女性ヴォーカル

2017年3月28日 (火)

ブリア・スコンバーグBria Skonberg 「Bria」

女流トランペッターの多彩なヴォーカル・アルバム

<Jazz>
Bria Skonberg  「Bria」

Okeh / US / 88985337522 / 2016

Albumbria

Bria Skonberg (vocal, trumpet)
Aaron Diehl (piano)
Reginald Veal (bass)
Ali Jackson (drums, percussion)
Evan V Arntzen (harmony vocal, clarinet, tenor saxophone, percussion)
Stefon Harris (vibraphone)

Bria_1  カナダ出身ニューヨークで活躍する女性歌手兼トランペッター(兼ソングライター)のブリア・スコンバーグBria SkonbergのOkeh移籍第一作アルバム(彼女の通算3枚目)。
 聴き慣れたスタンダード曲に加えて5曲のオリジナルを収録している。

  収録曲は、全体的にはピアノ・トリオをバックに、彼女のトランペットの調べとヴォーカルが乗ってくる。その他曲によってジャズ味100%のヴィブラフォン、クラリネット、サックスも加わってのジャズ色オンパレード。

 M2.”Que Sera Sera ”は、中間部のトランペットはミュートがかかっており、これがケセラ・セラ?と疑いたくなるところは、私には好感度たっぷりの演奏。
 M4.は彼女のオリジナル曲。トランペットが唄ったかと思うと、がらっとムードを変えてタンゴのリズムとなり、彼女のヴォーカルがリードし、又トランペットとクラリネットの競演となってジャズそのものの味付けがゴージャスだ。
 しかし続くM5.”Trust In Me ”は、ヴィブラフォンとピアノの静かな演奏に、これも弱音でのドラムスで、そこに彼女のしっとりとしたヴォーカルが聴かれ、こうゆうのは私好みなんですね。
 明るさが主体の曲群の中でM10.” My Shadow ”は、ちょっとタイプは異なるがM5とともに異色で、ベースの響きと低空飛行のヴォーカル、この暗さは別のアルバムかとも思わせるが、これがあって他の曲の華もあるのかもしれない。
 一方なんとM12. ”Malaguena”も登場し、トランペットの派手さと、ピアノ・トリオのそれぞれのパートを軽快な疾走と三者の綾取りを混ぜての演奏も面白い。
 
 とにかく登場する曲調はスウィングして豪華・快活であったり、タンゴの軽快な華々しさ、かと思いきやしっとりとした曲、更にはブルース調と、その取り混ぜは多彩そのもの。
  多分、このアルバムは彼女の多能力のデモ的なものであったのかもしれない。

42471c_ このブリアは、1983年カナダ-ブリティッシュ・コロンビア州チリワック生まれで、30歳代半ば、これから更に充実の年頃だ。トランペッターというのも女性としては異色であるだけに、しかもなかなかの美人と条件は揃っている。まあこれからが楽しみとも言える。
  ヴォーカルの質も優しく語りかけるようなロマンティック・ムードたっぷりから、軽快にして軽妙なる洒落た味付け、はたまた陰影たっぷりの都会の陰を歌い込んだりとなかなか芸達者で、期待できる。
 いやはやカナダのジャズ界進出ウーマン・パワーは見事である。

(Tracklist)
1. Don't Be That Way
2. Que Sera Sera (Whatever Will Be Will Be)
3. From This Moment On
4. Curious Game
5. Trust In Me
6. I Was A Little Too Lonely And You Were A Little Too Late
7. You're Getting To Be A Habit
8. How Can It Be
9. Egyptian Fantasy
10. My Shadow
11. Wear And Tear
12. Malaguena
13. Midnight Sun
14. Down In The Deep

(視聴)

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2017年3月24日 (金)

ヴィクトリア・トルストイViktoria Tolstoy 「Meet Me At The Movies」

北欧の世界観の感じられるヴォーカル

<Jazz>
Viktoria Tolstoy 「Meet Me At The Movies」
Act Music / Germ / ACT9827-2 / 2017


Vtw

Viktoria Tolstoy (vo),
Krister Jonsson (g),
Mattias Svensson (electric & acoustic bass),
Rasmus Kihlberg (ds)
Special Guests:
Iiro Rantala(p), Nils Landgren: trombone(vo)

 スウェーデンの人気女性ヴォーカリスト、ヴィクトリア・トルストイViktoria Tolstoy 。彼女はロシア系で文豪トルストイの孫娘だということで一目置かれてきた。1974年生まれで、もうベテラン歌手。
 これはアメリカ・クラシック映画主題曲を歌ってのアルバムだ。ACT-Musicのアルバムだけあって録音が良い。又彼女の唄声は低音から高音まで標準的で聴き応えがソフトでヴォリュームもあってなかなかの良質モノ。 過去に10枚のアルバムをリリースしているが、私自身はそれ程興味を持つこともなく今日に至っていたが、このアルバムで彼女のファンには叱られそうだが、実はを見直しているんです。(そこで彼女のDiscographyを参考までに末尾に記す)

(当アルバムのTracklist)
1. Calling You (Bob Telson) from the movie “Bagdad Café”
2. As Time Goes By (Herman Hupfield) from the movie “Casablanca”
3. En Man [Marlowe‘s Theme] David Shire (Swedish lyrics by Rolf Börjlind)
from the movie “Farewell, My Lovely”
4. Out Here On My Own (Michael & Leslie Gore) from the movie “Fame”
5. Why Should I Care (Clint Eastwood) from the movie “The Bridges of Madison County”
6. The Book of Love (Peter Gabriel) from the movie “Shall We Dance?”
7. Love Song For A Vampire (Annie Lennox) from the movie “Bram Stokers Dracula”
8. Kiss From A Rose (Seal) from the movie “Batman Forever”
9. Angel (Sarah McLachlan) from the movie “City Of Angels”
10. New World (Björk / von Trier) from the movie “Dancer In The Dark”
Bonus track
11. Smile (Chaplin / Turner / Parsons) from the movie “Modern Times”

Viktoria_tolstoy まずスタートから映画『バグダッド・カフェ』のM1.”Calling You ”を持ってくるというのは、なんとも気迫の感じられるところだ。それもなかなか味付けが良い。ホリー・コールとつい比較したくなるのだが、彼女流を貫いていてVegasというよりは、北欧の自然風景が浮かんでくるところは恐ろしい。"I am calling you"と歌いあげるところも大人の雰囲気を醸し出している。この曲だけでも一聴の価値ありだ。
 バックはギター、ベースで洒落た演奏を聴かせるが、曲によってピアノも加わる。
 又サラ・マクラクランとこれも比較したくなるM9.”Angel”が登場。ギターはカントリー風に演ずるが、やっぱり彼女の唄声が入るとなんとなく北欧風に聴こえてくるところが不思議。
 M3.”En Man [Marlowe‘s Theme]”は、スウェーデン語で唄われるが、これが全く意味不明。その為私には静かな都会のムードが感じられて納得。
 映画『カサブランカ』、『モダン・タイムス』からも登場(M2.”As Time Goes By”,M11.” Smile” )で、クラシック・ムードも近代北欧に仕上げている。
 映画『マジソン郡の橋』の一曲M5."Why Should I Care"も優しくしっとり唄うところはお見事。
 映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のビョークの曲M10.” New World ”は、さすがちょっとこのアルバムではイメージの変わった曲となった。

 映画音楽というのは、その映画の印象が強いので、自己流の展開はある意味では避けられることが多い。しかしこのヴィクトリアの場合はさすがベテラン、果敢に北欧風に仕上げたところは、冒険であったと思うが、それがむしろ私には北欧の世界観が感じられてなかなか良いアルバムに仕上げたと思うのである。

<参考 Viktoria Tolstoy - Diacography>
1994 – Smile, Love and Spices
1996 – För Älskad
1997 – White Russian
2001 – Blame It On My Youth
2004 – Shining on You
2005 – My Swedish Heart
2006 – Pictures Of Me
2008 – My Russian Soul
2011 – Letters to Herbie
2013 – A Moment of Now (with Jacob Karlzon)
2017 – Meet Me At The Movies

(視聴)

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2017年3月11日 (土)

ナイトウィッシュNightwishライブ映像盤「VEHICLE OF SPIRIT」

圧巻のシンフォニック・メタル・ロックは更なる充実をして・・・・・
Nw__2016


<Symphonic Metal Rock>
Nightwish「VEHICLE OF SPIRIT」
Nuclear Blast / USA / NBA 3850-7 / 2017
Nwlivew

  Tiomas Holopainen : Keys.
  Floor Jansen: Vocals.
  Marco Hietala: Bass,Vocals
  Troy Donockley : Uilleannpipes, Low whistles, Vocals.
  Emppu Vuorinen: Guitar
  Kai Hahto: Drums


2 女性リード・ウォーカルで苦労したフィンランドの注目のロック・バンド「ナイトウィッシュ」、ターヤの後のアネット・オルゾンから2012年にオランダの元アフター・フォーエヴァーそしてリヴァンプAFTER FOREVER/REVAMPのフロール・ヤンセンFloor Jansen(→)を招き、更に英国のケルト・ロック・バンドYou Sloshを結成してトラディッショナルな世界を構築するドノックリーTROY DONOCKLEY(あの名ケルティック・フォーク・バンドのアイオナでの活躍が印象的)が加入しての目下の最新作は2015年の「ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL」だ。
 そしてその後の2015年から16年にかけて行われたワールド・ツアー「Endless Forms Most Beautiful World Tour 2015-2016」の模様を収録したライブ作品(昨年訪日も果たしている)。英国ウェンブリー・アリーナ公演と母国フィンランドのタンペレで行われた公演の2つのライブをBlu-ray2枚にフルセットで収録し更に世界各地での模様も納めてのサービスを加えたた映像版だ。

       *           *
1■ ウェンブリー公演 
取り敢えずメイン収録は英国ロンドンの”WEMBLEY ARENAもの”と言うことで、その収録セット・リストは右のとおりである。主としてニュー・アルバムからと、過去のヒットを織り交ぜての公演だ。
 まあ、ツォーマスTiomas Holopainen 、 マルコMarco Hietala、エンプEmppu Vuorinenの3人は当然としても、やっぱり注目は フロール・ヤンセンだ。彼女はもともとロック・バンドにおけるヴォーカルの経験は十分なので、勿論不安は無いが、今回はナイトウィッシュに本格的参加のニュー・アルバムを引っさげての登場であり、そして以前から宣言しているようにターヤを意識しないで、自らの世界を造ると息巻いていたんで、どんなモノかと注目するわけである。
 結論から言うと、このバンドとしての役割は十二分に果たしていたというところ。なにせあの体格から訴えるヴォーカル、そしてパフォーマンスは見事。そしてかねてからの経験で、ソプラノから低音部まで余すとことなくリクアーしている。ツォーマスのダイナミックな曲群をなかなかこなすのも大変だろうが、難なくロッカーとして唄い上げ演技しているところはさすがである。

Troydonockley2014 ドノックリーTroy Donockley(←)の参加で、ケルテック・ムードも加味されて一層ナイトウィッシュのスタイルが厚みを持った。
 今回のアルバムも、彼らは"種の起源"やリチャード・ドーキンスの生態進化学などに因んだコンセプトアルバムであっただけ、彼のUilleannpipesなどの古楽器を生かしての演奏は素晴らしい。人間の発生・進化論と自然がテーマという深遠さとダイナミックを十分にこなしている。とにかく畳み込んでくる彼らの世界は圧巻である。
 ただし、心配なことにユッカ・ネヴァライネンJukka Nevalainenは病気の為、ドラマーは Kai Hahtoが務めているが、ユッカと違ってドスンバタンの迫力は少ないが、なかなか繊細なシンバル・ワークもあってこれはこれで悪くない。

Thw■ タンペレ公演
 そしてもう一つ彼らの本拠地フィンランドのタンペレTampereで行われた公演も別の一枚のBlu-rayに納められている。こちらは更に画像は良好で音質も標準をクリアしている。彼らのステージでの息の合ったプレイも見もので価値がある。この第3期ナイトウィッシュは一層充実を果たしていて、ツォーマスの満足の域にある表情が見られホッとするのだ。
 このメンバーのオフィシャル映像は"WACKEN open air live show"の『Showtime, Storytime』(2013年)以来だが、比較すると格段に内容共に良くなっている。
       *          *
 さて、ここで余談だが、止めておけば良いのに、どうしてもフロール・ヤンセンとターヤを比較したくなる。そこで何年か前のライブの改良Blu-ray映像版『End Of An Era』があるので取り敢えず面倒だが比較してみたのだ。やはり”Eva Dream”、”Nemo”などの曲を比べるとターヤのヴォーカルのオペラテイックな魅力には敵わない。しかし、まあそうは言っても現在のところ、現行ナイトウィッシュはやはりロック・パワーのフロール・ヤンセンの魅力、そして音楽的にはシンフォニックな完成度が更に高くなっており、そのスケールの大きさはまさに敵なしの存在と言って良いと言えるのだ。
(参考視聴)

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2017年3月 4日 (土)

ルネ・マリーRené Marie貫禄のヴォーカル・アルバム「SOUND OF RED」

多彩なタイプを盛り込んだジャズ・ヴォーカルに堪能

<Jazz>
René Marie 「SOUND OF RED」
Motema Music / USA / MTA-CD-194 / 2016

Soundofredw

René Marie (vocal)
John Chin (piano)
Elias Bailey (bass)
Quentin E. Baxter (drums)

GUEST ARTIST :
Romero Lubambo (guitar 6)
Sherman Irby (alto saxophone 1)
Etienne Charles (trumpet 2, 10)
Shayne Steele (background vocal 8, 11)

Renemariew  1955年生まれのベテラン・ルネ・マリーRené Marie(→)の近作。彼女はヴァージニア出身の女性ボーカリスト。99年、42歳の時にプロキャリアをスタートさせた遅咲きではあるが、セントルイスを拠点とするレーベルMAXJAZZ(ここにはDena DeRoseが居ますね)で多くのアルバムをリリースしている。アカデミー賞にも何回かノミネートされてきたようだ。
 そしてこれは2013年以来の昨年リリースされたニュー・アルバム。とにかく還暦過ぎの貫禄十分の強力アルバムだ。

 ブルース、ジャズの本場での百戦錬磨だけあって、自身のオリジナル曲によって作り上げたなかなか味のあるアルバム。意味深に唄ったり、軽く唄ったり、又ジャズ本場を唸らせるムードを醸し出したりと、そのテクニックは安心して聴く者を楽しませる。実は私はじっくり聴くのは今回が初めてなんです。

 M1. ”Sound of Red”がなかなか評判なんですね。 ゆったりと流してブルース調の味を生かしたジャズで、アルト・サックスの加わったバック演奏の流れも良くなかなか聴かせる。
  M2. ”If You Were Mine” この軽快な曲運びは洗練されていますね。
 M3. ”Go Home”は完全に哀愁のスロー・ナンバー・フォーク・ロック。
 M6. ”Certaldo”のアコースティック・ギターをバックに説得力のあるヴォーカルも見事、後半のピアノも美しい。
 M7. ”Colorado River Song” はなかなか洒落た懐かしのよき時代を思い起こすジャズ。
 M8. ”This is (not) A ProtestSong” 、M9. ”Many years ago”これらは懐かしのフォークっぽいナンバーで哀愁感も醸し出す。聴いていると20-30歳代のシンガーをイメージしてしまう。
 M11. ”Blessings”はジャズというよりはフォーク・ロックぽい味を感じさせる曲。語りかけるところから朗々と歌いあげるところまで披露してアルバムを締めるのである。

(Tracklist)
1. Sound of Red
2. If You Were Mine
3. Go Home
4. Lost
5. Stronger Than You Think
6. Certaldo
7. Colorado River Song
8. This is (not) A ProtestSong
9. Many years ago
10. Joy of Jazz
11. Blessings

(視聴)

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2017年2月25日 (土)

チャンピアン・フルトンChampian Fulton 「After Dark」

アメリカン・ジャズの楽しめる道に浸る・・・・

Cfw
(Champian Fulton)

<Jazz>
Champian Fulton 「After Dark」
Gut String Records / U.S / GSR022 / 2016

Afterdark

Champian Fulton (piano and vocals)
David Williams (bass)
Lewis Nash (drums)
Stephen Fulton (trumpet & flugelhorn) tracks:1,4,6,7

 オクラホマ州出身のまだまだ若い(1985年生まれ)女流ジャズ・ピアニストにしてヴォーカリストのチャンピアン・フルトンの純アメリカ的ジャズ・アルバム。最初の1曲目からミュートを効かせたトランペットがムードを盛り上げる。ニューヨーク・タイムズでも彼女のことを「メインストリーム・ジャズ・シーンにおいて、魅力溢れる若きディーバ」と評されたとか。
(ただしこのアルバム・ジャケ、洗練されたところの感じないちょっとダサいところが少々難ですが・・・・・)

 これは彼女のピアノ・トリオ作品でも有り、それにStephen Fultonの trumpet と flugelhornが4曲に加わっているが、このトランペッターは多分父親なんですね。そんな微笑ましいアルバムだ。そしてそこに彼女のヴォーカルを乗せていて、NYのナイトクラブの雰囲気を味わえる作品といったところ。それはもともと彼女はSarah Vaughan、 Billie Holiday、 Helen Humes を聴いて育ったという話からも押して知るべしであろう。

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 ブルースの女王Dinah Washington によってポピュラーになった歌を集めたアルバムということだが、チャンピアンは、ピアノを弾き語りで主としてピアノ・トリオ・ジャズとして聴かせてくれる。Dinah Washington はブルースと言ってもジャズ畑での活動であったわけで、その流れを十分汲み取って、これは完全なジャズ・アルバムとして仕上がっている。

 しかしどうもチャンピアンの声の質とその独特なやや粘度の高い発声テクニックは、私好みのところとちょっと違っているんですが、しかしむしろ演奏面でしっかりアメリカ感じ取れるところに楽しませてもらう因子がある。だいたい曲の中盤はトリオ演奏を楽しむパターンで、ピアノ演奏も気分良く聴けて解りやすいので、これでジヤズの原点的良さも知ることが出来るのだ。特にM10.”Baby Won't You Please Come Home”あたりはその典型ですね。又M11.”Midnight Stroll”は、これはインスト曲で、よき時代のジャズの雰囲気をたっぷりとピアノ演奏を中心に聴かせてくれる。

(Tracklist)
1. Ain't Misbenhavin'
2. That Old Feeling
3. What a Defference a Day Made
4. Blue Skies
5. Keepin' Out of Mischief Now
6. A Bad Case of the Blues
7. Travelin' Light
8. Mad About the Boy
9. All of Me
10. Baby Won't You Please Come Home
11. Midnight Stroll

 彼女のアルバムは既に何枚かあって、ヴィーナス・レコードが扱っていたんですが、これは彼女名義のレーベル作品であるところをみると、ヴィーナスとの関係は打ち止められたのか、日本離れ?ちょっとそのあたりは確かな情報はない。

(試聴)

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2017年2月16日 (木)

ナタリア・ズッカーマンNatalia Zukerman 「COME THIEF COME FIRE」

来日で日本にも浸透しつつある彼女のフォーキーな世界

<Country, Folk>
Natalia Zukerman  「COME THIEF COME FIRE」

BSMF RECORDS / JPN / BSMF-6054 / 2014

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  Artist : Natalia Zukerman
  Producer : Erin Mckeown,  Abbie Gardner,  Meghan Toohey

 このアルバムは、2014年リリースですが、友人勧めでつい最近初めて聴くことになったもの。
 女性ヴォーカリストは、クラシック・ヴァイオリンの巨匠であり、そして指揮者であるピンカス・ズッカーマンの愛娘のナタリア・ズッカーマンNatalia Zukerman。勿論彼女も初めて知った次第です。彼女はギタリストであり、コンポーザーでもあるという。
  母親はフルート奏者、姉はオペラ歌手だそうだ。昨年何度目かの来日で、それなりに日本にもファンがいるようですね。ジャケからみると若いのか中年なのかよく解らないが、調べてみると1975年ニューヨーク生まれということで、今年40歳過ぎといった円熟期。

Nzstagew そうですね、中身はどちらかというとカントリーっぽいフォークですね、過去からの流れの紹介では、ブルース、ジャズ、ブルーグラスの世界も加味しているようだ。彼女はギタリストだけあって、アコースティック&エレキ・ギターをこなし、カントリーでよく使われるドブロ・ギターも演じ、更にラップ・スティール、バンジョーを使いこなすんだそうだ。

 さてこのアルバムは7作目になるようだが、2部構成風で前半(M1~M6)が彼女のギターを中心にしたアコースティック楽器による小編成。後半(M7~M12)がバンド・サウンドで構成されていてちょっと印象が変わる。曲によって女性バッキング・コーラスも入る。
  従って前半は、物語を語り、そして言い聞かすが如くの歌声と、やや哀感の感じられる旋律が落ち着いた世界。なかなか良いです。
 そして後半は、ややその因子を持ちながらダイナミックな歌唱をみせる。特にM7.”One Of Us”、M9.”The Light Is Gone”は若々しく朗々と歌いあげるところは好感の極み。続くM10.”Give”は美しい。
  彼女の声の質も非常に低音部にヴォリュームのあるスモーキーヴォイスで好感がもてる。

  これは複数のプロデューサーによる作品集のようだが、アルバム全体を通して非常に刺激の少ないマイルドな歌声と曲で纏めた好印象盤。

(Tracklist)
1. Courage To Change
2. Jane Avril
3. Bucket
4. I Don’t Feel It Anymore
5. The Hunter
6. Come Thief
7. One Of Us
8. What Comes After
9. The Light Is Gone
10. Give
11. Hero
12. Please Don’t

(視聴)

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2017年2月12日 (日)

エイミー・マクドナルドAmy Macdonaldのライブ映像「Switzerland 2014」

インディーロックで広い年齢層に訴える・・・・

<Pops, Folk Rock, Indie Rock>
(BOOTLEG)
AMY MACDONALD 「SWITZERLAND 2014 &2013」

Switzerland2014

NTSC COLOR / DOLBY STEREO / PROFFESIONALY SHOOTING

 ここに来て久しぶりにエイミー・マクドナルドAmy Macdonaldのニュー・アルバムがリリースされる。と、言うことで過去といっても近年の(2014年)彼女のライブ映像ものがあったのでここで紹介。

1st 彼女は2007年に、突然1stアルバム『THIS IS THE LIFE』(→)が全英1位という快挙でデビュー。 
 スコットランド出身であるだけあって、フォークっぽいロックでありながら、しかしそれだけでなくスコットランドをイメージさせる独特な世界観で迫ってくる。しかも若い割にはチャラチャラした印象が無く、どこか一本真の通っているイメージで私は取り敢えずマークしていたのだが・・・、このところニュー・アルバムも無かったのでちょっと寂しい状態にあった。
 考えて見ると、2ndアルバム『A Curious Thing』(2010)からはもう7年の経過である。そこで、それならとライブ映像版で近年の様子を見ることと、両アルバムのいいとこ取りをしてみようと、オフィシャル映像のライブ映像ものをブートであるがここに観賞しているというわけである。

Livelist 映像でのまずの印象は、やっぱり彼女のヴォーカルは非常に力強い。そして熱唱だ。(右は、当映像版のSetlist。「2014年 BALOISE SESSION BASEL, SWITZERLAND  10. 26. 2014 」のライブ映像だ)
 12歳からギターを独学し、作詞作曲してグラスゴーのパブやカフェでいろいろな形で唄ってきたと言うだけあって、すっかりヴォーカル・スタイルも自分なりのもので板に付いている。アコースティック・ギターを演じながらも、彼女なりきのフォーク、ブルースの上に成り立ったインディーロック(Independent Rock)を唄いこなす。

  このブートものは、それでもオフィシャルに撮られたものによって作られているため映像は良好で、ステージの様子は問題なく観賞できる。人気曲”This is the Life”はやっぱり訴えてきますね。
  そしてライブ映像をみて解ったことは、この彼女のパターンは家でCDで聴くよりは、やっぱりライブで聴くべきものなんだと言うところだ。そしてなお驚きは、会場は若者だけが中心で無く、結構中年以上も混じっている。なるほど・・・これが彼女の世界なのだと知ったところ。

Nnw ・・・・と、言う訳で今月リリースの彼女のニュー・アルバム『Under Stars』(→)が、デビュー・アルバムから10年、前作などから5年経ての久々のものだけに、どんな変化を遂げているかちょっと期待しているのである。

(視聴)

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2017年2月 8日 (水)

ルーマーRUMER バカラックを唄う 「THIS GIRL'S IN LOVE」

とにかく疲れないマシュマロ・ヴォイス健在なり
    
  

<Pops Music>
RUMER 「THIS GIRL'S IN LOVE a Bacharach & David Songbook」
East West Records / EU / 0825646482313 / 2016


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Vocals : Rumer

 All Tracks Words & Music by Burt Bacharach & Hal David
Produced, Arrangement & Conducted by Rob Shirakbari

  誰が名付けたか?マシュマロ・ヴォイスと言われるルーマーRumer(パキスタン生まれの英国歌手)の2年ぶりとなる4作目のニュー・アルバム『ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック』。ちょっと頂けないダサいジャケですが、取り敢えずは我慢しておきましよう。
 アルバム・タイトルにあるように、バート・バカラックとハル・デヴィッドの名コンビによる名曲を歌ったカヴァー・アルバムで、いやはや御年88歳のバート・バカラックご本人もアルバム・タイトル曲M11. "This Girl's In Love "にピアノ&ヴォーカルで参加しているという大変なアルバム。
  ルーマーって私にとっては是非とも聴きたいというところでもなく、そうは言ってもニュー・アルバムということになれば、取り敢えずは聴いてはおきたいと言ったところに位置するのですね。そんなところからこのアルバムも手に入れてます(笑)。

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 いろいろな意味で聴き慣れているM1. "The Look Of Love" 、 M 5." (They Long To Be) Close To You"、M9. "Walk On By" あたりがやはり一番聴きやすいですね。
  彼女の声は非常にナチュラルにしてソフト、軽くも無く適度な充実感がある。こうしたメロディーを大切にして、適度な情感を込めての歌は、おそらく不快に感ずる者はないだろうと思う。バート・バカラックご推薦のカーペンターズを思い起こす歌声を聴いたのは既に7年ぐらい前でした。1stアルバム『Seasons of My Soul』 は、彼女の多難な人生を経験しての30歳過ぎてのデビューで、オリジナルな曲が主であったが、いよいよここに来てバカラックそのものへのアプローチになった。

 まあこんな優しいロマンティック演唱は特に何を言うことも無く聴いているのであります。

(Tracklist)
1. The Look Of Love
2. Balance Of Nature
3. One Less Bell To Answer
4. Are You There (With Another Girl)
5. (They Long To Be) Close To You
6. You'll Never Get To Heaven (If You Break My Heart)
7. Land Of Make Believe
8. A House Is Not A Home
9. Walk On By
10. The Last One To Be Loved
11. This Girl's In Love
12. What The World Needs Now Is Love

         ---------------

(参考)
Trainchajpg TRAINCHA『THE LOOK OF LOVE-Burt Bacharach Songbook-』(EMI / JPN / TOCP70171 / 2007)
 
 そうそう、そう言えば、これもバカラックが関係してのオランダのジャズ・ポップ歌姫トレインチャTraincha(Trijntje Oosterhuis)によるバカラック曲集(全14曲)。遅まきながら最近聴いたところでした。ルーマーの今回のアルバムと曲は数曲重なってますが、彼女も曲によってオーケストラがバックであったり、ギターのシンプルなバックであったりと趣向をこらしつつ、無難に落ち着いた雰囲気で唄ってます。そうですね、"Close To You (遙かなる影)"なんかはしっとりと唄っていて聴きどころでした。

(視聴) Rumer ”What The World Needs Now Is Love”

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2017年1月23日 (月)

マルガリータ・ベンクトソンMargreta Bengtson : 「Ballads」

北欧からのややあどけなさの発声が残った美声に降参

<Jazz>
Margreta Bengtson「Ballads」
SPICE OF LIFE / JPN / SOLSV0036 / 2016

Sol_sv0036margareta500

Margareta Bengtson マルガリータ・ベンクトソン(vocal)
Mathias Algotsson マティアス・アルゴットソン(piano, organ)
Peter Asplund ペーター・アスプルンド(trumpet, vocal)
Dicken Hedrenius ディッケン・ヘドレニウス(trombone)
Svante Söderkvist スヴァンテ・ソダークヴィスト(bass)

Recorded on July. 2016

17151794t7abd_2 今年になって聴いた美声第2弾。嘘か誠か”北欧一と言われる美しい歌声とその美貌で聴く人を魅了し続けるマルガリータ・ベンクトソンMargreta Bengtson”というのが宣伝文句。
 そこにバックは、あの私のお気に入りのマティアス・アルゴットソンMathias Algotssonのピアノがゆっくりと繊細に美しい世界を描くのでこりゃ溜まらない。実は私はこっちのほうが気になったというところ。彼とのデュオを軸に展開していて、そこにペーター・アスプルンドPeter Asplundのトランペット、ディッケン・ヘデレニウスDicken Hedreniusのトロンボーン、スヴァンテ・ソダークヴィストSvante Soderkvistのベースをフィーチャーしてスタンダードの名曲の数々をしっとりと歌い上げたバラード・アルバムである。

 しかも、このアルバム『Balladsバラッズ』は彼女の昨年の5年振りの来日記念盤であり、とにかくマルガリータの魅力をスタンダードの名バラードによって聴く者を魅了しようというなんとも大変なアルバムだ。
 とにかく北欧のミュージック・シーンは今や世界にその価値を認められている。そこからのまさに彼女の7年ぶりのプレゼント作品。

Margareta1 マルガリータ・ベンクトソンMargreta Bengtsonは、「リアル・グループTHE REAL GROUP」のソプラノ・シンガーとして長年活躍して来た。
 「リアル・グループ」とは、スウェーデン王立音楽アカデミーで出会った5名のメンバーで1984年に結成したアカペラ・グループ。これに関しては私の知らない世界であるのだが、マルガリータはその初代ソプラノ歌手であったと。1987年にアルバム『Debut』でCDデビューし、1995年には米国現代アカペラ協会(CASA)から、「The World's Best Vocal Group」賞を授与されているとのこと。
 しかし彼女は、2007年にジャズヴォーカリストとして独立。ソロ第一弾アルバム『I’m Old Fashioned/アイム・オールド・ファッションド』は全曲フルオーケストラをバックにスタンダードを歌い上げたアルバム。
 2009年に発売した第2弾アルバム『Where The Midnight Sun Never Set/ホエア・ザ・ミッドナイトサン・ネヴァー・セット』は、スモール・コンボをバックにジャズを歌い上げた作品で、私は未聴だがこれも好評のものだ。

 さてこのアルバム、とにかく冒頭のM1. "The very thought of you"から、詩的なピアノの調べが流れ、彼女の説得力ある美声による歌い込みに、このアルバムの方向が実感できる。とにかくしっとりと聴かせてくれるパターン。そして意外に彼女の唄い回しにはどことなく歳のわりにはあどけなさが残っていて、これも一つの魅力になっている。
 聴き慣れた曲M2. "My foolish heart"も、アルゴットソンのピアノは、彼女の美しい語りかける歌声を生かすべく、高音を使いゆったりと流す調べで、バック演奏としてお見事と言える。こうしたピアノとヴォーカルのデュオ・スタイルもバラード曲ではなかなか良いものだ。
 そしてM3." I thought about you"の後半にはトランペットが加わって、こんどは夜のムードを加味して盛り上げるのである。
 アルゴットソンは、ハモンドオルガンの名手でもあって、M4. "Gentle rain"では、バックはオルガンによる面白い味付けもあり、M8. "Long ago and far away"は、オルガンとベースが、更にM10. "Nature boy"は、オルガンとトランペットがと、バックの変化による味付けも聴きどころ。そしてM9. "Here ́s that rainy day"はピアノ・ソロがたっぷり聴けるという多彩な趣向で楽しませてくれる。

  こうして全編、アメリカン・ジャズを、その魅力あるポイントを失わずに北欧風ジャズに仕上げたところはなかなか魅力的なアルバムであった。

(Tracklist)
1. The very thought of you
2. My foolish heart
3. I thought about you
4. Gentle rain
5. My one and only love
6. Spring can really hung you up most
7. Our love is here to stay
8. Long ago and far away
9. Here ́s that rainy day
10. Nature boy
11. Never will I marry

(参考試聴) 「Ballads」関係が見当たらないため彼女の1stから

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2017年1月19日 (木)

メイヴMEAV 「The Calling」

清楚さのある美しさで・・・・・こんな世界が理想郷か

Meavtrw
(MÉAV)

<New Age music, Ireland music>
MEAV 「The Calling」
Warner Classics / JPN / WPCR17087 / 2016

Thecalling

Artist : Meav
Producer:Craig Leon
Enginer:Richard Woodcroft 、 Brian Masterson

 まさに爽やかのケルトの風、清楚な美しさの歌声で迫ってくる知る人ぞ知る メイヴMéav Ní Mhaolchathaのアルバム。これは彼女の2013年リリースの四作目、日本では昨年2016年にお目見えしたもので、これぞ我が友人のお勧めで聴くことになったアルバム。
 実は私はこうしてきちっと彼女の歌声をアルバムで聴くのはこれが初めて。なるほどその美しさは群を抜いている。

 メイヴ(Méav Ní Mhaolchatha、メイヴ・ニー・ウェールカハ)
 
アイルランドのダブリン出身。クラシックと伝統音楽を愛するところは親からの影響とか。年少時より歌、ハーブ、ピアノを学ぶ。大学で法律を専攻したようだが、卒業後はやはり音楽関係に魅力を感じて、聖歌隊の出身者たちで構成され宗教曲を清楚な歌声で聴かせるコーラス・グループ「アヌーナ」に参加。メイヴはリード・シンガーとして活躍する。この「アヌーナ」在籍中各方面より注目を浴びた。
 その後ソロ・シンガーとして活動を開始し、1999年に1stソロ・アルバム『メイヴMéav』 、2002年に『銀色の海Silver Sea』を発表。このソロ活動の傍ら、「ロード・オブ・ザ・ダンス」や、アイルランド・ナショナル・チェンバー・オーケストラにソリストとしてツア-に参加している。
 2004~2007年「ケルティック・ウーマン」に参加。1stアルバム『Celtic Woman』はビルボード世界音楽チャート1位。

(Tracklist)
1. The First Time Ever I Saw Your Face
2. The Calling
3. Light Flight
4. Listen, Listen
5. The Songline To Home
6. Wayfaring Stranger
7. Sovay
8. Shenandoah
9. Once You Were My Lover
10. Glimmering Girl
11. Glasgow’s Burning
12. Black Is The Colour

 アルバムのオープニングから美しい世界が・・・・ジャズという世界ではなく、もちろんロックという世界ではない、これがNew Age musicというか、アイルランド・ケルト音楽といった方がよさそうだ。ストリングスの美しい流れにギターの調べというバックに、見事な清楚にして美しい声が飛び込んでくる。もうこれはいろいろと言うところの世界でない。まあとにかくアルバム通して、ケルテック・ムードの牧歌的美しさの風景を頭に描きつつ、じっくり彼女の歌声でこの美しき世界に没入していればよい。地球上のあらゆる地がこんな美しい世界であれば何も言うことなしだとほんとに思いながら聴き入るのであった。

(視聴)

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