ニッキ・パロット

2023年2月25日 (土)

ニッキ・パロット Nicki Parrott 「Misty」

懐かしのスタンダード曲が目白押し
無難に往年のジャズ・ヴォーカルのヒット曲を歌い上げる

<Jazz>
 Nicki Parrott 「Misty - Here's To The Great Ladies of Jazz」
Venus Records / JPN / VHGD-10001 /2023

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Nicki Parrott(vocals,bass)
Dave Spicer(piano,organ,fender rhodes)
Paul Hudson(drums,cowbell)
Martha Baartz(tenor saxophone)
Todd Hardy(trumpet,flugelhorn)

2022年11月18,19,28,29日 オーストラリア録音
Engineered by Mark Smith
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Produced by Tetsuo Hara

 とにかく多作なニッキ・パロットの今年のまず新作はCDとSACDのHYBRID CDで登場。なんとビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウイルソン、ジュリー・ロンドンなど女性ジャズ・ヴォーカルのレジェンドたちの愛唱曲がずらっと並んで14曲。
 この新作はニッキの故郷オーストラリアで現地ジャズミュージシャンをバツクに彼女のベースと歌で録音されたもの。とにかく懐かしのスタンダードが目白押しで、彼女のオーソドックスな歌で楽しませてくれる。まぁ無難なところでこれと言って非はないが、特にバラード調の曲も結構多くて、その面では私的には文句のないところであった。

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01 がっちりローラ Whatever Lola Wants
02 ミスティ Misty
03 魅惑のとりこ Bewitched, Bothered And Bewildered
04 オールド・デビル・ムーン Old Devil Moon
05 ニアネス・オブ・ユー The Nearness Of You
06 デスティネイション・ムーン Destination Moon
07 グッド・モーニング・ハートエイク  Good Morrning Heartache
08 ガール・トーク Girl Talk
09 ビッグ・スペンダー Big Spendeer
10 ネバー・レット・ミー・ゴー Never Let Me Go
11 イッツ・ラブ It's Love
12 エブリシング・マスト・チェンジ Everythng Must Change
13 ヒアズ・トゥ・ライフ Here's To Life
14 アット・ラスト At Last"

 冒頭のM1."Whatever Lola Wants"は、ピアノ・トリオにサックス、トランペット入りで懐かしの曲を昔ながらのジャズ演奏スタイルで元気の良い演奏。エラ・フィッツジェラルドとかサラ・ヴォーンを思い出す。相変わらずのオーソドックスなパロットの歌が聴ける。
 M2."Misty" 私の好きなエロル・ガーナーの曲。サラ・ヴォーンとか、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラそしてジュリー・ロンドンの歌など有名だが、ここではかなり珍しく編曲とか演奏にもそれなりに力が入っている。歌も含めてこのアルバムでは聴きどころ。
   M3."Bewitched,Bothered And Bewildered"、これも古いですね、1941年の「奥様は魔女」ですね、ドリス・ディですね。ロッド・スチュワートとシェールのデュオ(2003年)で有名。パロットのベース演奏もしっとり聴かせてくれる。
 とにかくバラード調が良いですね。M5." The Nearness Of You"(あなたのそばに)は、戦前の曲ですね。そして1956年のエラ・フィツジェラルドとルイ・アームストロングのデュオが有名。M7.”Good Morrning Heartache"は、ビリー・ホリディー、ダイアナ・ロスあたりかなぁ・・・。まあ両曲変な特徴を主張しないでのしっとりとしたヴォーカルも良いです。
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 後半も、バラードものがやっぱり良いですね。ビル・エヴァンスも演奏しているM10."Never Let Me Go"(アイリン・クラールの歌)とか、そしてM13." Here's To Life"(シャリー・ホーンが歌った)での、このパロットの歌の印象が、ピアノ(Dave Spicer →)の音をバックにこのアルバムでは抜群に良いですね。
 そして最後のM14."At Last"は、エタ・ジェイムズの歌で広がった歴史だが、人生の一つのけじめなどにも多く歌われるものですね。

 ベースの弾き語りのニッキ・パロット、相変わらず素直な歌で印象が良い。日本で広く愛されるのもその点が大きいのだろうと思うが、全くその線は変わっておらず優等生版で、彼女のアルバムで特上の部類だった。

(評価)
□ 選曲・編曲・歌   88/100
□ 録音        88/100

(試聴) "Here's To Life"

 

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2021年9月10日 (金)

ニッキ・パロット Nicki Parrott 「Great 70's」

いつものヴォーカルであるが、ややしっとり感が入った

<Jazz>

Nicki Parrott 「Great 70's」
Venus Records / JPN / VHCD01291 / 2021

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ニッキ・パロット Nicki Parrott - vocals & bass
ジョン・ディ・マルティーノ John Di Martino - piano
デイブ・ブレンクホーン Dave Blenkhorn - acoustic & electric guitar
クエンティーン・バクスター Quentin Baxter - drums

Produced by Tetsuo Hara
Recorded at Trading 8's Studio in New York on December 28 &29, 2020.
Engineered by Chris Sulit
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix

 とにかく、Venus Recordsの看板となっているニッキ・パロットNicki Parrott (オーストラリア出身、1970年生れ)だが、後から後からこれでもかこれでもかとアルバムがリリースされてくる。この最近作を聴いてから時間が経ったが、ここに紹介しておく。ちょっとした高齢ジャズ・ファンに取り入ろうと言うことか、なんと70年代のヒット曲をジャンルを問わず取上げて彼女に歌ってもらっている。勿論彼女のベース演奏を伴ってのヴォーカル・アルバムだ。

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 所謂アルバム作成には、構想を練り一般的には充実した曲を仕上げるための努力や演奏、として録音、ミックスなどに工夫を入れて、まあ最短でも一年から一年半の間隔は必要なようなのだが、とにかく彼女のヴォーカル・アルバムは半年に一枚というハイ・ペースのリリース。ちょっとその点が心配しながら聴いているのである。Venus Recordsも、少々所謂作品作りという感覚をもう少し持っても良いのではと思うのだが。

(Tracklist)

C5a9b8a243e811dfb084001cc4c002e0image 1. 溢れる愛 / Lotta Love (N.Young)
2. うつろな愛 / You're So Vain (C.Simon)
3. ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロウ / Will You Still Love Me Tomorrow? (G.Goffin - C.King)
4. 僕の歌は君の歌 / Your Song (E.John - B.Taupin)
5. 愛ある別れ / If You Leave Me Now (P.Cetera)
6. マイ・ラブ / My Love (P.McCartney)
7. やさしく歌って / Killing Me Softly With His Song (C.Fox - N.Gimbel)
8. アローン・アゲイン / Alone Again Naturally (G.O'Sullivan)
9. イマジン / Imagine (J.Lennon)
10. 恋するチャック / Chuck E's In Love (R.Lee Jones)
11. 愛はきらめきの中に / How Deep Is Your Love (B.Gibb, R.Gibb, M.Gibb)
12. サンシャイン・オブ・マイ・ライフ / You Are The Sunshine Of My Life (S.Wonder)
13. 雨に微笑みを / Laughter In The Rain (N.Sedaka, P.Cody)
14. ウイ・アー・オール・アローン / We're All Alone (B.Scaggs)

   黄金の70年代ビルボード・グレイテスト・ヒットの名曲をベーシスト・ヴォーカリストとしてのニッキ・パロットが、自分流ジャズのパターンで展開している。
 先ずはニール・ヤングのM1."溢れる愛"のスタート、相変わらず"Mixed and Mastered by Tetsuo Hara, Venus Hper Magnum Sound Direct Mix Stereo"と言うことで、バックは基本的にはピアノ・トリオであるが音は例の如く派手である。しかし70年代ということか、意外に彼女の歌声はゆったりと、しかも語り聞かせるような落ち着いたところにある。エルトン・ジョンのM4."Your Song"がその典型、寧ろ抑制した発声でしっとり歌っている。
 M6."My Love"のポール・マッカートニーも、しっとりタイプ仕上げ、なかなかこのアルバムでは聴かせるところにある。二重録音かハモっているところもある。
   ただ、M8."Alone Again Naturally"のように、演奏も、歌も特別な工夫もなく、ただ歌っていると言ったところは、若干空しい。
 M9."Imagine"のジョン・レノンは、心が入っていて、このアルバムの中では出色の出来。このあたりはあっさり歌ってしまうと言うわけには行かなかったようだ。
 M12." You Are The Sunshine Of My Life "のスティーヴィー・ワンダーも、いやはやニッキ節で、変哲のない標準的なジャズに。
 M13."雨に微笑みを"のニール・セダカは懐かしいです。これも歌い語り聞かせるバラード調の仕上げ。

 まあ、ニッキ・パロットらしいと言えばらしいのだが、何時ものアルバムから大きな変化は特になく、70年代回顧版としてややしっとり感がでたアルバムと言うところであった。しかし私がそうであるように、このままだと・・なんとなく飽きられやしないだろうか。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌  80/100
□ 録音       80/100

(試聴)

 

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2019年9月 3日 (火)

キャロル・ウェルスマンCarol Welsman「This is Carol - Jass Beauties」

キャロル・ウェルスマンのピアノ弾き語りのマイルド・ヴォーカルと・・・
ニッキ・パロットのベースとのデュオをまじえて

511tjefn9jlw  ここで取り上げるのが少々遅くなったが、今年三月リリースのアルバムだ。我が美女狩りを得意とする友人から頂いていたアルバムで、2016年日本盤リリースの・・・・
『ディス・イズ・キャロルThis is Carol - ラヴ・ソング20』(MUZAK Fab./MZCF1340/2016)(→)がベスト・セラーとなり、それに続くキャロル・ウェルスマンのピアノ引き語りアルバム第二弾である。
 彼女はカナダのトロント生まれで、既に円熟期に入っていて、ここでも以前から何枚かの彼女のアルバムは取り上げてきた。

<Jazz>

Carol Welsman featuring Nicki Parrott 「This is Carol - Jazz Beauties」
MUZAK.Fab. / JPN / MZCF1385 / 2019

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キャロル・ウェルスマンCarol Welsman (ヴォーカル、ピアノ)
ゲスト:
ニッキ・パロット Nicki Parrott(ヴォーカル3/4/15、ベース1/3/4/6/8/15)
ラリー・クーンスLarry Koonse (ギター4/5/8)
録音:2018年11月/ロサンゼルス

 今回はベーシストに日本人気のニッキ・パロットを招いてピアノ、ベースのデュオ演奏にウェルスマンのヴォーカルを乗せている。それが又バックがシンプル演奏であり、その為アカペラに近いヴォーカルが手に取るように聴ける。又三曲ではパロットのヴォーカルも登場する。
 これは完全に日本人向けの日本盤アルバムで、とにかくポピュラーな曲がぞろぞろ出てくる。

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1. バードランドの子守唄
2. 慕情
3. アローン・トゥゲザー
4. サヴォイでストンプ
5. 酒とバラの日々
6. アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ
7. 時の過ぎ行くまま
8. イルカに乗った少年
9. 降っても晴れても
10. ラヴ・ミー・テンダー
11. バット・ノット・フォー・ミー
12. グッド・ライフ
13. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
14. 素敵なあなた
15. ドリーム

 とにかく人気、実力を兼ね備えたトップ・シンガー&ピアニスト、キャロル・ウェルスマン。彼女の落ち着いた温もりたっぷりのマイルドにして包み込むような歌声が好感である。又彼女のピアノは非常に丁寧に優しく弾かれ、そこにニッキ・パロットのベースが6曲でサポートする。まあとがった刺激の無い、しかし軽くなく重量感のあるところはさすがベテランだ。

 上のListのように、とにかくなじみ深いポピュラーなスタンダード曲を後から後から登場させる。そんなところからとにかく刺激無くゆったりと聴くことが出来る。
 M2."Love Is A Many Splendored Thing 慕情" こんな映画音楽も懐かしい。
   M4."Stompin' At The Savoy"は、ピアノとベースのデュオの上にウェルスマンとパロットのヴォーカルのデュオが乗って、又ギターも加わって楽しい曲に仕上がっている。
   M5."Days Of Wine And Roses 酒とバラの日々"この曲が、このアルバムではギターも入ってちょっと特徴があって、なかなかよい出来だったと言って良いのだろう。
 M8."Boy On A Dolphin イルカに乗った少年"もピアノの調べに乗って美しく歌い上げている。
 M10."Love Me Tender"、昔プレスリーでよく聴ききましたが、ウェルスマンもしっとり歌ってくれる。
 M13."Fly Me To The Moon" 結構一生懸命歌ってくれてます。
 M15."Dream" これを聴くと、パロットと一緒のヴォーカル・デュオが結構良くて、もう少しこのスタイルあってもよかったのかなぁーとも思うところだ(3曲だけだった)。

 とにかく毒の無い素直な丁寧な優しいそしてちょっと洒落ているヴォーカル・アルバムで万人向きというか、日本人向けのやさしいジャズ・アルバム。これは多分、日本からの要請で、彼女の気合いの入ったアルバム作りの中での息抜きみたいなものなんでしょうね。何かジャズを求めての芸術性みたいなところからは別物で、簡素と言えば簡素な曲作りだ。ときにはこうゆう気楽なアルバムも良いと言っておきたい。

(評価)

□ 選曲・演奏・歌  ★★★★☆
□ 録音       ★★★★☆

(試聴)

 

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2019年5月14日 (火)

ニッキ・パロットのニュー・アルバム Nicki Parrott 「from NEW York to PARIS」

ポピュラーな曲のオンパレード・・・・・味な編曲もあって楽しいアルバムに

NICKI PARROTT 「from NEW YORK to PARIS」
ARBORS RECORDS / USA / ARCD19466 / 2019

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  日本でもVenus Recordsから多くのアルバムをリリースして、ベーシストでもあり優しく親しみやすいヴォーカルで人気のニッキ・パロット(オーストラリア出身でニューヨークで活動)のニュー・アルバムの登場である。
 これはARBORS レコードからのリリースで、中身はニューヨークとパリにちなんだお馴染みの名曲集。実は私的には、彼女のアルバムはVenus Recordsものよりは、別のARBORSなどからのリリースものの方がジャズらしくて好きであったので、今回はさっそく手に入れたものである。

Members

 勿論バック演奏は、ベースとヴォーカルは彼女が担当し、上のようなメンバーでの小コンポ体制での味な編曲で、実に軽やかなお洒落な味のあるジャズ・アルバムに仕上げられている。
 彼女のヴォーカルは、やはりキュートなところはそのままに、甘く優しく万人向けの難しさのないところが魅力である。

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 収録は、上の通りの14曲で、いずれもよく聴いているという曲ばっかりだ。そしてなんといっても優雅で居心地のいいところが魅力。バック演奏も軽やかで重い雰囲気は一切ない。こうした軽妙なアルバムも時には気持ちが軽くなっていいですね。こうゆうのも音楽というものの醍醐味の一つですね。私は重く沈んだ哲学的なものとか、抒情性たっぷりのジャズものを好んで聴いているが・・・久々に春爛漫のアルバムに心を休ませています。
 とにかくニュー・アルバムが多い彼女であるが、中でもシャンソンなど徹底的に日本人も馴染んだ曲を、このようにちょっと味な編曲をしての真摯にして爽快なアルバムは実にピッタリなんですね。ニッキ・パロットも一流になりました。


(評価)
▢ 選曲、唄 ★★★★★☆
▢ 録音   ★★★★☆

(視聴)

 

[今日のMy Photo]  我が家の牡丹 2019.5

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2018年9月30日 (日)

ニッキ・パロットNicki Parrott 「Stompin' At The Savoy」

ニツキ・パロットの50年代ジャズ・ムードたっぷりの快作

エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングに捧ぐ!!
バイロン・ストリプリングをフィーチャリング

<Jazz>
Nicki Parrott 「Stompin' At The Savoy~tribute to Ella & Louis」
Venus Records / JPN / VHD-1238 / 2018

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ニッキ・パロット Nicki Parrott - vocals & bass
バイロン・ストリプリング Byron Stripling - trumpet & vocals
ジョン・ディ・マルティーノ John Di Martino - piano
アルヴィン・アトキンソン Alvin Atkinson - drums

 

Produced by Tetsuo Hara
Recorded at Trading 8's Studio in New York on February 19,20 & 21, 2018.
Engineered by Chris Sulit
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix Stereo
Artist Photos by Brian Wittman

  Venus Records から又々ニッキ・パロットの登場。今や完全に彼女は看板ジャズ・アーティストになりましたね。

Striplingbyron2w 今回は、”エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングに捧ぐ”と言う事で、まあ50年代ジャズを回顧している。それはトランペットをこなし渋いヴォーカルでルイ・アームストロングの再来とまで言われるバイロン・ストリプリングByron Stripling(1961-)(→) をフィーチャリングして、二人のデュエットとニッキ・パロット流の編曲によっり、トランペットも入って聴かすちょっと洒落たアルバムである。

(Tracklist)

1.イット・エイント・ネセサリリー・ソー
2.ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
3.誰も奪えぬこの思い
4.スイングしなけりゃ意味ないね
5.チーク・トゥ・チーク
6.いつもさよならを
7.私の小さな夢
8.サヴォイでストンプ
9.ミスター・パガニーニ
10.サマータイム
11.二人でお茶を
12.我が恋はここに
13.エヴィル・ガル・ブルース
14.ジス・タイム・ザ・ドリームス・オン・ミー


  実はこちらの方が先にリリースされたのだが(当初『Cheek to Cheek』というアルバム・タイトルだったと思うのだが)、前回紹介したダイアナ・クラールとトニー・ベネットのデュエット・アルバムと手法は同じである。こちらではパロットはベースも弾きながらの作品になっており、久しぶりにジャズらしいアルバムに仕上がっている。
 とにかくVenus Recordsは、パロット作品がそこそこに売れてくれるので、年に数枚のアルバムをリリースをするという離れ業を展開している。

 エラ・フィッツジェラルドElla Jane Fitzgerald(1917-1996)&ルイ・アームストロングLouis Armstrong(1901-1964)の共演が華咲いた50年代が、ジャズ界では一つの歴史ですね。それを回顧再現するという企画はおそらくジャズ・ヴォーカリストにとっては一つの願望なのかも知れない。
 
 まあとにかく聴き慣れた懐かしのジャズを十分楽しく展開してくれる。こうゆうのは肩ぐるしくなくリラックスして文句なく聴けるところが良いのですね。

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 M1."It Ain't Necessarily So "イントロからトランペットが歌いあげ、おもむろにパロットのスローにして情感のあるヴォーカル、そしてストリプリングのヴォーカルがムードを盛り上げる。こりゃなかなかいいじゃないかと冒頭から思わせる。このパターンはM2."Gee,Baby, Ain't I Good To You"も同様だが、パロットのベース、ストリプリングのトランペットの共演も聴きどころ。
 M5."Cheek To Cheek"は、このアルバムでは珍しくストリプリングのヴォーカルがリードして唄われる。まあこれといっての特徴は無くもっとも一般的な仕上げ。
 M6."Everytime We Say Goodbye"は、パロットの叙情的な歌いあげのスローバラード。
 M8."Stompin' At The Savoy"は、パロットのヴォーカルにストリプリングのトランペットが絡み、後半彼のヴォーカルも後押しするというスウィング感たっぷりの短い曲。
 しかしそれに続くM9."Mr.Paganini"はスロー・バラード調で、パロットのヴォーカルを中心に展開。後半はスウィングとスローが転調して交互に展開する。ここではストリプリングのヴォーカルは入らない。
 そしてM10."Summertime"はしっとりとしたトランペットと両者のヴォーカル。なかなか良い味を出している。
 M11."Tea for Two"はスロー仕立てでパロットのソロ・ヴォーカル。

 相変わらず、パロットの声は嫌みが無く素直で好感持てる。ストリプリングはルイ・アームストロングとまでは行かないが、それでも渋さはあるし、曲の中での彼のヴォーカル部分はそれ程多くなくパロットの支えに徹していて、これはこれで良いのではと思った。
 パロットの最近のアルバムの中では、これはJazzy not Jazz路線で無く、懐かしのジャズに徹していて、あまり細工無しの聴きやすいタイプで私はこの方がいいと思ったところだ。

(評価)
□ 歌・演奏 ★★★★☆
□ 録音   ★★★★☆

(参考視聴) 今回のアルバム関係の映像はまだ見られないので・・・

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2018年6月18日 (月)

なんとなく好きな曲(1) 「Cry Me A River」~歌姫の競演

 特別な意味は無いのだが、昔からなんとなく好きな曲(歌)があるもので・・・・そのうちの一つにもう60年前の曲で、今でも女性ジャズ・ヴォーカルのアルバムにはよく登場する「Cry Me A River」だ。

 この曲は、近年ロックの大御所にもなりつつあるジェフ・ベックもギター・ソロで演じたりと、登場は延々と今日に繋がっているのだ。そこで取り敢えず最近この曲を唄いあげた歌姫を聴き比べてみようと、手元にあったアルバムから取り出して並べてみたところ十数曲となった。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

Jl1 もともとこの曲は1955年にジュリー・ロンドンJulie London(1926-2000 (→))の歌唱で米国で大ヒットしたものだが、作曲・作詞者はアーサー・ハミルトンArther Hamilton(1926-)である。この曲も意外に難産で、当初は映画音楽(「皆殺しのトランペット」)として作曲されたのだが却下され、なんと映画企画者で監督・主演のJack Webbがこの曲を惜しんで、自分と離婚したばかりのジュリー・ロンドンに紹介したというのである。そしてジュリーは、ギターとウッド・ベースのデュオをバックに唄いあげてヒットとなったものだ。これによりB級女優であったジュリーは一躍歌手として脚光を浴びることになったというもの。

 私が昔初めて聴いた当時は、当然このジュリーの唄ったものだが、歌の歌詞の内容などは特に理解もせず気にもしないで聴いて気に入っていたのだが、一度は裏切りながら復縁を乞う恋人に向かって”いまさらもう遅い、川のように泣くがいい”といういやはや”恨み節”と言えるバラード曲なんですね。しかし究極はそう言いながらも受け入れる女心を臭わせるのが良いのかも。

  そして1956年には映画「女はそれを我慢できないThe Girl Can't Help It」にジュリーは特別出演してこの曲を登場させ、世界的ヒットとなった。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

そこで私が作製したCD(勿論、私のプライベイトのもの)

「CRY ME A RIVER」 selected by photofloyd

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1. Jeff Beck
2. Imelda May
3. Julie London
4. Nicki Parrott
5. Cheryl Bentyne
6. Diana Krall
7. Ilse Huizinga
8. Lyn Stanley
9. Hetty Kate
10. Barbora Mindrine
11. Alexis Cole
12. Halie Loren
13. Tierney Sutton

 

  どうですか、結構興味深いメンバーが集まりました。

Imeldamay_30 ”さあ、皆うまく歌えよ・・・・”と言う感じで、Jeff Beckの演奏からスタートさせた。そして歌姫トップは、ジェフとのコンビの私が言うところのあちらの美空ひばりImelda Mayの歌から始まる(実は美空ひばりもこの曲を日本語歌詞で歌っていますが、良い音源が手元に無し)。このイメルダはロックでもジャズでも何でもこなす、上手いです。そしておもむろにJulie Londonの登場、今聴いても情感の表し方は古くさくなくお見事。そして続いて今や花形のヴォーカリストを登場させるというパターン。いやはやそれぞれ皆個性ありますね。

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 Nicki Parrottは無難に唄っていますが、ちょっと情感が少ないかな。Cheryl Bentyneはバックのトランペットが効いてジャズっぽい。Diana Krallはやっぱり独特のクラール節。Ilse Huizingaはやや大人しいかなぁ、ちょっと既成のイメージとは違う。Lyn Stanleyはバックのサックスと共に大人ムード。Hetty Kateは情感抜きの異色派。Barbora Mindrineはバックこそ違ってもジュリー派。Alexis Coleは唄い聴かせる派。Halie Loren は小節を効かしての自分派。Tierney Suttonはまさに彼女の世界で歌い込む、別の曲かと思わせる。

 こうして並べて聴いていても、それぞれに個性があって飽きないところが味噌。従ってまだまだ多くの女性ヴォーカリストがこれからも聴かせてくれることが楽しみな曲である。

Cry Me A River
             (Arther Hamilton)

Now you say you're lonely
You cry the long night through
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you

Now you say you're sorry
For being so untrue
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you

You drove me, nearly drove me, out of my head
While you never shed a tear
Remember, I remember, all that you said
You told me love was too plebeian
Told me you were through with me and

Now you say you love me
Well, just to prove that you do
Come on and cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you
I cried a river over you
I cried a river...over you...

 今頃になって あなたは「淋しい」なんて言うのね
一晩中 涙に暮れながら
だったら たくさんお泣きなさい
川のように泣くといいわ(涙が川になるまで泣いてみせて)
私だって あなたの為に たくさん涙を流してきたんですもの

今さら 「すまない」なんて謝られてもね
自分がどんなに不実だったかを
だったら たくさんお泣きなさい
川のように泣くといいわ
私だって あなたの為に たくさん涙を流してきたんですもの

あなたが涙しなかった時も
私はどれほどあなたに夢中だったことか
忘れもしないわ あなたが私に言った事
恋なんて バカらしいとか
私とはもう終わっただとか

それなのに
今さら あなたは「愛してる」なんて言うのね
だったら それを証して見せて
川のように あふれる涙で
        (ネット上でみた日本語訳を拝借)



(視聴)

* Imelda May

* Diana Krall

* 美空ひばり

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2017年12月16日 (土)

ニッキ・パロットNicki Parrott 「Close To You」

Venus盤ですから・・・Jazzy not Jazzの世界

<Jazz>
Nicki Parrott 「Close To You~Burt Bacharach Song Book
Venus Records / JPN / VHCD-1222 / 2017

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ニッキ・パロット NICKI PARROTT (vocals & bass)
ジョン・ディ・マルティーノ JOHN DI MARTINO (piano)
ポール・メイヤーズ PAUL MEYERS (guitar)
ハリー・アレン HARRY ALLEN (tenor sax)
アルヴィン・アトキンソン ALVIN ATKINSON (drums)


Produced by Tetsuo Hara
Engineered by Chris Sulit
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara


Recording at Trading 8's Studio,New York on July 4,5&6,2017

 ニッキ・パロットの最新作。いやはや彼女のアルバムは、Arbos盤に加えてこのVenus Records盤があるため、後から後から登場して、ここではそれらを殆ど取りあげているので忙しいくらいである(前作『Dear Blossom』紹介は半年前)。
 実際のところ昨年2016年のアルバム『Yeaterday Once More~The Carpenters Song Book』(Venus)は、カーペンターズThe Carpentersのトリビュート・アルバムであったが、このアルバムのタイトル曲"Close To You"が登場しているといったところだ。
  とにかく女性ベーシストとしてそれなりの実績があるのだが、ヴォーカルも支持を得たため、Venusでは今や看板シンガーといったムードである。
 そして一連のVenus盤は、ジャズといっても一般受けを狙ってのポピュラーに近い体裁を施したモノで、彼女の演奏よりはやっぱりヴォーカルものに特化している。

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1. ウォーク・オン・バイ
2. アルフィー
3. 遥かなる影 Close To You
4. 雨にぬれても Raindrops Keep Fallin'On My Head
5. ウイッシン・アンド・ホーピン
6. ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム
7. 遠い天国 You'll Never Get To Heaven
8. 素晴らしき恋人たち Wives and Lovers
9. 幸せはパリで The April Fools
10. 僕はこんなに恋する心
11. 涙でさよなら Make It Easy On Yourself
12. サンホセへの道
13. 貴方に恋して This Girls In Love With You
14. 小さな願い I Say A Little Prayer
15. 世界は愛を求めている

  さて、今回のアルバムは、なんと1960年代の作曲家バート・バカラックの名曲をカヴァーしている。バカラックの曲は今や広くジャズ界でも多々カヴァーされていて、我々に極めて人間的なところを刺激してくれるのだが、このアルバムは全15曲バカラックのオンパレード。
 そしてジャジーなムードで、パロットはあの癖のない刺激のないそして極めて悪の少ないマイルドにしてソフトなヴォーカルを聴かせてくれるのである。と言うことは、逆にジャズ・アルバムとしては若干寂しいというか、ちょっと面白みに欠けると言うか・・・・そんな事にもなりかねい(それでも今回のアルバムは、”Jazzy not jazz”と言っても、決して”not jazz”ではなくて、やっぱり”Jazz”ではありますね)。
 しかしまああまり難しい事を言わずに、えらい多くを求めずにごく適当に聴くには快感の世界で、その意味でベストというところで納得する私なのである。

 余計な話かも知れないが・・・今年約半年前には、ニューアルバムのArbos盤の『Dear Blossom』(ARBO194532)を取りあげたが、あの方は、往年の米国ジャズ・シンガーBlossom Dearieのトリビュート盤で、結構本格的ジャズ・ヴォーカルの世界に踏み込もうという意志を感じながら聴かせてもらっている。しかしこちらのVenus盤はどちらかというとポピュラー系にも近い作曲家Burt Bacharach を取り上げているわけで、その両者の違いがArbos盤とVenus盤の違いみたいなものである。そしてその好みはこれ又それぞれであろうから、それを知って聴くと極めて楽しくなれるのである。多分まだまだこれからもニッキ・パロットはこの両者を使い分けてのアルバム造りに挑戦して行くのだろうと思うのだ。

(視聴) Nicki ParrottのJazz Live

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2017年6月12日 (月)

ニッキ・パロットNicki Parrottニュー・アルバム 「Dear Blossom」

Arborsレーベルからブロッサム・ディアリー・トリビュート集

<Jazz>
NICKI PARROTT 「Dear Blossom」
Arbors / U.S.A / ARBO194532 / 2017

Dearblossom

Nicki Parrott (vocal, bass)
Chris Grasso (piano except 4)
Chuck Redd (vibraphone on 1,2,5,6,10,11,12,14)
Lenny Robinson (drums except 4,13)

special guests:
Engelbert Wrobel (clarinet, tenor saxophone on 3,6,9,12)
Warren Vache (cornet on 4)
Vince Cherico (percussion on 1,5,14)

4862aa526dba47e3bc6250783ba2dabb  とにかく多作なニッキ・パロット、ArborsやVenusから年に数枚のニュー・アルバムが登場している。”お洒落なウッド・ベースを弾きながらのコケティッシュにしてウィスパー・ヴォイス”という代名詞も板に付いている彼女のこと、人気は当然で商業ベースからも評価が高い。
 今作はArborsレーベルの新作だが、ウィスパー・ヴォイスと言えば”その妖精”と言われた故ブロッサム・ディアリーBlossom Dearie(N.Y.生まれ、1924-2009)のトリビュート集だ。ふと思うに、ややコケティッシュというところでは、パロットはブロッサム・ディアリーと共通点もあるため、このトリビュートは成功確率は高いと踏む。

 近年Venusレーベルからのアルバムはどちらかというとジャズからポピュラーよりの仕上げが主流で来たため、このArborsの方はジャズ本流の作品として期待してしまうところである。(前作は昨年春のピアノ・トリオ作品「STRICTOLY CONFIDENTIAL」(Arbors ARCD19449))

 さて中身は勿論パロットのまろやかでコケティッシュ、ジャジーなお洒落なヴォーカルに、ビブラフォンの加わったカルテットのバックが主流で、それにトランペット名手ウォーレン・ヴァシェ(cornet)らをゲストに招き、更にクラリネット、パーカッションも時に加わっての軽妙なる小コンボ編成。

Np1(Tracklist)
1. I Wish You Love
2. Everything I've Got Belongs To You
3. I Walk A Little Easier
4. Peel Me A Grape
5. Inside A Silent Tear
6. Devil And The Deep Blue Sea
7. Dear Blossom
8. I'm Hip
9. Tout Doucement
10. Try Your Wings
11. Surrey With The Fringe On Top
12. Rhode Island Is Famous For You
13. It Amazes Me
14. It Might As Well Be Spring

 いつも思うのですが、ニッキ・パロットって力みが無くて良いですね。もともとベーシストが本職でしたから、こんなヴォーカル・スタイルになるんでしょうね。彼女は1970年オーストラリアのニューキャッスル生まれ、1994年よりニューヨーク在住ということで、今年で40歳も後半に入るところで最も充実している時ですかね。それにしても今作、相変わらず何となくキュートと言うか、乙女チックと言うか、その辺りは意外にしつこくなくてソフトでさらっとしている。そんな彼女のヴォーカル・ムードは拒否派もあまり居ないのではと思っている。
 今回のこのArbors盤は、バックも充実していて、その割には出しゃばってこないため、彼女のヴォーカルも浮き出てきてやはりなかなか仕上げも上手い。そしてソフトなジャズのムードもしっかり醸し出していて洒落た爽やかな良盤ですね。

(視聴)

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2016年6月29日 (水)

又々ニッキ・パロットNicki Parrottのニユー・アルバム 「Yesterday Once More 」

カーペンターズをJazzyに・・・・・・・

 Venus Recordsは、とにかくニッキ・パロットはがんがん出しますね。今や看板ミュージシャンって感じですな。今度はあのカレンKaren Carpenterのカーペンターズのトリビュートです。(これは我が友人お勧めのこの初夏美女狩り第一号)
 パロットに言わせると”私はいつもカーペンターズの音楽が好きだったし、カレンの歌声を愛している。彼らの曲の数々は時代を超えていると思う。だから私も歌ってゆきたいの・・・・・・”と言うことらしい。

<Jazzy not Jazz>
Nicki Parrott 「Yesterday Once More - The Carpenters Song Book
VENUS RECORDS / JPN / VHCD-1204 / 2016

Cap
ニッキ・パロット Nicki Parrott (vocals & bass)
ジョン・ディ・マルティーノ John Di Martino (piano)
ケン・ペプロフスキー Ken Peplowski (tenor sax, clarinet)
フランク・ヴィニョラ Frank Vignola (guitar)
アルビン・アトキンソン Alvin Atkinson (drums)

Produced by Tetsuo Hara & Co-Produced by Ken Peplowski
Recorded at Trading 8's Studio in New York on February 23,24 & 25,2016.
Engineered by Isaiah Abolin
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix Stereo
Artist Photos by Brian Wittman

 (Tracklist)
1.雨の日と月曜日は Rainy Days And Mondays (R.Nichols, P.Williams)
2.恋よさようなら I'll Never Fall In Love Again (B.Bacharach, H.David)
3.見つめあう恋 There's A Kind Of Hush (L.Reed, G.Stephens)
4.愛のプレリュード We've Only Just Begun (R.Nichols, P.Williams)
5.プリーズ・ミスター・ポストマン Please Mr Postman (Holland, Garrett, Gorman, Dobbins, Bateman)
6.愛は夢の中に I Won't Last A Day Without You (R.Nichols, P.Williams)
7.シング Sing (J.Raposo)
8.ふたりの誓い For All We Know (F.Karlin, R.Royer, J.Griffin)
9.涙の乗車券 Ticket To Ride (J.Lennon, P.McCartney)
10.トップ・オブ・ザ・ワールド Top Of The World (R.Carpenters, J.Bettis)
11.It's Going To Take Some Time (C.King, T.Stern)
12.レインボー・コネクションThe Rainbow Connection (P.Williams, K.Ascher)
13.イエスタディ・ワンス・モア Yesterday Once More (R.Carpenters, J.Bettis)
14.遥かなる影 Close To You (B.Bacharach, H.David)

Np7 やはりニッキ・パロットもVenus Recordsアルバムとなると、先般紹介したJazz路線のARBORS RECORDS盤「STRICTLY CONFIDENTIAL」)と異なって、一般向けのJazzy not Jazz路線ですね。まあそんなところで、彼女のヴォーカルを楽しむにはそれはそれで良いと言うことにしましょう。

 ところでVenus盤の方の前アルバムは、「Sentimental Journey 」 で、古き良き時代のドリス・デイが対象でしたが、今アルバムは、なんとあのカーペンターズですから、彼女にとっても手強い相手です。特に全世界に愛されたカレンの歌声は誰の頭にもこびり付いているわけで、そしてそのイメージに対抗しての説得力のある歌い込みが出来るかどうか?、そんなところはなかなか一筋縄にはゆきません。ちょっと相手が悪かったのでは無いだろうか?。案の定、やはりカレンの清楚にしてしっとりとした世界にはとても及ばなかった。
 それでも思いの外、パロットも善戦、それは単なる二番煎じ路線で無く、彼女の特徴である嫌みの無いさらっとしたJazzyな世界に連れ込んだというところが一つの作戦で、取り敢えず今回も成功したと言って良いでしょうな。しかし残念ながら「Sentimental Journey 」には一歩及んでいませんね。

 更に前作のARBORS RECORDS盤の「STRICTLY CONFIDENTIAL」のようなジャズ・アルバムを期待すると張り合いが無くなるので、先ずはそれを忘れて彼女のヴォーカル・アルバムとして聴いていくことですね。しかしVenus Recordsは完全にこういった線に彼女を位置づけてしまってますね。
 
(参考視聴) このアルバム関係は見当たりませんので・・・

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2016年5月20日 (金)

ニッキ・パロットNicki Parott のベースでピアノ・トリオ・アルバム「STRICTLY CONFIDENTIAL」

スマートな洒落た世界は一級品

    <Jazz>
 Rossano Sportiello, Nicki Parott, Eddie Mrtz
       「STRICTLY CONFIDENTIAL」
         ARBORS RECORDS / USA / ARCD19449 / 2016

Strictlyconfidential_2

Rossano Sportiello(piano)
Nicki Parrott(bass,vocal)
Eddie Metz(drums)

Recorded on Oct. 5 and 6,2015 at Avatar Studios, N.Y.

(Tracklist)
1. Strictly Confidential
2. Sunset And The Mockingbird
3. John Hardy's Wife
4. What A Difference A Day Made *
5. Hallelujah, I Love Him So *
6. Misty
7. A Brush With Bunji
8. She
9. Shoe Shine Boy
10. What Are You Doing The Rest Of Your Life *
11. Pure Imagination
12. Sunny Morning
13. Close To You *
14. Shiny Stockings
15. How Beautiful Is Night
       
(*印4曲 Nicki のヴォーカルが入る)

  Venus Recordsからニッキ・パロットのヴォーカル・アルバムが立て続けに出てますが、これはそれとは違ってARBORS RECORDSからの彼女のアルバム。
 このレーベルからは、既に彼女のベース・プレイをフューチャーしたアルバム「Live At The Jazz Corner」(2012)や「It's A Good Day」 (2013)のピアノ・トリオものを楽しんで来た。
 これらはロッサノ・スポルティエッロ(Piano)、ニッキ・パロット(Bass,Vocal)、エディ・メッツ(Drums)のスウィング・ジャズを演ずるトリオによるもので、今回取りあげたのは、このメンバーによるニュー・アルバムである。

Trio1w
 そしてこのレーベルからは、その他過去にニッキ・パロット(B, V)とロッサノ・スポルティエッロ(P)のデュオ盤として「Peaple Will Say We're in Love」(2007)、「Do It Again」(2009)の2アルバム、又更にBecky Kilgre & Nicki ParrottTwo Songbirds of a Feather」2015)というダブル女性ヴォーカルのアルバムもあった。
 これらはベーシストとしてのニッキ・パロットが楽しめるところと、懐かしのスウィング・ジャズを肩の凝らないパターンで楽しませてくれるのだ。

1001810_10 さて、今回のニュー・アルバムだが、冒頭からアルバム・タイトルのM1.” Strictly Confidential ”が、軽快なタッチの肩の凝らないスウィング・トリオ・ジャズが展開。特にロッサノ・スポルティエッロの転がるようなピアノ・タッチが快感。
 M2.”Sunset And The Mockingbird” スローな展開であるが、ピアノは流れるような展開で、ちょっと懐かしき時代を思い起こさせる。
 M3.”John Hardy's Wife” は、ブラッシングによるリズムに、やはり軽快にピアノとベースが交互に展開して楽しい。
 そして突如M4.”What A Difference A Day Made ”には、ニッキ・パロットの優しいヴォーカルが登場して気分一新。
  その流れに、私の好きなM6. ”Misty ”が登場すると、もうたまりませんね。良い気分です。
 M7. ”A Brush With Bunji ”は、歌うベースという感じでニッキのプレイを楽しめる。
 又M10. ”What Are You Doing The Rest Of Your Life”は、情感たっぷりのニッキのヴォーカルが迫ってくる。

 まあこんな感じのエレガントと言うに相応しいスマートにして軽快、時にしっとりした気分を持たせる演奏に、聴く者に心地よさを感じさせるご機嫌なアルバムなんですね。
 アルバムを通して、ニッキ・パロットの全編ヴォーカルというのでないところが、又逆に彼女の嫌みの無いヴォーカルを引き立てる結果となり、これは成功の一枚とと言って良いだろう。とにかく重くないところが気が休まるし、美しく洒落た世界に引き込まれるアルバムだ。

(視聴)

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