女性ヴォーカル

2019年4月16日 (火)

ケンドラ・ロウのヴォーカル・アルバム Kendra Lou 「TO THE END OF THE WORLD」 /  (photo )融雪・融氷の時

[MY PHOTO]   4

融雪・融氷の時  

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1.   積雪を乗り越えて融雪の時を迎える・・・

 

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2. 厳寒の冬の雪、風に耐えた高原の花

 

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[今日のMUSIC]

なんとなくけだるそうに唄う自己オリジナル曲の世界

<Jazz>

Kendra Lou 「TO THE END OF THE WORLD」
CALIBRATED / EU / CALI111 / 2010

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  このケンドラ・ロウKendra Lou は、デンマークの女優であり歌手でもある。どうもその雰囲気は欧州風でなく、なんとなくアメリカ風の世界が感じられるところが不思議な存在。どこかなんとなくけだるそうな、ちょっと投げやり風な歌い方が特徴だ。ここで取り上げたのは2010年のアルバムであるが、私にとっては最近聴いた初物だった。これも寺島靖国が「For Jazz Vocal Fans Vol.3」で紹介していて聴いてみることになったアルバムである。しかしその後のニュー・アルバムは無いようだ。

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 収録12曲だが、「Black Coffee」、「Christmas card from a hooker in Minneapolis」、「Without your love」、「You go to my head」 の4曲以外は主として彼女自身よるオリジナル曲である。
Kl1  まずオープニンクの曲を聴いて、なんとすぐ頭に浮かんだのはマデリン・ペルーMadeleine Peyrouxだった。どっか雰囲気が似ているのだ。
 とにかくビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウィルソンなどからさまざまなインスピレーションを得たような話があるだけに、熱唱型ではなく、ちょっとさめた世界観をのぞかせるようであり、又フォークっぽいところもあり、しかしなんとなく遊び心が感じられ高音部にはセクシーな魅力も放っている。
 M3."Black Cofee"はスタンダードで聴きなれているせいか、全曲の中で最も親しみがある。ペギー・リーにも雰囲気が似ている。寺島靖国もこの曲を取り上げているが、確かにこのアルバムでは筆頭株に出来が良い。
 彼女自身のオリジナルもオルタナティブな因子はなく、それぞれゆったりとジャジィーに歌い上げる。
 バックも多彩な演奏陣が集まっているがデンマークのメンバーのようで、彼女の唄とのバランスが極めてよく、唄を生かした自然な演奏である。このところのニュー・アルバムでもあれば聴いてみたいところであるが・・・どうも見当たらない。

  (推薦曲) M3. "Black Coffee" 情感がうまい。
     M5."Chrismas cerd from a hocker in Minneapolis" Tom Waits のこの曲はなかなか哀感もあってよい。
     M7. "The Promise" 彼女自身のリジナル曲だが、なかなかクラシック・ジャズ・ムードがあって、こうゆう曲を書くのかと聴き入っている。

(評価)
▢ 曲・歌 :  ★★★★☆
▢ 録音   : ★★★★☆  



(試聴)  "Chrismas cerd from a hocker in Minneapolis"

 

 

 

 

 

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2019年4月12日 (金)

シャノン・フォルセルのジャズ・ヴォーカル shannon forsell 「the nearness of you」 /   (photo) 融雪・融氷の時 

 

[NY PHOTO]

融雪・融氷の時 3

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1. 毎年繰り返す融雪・・・しかし年ごとにその描く造形は同じでない

 

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2. 春の陽を浴びて、再び新しい「生」を実感する

 

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[今日のMUSIC]

手慣れたバック演奏で本格的アメリカン・ジャズ・ヴォーカルを堪能できる

<Jazz>
shannon forsell 「the nearness of you  - a tribute to Hoagy Carmichael」
LML Music / USA / LML CD 254 / 2011

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shannon forsell : Vocal
zaeh lapiduds : piano
Frank smitj : bass
greg artry : drums
p,j,yinger : ukelele 6 trumpet
rob dixon : saxophone


 米・インディアナ州出身の女性歌手シャノン・ホルセルshannon forsellのヴォーカル・アルバム。彼女に関しては全く白紙であったが、やはり寺島靖国のコンピレーション・アルバム「For Jazz Vocal Only Vol.3」に登場して知るに至った。

 このアルバムは、米国の作曲家、ピアニスト、歌手、バンド・リーダーで、"スターダスト"、"スカイラーク"、"我が心のジョージア"などの曲でしられるホギー・カーマイケル(1899-1981)のトリビュート・アルバムとなっている。つまりジャズ界スタンダードを歌い上げたと言ってよいもの。

(Tracklist)

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 収録は11曲、そしてなるほど、寺島靖国は曲"Georgia On My Mind"を選曲しているが、この曲の出来は出色である。いすれにしてもバックの演奏陣がアメリカン・ジャズを達観しての演奏で、曲を盛り上げていて聴くに充実感ある。それはピアノ・トリオに味付けしてのトランペット、サックスが往年のジャズ色を知らしめてくれるのである。

 又シャノンのヴォーカルはジャズの酸いも甘いも知り尽くしての曲による感情を表現するに技量たっぷりで、とにかくジャズを楽しむに十分の出来。米国でのクラブやキャバレーにてのムードそのものが楽しめると言ってよい。
 彼女の紹介ものもあまりなく不明な点も多いが、インディアナポリスにあるThe Cabaret at the Columbia のマネージャー兼芸術監督を務めているらしい。米国ジャズ・ヴォーカリストそのものなのである。

 推薦曲はM3."The Nearness of You",  M5."Skylark",  M7."Georgia On My Mind",  M11."Stardust"といったところか。

(評価)
▢ 選曲・演奏・歌 : ★★★★☆
▢ 録音   :     ★★★★☆



(視聴)

 

 

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2019年4月 8日 (月)

カラ・カンパネリのジャズ・アルバムCara Campanelli 「So Near」 /  [My Photo] 融雪・融氷の時

[My Photo]

融雪・融氷の時     2

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2.                      (画像クリック拡大)

IIZUNA KOKEN, NAGANO    2019.  3
Sony ILCE-7M3, FE4/24-105 G OSS, PL  

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[今日のMUSIC]

カラ・カンパネリのジャズ・アルバムCara Campanelli 「So Near」

ピアノ、ギターなどの演奏とのヴォーカル・デュオ

<Jazz>

Cara Campanelli 「So Near」
Cara Campanelli(us) / USA / No.:22400 / 2009

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Cara Campanelli : Vocals
Adam Birnbaum : Piano
Greg Gagnon : Guitar
Greg Loughman : Bass
Jimmy Elcock : Percussion

 このジャケのうつむいた表情がいいですね。このカラ・カンパネリCara Campanelliの初登場アルバムは2009年リリースですから、もう10年前、しかも自主制作盤だ。それが先ごろリリースした寺島靖国の「For Jazz Vocal Fans Only Vol.3」に登場して初めて知ったもの。
 彼女は米国ボストンを中心に活躍している若手ジャズ・ヴォーカリストだ。幼少のころからアニタ・オディ、ペギー・リー、ナツトキング・コールなどのレコードを聴いて育ち、10歳代にジャズ・ヴォーカリストの道に進んだ。
  このアルバム、バック演奏陣はピアノ、ギター、ベース、パーカッションとあるが、それぞれの楽器1つとヴォーカルのデュオ・スタイルをとっている。したがって彼女のヴォーカルはものの見事に手に取るように聴ける。

( Tracklist )

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  上記の11曲スタンダードを歌いこんでいる。歌声はしっとりとしていて技巧に凝ることなく素直な印象である。かなり低音が幅をもって伸びても良いのだが高音も結構聴かせる。それは知性を感ずる雰囲気を醸し出す。それもボストン大学で音楽の学士号をむ取得しているらしい。
 最後のチャップリンのビック・ヒット曲"Smile"が寺島靖国に選ばれているが、そのほかもなかなか聴きごたえある。
 主たるはピアノやギターとのデュオであるが、M6."Temptation"は、なんとパーカッションとのデュオを披露する。これはこのアルバムでも珍しい彼女の熱唱が聴ける。
 M8."Let's Do It"のように、ピアノとのデュオで昔良き時代のジャズの雰囲気をも聴かせてくれる。
 M10."The Girl from Ipanema"は当然ギターとのデュオで、かなりオーソドックスにボサノバの味を出す。
 私のお勧めは、M2."Reaching for the Moon"のベースとのデュオでしっとりと歌いこむ曲ですね。又M3."Speak Low"のギターとそしてM4."Skylark"のピアノとのデュオもスロータッチでドリーミーでなかなか説得力ある物語を聴かせます。

 近々ニュー・アルバムのニュースも聞かれていて楽しみなヴォーカリストである。

(評価)
▢ 唄・演奏 : ★★★★☆  
▢ 録音         : ★★★★☆

(視聴)

 

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2019年4月 4日 (木)

(Jazz)カルメ・カネラ Carme Canela 「BALLADS」 / (Photo) 「融雪・融氷の時」

[MY PHOTO]

「融雪・融氷の時」   

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IIZUNA KOKEN, NAGANO    2019.  3
Sony ILCE-7M3, FE4/24-105 G OSS, PL  


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[今日のミュージック]

カルメ・カネラ Carme Canela 「BALLADS」

円熟の情感あふれるヴォーカル

<Jazz>

Carme Canela  Joan Monnē 「BALLADS」
Fresh Sound Records / SPAIN / FSNT 559 / 2018

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Carme Canela (vo)
Joan Monne (p)

Recorded at Estudi Laietana, Barcelona, July 2017


 昨年リリースされたカルメ・カネラCarme Canelaのヴォーカル・アルバム。「ジャズ批評」の"ジャズオーディオ・ディスク大賞2018 ヴォーカル部門"で金賞に輝いたアルバムだ。そして今年リリースされた寺島靖国のコンピレーションアルバム「For Jazz Vocl Fans Only Vol.3」に冒頭に曲"Left Alone"が選ばれて登場、それによって私も昨年購入していなかったが、ここにきて手に入れた。
   ジャケもなかなか洒落ている。
 彼女は1962年バルセロナ生まれ、今や50歳代の円熟期での作品。ピアニストのジョアン・モネJoan Monnēとのデュオ作品である。

(tracklist)

1. You've Changed
2. Embraceable You
3. You Won't Forget Me
4. I Loves You Porgy
5. Left Alone
6. Every Time We Say Goodbye
7. The Thrill Is Gone
8. The Man I Love
9. Get Out of Town
10. Still We Dream (Ugly Beauty)
11. Goodbye

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  スペインの歌姫といっても今や欧州一円で活躍しているカルメ・カネラが長年親交のあるピアニストと、二人で愛しているスタンダード・バラード曲を選曲してのピアノとヴォーカルというシンプルなフォマットで作り上げたバラード集。
 収録11曲、とにかくその曲の背景までも歌いこむぐらいのカメラの叙情的にして情感あふれるしっとりとした歌声が印象的だ。
   ジョアン・モネのピアノも彼女との付き合いは長く、そのためヴォーカルのイメージを大切にその情感を盛り上げていて、その相乗効果は大きく、しっとりと潤いのあるなかなか出来の良い好盤となった。
 こうしたそれぞれのキャリアを生かしたデュオはやはり聴く者にも訴えてくるものが大きい。

(評価)
▢ 歌・演奏 ☆☆☆☆☆★
▢ 録音   ☆☆☆☆★
 
(視聴)

 

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2019年3月31日 (日)

寺島靖国プレゼント「For Jazz Vocal Fans Only Vol.3」

 

今回も女性ヴォーカルで満たされた

<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents
「For Jazz Vocal Fans Only Vol.3」
 Terashima Records / JPN / TYR-1078 / 2019 

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 寺島靖国のコンピレーション・アルバム・シリーズの中ではニューフェースである「Vocal Fans Only」の第3巻目が登場した。彼のシリーズも「Jazz Bar」「Audio Fans Only」「Drums Fans Only」と増加の一途をたどって若干近頃乱発ぎみの為、このシリーズもちょっとどうなのかなぁと不安を抱きながらの購入である。
 過去の二巻、比較的マイナーなところにも焦点を当ててくれて大いに楽しんだことがあった為、どうしても注目してしまうのである。さて今回の3巻目はいかなるところに至ったか、ちょっと見てみることにする。

 

(Tracklist)

1 Carme Canela & Joan Monn / Left Alone (Billie Holiday, Mal Waldron)
2 Pascale Lavoie / Speak Low (Ogden Nash, Kurt Weill)
3 Cara Campanelli / Smile (John Turner, Geoffrey Parsons, Charlie Chaplin)
4 Connie Evingson / Close Your Eyes (Bernice Petkere)
5 Melanie De Biasio / I'm Gonna Leave You (Rudy Stevenson)
6 Orla Murphy / The Old Country (Curtis Lewis, Nat Adderley)
7 Bonnie J Jensen / Just The Two Of Us (Bill Withers, William Salter, Ralph MacDonald)
8 Jane Krakowski / Let's Face The Music And Dance (Irving Berlin)
9 Karolina / If You Go Away (Jacques Brel, Rod McKuen)
10 Lauren Koval and The Page Cavanaugh Trio / Embraceable You (Ira Gershwin, George Gershwin)
11 Anna Luna / What Are You Doing The Rest Of Your Life (Michel Legrand, Alan Bergman, Marilyn Berg man)
12 Kendra Lou / Black Coffee (Paul Francis Webster, Sonny Burke)
13 Lauren Meccia / You Don't Know What Love Is (Don Raye, Gene de Paul)
14 Shannon Forsell / Georgia On My Mind (Stuart Gorrell, Hoagy Carmichael)

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 一番の評価はスタートM1"Left Alone"のカルメ・カネラCarme Canelaだろうか、この曲が収録されているアルバム「Ballads」(FSNT559)(上左)は2018年リリースで、それ程話題にはならなかったのだが・・こうして聴いてみると成程「ジャズ批評」で"ジャズオーディオ・ディスク大賞2018"のヴォーカル部門で金賞に選ばれたアルバムだと言える。とにかくこの曲、彼女は哀愁の伴った切なさをもって歌いあげていて聴く者に訴えてくるんですね。私は即、このアルバムを注文してしまった(感想は又いずれ)。
  M2 Pascale Lavoie / Speak Low M5 Melanie De Biasio / I'm Gonna Leave You は、特にMalanie De Biasioは注目。既に私はここで3年前の2016年3月に取り上げたアルバムからである。私の評価は良好ではあるが、そちらを見てもらうということで、ここでは省略だ。
  M3.Cara Campanelli / Smile : アルバム「So Near」(2009)(上中央)より、このアルバムはピアノ等がほぼソロ状態で静かにサポートするスタイルでデュオの形をとっている。 しっとりと彼女の細工のない唄が聴ける。高音も伸びるが低音も魅力あり、ちょっと注目したくなる歌手。Adam Birnbaumのピアノも聴きどころ。
 M9 KaroliNa / If You Go Away も注目。このカロリーナという歌手、ポーランド生まれ、アメリカ在住、ビオラ奏者だという。これがなかなかのヴォーカル、質の良さが伝わってくる。この曲の納められているアルバム「Song of Hope」(RHO7129)(上右)は2016年のリリースで今やプレミアもの。
 M11 Anna Luna / What Are You Doing The Rest Of Your Life :なかなかしっとりと聴かせる。アルバム「Sketches」(FAM22042/2007)(下左)から。
   M12 Kendra Lou / Black Coffee : アルバム「To The End Of The World」(CALI111/2010)(下中央)から。このケンドラ・ルーはデンマーク国籍、このアルバムは殆ど彼女のオリジナル曲で埋め尽くされているが、このスタンダードがここでは選ばれた。情感たっぷりの唄で、意外にユーロ的でないクラシック・ジャズ・ムードがある。
   M14 Shannon Forsell / Georgia On My Mind  : アルバム「The Nearness Of You」(LML CD 254/2011)(下右)から 、これは米国ピアニストで歌手の"スターダスト"を作曲したHoagy Carmichaelのトリビュート・アルバム。ヒット曲"我が心のジョージア"をなかなかの芸達者な歌声で聴ける。

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 今回も女性ヴォーカルものになっている。寺島靖国流の選曲にはやはり女性独特の世界を追求する姿勢があって参考になる。ただ少々古いアルバムからの選曲もあって苦労しいる様子が伺えた。もっと新しい発掘に期待したいのだが。

(評価)
▢ 選曲・歌 :  ☆☆☆☆★
▢ 録音        : ☆☆☆☆★

(視聴)  Carme Canela "LEFT ALONE"

  



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2019年3月28日 (木)

弘田三枝子のニュー・ジャズ・アルバム 「Isn't It Romantic ?」

恐ろしや、なんとハイレゾMQA-CDにて登場
<Jazz>
Mieko Hirota 「Isn't It Romantic ?」
doLuck Jazz / JPN /  DLC-19 / 2019

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Mieko Hirota : vo
Naoki Kitajima : P
Yusuke Nakaishi : b
Gaku Hasegawa : ds

 出る出るとは言ってましたが、ここにきて弘田三枝子のジャズ・ニュー・アルバムの登場にはやはり驚きですね。昨年奥村チヨがニュー・ア ルバムのリリースがあって( 「卒業アルバム--サイレントムーン」(UPCY-7465) )、これまた驚きでしたが、70歳を超えたお婆様達のアルバムの出現とは、日本も一歩前進したんでしょうか。

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とにかく彼女は1947年生まれで71歳、デビューは歌唱力と何と言ってもパンチの効いた歌声で話題になった1961年(↑)、それから55年以上の経過。
 1969年には川口真の曲「人形の家」を歌い込んで大ヒット、日本レコード大賞を勝ち取った。この当時は、デビュー当時の顔とは全くの変貌(↓)で、整形手術の凄さが話題になった。私はもともと彼女の唄はお気に入りの方であったので「ロダンの肖像」、「私が死んだら」、「この大空に捨ててしまおう」、「涙のドライヴ」、「燃える手」などの曲は記憶に十分ある。

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 アメリカ生活で話題から離れたが、しかしここ近年には何となくテレビでもその姿を観ることとなったが、その整形手術の副作用顔貌で世間の同情もかっていた。まあそんなところは別にしても、今こうしてジャズ・ヴォーカル・アルバムをリリースするという事はいずれにしても彼女の実力からして良いこととして受け入れたいのである。
 とにかくジャズ・シンガーとしての挑戦作。前橋の夢スタジオでの2018年録音。
 そしてしかも今話題のハイレゾ・サウンドのMQA-CDでのリリースである。

*
(Tracklist)
1 When You Wish Upon A Star
2 Black Coffee
3 Alfie
4 Isn’t It Romantic?
5 All of me
6 But Not For Me
7 Laura
8 One Note Samba
9 The Things We Did Last Summer
10 Hi Fu Mi Yo
11 The Good Life
12 星に願いを
 
 バックの演奏はピアノ・トリオ編成で、完全なジャズ・スタイルを貫いている。北島直樹のピアノはなかなか聴き所有り。MQA-CDの特性もあって録音も良い。
 このアルバムの彼女のヴォーカルは、ウィスパー・スタイルに徹して、昔のパンチ力と言うものでは全くない。”枯淡の境地”なんて表現されているがそんなところであろう。
 収録曲12曲、M10"Hi Fu Mi Yo"のオリジナル曲以外はスタンダード曲。洒落ているのはM1."When You Wish Upon A Star"でスタートして、最後は日本語でのM10."星に願いを"と歌っているところだ。まあ年齢からも声量は望めないが、あまりにも吐息型発声が全てを貫いていて、聴く方には少々しつこく疲れる。
 M3."Alfie"とバカラックの曲の登場など、選曲はなかなかのもの。
 M4."Isn't It Romantic?"はアルバム・タイトル曲。これは少々リズムカルで愛嬌がある。
 M11."The Good Life"のような曲には、彼女の昔のパターンがちらっと見えて、曲に乗っての姿が聴ける。

  いずれにしてもデビュー55周年記念新録アルバムのリリースは、お目出度うと言うところでしょうね。
 
(評価)
歌・曲:☆☆☆☆★
▢ 録音 :☆☆☆☆☆★

(視聴) 昔の弘田三枝子「人形の家」

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2019年3月20日 (水)

円熟のヴォーカル:クレア・マーチンClaire Martin 「Bumpin'- Celebrating Wes Montgomery」

風格あるしっとりとした情感と語り、そしてブルージーなスウィングの展開も

<Jazz>

Claire Martin & Jim Mullen 「Bumpin'- celebrating Wes Montgomery」
Stunt Records / IMP. / STUCD18112 / 2019

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Claire Martin (vo)

Jim Mullen (g)
Mads Bærentzen (p) except #11
Thomas Ovesen (b) except #11
Kristian Leth (ds) except #11

 クレア・マーチンの歌声も久しぶりですね。これは昨年7月のロンドンに於ける新録音盤だ。基本的にはギター、ピアノ、ベース、ドラムスのカルテットをバックと言うところだが、ギターはいつも共演しているスコットランドのベテランのジム・マレンで、アルバム・タイトルは彼との二人名義になっている。そしてこれはデンマークのStunt Recordsからのリリース。この二人、昨年英国で英国ジャズ賞を受賞している。その他のバックの三人はデンマークのミュージシャン。

 偉大なギタリストで没後50周年になったウェス・モンゴメリーのトリビュート・アルバムだ。

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(Tracklist)

1. Road Song
2. Polka Dots And Moonbeams
3. Willow Weep For Me
4. 'Round Midnight
5. If You Could See Me Now
6. Goin' Out Of My Head
7. I Could Get Used To This (Bumpin')
8. West Coast Blues
9. Back In The Room (Bock To Bock)
10. Born To Blue
11. The End Of A Love Affair (vocal & guitar duo)

 やはり円熟のヴォーカルを披露。相変わらずややハスキーであり包容力のある情感の込められた歌声だ。とにかく余力を残した余裕のあるところが聴いていてもほっとする。
  オープニングM1."Road Song"はおやっと思わせる小気味の良い軽快なスタート、M2."Polka Dots And Moonbeams"は彼女らしい風格あるところ、結構ギターが物語調に聴かせるし、ピアノもいい語りをしてくれる。そして次第にM3"Willow Weep For Me"になるとジャズ・ムードが盛り上がってくる。 
 そしてM4."'Round Midnight"のバラードになって最高潮を迎える。しっとりとした夜を歌い上げる。この奥深い情感はさすがである。ギターもしっかりその夜のムードを盛り上げてくれる。
 M6."Goin' Out Of My Head"も独特な歌いまわしを入れた編曲が聴ける。
   M7."Bumpin'"はちょっと幻覚的ムードもあって面白い。
 M10,M11はしっとりと歌い込んで聴き応え十分。
 全編多彩に展開させて、聴く方も安心して聴ける円熟のヴォーカルを楽しめるアルバムだ。

 (評価)
□ 曲・歌 ★★★★★☆
□ 録音  ★★★★☆

(視聴)

 

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2019年3月15日 (金)

取り敢えず注目株、エレン・ドティEllen Doty 「COME FALL」

カナダからの女性シンガー・ソングライターのソウルフルにして優しく美しいヴォーカル

<Jazz>

Ellen Doty 「COME FALL」
Alma Records / IMP. / ACD32182 / 2018

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Ellen Doty (vocals)
Mark Lalama (piano)
Davide Di Renzo (drums)
Audio Mixer: John "Beetle" Bailey.

 カナダからのシンガー・ソングライター・女性ヴォーカルのエレン・ドティの登場。これは彼女としては2ndアルバムらしい。いずれにしてもカナダはジャズ・ポップス女性シンガーを多数輩出してますね。
 それはそれとして、このアルバム・ジャケからみても単なるジャズ・アルバムでなく、個性の強いものを感じさせる。
 この曲作りの編成をみても彼女のヴォーカルに、ピアノとドラムスという構成で、なかなかやりそうなところは窺える。このアルバムは実はカナダではかなりの反響を呼んだものらしく、日本上陸となったもの。
 とにかくこのアルバム作りに50曲以上書き、その中から下のリストに見るように12曲を選んだらしい。又もともとは多くの編成バンドがバックにあったらしいが、ふとこの簡素なメンバーで演奏したら、しっくり来たという個性派だ。

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(Tracklist)

01. You're Too Late
02. Maybe I Knew
03. Sea Of Hearts
04. September Moon
05. Midnight
06. Dreams You Don't Remember
07. Go Easy
08. Give Love
09. Favourite Sweater
10. Give It Up
11. Stranger
12. Tried To Sing

  M01. "You're Too Late" 、 まず冒頭から美声と言うよりはややハスキーな歌声が印象に残る。しかも半分囁くような、物語を語るような繊細な響きの間の置いたヴォーカルだ。そしてどこかソウルフルな味のあるコンテンポラリー・ジャズというところか。
  バックのピアノは美しい旋律を奏でると言うよりは重い低音でやや暗いイメージを描き、ドラムスも重くリズムを刻む。
 M02. "Maybe I Knew "になってやや暗さは解消して、むしろ優しさの感ずるところに。
 M03. "Sea Of Hearts" さらに美しさが感じられる世界に、そして優しさも明るさも加わって・・・。
 M04. "September Moon"これはアルバム先行シングルとしてリリースされた曲。やはり優しくここではむしろ美しい声でゆったりと心落ち着くところに歌いあげる。簡素なバックと無音の間をおき奥深い世界をイメージづける。
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 全編このような流れで構成されているが、驚いたのはM06. "Dreams You Don't Remember"M09. "Favourite Sweater"の2曲では、突然男性ヴォーカルが登場して二人のデュエットが展開する。とくにM06は、美しいメロディーを歌いあげ、どこかサラ・マクラクランを思わせる世界になる。 M07."Go Easy"は再び彼女のヴォーカルとなり美しく優しくしっとりと歌いあげ、やっぱりカナダですね、これもサラ・マクラクランの世界だ。
 M12. "Tried To Sing"のヴォーカルの間の置き方は見事で、それより印象を深め、又ピアノの美しさも聴かれ、短い中に充実感たっぷりの曲。

 とにかく冒頭は”暗さが襲うのか”と思ったが、意外にハートフルと言うか、抒情的であり、又どこか安堵感の伴う優しさの満ちた大自然を思わせるところにある。そしてジャズというかポップにも近いものでの情緒豊かな世界だ。これは既にベテランの雰囲気すら漂っているお見事なアルバムである。

(評価)
□曲、歌 : ★★★★★☆
□録音  : ★★★★☆

(視聴)  "September Moon"

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2019年1月30日 (水)

アガ・ザリアンの久々のニュー・アルバムAga Zaryan 「HIGH & LOW」

ポーランドからの
相変わらずの美しいソフトなヴォーカルが・・・・・しかし

<Jazz>
Aga Zaryan 「HIGH & LOW」
WARNER MUSIC POLAND / IMP./ ZARYAN201801 / 2018
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Aga Zaryan (Vocals)
Michal Tokaj (Keyboards)
David Doruzka (Guitars)
Slawek Kurkiewicz (Electric Bass)
Pedro Segundo (Drums,Percussion)
Lukasz Zyta (Drums #4,9)
Munyungo Jackson (Percussion #3)
Marcin Kaletka (Tenor Saxophone)
Robert Majewski (Trumpet,Flugelhorn)
Grzegorz Nagórski (Trombone)
Corbin Jones (Tuba #5,9,10)
Irena Kijewska (Background Vocals)
Recorded in Warsaw, Sep.-Oct. 2018, Polish Radio Studio S4
  いやはやポーランドの女性シンガー・アガ・ザリアンAga Zaryanの話になるのも久しぶりである。
 ここで彼女のアルバムを取り上げた最後が、ポーランドで手に入れたライブ・アルバム『LIVE AT PALLADIUM』(COSMOPLIS 070・071/2008)の紹介だったと思うので6年前の話になる。とにかく歴史的な悲劇のワルジャワ蜂起をテーマとしてのアルバム『UMIERA PIEKNO』(ポーランド2007年、EMI music poland/2010)を製作して、国家的評価をも勝ち取り頂点に立った彼女である。その後日本でも知られるようになるのだが、ポーランド・ミュージックの日本紹介はそれ程歴史が無い。彼女についても日本でのデビューは2010年になってからだった。従って彼女の数枚のアルバムは殆ど当時に纏めて注目されたのである。
 その後はアルバム『A BOOK OF LUMINOUS THINGS』(2011)を聴いたが、今後への発展におそらく問題意識にテーマがなかなか持てなかったのではと推測する。私にとってはそれ以来7年の経過がある。そしてここに久しぶりにニュー・アルハセムを聴く事になった。
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(Tracklist)
1. Back
2. High & Low
3. Not Here For Long
4. Paths
5. Spirit Voices
6. Proof
7. Dreams, Themes & Schemes
8. Turn Me On
9. A Story From A Tram (Listen, Little Man)
10. Boo To You Too
11. Geri
12. Evil

 相変わらず、彼女の歌声はソフトできつい刺激というものはない。そして充実感あるところがいい。
 ただ今回のアルバムのコンセプトは?、実はよく解らない。しかしバックの演奏はMichal Tokaj (Keyboards)を中心に、構成はジャズ・バンドそのものである。
 アルバム・タイトル曲のM2."High & Low" は、バックにトランペット、トロンボーンが入ってギターを主力に展開する如何にもジャズらしい曲。しかしどうも心に響いてこない。旋律に美しさというもが感じないためかと思う。
 ほとんどの曲はアガ・ザリアン自身が英語で詩をつけているので・・・そのあたりを聴きこまないと・・・・。
 M4 "Paths"にはバックのサックスも歌い上げるのだが、どうも曲自身がピンとこない。
 全体に暗さはなく、むしろ弾むほうが印象深い。
 ただそんな中で後半になって、M6 "Proof"、M7."Dreams, Themes & Schemes"にそれでもキーボードと彼女の唄に美しさが感じられたことは救いであった。
   又M8."Turn Me On"、M11." Geri"はしっとりと歌い込んで不思議なムードがあり、彼女の味が出ていて、この辺りはちょっと注目される。



 とにかく、このアルバムを聴くにつけ何を期待して何に感動するのか、というポイントが見つからないのである。彼女のアルバム『UMIERA PIEKNO』(2007)は、ポーランドという国の独立するまでの苦しい時代を生きてきた女性たちの心が歌われていて、そこには悲劇と陰と力強い意志とが美しく歌われたのだが、そのイメージがあまりにも強いので、このようなよりどころのないヴォーカル・アルバムを聴くと、彼女の歌がうまいだけにちょっと逆にむなしくなる。
 

0006yls0q4em06usc122[アガ・ザリアンAga Zaryan]
 1976年、ポーランド・ワルシャワ生まれの円熟女性ジャズ・ヴォーカリスト。父はクラシック・ピアニスト、母は英語教師/作家らしい。紹介ではエラ・フィッツジェラルドとマイルス・デイヴィスを聴いてジャズに夢中になったという話がある。2002年にアルバム『My Lullaby』でデビュー。2010年のアルバム『Looking Walking, Being』(日本盤は翌年発表)は、ポーランドで最も権威にある音楽賞“フリデリク”でジャズ・コンポーザー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。スタンダードからポップス、ワールド・ミュージックのフィーリングを織り交ぜ、作品ごとに多彩な味付けがある。私の推薦盤は『Umiera Piękno』。
<Aga Zaryan  Discography>
2002 My Lullaby
2006 Picking

2007 Umiera Piękno
2010 Looking Walking, Being
2011 A Book Of Luminous Things
2013 Remembering

2018 High & Low
(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★☆
□ 録音      : ★★★★☆
*
(視聴) 参考までにアルバム『UMIERA PIĘKNO』より"MIŁOŚĆ"

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2019年1月23日 (水)

ケイト・マクギャリー Kate Mcgarry 「THE SUBJECT TONIGHT IS LOVE」

透明感あるしっとりとしたヴォーカル

<Jazz>
KATE MCGARRY  KEITH GANZ  GARY VERSE
「THE SUBJECT TONIGHT IS LOVE」

Binxtown Records / JPN / RCIP-0282 / 2018
Album

Kate McGarry - Vocals / Piano (07)
Keith Ganz - Acoustic & Electric Guitar / Bass
Gary Versace - Piano / Keyboard / Organ / Accordeon

Special Guests
Ron Miles - Trumpet (12)
Obed Calvaire - Drums (09)
Katemcg  ジャズ・ヴォーカリストと言っても一味違うフォーク、ソウルの味のある独特の世界をゆくソング・ライターでもあるケイト・マクギャリーKate McGarryの最近作。
 とにかく彼女の描く世界は凜として透明感あるしっとりとした心潤うところにあり、それを生かすべくバックは夫のKeith Ganzのアコースティックなギターを主体にシンプルそのもので、たっぷり彼女の歌声を手に取るように聴く事が出来る。又キーボードはGary Versace が、ピアノ、オルガン、アコーディオンなどをこれ又シンプルに演じ、彼女のヴォーカルを前面に押し上げるべく落ち着いた演奏を聴かせるのである。

(Tracklist)


Tracklist1


 今作もアコースティックなバツク演奏に支えられて気品あるアルバムに仕上がっている。
   M1."Prologue"と"M12.Eplogue"があってアルバム・トータルにリラックスした心に通う世界を心地よく聴かせる。
 M2."Secret Love"のように馴染みの曲も、完全にアカペラに近い雰囲気で物語をゆったり語るがごときケイト節で歌いあげて好感。
 M3."Climb Down"のようにKeith Ganzの味のあるギターで、優しさと叫びと歌うブルース調も聴かせ味わい深い。
 M5."Fair Weather"M10."She Always Will"は8分に迫る曲で、静かにアコースティックに演じられるピアノとギターそしてベースも美しく、物語を聞かせる如くのヴォーカルは見事。
 アルバム中盤から後半へのM7、M8、M9 も、落ち着いた世界をしっとりと歌い上げる。
 M11."Indian Summer"、 ピアノもギターもシンプルに静かな世界をしっとりと構築する。そして彼女のヴォーカルもそんな雰囲気を更に品良く歌ってくれる。
 こうした作品はジャズといっても一種独特の味があり、豪勢なリズムたっぷりの世界とは完全に異にする。そのため好き好みでは分かれるところにもあるとみる。一日を振り返って夜に一人で静かに物思いにふけり聴いているにはベストなアルバムである。
*
ケイト・マクギャリーKate McGarryは、1970年生まれ今年で49歳になる。アイルランド系米国人。米・マサチューセッツ州出身のジャズ・ヴォーカリスト。マサチューセッツ大学アマースト校へ進学、ジャズとアフロ・アメリカン・ミュージックの学位取得。卒業後は「ワン・オクロック・ジャンプ」のメンバーとして活動。その後ロサンゼルスへ移り、クラブで歌ったり、ハリウッドで映画やTVの仕事をもしている。
 92年に初アルバム『Easy To Love』(2016年に再発、VTL015)を発表。以後アルバム『Show Me』(2001)、『Mecy Streets』(2005)、『THE TARGET』(2007)、『Girls Talk』(2012)をリリース。2009年のアルバム『IF LESS IS MORE...Nothing is Everything 』はグラミーにノミネート。国内外のクラブやフェスのほかラジオへも出演、ニューイングランドやマンハッタンの音楽学校では教壇にも立つという。
(評価)
□ 曲・歌・演奏 :★★★★★☆
□ 録音      :★★★★☆
(視聴)

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