は興味があるが、よく解らない。
     Venus Recordsですから、バック演奏はニッキ・パロットでもお馴染みのジョン・ディ・マルティーノ・ピアノ・トリオだ。彼らの演奏はどちらかというと聴きやすいタイプであり、従ってこのアルバムも非常に親近感ある仕上げだ。
     彼女のやや物憂いミステリアスな歌声が魅力で、日本では若干話題になっているようである。

    (Tracklist)
    01.Wild Is The Wind野生の息吹
    02. So In Love
    03.You Do Something To Me
    04.Don't Worry 'bout  Me
    05.You Won't Forget Me
    06.Don't Look Back
    07.Exactly Like you
    08. I Never  Told You
    09.With A Song In My Heart
    10. It Never Was You
    11.A Fine Romance 素敵なロマンス
    12.You Can Have Him
    13.Day By Day
    14. A Sinner Kissed An Angel

    25542723_1w_2

     バックのジョン・マルティーノ・ピアノ・トリオも、アンナの地に着いた落ち着きのあるヴォーカルを生かすべくなかなか頑張って、これはお手の物と言う感じでの演奏だ。彼女の物憂い歌声を支えてうまく纏め上げている。M04".Don't Worry 'bout  Me"なんかは、ピアノ演奏もじっくりと聴かせてくれてその典型だ。
     それぞれの曲は過去の名高いスタンダード曲だが、しっかりジャズとして演じられる中に、結構アンナ節に統一されて、聴く方にも意外に新鮮。冒頭のアルバム・タイトル曲のM01".Wild Is The Wind野生の息吹"も情感も入って魅力たっぷり。
     彼女については全く知らずに今回美女狩りを得意とする友人から初めて教えてもらったもので、これは意外に魅力を秘めていて今後楽しみなヴォーカリストだ。唄う声の質も”ハスキーでコケティッシュ”と言われているようであるが、私の印象では、ハスキーと言うのでなく、マイルドにして美声と言うタイプである。そしてしっとりと囁くようにも唄ってくれて好感が持てた。

     とにかくこれは彼女の1st『Street Of Dreems』(2015年)、2nd『Dark Eyes』(2016年)に続くアルバムで、Venus Recordsなのでこれからも日本に定着しそうな雰囲気だ。

    (視聴)

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    2018年2月 2日 (金)

    ケティー・サーウーKatie Thiroux 「OFF BEaT」

    ( 2017年リリース 印象に残ったアルバムを-12 )

    女流ベーシスト・ヴォーカリストのアルバム

    Katiethirouxw2


    Katie Thiroux 「OFF BEaT」
    CAPRI Records / USA /CPRI 74146-2 / 2017

    Offbeat

    Katie Thiroux (vocal except 4,5,9) (bass except 3)
    Justin Kauflin (piano except 8,10)
    Matt Witek (drums except 3,8,10)
    Ken Peplowski (clarinet on 1,6,8) (tenor saxophone on 7,9)
    Roger Neumann (soprano saxophone on 1) (tenor saxophone on 9)

      ロサンジェルスで活躍中の若手の女性ベーシスト兼ヴォーカリストのケイティー・サーウー(シロウ)の2ndアルバム。彼女のベースにピアノ&ドラムとのトリオに、曲によってはケン・ペプロフスキーらのゲストのクラリネット、サックスが加わっての演奏、そして彼女のヴォーカルが入るアルバム。 若くして多くの音楽賞を獲得し、1st『Introducing Katie Thiroux』は(私は未聴)、高い評価を受けたと言うことだ。今回、プロデュースはジェフ・ハミルトン。曲は、ジューン・クリスティー、デューク・エリントン、フランク・シナトラ、レイ・ブラウンなどの名曲を聴かせる。
     こうなると日本で人気のニッキ・パロットと比較してしまうが、ケイティーの場合は、間違いなくアメリカン・ジャズそのもので、どちらかというとご機嫌なリズムに乗っての小粋なジャズで、パロットの一連のVenus盤にみるようなJazzy not Jazzパターンのヴォーカル中心というのでなく、むしろ演奏中心と言っても良い(ちなみにM4,5,9は、インスト曲)。

    Thiroux20press20photo_2_0(Tracklist)
    1. Off Beat
    2. When Lights Are Low
    3. Why Did I Choose You?
    4. Slow Dance With Me
    5. Brotherhood Of Man
    6. Ray's Idea
    7. Some Cats Know
    8. When The Wind Was Green
    9. Happy Reunion
    10. Willow Weep For Me

     彼女のヴォーカルは、”テンダネス溢れる瑞々しいリラクシング・ヴォーカル”と表現されているが、ほめて言えばそんなところだ。

       M1. "Off Beat"
    は、サックス、クラリネットが華々しくビートが効いた曲で、アメリカン・ジャズそのもの。昔、ジューン・クリスティーが吹き込んだナンバー。
      M2. "When Lights Are Low"は、ピアノ・トリオによる一転して落ち着いたムード。しかししっかりスウィングしている。
     M3. "Why Did I Choose You?"では、しっとりと夜のムードで、彼女のヴォーカルもお話をしているが如くで私好み、この線は良いですね。
      M5. "Brotherhood Of Man"M7. "Some Cats Know" のオープニングは、彼女のベース・ソロもお目見えするが、軽妙な小気味のよいジャズを展開する。
     M8. "When The Wind Was Green"は、彼女のベース弾き語りとペプロフスキーのクラリネットの掛け合いが上出来。このアルバムでは注目曲。

     とにかく居こごちのよい和みムードをもった曲が特に冴えていて、軽妙な小気味のいい洒落たムードを持っている曲も展開する。インスト曲もしっかり聴かせるところも楽しませることが上手であるし、ダイナミックな曲も挿入してフルコースのアルバムだ。
     私のようなユーロ・ジャズ党も、時にはこのアメリカン・ジャズの線も有りというところであった。

    (参考:ある紹介記事より転載↓)
    Katie Thiroux (ケイティ・サーウー(シロウ))
     
    1988年LAで音楽一家に生まれる。4歳でヴァイオリンを始め、8歳でダブルベースに転向。同時にジャズ、クラシックのヴォーカルも学び、10歳でオペラの主役も務めているとい才女。ハミルトン・ハイスクール・アカデミー・オブ・ミュージックに進学し、17歳でLA Jazz Societyなどで多くの賞を獲得。そして2006年にはボストンのバークリー音楽院で6人しか与えられない奨学金を授与され入学。入学後もグレッグ・オスビー、ブランフォード・マルサリスなどと共演。在学最後の年の2009年にはエクアドルのサンフランシスコ大学バークリー校で音楽教授となる。その後、LAに戻り、修士課程を終えた2012年には全米の多くのフェスティヴァルへ出演。そして2013年にはケイティー・サーウーカルテットを結成。2015年にグラミー受賞プロデューサーのジェフ・ハミルトンを迎え、ファーストアルバム『Introducing Katie Thiroux』をリリースし、各メディアでも絶賛された。その後もアメリカ、メキシコ、ドイツなど世界中のジャズフェスティバルに呼ばれ、演奏者、指導者として精力的に活動している。

    (視聴)

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    2018年1月25日 (木)

    リズ・ライトLizz Wright 近作「GRACE」

    ( 2017年リリース 印象に残ったアルバムを-11 )

    スピリチャル・ヴォイス満開のリズ・ライト

    <Jazz, Blues, Gospel>
    Lizz Wright 「GRACE」
    Universal Music / JPN / USSCO-1192 / 2017

    61voi6zyvl

    Lizz Wright (Vocals)
    Kenny Banks Sr.(p), Marc Ribot(G), David Piltch(B),  Chris Bruce(G),Marvin Sewell(G), Jay Bellerose(D), Patrick Warren(Key)

    Lizzwright2_2 リズ・ライトLizz Wright (born January 22, 1980)は、 もう日本でも知られている米国南部ジョージア州出身のジャズ、ゴスペル歌手(ブルース、ソウル、フォークの因子も)だ。
     父親は、教会の牧師で音楽監督を務めていた。その影響で、ブルース、ジャズに開眼。高校では聖歌隊に参加し、ナショナル・コーラル・アウォードという賞を受賞しているようだ。ジョージア州立大学では本格的なバンド活動をし、大学卒業後にジョー・サンプルのアルバム『The Pecan Tree』(2002年)にてデビュー。ジョー・サンプル・バンドのメンバーを務める。2003年にVerveから自己の1stアルバム『Salt』をリリース。

     本作はConcordに移籍しての2作目(デビュー以来通算6作目)。彼女のルーツであるアメリカ南部のソウル曲が中心、Ray Charles, Allen Toussaint,  k.d. lang, Bob Dylan, Frank Perkinsや Mitchell Parishなど懐かしの往年のミュージシャンをカヴァーしている。
     プロデュースはシンガーソングライターJoe Henryだが、おそらくリズの歩んだ道から彼女のセンスで選曲されたところが多いのではと思う。LAのサンセット・ブルヴァードでのライヴ録音、そしてユナイテッド・レコーディング・スタジオでの多彩なミュージシャン達との録音による作品。

    (Tracklist)
    1.  Barley (Allison Russell)
    2.  Seems I’m Never Tired Lovin’ You (Cortez Franklin)
    3.  Singing in My Soul (Thomas A Dorsey)
    4.  Southern Nights (Allen Toussaint)
    5.  What Would I Do (Ray Charles)
    6.  Grace (Rose Cousins-Mark Erelli)
    7.  Stars Fell on Alabama (Frank Perkins-Mitchell Parish)
    8.  Every Grain of Sand (Bob Dylan)
    9.  Wash Me Clean  (k.d. lang)
    10. All the Way Here(Lizz Wright-Maia Sharp)
    11. This is Heven to Me  (Bonus Track)

    Ribotschindelbeckwiki とにかく充実感のある彼女の歌声がやはり魅力ですね。又曲も哀感のあるものから、美しい世界を描くものと充実していて彼女の歌いあげる充実ヴォイスに感動するアルバムだ。バックも素晴らしく、20年来一緒に活動してきたKenny Banks Sr.、スペシャル・ゲスト・ギタリストMarc Ribot(→), ベースの David Piltch, ギタリスト Chris BruceとMarvin Sewell, ドラマーJay Bellerose, キーボーディスト Patrick Warrenが参加して充実。

     M1.  "Barley" スタートのこれって"大麦"のことなのか、南部の穀倉地帯での生活を唄うのか、リズム感たっぷりのフォーキーな曲で、幕開きとしては十分の説得力。
     ロカビリー調の曲(M3. " Singing in My Soul" )もあるが、ほぼ全編ゆったりとした曲と彼女のヴォーカルをじっくり楽しめる。時にバッキング・コーラスも入って盛り上げる(M2、M6など)。
     なんと言ってもやはりアルバム・タイトル曲のM6. "Grace"が私はお気に入り。これは"優雅、恩恵、慈悲、感謝"という意味なのだろうが、やはり"感謝"なのだろう思う。バラード曲で彼女の歌い込み説得力十分の良い曲だ。
     M2. " Seems I’m Never Tired Lovin’ You"も哀感ある愛がたっぷりで聴き惚れる。
     又、M7、M9などは、バックのギターも美しく、単なる歌ものでなく聴くに十分な魅力をもっている。
     
     南部のソウルをもってして歴史的ストーリーを綴っているようだが、彼女のスピリチャルな歌声による決して暗くならずむしろ感謝の心を示しつつ希望を持たせる曲に仕上げたアルバム作りに感動すらあった。

    (参考)Lizz Wright Discography
    <Verve>
    『Salt』(2003年)
    『Dreaming Wide Awake』(2005年)
    『The Orchard』(2008年)
    『Fellowship』(2010年)
    <Concord>
    『Freedom & Surrender』(2015年)
    『Grace』(2017年)


    (視聴)

     

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    2018年1月21日 (日)

    ケリー・グリーンKelly Green(piano & Voice) 「LIFE REARRANGED」

    ( 2017年リリース 印象に残ったアルバムを-10 )

    才色兼備のピアニスト・ヴォーカリストのデビュー・アルバム
         ~描くは、都会の人間模様か~

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    <Jazz>
    Kelly Green 「LIFE REARRANGED」
    Inpartmaint Inc. / JPN / IPM-8081 / 2017


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    KELLY GREEN (piano,vocal)
    CHRISTIAN MCBRIDE (bass)
    STEVE NELSON (vibraphone)
    JOSH EVANS (trumpet)
    NOAM ISRAELI (drums)
    TAMIR SHMERLIMG (bass)
    MIKE TROY (alto saxophone)
    KUSH ABADEY (drums)
    JOVAN ALEXANDRE (tenor saxophone)
    MATT DWONSZYK (bass)

     才色兼備のピアニスト&ヴォーカリストとして売り出しのケリー・グリーンKelly Green(Floridaに生まれ育つ)のデビュー・アルバム。ピアノの弾き語りを見事に披露するが、演奏に力が入った作品。基本的なベース、ドラムスのトリオに、曲によつて上のようなメンバーのトランペット、ヴィブラフォン、サックスなどを加えて味付けをしている。彼女はニューヨーク在住での活動と言うことで、雰囲気はやっぱりニューヨーク的で、ユーロとは違う。
     アルバム案内では、ヴォーカルはダイアナ・クラールに通ずると言っているが、聴いてみると全く違う。ハスキーを売り物にする魅力ではなくて、どちらかというと美声を売り物にする方だが、その声の性質自体はそれ程引きつけられる魅力を感じなかった。ただし、なにか不思議な雰囲気を持っていて、これが一つの武器になりそうだ。

    Kg3w(Tracklist)
    1. "Life Rearranged"   
    2. "Never Will I Marry" feat. Josh Evans, Noam Israeli & Tamir Shmerling 
    3. "I'll Know" feat. Christian McBride
    4. "Little Daffodil" feat. Steve Nelson, Josh Evans, Noam Israeli & Tamir Shmerling   
    5. "If You Thought to Ask Me" feat. Josh Evans, Kush Abadey, Jovan Alexandre, Mike Troy & Matt Dwonszyk
    6. "I Should Care" feat. Christian McBride & Noam Israeli   
    7. "Culture Shock" feat. Josh Evans, Kush Abadey, Jovan Alexandre, Mike Troy & Matt Dwonszyk   
    8. "Sunday in New York" feat. Christian McBride, Josh Evans & Noam Israeli   
    9. "Simple Feelings / The Truth" feat. Josh Evans, Kush Abadey, Jovan Alexandre, Mike Troy & Matt Dwonszyk   
    10. "If I'm Lucky" feat. Steve Nelson   
    11. "All of You" feat. Josh Evans, Jovan Alexandre, Mike Troy, Kush Abadey & Matt Dwonszyk   
    12. "I Sing" feat. Christian McBride, Josh Evans & Noam Israeli
    13. "Life Rearranged (Reprise)" feat. Josh Evans, Kush Abadey, Jovan Alexandre, Mike Troy & Matt Dwonszyk
    14.  "Carousell" (bonus track)   


     これは彼女の弾き語りヴォーカルを単に前面に出したというものではない。つまり演奏に主力が置かれた曲もたっぷりと納まっている。
     ちょっとジャズ・アルバムとして珍しいのは、SEが使われているところだ。

    Steve1w M1. "Life Rearranged"のスタートに、都会の生活ムードの電車の音が入りヴォーカルがスタート。これがなんとも不思議なムードで、曲の途中も顔を出し、そしてハイテンポの M2. "Never Will I Marry"に入って行く。タイトルからも都会に住む一人の女性の物語の始まりと・・・・言ったところか。
     M3. "I'll Know"はバラッド曲でジックリと訴え、そして電車のSEで閉じる。
     M4. "Little Daffodil"はヴィブラフォン(S. Nelson →)が登場して美しく、懐かしのジャズ・ムード。
     M5. "If You Thought to Ask Me"は、トランペットとサックスのハモリが効果を上げるよき時代を思わせるところだ。
      M7. "Culture Shock" も、トランペット、サックスの競演からスタート。両者のインプロが展開され、激しく演ずる陰でむしろピアノはサポート的に演ずる。ドラムス・ソロも展開。まさにジャズ・インスト曲の典型。12分に及ぼうかとする長曲。
    Christian_mcbride1w  M8. "Sunday in New York" 彼女のヴォーカルに続いてトランペットが歌いあげる。そしてベースのソロも展開(C.Macbride→)、スウィングする演奏のそこはニューヨークのムードたっぷりだ。
     M9. "Simple Feelings / The Truth" は珍しくしっとりとしたヴォーカルに始まり上記メンバー総動員、静かにそれぞれが演奏するが最後は合奏となるも、乱れることなく落ち着いたパターンは保ったままで終わる。
     M10."If I'm Lucky" もしっとりと唄う、ピアノとヴィブラフォンが上手く曲を流す。このムードは頂きです。

     バックの演奏陣もなかなか芸達者で演奏が充実し、単なるヴォーカルものと言う雰囲気でなく、たっぷり演奏を聴かせている。全編を通して時に入る電車の走行音のSEも効果を上げてムード作りが上手い。歌詞など理解していないのだが、一つのコンセプトに集約されたアルバムとみた。私のようにユーロ・ジャズにどっぷりな人間にとって、こうしたよき時代を思わせるニューヨーク・ジャズにより構築された世界も時には良いものであった。

    (視聴)

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