ダイアナ・パントン

2015年9月30日 (水)

これは聴くべき! ダイアナ・パントンDiana Pantonのニュー・アルバム 「わたしの小さな願い~I Believe in Little Things」

不思議な気分にさせるアルバム~ここまで来ると本物だ!

<Jazz>

Diana Panton 「わたしの小さな願い~I Believe in Little Things」
  MUZAK / JPN / MZCF-1320 / 2015

I_believe
     Diana Panton ダイアナ・パントン(vocal)
     Don Thompson ドン・トンプソン(bass,piano,vibraphone)
     Reg Schwager レグ・シュワガー(guitar)
     Coenraad Bloemendal コンラート・ブロエメンタール(cello)



 カナダの人気女性歌手のダイアナ・パントン(カナダのオンタリオ州ハミルトン生まれ)の、スタジオ・アルバムとして2年ぶりの新作だ。(当ブログ・カテゴリー:「ダイアナ・パントン」参照)
  前作は「RED ルージュのため息」 (2013)で、ここでも取り上げたのだが、近作としてライブ・アルバム「my heart sings」(2014)もあった。というところで、久しぶりという感覚は無いのだが、あの独特の可愛らしさと優しさ、しかも爽涼さがあって、なんとも言えない不思議な安堵の世界に連れて行ってくれる。

(参照)
 ① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/red-f326.html
 ② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-aa84.html

Dp1(Tracklist)
1. イン・ザ・ワールド・オブ・マイ・オウン
2. 不思議の国のアリス
3. ピュア・イマジネイション
4. イマジネーション
5. シング
6. アイム・ゴーイング・トゥ・ゴー・バック・ゼア・サムデイ
7. レインボー・コネクション
8. リトル・シングス
9. 星に願いを
10. ハーフウェイ・ダウン・ステアーズ
11. エヴリバディ・スリープス
12. スリープ・イズ・ア・プレシャス・シング
13. ハッシャバイ・マウンテン
14. スランバー・バイ・ダーリン

 このアルバムの選曲は大人のジャズ曲を・・・というだけでなく、広く子供達にも親しまれている曲群をも含めているのだ。そして非常に優しいピアノ、ギター、ビブラフォンそしてチェロの響きが、落ち着いた静かにして美しい演奏を聴かせる。これは特に彼女を見いだし育てたドン・トンプソンDon Thompsonのなせる技がここに集約している。そしてその優しい演奏に支えられての彼女の心安まるヴォーカルが響く。

 いや~~これには参りましたね、ジャズの世界でここまで少女ムードを醸しつつそして大人を納得させる郷愁の世界を構築されると、もはや何をか言わんやという降参の世界ですね。彼女のこれまでに築いてきた世界の一つの頂点と言ってもいいかもしれない。過去のアルバムは、大人の世界に少女のムードの加わった端麗さでそれなりに人気はあったけど、評価としてはどうなんだろうと実は私自身は思っていたが、ここに至るとこりゃ~本物で、今この世界を築く女性ヴォーカリストはちょっといないのではと、取り敢えず絶賛してしまうのである。多くの者に歌われている”When you wish upon a star 星に願いを”を聴いてみても、この曲も完全に彼女の物になっている。更に、”Hushabye mountain”はチェロの響きも含めてこの美しい世界は感動もの。
 そしてこのジャケ・デザインも歴史に残る出色ものですね。

「全ての子供達と子供の心を持ち続ける大人たちへ~聴いた誰もが優しい気持ちになれる、ダイアナからの素敵な贈り物」

   ・・・・と言うキャッチフレーズは、偽りで無かったアルバムであった。

(視聴)

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2014年12月30日 (火)

今年も女性ヴォーカルで納めます=ニュー・アルバム~ライブ盤(ダイアナ・パントン)&ベスト盤(マデリン・ペルー)

人気のダイアナ・パントン Diana Panton のライブ盤「my heart sings」
注目のマデリン・ペルー Madeleine Peyroux のベスト盤「KEEP ME IN YOUR HEART FOR A WHILE」

 ここに来て話題の両者が、人気のある時は逃すまいと多分繋ぎと言えるアルバムをリリース。繋ぎと解っていても、それでも是非聴いてみたいというのが正直のところ。

  <Jazz>
  Diana Panton Live 「my heart sings 」
  MUZAK / JAPAN Limited Edition  / CD+DVD / MZCQ125 / 2014
  2013年8月20日 ノーヴェル・ホール(台北)録音

My_heart_sings

<CD>
1.アイヴ・トールド・エヴリ・リトル・スター
2. コルコヴァード
3. デスティネーション・ムーン
4. 黒いオルフェ
5. 二人でお茶を
6. スマイル
7. プリュ・ジュ・タンブラス
8. イフ
9. アラバマに星落ちて
10.素敵じゃない?
11.ムーン・リヴァー
12. ア・ティスケット、ア・タスケット
13. 夢の中の幸せ
14.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

<DVD>
1.コンサート・ハイライト
2. アラバマに星落ちて
3. 夢の中の幸せ
4. ディスコグラフィー


1006464032Members :
Diana Panton(vo)
Don Thompson (p,b)
Reg Schwager (g)


 日本でも評判になっているカナダのダイアナ・パントン、取り敢えず特別版として、CD+DVDの二枚組。これは日本の企画盤で、サービスとして収録の3曲の映像付きという企画。彼女は丁度1年前にアルバム「RED」をリリースしている。
 (参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/red-f326.html

 2012年に香港と台湾のジャズ・チャートで第一位という人気で、上海、香港、台北のアジア・ツアーが2013年に行われ、その台北での収録。なんとなくあどけない歌声でファンを獲得している彼女、歌のうまさではまだまだというところだが、人気は先行している。
 この舞台は、彼女の師匠のドン・トンプソンとギターのレッジ・シュワガーの2人だけのバックで行われた。彼女の語りと歌が展開する収録内容。美人で可愛らしさという感覚で日本でも確かにファンは多い。そんなところで、商業的なニュアンスの強い発売で、ちょっと評論家も褒めすぎの感のある彼女だが、とは言えこれからの成長が楽しみでもある。

                   *******               *******

     <Jazz>

   THE BEST of Madeleine Peyroux
   「KEEP ME IN YOUR HEART FOR A WHILE」

     CONCORD / UCCO-6011 / 2014

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<Tracklist>
[Disc 1]
1. Don’t Wait Too Long - Album Version
2. You’re Gonna Make Me Lonesome When You Go - Album Version
3. (Getting Some) Fun Out Of Life
4. Between The Bars - Album Version
5. ’m All Right
6. La Vie En Rose
7. Half The Perfect World
8. Dance Me To The End Of Love - Album Version
9. Smile
10. Once In A While
11. The Summer Wind
12. Careless Love - Album Version
13. Guilty
14. Desperadoes Under The Eaves - Extended Version

[Disc 2]
1. Changing All Those Changes
2. J’Ai Deux Amours - Album Version
3. River Of Tears
4. The Things I’ve Seen Today
5. Damn The Circumstances
6. La Javanaise
7. The Kind You Can’t Afford
8. Bye Bye Love
9. Walkin’ After Midnight
10. Standing On The Rooftop
11. Instead
12. Keep Me In Your Heart
13. This Is Heaven To Me - Album Version

London2004_026 さてこちらは米国ジョージア州出身の1974年生まれで18年のキャリアと言う実力派のマデリン・ペルー。彼女についてはここで何度かとりあげているが、母はフランス人であったこともあって、13歳のときの両親の離婚により、パリに住むようになって、ストリート・ミュージシャンとして鍛え上げられている。
 その彼女は過去に六枚のアルバムをリリースしているが、なんと現在所属のRounder以外のモノも含めて、それらから選び抜いたベスト盤であり、二枚組のなんと27曲が収められている。”Keep Me IN Your Heart”は映画にて使われた曲でアルバム初登場ということだが、取り敢えず立派な集大成盤として聴き応えある。

(参考)① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/madeleine-peyro.html
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/madeleine-peyro.html 

 とにかくマデリン・ペルーの作り上げる音楽は、ジャズでありながらフォークでありブルースでありカントリーでもあり、そこにシャンソンのムードまで醸し出すという不思議なムードを持っていて、つまり独特なマデリン・ペルー節と言って良いもので、なんとなく聴きたくなるという魅力を持っている。”21世紀のビリー・ホリディー”とも言われているが、私はちょっと違った印象で、彼女なりきの世界を持っていると思っている。
 近年はLarry Klein とアルバムと作成しているが、最近作は「THE BLUE ROOM」(2013年)だが、既に2年近く経っているので、このあたりで中身の濃いベスト盤のリリースは歓迎である。

(視聴 Diana Panton)

                                      **               **

(視聴 Madeleine Peyroux)

<ご挨拶>
 この雑多な拙いブログを介して今年一年お付き合いいただきました諸兄には、いろいろとご指導ご意見賜り有り難う御座いました。
 来たる年もよろしくお願いします。そして皆様にとってご多幸なる年となられますよう祈念申し上げます。

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2013年11月23日 (土)

ダイアナ・パントンDiana Pantonのニュー・アルバム「RED」

相変わらずのキュートでプリティーなヴォーカルがたっぷり

<Jazz> Diana Panton 「RED」
              Muzak  MZCF-1281, 2013

Red5
 ジャズ界での話題も多いカナダの歌姫、とにかく歳に似合わず(多分)あどけなさのあるシュガー・ヴォイスはどこから出てくるのかと不思議になる彼女のヴォーカル。ここにニュー・アルバム(6th)「RED~ルージュのため息」が登場。なんとそのキュート、プリティーというムードは更にアップして、もはや"こりゃまいった"とうところ。
 既に何回か彼女は取り上げているので詳細は過去のアーティクルに譲るとして(私が最初に聴いたのは2011年 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/diana-panton-06.html )、そのさてさて今回のアルバム、ピアノ、ビブラフォン、ギターに加えてトリングス、サックス、ハープなど多彩な演奏陣が静かに彼女のヴォーカルをバック・アップしている。布陣は下記の通り。

ダイアナ・パントン (vo)
ドン・トンプソン (p, vib)
レグ・シュワガー (g)
フィル・ドワイヤーズ (s)
ジム・ヴィヴィアン (b)
ハリソン・ケネディ (vo on track5)
モッシェ・ハマー (vln)
プレイズ・ラム (vln)
ダイアン・レウン (vla)
コエンリード・ブローメンダル (cello)
エリカ・グッドマン (harp)

Yardbird_article_iii とにかく癒やし系アルバムとしての仕上げは冴えたるモノだ。もともとドン・トンプソンDon Thompsonによって見いだされ、そして作り上げられたと言っても良い彼女だが、不思議にあどけなくセクシーでありながら、意外に嫌らしいところがない。やっぱり不思議と言う言葉を使ってしまうが、こうしたタイプはやっぱり日本には受ける要素があると思う。又香港、台湾で圧倒的な支持を得たという。

Redlist

 tracklistは左のように13曲。スタンダード・カヴァーが中心だが、彼女とトンプソンの共作の曲もある(12)。以前の(4thアルバム「to Brazil with love」 )ボサノヴァ調とは変わって、今回は極めてムーディーな曲の仕上げ。そしてバックの演奏もそれを引き立たせるべく、エレガントというか品のある演奏で一種独特な世界に引っ張り込む。それは極めて落ち着いた安堵を誘う世界だ。

 私にとっては、どの曲がどうと言うのでなく、全編一つになってのラブ・ソング集と感じている。とにかく最後の”amazing”で完全に幸福感に埋没させてくれるのである。取り敢えず相変わらずの合格点といった評価になりますね。

(参考試聴) Moonlight Serebade

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2012年11月26日 (月)

初冬の夜にこの2枚:ニッキ・パロットNicki Parrott「Winter Wonderland」 / ダイアナ・パントンDiana Panton「Winter Kiss」

ニッキ・パロット、ダイアナ・パントン~とにかく気楽に初冬の夜に聴きましょう

 もう冬ですね、タイミングよく2枚のアルバムが届きました。今回も我が心を知る美人歌手をこよなく愛する友人からのプレゼントです(感謝)。
 と、言うのもニッキ・パロット、ダイアナ・パントンは、いつもここで取り上げてます。しかし私は熱狂的ファンと言うのとはちょっと違って、取り敢えずは、しっかりと好感を持っている二人であるからです。

NICKI PARROTT 「WINTER WONDERLAND」
Venus Records VHCD01091  ,  2012   

Winterwonderland

 彼女(Nicki Parrott)に関しては今年は豊作でしたね。春のアルバム「Sakura Sakura」、夏には「Summertime」、そして秋の「autumn leaves」の3枚に加えて、”季節シリーズ”の締めくくりである冬のアルバム「WINTER WONDERLAND」の登場です。
 彼女のヴォーカルとベースは当然ですが、ピアノ(John Di Martino)、ドラムス(Tim Horner)、ギター(Paul Meyers)と、彼女の姉のLisa Parrottのサックスと同一メンバーで仕上げています。 このアルバムはその他、テナー・サックス(Houston Person)が加わっていて、かなりサックスのイメージが強いアルバムだ。

 収録全15曲は下記の通りで一枚のCDにたっぷり入っています。

 1. Have yourself a merry little christmas
  2. christmas in new orleans
  3. I'll be home for christmas
  4. The christmas song
  5. Blackberry winter
  6. Blue christmas
  7. I've got my love to keep me warm
  8. Christmas time is here
  9. White christmas
10. June in january
11. My favorite things
12. Winter weather
13. Baby, it's cold outside
14. Winter wonderland
15. What are you doing new year's eve?

 とにかく、クリスマス・ソングのオンパレードとウィンターもので占められています。まあ、欧米、豪州はこの時期はクリスマスはしょうがないのでしょうね。相変わらず各曲無難に癖もなく仕上げています。つまり曲のアレンジがそう刺激的に面白いわけでもなく、そうかといって嫌みは無く、取り敢えず優しいジャズとして優良のではないでしょうか?。うそそう私的には、ちょっとサックスの音が前に出すぎてうるさいと思うことも。オーストラリア出身といえども、ニュー・ヨークで活躍中であって、このスタイルはやむを得ないところか。
 もう少し彼女のベースをバックにゆったりと間を置いたヴォーカルで唄い語って欲しいところ、もともとそうゆうスタイルが良かったのだ。そんな意味では”5.Blue christmas”はピアノと共に、”8.Christmas time is here”、”11.My favorite things”は彼女のベースとピアノと共に聴かせてくれるところは好む世界。締めくくりの”15.What are yoy doing new year's eve”はギター・バックに冬の夜の世界が展開する。やっぱり冬はこれですね。

(参考) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/autumn-leaves-s.html

      *               *

Diana Panton 「Winter Kiss」
Fab Label  MZCF1259  ,  2012

Winterkiss

 こちらはカナダの妖精(?)ダイアナ・パントンの冬物である。やっぱりクリスマスものがたっぷり入っています。例によってメロウ・ヴォイスと表現されるややあどけないような声は彼女の特徴。上のニッキ・パロットのアルバムとかなり曲がダブってますが、こちらは下のようなメンバーで、ドラムスのないバック演奏で、雰囲気はかなり異なっているところが、面白い。

 Diana panton : Vocal
  Guide basso : Cor, flh, tp
  Reg schwager :  guitar
  Don thompson : bass
  (Harrison kennedy : vo on tr.2)

 こちらも16曲たっぷり入ってます。

   1. kissing by the mistletoe
   2. Baby it's cold outside
   3. Christmas Kiss
   4. Winter weather
   5. C'est noël chéri
   6. winter wonderland
   7. Have yourself a merry little christmas
   8. December
   9. Snow
  10. Snowbound
  11. Winter warm
  12. The christmas waltz
  13. Christmas time is here
  14. Let's it Snow
  15. Images of chrismas
  16. Dance nuit silence night

   
 こうしてみるとクリスマスにちなんだ曲って多いですね。まずはアレサ・フランクリンのボッサノヴァ・ナンバーから始まって、あまり一般的でないクリスマス・ソングも唄われる。
”3.Christmas Kiss”は、本来はこれがアルバム・タイトルの曲なんですが、やはり静かなクリマスをじっくり優しく聴かせてくれる。このあたりが近年ファンが多くなってきたところであろう。ギタ-、ピアノの静かなバックもムードたっぷり。私はもともとこのダイアナ・パントンってそう歌はうまいと思わないのですが、そのムードはか弱く、清楚でプリティーというところが聴く者に心をつかむのでしょうね。なかなかのものです。全体に嫌みの無いところがミソ。
 確かに一般的なクリスマス・ソング物と違って、ボッサなムードの加味した演奏などの支えの中や、ピアノのバックのみ又ギターの音のみで聴かせるところもあるヴォーカル・アルバム。冬のさんさんと降る雪の夜の暖かい部屋で聴くにはクリスマスに関係なく心の安まる良いアルバムだ。

 (試聴) http://www.youtube.com/watch?v=sGJBXK0PmRQ
   (参考) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/diana-panton-06.html

Pa071893monoblog
(ポーランド・チェーンストホーヴァにて  2012.10)

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2011年12月19日 (月)

ダイアナ・パントン Diana Panton : 癒しのボサノヴァ・アルバム「私の愛したブラジル」

ダイアナ・パントンの4thアルバムはボサノヴァで迫る!

 私がこのブログでカナダのシュガー・ヴォイスと言われるダイアナ・パントンの2つのアルバム「ピンク~シークレット・ハート」、「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」を取りあげたのは今年の3月だった。それは友人からの紹介で聴いたことによるが、今回のアルバムは今年の秋のリリースで、同様にその友人からのプレゼントである。
 いずれにしてもその唄はクセがなく素朴で純粋な印象のあるところは聴きやすく、その癒し系の世界は魅力があり、私自身も熱烈なファンという訳ではないが、ニュー・アルバムとなれば聴きたくなるというところ。感謝をしつつ聴いてみた。

Dianapantonbrazil_2 「diana panton / to Brazil with love わたしが愛したブラジル」 MUZAK/Fab  MZCF-1238 , 2011

 このアルバムはバラード曲もあるが全編ボサノヴァの世界である。そしてその特徴は、一言で言うとダイアナ・パントンのヴォーカルそしてそのバックの演奏の流れに”美しさと品の良さ”を強く感ずる点である。このあたりはボサノヴァ・アルバムとしては珍しい部類にはいるのではないか。

(members)
  diana panton : vocals
  maninho costa : vocals, drums, percussion
  bill McBirnie : flute
  kiki musumi : cello
  reg schwager : guitar
  silas silva : drums, percussion
  don thompson : bass, piano, viblaphone

 ところで世界での彼女の評価はどうなっているのであろうか?、ただこうしたタイプは多分支持者としては日本は筆頭株にあるのであろうと想像する。つまり日本人好みのタイプは間違いない。力みがなく、そして美しく自然に流して愛らしく唄う響きはおそらくそうだろうなぁと思うのである。
 そしてもう一つの特徴は、このアルバムの何曲かはフランス語で唄われていることだ。それがなんと見事にマッチングしているのに驚く。カナダはもともと歴史的にフランス語が大きな位置を占めている。多分そうした中で彼女も育ったのであろう、身についた言葉によるその唄は見事にボサノヴァに生かしているのである。いやはや驚きだ。

Diana_long_dress2  このアルバムに登場する曲は、それなりに聴かれてきた曲も多い。”サンバ・サラヴァ~映画「男と女」より”、”黒いオルフェ”、”小鳥のように”、”私の島で”など登場する。アルバム全体を通してその出来は非常に丁寧に歌われ、見事に美しく仕上げている。バックではピアノの美しさが印象的で、又チェロの演奏やビブラフォンなど、単なるジャズ演奏といってしまうにはおしいその味付けにも心が惹かれる。

 1. サンバ・サラヴァ 〜『男と女』より (Vinicius de Moraes / Baden Powell)
  2. ディス・ハッピー・マッドネス (Vinicius de Moraes/ Gene Lees / Antonio Carlos Jobim)
 3. ザ・テレフォン・ソング (Menescal / Boscoli / Gimbel)
 4. 黒いオルフェ (Maria Toledo / Louiz Bonfa)
 5. ソー・ナイス (Paolo Valle / Marcos Valle)
 6. イズ・イット・リアリー・ユー? (Diana Panton / Don Thompson)
 7. 夜は千の目を持つ (Buddy Bernier / Jerry Brainin)
 8. 私の島で (Henri Salvador)
 9. フェリシダージ (Vinicius de Moraes / Antonio Carlos Jobim)
10. あなたを愛してしまう (Henri Salvador)
11. ドリーマー (Gene Lees / Antonio Carlos Jobim)
12. アンド・アイ・ラヴ・ヒム (Lennon / McCartney)
13. 小鳥のように (Michel Fugain /Antonio Carlos & Jocafi )
14. 残されし恋には (Albert Beach / Charles Trenet &Leo Chauliac)

 なかなか特徴のある魅力的なアルバムの登場となったが、ただボサノヴァとなると、本場ブラジル出身の私のお薦めのイリアーヌ・イリアスなとどと比較してしまうところだが、音楽的完成度に於いてはイリアーヌのピアノ演奏を取り巻くジャズ演奏陣から見ると、まだまだこのアルバムはその洗練された演奏には一歩及んでいない。又イリアーヌのような熟年女性の奥深いアンニュイと言うかややけだるさのあるそして人間の影の部分にまで迫るヴォーカルの味にもやはり一歩及んでいない。こちらはあくまでもポピュラーな美しいジャズ・アルバムの範疇で爽やかなソフトにしかもメロウな意味での出色なのであって、ブラジルのさらっと流す中のボサノヴァの奥深さとその味にはこれから更に迫って欲しいと期待し願うのである。

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2011年3月 2日 (水)

ダイアナ・パントン Diana Panton : 評判の癒やし系のヴォーカル

またまたカナダ発の女性ヴォーカリストの注目株

Dianap2  またしてもカナダの女性ヴォーカリストに焦点を当てることになった。最近、ジャズ系雑誌などで名前がちらほら見えてきたダイアナ・パントンだ。どちらかというとシュガー・ヴォイスとか、ガーリッシュ・ボイスとか、更にスゥイートでキュートとか、清楚でプリティーとか表現されていて、なんとなく興味がそそられる。
 一方、私の愛読雑誌の「ジャズ批評」でも、”ジャズ・オーディオ・ディスク大賞2010”のヴォーカル部門の銀賞に挙げられていた。
 そんな時に、友人からも勧められたことがきっかけで、ここに日本にてリリースされた2枚のアルバムを聴いてみることになった。

Pink 「Pink / Diana Panton Trio + 1  ピンク~シークレット・ハート」 ミューザック MZCF-1231 , 2010 (カナダ盤は2009年)

 昨年日本盤デビューのダイアナ・パントンの日本第2弾である(日本盤第1弾は、後でふれる彼女の2007年の2ndアルバム「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」で、昨年9月にリリース)。実はこの第2弾は御本家カナダでは2009年10月にリリースされた彼女の3rdアルパム、それに2010年11月に日本盤用ボーナス・トラック”secret heart”を録音して追加しリリースされた。
 彼女は19歳の時にベーシストのドン・トンプソンに見いだされた。トンプソンが務めるジャズ教室のワークショップに参加した彼女は、ジャズヴォーカルの虜になる。しかしその後フランスに渡り、パリ大学でフランス文学の学位を取得するという教養も積んでいるようだ。そしてカナダに帰国してから2005年に1stアルバム「・・・yesterday perhaps」でデビューしている。
Pink_pink  従ってこの3rdアルバム「Pink」はその4年後のアルバムということになる。(左がカナダ盤のジャケ~なにかこちらの方が私好み)
 日本デビューからまだ半年であるが、彼女はそれなりのキャリヤーを踏んでいる。

 このダイアナ・パントンの一連のアルバムは、彼女のヴォーカルに、レグ・シュワガーのギターと師匠のドン・トンプソンのベース(ピアノ)のトリオ編成で作られている。そしてこのアルバムになって、イタリアの人気トランペッターのギド・バッソを招いてドラムレスのトリオ・バック・バンドを組んでいる。 

   1. wouldn't it be loverly 素敵でしょうね
   2. my ideal
   3. i walk a little faster
   4. my future just passed
   5. wonder why
   6. me myself and
   7. what ia there to say ?
   8. tea for two 二人でお茶を
   9. please be kind
  10. i wish i knew
  11. they didn't believe me
  12. love-wise
  13. hold me hold me hold me
  14. five minutes more
  15. wait till you see him
  16 secret heart

 比較的マイナーなナンバーが多くじっくり歌い上げる。冒頭からトランペットが響いてジャズ・ムードを盛り上げ、そこに彼女のあまり技巧を凝らしていない可愛い声が耳に優しく入ってくる。そしてなんと全編このパターンで押しまくる。なんとしても彼女の歌声は素直でやや細めの可憐な優しさが特徴的だ。いまやカナダの一つの流行なのか、あのエミリー・クレア・バーロウとも一脈通ずるところがある。こうしたものは癒やし系の愛好家にはたまらないところであろう。
 バック・バンドも静かにゆったりと流れ、ギターの他にヴィヴラフォンも登場して良き時代のジャズ・ムードに導いてくれる。とにかく心が洗われるような曲が展開して良盤であることは間違いない。
 ただ、私好みに若干横から見ると、ちょっと物足りないのは、ジャズ特有の一種の怪しげな危険的ムードがないところか?、そこまで要求するのかと迫ままれば、一歩引いて喝采を浴びせてもいいですけど。

Ifthemoon 「diana panton / if the moon turns green.....ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」 ミューザック MZCF-1229  , 2010 (カナダ 2007年)

 このアルバムが2010年9月に彼女の日本初登場のもの。月と星のラブソング集といったところか。もちろんこのアルバムでも彼女の清楚でソフトで可憐なヴォイスで包み込んでくる。
 アルバム・タイトル曲の”if the moon turns green”では、耳元で囁くように唄いあげて、とにかく慰められるアルバム。ここでもバックの落ち着いたムードある演奏が快感である。まさに月夜と星空の下にて聴いて欲しいと言いたい。

 ここにカナダ発の日本にては新星のジャズ・ヴォーカリストのダイアナ・パントンを聴いての感想を書いた。とにかく安らぎの癒やしを期待したい時にはトップに挙げたいアルバムである。

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