女性ヴォーカル

2018年8月16日 (木)

ホリー・コールHolly Coleの映像版「40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009」

重量級の存在感でのヴォーカル・パフォーマンス

<Jazz>
HOLLY COLE 「40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009」
Live at 40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009, Germany

Bjazz

Holly Cole – vocals
Aaron Davis – piano
John Johnson - tenor/soprano/baritone sax, bass clarinet
Marc Rogers – bass
David Direnzo - drums, percussion

 2009年ドイツにおけるライブをプロショット収録した映像版で、最近ブートで配布され、YouTubeでもお目見えしている。決して新しくないが、Holly Colleの場合、10年近く前という印象は無い。彼女は1963年生まれでこのライブは45歳位だが、既に貫禄十分。カナダ出身の彼女はあの”コーリング・ユー”(1991年)でもう25年以上も前に日本でもブレイク、なんと女性ファンが多く支持したところがちょっと異色だった。その後の彼女はやっぱりジャズ・ヴォーカルとしてはなんとなく異色の範疇に入るのだが、その存在感は重量級で、アルバムも寡作だがしっかりファンは根付いている。先日来日し又久しぶりのアルバム『HOLLY』もリリースされここでも取りあげたところだ。

Fc2trw_2(Tracklist)
01. Frank's Theme
02. Tango Till They're Sore
03. Down, Down, Down
04. Shiver Me Timbers
05. Little Boy Blue
06. Good Old World / Take Me Home
07. Train Song
08. (Looking For) The Heart of Saturday Night
09. Walk Away
10. Invitation to the Blues
11. Closing Time
12. Jersey Girl
13. Soldier's Things
14. Black Market Baby
15. The Briar and the Rose
16. Whistlin' Past the Graveyard
... e n c o r e ... 17. Love Lies

 不思議にこうゆうパターンってあるんだなぁ~~と、このホリー・コールって惚れ込んだってことは無いのだが、なんとなく彼女のアルバムとか映像版となると、聴いたり観たりしてみたいって感じになるところにあるのだ。
 このライブものは、冒頭の" Frank's Theme"もステージのバックで表に出ずに歌い始めるという手法で、途中でステージに就くともう圧巻で、バックのカルテットも霞んでしまう。相変わらずの節回しはホリー・コール節で特徴がある。声もスモーキーであり、そうはいっても高音は伸びる。発声がちょっと癖があるが彼女そのものというところで容認してしまうのだ。
 選曲もそれほど一般的というか、ポピュラーなものに絞っているのでなく、やはり彼女のアレンジを施してのホリー・コール世界に特化したものを演ずるといったなかなかの主張派でもある。

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                                   (Japan Live)

 私の好みからすると. "Invitation to the Blues"のやや前衛がかったバック陣の演奏としっとりしたヴォーカルのこのタイプがいいですね。その他インストゥルメンタル演奏で "Closing Time"は、 John Johnsonの哀愁がかったサックス演奏もなかなか聴かせてくれる。
   "Soldier's Things"のような語りかけるようなヴォカール、又 " The Briar and the Rose"のようにソロに近い歌い込みなどを聴くと、やっぱり上手い歌手であることが解る。
 とにかく大人のジャズ世界ムードは貫かれていて、なかなか魅力あるライブである。

(評価)
□ 演奏・歌     : ★★★★☆
□ 映像・サウンド : ★★★★☆☆ 

(視聴)

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2018年8月11日 (土)

ジェフ・ベックJeff Beckの映像版「JEFF BECK BARCELONA 2018」

ジェフ・ベック・ニュー・グループはチェロの導入でムード倍増

<Rock>
[DVD] Jeff Beck「JEFF BECK BARCELONA 2018」
            Festival Jardins Pedralbes 2018


Barcelona2018

Live at Jardins del Palau Reial de Pedralbes, Barcelona, Spain 28th June 2018

 Jeff Beck - Guitar
Rhonda Smith - Bass
Vinnie Colaiuta - Drums
Jimmy Hall - Vocal
Vanessa Freebairn-Smith - Cello

Vannssaw この春、欧州公演(19公演)をこなしたジェフ・ベック、そのついこの間の2018年6月28日の「バルセロナ公演」の映像版だ。これは勿論、ブートの世界だが、なんと最前席でのオーディエンス・ショット。こうゆうのがどんどん出てくる今日は、昔を思えばなんと有り難いことか。

 今回は、なんと言ってもこのところのジェフのお得意のアイルランドの民謡である曲" Mna Na hEireann (アイルランドの女達)"をチェロを交えての演奏だ。ジェフのこと、やっぱり美人チェロリストを連れてきた。それはヴァネッサ・フリーバーン・スミスVanessa Freebairn-Smith だ(→)。彼女はアメリカ人で、私がなんとなく知っているのは美女ヴァイオリニストのリリ・ヘイデンとの共演がかってあったというところだ。もともとこの曲は、2011年には、やはり美女ヴァイオリニストのシャロン・コア-Sharon Corrとも演じていて、とにかくジェフの美女共演シリーズのお得意曲。アイルランド民族運動で死んでいった悲しき女性達を表現豊かに描き訴えてくる。ヴァネッサは、この曲ばかりでなく全曲にチェロを演じている。いやはやジェフのロックはまだまだ進化しているのである。

16_0728_stevehefterw(Setlist)
1. Intro
2. Pull It
3. Stratus
4. Nadia
5. You Know You Know
6. Morning Dew
7. I Have to Laugh
8. Star Cycle
9. Lonnie on the Move
10. Mna Na hEireann
11. Just for fun
12. Little Wing
13. A Change Is Gonna Come
14. Big Block 
15. Cause We've Ended As Lovers
16. You Never Know
17. Brush with the Blues
18. Blue Wind
19. Superstition
20. I Want to Take You Higher (with Ruth Lorenzo)
21. A Day in the Life
22. You Shook Me
23. Going Down

 ここ数年若さは全く変わりの無いジェフ・ベック、ここでも往年のキャリアを誇る曲群を展開。"Stratus" 、"Big Block"、  "Nadia"そして愛すべき曲"Cause We've Ended As Lovers "、更にオーディエンスからも拍手の多い" Brush with the Blues "などサービス満点。
 又メンバーではVinnie Colaiuta のDrumsが復活、 それとこのところお決まりのRhonda SmithのBassだ。Jimmy Hall のVocalも入る。 しかし今回はチェロを加えてのなんとも不思議な異色バンドとなっている。

Ruthlorenzoactuandow やっぱり、"You Know You Know" が結構楽しい演奏であり、Rhonda Smithのベース・ソロ、Vinnie Colaiuta のドラム・ソロも交えてくれる。私の注目曲。
 先にも話にあげた"Mna Na hEireann" が目玉だが、今回のもう一つの目玉曲は" I Want to Take You Higher" だ。この曲ではスペイン出身の女性シンガーのルート・ロレンソRuth Lorenzo(→)の登場。この歌手私は知らなかったが、歌も聴き応えあるが、更にアクション共々その激しさは見応え十分。ちょっと注目してしまった。
 そして最後には"A Day in the Life" を聴かせ、アンコールへといった内容。

 全体にちょっと残念なのは、カメラの位置から美女のチェロリスト・ヴァネッサが十分とらえられていなかったことだ。まあブートとしてはジェフは完璧に捕らえた期待に答えた映像だから、許すといったところであろう。これは次なるオフィシャル映像版にでも期待を持たせられたと言うことで、もう一つの楽しみを残してくれた。

(評価)
□演奏 :       ★★★★☆
□映像・サウンド : ★★★☆☆

(視聴)

① With Vanessa Freebairn-Smith  "Mna Na hEireann"

② With Sharon Corr  "Mna Na hEireann"

③ Ruth Lorenzo

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2018年7月29日 (日)

映像で観るサラ・マッケンジーSarah McKenzieのピアノ&ヴォーカル

今やダイアナ・クラールを追う有力な弾き語りピアニスト
                  (・・・・と、言うと大げさか?)

<Jazz>

 [DVD]  Sarah McKenzie 「Jazz San Javier 2016」
   Live at 19 Festival de Jazz de San Javier, Murcia, Spain, July 29th, 2016 (70min)

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Sarah McKenzie - piano
vocals Jo Caleb – guitar
Pierre Boussaguet – bass
Marco Valeri – drums

Parisintherain79ed7869 ジャズ・ピアノを軽やかにこなしての明るいヴォーカルでこのところ人気モノになりつつあるサラ・マッケンジー、昨年ここでアルバム『PARIS IN THE RAIN』UCCI-1037)(→)を取りあげたのだが、来日したりで日本でも美貌も相まって人気を獲得しつつある。
 そんなところで、やはりブートであってもライブ映像版を観たいとう心境で、このところ観ているDVDの紹介だ。
 これは2016年のスペインに於けるライブ収録。彼女の通常のスタイルのギターの入ったピアノ・カルテット構成だ。冒頭から彼女のヴォーカルが満開。例の如く軽やかで明るい。

Smw(Tracklist)
01. Onwards And Upwards
02. I Won't Dance
03. We Could Be Lovers
04. That's It, I Quit!
05. Don't Tempt Me
06. I Got The Blues Tonight
07. Moon River
08. When In Rome (I Do As The Romans Do)
09. Love Me Or Leave Me
10. Quoi, Quoi, Quoi
11. At Last
12. The Lovers' Tune
13. Embraceable You

 なんと言っても、映像に耐える美貌がいいですね。ピアノ・タッチも軽やかで、スウィングする演奏が多く、ジャズとしては極めてオーソドックス。ここではアルバム『PARIS IN THE RAIN』がリリースされた前年だが、アルバム収録されている曲の3曲(M01, M08, M13)をも演奏している。こうしてライブ映像で観ても、声の質は高音までクリアで清楚感がある。しかし今一つ聴いて痺れるところがないのがちょっと寂しい。M06." I Got The Blues Tonight"のブルース・タッチでも、もう少し哀感が欲しいと思うところ。
  ギターのみのバックで彼女のスローバラードがM07. "Moon River"、 M13. "Embraceable You "の2曲で披露されている。ここではヴォーカルの力量が問われるところだが、天性の歌い込みの上手下手が出てしまうところで、上品さの感じるところところは良いのだが、その為少々情感に乏しい感じだ。まあそのあたりが又良いというファンもいてそれはそれ結構な事である。私から見ると、やっぱり彼女はピアニストにウェイトがあるのだなぁ~と思うところなのだが・・・・。
 しかしこのタイプはカルテット仲間との相性はむしろ良さそうで、観る者にとっては快感でもあった。

② [DVD] Sarah McKenzie 「Monteu Jazz Festival  2017」
        Live at Montreux Jazz Festival 2017 (90min)

Montreuxaww

Sarah McKenzie: vocals & piano
Geoff Gascoyne: bass
Hugo Lippi: guitar
Donald Edwards: drums
Warren Wolf: vibraphone


 こちらは、昨年2017年のMonteu Jazz Festival における彼女の上のようなメンバーでのクインテット構成によるライブ・パフォーマンス、約90分に納めている。この時の特徴は最近あまり編成されないビヴラフォンが加わっていることで、これによって一味ムードが変わっている。彼女の清楚感あるヴォーカルからして、このパターンがなかなか面白いと思った。

(List)
0:17 Road Chops
5:39 I Won't Dance
10:41 We Could Be Lovers
16:31 Paris In The Rain*
22:07 One Jealous Moon*
28:54 The Secrets Of My Heart
35:32 Small Feats
42:00 I've Got The Blues Tonight
51:15 Tight
58:45 Triste*
1:05:08 I'm Old Fashioned*
1:12:19 The Lovers' Tune
1:22:04 Embraceable You*

  演奏曲目は13曲だが、最新アルバム『PARIS IN THE RAIN』と時期が一致していているため、アルバムの5曲(*印)がここで演じられている。
 そして彼女のなんとなく上品で清楚感あるヴォーカルとピアノ・プレイで楽しませてくれる。又このライブでは、メンバーそれぞれのソロ演奏も十分に取り入れられていて楽しいライブになっている。このあたりはアルバムと違った楽しみ方が出来るところだ。
 彼女は、オーストラリア、メルボルン出身。ウエスト オーストラリアン アカデミー オブ パフォーミング アーツでジャズの博士課程を修了。その後、アメリカのバークリー音楽院に入学し、卒業後は、パリを拠点として活動している。ジャズ曲コンポーザー、ピアニスト、ヴォーカリストと活躍している。これまでに下記の4枚のアルバムをリリースしているが、嫌みの無いところが取り柄として聴いてきた。これからどのように発展して行くかも楽しみなプレイヤーと言って良いだろう。ダイアナ・クラールの痺れる味には、まだまだと言うところだが・・・。

(Sarah McKenzie - Discography)

Don't Tempt Me (2011)
Close Your Eyes (2012)
We Could Be Lovers (2014)
Paris in the Rain (2017)

(視聴)

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2018年6月18日 (月)

なんとなく好きな曲(1) 「Cry Me A River」~歌姫の競演

 特別な意味は無いのだが、昔からなんとなく好きな曲(歌)があるもので・・・・そのうちの一つにもう60年前の曲で、今でも女性ジャズ・ヴォーカルのアルバムにはよく登場する「Cry Me A River」だ。

 この曲は、近年ロックの大御所にもなりつつあるジェフ・ベックもギター・ソロで演じたりと、登場は延々と今日に繋がっているのだ。そこで取り敢えず最近この曲を唄いあげた歌姫を聴き比べてみようと、手元にあったアルバムから取り出して並べてみたところ十数曲となった。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

Jl1 もともとこの曲は1955年にジュリー・ロンドンJulie London(1926-2000 (→))の歌唱で米国で大ヒットしたものだが、作曲・作詞者はアーサー・ハミルトンArther Hamilton(1926-)である。この曲も意外に難産で、当初は映画音楽(「皆殺しのトランペット」)として作曲されたのだが却下され、なんと映画企画者で監督・主演のJack Webbがこの曲を惜しんで、自分と離婚したばかりのジュリー・ロンドンに紹介したというのである。そしてジュリーは、ギターとウッド・ベースのデュオをバックに唄いあげてヒットとなったものだ。これによりB級女優であったジュリーは一躍歌手として脚光を浴びることになったというもの。

 私が昔初めて聴いた当時は、当然このジュリーの唄ったものだが、歌の歌詞の内容などは特に理解もせず気にもしないで聴いて気に入っていたのだが、一度は裏切りながら復縁を乞う恋人に向かって”いまさらもう遅い、川のように泣くがいい”といういやはや”恨み節”と言えるバラード曲なんですね。しかし究極はそう言いながらも受け入れる女心を臭わせるのが良いのかも。

  そして1956年には映画「女はそれを我慢できないThe Girl Can't Help It」にジュリーは特別出演してこの曲を登場させ、世界的ヒットとなった。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

そこで私が作製したCD(勿論、私のプライベイトのもの)

「CRY ME A RIVER」 selected by photofloyd

Cda_2
1. Jeff Beck
2. Imelda May
3. Julie London
4. Nicki Parrott
5. Cheryl Bentyne
6. Diana Krall
7. Ilse Huizinga
8. Lyn Stanley
9. Hetty Kate
10. Barbora Mindrine
11. Alexis Cole
12. Halie Loren
13. Tierney Sutton

 

  どうですか、結構興味深いメンバーが集まりました。

Imeldamay_30 ”さあ、皆うまく歌えよ・・・・”と言う感じで、Jeff Beckの演奏からスタートさせた。そして歌姫トップは、ジェフとのコンビの私が言うところのあちらの美空ひばりImelda Mayの歌から始まる(実は美空ひばりもこの曲を日本語歌詞で歌っていますが、良い音源が手元に無し)。このイメルダはロックでもジャズでも何でもこなす、上手いです。そしておもむろにJulie Londonの登場、今聴いても情感の表し方は古くさくなくお見事。そして続いて今や花形のヴォーカリストを登場させるというパターン。いやはやそれぞれ皆個性ありますね。

NickipCheryi_b3Dk3Lynstanley






 Nicki Parrottは無難に唄っていますが、ちょっと情感が少ないかな。Cheryl Bentyneはバックのトランペットが効いてジャズっぽい。Diana Krallはやっぱり独特のクラール節。Ilse Huizingaはやや大人しいかなぁ、ちょっと既成のイメージとは違う。Lyn Stanleyはバックのサックスと共に大人ムード。Hetty Kateは情感抜きの異色派。Barbora Mindrineはバックこそ違ってもジュリー派。Alexis Coleは唄い聴かせる派。Halie Loren は小節を効かしての自分派。Tierney Suttonはまさに彼女の世界で歌い込む、別の曲かと思わせる。

 こうして並べて聴いていても、それぞれに個性があって飽きないところが味噌。従ってまだまだ多くの女性ヴォーカリストがこれからも聴かせてくれることが楽しみな曲である。

Cry Me A River
             (Arther Hamilton)

Now you say you're lonely
You cry the long night through
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you

Now you say you're sorry
For being so untrue
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you

You drove me, nearly drove me, out of my head
While you never shed a tear
Remember, I remember, all that you said
You told me love was too plebeian
Told me you were through with me and

Now you say you love me
Well, just to prove that you do
Come on and cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you
I cried a river over you
I cried a river...over you...

 今頃になって あなたは「淋しい」なんて言うのね
一晩中 涙に暮れながら
だったら たくさんお泣きなさい
川のように泣くといいわ(涙が川になるまで泣いてみせて)
私だって あなたの為に たくさん涙を流してきたんですもの

今さら 「すまない」なんて謝られてもね
自分がどんなに不実だったかを
だったら たくさんお泣きなさい
川のように泣くといいわ
私だって あなたの為に たくさん涙を流してきたんですもの

あなたが涙しなかった時も
私はどれほどあなたに夢中だったことか
忘れもしないわ あなたが私に言った事
恋なんて バカらしいとか
私とはもう終わっただとか

それなのに
今さら あなたは「愛してる」なんて言うのね
だったら それを証して見せて
川のように あふれる涙で
        (ネット上でみた日本語訳を拝借)



(視聴)

* Imelda May

* Diana Krall

* 美空ひばり

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2018年6月 7日 (木)

リン・スタンリーLyn Stanley のオーディオを意識したアルバム「THE MOONLIGHT SESSIONS Volume Two」

アナログの良さを=オーディオ・マニアに支持されて・・・・
<Jazz>
Lyn Stanley 「THE MOONLIGHT SESSIONS Volume Two」
A.T.Music/US/ATM3106/2017
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Lyn Stanley, all vocals
Mike Garson, piano
Tamir Hendelman, piano
Christian Jacob, piano
Chuck Berghofer, bass
Joe La Barbara, drums
Ray Brinker, drums
Bernie Dresel, drums
John Chiodini, guitar
Corky Hale, harp
Carol Robbins, harp
Hendrik Meurkens, harmonica
Luis Conte, percussion
Chuck Findley, trumpet
Rickey Woodard, tenor sax
Bob McChesney, trombone
The Budapest Scoring Symphonic Orchestra string players from Budapest Hungary’s Studio 22
 ”リン・スタンリーは、まさに大人のフィメール・ジャズ・ヴォーカリストですね。そして過去の誰でも知ってるポピュラーなスタンダード・ナンバーを歌い上げる。その声の質は簡単に言うと宝塚の男役そのものですね。低音にヴォリューム感があって高音部は伸びますが、澄んで清楚というタイプではなく、ちょっとマイルドに若干故意に作り上げているパターン。”
 そうですね、今回のアルバムも同じ印象だ。

Dsc_4764 彼女は特異な存在で、歌手であると同時にミシガン大学博士課程でマスメディアを学び、卒業後は米国有名企業などで働き、また幾つかの大学でも広告宣伝やマーケティングを教えるなどのキャリ アを積んで来ているのだ。又社交ダンサーとしての実績も凄い。世界プロ /アマ選手権 3位入賞など社交ダンスのナショ ナルチャンピオ ンなのだ。
   彼女自ら”International Recording Artist & Singer” と名乗っているのは、その演奏ばかりでなく、自らレコーディングに力を注いでいる為だろう。世界のオーディオ誌が彼女の歌や演奏ばかりでなくその音質を評価し、多くのハイエンドオーディオメーカーがサウンドデモに使用しているという。
 それは録音がふるっていて、1950年代と全く同様にアナログテープを用いて行われているようで、我々にとっての再生用にSA-CDによるステレオハイブリッド盤(通常のBlu-ray、CDプレーヤーなどで再生可能)やCDBaby.comなどのダウンロード音源(ハイレゾ音源)だけでなく、180グラムの重量級45回転2枚組のLPアルバム、更にオープンテープなども提供している。

Xat1245672747 このアルバムは昨年(2017年)リリースし好評アルバム『Moonlight Sessions Volume One』(→)(現在、このアルバムが入手困難)の第2弾だ。
  世界的に注目を集めていると言われているこのリン・スタンリーも、子供の頃からジャズ・ヴォーカリストには憧れていたようだが、実は遅咲きで、アルバム・デビューは、2013年でまだ5年前である。
 今作も、Steve Genewickによるオーディオファイル・レコーディング、ミックスにAl Schmitt、マスタリングはBernie Grundmanという一流陣が参加。

(Tracklist)
1.  Makin’ Whoopee
2.  The Very Thought Of You (p. Christian Jacob)
3.  That Old Feeling (p. Mike Garson)
4.  The Summer Knows (p. Christian Jacob)
5.  Over The Rainbow (p. Christian Jacob)
6.  How Deep Is The Ocean (p. Mike Garson)
7.  Angel Eyes (p. Mike Garson)
8.  At Seventeen (p. Mike Garson)
9.  You’ve Changed (p. Mike Garson)
10.  Smile (p. Christian Jacob)
11.  How Insensitive with Christian Jacob
12.  Love Me Or Leave Me (p. Tamir Hendelman)
13.  Since I Fell For You (p. Mike Garson)
14.  I’ll Be Seeing You

 曲目はもうジャズ・ヴォーカルものとしてのスタンダード集で完璧。とにかくバックの演奏も、昔からのジャズを感じさせるタイプで、昔を思い出すアナログ録音の刺激の無い音が広がってなかなか快感の録音だ。
 そして彼女のヴォーカルもやっぱり昔からの流れを無視すること無く、どちらかというとオーソドックスに歌いあげる。まあこれも大人のジャズ・ヴォーカル・アルバムとして聴くとそれなりに評価して良いのだと思う。とにかく聴いていて癒やされるというか何故かホッとするところが良いですね。特にM5. "Over The Rainbow" のバック演奏のピアノのメロディーには驚きの世界(聴いてのお楽しみ)。

(評価)
□ 歌・演奏  ★★★★★☆
□ 録音・   ★★★★★☆

(視聴)

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2018年5月15日 (火)

恐ろしや70歳越え(声) 奥村チヨ 卒業アルバム「ありがとう~サイレントムーン」

[My Photo Album (瞬光残像)]  Spring/2018

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(我が家の庭から・・・   NikonD800/90mm/PL/May,2018)

歌謡曲の歴史~50年前からの一物語の終焉

日本歌謡曲

奥村チヨ 卒業アルバム「ありがとう~サイレントムーン」
Universal Music / JPN / UPCY-7465 / 2018

Photo

 「サイレントムーン」 奥村チヨ : Vocals
              渡辺なつみ作詞、浜圭介作曲、高橋哲也編曲
 

Cybgk0euqaa4w こうゆうのを話題にするのは慣れない話ですが・・・若い人は当然知らない話で、50年前に「東芝三人娘」というのがありました。それが50年経った訳だから・・・当然彼女らは現在70歳前後なんですね。
 それは小川知子、奥村チヨ、黛ジュン、1960年代後半(かっての東京オリンピック直後の頃)の歌謡曲黄金時代に活躍した三人の女性歌手。東芝音楽工業(現・EMIミュージック・ジャパン)からレコード歌手としてデビューしたこの三人だ。それも現在も健在で活動しているから凄い。

 その奥村チヨ(1947年生まれ)が70歳を過ぎての今年2018年に引退すると言うことで話題になっている。しかも新曲「サイレントムーン」(渡辺なつみ作詩、浜圭介作曲)を歌ってアルバム・リリースしてのことである。
 彼女は、高校三年生の時にCMソングを唄って、東芝の草野浩二の目にとまり、高校卒業してシルビー・バルタンの「私を愛して」のカヴァーからスタート。

Photo_3 「ごめんネ…ジロー」(1965年)「北国の青い空」(1967年)などをヒットさせたのだったが、その「北国の青い空」は、当時エレキ・ギターの全盛期を作ったベンチャーズ(→)が日本でも圧倒的人気があって、これは彼らの作曲した曲で、これを歌いあげた事によって私も一目置くことになった。

 しかし、その彼女のコケティッシュな魅力、小悪魔のようでいて可憐な可愛らしさがあるというイメージから、本人の希望とは裏腹に、レコード会社の戦略もあって「恋の奴隷」を初めに「恋狂い」と「恋泥棒」の「恋三部作」を発表し、圧倒的ヒットを飛ばしたのであった。それにより当然紅白歌合戦にも選ばれたが、メインの曲「恋の奴隷」は、その内容から不適切となって(今じゃ考えられないことだが)、「恋泥棒」を唄ったという話が残っている。
 その後の「中途半端はやめて」など、ヒットはするがそのコケティッシュなイメージは更にエスカレートして、本人はいよいよ納得しないところとなった。

Showa_07

 そこで1971年12月になって、本人の歌手引退も辞さない強い希望から実現した曲で、自身のコケティッシュ・イメージを脱却した「終着駅」(千家和也作詞、浜圭介作曲)を発表し、これが又販売枚数が40万枚と好評を得た。そしてこれは作曲者の浜圭介にとっても認められた作品で有り、奥村チヨは彼と結婚して、1974年に芸能界の第一線を退いたのだった。
 ・・・・と、考えて見れば昔々のお話しで、なんとそれが1980年になると、ビクターから、「せめてさよならは…」をリリースして歌手活動を再開。1993年に、折からの1960年代ブームに乗って「恋の奴隷」が再ヒットしちゃったんですね。

 更に個性的な歌唱スタイルで1995年にはなんと新曲「パローレ・パローレ」 (岡田冨美子作詞、金野孝作曲)が大ヒット、それは彼女が50歳になろうとしていた時である。若い人からは”唄がうまいあのおばさんは一体誰れ?”と話題沸騰したのは、我々から見るとニンマリする話であった。
 そして2000年には「浮雲」(金野孝作詞、浜圭介作曲)も実力溢るる曲で人気を獲得、いよいよ70歳を過ぎての今年になって、自分でも納得の新曲「サイレントムーン」を得たと言うことで引退宣言となったのだ。それが又この曲、若々しい声で唄いあげていていやはや恐ろしいお婆ちゃんの物語であった。

 そこで今回リリースされた引退記念アルバム(CD+DVD)の内容は以下。話題となった曲の多い彼女の経歴からも収録曲が不十分ということで、巷には若干の不満があるようだが・・・、一枚のCDに納めようとしたらこんなところであろうか。取り敢えず最後の新曲「サイレントムーンSilent Moon」がトップと最後(カラオケ版)に収録。

Co1_2【収録曲】
DISC1(CD)
1.サイレントムーン
2.私を愛して Car tu t'en vas
3.ごめんネ・・・ジロー
4.北国の青い空
5.涙いろの恋
6.恋の奴隷
7.恋泥棒
8.くやしいけれど幸せよ
9.嘘でもいいから
10.中途半端はやめて
11.終着駅`95
12.別離の讃美歌
13.何かありそうな西銀座
14.バスが来たら
15.浮雲
16.サイレントムーン(カラオケ)

DISC2(DVD)
・サイレントムーン(Music Video)
・奥村チヨMemorial Video
・浮雲(Music Video)

(視聴)

① 恋の奴隷

②  終着駅

③  サイレントムーン

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2018年5月 8日 (火)

インドラ・リオス・ムーアIndra Rios-Moore「CARRY MY HEART」

[My Photo Album (瞬光残像)]  Spring/2018

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(我が家の庭から・・・・NikonD800/90mm/PL/May.2018)


この心は何処まで届くのか・・・・・トランプ出現の落胆

<Jazz, Soul>

Indra Rios-Moore「CARRY MY HEART」
Impulse!/ International / 6722684 / 2018

Carrymyheartw

Indra Rios-Moore (vo)
Benjamin Traerup (sax)
Thomas Sejthen (b)
Knuth Finsrud (ds)
Samuel Hallkvist (g)

 インドラ・リオス・ムーア(1980-)のImpulse!第2弾。彼女に関しては私は白紙だったが、これも美女狩り得意の友人からの紹介だ。
 彼女は、NY出身で現在バルセロナを拠点に活動する女性シンガーというところだが、、2017年のアメリカの大統領選挙でトランプが選ばれた結果に対し、「あの結果はまるで顔をビンタされたような気持ちになった」というところからのリリース・アルバムという。
 彼女は見ての通り、ラテン・アメリカの血が入った有色人種ということで、当然のこととして”平等な人権”ということにはかなり敏感に生きてきたのであろう事は想像に難くない。

  Indraという名前は ヒンズー教で”天空の戦士”の事だという、彼女は時代を超えた音楽を創造する事、はたまた拘りを超越して戦う意志の表現なのだろうか?。以前にピンク・フロイドの曲”Money”をカヴァーしているところからも社会派であり、しかも今回は選挙後のアメリカ社会の政治的リアリティに関して唄いたいというところからのアルバムであるところが重要なポイントであろう。

Indra1w(Traklist)
1. Carry my heart
2. Keep on pushing
3. I can see clearly now
4. Any major dude will tell you
5. Give it your best
6. Be mine
7. Don't say goodnight (it's time for love
8. Love walked in
9. Come sunday
10. What you won't do for love
11. I loved you

  アルバム・タイトル曲のM1."Carry my heart"から彼女の美しい歌声が優しく響くが、どことなく哀しみをもった陰影がある。彼女の唄は、ゴスペル、ソウル、R&Bなどがベースなのだろうか。
 2曲目のM2. "Keep on pushing"は、アフリカ系アメリカ人公民権運動の集団のシンボルとしての賛歌として多く唄われるようになったインプレッションズ(1960代を中心に)の曲の一つ。ここでも彼女の意志がみえる。
 ロックと言えども、ジャズやR&Bの因子が見え隠れしたスティーリー・ダンのM4."Any Major Dude"が彼女を刺激した曲のようだ。
 これも、ソウル・バンドのアイズレー・ブラザースのM7."Don't Say Good  Night"
  更に、白人でR&Bやソウルの流れにあったボビー・コールドウェルのM10. "What you won't do for love" のAORのタイプも登場だ。

Indragroup

 こうして聴いてみると、穏やかに彼女の美しい声での訴える唄が多く、バツク演奏陣は静かにそれを支える。特に彼女の夫のBenjamin Traerupのサックスも優しい。強烈に訴えるのでないこんなパターンであるからこそ彼女のトランプ思想への落胆が一層浮かび上がるように聴こえるのだ。
 彼女の年齢からみれば、ちょっと相応しくない”一昔前のアメリカにおける人権運動の流れを感ずる歌”に共感している姿こそ、アメリカにおける苦労の結晶の長い歴史の経過から築かれた大切なものが、トランプによって一瞬にして崩れて行く状況を悲しんでいるように伝わってくるのである。

(評価)
□ 歌、演奏 :  ★★★★★☆
□ 録音       : ★★★★☆

(視聴)

①   "Carry My Heart"

                *          *          *

② "Money/Pink floyd" カヴァー
(これだけソウルフルになった"Money"は・・・作者ロジャー・ウォーターズも驚きだろう)

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2018年4月26日 (木)

ヘイリー・ロレンHalie Lorenのニュー・アルバム 「FROM THE WILD SKY」・・・・・・・・(別話題)アレッサンドロ・ガラティ決定盤登場

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ちょっと期待外れのポップ化路線は彼女の原点回帰?

<Jazz, Pop>
Halie Loren 「FROM THE WILD SKY」
Victor Entertaiment / JPN / VICJ-61772 / 2018

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Halie Loren : Lead Vocals, Piano, Ukulele, Harmonium, Clap & Stomp
Produced & Mixed by Troy Miller



 ヘイリー・ロレンHalie Lore(1984年アラスカ生まれ)と言えば、何と言っても、彼女は今やその美貌と作曲能力とヴォーカルの色気で日本ではジャズ・ヴォーカリストとしては人気No1といっても過言では無い。2016年にライブ・アルバムはあったといえ、スタジオ・アルバムとしては、久々のニュー・アルバムだ。
 そしてなんと驚きですね、今作は10曲彼女によって書かれたオリジナル曲集だ。しかも彼女のリード・ヴォーカルは当然だが、ピアノその他の楽器演奏も演じている。又このアルバム・ジャケも今までのアルバムと違いは感じていたが、なんと彼女のアート・ワークとデザインである。こうしてみると、これは完全に彼女がやりたいことをやったというアルバムとみて良いのだろう。
 更に、英国人プロデューサー、トロイ・ミラーをプロデューサーに迎えコンテンポラリーにしてジャジーな因子の強いとは言え、完全なポップ・アルバムなのだ。

 彼女は、14歳でプロとして歌い始め、22歳(2006年)に自作曲を収録する『Full Circle』(White Moon Production)でアルバム・デビュー。そしてその後の2008年のアルバムが日本で2010年に『THEY OUGHTA WRITE A SONG 青い影』(VICJ61618)として発売され、あっと言う間に人気歌手となる。2012年には初の来日公演などにより人気は不動となり、毎年来日している。

11994398243_7fbed37c6d(Tracklist)
1. Roots
2. How to dismantle a life
3. Wild birds
4. Paper man
5. I can't land
6. Well-loved woman
7. Painter's song
8. August moon
9. Noah
10. Wisdom
11.A mi Manera
12. In My Life *
13. Turn Me On *

 (*印:日本盤ボーナス・トラック)

  彼女のライブには、もう毎年の行事になっているコットン・クラブに2回参じたが、披露曲はジャズ・スタンダードが主力。従って今回のアルバムも、てっきりスタンダード・ジャズ・ヴォーカル集と思っていたのだが、このポップ曲には、ちょっと肩すかしを食らった感覚である。

Fullc2 思い起こせば、彼女のオリジナル曲が主体のアルバムというのは、あのデビュー・アルバム『Full Circle』(→)以来かも知れない。そしてあのアルバムの再来と言って良いと言える今作だ。それは12年ぶりの原点回帰ということでもある。
 日本でのヒット『青い影』以来、作られたヘイリー・ロレン像というのは、Jazzy not Jazz路線で、しかもバラード曲が人気を集めているわけであるが、ライブでの彼女の軽快なアクションをみるにつけ、やっぱりジャズというよりはロック寄りに彼女自身は一つの焦点を持っているのかも知れない。そして『Full Circle』同様、彼女の作品集である今作は、ロックから進歩したオルタナティブ・ミュージックであった。しかもあのデビュー作よりはむしろ更に大衆的に解りやすいところのポップ化されたところとなっているのは、若干後退かと残念がるところである。むしろここに至るのであれば、もっとロック、ポップからの異質性・変質性を高めて欲しかっようにも思うのである(その点では『Full Circle』のほうが面白い)。

   ジャズっぽくて、ちょっと面白い曲はM4. "Paper man"あたり。又 M5. "I can't land"は、ややしっとり感もあって楽しめる。M8.."August moon"、M9. "Noah"は、美しいポップ曲 。11番目に登場する”マイ・ウェイ”("A mi Manera")は、スペイン語でのヴォーカルで魅力的、これが一番ヘイリー・ロレンらしい出来。ライブからのビートルズなどのボーナス曲2曲も彼女らしい曲仕上げ。

 まあ今作は、ロックも好きである私にとっては、この手のポップなアルバムも悪くは無いのだが、こうして聴いてみると、やっぱり彼女への期待はジャズ系のヴォーカルにあるのだろうと言うことをあらためて感じたのであった。
 
(評価)
□ 曲・演奏・ヴォーカル: ★★★★☆
□ 録音          : ★★★★☆

(参考視聴) このアルバムとは全く関係ないHalie Lorenをどうぞ・・・

                *          *          *          *          *

[追記]

本日到着・・・・・

ついに寺島レコードからアレッサンドロ・ガラティ・トリオ決定盤登場

Alessandro Galati Trio 「Shades of Sounds」
TERASIMA RECORDS / JPN / TYR-1062 / 2018


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Alessandro Galati  : piano
Gabriele Evangelista  : bass
Stefano Tamborrino :  drums

Recorded, Mixed & Mastered by Stefano Amerio
Producer : 寺島靖国


Shadeslist 待望のアルバム本日到着。美旋律ピアニストのAlessandro Galatiの決定盤だ。
 あの寺島靖国が、気合いを入れてのアルバム・リリース。
 ガラティのオリジナル曲は1曲”Andre”の再録音版。あの私のガラティとの接点が出来た1994年のアルバム『TRACTION AVANT』からの美旋律の名曲。
 録音は名エンジニアのステファノ・アメリオとくるから文句の付けようが無い。ピアノとシンバルそしてベースの響きが抜群。

 評価はじっくり聴いてのここへの再登場により、しっかりしたいと思っている。
 収録曲は右記。
 とにかくスタートの"After You Left"からうっとりである。
 ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーンも登場。
 いずれにせよ、今年No1候補がここに登場した。

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2018年4月22日 (日)

エンリコ・ピエラヌンッィEnrico Pieranunziのドビュッシーへの想い 「Monsieur Claude - A Travel with Claude Debussy」

[My Photo Album (瞬光残像)]  Spring/2018

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  (Nikon D800/ 90mm/19,Apr,2018)



しかし、これはどこか変なアルバムと言ってしまいたい代物

<Jazz>
Enrico Pieranunzi 「Monsieur Claude - A Travel with Claude Debussy」
BONSAI / France / BON180301/2018

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Enrico Pieranunzi(p),
Diego Imbert(b), Andre Ceccarelli(ds)
Featuring: David El Malek(sax-M1,3,6,9), Simona Severini(vo-M4,5,8,11)
Mixed and Mastered by Stefano Amerio

Claude_debussyw あのフランスの作曲家トビュッシーClaude Achille Debussy(1862.8.22-1918.3.25)(←)も今年没後100年なんですね。それにちなんで、なんと注目度も100%のエンリコ・ピエラヌンツィが、ドビュッシーに捧げた作品だ。
  トビュッシーといえば「海」というのがありましたねぇ~、それはそれとして彼の作曲群はクラシック・ファンの中でもそれなりに支持者が多いと思うのだが、私的にはイマイチ夢中になるという感動はなかった。「月の光」とか「亜麻色の髪の乙女」とか聴いたこともあるが、まあ知らない方が多いので、現代ジャズ・ピアノの美旋律最右翼のピエラヌンツィがトリオを中心にして演ずるといことの訳で、興味津々で聴くことになったのである。

(Tracklist)
1.  Bluemantique (d'après Valse Romantique de Claude Debussy) (5:30)
2.  Passepied nouveau (d'après Passepied de Claude Debussy) (4:51)
3.  L'autre ballade (d'après Ballade de Claude Debussy) (5:36)
4.  Romance (Paul Bourget / Claude Debussy) (5:02)
5.  Rêverie (Claude Debussy / arrangement Enrico Pieranunzi) (7:45)
6.  Cheveux (d'après La fille aux cheveux de lin de Claude Debussy) (5:11)
7.  Blues for Claude (Enrico Pieranunzi) (4:28)
8.  Nuit d'étoiles (Théodore de Banville / Claude Debussy) (8:11)
9.  Mr. Golliwogg (d'après Golliwogg's Cake-Walk de Claude Debussy) (5:35)
10.  My Travel with Claude (Enrico Pieranunzi) (2:04)
11.  L'adieu (Guillaume Apollinaire / Enrico Pieranunzi) (6:38)

Ep1w まずは聴いての印象だが・・・・ウーンこれはあまりジャズ・ファンには勧めるものではないなぁ~~。ピアノ・トリオの美しさを前面にと言ったものではないし、そういう中でもM1,3,6,9には、SAXが登場してジャズっぽくなってくれるのだが、どこかしっくりしない。
 M2."Passepied nouveau" は、エンリコ・ピエラヌンツィ(→)らしいピアノが、如何にもクラシック調をベースに聴かせてくれるところは聴きどころと思う。この流れで全編通してくれると、一つの世界を描けたのではと思いつつ、次なる変化に欲求不満になる。
 又、更にM4,5,8,11の4曲は、シモーナ・セヴェリーニの歌をフィーチャーしていますが、ちょっとクラシック・ベースにポップ、フォーク感覚もあったりとして、M8."Nuit d'étoiles"や最後の締めくくりの曲M11. " L'adieu " なんかは発声も充実してなかなか良い出来だと思うのだが、どこか印象がちぐはぐ。一つの曲として聴くにはなかなか完成度も高く魅力もあるのだが、このアルバムとしてどこか不釣り合いと言ったところで終わってしまうところが空しい。
  私がそれでもちょっと注意して聴いたのは、M7. "Blues for Claude"や、M9. "Mr. Golliwogg" のようなピアノ・トリオのやや前進的展開に見るところもあるが、感動というところとはほど遠い。
 M10. "My Travel with Claude" は短い曲だが、ここにみるような、何かを思わせるピアノの響きの世界は嬉しくもなった。このパターンで仕上げて欲しかった思うのである。

 結論的には、私のような中途半端者にとっては、このアルバムの評価は難しく、演奏のレベルは高そうだが、多分これからも聴き込みたいと言うものではなかったというところ。高評価の方が居られれば、その聴きどころとアルバムとしての評価の話を聞かせて頂きたいと思っている。録音は、さすがStefano Amerioで良いです。

(評価)
曲・演奏: ★★★★☆
録音     : ★★★★★

(視聴)

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2018年4月18日 (水)

ホリー・コールHolly Coleのニュー・アルバム 「HOLLY」

[My Photo Album (瞬光残像)]             Spring/2018

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                                              (Yaezakura-NikonD800/90mm/17.Apr.2018)

貫禄十分の味のあるヴォーカル

<Jazz>

Holly Cole 「HOLLY」
Universal Music Canada / Canada / IMT2639822 / 2018

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Holly Cole : Vocals
Larry Goldings : Piano
Wycliffe Gordon : Vocal & Trombone
Ben Street : Bass
Scott Robinson : Sax
Justin Faulkner : Drums
Ed Cherry : Guitar
etc.


 ホリー・コールとしては、いやはや久々のアルバムですね。彼女は1963年生まれですから今年で50歳半ばというところで、貫禄十分のスタンダート・ヴォーカル集である。
  2007年に『HOLLY COLE』KOC-CD-4404)ってアルバムがあり、その後2012年には『NIGHT』(TOCP-71318)があって、それ以来ではないだろうか?、とすると6年ぶりと言うことになる。もともと彼女は低音を駆使して重量感があるのだが、今回はそれにややハスキーとなった歌声が更にヴォリューム・アップして迫ってくる。
 カナダのジャズ・ウォーカリストですから、基本的にはアメリカン・ジャズの流れにあって、そんなムードもしっかり聴かせるアルバムだ。

(Tracklist)
1.  I'm Begining To See The Light
2. Your Mind is on Vacation
3. I was doing All Right
4. It could happen to you
5. Ain't that a kick in the Head
6. Teach me Tonight
7. We've got a world that swings
8. They can't take that away from Me
9. Everybody Loves Somebody Sometime
10. I could write A Book
11. Lazy Afternoon



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M3."I was doing All Right" M10."I could write A Book"では、Wycliffe Gordonの渋いところとのヴォーカル・デュオを聴かせていて、両者の声質がこれまた貫禄十分で圧倒してくる。なかなかアメリカン・ジャズ・ムードをしっかり醸し出している。
 M4."It could happen to you"はソロ・ピアノをバックにしっとりとしたムードで唄い聴かせてくれて最高です、これぞ円熟の境地。私のようなバラード好きにとっては、M6."Teach me Tonight"も、静かに流れるHammond Organに乗っての彼女のヴォーカルに降参です。
 M5."Ain't that a kick in the Head"の軽さも彼女ならではの味がある。これも彼女の魅力の一つだ。
 M9."Everybody Loves Somebody Sometime"は、私にとっても懐かしさいっぱいの曲です。バックのピアノとベースのデュオがこれ又落ち着いた味を出して彼女の歌声とピッタリだ。
 M11. "Lazy Afternoon" このやるせない退廃的なムードのスロー・ナンバーは、締めくくりに十分の充実ぶり。Ed Cherry のギターが聴かせます。

 貫禄十分の彼女は、歳と共に味が増していて久々のアルバム・リリースも成功ですね。今年夏に来日しての公演予定がありますが、その時にはしっかりとその味を魅せてくれるでしょう。1991年の”コーリング・ユー”のヒットから25年はいつの間にかもうそんなに経っているのかと言う感じです。こうして彼女の健在ぶりを喜ぶべきでしょう。

(評価)
□ 演奏、ヴォーカル ★★★★★
□ 録音         ★★★★☆

(参照) ホリー・コール (灰とダイアモンドと月の裏側の世界)

(視聴)

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