女性ヴォーカル

2019年8月14日 (水)

[名盤検証] ミーナ・クライアル MEENA CRYLE & THE CHRIS FILLMORE BAND 「in concert -Live on Tour 」

女性ギタリストのブルース・ヴォーカル・・哀愁と熱唱と

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<Blues, Rock>

MEENA CRYLE & THE CHRIS FILLMORE BAND 「in concert -Live on Tour」
Continental Record / Holland / CBHCD2028 / 2017

Inconcert

Meena Cryle :Vocals,Rhysm Guitar
Chris Fillmore : Lead Guitar
Roland Guggenbichler : Organ
Carl Kaye : Pedal Steel Guitar
Jojo Lackner : Bass
frank Cortez : Drums

   なんとオーストリア出身の1977年生れの女性シンガー・ギタリストのミーナ・クライアルのブルース・ロック・アルバム。リード・ギタリストはクリス・フィルモアが共演しての充実演奏をバックに、ブルース、ソウル、ロックのヴォーカル・アルバムだ。
 なんとなく、時にブルースが無性に聴きたくなるのだが、元祖黒人のブルースは当然としても、白人系でもブルースをこよなく愛して演ずるミュージシャンも多い。あのエリック・クラプトンもそんな一人であり、又ここで取り上げたピーター・フランプトン、スノーウィ・ホワイト等の英国陣もなかなかそれなりのブルースを演じてくれる。

Meenabyjohanneswahlw  さてこのミーナ・クライアル(→)だが、注目は女性シンガー・ギタリストと言うところだ。ブルースの女性版はやはり注目したくなる。彼女は、アルバム・デビユーして既に20年近くになっている。最近と言っても彼女が40歳にならんとしていた2017年に、リリースされたのがこのアルバム。当初はミーナ独自の名義でのアルバムとして2001年に「twilight zone」がリリースされているが、やはりギタリストとしてクリス・フィルモアがサポートしている。そしてこのアルバムはライブ盤であるが、The Chris Fillmore Band と彼女と対等な名義でのアルバムとなっている。この形は前作「TELL ME」からで、こうしたブルースは如何にギターの味が重要かと言うことも示していることである。
  彼女はこのフィルモアとの共演で、ギター演奏はリズム・ギターに寄っているが、ここではヴォーカルに大きなウェイトをおいていて、独特のややハスキーなパンチのある熱唱の面と、時にブルース独特の哀愁のある訴えるところを巧みにこなすのである。

 

Songlist

1448998707_comp_20151128_w   ソング・リストは上のようだが、冒頭1曲目はロックで展開するが、M2."Since I Met You Baby"には堂々のブルースを展開して、彼女の歌と共に、やや後半にはフィルモアの泣きギターが訴えて、これぞブルースだと展開する。
 M3."Rather go blind"はこんどはしっとりとミーナが歌い上げ、後半は熱唱に。こうして聴いてくるとさすが暦年のブルース女子が円熟期を迎えて充実した歌唱力発揮である。
 M4.M6.はロックそのもの。
   M5."It makes Me Scream" なにせ人気曲。これは語り調の哀愁あるギター・プレイからスタートして、おもむろにミーナのブルース節が切々と迫ってくる。このアルバムでもトップ・クラスの出来。いやはやフィルモア(→)のギターに惚れ惚れしてしまう、約9分30秒の曲。
  M7."Load have Mercy"ここでもブルースを展開。
  M8."Tell Me"これが懐かしの演歌調スロー・バラード調ロック、ギターも歌い上げて久々に懐かしい気持ちになる。
 そしてM9.はロック、M10.は再びスロー・バラードととにかく変化を持たせて飽きさせない。彼女は歌が旨くて曲による歌い回しに情感が行き届いていて納得。多分これはこのステージのお別れの曲。そして以下のM11.M12はアンコールのようだ。

  いやはや久しぶりにブルース、ブルース・ロック、ロックン・ロール、泣きギター、そしてしっとりの哀愁のヴォーカル、さらにはジャニス・ジョプリンなみの熱唱と、諸々100%の満足感アルバムであった。
   
 ( Meena : Discopraphy )
2010: Try Me, Ruf Records
2012: Feel Me, Ruf Records
2013: Tell Me, Ruf Records (Meena Cryle & The Chris Fillmore Band)
2017: In Concert: Live On Tour, Continental Blue Heaven (Meena Cryle & The Chris Fillmore Band)

(評価)
□ 曲・歌・演奏 :  ★★★★★
□   録音     : ★★★★★☆

(試聴)     "It Makes Me Scream "

 

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2019年8月10日 (土)

エマ・フランク EMMA FRANK 「COME BACK」

SSWのフォーキーにしてエレガントなヴォーカル

<Jazz , Rock, Pops, Folk>

EMMA FRANK 「 COME BACK 」
JUSTIN TIME RECORDS / Canada  /  RCIP-0289 / 2019

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Emma Frank (vo)
Aaron Parks (p , syn)
Tommy Crane (ds)
Zack Lober (b)
Franky Rousseau (g , syn)
Simon Millerd (tp) #6
Chi eh-Fan (vla , vn) #1, 3
Pedro Baraquinha ( g , b , perc , syn) #9

 この歌手は私の場合初物である。ちよつと巷ではそれなりの評価が出ている様子であり聴いてみたモノである。
 この作曲家・歌手のエマ・フランクEmma Frankはアメリカ生れで、カナダ・モントリオールの大学へ文学を専攻するために住んだ。そこでミュージシャンとしての道に進み、現在カナダ、アメリカでの音楽活動の道にいて、どちらかというとニューヨークが中心の活動になっているようだ。
 このアルバムはプロデュサーのフランキー・ルソーの力が大きいようだが、エマ・フランク自身も作曲家としての力を十二分に注いだものであり、又注目されるのはジャズ・ピアニトストとして今や私も関心の高いアーロン・パークスのピアノがバックに控えているところだ。この関係でのアルバム2作目となるものとか。

Emmafrank2 (Tracklist)
1. I Thought
2. Either Way *
3. Two Hours
4. Sometimes
5. Promises
6. Dream Team *
7. See You
8. Lilac *
9. Before You Go Away

*印以外はEmmaのオリジナル曲

 冒頭のM1."I Thought" は、シンガー・ソング・ライターでヴォーカリストの彼女の曲からスタート。成る程これはフォークぽい流れの中にエレガントな世界が展開し牧歌的世界というのが当たっている。彼女の歌声もソフトにして美しく包み込むような魅力がある。バックにはアーロン・パークスのピアノ・トリオに加えてViola, violin も加わっての曲作りだが、これはジャズというよりは、Folk, Pops, Rock の世界である。そしてその流れはM2.においても同様で、これがアルバム全編に及んでいるのだ。
 私はジャズの愛好者ではあるが、もともとロックの愛好者でもあり60年代から延々と続いているのだが、実はその流れからしてこの曲作りをみると、メンバーがジャズ・メンということでジャズと思われるかもしれないが、明らかにジャズというよりはPopsに近いFolkの世界であって、そのためジャズ愛好者からは異色で関心がもたれるのかもしれない。
 M3."Two Hours"は彼女自身の曲だが、支えるピアノにもまして高音の流れるような歌声、そしてハーモニー、ストリングスの流れが美しい曲。
 M5."Promises"、ここでは、ヴォーカルとピアノが対等に歌い上げるが、やはりパークスのピアノは魅力的。
 ここまで聴いてくるとM7あたりは添え物程度の曲で、M8."Lilac"になって、何か展望を感ずる世界を訴える。パークスのピアノもここでは弾んでいる。
 最後のM9."Before You Go Away" になってギターが登場してフォーク・ムードを静かに支えるも、パーカッション、シンセが参加して展望的に広がって終わる。

 確かに全編ノスタルジックで情緒豊かであり、暗くはないが、ただ明るいわけでもない。そこには歌詞の意味を十分理解してみないと簡単には評価してはいけないムードも感ずる。とにかくソフトにして美しくエレガントで、自然の中での人間の存在の価値観にも通ずるところも感じられて良いアルバムである。ただしやはりこれはジャズ分野で取り扱われているが、ジャズとは言いがたいですね、技法だけでなく世界観が違うとみる。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 ★★★★★☆
□ 録音     ★★★★☆

(試聴)    " I Thought "

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2019年8月 2日 (金)

スーザン・トボックマン Susan Tobocman のニュー・アルバム「LOVE FROM DETROIT」

独特の発声と歌い回しで・・・・オールマイティーに

<Jazz>

SUSAN TOBOCMAN 「LOVE FROM DETROIT」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1079 / 2019

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Susan Tobocman スーザン・トボックマン (vocal except 12)
Cliff Monear クリフ・モネア (piano)
Paul Keller ポール・ケラー (bass)
David Taylor デヴィッド・テイラー (drums)

Recorded Live at The Steinway Gallery on Nov. 7th, 2018

  過去に2アルバムが手元にあるニューヨークやデトロイトで活躍する女性歌手のスーザン・トボックマンの、5年ぶりのリリースとなるニュー・アルバム。
 ここで彼女を最初に取り上げたのは2013年に寺島レコードからアルバム「WATERCOLOR DREAM」がリリースされたときだった。彼女のヴォーカルは、所謂都会派ジャズ・クラブにぴったりスタイルで評判だった。
 過去の2アルバムは、2013年「WATERCOLOR DREAM」(TYR-1036)、翌年「Live in Detroit」(TYR-1040)がリリースされていて、今回はその2作目の続編といってもよいものである。 
 前作に引き続いてバックはクリフ・モネア(p)率いるピアノ・トリオだ。今回もデトロイト(場所も前作と同じスタインウェイ・ギャラリー)でのライヴ録音盤。

Susant3 (Tracklist)

1. Let's Face The Music And Dance (Irving Berlin)
2. The Way To You (Susan Tobocman)
3. I Should Care (Paul Weston, Alex Stordahl / Sammy Cahn)
4. Jim (Caesar Petrillo, Milton Samuels / Nelson Shawn)
5. I Could Have Danced All Night (Frederick Loewe / Alan Jay Lerner)
6. Too Late Now (Burton Lane / Alan Jay Lerner)
7. Fragile (Sting)
8. Frim Fram Sauce (Joe Ricardel / Redd Evans)
9. Every Time We Say Goodbye (Cole Porter)
10. Isn't It A Pity? (George Gershwin / Ira Gershwin)
11. I Wish I Knew (Harry Warren / Mack Gordon)
12. Touch And Go (Susan Tobocman) (instrumental)
13. I'll Be Seeing You (Sammy Fain / Irving Kahal)

 収録以上13曲。ますますジャズ・クラブ・ムードたっぷりの彼女のヴォーカルは円熟味を増しての感がある。ただし、ライブ録音の技術的問題の為かもしれないが、声量は以前より落ちているような印象がする。

 軽快にM1."Let's Face The Music And Dance"がスタートする。そうそうこの歌い方は彼女独特の世界だ。しぶいしゃがれ声と彼女独特のアクセント、それは彼女のオリジナル曲M2."The Way To You"のようにじっくり歌い上げる曲だとなおさら強調される。これは声の出し方に一息溜めて出す手法で実感は深い。ライナーの後藤誠一はこの技法に旨さの深みを強調していたが、私は少々気になる。これは1stアルバムでも見られたが、このアルバムに来てなお強調されている。
 M4."Jim"となると、クリフ・モネアのピアノ・トリオの味付けが如何に生きているのが解る。
 M5."踊り明かそうI Could Have Danced All Night "誰もが聴き慣れたこの曲の軽快な展開に、やはりこのトリオの生きの良い演奏と彼女の気合いの入ったヴォーカルが会場を喜ばせる。そして一転してじっくり歌い込みのM6."Too Late Now "、しかしこの曲途中からの転調してのスウィング・リズムを混ぜての旨い編曲が見事。
 M7." Fragile "は、スティングの代表曲。これも結構トボックマン節に化けている。こうして聴いているとやっぱり彼女の歌は旨いのが実感出来る。このアルバムでも出色の出来だが・・・・。
 M8."Frim Fram Sauce"は陽気そのもの。コール・ポーターのM9."Every Time We Say Goodbye"の歌い込みは情緒たっぷり。M11." I Wish I Knew"の情感はやっぱり並ではない。こうゆうバラッドはお手の物なんでしょうね。
   M12."Touch And Go"トボックマンのオリジナルでしかもインスト曲。トリオの溌剌とした演奏。   M13. "I'll Be Seeing You "最後にふさわしいお別れの曲。ここでも情感が溢れている。

Sttrio

 とにかく彼女の全てを感じ取れるライブ録音盤だ。ドスの効かした低音、しっとりと聴かせる説得力、パンチの聴いた熱唱と、スカっとした晴れやかさと、歌い込み・テクニック・情感全てトップクラス、ただ後は聴く者の好みにあるかどうかでしょうね。先に触れた彼女の独特の節回しとアクセント、これはハートフルと言えばそうだけど、私は若干というかかなり抵抗がある。アルバム全編これで攻められると、途中で参ったと降参してしまう。最後の挨拶なんかを聞くと良い声をしているので、このままで素直に歌っているのも織り込んだらどうなんでしょうかね、それは無理な相談か。

(評価)
□ 選曲・歌・演奏 ★★★★☆
□ 録音      ★★★★☆

(試聴)

 

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2019年7月25日 (木)

エルELLEのファースト・アルバム「SO TENDERLY」

美しいガラティのピアノをバックにウィスパー・ヴォイスで

<Jazz>

ELLE 「SO TENDERLY」
TERASHIMA Records / JPN / TYR-1081 / 2019

Sotenderly

Elle (vocal)
Alessandro Galati (piano)
Guido Zorn (bass)
Lucrezio De Seta (drums)

Ag1   初お目見えのエルElle本人が期待していたとおりの、日本盤としてはビックリのデビュー・アルバムですね。これは寺島レコードとイタリアのピアニストのアレッサンドロ・ガラティAlessandro Galati(→)とのプロジェクト、その結果の産物なんですね。ガラティはジャズ畑での私の最も愛するピアニストであり、その彼に見いだされたというエルであるが、彼女がイタリアのジャズ・クラブで歌っているのを見つけたようだ。
 そんな結果生まれたアルバムであるので、ガラティの優しい美旋律の生きたピアノ・トリオの演奏で、彼女のヴォーカルがしっとりと聴ける。それはまあウィスパー・ヴォイスという世界ですね。寺島靖国もお気に入りとか・・・そうなれば聴かねばならない一枚となってます。

(Tracklist)

1. How Insensitive
2. Tenderly
3. Time After Time
4. These Foolish Things (Remind Me Of You)
5. Moon River
6. The Nearness Of You
7. Body And Soul
8. Over The Rainbow
9. I Wish You Love

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 やはり日本向け仕上げか、ポピュラーなスタンダード曲を中心に収録されている。
  そして成る程M1."How Insensive"での冒頭からソフトにしてマイルド、やや物憂いエルのウィスパー・ヴォイスが迫ってくる。続くM2."Tenderly"でもその流れは続き、中盤にガラティのソロに近いピアノ、そしてGuido Zornのベースが聴かれ、成る程ガラティの優しく美しくといった演奏もテーマになっていることが解る。
 とにかくエルはもともとはオペラ歌手も務めたとはいうが、極力抑えた発声で夜のジャズ・ムードを盛り上げている。
   しかし、その点はアルバム作りにも有能なガラティのこと、M3.,M4ではメディアム・テンポ曲を配して、そして再びM5."Moon River"、M6."The Nearness Of You"はスロー・テンポに仕上げている。そして彼女のややハスキーで語りかけるような歌声が相変わらず続く。それならむしろM3.,M4.ではもう少し明るく歌い上げたほうがアクセントがあって良かったのではとも思ったところである。まあ私にしてみれば、肩の力を抜いたガラティの美しい旋律のピアノを聴けるのであまり文句はないのだが、とくにそれはM6.M8."Over The Rainbow"の中盤にも顔を出して、しっとりとした中に美しさがあるピアノは出色である。まあこれが目当てでこのアルバムを手に入れているというところもあって、取りあえず満足のアルバムであった。

Trentinoinjazz

 エルに関しての情報は少ないのだが、ボサノバ曲を自作自演していたふしもあり、かなりの実力派か。年齢も30歳代 ?。又こうして聴いていると彼女の押さえられたややハスキーなウィスパリング型の声はむしろ作られたもので、かなり透明感のある声を持っている様子も窺える。そしてかなりチャーミングな面も持っていそうだ。又これからのガラっと変わった発展もありそうな予感がする。

(評価)

□ 選曲・歌・演奏  ★★★★☆
□ 録音       ★★★★☆

( 試聴 目下、この関係の映像等は見当たらないので・・・ちょっとお預け)

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2019年7月15日 (月)

カラブリア・フォーティCalabria Foti のニュー・アルバム 「prelude to a kiss」

バラードをロマンティックに・・・抵抗感のない聴きやすさ

<Jazz>

CALABRIA FOTI「prelude to a kiss」
MOCO RECORDS / IMPORT / KKJ139 / 2019

Preludetoakiss

Calabria Foti (vocal, violin solos Track 1,10) with Strings Orchestra
Roger Kellaway (piano)
Trey Henry (bass)
Peter Erskin (drums)
Larry Koons (guitar Tracks 2,4,10),
Bob McChesney (trombone Tracks 1,5,7),
George Doering (guitar Track 6),
Luis Conte (percussion Track 2, 6),
John Pizzarelli (vocal,guitar Track10)

  ちょっとヨーロッパ的雰囲気のある米国(ニューヨーク)のカラブリア・フォーティの2年ぶりのニュー・アルバム登場。"魅惑のシルキー・ヴォイス"という看板の彼女、ジャケに見られる容貌は、過去のアルバムを含めて美人である。
 今回はロジャー・ケラウェイ(p)、ピーター・アースキン(ds)、トレイ・ヘンリー(bass)のピアノ・トリオとストリングス・オーケストラをバックにヴォーカルをしっとり聴かせ、2曲では自身の得意技ヴァイオリンも演ずる内容となっている。そして更に曲により、プロデューサーであり夫でもあるボフ・マックチェスニーのトロンボーンやゲストミュージシャンのギターなどが入る。
  彼女が我々の前に登場したのはもうずいぶん前になる。それはアルバム「A Lovely Way To Spend An Evening 恋に過ごせし宵」で2007年である。そしてこのアルバムは、それから10年経っての前作「In The Still of the Night」に続いてのおそらく第3作目だ。

Cf1tr (Tracklist)

1. Prelude To A Kiss 6:34
2. I Had To Fall In Love With You 4:37
3. On The Street Where You Live 2:26
4. Waltz For Debby 5:13
5. When I Look In Your Eyes 7:04
6. Goodbye 3:31
7. The Man With The Horn 5:48
8. Backyard Medley 3:59
9. The Folks Who Live On The Hill 6:34
10. It's The Mood That I'm In 4:27
11. I'm Home 5:21

 

 これはまさにラブ・ソング集ですね。スタート曲 M1."Prelude To A Kiss"は、ストリングス・オーケストラの効果も抜群で、そこに彼女のヴァイオリンが入り、Duke Ellintonのどちらかというと難解な曲をムードたっぷりにジャズというところを超えての、かってのダイアナ・クラールのアルバムに似た曲づくり、しかも旦那様のBob McChesney のトロンボーンも入って、かなり健闘してのバラード曲。まあこれも一手法なんでしょうね、決して悪くはない、むしろ納得仕上げ。
 なにせ M4."Waltz For Debby" は、Bill Evans ですね。こうゆう曲を歌おうとするのはやはり、ジャズ・マンの亭主の影響でしょう。どうしたって女性ヴォーカルものとしては聴いてみたくなる。やはりこの曲、ピアノのバックを重要視していて、そこに彼女はやっぱりバラード調で歌い上げる。中盤にギター・ソロを挿入しての演奏もかなり重要視しているところは印象も良い。
 M5."When I Look In Your Eyes"では、彼女の低音を効かしたヴォーカルで、単なるセクシー・アッピールの仕上げでなく、ジャズを歌い込もうというところがあってストリングスをバックにして好印象。ここでもトロンボーンのソロが歌い上げるところもあって、こうしたポピュラーなスタンダード曲では独自のジャズを深めようというところも感じられる。 
 M6."Goodbye"は、彼女の曲で、意外にこのアルバムでは軽快な曲。どっかで聴いたような気のするメロディーだが、なかなか面白い。
 M7."The Man With The Horn"もご亭主のトロンボーンが活躍します。これが結構プロ的曲選択で、女性ヴォーカル主役のアルバムではおそらくこうした曲の取り上げ方はしないだろうと思われ、このアルバムに風格をつけている。
 何故か、こうして聴いているとM9."The Folks Who Love On The Hill" でも聴かれるストリングスの入ったゆったりした仕上げが、このアルバムの主役曲に聞こえてくる。
   M10."It's The Mood That I'm In"はやはり彼女のヴァイオリン・ソロが入り、デュエット・ヴォーカルも面白く注目曲。

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 結論的には、ご亭主のジャズ演奏センスが功を奏した女性ヴォーカル・アルバムで、彼女の歌や声も癖がなく誰もが抵抗なく聴かれる曲づくりアルバムと言うところだった。
 ニューヨークで生まれ、父親はトロンボーン奏者、母親はピアニストという音楽一家の中で育ったカラブリア・フォーテイ、シンガーであると同時に10 代からヴァイオリンニストとしても頑張ってきたようだ。2曲で彼女のヴァイオリンソロを聴くことができるが、これからどのような曲づくりに向かうのか、意外にこのアルバムの売れ行きが方向性を決めるような気がする。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌 :  ★★★★☆
□ 録音               :  ★★★★☆

(試聴)

 

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2019年6月30日 (日)

サンタナのニュー・アルバム SANTANA「AFRICA SPEAKS」

久しぶりの新作はアフリカン・ビート、そしてフュージョンの復活

<Latin Rock, Fusion>
SANTANA 「AFRICA SPEAKS」
ConcordRecords / IMPORT / 00888072100541 / 2019

Africaspeaks

Santana Bands
Buika (vocals)
Laura Mvula (vocals)

Conchabuika2a110116  サンタナの流れは我々にとっては人生の歴史の一幕であった為、なんといっても注目してしまう。そして原点回帰の「SANTANA Ⅳ」(2016)以来の3年ぶりのサンタナのニュー・アルバム。一時は「Super Natural」(1999)以来、多くのミュージシャンの共演をネタにしてのアルバム作りであったが、前作からサンタナCarlos Santana流を前面に出してきた。そしてそれからがバンド・サンタナが如何様に展開してゆくかは実は興味のあるところでもあった。そんな中で、ここに登場は、なんとアフリカン・ミュージックにインスパイアされたと思われるの作品の登場をみたのだ。
 そして共演リード・ヴォーカリストにスペイン・マヨルカ島出身の女性シンガーのブイカBuika(→)が選ばれた。彼女はアメリカ公共放送局NPR"The Voice of Freedom"(自由の声)と表され世界的にも認められる存在。
 とにかく全編サンタナの懐かしのギターが炸裂する。しかしそこには更なるサンタナの姿の再確認も出来ることとなった。

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(Tracklist)
1. Africa Speaks
2. Batonga
3. Oye este Mi Canto
4. Yo Me Lo Merezco
5. Blue Skies
6. Paraisos Quemados
7. Breaking Down The Door
8. Los Invisibles
9. Luna Hechicera
10. Bembele
11. Candombe Cumbele

Cindybio   冒頭M1."Africa Speaks"は、ボンゴ、コンガの音から出発して、サンタナの語り、ギターの語りと泣き、ブイカの歌、そしてなるほど今回のアルバムはかっての「不死蝶」の頃のフュージョン・スタイルの復活を思わせる音が聴こえてくる。 これはある意味で私は歓迎なのだ。
  バンド構成は、ドラムスはサンタナの女房Cidy Brackman Santana(→)が務めていて、例の総勢8人のバンド。
 もともとサンタナは、ロック、ラテン、ジャズ・ブルースのミックス・ミュージックだ。中でも「キャラバンサライ」(1972), 「ウェルカム」(1973), 「不死蝶」(1974)の頃はフュージン・バンドとしての印象の強いときがあった。私は当時は一種のプログレッシブ・ロックでもあると言っていたものです。
 M5."Blue Skies" は、サンタナのギターから流れ、女性ヴォーカルにカリビアン・ルーツのLaura Mvulaも加わって、完全にサンタナ・フュージョン・ミュージックの復活。これはロックというよりはジャズの世界と言ってもいい。このアルバムでは最長の9分を超える曲で私は最もこのアルバムではお気に入り。後半に流れるサンタナの静かなギターも聴きところ。やっぱりカルロス・サンタナ自身には、あの45年前の頃の音楽世界がしっかり残っていることが確信できて、今回は嬉しさを隠せなかった。
 M6."Paraisos Quemados"もアフリカン・ミュージックというよりは、サンタナ・フュージョン世界。ここでもサンタナの泣きギターがいいですね。

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 このアルバムは、勿論主題のアフリカン・ミュージックのリズムカルにしてパワーフルな曲による世界がしっかり描かれているのだが、私の好みのサンタナのフュージョン世界が見事に織り込まれていたことに大歓迎したアルバムだった。

(評価)
□ 曲、演奏 : ★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(視聴)

 

 

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2019年6月19日 (水)

サラ・ガザレクSara Gazarek「DISTANT STORM」

まさに"通"の聴くコンテンポラリー・ジャズ・ヴォーカル世界

<Jazz>
Sara Gazarek 「DISTANT STORM」
CORE PORT / JPN / RPOZ-10045 / 2019

Distantstorm

Sara Gazarek サラ・ガザレク (vocal)

Stu Mindeman ステュ・ミンデマン (piano, electric piano)
Alex Boneham アレックス・ボーナム (bass)
Christian Euman クリスチャン・ユーマン (drums)
Josh Johnson ジョシュ・ジョンソン (alto saxophone)
Larry Goldings ラリー・ゴールディングス (organ)
Ido Meshulam イド・メシュラム (trombone)
Danny Janklow ダニー・ジャンクロー(ヤンクロー?) (alto saxophone)
Brian Walsh ブライアン・ウォルシュ (bass clarinet)
Keita Ogawa 小川 慶太 (percussion)
Aaron Serfaty アーロン・サーファティ (percussion)
Erin Bentlage (background vocal)
Michael Mayo (background vocal)
guest:
Kurt Elling カート・エリング (vocal & backgound vocal on 12)

2018年8月カリフォルニア州ロサンジェルスのLA Jim Henson Studio録音

 

Thirstyghost  ここにきて、ニュー・アルバム「THIRSTY GOST」(→)の話題が出ているサラ・ガザレクであるが、一方、今年4月に日本からのリリースされたニュー・アルバムがここに取り上げたこのアルバムだ。
 彼女は、美声はそれで良いのだが、日本人一般リスナー向きのジャズとしては若干敷居が高過ぎる。と、言っては見たが難解というより慣れの世界か、コンテンポラリー・ジャズのこの曲展開が異様なのである。しかしそこには奥の深い世界が見えてきて、従ってポピュラーな一般向きジャズ・アルバムというところにはなかなか行かない。簡単に聴きながすバックグラウンド・ミュージックとは、かなり違う世界だ。
 彼女は、2ndアルバム「ユアーズ」で2006年日本デビューしている。
 思い出すのは、Triosence との「Where time stands still」などのアルバムも過去にあった。


(Tracklist)

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01. ネヴァー・ウィル・アイ・マリー
02. アイム・ノット・ジ・オンリー・ワン
03. イージー・ラヴ
04. アイ・ビリーヴ
05. リヴァーマン / リヴァー
06. コクーン
07. ジョリーン
08. アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー (※日本盤ボーナス曲)
09. ガスライト・ディストリクト
10. スピニング・ラウンド (※日本盤ボーナス曲)
11. ロンリー・アワーズ
12. ディスタント・ストーム (ホエン・イット・レインズ) feat.カート・エリング

  "瑞々しいクール・ヴォイス"とか、"透明感あるナチュラルな歌声"と評されている彼女だけあって、このアルバムでも非常にきめ細かい情緒あるヴォーカルを披露している。
 又上の参加ミュージシヤンを見ても解るように、曲によりメンバーの異なった比較的小コンポで、かなり高度なテクニックをもってしてコンテンポラリーなジャズを展開している。そんな世界に彼女の歌声がごく自然に入り込んでいるといった曲作りで、そこにはジャズのこれからの流れを先取りしたような展開に驚かされる。とにかくカヴァー曲の多岐にわたるのも聴きどころ。

Sz1  聴きようによっては難解なところもあり、そうかといって全く拒否反応というところではない。むしろそれぞれのミュージシャンが描くジャズのニュー・ワールドを聴くがごとくの感がある。
 スティービー・ワンダーのM4."I believe wheh i falling love"では、曲の週末部では彼女の高音が楽器の音の中に入りこんで同化してゆくところは驚きだ。
   ニック・ドレイクのM5."The river/ Riverman"の物語調ヴォーカルにも彼女の技量を感じ取れる。
 ビョークのM6."Cocoon" は、バックが静かで、彼女のアカペラに近い歌い上げが聴け、なんと仕上げは異国ムードたっぷりの曲。
 ブラット・メルドーの曲M12."Distant Storm"がアルバム・タイトルとなっていて、高音と低音の両端を、又リズムも変動を十二分にこなしアルバムを納めるのに十分な展望のあるハイセンスの曲展開に脱帽。

 しかし何時もの女性ジャズ・ヴォーカルものとして安易に取り付くと多分しっぺ返しに合う。それだけ技量の卓越したコンテンポラリー・ジャズ・ヴォーカルなのである。じっくり聴いてみる価値ありだ。聴き込むとそこにはジャズ゜・ヴォーカルの一つの道が見えてくるから凄い。 彼女は1982年米国シアトル生まれだから30歳代後半だ。それにしては歌の充実度が高いことを知らされる。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌 :  ★★★★★☆
□ 録音                 :    ★★★★☆

(参考視聴)

 

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2019年6月15日 (土)

シゼル・ストームのニュー・アルバム Sidsel Storm 「AWAKE」

ソフトでテンダリーな円熟ムードで

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<Jazz>

Sidsel Storm 「AWAKE」
 CALIBRATED / JPN /  CALI146 / 2019

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Sidsel Storm (vocal)
Magnus Hjorth (piano)
Lasse Mørck (double bass except 9)
Snorre Kirk (drums except 9)
Tobias Wiklund (cornet on 1, 2, 3, 4, 5)

*guests:
Pernille Kristiansen (violin on 6)
Jenny Lüning (viola on 6)
Nicole Hogstrand (cello on 6)

 シゼル・ストームSidsel Stormのニュー・アルバム、考えてみると久しぶりのような感じだが、前作は「CLOSER」(2015)だと思うで4年ぶりという事になるか。手持ちとしては4枚目のアルバムとなる。今までのアルバムはラーシュ・ヤンソンとかヤコブ・カールソン、マグネス・ヨルトといった欧州人気ピアニストのバックでのヴォーカル・アルバムであったので、それも手伝って結構人気があった。
 彼女はデンマークの美人歌手として紹介がされて、端正な清澄ヴォイスとして評価もある。今回のアルバムは久しぶりという事での彼女に進化があるか、期待をこめて興味津々で聴いたところだ。

(Tracklist)

1. Comes Love (Stept/Brown/Tobias)
2. The Road (Hjorth/Storm)
3. You're Getting To Be A Habit With Me (Warren/Dubin)
4. I Didn't Know About You (Ellington/Russell)
5. Back To You (Hjorth/Storm)
6. I Got It Bad (And That Ain't Good) (Ellington/Webster)
7. All Through The Night (Porter)
8. Too Marvelous For Words (Whiting/Mercer)
9. Awake (Otto/Storm) (vocal & piano duo)

Sidsel  まず聴いての感想は、彼女の瑞々しく誠実感あるどちらかというと優し気な温かみある美声派は変わっていない。
  オープニングM1."Comes Love"快調なスタート、そしてM2."The Road"でがらっとバラード調にしっとりと聴かせる。両曲ともPianoとCornetが彼女のヴォーカルのバックと曲のメロディーとを演じてのムード作りが功を奏している。
 M3."You're Getting To Be Habit With Me"のハイテンポに続いて、M4."I Dn't Know About You"のしっとり寄り添ったヴォーカルと、多彩なところで飽きさせない。
 その後もリズムカルとバラードの交互な展開をして単調でなく聴きやすいアルバム仕上げ。
 M6."I Got It Bat"は特に説得力のあるテンダリーな情感的なヴォーカルとViolin、 Viola、 Cello のストリングスと共に大人の味付けが妙に説得力がある。
 最後のM9."Awake"が、落ち着いた語り聞かせるような曲展開で、ピアノの調べと共にソフトなヴーカルが聴きどころ。

 デビュー・アルバムから10年、来日公演なども経て日本では北欧の気風とマッチングして人気を獲得しつつある彼女も、なかなか円熟してきたという印象を持つ。今回のアルバムは快調なスウィング感からラテンタッチそして本領のソフトに語りかけてくるようなバラードと幅広く網羅していて聴きごたえ十分。今や、なかなか洒落たバックの好演にのって、北欧の重要なヴォーカリストの位置を築いた感がある。

(評価)

▢ 選曲・演奏・歌 :  ★★★★★☆
▢ 録音               : ★★★★☆

(視聴)

 

 

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2019年6月11日 (火)

クラーラ・ヴーストClara Vuust のアルバム「BEFORE」&「HERE'S TO LOVE」

デンマークよりの端正な美声

<Jazz>

Clara Vuust 「BEFORE You Walk Away」
STORYWILLE / EU / 1014322 / 2018

51p9ifdb4lw

Clara Vuust クラーラ・ヴースト (vocal)
Francesco Cali フランチェスコ・カリ (piano, accordion, arrangement)
Jeppe Holst イェッペ・ホルスト(guitar except 04, 06, 09, 10)
Andreas Hatholt アンドレアス・ハットホルト(bass except 06, 10)
Carsten Landors カーステン・ランドース(drums except 06, 10)
Gerard Presencer ジェラード・プレゼンサー (trumpet, flugelhorn on 01, 04, 05, 09)

2018年2月 デンマーク録音

 何時も思うのはジャズ界は、ヴォーカルものは9割以上女性ものになってますね。そこがロック界とは逆で不思議と言えば不思議。このアルバムも、北欧デンマークの女性歌手クラーク・ヴーストの3rdアルバムだ。しかし若干異色である。ここで取り上げるポイントは、最新盤は昨年のリリースだが、とにかく美声、爽涼さや透明感があって、何といっても気持ちよく聴ける技巧を凝らさない端正な歌声と言うところにある。そこがジャズとしてはちょっと珍しいというか、稀有の部類に入る。
 しかしバックはピアノ、ギターなど小編成で選曲はスタンダードが中心である。4曲にトランペッターのジェラード・プレゼンサー(英国)がゲスト参加していて、ジャズとしては一般的。

Cw1 (Tracklist)

1.Some Other Time
2.
Estate
3.I Will Wait For You
4.Out Of Nowhere
5.Sea Lady
6.One November Day (vocal &amp; piano duo)
7.I Wish You Love
8.Watch What Happens
9.Tomorrow 
10.When I Look In Your Eyes (vocal &amp; piano duo)
11. Joana Francesa


 とにかく曲の展開がゆったりとしていて、しっとり歌いあげる。そしてこのクラーラの声は低音から高音まで美声で訴えてくる。しかもその歌い方は、きめ細かく丁寧で清涼感があり、端正で好感度が高い。ここまでクリーンな技巧を凝らさない素直な歌は、もはやジャズという世界からは逸脱しているのではとでも言いたくなる程のところにある。
 そんなところからか、結構好評で2013年の1stアルバム(下に紹介)からここに3rdの登場となった。
 聴いてみてM3."I Will Wait For You"は親しみのある曲であるからと言うだけでなく、ギターの落ち着いたバックとのバランスもよく良い曲に仕上がっている。M4."Out Of Nowhere"はトランペットの演奏ベースの響きなど中盤にはジャズ色を高めているが、リズムカルでありながら彼女の落ち着いたヴォーカルはそれにも結構マッチングしていて無難にこなしている。
 M6."One November Day "、M10."When I Look In Your Eyes"はピアノのみのバックでのデュオ・タイプであるが、これがどうも一番彼女のヴォーカルとはマッチングがいいのではと思うところにもあった。このピアノ担当のフランチェスコ・カリはアルバム製作の主役にある。
 又M7."I Wish You Love"は冒頭はギターのみとのデュオが続くが、又このスタイルもいい。

 全体には、ジャズ・アルバムでありながら、クラシック的歌声にちょっと気持ちが洗われる世界に導かれて、異色のジャズ・ヴォーカル・アルバムと言っておきたい。決して悪くないです、一聴の価値ありだ。
 このクラーラは、音楽一家で育ちデンマーク・コペンハーゲンのThe Rhythmic Music Conservatoryにて学び、2013年にStoryvilleから「HERE'S TO LOVE」の1stアルバムをリリースしている(参考↓)。

          ◇          ◇          ◇

(更に)

Clara Vuust 「HERE'S TO LOVE」
Storyville Records / EU / 10014288 /2013

61giwd1koxlw

Clara Vuust (vocal)
Francesco Calì (piano & acc)
Nico Gori (clarinet)
Daniel Franck (bass)
Jeppe Holst (guitar)
Flemming Agerskov (trumpet track 8)
All music arranged by Francesco Calì

2012年12月 Italy録音

 クラーク・ヴーストの1stアルバム。私は3rdの後からこのアルバムを聴いたのだが、彼女の清楚にして端正な極めて美しい歌には全く変わりが無い。

Fc1 (Tracklist)
1.Don't Care Much (J.Kander/F. Ebb)
2.Here's to Life (A. Butler/P. Molinary)
3.Once Upon a Summertime (M.Legran/J. Mercer/E.Barclay)
4.Samba Em Preludio (B.Powell/V.de Moraes)
5.Sicilian Lovesong (E.Cali/C.Vuust)
6.Time After Time (S.Cahn/J.Styne)
7.Evening (E.Cali/C.Vuust)
8.It's Happening Again (E.Cali/C.Vuust)
9.Smile (C.Chaplin/J.Turner/G.Parsons)
10.Você Vai Ver (A.C.Jobim)

 曲はM9のチャーリー・チャップリンの曲で、このようなアメリカン・スタンダードを取り上げ、誰もが愛するミッシェル・ルグランのM4、バーデン・パウエル、カルロス・ジョビンによるボサM4、M10 も登場。そして、アルバム造りに主たる役割を果たしているフランチェスコ・カリ(右上)のオリジナル曲など、広く選曲されている。アルバム通してゆったりと優雅であって、気持ちが洗われるような技巧なしのヴォーカルで気持ちが良い。

(評価) 2枚のアルバムは取り敢えず合格点
□ 選曲・歌・演奏 ★★★★☆ 
□ 録音      ★★★★☆

(視聴)

 

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2019年6月 7日 (金)

ロバータ・ガンバリーニRoberta Gambariniのヴォーカル・アルバム「DEDICATIONS」

三大女性シンガーのエラ、サラ、カーメンのカヴァー集だ

<Jazz>

Roberta Gambarini 「DEDICATIONS」
55 Records / JPN / FNCJ-5566 / 2019

61uudnkugw

Roberta Gambarini : vocals
Jeb Patton : piano

Recorded at Alley Cat Production(USA) on 14,Jan,2019

イタリア出身で米国でニューヨークを拠点に活躍で知られるジャズ・ヴォーカル女性シンガー、ロバータ・ガンバリーニRoberta Gambariniのアルバムだ。これは三大女性シンガー、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエに捧げる日本限定のアルバムで来日記念盤でもある。従って、彼女らの定番曲をカヴァーした新録音集。
 バックはJeb Pattonのピアノのみで、むしろデュオといった作品だ。

Rg2_1 (Tracklist)

1. Lady Be Good / How High The Moon
2. As Time Goes By
3. Willow Weep For Me
4. Blame It On My Youth
5. Two For The Road
6. Lullaby Of Birdland
7. It Don't Mean A Thing
8. Misty
9. I Can't Give You Anything But Love

 彼女自身ジャズ教育者であるだけあって、簡単に言うとしっかりしたヴォーカル、歌いこんだ実質的で張りとか艶とかをもって情感たっぷりに歌う。いわゆるセクシーな崩しとかするタイプではない。むしろイタリアっぽくハートフルな面のほうが前面にあって、しかも可憐さとは逆にホットなパワーすら感ずる。その為、現在広くジャズ・ファンには受け入れられるタイプと思う。
 過去のジャズ・三大シンガーを取り上げているので、若干ややオールド・ジャズ感はあるが、それでも彼女自身の唄として仕上げているので聴きがいはある。つまりイタリアっぽいところはちゃんとあるのだ。
 又、ピアニスト・ジェブ・パットンも同年代でおそらく息があったのであろう、どちらかというと彼のピアノも昔ながらのジャズを心を込めて引くというタイプであり、この企画にはピッタリといったところ。

 私としては、M3."Willow Weep For Me", M6"Lullaby Of Birdland"など聴きなれた曲が登場して聴きやすいが、何といっても好きな曲M8."Misty"をまず取り上げたいが、これもなかなか味のあるヴォーカル、つまり彼女の情熱と力学を感ずる仕上げで、しっかりじっくり歌いこんでいて、推薦曲というところだ。
 やはり歌唱に自信があるせいか、バックはピアノのみであるため、歌声そのものが味わえる作品となっている。

512reyinpsl ロバータ・ガンバリーニは、1972年イタリア・トリノ生まれで今や40歳代後半になっての円熟期シンガーだ。1991年にはリーダー作も発表していて、1998年に米国に渡ってニューイングランド音楽院(ボストン)で学んでいる。渡米早々にセロニアス・モクク・インターナショナル・ジャズ・コンペテションで3位に輝いて注目されたとか。もうキャリヤー30年となるシンガーだけあって米国中心に国際的な活躍と共にジャズ教育者としての道も歩んでいる。
  過去のアルバムに「You Are There」(2007),「So in Love」(2009 ↑),「Easy to Love」(2005)などがある。

(評価)

▢ 選曲・歌  ★★★★☆
▢ 録音    ★★★★☆

(参考視聴)

 

 

 

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