ダイアナ・パントン

2023年4月 3日 (月)

寺島靖国プレゼンツ 「For Jazz Vocal Fans Only Vol.6」

ジャズ・ヴォーカルは女性の独壇場

<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents 「For Jazz Vocal Fans Only Vol.6」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1110 / 2023

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 寺島靖国氏監修のジャズ・ヴォーカルのコンピレーション・アルバムだが、6巻目となってリリースされた。このジャズ・ヴォーカルの世界は、もう何年も女性の天下となって近年も相変わらずだが、やはり今年も全14曲全て女性ヴォーカルという結果だった。
 寺島氏のライナーでは、このジャズ・ヴォーカル集は、彼の注目した世界各国のレコード会社は関係なくしかもあまり耳にしたことのないヴォーカリストを近年のものに限って取り上げてという事のようだが、果たしてどんなものになったか注目してみてください。

(Tracklist)

1 The Old Country / Viktoria Tolstoy
2 I'm a Fool to Want You / Sarah Lenka
3 Beautiful Love / Anna Kolchina
4 Spring Will Be a Little Late This Year / Diana Panton
5 Histoire D'un Amour / Carin Lundin
6 What Is This Thing Called Love / Lisa Roti
7 Poor Butterfly / Peg Carrothers
8 Close Your Eyes / Ksenia Parkhatskaya
9 Alone Together / Johanna Linnea Jakobsson
10 Wild Is The Wind / Liane Carroll
11 Chez Laurette / Laura Anglade & Sam Kirmayer
12 Lili Marleen / Isabel Santol & Julian Joseph
13 Perfidia / Lauren Henderson
14 Wild Is The Wind / Lauren Henderson

 こんなところだが、結論的に私が聴いていたアルバムは丁度半分の7枚で、過去にこのブログで取り上げたのは3枚でした。しかしコロナ禍の為かその点は不明だが、このところ女性ヴォーカルものもちょっと下火であった印象だった。近年のものをと寺島氏は言っているが、意外に古いものも多いという印象だ。
 ジャズ・アルバムとしては、私も女性ヴォーカルものは結構聴く方だと思うが、このところの私の注目株というか、聴いてきたものは、もう誰もが知っているDiana Panton(下左), ちょっと本格派Viktolia Tolstoy, そしてAnna Kolchina(下左から2番目), Sarah Lenka。注目株としてLauren Henderson(下左から3番目)と最近のJohanna Linnea Jakobssonというところであり、ここでも紹介してきた。その他は殆ど聴いてこなかったわけで、確かに日本でそれほど聴かれていないヴォーカリストもさすが寺島靖国氏取り上げている。

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 とにかくヴォーカルものというのは、歌がうまくても声の質が気に入るかどうかなどと実力ばかりでないところと、好みの問題があってなかなか難しい。又このところ少々歴代の人気ヴォーカリストのアルバムが少なかったような気がする。コロナ・パンデミックで活動低下という事であったかどうか、そんな中でのコンピレーション・アルバムであった。

 私としてはM1."The Old Country "のViktolia Tolstoyは、人気と実力はそれなりだが、どうもあまり乗り気にならないのだが。
 M2."I'm a Fool to Want You"のフランス人のSarah Lenkaは興味があります。かって「Hush」(EMO121/2012)というアルバムをここで取り上げた、もう大分前だ。聴く者を引きつける。(2015.1.06)。
 又M3." Beautiful Love "のロシアのAnna Kolchinaはなかなか魅力的。彼女に関しては2018年に「Wild Is The Wind」(VHD01228/2017)を取り上げて高評価をした。
 M4."Spring Will Be a Little Late This Year "のカナダのDiana Pantonは、今や人気者というところだ、このアルバム「Blue」(MZCF1453/2022 下左)も最近ここで取り上げたが好評価の盤。
 M6."What Is This Thing Called Love "のLisa Roti (上右)は、彼女も聴いてこなかった歌手だが、曲を歌い込んでなかなかいいです。取り敢えず注目。
 

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 M5."Histoire D'un Amour"  Carin Lundinこれは知らなかったがなかなか魅力あり。
 M7."Poor Butterfly"のPeg Carrothersは素人っぽいところが良いと言えばいい。異色で興味が分かれそう。
 M8."Close Your Eyes " Ksenia Parkhatskayaは少々興味をもった
 M9."Alone Together " Johanna Linnea Jakobssonは、昨年ここでもアルバム「Alone Together」(DUATO112/2022 上中央)取り上げた新進気鋭アルト・サックス奏者・歌手で今後に期待。
 M10."Wild Is The Wind " Liane Carroll貫禄の魅力・・・聴いてこなかったのが不思議だ。
 M11."Chez Laurette"  フランスのLaura Anglade  知らなかった。少々興味持った。
 M12." Lili Marleen " Isabel Santol  なかなか旨いがどんな曲をこなしてきたか。
 M13."Perfidia",M14."Wild is the Wind" この Lauren Hendersonは、私の以前からの注目株で既に2回ここで取り上げてきた。なかなか不思議な魅力のある世界でこの「La Bruja」(CDB5609106462/2022 上右)は近作のアルバム。

 というところで、今回の「Vol.6」では私の一番のお勧めはLauren Hendersonですね。聴いてなかったLisa Roti、Laura Angladeは少々アプローチしてみたいと思った。いずれにしても女性ヴォーカルで占められた今回の「Vol.6」であり、男性陣はどうなっているのか、奮戦を期待したいところだ。

(評価)
□ 選曲  87/100
□ 音質  87/100

(試聴)
Lauren Henderson

*

Diana Panton

 

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2022年11月 1日 (火)

ダイアナ・パントン Diana Panton 「BLUE」

ややあどけなさの感ずるヴォーカルはデビュー(17年前)以来健在

<Jazz>

Diana Panton 「BLUE」
muzak / JPN / MZCF-1453 / 2022

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ダイアナ・パントン vocal
ドン・トンプソン bass
レグ・シュワガー piano
フィル・ドワイヤー saxophone
ジム・ヴィヴィアン bass

ペンデレツキ・ストリング・カルテット: ヤージー・カプラネック violin、ジェレミー・ベル violin、クリスティン・ウィワージク viola、ケイティ・シュライクジャー cello

Donthompson  ダイアナ・パントンは19歳の時にベーシストのドン・トンプソン(→)に見いだされた。トンプソンが務めるジャズ教室のワークショップに参加した彼女は、ジャズヴォーカルの虜になる。しかしその後フランスに渡り、パリ大学でフランス文学の学位を取得するという教養も積んでいるようだ。そしてカナダに帰国してから2005年に1stアルバム「・・・yesterday perhaps」でデビューしている。
 既に17年の経過だが、その多くのリリースアルバムの中で、恋の始まりを歌った3rd『ピンク』(2010年)、成熟した大人の愛をテーマにした『レッド』(2013年)に続く3部作の最後を飾る作品となる。アルバム・タイトルから知れる儚い恋の終わりや別れを歌ったトーチ・ソング集『ブルー』が遂にこのシリーズとして久々の登場。

 もともと彼女の特徴であるあどけなさを感ずるところと、素直な歌いまわしで、今回は愁いを帯びた歌声を披露。バックは、カナダの重鎮ドン・トンプソンはじめ、サックス奏者フィル・ドワイヤー、今年栄えあるカナダ勲章を受章した実力派ギタリストのレグ・シュワガーらが参加している。更に今回はペンデレツキ・ストリングス・カルテットも加わっての重装備。そして過去もそうだが録音が良いのも特徴で今回も期待が持てる。曲は彼女自身がセレクトしたあまりポピュラーでないものも含めて多く16曲だ。

Dianapanton2w (Tracklist)
1.メドレー:ホエア・ドゥ・ユー・スタート〜ある日ある時
2.イエスタデイ
3.ウィズアウト・ユア・ラヴ
4.ルージング・マイ・マインド
5.ディス・ウィル・メイク・ユー・ラフ
6.別れの始め
7.アイム・ゴナ・ラフ・ユー・ライト・アウト・オブ・マイ・ライフ
8.トゥ・セイ・グッドバイ
9.ミーニング・オブ・ザ・ブルース
10.想えば恋し
11.イッツ・オルウェイズ・4A
12.ジャスト・サムタイム
13.ハウ・ディド・ヒー・ルック?
14.ノーバディズ・ハート
15.春遠し
16.ユー・アー・ゼア

 こうしたトーチ・ソングって、結構やるせなさの原点に女の痴情がちらっと見せたりするんですが、このパントンの歌やその醸し出す雰囲気は声の質のあどけなさとは裏腹に相変わらず知性感を十分に漂ったものとして仕上げられている。
 女性の歴史として、若いときから『ピンク』、『レッド』と15年の経過の中で描いてきたところは、この『ブルー』に集結するところが、やっぱり人生の厳しさが浮き出てくる。
 ジャズ・ボーカルものとして私はバラードに代表するしっとりと歌い上げるのが好きであるので、こんな悲しい歌であっても歌詞が十分理解できずに曲の演奏と歌ということで聴いていると、それなりに落ち着いて聴けて結構いいものである。もともと彼女は激しい展開の歌というのはないので、年齢的にもある意味充実感がある。

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 イントロは、アカペラで物語の始まりをしっとり歌い上げ、M1."Where do you start?"の聴き慣れた別離の歌でスタート、そしてM3."Without Your Love "の失恋の歌で、テナー・サックスも顔を出し"居ないと何も出来ない"と言いながらも結構明るい展開。
 自分の愛を訴えるM5."This will make you laugh "M6.M7.では別れの時が来たと、そしてM8."To say goodbye"は戻ってきて欲しい心の歌。昔の私の若い頃好きだったセルジオ・メンデスを思い出して懐かしい。ここではピアノの音と共に美しく歌い上げている。歌詞の意味は別としていいムードだ。
 M10、M11、M12.でまだ思っていることを歌手上げ、M14."Nobody's heart"独りの寂しさ、しかしM15."Spring will be a little late this year"でこれから春に期待を持ち、M16."You are there"では落ち着いた自分の表現をする。
 過去の曲から、郷愁、後悔、悲しみなどの喪失の複雑な感情を探り、かすかな希望、癒しへの道の難しさの複雑な思いを探求しているようだ。

 とにかく歌詞が英語ですから私にはすぐ理解できないので・・聴いていると聴くものへの慰みにも聴こえ、そして子守歌的でもあって・・・私は再生時途中で寝てしまった。(笑い)

 とにかく彼女のアルバムはドン・トンブソンの努力もあるのか、いつも録音というか音が良いので聴いていても気持ちがいい。バックの演奏力も派手ではないが、曲を意識して落ち着いていて快演。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌 :  90/100 
□   録音      :  90/100

(試聴)

 

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2022年1月12日 (水)

ダイアナ・パントン Diana Panton 「Solstice / Equinox」

あの自然体で歌い上げる四季折々の情景・情感をハイレゾ盤で聴く

<Jazz>

Diana Panton 「Solstice / Equinox」
e-Onkyo / Download / 2xHD Flac 192KHz/24bit / 2021 (Original-CD 2017)

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Diana Panton (vocals)
Reg Schwager (guitar)
Phil Dwyer (saxophone)
Guido Basso (trumpet, flugelhorn)
Don Thompson (piano, vibraphone)
Audio Mixer: Chad Irschick
Recording information: Inception Sound Studios, Toronto, Ontano, Canada (08/2016)

51cqahpzvyl_ac_   ダイアナ・パントンつて不思議な存在で、なんとなくアルバムを買ってしまうと言う存在だ。近頃なんとベスト盤が出現してその筋では喜んでいるようだが(『Fairy Sings Love Suite』 (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release / 2021)(→))、私は考えてみると彼女のアルバムは殆ど持っているような状態であるのでスタジオ・ニュー・アルバムに期待している

 そこで最近ハイレゾ音盤に関心があってe-Onkyoを覗いていたら、あれっ持っていないアルバムがあった。さっそくflac盤(192KHz/24bit)をダウンロードしてみたのがこれだ。おやおやこれのオリジナル盤は2017年にリリースされたモノだった。
 しかしこのアルバム聴いていなかったので・・なんで知らなかったか不思議であった。そこで調べてみると日の経つのは早いもので、私が彼女のニュ-・アルバムを手にしたのは、つい先日のような気がしていたが、なんと最後があの可愛いジャケのアルバム『I Believe in Little Things』で、なんと2015年だったんですね。従って其の後はここに来るまで特に気にもしないで来た。つまり私としては彼女のニュー・アルバムを知れば手に入れるといったパターンで、特に狙って求めてきたという訳では無かったのが、この事実なのである。そしてその後はComplication盤、ライブ盤、ベスト盤がリリースされているが、スタジオ盤としてはこれが目下最後の盤であることが解った。

 しかし、この音源は当初のCD盤ではなく、2021年に音質に改良を試みた2HD高解像度マスタリングされてのハイレゾ盤で、取り敢えずそれを聴いているのである。

Danapantonimgw (Tracklist)
1.They Say It's Spring
2.Heather on the Hill, The
3.Up Jumped Spring
4.That Sunday, That Summer
5.Estate (Summer)
6.Manhattan
7.Fin Des Vacances, La
8.September in the Rain
9.Tis Autumn
10.Septembre
11.Cloudy Morning
12.I Like Snow
13.By the Fireside

 曲名をみるとおおよそ想像が付くと思うが、春から冬まで順番に四季折々の情景・情感を13曲歌い上げるのである。アルバム・タイトルは、「至/分」つまり、「夏(冬)至/春(秋)分」ということで一年の意味なんですね。そして意識してかバックにはドラムレスで、ギター、サックス、トランペット、ピアノ、ビブラフォーンなどが、ソフトに優しくサポートするのである。
 しかし相変わらずパントンの歌は囁くように力み無く自然体そのもの、そしてキュートな面は相変わらずで十数年変化が無く、スウィートであって嫌みが無い。それが優しく自然の姿にアプローチして四季を描くのであるから聴くモノにとってはまさに和みそのものだ。
 夜の癒やしの時間に・・というムードとはちょっと爽やかすぎて違うのだが、日頃の疲れを癒やしてくれるアルバムであることは間違いない。

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 とにかくバックも完全にパントン・イメージに変身してソフトなサックス、トランペットが曲を優しく支えるし、トンプソンのピアノ・ビブラフォンも美しい。ギターも刺激無く自然を描く。
 まあ、私の注目としてはM8."September in the Rain"が如何に彼女らしくなるかと言うことと、あのM5."Estate"が素直な優しい世界ではどうなるのかと、ちよっと関心を持って聴いたが、なんとこれも完全に嫌みの無い優しい世界となって聴くことが出来た。
 更にM7."Fin Des Vacances"の情感たっぷりのギターバツクに美しいピアノそしてフランス語で囁き調の彼女のヴォーカルと、味ある見事な仕上げだ。
 いずれにしても十数年のキャリアとカナダのグラミー賞を獲得するだけの彼女であるから、見事に自分の世界を築いているんですね。結論的に、なかなか好感のあるアルバム。

参考(Diana Panton Dyscography)

2005 ...Yesterday Perhaps
2007 If the Moon Turns Green...
2009 Pink
2011 To Brazil with Love
2012 Christmas Kiss
2013 Little Gems and Other Keepsakes (Compilation + bonus tracks, Asia only release)
2013 RED
2014 My Heart Sings (Live in Taipei, Asia only release)
2015 I Believe in Little Things
2017 Solstice / Equinox
2018 Yes, Please! (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)
2019 A Cheerful Little Earful
2021 Fairy Sings Love Suite (Compilation disc + bonus tracks, Asia only release)

(評価)
□ 歌・演奏  85/100
□ 録音    88/100

(視聴)

 

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2015年9月30日 (水)

これは聴くべき! ダイアナ・パントンDiana Pantonのニュー・アルバム 「わたしの小さな願い~I Believe in Little Things」

不思議な気分にさせるアルバム~ここまで来ると本物だ!

<Jazz>

Diana Panton 「わたしの小さな願い~I Believe in Little Things」
  MUZAK / JPN / MZCF-1320 / 2015

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     Diana Panton ダイアナ・パントン(vocal)
     Don Thompson ドン・トンプソン(bass,piano,vibraphone)
     Reg Schwager レグ・シュワガー(guitar)
     Coenraad Bloemendal コンラート・ブロエメンタール(cello)



 カナダの人気女性歌手のダイアナ・パントン(カナダのオンタリオ州ハミルトン生まれ)の、スタジオ・アルバムとして2年ぶりの新作だ。(当ブログ・カテゴリー:「ダイアナ・パントン」参照)
  前作は「RED ルージュのため息」 (2013)で、ここでも取り上げたのだが、近作としてライブ・アルバム「my heart sings」(2014)もあった。というところで、久しぶりという感覚は無いのだが、あの独特の可愛らしさと優しさ、しかも爽涼さがあって、なんとも言えない不思議な安堵の世界に連れて行ってくれる。

(参照)
 ① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/red-f326.html
 ② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-aa84.html

Dp1(Tracklist)
1. イン・ザ・ワールド・オブ・マイ・オウン
2. 不思議の国のアリス
3. ピュア・イマジネイション
4. イマジネーション
5. シング
6. アイム・ゴーイング・トゥ・ゴー・バック・ゼア・サムデイ
7. レインボー・コネクション
8. リトル・シングス
9. 星に願いを
10. ハーフウェイ・ダウン・ステアーズ
11. エヴリバディ・スリープス
12. スリープ・イズ・ア・プレシャス・シング
13. ハッシャバイ・マウンテン
14. スランバー・バイ・ダーリン

 このアルバムの選曲は大人のジャズ曲を・・・というだけでなく、広く子供達にも親しまれている曲群をも含めているのだ。そして非常に優しいピアノ、ギター、ビブラフォンそしてチェロの響きが、落ち着いた静かにして美しい演奏を聴かせる。これは特に彼女を見いだし育てたドン・トンプソンDon Thompsonのなせる技がここに集約している。そしてその優しい演奏に支えられての彼女の心安まるヴォーカルが響く。

 いや~~これには参りましたね、ジャズの世界でここまで少女ムードを醸しつつそして大人を納得させる郷愁の世界を構築されると、もはや何をか言わんやという降参の世界ですね。彼女のこれまでに築いてきた世界の一つの頂点と言ってもいいかもしれない。過去のアルバムは、大人の世界に少女のムードの加わった端麗さでそれなりに人気はあったけど、評価としてはどうなんだろうと実は私自身は思っていたが、ここに至るとこりゃ~本物で、今この世界を築く女性ヴォーカリストはちょっといないのではと、取り敢えず絶賛してしまうのである。多くの者に歌われている”When you wish upon a star 星に願いを”を聴いてみても、この曲も完全に彼女の物になっている。更に、”Hushabye mountain”はチェロの響きも含めてこの美しい世界は感動もの。
 そしてこのジャケ・デザインも歴史に残る出色ものですね。

「全ての子供達と子供の心を持ち続ける大人たちへ~聴いた誰もが優しい気持ちになれる、ダイアナからの素敵な贈り物」

   ・・・・と言うキャッチフレーズは、偽りで無かったアルバムであった。

(視聴)

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2014年12月30日 (火)

今年も女性ヴォーカルで納めます=ニュー・アルバム~ライブ盤(ダイアナ・パントン)&ベスト盤(マデリン・ペルー)

人気のダイアナ・パントン Diana Panton のライブ盤「my heart sings」
注目のマデリン・ペルー Madeleine Peyroux のベスト盤「KEEP ME IN YOUR HEART FOR A WHILE」

 ここに来て話題の両者が、人気のある時は逃すまいと多分繋ぎと言えるアルバムをリリース。繋ぎと解っていても、それでも是非聴いてみたいというのが正直のところ。

  <Jazz>
  Diana Panton Live 「my heart sings 」
  MUZAK / JAPAN Limited Edition  / CD+DVD / MZCQ125 / 2014
  2013年8月20日 ノーヴェル・ホール(台北)録音

My_heart_sings

<CD>
1.アイヴ・トールド・エヴリ・リトル・スター
2. コルコヴァード
3. デスティネーション・ムーン
4. 黒いオルフェ
5. 二人でお茶を
6. スマイル
7. プリュ・ジュ・タンブラス
8. イフ
9. アラバマに星落ちて
10.素敵じゃない?
11.ムーン・リヴァー
12. ア・ティスケット、ア・タスケット
13. 夢の中の幸せ
14.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

<DVD>
1.コンサート・ハイライト
2. アラバマに星落ちて
3. 夢の中の幸せ
4. ディスコグラフィー


1006464032Members :
Diana Panton(vo)
Don Thompson (p,b)
Reg Schwager (g)


 日本でも評判になっているカナダのダイアナ・パントン、取り敢えず特別版として、CD+DVDの二枚組。これは日本の企画盤で、サービスとして収録の3曲の映像付きという企画。彼女は丁度1年前にアルバム「RED」をリリースしている。
 (参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/red-f326.html

 2012年に香港と台湾のジャズ・チャートで第一位という人気で、上海、香港、台北のアジア・ツアーが2013年に行われ、その台北での収録。なんとなくあどけない歌声でファンを獲得している彼女、歌のうまさではまだまだというところだが、人気は先行している。
 この舞台は、彼女の師匠のドン・トンプソンとギターのレッジ・シュワガーの2人だけのバックで行われた。彼女の語りと歌が展開する収録内容。美人で可愛らしさという感覚で日本でも確かにファンは多い。そんなところで、商業的なニュアンスの強い発売で、ちょっと評論家も褒めすぎの感のある彼女だが、とは言えこれからの成長が楽しみでもある。

                   *******               *******

     <Jazz>

   THE BEST of Madeleine Peyroux
   「KEEP ME IN YOUR HEART FOR A WHILE」

     CONCORD / UCCO-6011 / 2014

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<Tracklist>
[Disc 1]
1. Don’t Wait Too Long - Album Version
2. You’re Gonna Make Me Lonesome When You Go - Album Version
3. (Getting Some) Fun Out Of Life
4. Between The Bars - Album Version
5. ’m All Right
6. La Vie En Rose
7. Half The Perfect World
8. Dance Me To The End Of Love - Album Version
9. Smile
10. Once In A While
11. The Summer Wind
12. Careless Love - Album Version
13. Guilty
14. Desperadoes Under The Eaves - Extended Version

[Disc 2]
1. Changing All Those Changes
2. J’Ai Deux Amours - Album Version
3. River Of Tears
4. The Things I’ve Seen Today
5. Damn The Circumstances
6. La Javanaise
7. The Kind You Can’t Afford
8. Bye Bye Love
9. Walkin’ After Midnight
10. Standing On The Rooftop
11. Instead
12. Keep Me In Your Heart
13. This Is Heaven To Me - Album Version

London2004_026 さてこちらは米国ジョージア州出身の1974年生まれで18年のキャリアと言う実力派のマデリン・ペルー。彼女についてはここで何度かとりあげているが、母はフランス人であったこともあって、13歳のときの両親の離婚により、パリに住むようになって、ストリート・ミュージシャンとして鍛え上げられている。
 その彼女は過去に六枚のアルバムをリリースしているが、なんと現在所属のRounder以外のモノも含めて、それらから選び抜いたベスト盤であり、二枚組のなんと27曲が収められている。”Keep Me IN Your Heart”は映画にて使われた曲でアルバム初登場ということだが、取り敢えず立派な集大成盤として聴き応えある。

(参考)① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/madeleine-peyro.html
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/madeleine-peyro.html 

 とにかくマデリン・ペルーの作り上げる音楽は、ジャズでありながらフォークでありブルースでありカントリーでもあり、そこにシャンソンのムードまで醸し出すという不思議なムードを持っていて、つまり独特なマデリン・ペルー節と言って良いもので、なんとなく聴きたくなるという魅力を持っている。”21世紀のビリー・ホリディー”とも言われているが、私はちょっと違った印象で、彼女なりきの世界を持っていると思っている。
 近年はLarry Klein とアルバムと作成しているが、最近作は「THE BLUE ROOM」(2013年)だが、既に2年近く経っているので、このあたりで中身の濃いベスト盤のリリースは歓迎である。

(視聴 Diana Panton)

                                      **               **

(視聴 Madeleine Peyroux)

<ご挨拶>
 この雑多な拙いブログを介して今年一年お付き合いいただきました諸兄には、いろいろとご指導ご意見賜り有り難う御座いました。
 来たる年もよろしくお願いします。そして皆様にとってご多幸なる年となられますよう祈念申し上げます。

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2013年11月23日 (土)

ダイアナ・パントンDiana Pantonのニュー・アルバム「RED」

相変わらずのキュートでプリティーなヴォーカルがたっぷり

<Jazz> Diana Panton 「RED」
              Muzak  MZCF-1281, 2013

Red5
 ジャズ界での話題も多いカナダの歌姫、とにかく歳に似合わず(多分)あどけなさのあるシュガー・ヴォイスはどこから出てくるのかと不思議になる彼女のヴォーカル。ここにニュー・アルバム(6th)「RED~ルージュのため息」が登場。なんとそのキュート、プリティーというムードは更にアップして、もはや"こりゃまいった"とうところ。
 既に何回か彼女は取り上げているので詳細は過去のアーティクルに譲るとして(私が最初に聴いたのは2011年 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/diana-panton-06.html )、そのさてさて今回のアルバム、ピアノ、ビブラフォン、ギターに加えてトリングス、サックス、ハープなど多彩な演奏陣が静かに彼女のヴォーカルをバック・アップしている。布陣は下記の通り。

ダイアナ・パントン (vo)
ドン・トンプソン (p, vib)
レグ・シュワガー (g)
フィル・ドワイヤーズ (s)
ジム・ヴィヴィアン (b)
ハリソン・ケネディ (vo on track5)
モッシェ・ハマー (vln)
プレイズ・ラム (vln)
ダイアン・レウン (vla)
コエンリード・ブローメンダル (cello)
エリカ・グッドマン (harp)

Yardbird_article_iii とにかく癒やし系アルバムとしての仕上げは冴えたるモノだ。もともとドン・トンプソンDon Thompsonによって見いだされ、そして作り上げられたと言っても良い彼女だが、不思議にあどけなくセクシーでありながら、意外に嫌らしいところがない。やっぱり不思議と言う言葉を使ってしまうが、こうしたタイプはやっぱり日本には受ける要素があると思う。又香港、台湾で圧倒的な支持を得たという。

Redlist

 tracklistは左のように13曲。スタンダード・カヴァーが中心だが、彼女とトンプソンの共作の曲もある(12)。以前の(4thアルバム「to Brazil with love」 )ボサノヴァ調とは変わって、今回は極めてムーディーな曲の仕上げ。そしてバックの演奏もそれを引き立たせるべく、エレガントというか品のある演奏で一種独特な世界に引っ張り込む。それは極めて落ち着いた安堵を誘う世界だ。

 私にとっては、どの曲がどうと言うのでなく、全編一つになってのラブ・ソング集と感じている。とにかく最後の”amazing”で完全に幸福感に埋没させてくれるのである。取り敢えず相変わらずの合格点といった評価になりますね。

(参考試聴) Moonlight Serebade

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2012年11月26日 (月)

初冬の夜にこの2枚:ニッキ・パロットNicki Parrott「Winter Wonderland」 / ダイアナ・パントンDiana Panton「Winter Kiss」

ニッキ・パロット、ダイアナ・パントン~とにかく気楽に初冬の夜に聴きましょう

 もう冬ですね、タイミングよく2枚のアルバムが届きました。今回も我が心を知る美人歌手をこよなく愛する友人からのプレゼントです(感謝)。
 と、言うのもニッキ・パロット、ダイアナ・パントンは、いつもここで取り上げてます。しかし私は熱狂的ファンと言うのとはちょっと違って、取り敢えずは、しっかりと好感を持っている二人であるからです。

NICKI PARROTT 「WINTER WONDERLAND」
Venus Records VHCD01091  ,  2012   

Winterwonderland

 彼女(Nicki Parrott)に関しては今年は豊作でしたね。春のアルバム「Sakura Sakura」、夏には「Summertime」、そして秋の「autumn leaves」の3枚に加えて、”季節シリーズ”の締めくくりである冬のアルバム「WINTER WONDERLAND」の登場です。
 彼女のヴォーカルとベースは当然ですが、ピアノ(John Di Martino)、ドラムス(Tim Horner)、ギター(Paul Meyers)と、彼女の姉のLisa Parrottのサックスと同一メンバーで仕上げています。 このアルバムはその他、テナー・サックス(Houston Person)が加わっていて、かなりサックスのイメージが強いアルバムだ。

 収録全15曲は下記の通りで一枚のCDにたっぷり入っています。

 1. Have yourself a merry little christmas
  2. christmas in new orleans
  3. I'll be home for christmas
  4. The christmas song
  5. Blackberry winter
  6. Blue christmas
  7. I've got my love to keep me warm
  8. Christmas time is here
  9. White christmas
10. June in january
11. My favorite things
12. Winter weather
13. Baby, it's cold outside
14. Winter wonderland
15. What are you doing new year's eve?

 とにかく、クリスマス・ソングのオンパレードとウィンターもので占められています。まあ、欧米、豪州はこの時期はクリスマスはしょうがないのでしょうね。相変わらず各曲無難に癖もなく仕上げています。つまり曲のアレンジがそう刺激的に面白いわけでもなく、そうかといって嫌みは無く、取り敢えず優しいジャズとして優良のではないでしょうか?。うそそう私的には、ちょっとサックスの音が前に出すぎてうるさいと思うことも。オーストラリア出身といえども、ニュー・ヨークで活躍中であって、このスタイルはやむを得ないところか。
 もう少し彼女のベースをバックにゆったりと間を置いたヴォーカルで唄い語って欲しいところ、もともとそうゆうスタイルが良かったのだ。そんな意味では”5.Blue christmas”はピアノと共に、”8.Christmas time is here”、”11.My favorite things”は彼女のベースとピアノと共に聴かせてくれるところは好む世界。締めくくりの”15.What are yoy doing new year's eve”はギター・バックに冬の夜の世界が展開する。やっぱり冬はこれですね。

(参考) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/autumn-leaves-s.html

      *               *

Diana Panton 「Winter Kiss」
Fab Label  MZCF1259  ,  2012

Winterkiss

 こちらはカナダの妖精(?)ダイアナ・パントンの冬物である。やっぱりクリスマスものがたっぷり入っています。例によってメロウ・ヴォイスと表現されるややあどけないような声は彼女の特徴。上のニッキ・パロットのアルバムとかなり曲がダブってますが、こちらは下のようなメンバーで、ドラムスのないバック演奏で、雰囲気はかなり異なっているところが、面白い。

 Diana panton : Vocal
  Guide basso : Cor, flh, tp
  Reg schwager :  guitar
  Don thompson : bass
  (Harrison kennedy : vo on tr.2)

 こちらも16曲たっぷり入ってます。

   1. kissing by the mistletoe
   2. Baby it's cold outside
   3. Christmas Kiss
   4. Winter weather
   5. C'est noël chéri
   6. winter wonderland
   7. Have yourself a merry little christmas
   8. December
   9. Snow
  10. Snowbound
  11. Winter warm
  12. The christmas waltz
  13. Christmas time is here
  14. Let's it Snow
  15. Images of chrismas
  16. Dance nuit silence night

   
 こうしてみるとクリスマスにちなんだ曲って多いですね。まずはアレサ・フランクリンのボッサノヴァ・ナンバーから始まって、あまり一般的でないクリスマス・ソングも唄われる。
”3.Christmas Kiss”は、本来はこれがアルバム・タイトルの曲なんですが、やはり静かなクリマスをじっくり優しく聴かせてくれる。このあたりが近年ファンが多くなってきたところであろう。ギタ-、ピアノの静かなバックもムードたっぷり。私はもともとこのダイアナ・パントンってそう歌はうまいと思わないのですが、そのムードはか弱く、清楚でプリティーというところが聴く者に心をつかむのでしょうね。なかなかのものです。全体に嫌みの無いところがミソ。
 確かに一般的なクリスマス・ソング物と違って、ボッサなムードの加味した演奏などの支えの中や、ピアノのバックのみ又ギターの音のみで聴かせるところもあるヴォーカル・アルバム。冬のさんさんと降る雪の夜の暖かい部屋で聴くにはクリスマスに関係なく心の安まる良いアルバムだ。

 (試聴) http://www.youtube.com/watch?v=sGJBXK0PmRQ
   (参考) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/diana-panton-06.html

Pa071893monoblog
(ポーランド・チェーンストホーヴァにて  2012.10)

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2011年12月19日 (月)

ダイアナ・パントン Diana Panton : 癒しのボサノヴァ・アルバム「私の愛したブラジル」

ダイアナ・パントンの4thアルバムはボサノヴァで迫る!

 私がこのブログでカナダのシュガー・ヴォイスと言われるダイアナ・パントンの2つのアルバム「ピンク~シークレット・ハート」、「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」を取りあげたのは今年の3月だった。それは友人からの紹介で聴いたことによるが、今回のアルバムは今年の秋のリリースで、同様にその友人からのプレゼントである。
 いずれにしてもその唄はクセがなく素朴で純粋な印象のあるところは聴きやすく、その癒し系の世界は魅力があり、私自身も熱烈なファンという訳ではないが、ニュー・アルバムとなれば聴きたくなるというところ。感謝をしつつ聴いてみた。

Dianapantonbrazil_2 「diana panton / to Brazil with love わたしが愛したブラジル」 MUZAK/Fab  MZCF-1238 , 2011

 このアルバムはバラード曲もあるが全編ボサノヴァの世界である。そしてその特徴は、一言で言うとダイアナ・パントンのヴォーカルそしてそのバックの演奏の流れに”美しさと品の良さ”を強く感ずる点である。このあたりはボサノヴァ・アルバムとしては珍しい部類にはいるのではないか。

(members)
  diana panton : vocals
  maninho costa : vocals, drums, percussion
  bill McBirnie : flute
  kiki musumi : cello
  reg schwager : guitar
  silas silva : drums, percussion
  don thompson : bass, piano, viblaphone

 ところで世界での彼女の評価はどうなっているのであろうか?、ただこうしたタイプは多分支持者としては日本は筆頭株にあるのであろうと想像する。つまり日本人好みのタイプは間違いない。力みがなく、そして美しく自然に流して愛らしく唄う響きはおそらくそうだろうなぁと思うのである。
 そしてもう一つの特徴は、このアルバムの何曲かはフランス語で唄われていることだ。それがなんと見事にマッチングしているのに驚く。カナダはもともと歴史的にフランス語が大きな位置を占めている。多分そうした中で彼女も育ったのであろう、身についた言葉によるその唄は見事にボサノヴァに生かしているのである。いやはや驚きだ。

Diana_long_dress2  このアルバムに登場する曲は、それなりに聴かれてきた曲も多い。”サンバ・サラヴァ~映画「男と女」より”、”黒いオルフェ”、”小鳥のように”、”私の島で”など登場する。アルバム全体を通してその出来は非常に丁寧に歌われ、見事に美しく仕上げている。バックではピアノの美しさが印象的で、又チェロの演奏やビブラフォンなど、単なるジャズ演奏といってしまうにはおしいその味付けにも心が惹かれる。

 1. サンバ・サラヴァ 〜『男と女』より (Vinicius de Moraes / Baden Powell)
  2. ディス・ハッピー・マッドネス (Vinicius de Moraes/ Gene Lees / Antonio Carlos Jobim)
 3. ザ・テレフォン・ソング (Menescal / Boscoli / Gimbel)
 4. 黒いオルフェ (Maria Toledo / Louiz Bonfa)
 5. ソー・ナイス (Paolo Valle / Marcos Valle)
 6. イズ・イット・リアリー・ユー? (Diana Panton / Don Thompson)
 7. 夜は千の目を持つ (Buddy Bernier / Jerry Brainin)
 8. 私の島で (Henri Salvador)
 9. フェリシダージ (Vinicius de Moraes / Antonio Carlos Jobim)
10. あなたを愛してしまう (Henri Salvador)
11. ドリーマー (Gene Lees / Antonio Carlos Jobim)
12. アンド・アイ・ラヴ・ヒム (Lennon / McCartney)
13. 小鳥のように (Michel Fugain /Antonio Carlos & Jocafi )
14. 残されし恋には (Albert Beach / Charles Trenet &Leo Chauliac)

 なかなか特徴のある魅力的なアルバムの登場となったが、ただボサノヴァとなると、本場ブラジル出身の私のお薦めのイリアーヌ・イリアスなとどと比較してしまうところだが、音楽的完成度に於いてはイリアーヌのピアノ演奏を取り巻くジャズ演奏陣から見ると、まだまだこのアルバムはその洗練された演奏には一歩及んでいない。又イリアーヌのような熟年女性の奥深いアンニュイと言うかややけだるさのあるそして人間の影の部分にまで迫るヴォーカルの味にもやはり一歩及んでいない。こちらはあくまでもポピュラーな美しいジャズ・アルバムの範疇で爽やかなソフトにしかもメロウな意味での出色なのであって、ブラジルのさらっと流す中のボサノヴァの奥深さとその味にはこれから更に迫って欲しいと期待し願うのである。

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2011年3月 2日 (水)

ダイアナ・パントン Diana Panton : 評判の癒やし系のヴォーカル

またまたカナダ発の女性ヴォーカリストの注目株

 

Dianap2  またしてもカナダの女性ヴォーカリストに焦点を当てることになった。最近、ジャズ系雑誌などで名前がちらほら見えてきたダイアナ・パントンだ。どちらかというとシュガー・ヴォイスとか、ガーリッシュ・ボイスとか、更にスゥイートでキュートとか、清楚でプリティーとか表現されていて、なんとなく興味がそそられる。
 一方、私の愛読雑誌の「ジャズ批評」でも、”ジャズ・オーディオ・ディスク大賞2010”のヴォーカル部門の銀賞に挙げられていた。
 そんな時に、友人からも勧められたことがきっかけで、ここに日本にてリリースされた2枚のアルバムを聴いてみることになった。

 

 

 

Pink 「Pink / Diana Panton Trio + 1  ピンク~シークレット・ハート」 ミューザック MZCF-1231 , 2010 (カナダ盤は2009年)

 昨年日本盤デビューのダイアナ・パントンの日本第2弾である(日本盤第1弾は、後でふれる彼女の2007年の2ndアルバム「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」で、昨年9月にリリース)。実はこの第2弾は御本家カナダでは2009年10月にリリースされた彼女の3rdアルパム、それに2010年11月に日本盤用ボーナス・トラック”secret heart”を録音して追加しリリースされた。
 彼女は19歳の時にベーシストのドン・トンプソンに見いだされた。トンプソンが務めるジャズ教室のワークショップに参加した彼女は、ジャズヴォーカルの虜になる。しかしその後フランスに渡り、パリ大学でフランス文学の学位を取得するという教養も積んでいるようだ。そしてカナダに帰国してから2005年に1stアルバム「・・・yesterday perhaps」でデビューしている。
Pink_pink  従ってこの3rdアルバム「Pink」はその4年後のアルバムということになる。(左がカナダ盤のジャケ~なにかこちらの方が私好み)
 日本デビューからまだ半年であるが、彼女はそれなりのキャリヤーを踏んでいる。

 このダイアナ・パントンの一連のアルバムは、彼女のヴォーカルに、レグ・シュワガーのギターと師匠のドン・トンプソンのベース(ピアノ)のトリオ編成で作られている。そしてこのアルバムになって、イタリアの人気トランペッターのギド・バッソを招いてドラムレスのトリオ・バック・バンドを組んでいる。 

   1. wouldn't it be loverly 素敵でしょうね
   2. my ideal
   3. i walk a little faster
   4. my future just passed
   5. wonder why
   6. me myself and
   7. what ia there to say ?
   8. tea for two 二人でお茶を
   9. please be kind
  10. i wish i knew
  11. they didn't believe me
  12. love-wise
  13. hold me hold me hold me
  14. five minutes more
  15. wait till you see him
  16 secret heart

 比較的マイナーなナンバーが多くじっくり歌い上げる。冒頭からトランペットが響いてジャズ・ムードを盛り上げ、そこに彼女のあまり技巧を凝らしていない可愛い声が耳に優しく入ってくる。そしてなんと全編このパターンで押しまくる。なんとしても彼女の歌声は素直でやや細めの可憐な優しさが特徴的だ。いまやカナダの一つの流行なのか、あのエミリー・クレア・バーロウとも一脈通ずるところがある。こうしたものは癒やし系の愛好家にはたまらないところであろう。
 バック・バンドも静かにゆったりと流れ、ギターの他にヴィヴラフォンも登場して良き時代のジャズ・ムードに導いてくれる。とにかく心が洗われるような曲が展開して良盤であることは間違いない。
 ただ、私好みに若干横から見ると、ちょっと物足りないのは、ジャズ特有の一種の怪しげな危険的ムードがないところか?、そこまで要求するのかと迫ままれば、一歩引いて喝采を浴びせてもいいですけど。

 

Ifthemoon 「diana panton / if the moon turns green.....ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」 ミューザック MZCF-1229  , 2010 (カナダ 2007年)

 

 このアルバムが2010年9月に彼女の日本初登場のもの。月と星のラブソング集といったところか。もちろんこのアルバムでも彼女の清楚でソフトで可憐なヴォイスで包み込んでくる。
 アルバム・タイトル曲の”if the moon turns green”では、耳元で囁くように唄いあげて、とにかく慰められるアルバム。ここでもバックの落ち着いたムードある演奏が快感である。まさに月夜と星空の下にて聴いて欲しいと言いたい。

 

 ここにカナダ発の日本にては新星のジャズ・ヴォーカリストのダイアナ・パントンを聴いての感想を書いた。とにかく安らぎの癒やしを期待したい時にはトップに挙げたいアルバムである。

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