キース・ジャレット

2015年5月19日 (火)

キース・ジャレットKeith Jarrett 久々のピアノ・ソロ新録音盤「CREATION」

東京、トロント、パリ、ローマのインプロヴィゼイション・ソロ・アルバム

<Jazz>

         KEITH JARRETT 「CREATION」
      ECM Records / Germany / ECM 2450 4721225 / 2015

Creation

         Recorded April,May,June and July 2014
             Keith Jarrett : Piano

 キース・ジャレットの新アルバムだが、久々の最新録音もの。それも日本、カナダ、フランス、イタリアにおける昨年(2014年)のソロもの。これだけ早く出るのも珍しいですね。キースはなかなかアルバムとしてリリースするに即OKというタイプでないのだが、近頃ブートも出回る世の中、若干意識しての早々のリリースか?。まあそれはそれとして本人のプロデュースという事にもなっているので、演奏内容にも納得していると言うことでしょう。ただし今回の世界公演で、ニュー・ヨーク、モントリオール、ベニスが入ってませんね。

Creationlist

 内容は上の通り(クリック拡大)。四都市5会場の演奏を9っに纏められているが、一工夫しての配列であろう。
 アルバム・タイトルは、 「CREATION」というところで、インプロヴィゼイション・ピアノ・ソロであるので、単なる「創作」という意味なのか、それとも「天地創造」とか「万物・宇宙」をイメージしてのタイトルか、近年のキースのあの慢性疲労症候群からの再起後は、なにか人生の感謝とか一つの達観したしたイメージを訴えてきて、昔のような危機感、不安感といったところとはあまり感じられない。多分このアルバムの収録曲のイメージも人生の納得した世界観を描いているように思えてならない。

Kj2 トップのトロントものは、非常に思索的な曲、そして彼の特徴の唸りというかここでは歌うと言ったほうがよい声が入る(この声の入るのは、私はあまり好きではない)が、難解というイメージはない。
 続く東京Kioi Hallは静かな優しさに包まれた世界で、PartⅤとともに美しいメロディーが演奏される。
そしてパリも静かな世界だ。
 若干ではあるが人間の懐疑的な世界という印象の描くところでは、ローマのPartⅦ、Ⅷにそんなところが感じられる。
 とにかく近年のキースは非常に取っつきやすい曲を演じてくれて、特にこのアルバムに収録されたものは、アバンギャルドな攻撃的なものではなく、又危機感とか不安感とかを主体としたものでない。どちらかというと静かな美しい世界であって、最終的には安堵感とも言える世界に連れて行ってくれる。
 人生を達観した姿が感じられるキースであった。

(試聴)

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2013年6月 9日 (日)

キース・ジャレット・トリオ Keith Jarrett Trio :ニュー・アルバム 「Somewhere」

2009年録音もので健在ぶりを披露~それが又好評です

 そういえば、キース・ジャレットの前アルバムは、ソロの「RIO」でしたね(参考①)。あれは2011年録音・同年リリースもので、彼の慢性疲労症候群という難病を克服してのもう心配ない健在ぶりを十分堪能させてもらったわけだが、その2年前のトリオものがここに来てリリースされたということになる。・・・と、言うことはその「RIO」の前にリリースされたやはりソロ・アルバムの「Testament」が2008年録音であったので(参考②)、丁度その間の録音と言うことになる。つまこのトリオもののリリースは、2011年「RIO」発表時にも既に練られていると言われておりここに来てお披露目となった。

<JAZZ> Keith Jarrett  Gary Peacock  Jack DeJohnette 「Somewhere」
               ECM Records   ECM 2200 B0018362-02  ,  2013

Somewhere

 ECM らしいジャケであるが、若干キース・ジャレットのムードとしては少し違う感もあるが、まあそれはそれ結構でありますが、このアルバムはどうも巷で非常に評判が良い。
 先日も”最後の伝統のトリオ公演”と言う話で日本公演を果たしたわけであるが、考えてみるとこのスタンターズ・トリオと言われる1983年以来のこのトリオもののリリースも、録音日でいうと久しぶりのものになる。

 なんと言ってもベースのゲイリー・ピーコックは、キース(68歳)より10歳年上になるので、今年78歳になる。しかし彼はこのトリオのスタートから重要な役を果たしてきた。このトリオの性質を決めてきたキーであることも知っておかねばならない。そうであるからこそ、寄る年波は、そのあたりはやっぱり厳しいのだろうなぁ~~と思うところ。さてさてそんな30年キャリアのこのトリオの演奏はどうだったのかといろいろと考えながら聴いたというのが今回のこのアルバムだ。

Somewheremembers


(tracklist)
1. Deep space ~ Solar
2. Stars fell on Alabama
3. Between the Devil and the deep blue sea
4. Spmewhere ~ Everywhere
5. Tonight
6. I thought about you

 このアルバムはスイスのKKL Luzem Concert Hall でのライブものであるが、なかなかの好録音で、是非ともハイレゾ音源で聴きたいところである。
 そして選曲はいろいろなピアニストが取り上げているものであるが、バーンスタインの”Tonight”以外は若干渋めの曲である。
Trioa


 ”I thought about You”は、前回取り上げたイリアーヌ・イリアスのニュー・アルバムのアルバム・タイトル曲であり、彼女の場合は冒頭のスタート曲として気持ちが高ぶるような意気揚々とした曲に仕上げているが、キースの場合はアルバム・エンディング曲としてかなりムーディーに気持ちが安まる曲になっていて、この両者の違いが面白い。
 このアルバムは既に多くの好評を得ている。オープニングもキースのインブロビゼイションのソロ・ピアノ演奏の”Deep space”でスタートして気持ちを次第に引き込んでゆくが如くに展開し、そして”Solar”に入ってゆくところがにくいところ。多分このあたりでファンはもう参ってしまうのである。もともと私はキースの場合、オリジナルものやインプロビゼイションの方が好みであるので、当然こうした演奏は大歓迎である。
 ”Stars fell on Alabana”は、キースのピアノ・ソロとゲイリーのベース・ソロを織り込んでの曲構成で美しさと心に響く一つ一つの音を大切にした世界を作り上げている。
 ”Somewhere”も、このトリオはしっかり自分たちの歴史を噛みしめるが如くに説得力のある流れを醸しだし、彼等のオリジナル曲”Everywhere”と流れ、このアルバムの核をなす20分に及ぼうとする曲となっている。

 しかし考えてみれば、このトリオ・メンバーの歳を考えると、この充実ぶりは恐ろしさすら感ずるのである。録音日からみると前アルバムは「Up for It」だと思うが、あれは2002年の録音であったから、それから7年の間があるわけだ。しかしこうした充実した演奏が展開されたことに万歳をしたいところである。
 今回は、かなり彼等のトリオものとしてはしっかり練ってのニュー・アルバムであったことは、世界各地での多くのコンサートの中でもやっぱりこの日の出來は出色であったのであろう、アルバムとしての曲の配列を含めてのまとめも見事であった。

 さてさて最後に一言、このアルバム、いやに巷にて好評なんですが・・・・、しかし思い起こせば、私が彼の演奏を眼前で観てジャズ・ピアノの魅力を思い知らされたのは1984年、又このトリオとしての私の感動はアルバム「CHANGES」、「CHANGELESS」にあったのだが(既にこれは30年前の話になる)、今でもそちらの方により強い私の心や感動があることには変わりは無いのです。( 参考③)

(参考) ①  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/keith-jarrett-r.html 
      ②  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/keith-jarrettte.html
       ③ http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-7.html

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=XYJDGhur4AM

         [PHOTO   今日の一枚]

Dsc_0795blog
(NIKON D800   AF-S NIKKOR 50mm 1:1.4G)

 

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2012年2月21日 (火)

雪の日の幻想 -6-  Keith Jarrett 「BELONGING」

雪の日の幻想 H  ( NIKON D700 + Remodeled Lens )

Dsc_2562mono

<今日の一枚 jazz>

Belonging 「jan garbarek  keith jarrett  palle danielsson  jon christensen  /  BELONGING」 ECM Records  ECM 1050 78118-21050-2 ,  1974

 キースのヨーロピアン・カルテット作品。ヤン・ガルバレクのサックスとキースのピアノとの絡みというか、協調というか、そのあたりが聴きどころ。クリステンセンのドラムスは妙に重くなくこのカルテットとしての役どころを考えてのことか。
 私としては2.4.6の3曲は、どちらかというとスローなテンポの作品で好みです。特に”solstice”は、ガルバレクのソプラノ・サックスが頑張って歌い上げるが、キースのピアノが美しい。そのピアノをベース(ダニエルソン)は絶妙なサポートを演ずる。

   1. spiral dance
   2. blossom
   3. 'long as you know you're living yours
   4. belonging
   5. the windup
   6. solstice

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2012年2月13日 (月)

雪の日の幻想 -5-  Keith Jarrett 「EYES OF THE HEART」

雪の日の幻想 G  ( Olympus E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm )

P2061023web3

<今日の一枚 jazz>

Eyesoftheheart_2 「KEITH JARRETT / EYES OF THE HEART」 ECM Records ECM-1150  78118-21150-2 ,  1979

 1976年5月オーストリア、ブレゲンツのコルンマクルト劇場での”アメリカン・カルテット”の最後のアルバム(ライブ)。
 ライブものにも係わらず非常に繊細な流れがヘイデンとキースの掛け合いに感ずる。”eyes of the heart p.1&p.2”には彼らでなければないような作品だとも言える。
 カルテットによるインプロヴィゼイションの難しさも浮き彫りになったアルバムとも言われているが・・・・。
 ”encore(a-b-c)”は荒々しさを奏でつつ、最後にキースの静かなソロで纏め上げてこのカルテットに終止符を打ったのだ。

   keith jarrett : piano, soprano sax, osi drum, tambourine
   dewey redman : tenor sax, tambourine, maracas
   charlie haden : bass
   paul motian : drums, percussion

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2012年2月12日 (日)

雪の日の幻想 -4-  Keith Jarrett 「Dark Intervals」

雪の日の幻想 F  ( Olympus E-P3 + M.Zuiko Digital 40-150mm )

P2061020web

<今日の一枚  jazz

Darkintervals 「Keith Jarrett / Dark Intervals」 ECM Records  ECM 1379  78118-21379-2  ,  1988   (1987録音)

 1987年東京サントリー・ホールでのソロ・ライブ。オープニングの曲”opening”は暗闇の世界を感じさせる重々しさ。しかし次第に小品を繋げて展望の見える世界に導く。
 日本に於ける録音も良くやはり貴重な作品である。彼のソロ・アルバムでも私にとっては最右翼にある。
  (いつも思うのだが、曲間の拍手は消して欲しい。全曲をトータルに聴いて初めて彼の世界を知り得るので・・・・・・)
  1. opening
  2. hymn
  3. americana
  4. entrance
  5. parallels
  6. fire dance
  7. ritual prayer
  8. recitative

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2012年2月10日 (金)

雪の日の幻想 -3-  Kieth Jarrett「PERSONAL MOUNTAINS」

雪の日の幻想 E  by Olympus E-P3 + M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm

P2061019web

<今日の一枚 jazz>

Personalmaountains 「Keith Jarrett / PERSONAL MOUNTAINS」 ECM Records  ECM1382 78118-21382-2 , 1989 (1979録音)

 1979年の日本ライブ(中野サンプラザ)。ヨーロピアン・カルテットの最後のアルバム。こうした美しさはそう聴けるものではない。心に訴えてくるというのはこうゆうアルバムを言うと言っても良い。これがなんと録音してから10年以上没になっていたというから不思議なところ。私の愛聴盤。

   keith jarrett : piano, percussion
   jan garbarek : tenor & soprano saxophones
   palle danielsson : bass
   jon christensen : drums

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2012年2月 3日 (金)

雪の日の幻想 -2- Keith Jarrett「MYSTERIES」

雪の日の幻想 C    by Nikon D700 + Remodeled Lens

Dsc_2513mono

                                   *     *     *     *     *

雪の日の幻想 D    by Nikon D700 + Remodeled Lens

Dsc_2515mono

<今日の一枚  jazz>

Mysteries 「KEITH JARRETT / 秘蹟 MYSTERIES」 (1975.12.10&11 録音)IMPULSE  UCCI-9053 

 これも、キース・ジャレットのアメリカン・カルテットの作品。確かにキースのアルバムで、ここまでサックスの演奏が大きな役割を持ったのはこのカルテット時代であろう。ここでもデュース・デットマンの貢献は大きいし、チャーリー・ヘイデンのベースもこの不思議な世界を描いている。
 ここではキースは、ピアノ以外にフルート、ウッド・ドラムス、パーカッションなどのプレイを曲作りの中で披露している。
   1. rotation
   2. everything that lives laments
   3. flame
   4. mysteries

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2012年2月 2日 (木)

雪の日の幻想 -1- Keith Jarrett「DEATH AND THE FLOWER」

雪の日の幻想 A    by Nikon D700 + Remodeled Lens

Dsc_2484mono

                              *      *     *     *     *

雪の日の幻想 B      by Nikon D700 + Remodeled Lens 

Dsc_2494mono

<今日の一枚  jazz >

Deathandtheflower_2 「Keith Jarrett  DEATH AND THE FLOWER 生と死の幻想」 impulse 32XD603 , 1974年作品

 このアルバムなくしてキース・ジャレットの関わりはなかったと言いたくなるほどの私にとっては重要なアルバムだ。ヘイデンのベースが関わっているアメリカン・カルテット(1971~77)の作品として、又 キースのマルチ・プレイヤーとして、更に彼のインプロヴィセーションの世界として、そして彼が描く世界観として、全てが凝縮したアルバムである。
   1. death and the flower
   2. prayer
   3. great bird

(当ブログ 「キース・ジャレットの世界(3)」2010.6.14 参照)
 

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2011年12月10日 (土)

キース・ジャレット Keith Jarrett の世界(10): ニュー・ソロ・アルバム「RIO」

既に、人生への感謝さえ感じられる演奏は逸品

Rio 「Keith Jarrett / RIO」 ECM Records ECM-2198/99 ,  2011
Recorded live April 9,2011 at Theatro Municipal.Rio de Janeuro

 久々というか、おやもう出たというのか、キース・ジャレットのニュー・ソロ・ライブ・アルバムが登場している。
 前アルバム「Testament(2009)以来、2年ぶりであるが、あのアルバムのキースの本格的復活劇は感動であった。その内容は今考えてみると彼の人生の大きな転機での世界観であったと想像される。つまり彼の難病からの立ち上がりと同時に、妻との別れという哀しい事件との両方が交錯するバック・グラウンドを背にしての作品であったことから、何故か彼の人生の総括と言った優しさの中にも重きの感じられるアルバムであった。
 そんな流れの中で、今回決して暗さのイメージのないブラジルのリオデジャネイロにおけるソロ・ライブのリリースだ。

 やはりここに聴ける世界は、キースの感覚から生まれる即興の味わいと、彼の完全復活と共に彼の音楽に対しての挑戦から完成期に入っている姿が想像できる。考えてみれば、キースのソロの歴史も40年になる。
Riojarrett  そして今回のアルバムは何とCD2枚組の全15曲という、彼にしてみれば小品集である。そして全体的にみると、聴衆に答える演奏の姿が感じられる。それは実はかってのキースの姿とは異なる。つまり昔の彼は聴衆よりは自分の世界にピアノ演奏を介して没頭し、そして訴えるパターンであったが、ここにみるキースの演奏は聴かせることの意義に包まれている。
 なんといってもまずは聴きやすい、そして美しいに尽きる。又、聴いてゆく中では、何故か不安感、危機意識といよりは自然に包まれた安堵感が広く漂っている。
 何時も賛否両論のあるキースのうなり声もいつもよりは少ないが、そこには苦しそうな印象はない。むしろ後半においては楽しそうにも聴ける。
 全体の流れからは、前半はやや前衛的な難曲のイメージと重さが若干顔を出すが、後半は彼の今の達観した世界なのか、むしろ明るい世界に導いてくれる。即興のなすわざとして、今のキースがこの曲のイメージであるのだろう。

Photo2011  どうも今回のこのアルバムのリリースは予定よりは早く出されたようだ。それはキース自身が非常に気に入ったと言うことからの結果らしい。かってその年の演奏が即アルバムとしてリリースされるということは殆どない。そもそもは来年リリース予定のGary Peacock と De Johnetteとのトリオが目下熟成されているようだが、予定と反してそれよりも先になったらしい。
 いずれにしてもこのようなキース・ジャレットのソロが聴けることは、長年聴いてきた私のような者にとっては、非常に嬉しいことである。
 

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2011年7月14日 (木)

チャーリー・ヘイデンCharlie Haden QUARTET WEST : ニュー・アルバム「Sophisticated Ladies」

オーソドックスで楽しく聴けるジャズ~6人の女性ヴォーカリストをフィチャー

Charllieh3  ベース奏者のチャーリー・ヘイデンというと、どうしても私の接し方はキース・ジャレットの世界からである。近作は「JASMINE」 (このプログにて、2010.6.4”静かなる安堵感:キース・ジャレット「JASMINE」”参照http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-j.html)で、彼とキースの30年ぶりの共演、キースの誕生日に合わせてのリリースとその内容に二人の関係が如何に人間的であったかを窺い知らされた。
 一方、キースとの歴史を鑑みると、やっぱりアメリカン・カルテットであろう。その中では私にとって強烈な印象のアルバム「DEATH AND THE FLOWER 生と死の幻想」(当プロク2010.6.14”キース・ジャレットの世界(3)孤独と生と死”参照http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-1.html)とか「The Survivors' Suite 残もう」のアルバムを思い出す。これらはベーシストのチャーリーのフリーな、コンテンポラリー・ジャズ感覚がなかったら出来なかったとも思われるキースの名盤だ。もう20-30年前のことであった。

Sophisticatedladies さて、ここに登場するチャーリー・ヘイデンのニュー・アルバム。
「CHARLIE HADEN QUARTET WEST / SOPHISTICATED LADIES」 UNIV.MUSIC UCCM-1191 ,  2011

  これは彼の1986年に結成されたカリフォルニアを基盤としたカルテットによるものだ。
 今回は11年ぶりに新ドラマーを迎えてのそのカルテット・ウェストで、なんと6人の女性をフィチャーしての12曲(うち6曲に女性ヴォーカルを登場させている)を聴かせてくれる。 
 その6人の女性は、アルバム・タイトルどおりの”Sophisticated Ladies (洗練された女性といっていいのか)”のメロディ・ガルドーMelody Gardot, ノラ・ジョーンズNorah Jones, カサンドラ・ウィルソンCassandra Wilson, ルース・キャメロンRuth Cameron, ルネ・フレミング Runee Fleming, ダイアナ・クラールDiana Krall (登場順)だ。
 私がこのアルバムに接したのは、私がメロディ・ガルドーのファンであることを知っている友人からの紹介だった。それぞれの女性シンガーは一曲のみの登場で、少々残念なのであるが、それでも昨年の彼女らの現状報告みたいなもので、そんな感覚でこのアルバムを聴いたわけである。

(members)
   charlie haden : double-b
   emie watts : ts
   alan broadbent : p,cond
   rodney green : ds

Melodygb  1曲目”if i'm lucky”からメロディ・ガルドーが登場。この演奏にはカルテットの演奏に加えてストリングス・オーケストラもバックに登場し、意外にクラシカルな印象のジャズに仕上がっている。ガルドーが優しく歌うが、彼女の特徴のちょっとした遊びがすくないかなぁ~という印象で、彼女自身のアルバム曲とは趣が異なる。
 このアルバムのカルテット・ウェストの演奏は、かなりオーソドックスなアコースティック・ジャズで肩が凝らずに聴けるところは73歳になるチャーリー・ヘイデンのなせる技か?。
 3曲目”ill wind”を唄うノラ・ジョーンズはいつもの彼女のパターン。続く”today i am a man”のカルテットの演奏は、それぞれの持ち味を出して楽しんでいるかのようだ。
 5曲目のカサンドラ・ウィルソンの唄う”my love and i”は、ゆったりと聴くものの気持ちを静めてくれ、特にチャーリーのベースが楽しめる。
 6曲目の”theme from "markham"”の彼らの演奏は私好み。チャーリーの妻のルース・キャメロンの”let's call it a day”とルネ・フレミングの”a love like this”はなかなか説得力がある。
Diana_krall  ダイアナ・クラールの”goodbye”は、彼女の語るような歌の低音も生きていい仕上がりだ。エルビス・コステロ夫人の彼女は目下育児に奮戦中のようだが・・・。

 このアメバムはスタンダード曲を、6人の女性シンガーをフィーチャーして色づけしつつ、カルテット・ウェストのどちらかというとオーソドックスな演奏集である。そんな意味では聴いていて休まる世界でもある。彼女らに2曲づつ歌わせてもよかったかなぁ~~とも思うが、まあこんなところがいいところなのかもしれない。
 いずれにしても、誰が聴いてもいいJAZZアルバムといったところだ。(ちょっと余談だが・・・もう少し洒落たジャケ・デザインにしてほしかったとは思うが)

(試聴)

 

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